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*[[バリュージェット航空]] - 1990年代にアメリカに存在した航空会社
{{出典の明記|date=2012-10|ソートキー=人2007年没}}
*[[ギャラクシーエアラインズ]] - 2000年代に存在した[[佐川急便]]グループが親会社の航空会社
{{Infobox Musician<!-- プロジェクト:音楽家を参照 -->
{{aimai}}
| 名前 = 松村 禎三
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| 画像 = Teizo Matsumura.jpg
| 画像説明 = 1956年
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| 画像補正 = <!-- 画像の横幅が広く、高さが小さい場合に“yes”を記入 -->
| 背景色 = classic
| 出生名 = <!-- 出生時の名前が公表されている場合にのみ記入 -->
| 別名 =
| 出生 = {{生年月日と年齢|1929|1|15|no}}
| 出身地 = {{JPN}}・[[京都市]]
| 死没 = {{死亡年月日と没年齢|1929|1|15|2007|8|6}}
| 学歴 = [[第三高等学校 (旧制)|旧制第三高等学校]]理科
| ジャンル = [[現代音楽]]、[[映画音楽]]
| 職業 = [[作曲家]]、[[俳句|俳人]]
| 担当楽器 =
| 活動期間 = [[1955年]] - [[2007年]]
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| 公式サイト =
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{{Portal クラシック音楽}}
'''松村 禎三'''(まつむら ていぞう、[[1929年]][[1月15日]] - [[2007年]][[8月6日]])は、[[日本]]の[[作曲家]]、[[俳句|俳人]]。[[東京芸術大学]][[名誉教授]]。
 
== 来歴 ==
[[京都市]]([[下京区]][[仏光寺通]]室町西入ル)で生まれる。両親は京都の町人の出身であり、父は代々呉服屋の家系であった。父は[[尺八]]を、母は[[箏]]を嗜んでいた。禎三は、幼い頃から音楽に興味を示し、小学生で簡単な作曲は始めていた。京都時代は1945年から1949年まで[[高橋恒治]]にピアノを、1947年から1949年まで和声を[[長廣敏雄]]に師事。10歳の頃には父をがんで失い、1949年には母を結核で失う。1945年に[[第三高等学校 (旧制)|旧制第三高等学校]]理科に入学。寮生活を通じて、音楽だけでなく様々な出会いと経験を積む。[[1949年]]、旧制第三高等学校理科を卒業。
 
母を失ったことをきっかけとして、作曲家への道を目指して[[清瀬保二]]を頼って上京する<ref>アプサラス編『松村禎三作曲家の言葉』春秋社、2012年、p.159。</ref>。清瀬の紹介で、[[東京芸術大学]]教授の[[池内友次郎]]に和声、対位法、作曲を師事。また、清瀬の家に出入りしていた[[武満徹]]とも親交を結ぶ。[[1950年]]、芸大受験をするが[[結核]]のため受験を失敗、5年間の闘病生活に入る。療養中の1950年代初頭より、[[俳句]]も創作するようになる。退院した1955年に《序奏と協奏的アレグロ》が第24回[[日本音楽コンクール|NHK毎日音楽コンクール]]管弦楽部門で1位に入賞、デビュー作となった。そのコンクールの審査員であった[[伊福部昭]]に作品を評価されたこをときっかけに伊福部門下となる。その後《阿知女》《クリプトガム》《ピアノと弦楽四重奏のための音楽》《交響曲第1番》(「日フィルシリーズ」第14作目)などを続けて発表。
 
教育者としても、1970年より東京芸術大学音楽学部作曲科にて教鞭を執る(1975年助教授、1978年教授)。現代音楽のみならず映画、舞台の分野でも活躍し、毎日映画コンクール音楽賞、イタリア放送協会賞、1989年〜1992年にかけて連続で[[日本アカデミー賞]]優秀音楽賞を受賞。[[サントリー音楽財団]]委嘱による[[遠藤周作]]の小説に基づくオペラ《[[沈黙 (遠藤周作)|沈黙]]》の作者としても知られ、その成果により京都音楽賞大賞、毎日芸術賞、[[東燃ゼネラル音楽賞|モービル音楽賞]]、都民文化栄誉賞など数々の賞を受賞している。
 
2007年8月6日午後2時50分、[[肺炎]]のため[[東京都]][[港区 (東京都)|港区]]の病院で死去した。78歳。墓所は、東京都[[稲城市]]坂浜の新ゆり天望の丘墓苑にある。
 
==作曲作品と特徴==
デビュー当時から、[[モーリス・ラヴェル|ラヴェル]]、[[イーゴリ・ストラヴィンスキー|ストラヴィンスキー]]、[[アジア]]の伝統音楽の影響を受けた豊穣な響きと、生命の根源に直結したエネルギーと哲学的な思索に基づく創作を行った。
 
「アジア的な発想をもった、生命の根源に直結したエネルギー」を志向して《交響曲第1番》や《管弦楽のための前奏曲》を完成させ、《ピアノ協奏曲第1番》《ピアノ協奏曲第2番》、そして、邦楽器への作曲をへて、《チェロ協奏曲》、さらにはオペラ《沈黙》の作曲に至る。アジア、東洋に求めた創作の源泉は、オペラ《沈黙》を経て、人間性の回復や、存在そのものへの深い思索へと向かう。
 
《交響曲第2番》では、「アジア」だけにこだわることなく、人間そのものへの深い眼差しによって、自身の音楽を展開するようになった。
 
最晩年の《ゲッセマネの夜に》では、キリスト最後の夜を題材にしたジョットの絵画の複製を見て、人間存在が持つ逃れられない原罪と、深い哀しみを音楽に込めた。
 
==受賞・栄典==
*1969年 [[尾高賞]](管弦楽のための前奏曲)
*1970年 第25回毎日映画コンクール 音楽賞「地の群れ」
*1972年 第27回毎日映画コンクール 音楽賞「忍ぶ川」
*1973年 第28回[[芸術祭]]優秀賞
*1979年 第10回[[サントリー音楽賞]]、[[尾高賞]](2回目、ピアノ協奏曲第2番)、第34回芸術祭優秀賞
*1990年 [[紫綬褒章]]、第10回藤堂顕一郎音楽褒賞
*1992年 第10回[[京都府文化賞]](功労賞)
*1994年 [[毎日芸術賞]]、[[都民文化栄誉章]]、[[モービル音楽賞]]
*2000年 [[勲四等旭日小綬章]]<ref>「秋の叙勲 晴れの受章者 勲四等-勲七等」『読売新聞』2000年11月3日朝刊</ref>
 
== 主な作品 ==
=== オペラ ===
* [[沈黙 (オペラ)|沈黙]](1993年)
 
=== 交響曲 ===
* [[交響曲第1番 (松村禎三)|交響曲第1番]](1965年)
* [[交響曲第2番 (松村禎三)|交響曲第2番]](1998年)
 
=== 管弦楽曲 ===
* 序奏と協奏的アレグロ(1955年)
* [[管弦楽のための前奏曲]](1968年)
* [[弦楽のためのプネウマ]](1987年)
* [[ゲッセマネの夜に]](2002年)
 
=== 協奏曲 ===
* ピアノ協奏曲第1番(1973年)
* [[ピアノ協奏曲第2番 (松村禎三)|ピアノ協奏曲第2番]](1978年)
* チェロ協奏曲(1984年)
* [[ピアノと弦楽オーケストラのための朝の歌]](2001年)
 
=== 室内楽曲 ===
* 弦楽四重奏による交響的断章(1950年)
* 隠花植物(1958年)
* 弦楽四重奏とピアノのための音楽(1962年)
* [[アプサラスの庭]](1971年、1974年改作)
* 篠笛と琵琶のための詩曲(1979年)
* アルトサクソフォーンと琵琶のための詩曲(1980年)
* ピアノ三重奏曲(1987年)
* 弦楽四重奏曲(1996年)
 
=== ピアノ曲 ===
* ギリシャによせる2つの子守唄(1969年)
 
=== 声楽を含むオーケストラ曲 ===
* 阿知女〈アチメ〉(1957年)
* 祖霊祈祷(1969年):1970年の大阪万博テーマ館のための音楽。(合唱)東京混声合唱団、(管弦楽)東京交響楽団、(指揮)石丸寛(11分08秒)<タワーレコード NCS 589-590>。
* 交響詩「やまなし」(1974年)
 
=== 合唱曲 ===
* このをとめ(1956年)
*暁の讃歌(1978年)東京混声合唱団委嘱初演
*ゆき(1980年)
* 牧歌(1983年)
*丘の向こうに(1985年)
*合唱組曲「蛙」(1998年)ローレル・エコー委嘱初演
 
=== 映画音楽 ===
==== [[熊井啓]]監督作品 ====
* [[地の群れ (映画)|地の群れ]](1970年)
* [[忍ぶ川]](1972年)
* [[朝やけの詩]](1973年)
* [[北の岬 (映画)|北の岬]](1976年)
* [[海と毒薬 (映画)|海と毒薬]](1986年)
* [[千利休 本覺坊遺文]](1989年)
* [[ひかりごけ]](1992年)
* [[深い河]](1995年)
* [[愛する (映画)|愛する]](1997年)
* [[日本の黒い夏─冤罪]](2001年)
* [[海は見ていた]](2002年)
 
==== [[黒木和雄]]監督作品 ====
* [[竜馬暗殺]](1974年)
* [[祭りの準備]](1975年)
* [[原子力戦争]](1978年)
* [[夕暮まで]](1980年)
* [[泪橋 (小説)|泪橋]](1983年)
* [[TOMORROW 明日]](1988年)
* [[浪人街 (1990年の映画)|浪人街]](1990年)
* [[美しい夏キリシマ]](2003年)
* [[父と暮せば]](2004年)
* [[紙屋悦子の青春]](2006年)
 
==== その他 ====
* [[九十九本目の生娘]](1959年、[[曲谷守平]]監督)
* 傷つける野獣(1959年、[[野口博志]]監督) - 松村貞三と表記
* [[激闘の地平線]](1960年、[[小森白]]監督)
* [[太平洋横断ケーブル]](東京シネマ製作)
* 炎と女(1967年、[[吉田喜重]]監督)
* 狭山の黒い雨(1973年、須藤久監督)
* [[月山 (小説)|月山]](1979年、[[村野鐵太郎]]監督)
* [[暗室 (映画)|暗室]](1983年、[[浦山桐郎]]監督)
* [[夢千代日記]](1985年、浦山桐郎監督)
* [[時代屋の女房|時代屋の女房2]](1985年、[[長尾啓司]]監督)
* [[ダウンタウン・ヒーローズ]](1988年、[[山田洋次]]監督)
* [[息子 (映画)|息子]](1991年、山田洋次監督)
* [[眠れる美女#映画化|眠れる美女]](1995年、[[横山博人]]監督)
* [[ラブ・レター (小説)|ラブ・レター]](1998年、[[森崎東]]監督)
 
== 著書 ==
* 『旱夫抄 : 松村禎三句集 新版』深夜叢書社, 1991年
* 『松村禎三 作曲家の言葉』アプサラス編, 春秋社, 2012年
*;
※他に[[1990年代]]前半まで、[[教育出版]]の[[音楽教育|音楽]][[教科用図書|教科書]]の著作にも携わっていた。
 
== 門下 ==
* [[肥後一郎]](1940年 - 2019年)
* [[北爪道夫]](1948年 - )
* [[池上敏]](1949年 - )
* [[二宮洋]](1950年 - )
* [[多田栄一]](1950年 - )
* [[吉松隆]](1953年 - )
* [[高橋裕 (作曲家)|高橋裕]](1953年 - )
* [[鈴木行一]](1954年 - 2010年)
* [[小鍛冶邦隆]](1955年 - )
* [[小山薫]](1955年 - 2006年)
* [[甲田潤]](1957年 - )
* [[山本純ノ介]](1958年 - )
* [[川崎絵都夫]](1959年 - )
* [[山内雅弘]](1960年 - )
* [[若林千春]](1961年 - )
* [[柿沼唯]](1961年 - )
* [[阿部亮太郎]](1962年 - )
* [[佐藤昌弘]](1962年 - )
* [[田頭勉]](1962年 - )
* [[立原勇]](1962年 - )
* [[土田英介]](1963年 - )
* [[塚本一実]](1963年 - )
* [[菊池幸夫]](1964年 - )
* [[佐々木冬彦]](1965年 - )
* [[伊東乾]](1965年 - )
* [[正門憲也]](1968年 - )
* [[名倉明子]]
 
== 脚注 ==
{{Reflist}}
 
== 外部リンク ==
* [https://web.archive.org/web/20060811032144/http://www003.upp.so-net.ne.jp/johakyu/matsumura.htm 松村禎三作品リスト]
* [https://web.archive.org/web/20160307102543/http://mother-earth-publishing.com/catalog/default.php?manufacturers_id=85 松村禎三出版楽譜とCD一覧]/[[マザーアース (楽譜出版社)|マザーアース]]
* {{Jmdb name|0186700}}
* {{allcinema name|252218}}
* {{kinejun name|90162}}
* {{imdb name|0559582}}
* [https://tm-apsaras.jimdofree.com アプサラス](教え子である作曲家[[高橋裕 (作曲家)|高橋裕]]を中心とする松村禎三の業績を伝え、遺志を引き継ぐために設立された会)
 
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{{毎日芸術賞}}
{{毎日映画コンクール音楽賞}}
{{Normdaten}}
 
{{DEFAULTSORT:まつむら ていそう}}
[[Category:日本の男性作曲家]]
[[Category:近現代の作曲家]]
[[Category:日本のオペラ作曲家]]
[[Category:日本の映画音楽の作曲家]]
[[Category:20世紀日本の俳人]]
[[Category:21世紀日本の俳人]]
[[Category:東京芸術大学の教員 (音楽)]]
[[Category:勲四等旭日小綬章受章者]]
[[Category:旧制第三高等学校出身の人物]]
[[Category:京都大学出身の人物]]
[[Category:京都市出身の人物]]
[[Category:結核に罹患した人物]]
[[Category:1929年生]]
[[Category:2007年没]]