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[[ファイル:Tonburi Seed.JPG|サムネイル|250px|とんぶり]]
'''とんぶり'''は、[[アカザ科]][[ホウキギ属]]<ref name="山と渓谷">{{Cite book|和書|author1=門田裕一(監修)|author2=畔上能力(編集)|author3=平野隆久(写真) |year = 2013 |title = 野に咲く花 |edition=増補改訂新版 |series=山溪ハンディ図鑑 |publisher = [[山と渓谷社]] |page = 291 |isbn = 978-4635070195 }}</ref>の[[一年草]]である[[ホウキギ]](学名: ''Bassia scoparia''<!-- (L.) A.J.Scott--><ref name=Ylist>[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=5703 米倉浩司・梶田忠 (2003-) YList:ホウキギ] 2018年12月12日閲覧。</ref>〈[[シノニム]]: ''Kochia scoparia''<!-- (L.) Schrad.--><ref>[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=35313 米倉浩司・梶田忠 (2003-) YList:ホウキギ(シノニム)] 2018年12月12日閲覧。</ref>〉ホウキソウ、ホウキグサ)の成熟果実を加熱加工した食品の、日本語での名称である<ref name="maff">{{Cite web|和書|url=https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/32.html |title=登録の公示(登録番号第32号) 大館とんぶり |publisher=農林水産省 |accessdate=2018-12-12 }}</ref>。
日本では1,000年以上前に[[中国]]から[[薬用植物]]として渡来したといわれ{{sfn|からだにやさしい旬の食材|page=165}}、[[民間療法]]で用いる[[生薬]]の一つであったが、現代では[[日本の文化|日本文化]]における食品の一つとして用いられることが多くなった。
== 概要 ==
ホウキギの成熟果実を加熱加工した食品である{{R|oodate}}。直径1 - 2[[ミリメートル]]程度の粒状で、味は無味無臭だが、プチプチとした歯触りを楽しむ食材として使われることが多く、「畑のキャビア」とも呼ばれる{{r|oodate}}。
ホウキギはホウキに加工するために日本各地で栽培されていたが、次第に衰退した{{R|oodate}}。とんぶりは、加工が難しいことなどから日本国内の他地域では生産が普及しておらず、[[秋田県]][[大館市]]のみで栽培、生産が継続して行われている{{R|oodate}}。'''大館とんぶり'''(おおだてとんぶり)は、秋田県大館市の特産食材である。
[[漢方医学]]では'''地膚子'''(日本語読み:ぢぶし、じふし)と呼ばれ{{R|東洋}}、主に[[利尿]]と[[強壮]]を薬効とする生薬として扱われた。とんぶりのスコパリアノシド (scoparianoside) 類とコチアノシド (kochianoside) 類には、[[小腸]]での[[グルコース]]の吸収抑制等による[[血糖値]]上昇抑制活性が認められた<ref>{{Cite journal|和書|author=吉川雅之|doi=10.1271/kagakutoseibutsu1962.40.172|title=薬用食物の糖尿病予防成分|journal=化学と生物|year=2002|volume=40|issue=3|pages=172-178}}</ref>。
== 呼称 ==
「とんぶり」の名称の由来については諸説あるが、唐から伝来した「ぶりこ」([[ハタハタ]]の[[魚卵|卵]])からついた呼び名『とうぶりこ』が[[転訛]]したものとする説が有力である{{R|東洋}}。
== 食べ方 ==
さっと熱湯にくぐらせてから、[[酢の物]]、[[酢味噌和え]]、粘りのある食材([[納豆]]・[[ナメコ]]・[[とろろ]]など)と合わせて食べる{{sfn|からだにやさしい旬の食材|page=165}}。
ご飯や[[豆腐]]に乗せて食したり、細く切った[[キュウリ]]や[[ツナ]]と混ぜて食されることが多い{{R|東洋}}。他にも[[パスタ]]料理に使用されるなど、料理のジャンルを問わずに利用されている{{R|東洋}}。
==
ホウキギの原産地は中国、南アジア、ヨーロッパであり、日本へは[[平安時代]]に渡来したとされる{{sfn|からだにやさしい旬の食材|page=165}}{{R|東洋}}。
秋田県大館市の周辺地域では江戸時代からホウキギの果実を食用とする習慣があり、現代までその文化は続いている{{R|東洋}}。もっぱら各農家で自家消費用に製造して食していたと考えられているが、[[1973年]]に大館市にとんぶり加工場が作られたことで、商品として安定した出荷が行われるようになった。当初は地方色の強い食材であり、秋田県など[[東北地方]]で食べられてきたが、真空パック品が製造されるようになって、流通が拡大されたことで入手も容易になり{{sfn|からだにやさしい旬の食材|page=165}}、大館のとんぶりは日本全国的に周知されるようになった{{R|oodate}}。
[[2017年]]に「大館とんぶり」が秋田県初の[[地理的表示|地理的表示(GI)]]として登録される{{R|東洋}}。
ピークの[[1988年]]には、生産量は418トン、生産農家は138戸あったが、以降は減少し、[[2018年]]時点では生産量は54トン、生産農家は7戸だった{{R|東洋}}。さらに2023年度には生産農家は5戸まで減少<ref name="fnn20240922">{{Cite web |title=畑のキャビア「トンブリ」継承へ 生産組合が門外不出の栽培方法を解禁 新たな担い手が奮闘中【秋田発】(FNNプライムオンライン) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/6dcf7298c563b50ae908123f3a1527a75e6251a2 |website=Yahoo!ニュース |date=2024-09-22| access-date=2024-09-22 |language=ja}}</ref>。同年度は天候の影響もあり、生産量は20トン余りに落ち込んだ<ref name="fnn20240922" />。生産者減少への対策として、大館とんぶり生産組合は旧比内町以外の農家への栽培技術指導を解禁し、2024年度には地域外で新規に2戸が栽培を開始した<ref name="fnn20240922" />。
== 生産 ==
大館市の中でも比内地域(旧[[比内町]])でのとんぶり生産量が多い{{R|東洋}}。他地域産のとんぶりが市場で流通しているという情報はなく、流通しているものはすべて大館市産と考えられている{{R|oodate}}。
比内地域は山に囲まれた地形であり、風によって成熟したホウキギ果実が落ちることが防げることと、豊富な湧き水に恵まれているため、とんぶりの加工に必要な水を確保できることが、この地域にとんぶり生産、加工の文化が根付いた要因である{{R|oodate|東洋}}。
また、比内地区の多くはコメ農家であるため、冬期の収入減を補うため、とんぶりの生産を始めたという経緯もある{{R|東洋}}。
とんぶりの生産方法は以下の通り{{r|oodate|東洋}}。
# 4月下旬からホウキギの種まきを行い、定植や開花を経て、9月から10月上旬に成熟した実を収穫する。
# 1週間ほど天日や乾燥機で乾燥させる。
# 釜で乾燥した実を十分に煮て、24時間湯温でふやかす。
# 実を揉んで果皮(外皮)を取り除き、脱水する。
== 栄養価 ==
栄養素は[[カロテン]]が可食部100[[グラム]]中に800[[ミリグラム]]含まれ、[[鉄]]、[[マグネシウム]]、[[ビタミンB群]]、[[ビタミンK]]、[[葉酸]]、[[食物繊維]]も多く含まれている{{sfn|からだにやさしい旬の食材|page=165}}。
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author =講談社編|title = からだにやさしい旬の食材 野菜の本|year=2013|publisher=[[講談社]]|isbn=978-4-06-218342-0|ref=からだにやさしい旬の食材}}
{{Reflist|refs=
<ref name="東洋">{{Cite web|和書|website=東洋経済ONLINE|publisher=[[東洋経済新報社]]|url=https://toyokeizai.net/sp/media/191118ja/|title=秋田から世界へ羽ばたく「畑のキャビア」大館とんぶり|date=2019-11-18|accessdate=2024-08-02}}</ref>
<ref name="oodate">{{Cite web|和書|title=大館とんぶり|url=https://pd.jgic.jp/register/entry/32.html|website=地理的表示産品情報発信サイト|accessdate=2020-04-12}}</ref>
}}
== 関連項目 ==
* [[農業全書]]
* [[アカザ科]]
* [[ふかわりょう]] - とんぶり応援大使
== 外部リンク ==
* {{Cite web|和書|url=http://star.gs/~miyake/sakumotu/tonburi.html|title=野菜名 畑のキャビアとんぶり(箒木・ほうきぎ)|work=野菜の花と虫たち(ウェブサイト)|publisher=クラインガルテン京都|accessdate=2010-03-20|archiveurl=https://web.archive.org/web/20100323170714/http://star.gs/~miyake/sakumotu/tonburi.html|archivedate=2010-03-23|url-status=dead|url-status-date=2018-03}}
* {{Cite web|和書|url=http://www.pref.akita.jp/fpd/shokubunka/shoku-22.htm |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210623050409/pref.akita.jp/fpd/shokubunka/shoku-22.htm |title=畑のキャビア・とんぶり |work=美食・秋田の食文化 - 美の国あきたネット(公式ウェブサイト) |publisher=秋田県農林水産部農山村振興課 |accessdate=2010-03-20 |archivedate=2021-06-23 }}
* {{Cite web|和書|url=http://www.oodate.or.jp/user/shimoda/resipi/Rtonburi.htm |title=とんぶりの美味しい食べ方 |publisher=秋田物産館 |accessdate=2013-05-11 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20090223054318/http://www.oodate.or.jp/user/shimoda/resipi/Rtonburi.htm |archivedate=2009-02-23 |url-status=dead|url-status-date=2018-03 }}
{{地理的表示}}
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[[Category:アカザ科]]
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[[Category:秋田県の食文化]]
[[Category:秋田県の農業]]
[[Category:日本の地理的表示保護制度登録産品]]
[[en:Bassia scoparia#Tonburi]]
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