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{{Infobox film
| name = Annie Get Your Gun<br>アニーよ銃をとれ
| image = Betty Hutton in Annie Get Your Gun trailer = Annie get your gunfilmposter2.jpg
| alt =
| caption = 予告編より[[アニー・オークレイ]]([[ベティ・ハットン]])
| caption = 劇場公開ポスター
| director = [[ジョージ・シドニー]]<br>[[バスビー・バークレー]]<small>(クレジットなし)</small><br>[[チャールズ・ウォルタース]]<small>(クレジットなし)</small>
| producer = [[アーサー・フリード]]<br>[[ロジャー・イーデンス]]
| screenplay = [[シドニィ・シェルダン]]
| based_on = {{Based on|''Annie Get Your Gun''<br>1946 book|[[Dorothy Fields]]<br>[[Herbert Fields]]}}
| starring = [[ベティ・ハットン]]<br>[[ハワード・キール]]<br>[[ルイス・カルハーン]]<br>[[キーナン・ウィン]]<br>ベネイ・ヴェナッタ<br>J・キャロル・ネイシュ
| music = 作詞作曲:[[アーヴィング・バーリン]]<br> 音楽監督:[[アドルフ・ドイチュ]] <br> 追加作曲:[[ロジャー・イーデンス]]
| cinematography = [[チャールズ・ロッシャー]]
| editing = [[ジェームズ・E・ニューカム]]
| studio = [[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー|MGM]]
| distributor = [[ロウズ・シネプレックス・エンターテインメント|ロウズ]]
| released = {{Filmflagicon|USA}} date|[[1950年]][[7月17日]]<br>{{flagicon|07|17JPN}} [[1951年]][[10月5日]]
| runtime = 107分
| country = {{USA}}
| language = [[英語]]
| budget = 3,734,000ドル<ref name="Mannix">{{Citation | title = The Eddie Mannix Ledger | publisher = Margaret Herrick Library, Center for Motion Picture Study | place = Los Angeles}}</ref>
| gross = 7,756,000ドル<ref name="Mannix"/>
}}
'''アニーよ銃をとれ'''あにアニーよじゅうをとれ、Annie get your gun)は、1950年に公開された[[アメリカ合衆国]]の[[テクニカラー]]の[[ミュージカル映画|ミュージカル]]・[[コメディ映画]]作品。

射撃手[[アニー・オークレイ]]の人生を大まかに基にしている。

1946年のミュージカル「[[アニーよ銃をとれ]]」をベースに、[[アーヴィング・バーリン]]作詞作曲、[[シドニィ・シェルダン]]脚本、[[ジョージ・シドニー]]監督で[[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]]がリリースした。当初主演の[[ジュディ・ガーランド]]が撮影1月で監督と衝突、度重なる遅刻や欠席で降板となるなど製作やキャスティングで問題があったにもかかわらず、[[アカデミー賞]]において[[アカデミー美術賞|美術賞]]、[[アカデミー撮影賞|撮影賞]]、[[アカデミー編集賞|編集賞]]の3部門でノミネートされ、[[アカデミー作曲賞]]を受賞した。主演の[[ベティ・ハットン]]は[[ゴールデングローブ賞]]において主演女優賞にノミネートされた。
 
== 出演者 ==
[[File:Howard Keel in Annie Get Your Gun trailer 2.jpg|thumb|フランク・バトラー役の[[ハワード・キール]]]]
*[[アニー・オークレイ]]:[[ベティ・ハットン]]
*フランク・バトラー:[[ハワード・キール]]
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# "[[:en:The Girl That I Marry|The Girl That I Marry]]" — フランク
# "[[:en:You Can't Get a Man with a Gun|You Can't Get a Man with a Gun]]" — アニー
# [[ショウほど素敵な商売はない (曲)|ショウほど素敵な商売はない]] ("[[:en:There's No Business Like Show Business|There's No Business Like Show Business]]" [[ショウほど素敵な商売はない (曲)|ショウほど素敵な商売はない]] —)— フランク、バッファロー・ビル、チャーリー・デヴンポート、アニー、アンサンブル
# "[[:en:They Say It's Wonderful|They Say It's Wonderful]]" — アニー、フランク
# "[[:en:There's No Business Like Show Business|There's No Business Like Show Business]] (Reprise)" — アニー
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== 製作の経緯 ==
[[File:Louis Calhern in Annie Get Your Gun trailer.jpg|thumb|バッファロー・ビル役の[[ルイス・カルハーン]]]]
当初予算は、作詞作曲のアーヴィング・バーリンと脚本のフィールズ兄妹にに60万ドルの報酬を含む150万ドルで、1948年のバーリン作詞作曲の「[[イースター・パレード (映画)|イースター・パレード]]」の予算230万ドルより低いものであった<ref>{{cite magazine|url=https://archive.org/stream/variety174-1949-04#page/n1/mode/2up|magazine=[[Variety (magazine)|Variety]]|date=April 6, 1949|page=3|title='Annie' At $1,500,000, MG's Cheapest Musical|via=[[Archive.org]]}}</ref>。
 
[[ベティ・ハットン]]がアニー・オークレイ役、アメリカ映画デビューとなった[[ハワード・キール]]がフランク・バトラー役、ベネイ・ヴェナッタがドリー・テイト役、[[ルイス・カルハーン]]が[[バッファロー・ビル]]役を演じた。当初バッファロー・ビル役は[[フランク・モーガン]]が配役されていたが、1949年に心臓発作で急逝したためカルハーンが代役を務めた。
 
当初は、MGM最大のミュージカル・コメディ・スターである[[ジュディ・ガーランド]]がアニー役オリジナル・キャストであっに割り当てられていた。サウンドトラックのために全ての曲をレコーディングし、[[バスビー・バークレー]]監督、ロバート・アルトン振付監督のもと2月間参加していた。1930年代および1940年代、バークレーとガーランドは、ガーランドと同世代で子役スターであった[[ミッキー・ルーニー]]と共に数々のバックステージ物のヒット・ミュージカルを製作していた。しかし1943年、バークレーはガーランドとルーニーの出演するミュージカル映画「{{仮リンク|『[[ガール・クレイジー|en|Girl_Crazy_ (1943_film1943年の映画)}}」|ガール・クレイジー]]』でミュージカル監督の[[ロジャー・イーデンス]]やガーランドと衝突し、さらには楽曲「[[アイ・ガット・リズム]]」収録時にドクターストップとなったため降板となった。6年後、プロデューサーの[[アーサー・フリード]]はバークレーが大がかりな演出に長けているとして「アニーよ銃をとれ」に必要な人材と考えた。しかしガーランドとは不仲であり、すぐに衝突した。ガーランドは夫で映画監督の[[ヴィンセント・ミネリ]]とうまくいっていなの関係に悩んで上に過労により薬物中毒に苦しんでいた。ヒット・ミュージカル映画となる{{仮リンク|グッド・オールド・サマータイム|en|In the Good Old Summertime}}が完成したばかりで、他のミュージカル作品で大役を引き受けられる状態でなく、過去のいざこざからバークレーと撮影することに気が乗らなかった。[[エセル・マーマン]]のイメージが強い実在のアニー・オークレイの役作りがうまくいかず、映画化にはバークレーの監督は力量不足であるとも感じていた。ガーランドはバークレーの大仰な監督スタイルを不快に思い、バークレーが俳優やスタッフに怒鳴るたびにガーランドはセットから出て行った。ガーランドは[[ルイス・B・メイヤー]]社長にバークレーの文句を言い、降板させるよう要請した。バークレーがこれまで撮影したフィルムを視聴した後、プロデューサーのフリードはバークレーを解雇し、[[チャールズ・ウォルタース]]を後継とした。監督が変更になったにもかかわらず、激痩せと過労のガーランドは撮影のたびに遅刻や欠席を繰り返した。数回の警告後、MGMはガーランドとの契約を破棄して解雇した。ガーランドは自身の意思に反して解雇されたと報道陣に語り、ボストンの病院に体調回復のため数週間入院した<ref name="Green, Stanley 1999 p. 159">Green, Stanley; revised and updated by Elaine Schmidt. ''Hollywood Musicals Year By Year, Second Edition'' (1999) Hal Leonard Corporation, p. 159 {{ISBNISBN2|0-634-00765-3}}</ref>。
 
[[ベティ・ギャレット]]がガーランドの後継候補に挙がったが、スタジオとの契約が終了しており、ギャレットのエージェントはスタジオへの復帰に法外な金額を要求した。[[ジンジャー・ロジャース]]はアニー役を熱望したが、プロデューサーはロジャースがアニー役には成熟し、グラマー過ぎると考えた。ロジャースによるとメイヤーがロジャースに「絹のストッキングとハイヒールが似合う。アニー役は君ではない」と語ったとされる。[[パラマウント・ピクチャーズ]]のトップ・ミュージカル・コメディ・スターの[[ベティ・ハットン]]はMGMとパラマウントにアニー役を懇願した。パラマウントからMGMに貸し出す形でハットンはアニー役を勝ち取った。監督はウォルタースから[[ジョージ・シドニー]]に交代し、5月後に撮影は再開された<ref name="Green, Stanley 1999 p. 159"/>。
 
ハットンによると、ガーランドの後釜ということで共演者やスタッフから冷遇された。2000年7月18日放送の[[ターナー・クラシック・ムービーズ]]の「"Private Screenings"」での[[ロバート・オズボーン (映画史家)|ロバート・オズボーン]]とのインタビューで、ハットンは共演者たちは敵意を持ち、MGMのマネージメントは感謝も示さずニューヨークでのプレミアに招待しなかったと語った。誰もがハットンは共演者の[[ハワード・キール]]とは不仲だったと語った。数年後、キールはハットンが目立ち過ぎで不安定だったと語った。キールは自伝「''Only Make Believe: My Life in Show Business''」で、ハットンはキールが自分より目立とうとしていると考え、ハットンが満足するまで35回も撮り直したと綴った。ハットンは自身の回顧録「''Backstage You Can Have''」で、キールは未熟で、ハットンより目立とうとしていたと綴った。ハットンに親切で尊重してくれたのは[[ルイス・カルハーン]]だけだったとされる。ある日ガーランドがセットを訪れ、ハットンが快活に挨拶したところ、ガーランドが不愉快そうな顔をした。数年後、2人はラスベガスでそれぞれ公演があり親しくなった。ハットンによると、ガーランドは自分ではアニー役にふさわしくないと考えており、ハットンがアニー役を引き受けてくれて安堵した。
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== 公開および評価 ==
1950年5月17日、ニューヨークにあるロウズ・ステート・シアターで公開された<ref>{{cite book |last=Arceri |first=Gene |date=2009 |title=Rocking Horse - A Personal Biography of Betty Hutton |publisher=BearManor Media |isbn=9781593933210978-1-5939-3321-0 }}</ref>。製作中の度重なる問題にもかかわらず、批評家からおおむね好評を得た<ref>{{cite news |last=Crowther |first=Bosley |date=May 18, 1950 |title=The Screen: Three Films Make Their Bows |work=[[The Washington Post]] |page=B7 }}</ref><ref>{{cite magazine |date=April 12, 1950 |title=Annie Get Your Gun |magazine=[[Variety (magazine)|Variety]] |page=6 }}</ref><ref>{{cite journal |date=April 15, 1950 |title='Annie Get Your Gun' with Betty Hutton, Howard Keel, Louis Calhern, and Edward Arnold |journal=[[:en:Harrison's Reports|Harrison's Reports]] |page=58 }}</ref><ref>{{cite news |last=Coe |first=Richard L. |date=June 15, 1950 |title='Annie' a Musical Everyone'll Like |work=[[The Washington Post]] |page=B7 }}</ref><ref>{{cite magazine |last=McCarten |first=John |date=May 20, 1950 |title=The Current Cinema |magazine=[[The New Yorker]] |page=105 }}</ref><ref>{{cite magazine |date=July 1950 |title=Annie Get Your Gun |magazine=[[:en:The Monthly Film Bulletin|The Monthly Film Bulletin]] |volume=17 |issue=198 |page=98 }}</ref>。
 
この年、最もヒットした映画の1つとなった<ref>{{cite magazine |date=January 17, 1951 |title=All-Time Top Grossers |magazine=[[Variety (magazine)|Variety]] |page=5 }}</ref>。公開初週、MGMは興行収入をアメリカとカナダで470万8千ドル、海外で304万8千ドルを記録し、利益は106万1千ドルとなった<ref name="Mannix"/><ref>[http://www.jgdb.com/agyg.htm Background information from the Judy Garland Database]</ref>。
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
{{脚注の不足|date=2023年6月|section=1}}
* {{cite book|title=George Sidney: A Bio-Bibliography|last=Monder|first=Eric|year=1994|publisher=Greenwood Press|isbn=9780313284571978-0-3132-8457-1}}
 
== 外部リンク ==
{{Commons category|Annie Get Your Gun (film)}}
* {{IMDb title|0042200|Annie Get Your Gun}}
* {{Wayback|url=https://www.tcm.com/tcmdb/title/1200/Annie-Get-Your-Gun/ |title=Annie Get Your Gun |date=20110722182005}} - [[ターナー・クラシック・ムービーズ|TCM Movie Database]]
* {{tcmdb title|1200|Annie Get Your Gun}}
* {{allrovi movie|83779|Annie Get Your Gun}}
* {{AFI film|id=26207|title=Annie Get Your Gun}}
* {{rotten-tomatoes|annie_get_your_gun|Annie Get Your Gun}}
* [http://www.thejudyroom.com/soundtracks/annie.html The Judy Garland Online Discography "Annie Get Your Gun" pages.]
*{{Allcinema title|997}}
 
{{アーサー・フリード}}
{{バスビー・バークレー}}
{{Authority control}}
{{DEFAULTSORT:あにいよしゆうをとれ}}
[[Category:1950年の映画]]
[[Category:アメリカ合衆国の映画作品]]
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[[Category:アドルフ・ドイチュの作曲映画]]
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[[Category:アーサー・フリードがプロデュースした映画]]
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