ラグビーアイルランド代表
ラグビーアイルランド代表(ラグビーアイルランドだいひょう、英語: Ireland national rugby union team)は、アイルランドラグビー協会 (IRFU) によって組織されるラグビーユニオンのナショナルチームである。なお、アイルランドが南北に分かれる以前からIRFUが存在していたため、アイルランド共和国および北アイルランドから選手が選出される。エンブレムはシャムロック。
| ユニオン | アイルランドラグビー協会 | ||
|---|---|---|---|
| エンブレム | シャムロック | ||
| ヘッドコーチ |
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| 主将 | クレイグ・ケイシー | ||
| 最多キャップ | キアン・ヒーリー (134) | ||
| 最多得点選手 | ローナン・オガーラ (1,083) | ||
| 最多トライ選手 | ブライアン・オドリスコル (46) | ||
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| 初国際試合 | |||
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(1875年2月15日) | |||
| 最大差勝利試合 | |||
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(2025年7月12日) | |||
| 最大差敗戦試合 | |||
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(2012年6月23日) | |||
| ラグビーワールドカップ | |||
| 出場回数 | 10 (1987年初出場) | ||
| 最高成績 | ベスト8 | ||

概要
編集ホームスタジアムはアビバ・スタジアム。同スタジアムが改修中の時期は、ゲーリック体育協会 (GAA) が所有するクローク・パークを一時的に使用していた。練習場はダブリン郊外のナショナルスポーツキャンパスである。
W杯の最高成績はベスト8。
シックス・ネイションズを構成しており、また、南半球強豪国への遠征用の、イングランド、スコットランド、ウェールズとの合同チーム「ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ」も結成している。
試合開始前の国歌斉唱ではアイルランド共和国の国歌「兵士の歌(アイルランド語: Amhrán na bhFiann)」を使用していたが、北アイルランド問題などを背景に士気に影響するため、1995年のW杯を機に、ラグビーナショナルチーム用のチーム歌「アイルランズ・コール(英語: Ireland's Call)」が作られた。共和国内で開催するホームゲームでは国歌「兵士の歌」と「アイルランズ・コール」の両方を、アウェイゲームでは「アイルランズ・コール」のみを使用している。
選手層が薄いためか、展開力が弱く、上位チームとの対戦では優れたプレースキッカーによる得点で対戦相手に肉薄する。ひたむきなタックルでトライを目指す姿は「魂のラグビー」と評される。2007年のシックス・ネイションズでは優勝候補に挙げられながらも、ホームのフランス戦で終了間際にヴァンサン・クレールに逆転トライを許し、2位に甘んじた。
2007年W杯ではブライアン・オドリスコルなどの選手を中心に上位進出が期待されたが、1次リーグでフランスとアルゼンチンに敗れ、ベスト8に進出することはできなかった。
2009年のシックス・ネイションズにおいて、1985年以来24年ぶりの優勝を果たし、1948年以来61年ぶりとなるグランドスラムを飾った。
2011年W杯はオーストラリアなどを破り、プール戦全勝で準々決勝に進出したが、ウェールズに敗れた。
2015年W杯はフランスなどを破り、プール戦全勝で準々決勝に進出したが、アルゼンチンに敗れた。
2016年11月6日、アメリカ・シカゴで行われたニュージーランドとのテストマッチを40-29で勝利した。1905年の初対戦から数えて29回目して初のニュージーランド戦勝利となった[1]。
2018年のシックス・ネイションズで、2009年以来の優勝とグランドスラムを達成。11月18日にダブリンでニュージーランドをノートライに抑え、16-9で勝利した[2]。
2019年W杯直前の9月7日に行われたウェールズとのテストマッチに19-10で勝利。この結果、9月9日付でアイルランド代表史上初めて世界ランキング1位の座に就いた[3]。2019年W杯では2戦目でホスト国の日本に敗れたが、プール戦3勝1敗の2位で準々決勝に進出。準々決勝ではニュージーランドに14-46で敗れ、今大会でもベスト8の壁を破ることはできなかった。
2021年オータムネーションズシリーズにおいて、11月6日に 9トライを重ね60-5で日本を倒し[4]、11月13日には29-20でニュージーランドを3年ぶりに破り[5]、ホームグラウンドで連勝した。
2023年3月18日、シックス・ネーションズ2023最終戦でイングランドを29-16で下し、5年ぶり4度目の全勝優勝「グランドスラム」となった[6]。
成績
編集シックス・ネイションズ
編集2025年3月16日現在
| イングランド |
アイルランド |
スコットランド |
ウェールズ |
フランス |
イタリア | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 試合数 | 135 | 137 | 137 | 137 | 102 | 32 |
| 単独優勝(カッコ内は同時優勝)回数 | ||||||
| ホーム・ネイションズ時代 | 5 (4) | 4 (4) | 10 (3) | 7 (4) | 該当せず | 該当せず |
| ファイブ・ネイションズ時代 | 17 (6) | 6 (5) | 5 (6) | 15 (8) | 12 (8) | 該当せず |
| シックス・ネイションズ (現在) | 7 | 6 | 0 | 6 | 7 | 0 |
| 合計 | 29 (10) | 16 (9) | 15 (9) | 28 (12) | 19 (8) | 0 (0) |
| グランドスラム(全勝優勝)回数 | ||||||
| ホーム・ネイションズ時代 | 0 | 0 | 0 | 2 | 該当せず | 該当せず |
| ファイブ・ネイションズ時代 | 11 | 1 | 3 | 6 | 6 | 該当せず |
| シックス・ネイションズ (現在) | 2 | 3 | 0 | 4 | 4 | 0 |
| 合計 | 14 | 4 | 3 | 12 | 10 | 0 |
| トリプルクラウン(ホーム・ネーションズ(英4か国)内での全勝)回数 | ||||||
| ホーム・ネイションズ時代 | 5 | 2 | 7 | 6 | 該当せず | 該当せず |
| ファイブ・ネイションズ時代 | 16 | 4 | 3 | 11 | 該当せず | 該当せず |
| シックス・ネイションズ (現在) | 5 | 8 | 0 | 5 | 該当せず | 該当せず |
| 合計 | 26 | 14 | 10 | 22 | 該当せず | 該当せず |
| ウドゥン・スプーン(最下位チーム賞)回数 | ||||||
| ホーム・ネイションズ時代 | 7 | 10 | 5 | 6 | 該当せず | 該当せず |
| ファイブ・ネイションズ時代 | 10 | 15 | 15 | 10 | 12 | 該当せず |
| シックス・ネイションズ (現在) | 0 | 0 | 4 | 3 | 1 | 18 |
| 合計 | 17 | 25 | 24 | 19 | 13 | 18 |
ラグビーワールドカップ
編集選手
編集現在の代表
編集アイルランド代表スコッド[7]
※所属、 キャップ数(Cap)は2025年11月5日現在
かつての主な選手
編集ワールドラグビー男子ランキング
編集ワールドラグビーが発表するデータにもとづく。
| 上位30チーム(2025年11月10日時点)[8] | ||||
|---|---|---|---|---|
| 順位 | 変動* | チーム | ポイント | |
| 1 | 南アフリカ共和国 | 93.06 | ||
| 2 | ニュージーランド | 91.35 | ||
| 3 | アイルランド | 88.85 | ||
| 4 | イングランド | 88.06 | ||
| 5 | フランス | 86.95 | ||
| 6 | アルゼンチン | 84.30 | ||
| 7 | オーストラリア | 81.69 | ||
| 8 | スコットランド | 81.21 | ||
| 9 | フィジー | 81.15 | ||
| 10 | イタリア | 78.98 | ||
| 11 | ジョージア | 74.69 | ||
| 12 | ウェールズ | 73.57 | ||
| 13 | 日本 | 73.25 | ||
| 14 | スペイン | 69.12 | ||
| 15 | 4 | ウルグアイ | 68.52 | |
| 16 | 1 | アメリカ合衆国 | 67.40 | |
| 17 | 1 | サモア | 66.94 | |
| 18 | 1 | チリ | 66.72 | |
| 19 | 1 | トンガ | 66.66 | |
| 20 | ポルトガル | 64.52 | ||
| 21 | ルーマニア | 63.02 | ||
| 22 | ベルギー | 61.78 | ||
| 23 | 香港 | 59.98 | ||
| 24 | カナダ | 58.85 | ||
| 25 | ジンバブエ | 58.80 | ||
| 26 | オランダ | 57.01 | ||
| 27 | ナミビア | 56.39 | ||
| 28 | スイス | 55.26 | ||
| 29 | ポーランド | 54.36 | ||
| 30 | スウェーデン | 53.05 | ||
| *前週からの変動 | ||||
| アイルランドのランキングの推移 | ||||
生のグラフデータを参照/編集してください. | ||||
| 出典: ワールドラグビー[8] 推移グラフの最終更新: 2025年11月10日 | ||||
脚注
編集- ^ 王者オールブラックスがアイルランドに初の敗戦、連勝が18で止まる
- ^ アイルランドがNZ撃破、ホームで初の歴史的快挙 日本とW杯同組
- ^ アイルランドが世界ランク1位でW杯へ ウェールズ下し初のトップ奪取
- ^ “日本代表、ダブリンで完敗。エースも躍動したアイルランド代表に圧倒され5-60。 | ラグビーリパブリック” (2021年11月6日). 2021年11月13日閲覧。
- ^ “アイルランドがまたもホームでオールブラックスを撃破!通算3勝目 - スポニチ Sponichi Annex スポーツ”. スポニチ Sponichi Annex. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “W杯イヤーに欧州を制したのはアイルランド! 5年ぶりにグランドスラム達成 - ラグビーリパブリック” (2023年3月18日). 2023年3月20日閲覧。
- ^ Farrell Names Ireland Squad For The Gallagher Cup And Quilter Nations Series . Ireland Rugby(2025年10月15日). 2025年11月5日閲覧。
- ^ a b “Men's World Rankings”. ワールドラグビー. 2025年11月10日閲覧。