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[[File:舟岩吉田古墳出土 銀環.JPG|thumb|right|220px|[[高知茨城県]][[南国水戸市]]の[[舟岩吉田古墳]]出土品。中段に2列に並ぶ耳環(金環・銀環)がある。<br>([[高知県立歴史民俗資料館埋蔵文化財センター|水戸市埋蔵文化財センター]])]]
 
[[File:舟岩古墳群 出土品.JPG|thumb|right|220px|[[高知県]][[南国市]]の[[舟岩古墳群]]出土品。中段に2列に並ぶ耳環(金環・銀環)がある。([[高知県立歴史民俗資料館]])]]

'''耳環'''(じかん)とは、[[古墳時代]]後期から[[飛鳥時代]]にかけて造られた[[環]]状の[[金属]]製[[耳飾り]]([[イヤリング]])である。[[金]]・[[銀]]・[[銅]]製のほか、[[銅]](または[[青銅]])の表面に金を[[鍍金]]した金銅(こんどう)製や銀鍍金、銅や[[鉄]]の表面に薄い金・銀板を巻いて製作したものがある。表面素材によって「'''[[金環]]'''」・「'''銀環'''」・「'''銅環'''」とも呼び分ける<ref>[https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/82951046638.HTM 耳環(金環・銀環・銅環)]([[三重県総合博物館]])</ref>。
 
== 概要 ==
[[古墳時代]]後期から[[飛鳥時代]]にかけての[[古墳]]や[[横穴墓]]の[[副葬品]]として発見されることが多い<ref>。ただし他の副葬品のように、[[埋葬]]時に[[遺体]]の近くに添えられたのではなく、遺体の耳に着けられていたものが出土していると考えられている{{sfn|上田 (2006年 pp.)|p=105-110</ref>}}。数多くの古墳から出土しており、その分布も全国的であるが、大きさはまちまちである<ref>[https://www.city.seiyo.ehime.jp/miryoku/seiyoshibunkazai/bunkazai/shi/syukei_kouko/4561.html 西予市の文化財・市指定 金環]([[愛媛県]][[西予市]]サイト)</ref>。また、純金・純銀製のものはほとんど無く、多くは金銀の[[鍍金]]である<ref>[https://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/center/relics/art/details/17.html 耳環]([[神戸市埋蔵文化財センター]])</ref>。当時の[[埴輪]]にも耳環を付けた表現があり、男女を問わず耳につけていたと考えられている<ref>{{sfn|上田 (2006年 pp.)|p=108-109</ref>}}
 
[[装飾付大刀#袋状柄頭の大刀(袋頭大刀)|圭頭大刀や方頭大刀]]の吊り金具として使用されたである「環付足金具」にも似ているが、大刀の吊り環付足金具の場合「脚」という大刀に接続させる別部品が巻き付いて、[[]]に伴っていることが多い<ref>{{sfn|豊島 (2011年 pp.)|p=44-45</ref><ref>}}{{sfn|豊島 (2013年 pp.)|p=77-96</ref>}}
 
なお、[[千葉県]][[市市]]にある古墳時代後期前半の[[江子田金環塚古墳]]は、旧名を「瓢箪塚古墳」と呼んだが、純金製の金環の出土によって「金環塚」と呼ばれるようになった事例である<ref>[https://www.city.ichihara.chiba.jp/maibun/isekifile25.htm 江子田金環塚古墳](市原市埋蔵文化財調査センター・遺跡ファイル)</ref>。
 
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
* {{Cite journal|和書|author=上田薫「[https |date=2006 |url=http://sugino-fc.repoid.nii.ac.jp/index.php?action1461/00000072/ |title=repository_view_main_item_detail&item_id=78&item_no=1&page_id=13&block_id=21 研究ノート・古墳時代の耳飾り]」『 |journal=杉野服飾大学・杉野服飾大学短期大学部紀要5』[[ |ISSN=13483501 |publisher=杉野服飾大学]] 2006年|volume=5 pp.105~110|pages=105-110 |naid=110007025172 |ref={{harvid|上田(2006)}}}}
* {{Cite journal|和書|author=豊島直博 |date=2011-06 |url=https://doi.org/10.24484/sitereports.14513-10533 |title=020 飛鳥池遺跡出土刀装具について |journal=奈良文化財研究所紀要 : 奈良文化財研究所紀要 |ISSN=1347-1589 |publisher=独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |volume=2011 |pages=44-45 |doi=10.24484/sitereports.14513-10533 |hdl=11177/1990 |id={{CRID|1390853650400113024}} |ref={{harvid|豊島(2011)}}}}
*豊島直博「[https://repository.nabunken.go.jp/dspace/bitstream/11177/1990/1/BA67898227_2011_044_045.pdf 飛鳥池遺跡出土刀装具について」]『奈良文化財研究所紀要』pp.44~45 2011年
* {{Cite journal|和書|author=豊島直博「[https://ci.nii.ac.jp/naid/40019945097 |year=2013 |title=環付足金具をもつ鉄刀の編年」]『 |journal=考古学研究 |ISSN=03869148 |publisher=考古学研究会 |volume=60- |issue=3 pp|pages=77-96 |naid=40019945097 |id={{CRID|1520009407504326016}} |url=https://ndlsearch.77~96ndl.go.jp/books/R000000004-I025150940 |ref={{harvid|豊島(2013)}}}}
 
==関連項目==
*[[金環]]
*[[耳飾り]]
*[[イヤリング]]
 
{{考古学}}
{{Japanese-history-stub}}
{{DEFAULTSORT:かん}}
[[Category:日本の考古資料]]
[[Category:古墳]]
[[Category:金器]]
[[Category:日本の装身具]]
[[Category:青銅器]]