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関連項目: 日本の学術界の捏造を実質的に取り締まっている11jigen、匿名A、Ordinary_researchersの追加と整理
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{{Misinformation}}
[[科学]]的探求および学術研究における'''[[捏造]]'''<!-- 文部科学省は研究活動の不正行為関連では「捏造」という用語を使用しているので「ねつ造」ではなく「捏造」を優先します -->(ねつぞう、でつぞう、{{lang-en-short|Fabrication}})は、存在しない[[データ]]研究結果等を、あたかも自分が実施したかのように意図的に作成し、研究成果や学業成果として[[学術出版]]、[[論文]]、[[書籍]]、[[申請]]書、[[レポート]]([[調査]]や[[研究]]等の[[報告書]]、[[学校]]で課題として提出する[[論文#小論文|小論文]])などで発表・申請・提出、あるいは口頭で発表する行為である<ref name="amed">{{Cite web|和書|url=https://www.amed.go.jp/content/000033945.pdf |title=Ⅰ 研究不正と認定された事例 |format=PDF |publisher =日本医療研究開発機構(AMED) |accessdate=2022-09-17}}</ref><ref name="jsps">{{Cite web|和書|url=https://www.jsps.go.jp/j-kousei/data/rinri.pdf |title=科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-【テキスト版】 |format=PDF |publisher =日本学術振興会 |accessdate=2022-09-17}}</ref>。[[研究不正]]の一種
 
== 全体像 ==
研究における捏造行為は、[[研究公正]]・[[研究倫理]]に違反する行為であって、一般的には[[法律]]に抵触しない。それでせず犯罪として扱われない<ref name="hirata_20061027112">{{cite journal |和書|author=平田容章 |title=研究活動にかかわる不正行為 |journal=立法と調査 |volume= 261号|issue= |pages=112-121 |date=2006-10-27 |year= 2006|pmid= |doi= |url=httphttps://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2006pdf/20061027112.pdf}}</ref>。しかし、重大な捏造行為は[[詐欺罪]]などの犯罪に該当することが多い。中国では捏造を含めた研究不正によって健康被害が生じた場合、最大で死刑が言い渡されることもある<ref>{{Cite web |title=研究不正を犯したら~死刑もある中国、おとがめなしの日本(榎木英介) - エキスパート |url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/808f49922f12bd7343456e11af4d38e111566796 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2025-04-18 |language=ja}}</ref>
 
日本を含めほとんどの先進国では、[[学術]]界の[[科学における不正行為|不正行為]]を捏造、[[改ざん (科学)|改ざん]]、[[盗用]]の3つと定義していて、おり捏造は[[科学における不正行為]]とみなされる。2014年に文部科学省は捏造、[[改竄 (科学)|改竄]]、[[盗用]]の3つを「特定不正行為」と命名している<ref name="mext140826" />
 
学術界では理系分野に限定せず、[[心理学]]、[[法学]]、[[文学]]などを含め、すべての分野を対象に、大学教員、研究者、大学院生に捏造を禁じている。
捏造、「[[改ざん (科学)|改ざん]]」、[[盗用]]の3つを、文部科学省は、2014年に「特定不正行為」と命名した<ref name=mext140826 />。[[白楽ロックビル]]は、「研究不正」に対応させた「研究ネカト」と呼ぶことを提唱している<ref name=istaj_201603>{{cite journal |author=白楽ロックビル|title=海外の新事例から学ぶ「ねつ造・改ざん・盗用」の動向と防止策 |journal= 情報の科学と技術 |volume=66 |issue= 3 |pages=109-114 |year=2016年|month= 3月 |pmid= |pmc= |doi= |url=http://www.infosta.or.jp/journals/201603-ja/#4}}</ref> 。
 
米国の[[高等教育]]界では、捏造行為を重大な[[学業不正]]の1つとみなし、大学院生、学部生に禁じている。重大な捏造をすればほぼ[[退学]]処分になる。学位論文審査で発覚すれば、捏造の質と量に応じ警告レベルから学位の不授与や退学処分まである。また、一度授与された学位でもはく奪されることが多い。
学術界では、理系分野に限定せず、[[心理学]]、[[法学]]、[[文学]]などを含め、すべての分野を対象に、大学教員、研究者、大学院生に捏造を禁じている。
 
米国一方、日本の[[高等教育]]界では、捏造行為を重大な[[学業不正]]の1つとみなで禁止、大学院生、学部生に禁じている。重学は少捏造をすればかったがほぼ[[退最近]]処分になる。学位論文審査発覚禁止れば、捏造の質と量るよう応じなり警告レベルから「けん責」「停位の不授与や」、「退学処分まであと記述す。まようになっ、一度授与された学位でもはく奪されることが多い
 
一方、日本の[[高等教育]]界では、[[学則]]で禁止していた大学は少なかったが、最近、学則で禁止するようになり、「けん責」、「停学」、「退学」処分と記述するようになった。
 
== 定義 ==
=== 日本 ===
基本は、2006年の[[文部科学省]]のガイドライン「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」である<ref name="mext2013/05/07/1213547_001">{{citeCite web|和書|last=|first=|title=研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて|url=httphttps://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/houkoku/__icsFiles/afieldfile/2013/05/07/1213547_001.pdf|publisher=文部科学省|date=平成182006(2006年)88月8日|accessdate=2016年2月28日}}</ref>。このガイドラインを、2014年8月26日に改訂した<ref name="mext140826">{{citeCite web|和書|last=|first=|title=研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン|url=httphttps://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf|publisher=文部科学省|date=平成262014(2014年)88月26日|accessdate=2016年2月28日}}</ref>。前文は変更されたが、「改ざん」の定義の変更はない。以下、2014年版ガイドライン「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に記載された不正行為を引用する。
 
{{Quotation|対象とする不正行為は、故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる、投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん及び盗用である(以下「特定不正行為」という。)。<br />
 
(1)捏造
{{Indent|存在しないデータ、研究結果等を作成すること。}}
(2)改ざん
{{Indent|研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。}}
(3)盗用
{{Indent|他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること。}}
|文部科学省|研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて<ref name="mext140826" />}}
 
2014年8月26日の改訂で、捏造、「[[改ざん (科学)|改ざん]]」、[[盗用]]」の各定義は変わらないが、この3つを「特定不正行為」と命名した。
 
また、冒頭部分は2006年版の「本ガイドラインの対象とする不正行為は、発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造と改ざん、及び盗用である。ただし、故意によるものではないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当たらない。」が2014年版で変更された。
 
2014年版では、「故意によるものではないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当たらない」という文章がなくなり、「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った」場合は不正とみなされることになった。
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前文に次の文章がある。
 
{{Quotation|不正研究は、研究の申請、遂行、審査、あるいは、研究結果を発表・報告する時の「ねつ造」「改ざん」「盗用」である。<br />Research misconduct means fabrication, falsification, or plagiarism in proposing, performing, or reviewing research, or in reporting research results.}}
 
そして一行の定義がある。
46 ⟶ 45行目:
 
== 捏造の具体例 ==
英語版ウィキペディアが示す例<ref name="Shapiro1992">{{citation
| last = Shapiro | first = M.F.
| year = 1992
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*実験を全くしないで実験データを作ること。英語ではこの行為を「dry-labbing」と呼ぶ。日本語に訳すと「カラ実験」である。
 
米国・[[マイアミ大学]]が示す例<ref name="uresearch.miami">{{cite web|last=National Academy of Sciences|first=|title=Research Integrity - Regulatory & Compliance Services - Office of Research|url=httpshttp://archiveuresearch.ismiami.edu/sXl7jregulatory-compliance-services/research-integrity|publisher=University of Miami|date=|accessdate=2016-03-02|archiveurl=https://archive.is/20140927230425/http://uresearch.miami.edu/regulatory-compliance-services/research-integrity|archivedate=2014年9月27日}}</ref>
* [[心理学]]などで、インタビューしていない人の架空のアンケート回答を作る。
* 実際には実験していないのに、実験したかのような実験データを作成する。
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* [[臨床研究]]などで、法令順守に従うために、架空の治療経過記録(clinical note、progress note)を研究記録に挿入する。
 
米国・[[アメリカ国立衛生研究所|NIH]]が示す例<ref name="NIH_research_misconduct">{{cite web|last=|first=|title=Research Integrity, Definitions, Fabrication|url=httpshttp://archivegrants.isnih.gov/xZOUbgrants/research_integrity/research_misconduct.htm|publisher=Office of Extramural Research, NIH|date=|accessdate=2016-03-02|archiveurl=https://archive.is/20140419111459/http://grants.nih.gov/grants/research_integrity/research_misconduct.htm|archivedate=2014年4月19日}}</ref>
* 多くの(あるいは一定数の)参加者を集めなければならないという期待と圧力に負けて、研究コーディネーターが架空の人物名と参加者情報を記入して[[医薬品]]の[[治験]]参加書を作成した。
* [[バーモント州]]の生物医学研究者[[エリック・ポールマン (生物医学者)|エリック・ポールマン]](Eric Poehlman)が実在しない患者のデータをでっちあげた。
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{{Quotation|モナ・ティルチェルヴァン事件
 
2012年6月29日、ニュージャージー医科歯科大学の元・助教授のモナ・ティルチェルヴァンは、2005年にEnvironmental Health Perspectiveと Journal of Biological Chemistryに出版した2つの論文でのデータねつ造を認め、論文を撤回した。2つの論文とも、パーキンソン病(PD)患者の[[神経細胞]]への[[殺虫剤]]の影響に関する研究で、論文では、[[ハツカネズミ|マウス]]と[[ラット]]の脳の中の[[黒質]][[線条体]]の神経細胞数を数えたことになっていた。しかし、調査の結果、神経細胞は一度も数えられたことがなかった、という事実が判明した。|ヘイリー・ダニング|『科学者』誌(The Scientist)<ref name="130629Scientist">{{cite journal |author= Hayley Dunning|chapter= |title=Parkinson’s Researcher Fabricated Data |journal= The Scientist |volume= |issue= |pages=|date=2013-06-29|year=2013 |pmid= |pmc= |doi= |url=httpshttp://archivewww.isthe-scientist.com/Puu94?articles.view%2FarticleNo%2F32305%2Ftitle%2FParkinson-s-Researcher-Fabricated-Data%2F|accessdate=2016-03-02|archiveurl=https://archive.is/20130630100155/http://www.the-scientist.com/?articles.view/articleNo/32305/title/Parkinson-s-Researcher-Fabricated-Data/|archivedate=2013年6月30日}}</ref>}}
 
== 捏造事件のリスト ==
事件の網羅的リストではない。数例を示す。
{{see also|捏造}}
<!--ここでは捏造事件の事例分析を記述しない。-->
=== 生物学・医学 ===
* [[サマーリン事件]](1974年)
* [[:en:Lancet_MMR_autism_fraud|ランセットMMR自閉症詐欺]]{{small|(英語版)}}(1998年) - [[アンドリュー・ウェイクフィールド]]による自閉症とMMRワクチンを関連付ける捏造論文<ref name="natgeo_8174">{{Cite web|和書|url=https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/8174/ |title=自閉症と予防接種にまつわる迷信 |publisher =National Geographic |date=2013-07-18 |accessdate=2022-09-11}}</ref><ref>{{cite journal |vauthors=Godlee F, Smith J, Marcovitch H |title=Wakefield's article linking MMR vaccine and autism was fraudulent |journal=BMJ |volume=342 |issue= |pages=c7452 |date=January 2011 |pmid=21209060 |doi=10.1136/bmj.c7452 |url=}}</ref>
*[[エリック・ポールマン (生物医学者)|ポールマン事件]](2001年)
*[[黄禹錫#ES細胞論文不正事件|ES細胞論文不正事件]](2004年)
*[[スコット・ルーベン|ルーベン事件]](2009年)
* [[藤井善隆|元東邦大准教授の麻酔医による論文内の大量データ捏造]](2012年)
* [[森口尚史|iPS細胞を使った世界初の心筋移植手術の捏造と誤報]](2012年)<ref>{{cite web|1=和書|title=iPS森口氏捏造 見抜けなかった理由をジャーナリストが検証|publisher=NEWSポストセブン|date=2012-10-22|accessdate=2016-03-02|url=http://news.livedoor.com/article/detail/7068001/|archiveurl=https://archive.is/dhjWR20130731145330/http://news.livedoor.com/article/detail/7068001/|archivedate=2013年7月31日}}</ref>
* [[京都府立医科大学]]教授による血圧降下剤[[バルサルタン]]の臨床試験データなどの論文捏造(2013年)<ref>{{cite web|1=和書|title=元教授は「懲戒解雇相当」 府立医大論文捏造 教授会が処分へ|publisher=京都新聞|date=2013-05-02|accessdate=2016-03-02|url=http://kyoto-np.co.jp/education/article/20130502000078|archiveurl=https://archive.is/BRZlw20130731145334/http://kyoto-np.co.jp/education/article/20130502000078|archivedate=2013年7月31日}}</ref>
* [[刺激惹起性多能性獲得細胞|刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)]](2014年)
 
=== 物理学 ===
*[[ヘンドリック・シェーン|ベル研シェーン事件]](2002年)
 
=== 考古学 ===
92 ⟶ 94行目:
* [[別黄字銃筒捏造事件]](1995年)
* [[旧石器捏造事件]](2000年)
 
=== 工学 ===
* [[ナイロンザイル事件]]における公開実験(1955年)
*[[デビッド・ギルバート]]による[[トヨタ自動車の大規模リコール (2009年-2010年)|トヨタ自動車の大規模リコール]]に関する実験(2010年)
 
== 発覚の結末 ==
欧米の場合、捏造が発覚すれば、多くの場合、研究者としての人生は終わる。というのは、不正研究をしたことで、所属機関から[[懲戒免職]]・[[懲戒解雇]]され、研究助成機関からの研究助成金は没収または返還が要求される。学術界は狭い世界で、かつ、競争が激しいため、不正研究を犯した研究者は、通常の大学・研究機関で再び採用されることはまれである。そのうえ、数年間は研究助成機関からの研究助成を受けられない。出版社からは、[[論文]]の掲載が断られる。
 
しかし、例外もある。特に研究者の地位が高く優れた業績をあげていた場合、学術界は、当該研究者の業績が傷つかないように結束して防御することがある<ref>{{citeCite web|last=Wilmshurst|first=Peter|title=Dishonesty in Medical Research|url=http://www.medico-legalsociety.org.uk/articles/dishonesty_in_medical_research.pdf|accessdate=2016-03-02|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130521050439/http://www.medico-legalsociety.org.uk/articles/dishonesty_in_medical_research.pdf|archivedate=2013-05-21|url-status=dead|url-status-date=2017-10}}</ref>。
 
韓国では、元[[ソウル大学]]教授の[[黄禹錫]]の捏造事件が世界を騒がせた。2004年の[[サイエンス]]論文、2005年の[[ネイチャー]]論文が捏造だとされたことから始まり、研究費不正、韓国の[[生命倫理]]法違反まで広がり、2014年2月に韓国の[[最高裁]]で懲役1年6か月、執行猶予2年の刑が確定した。しかし、2014年、研究に復帰したと、[[ネイチャー]]や[[サイエンス]]が報道した<ref>{{Cite news|1= 和書|url= httpshttp://archiveastand.isasahi.com/YQEAPmagazine/wrscience/2014090400011.html?iref=comtop_fbox_d2_04|author= 高橋真理子|title= クローンES細胞論文を捏造した黄禹錫博士の「復活」- WEBRONZA+科学・環境 - WEBマガジン|publisher= [[朝日新聞]]|date= 2014-09-08| accessdate= 2016-03-02|archiveurl= https://archive.is/20140927230457/http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2014090400011.html?iref=comtop_fbox_d2_04|archivedate= 2014年9月27日}}</ref>。
 
日本では、[[理化学研究所]](当時)の[[小保方晴子]]による[[刺激惹起性多能性獲得細胞|STAP細胞]]事件が世界を騒がせた。2014年にネイチャーに論文が発表され若返りも不可能ではない夢の細胞現象だと一躍注目を浴びたが、世界の研究者達から再現不可能との疑義や論文の捏造等が指摘され、ほどなく捏造や改竄があったと認定されて論文は撤回され、論文に関わった同研究所発生再生科学総合研究センター副センター長の[[笹井芳樹]]の自殺にまで発展する騒動となり、結局STAP細胞の存在は確認できなかったと結論づけられた。<ref>『捏造の科学者 STAP細胞事件』 須田桃子 文藝春秋 2015年1月7日</ref>
 
日本は、不正研究に対する認識が欧米に近づきつつあるとはいえ、欧米に比べ処分はかなり甘い。また処分の軽重もバラバラである。学術界から追放されない不正研究者も多数存在する<ref>{{cite book |author= 白楽ロックビル |chapter= |title=科学研究者の事件と倫理 |publisher=講談社 |___location=東京 |year=2011 |isbn= 9784061531413 |edition= |url=}}</ref>。[[ナイロンザイル事件]]における公開実験で不正を行った[[東京製綱]]と[[大阪大学]]工学部教授の篠田軍治には処分は無く、篠田は[[日本山岳会]]の名誉会員になっている
 
[[学位]][[論文]]で捏造が発覚すれば、欧米の場合、かつて授与された[[学位]]が取り消されることが多い。日本は欧米の基準を徐々に採用しつつある。例えば、東京大学は、2005-2007年に博士号を授与した3人の元大学院生の博士論文にデータ捏造や改ざんがあったという理由で、2015年3月27日、博士号を取り消した<ref>{{cite web|1=和書|title=東大、3人の博士号取り消し 論文の捏造や改ざん認定|publisher=朝日新聞|date=2015-03-27|url=http://www.asahi.com/articles/ASH3W2RNQH3WULBJ003.html|accessdate=2016-03-02|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150423114550/http://www.asahi.com/articles/ASH3W2RNQH3WULBJ003.html|accessdatearchivedate=2016-03-022015年4月23日}}</ref>。
 
なお、[[ヘンドリック・シェーン]]の場合は幾分特殊である。2004年、[[ヘンドリック・シェーン]]は、米国の[[ベル研究所]]の調査委員会からデータ捏造で有罪であるとされた。その後、[[ドイツ]]の[[コンスタンツ大学]]から[[博士号]]がはく奪された。シェーンの不正研究は米国のベル研究所でなされたものであって、彼がドイツのコンスタンツ大学で博士号を取得した研究は問題視されていなかった。にもかかわらず、[[博士号]]がはく奪されたのである。コンスタンツ大学職員によれば、ベル研究所で不正研究を行なったという理由でコンスタンツ大学の博士号がはく奪されたとのことである。
 
日本では、博士論文に不正がない研究者が、後に、別の研究で不正研究をしたからという理由で、博士号が取り消された例はない。
 
欧米では学位以外の免許などが取り消される例もあり、捏造論文を執筆した[[アンドリュー・ウェイクフィールド]]は医療行為ではなく研究の不正により医師免許を剥奪されている<ref>{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20130512115524/http://www.gmc-uk.org/Wakefield_SPM_and_SANCTION.pdf_32595267.pdf |title=General Medical Council, Fitness to Practise Panel Hearing, 24 May 2010, Andrew Wakefield, Determination of Serious Professional Misconduct |format=PDF |publisher =General Medical Council |accessdate=2022-09-17}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://web.archive.org/web/20100527003931/http://www.guardian.co.uk/society/2010/may/24/mmr-doctor-andrew-wakefield-struck-off |title=MMR row doctor Andrew Wakefield struck off register |publisher =The Guardian |date=2010-05-24 |accessdate=2022-09-17}}</ref>。
 
== 脚注 ==
120 ⟶ 128行目:
== 関連項目 ==<!--項目の50音順-->
{{Div col|3}}
 
* [[Ordinary_researchers]]
* [[改ざん (科学)]]
* [[科学における不正行為]]
* [[学業不正]]
128 ⟶ 135行目:
* [[研究公正局]]
* [[研究倫理]]
* [[11jigen権謀術数]]
* [[出版後査読]]
* [[大量訂正 (論文)]]
* [[撤回 (論文)]]
* [[撤回監視]]
* [[捏造]]
* [[盗用]]
* [[匿名Aによる論文大量不正疑義事件]]
* [[文部科学省認定の研究不正事案一覧]]
* [[米国研究公正局|米国研究公正局(ORI)]]
{{Div col end}}
{{see alsoWiktionary|捏造}}
 
== 外部リンク ==
*[https://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/fusei/index.htm 研究活動における不正行為への対応等] [[文部科学省]]
* {{cite web|last=|first=|title=研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン|url=http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf|publisher=[[文部科学省]]|date=平成26年(2014年)8月26日|accessdate=2016年2月28日}}
*[https://www.jsps.go.jp/j-kousei/data/rinri.pdf 科学の健全な発展のために-誠実な科学者の心得-【テキスト版】] [[日本学術振興会]]
* {{Cite web|url=http[https://www.jst.go.jp/researchintegrity/index.html |title=研究倫理|publisher=] [[科学技術振興機構]]|accessdate=2016年2月23日}}
* {{Cite web|url=[http://haklak.com/ |title=研究倫理/白楽ロックビルのバイオ政治学|accessdate=2016年2月28日}}] 外国の研究倫理、外国の研究者の事件の解説[[ブログ]]とデータベース
* {{Cite web|url=https://ori.hhs.gov/ |title=ORI - The Office of Research Integrity|publisher=|accessdate=2016-02-28}}
*[https://ori.hhs.gov/ 米国研究公正局(ORI)]
 
{{DEFAULTSORT:ねつそう}}
[[Category:捏造|*かかく]]
[[Category:科学における不正行為]]
[[Category:アカデミック・スキャンダル]]
[[Category:学術雑誌]]
[[Category:教育問題]]