「切妻造」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2019年9月}}

'''切妻造'''（きりづまづくり）とは後述の切妻屋根を用いた建築様式。[[画像:Gable roof.jpg|280px|right]]

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'''切妻屋根造'''（きりづまづくり）とは[[屋根]]形状のひとつで屋根の最頂部の[[棟]]から地上に向かって二つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をした屋根。広義には当該屋根形式をもつ建築物のことを指す。'''[[切妻屋根]]'''ともいう。

== 基本用語 ==

=== 妻平入り・桁妻入り ===

建物の各面の呼び名として、正面長辺側、あるいは屋根の棟（むね）（大棟）と平行な方向面を'''平'''（ひら）といい、短辺側面、あるいは屋根の棟（大棟）と直角な方向面を'''妻'''（つま）という。

'''[[妻]]'''（つま）とは建物の中央や中心に対して他端を意味する端（つま）を語源とし、[[配偶者]]の呼び名の妻は[[家屋]]の「つまや」に居たことから名付けられた。[[料理]]の添え物として用いられる代表的な「刺身のつま」も同じ意味をもつ。

[[日本建築の神社仏閣等]]の[[寺社]]建築・旧[[街道]]沿いに残る[[商家]]等の[[町屋 (商家)|町屋]]建築における「'''[[平入|平入り]]'''」（平入、ひらいり）や「'''妻入り'''」（妻入、つまいり）とはそれぞ、建物のいずれの各面に正面出入り口のがあるかによって分類した様式をいいで、'''平入り'''は屋根上述の「平らな」の側の壁面に出入り口がある。ものを指し、「妻」側から出入りするものを'''妻入り'''という<ref>{{Cite book|和書|author=今和次郎|year=1943|title=改稿　日本の民家|publisher=相模書房|pages=P.39}}</ref>。

'''桁'''（けた）とは鉛直に立つ[[柱]]に対して水平方向に位置する横架材の総称。屋根においては柱の上部で屋根の重量を柱に伝達する役目を担い、棟木と平行な向きに位置する。桁に対して水平方向で且つ直行方向のものを'''[[梁 (建築)|梁]]'''（はり）という。

'''[[妻]]'''（つま）とは建物の中央や中心に対して他端を意味する端（つま）を語源とし、[[配偶者]]の呼び名の[[妻]]は[[家屋]]の「つまや」に居たことから名付けられた。[[料理]]の添え物として用いられる代表的な「刺身のつま」も同じ意味をもつ。

=== 平入り・妻入り ===

[[Image:Kawasaki(Ise)-01.JPG|thumb|220px|妻入りの切妻造の例]]

[[Image:Izawa-no-miya 01.JPG|thumb|220px|切妻造の神社の例]]

[[Image:Sagawa art museum01s3200.jpg|thumb|220px|切妻造の現代建築の例]]

建物の各面の呼び名として、正面、あるいは屋根の棟（むね）（大棟）と平行な方向を'''平'''（ひら）といい、側面、あるいは屋根の棟（大棟）と直角な方向を'''妻'''（つま）という。

これらは街並みにおいて[[道路]]と建物の関係を示すもので、建物の棟を道路とのあいだにつくり、道路からは屋根の軒側から入る形式となる。道路に対して圧迫感がなく、馴染みやすい街並みをつくる。

建物を水平投影した際の長辺、またその長さ、その方向を、'''桁'''・'''桁行'''・'''桁行方向'''といい、短辺を'''妻'''、短辺方向を'''妻側'''という。妻側の大きさを'''梁間（はりま）'''・'''梁行（はりゆき）'''という。

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画像:Nara Old Building Yoshioka.jpg|平入りの[[町家]]<br>奈良県[[ならまち]][[吉岡家住宅]]

画像:Kyoto gion02.jpg|平入りの[[京町家]]の街並み<br>京都府[[祇園]]新橋通

画像:Kawasaki(Ise)-01.JPG|妻入りの民家<br>三重県[[河崎 (伊勢市)|河崎]]

画像:Izumozaki cityscape.jpg|妻入りの街並み<br>新潟県[[出雲崎町]]

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=== 桁行・梁間 ===

日本建築の神社仏閣等の寺社建築・旧街道沿いに残る商家等の町屋建築における'''平入り'''（平入、ひらいり）や'''妻入り'''（妻入、つまいり）はそれぞれの各面に出入り口のある様式をいい、'''平入り'''は屋根の平らな側の壁面に出入り口がある。妻側から出入りするものを'''妻入り'''という。

'''[[桁 (建築)|桁]]'''（けた）とは鉛直に立つ[[柱]]建物最上部の大棟に対して水平行方向（平側）に位置すし、屋根荷重を支える横架水平材の総称。その長さを'''桁行'''、その方向を'''桁行方向'''といい、屋根においては[[柱]]の上部で屋根の重量を柱に伝達する役目を担い、棟木（むなぎ）と平行な向きに位置する。桁に対して水平方向で且つ直行方向のものを'''[[梁 (建築)|梁]]'''（はり）という。

一方、大棟や桁に対して直交方向（妻側）に掛かる水平材を'''[[梁 (建築)|梁]]'''（はり）という。その長さを'''梁間'''（はりま）、方向を'''梁行'''（はりゆき）・'''梁間方向'''という。

== 屋根 ==

=== 切妻屋根 ===

切妻屋根とは屋根形状のひとつで屋根の最頂部の棟から地上に向かって二つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をした屋根。

=== 神社建築における切妻屋根 ===

神社建築においては、本殿の屋根を切妻造、あるいはその派生形である流造とするものが多い。

=== 棟 ===

[[画像:Ise Shrine Meizukuri.jpg|210px|right|thumb|<small>屋根の頂部に並ぶ10本の円筒状水平材が鰹木、頂部から交差して突き出ている斜め材が千木。千木の先端は水平に切断されている（[[伊勢神宮]]本殿（正殿））。</small>]]

[[神社建築]]においては、屋根の最頂部にある構造材の棟木（むなぎ）の上に'''[[千木・鰹木|鰹木]]'''（かつおぎ）と呼ぶ屋根を押さえる重石の役目を担う水平材が取り付く（右図）。

=== 妻 ===

神社建築においては、妻部分の斜め材を囲う[[破風]]（はふ）部分の破風板が延長して'''千木'''（ちぎ）と呼ぶ斜め材が突出する（右図）。

千木の最端部が水平に切断されているものは女神、鉛直に切断されているものは男神を祀ると言う俗説がある。

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== ギャラリー ==

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[[Image画像:Sagawa art museum01s3200.jpg|thumb|220px|'''切妻造'''の[[現代建築の例]]<br />日本[[滋賀県]]、[[佐川美術館]]

画像:Linyuan Gate Jiyuan.jpg|'''切妻造'''の[[道観]]<br>中国[[河南省]][[済源市]]、[[済瀆廟]]

画像:Sudeoksa 02.JPG|'''切妻造'''の[[仏教寺院]]<br>韓国[[忠清南道]][[礼山郡]]、[[修徳寺]]

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== 脚注==

{{脚注ヘルプ}}

<references/>

== 関連項目 ==

* [[河原町妻入商家群]]（[[篠山市篠山伝統的建造物群保存地区|篠山伝建地区]]）

* [[神社建築]]

* [[寄棟造]]

* [[宝形造]]

* [[入母屋造]]

* [[日本建築史]]

== {{屋根 ==}}

{{日本の建築}}

{{Architecture-stub}}

[[Category{{DEFAULTSORT:神社建築|きりつまつくり]]}}

[[categoryCategory:日本の神社建築様式|造きりつまつくり]]

[[Category:屋根|きりつまつくり日本の建築様式]]

[[Category:屋根]]

<!--[[en:Gable]]-->

[[Category:東アジアの伝統建築意匠]]