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[[File:Giấy ghi việc in sẵn-Preprinted Post it notes.JPG|thumb|Preprinted Post it notes付箋。]]
'''付箋'''(ふせん、'''附箋'''とも)、[[英語|英]]:Sticky notes/Post-it)は、メモ書きを一時的に[[文書]][[書籍]]等・封筒・机などに貼り付けるために使用れる片。'''付箋'''だけ紙片を意味するが、'''付箋紙'''と呼ばれることがある。
 
本来は、貼り付け対象の文書等に、糊かセロハンテープでメモ用紙程度の小紙片を貼付するものである。しかし近年では、糊やテープを用意しなくても貼ったり剥がしたりできる市販製品を指すことも多い。特に、後述する[[3M]]社の製品'''ポスト・イット'''もしくはこの製品に対し3M社の日本法人であった[[スリーエム ジャパン|住友スリーエム]]株式会社が名づけた'''付箋紙'''と呼ばれることが多い<ref>{{Cite book |和書 |last= |first= |author= |authorlink= |coauthors= |translator= |year=1983 |title=週刊ダイヤモンド |publisher=ダイヤモンド社 |page=60 |volume=71 |id= |isbn= |quote= はってはがせるポスト'イット付箋紙が3色に〈住友スリーエム〉はって、はがせて、またはれるー。こんな文具がアダルトの間で人気を呼んでいる。}}</ref>。
== 概要 ==
近年では、剥がし易い[[糊]]を利用した紙片を指すことが多く、後述する[[3M]]社の製品「ポスト・イット」がその代表となっている。また、近年では、[[コンピュータ]]の[[デスクトップ環境|デスクトップ]]上でこの付箋の役目を果たす[[アプリケーションソフトウェア|アプリケーション]]も開発されており、[[Zhorn Software]]開発の「[[Stickies]]」や[[インフォテリア]]開発の「[[lino]]」、[[日本]]ではROTOの開発による[[付箋紙 (ソフトウェア)|付箋紙]]などがその代表例である。なお、近年では[[実行ファイル]]ではなく[[デスクトップ]]や[[Web]]における[[スタートページサービス]]での標準[[ウィジェット]]としての提供も多い。
 
== 付箋の製品 ==
付箋には、
=== ポスト・イット ===
[[画像:Post-It.jpg|thumb|ポスト・イット]]
最初の糊付き付箋製品である'''ポスト・イット''' ('''Post-it''') は[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の化学メーカー[[3M]]によって開発された。[[1969年]]、同社の研究員[[:en:Spencer Silver|スペンサー・シルバー]]は強力な[[接着剤]]を開発中に、たまたま非常に弱い接着剤を作り出してしまった。当初この弱い接着剤は用途が見つからなかったが、[[1974年]]に同社研究員[[:en:Arthur Fry|アーサー・フライ]]が[[本]]の[[栞]]に応用できないかと思いついた。この[[エピソード]]は、偶然から大発明を生む「[[セレンディピティ]](偶察力)」の典型例として知られる<ref>「宇宙創成(下)」206p、[[サイモン・シン]]著、[[青木薫]]訳、[[新潮文庫]]</ref>。[[1977年]]には試作品が完成、テスト販売では当初苦戦するが、大企業の秘書課に配られた試供品が好評を博し、[[1980年]]の全米発売につながる。それ以降、ポスト・イットは世界中に広まり、現在では100ヶ国以上で販売されている。
 
* 半透明で向こうが透けてみえるもの
定番は[[黄色]]であるが、売れ行きが伸びるに従って、[[蛍光|蛍光色]]を用いたものや[[面積]]の大きいもの、互い違いに接着してあり連続して取り出せるポップアップシリーズなど、さまざまな[[バリエーション]]が造られている。なお、先端に色の付いたポスト・イットは日本の消費者の提案によって実現された。
* ミシン目に沿って一部が切り取れるもの
書籍や[[書類]]に貼る以外に、コンピュータ・ディスプレイの枠などに貼り付けて備忘録や伝言メモとして使われることも多いが、そういったシボ(梨地)加工された場所でははがれやすかったため、より強い接着面を持つポスト・イットも作られた。
* 粘着部分のみを切り離して使えるもの
 
等がある<ref>{{Cite web|和書|title=使って楽しい、便利な“変わり種”付箋10選|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO98203110Z00C16A3000000/|website=NIKKEI STYLE|accessdate=2020-01-10|language=ja|last=日本経済新聞社・日経BP社}}</ref>。
=== ポスト・イット(付箋)の注意点 ===
<br />
[[図書館]]では蔵書にポスト・イットを使用しないよう利用者に求めているところもある。これは、長期間の保存を前提としている資料を傷めてしまうのを防ぐためである。資料を傷める理由としては、ポスト・イットを剥がす際に表面を剥ぎ落としてしまう場合があること、またポスト・イットを剥がした後に残ってしまう糊が[[カビ]]・虫喰い・[[シミ]]の原因になることなどが挙げられている。
=== ポスト・イット ===
[[画像:Post-It.jpg|thumb|ポスト・イット]]
最初の糊付き付箋製品である'''ポスト・イット'''({{lang-en|'''Post-it'''}} 登録商標、[[1980年]]発売)は、[[アメリカ合衆国]]の化学メーカー[[3M]]によって開発された。[[1969年]]、3Mの研究員[[スペンサー・シルバー]]は、強力な[[接着剤]]を開発中に、たまたま非常に弱い接着剤を作り出してしまった。当初この弱い接着剤は用途が見つからず、「失敗の産物」と思われていたのだが、特許を取得していた。
 
[[1974年]]に3M研究員[[アーサー・フライ|アート・フライ]]が、[[本]]の[[栞]]に応用できないかと思いついた。この[[エピソード]]は、[[偶然]]や失敗から大発明を生む「[[セレンディピティ]](偶察力)」の典型例として知られる<ref>「宇宙創成(下)」206p、[[サイモン・シン]]著、[[青木薫]]訳、[[新潮文庫]]、2009年、ISBN 978-4102159750</ref>。
=== デスクトップで利用可能な付箋紙ソフトウェア ===
*lino - [[インフォテリア]]製のオンライン付箋ソフト
*[[KNotes]] - [[KDE]]環境で利用可能なもの
*[[スティッキーズ]] - [[Mac OS X]]に付属
*[[Zhorn Software]]開発の「[[Stickies]]」
*Sticky Notes、[[Tomboy (ソフトウェア)|Tomboy]] - [[GNOME]]環境で利用可能なもの
*日本ではROTOの開発による[[付箋紙 (ソフトウェア)|付箋紙]]
などがある。
 
日本での発売時には、日本独自の要望に応え、付箋の先端を赤く塗ったものを販売したところ、爆発的に売れた<ref>{{Cite web|和書|title=3M|ポスト・イット® ノート|製品開発ストーリー|url=http://www.mmm.co.jp/wakuwaku/story/story2-7.html|website=www.mmm.co.jp|accessdate=2020-01-10|language=ja}}</ref>。
== 古文書学における付箋 ==
 
[[古文書学]]においては、文書[[料紙]]の右端部分にメモ書きとして[[端書]]が記されることがあり、文書とは別の紙片にメモ書きが記され貼りつけられているものを付箋と呼ぶ。なお、付箋のうち紙片全体が文書に貼り付けられるものを特に押紙と呼ぶ。
== 注意点 ==
[[図書館]]では蔵書にポスト・イット付箋を使用しないよう利用者に求めているところもある。これは、長期間の保存を前提としている資料を傷めてしまうのを防ぐためである。資料を傷める理由としては、ポスト・イット付箋を剥がす際に表面を剥ぎ落としてしまう場合があることほかまたポスト・イットを剥がしたときに残ってしまう糊が[[カビ]]・虫喰い・[[シミ]]本の劣化の原因になることなどが挙げられている<ref>{{Cite web|和書|title=図書館の本に付箋を貼ったらこんなことに。神奈川県立図書館が「恐怖の写真」で訴え|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/fusen_jp_5c5d742ce4b0974f75b2bb82|website=ハフポスト|date=2018-06-26|accessdate=2019-12-10|language=ja}}</ref>
 
== 古文書学コンピュータ分野における付箋 ==
近年では、コンピュータ、スマートフォン上でこの付箋の役目を果たすアプリケーションが、[[Microsoft Windows|Windows]]<ref>{{Cite web|和書|title=Windows 10標準の付箋アプリが大幅アップデート ~同期機能や書式設定機能などが追加/管理画面が追加され、付箋の検索や非表示化も可能に|url=https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1145457.html|website=窓の杜|date=2018-10-01|accessdate=2020-01-10|language=ja|last=株式会社インプレス}}</ref>, [[macOS]]<ref>{{Cite web|和書|title=Mac 標準の付箋アプリ 「スティッキーズ」が便利|url=https://satoshisgarage.tech/?p=6710|website=Macガレージ|date=2018-11-01|accessdate=2020-01-10|language=ja}}</ref>, [[Android (オペレーティングシステム)|Android]]<ref>{{Cite web|和書|title=Androidのホーム画面に貼り付けられる付箋ウィジェット|url=https://xtech.nikkei.com/it/pc/article/column/20140521/1131163/|website=日経 xTECH(クロステック)|accessdate=2020-01-10|language=ja|first=日経|last=xTECH(クロステック)}}</ref>などで開発されている。
 
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
{{commonscat|Post-it notes}}
* [httphttps://www.mmm.copost-it.jp/office3M/post_itja_JP/post-it-jp/index.html ポスト・イット 日本語ウェ サイトランド]
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ふせん}}
[[categoryCategory:文房具]]
[[Category:書物]]
[[Category:古文書紙製品]]
 
[[ca:Post-It]]
[[da:Post-it]]
[[de:Klebezettel]]
[[en:Post-it note]]
[[es:Post-it]]
[[fi:Post-it]]
[[fr:Post-it]]
[[hu:Post-it]]
[[it:Post-it]]
[[ko:포스트잇]]
[[la:Nota glutinosa]]
[[nl:Post-it]]
[[nn:Post-it]]
[[no:Post-it]]
[[pt:Post-it]]
[[ru:Бумага для заметок]]
[[simple:Sticky note]]
[[sk:Post-it]]
[[sv:Post-It]]
[[tr:Post-it]]
[[vi:Giấy ghi việc]]
[[zh:便利貼]]