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{{Infobox 学者

'''佐伯 富'''（さえき とみ、[[1910年]][[11月6日]] - [[2006年]][[7月5日]]）は、[[日本]]の[[東洋史学者]]。[[博士]]（[[文学]]）。[[京都大学]][[名誉教授]]。

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*[[1935年]]|alma_mater -= [[京都大学#沿革|京都帝国大学]]文学部史学科卒業

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|footnotes = 海外の東洋学者との学術交流にも努めた。

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'''佐伯 富'''（さえき とみ、[[1910年]][[11月6日]] - [[2006年]][[7月5日]]）は、[[日本]]の[[東洋史学者]]。専門は、[[博士宋代]]（より[[清代]]に至る中国近世史。[[文学位]]は、[[博士（文学）|文学博士]]。[[京都大学]][[名誉教授]]。

== 来経歴・人物 ==

;出生から修学期

[[香川県]][[三豊郡]][[萩原村 (香川県)|萩原村]]（現 [[観音寺市]][[観音寺市#大野原地区|大野原町]]）出身。専門は、宋代より清代にいたる中国近世史。

1910年、[[香川県]][[三豊郡]][[萩原村 (香川県)|萩原村]]（現：[[観音寺市]][[観音寺市#大野原地区|大野原町]]）で生まれた。旧制[[香川県立観音寺第一高等学校|香川県立三豊中学校]]を経て、旧制[[第六高等学校 (旧制)|第六高等学校]]に入学。第六高等学校で、生涯にわたって薫陶を受ける[[宮崎市定]]と出会った。[[1931年]]、京都帝国大学文学部に入学、東洋史を専攻する。六高から転任していた宮崎の指導を再び受けることになった。[[1935年]]、[[京都大学|京都帝国大学]][[文学部]]史学科を卒業し、同大学大学院に進学。同時に、[[東方文化学院]]京都研究所研究嘱託となった。

;東洋史研究者として

旧制[[香川県立観音寺第一高等学校|香川県立三豊中学校]]、旧制[[第六高等学校 (旧制)|第六高等学校]]を経て、[[京都大学|京都帝国大学]][[文学部]]史学科卒業。

[[1940年]]、京都帝国大学人文科学研究所助手に採用。[[1942年]]、[[山口高等商業学校]]（現・[[山口大学]]）教授となった。戦後の[[1949年]]、京都大学文学部助教授に就任。[[1956年]]、学位論文『清代塩政の研究』を京都大学に提出して[[博士（文学）|文学博士]]号を取得<ref>[https://ci.nii.ac.jp/naid/500000491497 CiNii(学位論文)]</ref>。[[1957年]]、文学部東洋史学第三講座教授に昇格、主に中国近世史を担当した。[[1968年]]からは[[京都大学人文科学研究所|人文科学研究所]]教授も兼任した。[[1974年]]、京都大学を退任し、名誉教授となった。在任中には、[[フランス]]、[[西ドイツ]]、英国、米国での調査活動のほか、海外の東洋学者との学術交流にも努めた。

退任後は、1年間[[台湾大学]]に客員教授として招聘。その後は、1979年から1981年まで[[大谷大学]]文学部特任教授を務めた。その後も非常勤講師として大谷大学、また[[皇學館大學]]、[[京都女子大学]]で教鞭をとった。

第六高等学校に進学後、生涯にわたって薫陶を受ける[[宮崎市定]]先生と出会う。[[1931年]]（昭和6年）京都帝国大学文学部に入学、東洋史を専攻する。再び六高から転任していた宮崎先生の指導を受ける。

2006年、老衰のため死去。

[[1956年]]（昭和31年）「清代塩政の研究」で学位取得。[[1957年]]（昭和32年）京都大学文学部東洋史学第三講座教授に就任。

;職歴

主たる研究業績は、著書『清代塩政の研究』、『中国史研究』（第1〜第3）、『王安石』をはじめとして、概説書や数多くの論文があり、さらに研究の手引きとなる索引の刊行は20数種類にのぼる。[[1989年]]（平成元年）『中国塩政史の研究』により[[日本学士院賞]]・[[日本学士院恩賜賞|恩賜賞]]を授与された<ref>[http://www.japan-acad.go.jp/japanese/activities/jyusho/071to080.html 恩賜賞・日本学士院賞・日本学士院エジンバラ公賞授賞一覧]</ref>。

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宋代から清代にいたる中国経済や財政の近世史の於いて、とりわけ宋代の茶の専売制度、清代の塩の専売制度の研究は、統制物資を扱う政府と結びついた業者・商人の動向や政府の統制をかいくぐる違法な闇商人の暗躍、秘密結社の存在に着目する。史料には残りにくい歴史の暗部にも迫って、中国史全般に大きな影響を与えた同郷的結合をもととした徽州商人や山西商人の解明に手がかりを求めた<ref>『巨鼇 第11号』（観一高同窓会京阪神支部）（2007年） 68頁</ref>。

またフランス、西ドイツ、英国、米国での調査活動のほか、台湾大学に客員教授として招聘等、海外の東洋学者との学術交流にも努めた。

== 略歴 ==

*[[1931年]] - 第六高等学校卒業

*[[1935年]] - 京都帝国大学文学部史学科卒業

*1935年 - [[東方文化学院]]京都研究所研究嘱託

*[[1940年]] - 京都帝国大学人文科学研究所助手

*[[1942年]] - [[山口高等商業学校]]（現・[[山口大学]]）教授

*[[1949年]] - 京都大学文学部助教授

*[[1957年]] - 京都大学文学部教授

*[[1968年]] - 京都大学人文科学研究所教授（兼務）

*[[1970年]] - 史学研究所理事長

*[[1974年]] - 京都大学名誉教授

*[[1979年]] - [[大谷大学]]文学部教授

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== 栄典 ==

*1983年 - ：勲三等旭日中綬章を受章。

*1989年：[[日本学士院賞]]・[[日本学士院恩賜賞|恩賜賞]]。『中国塩政史の研究』の功績に対して。<ref>[https://www.japan-acad.go.jp/japanese/activities/jyusho/071to080.html 『恩賜賞・日本学士院賞・日本学士院エジンバラ公賞授賞一覧』] 2018年2月28日閲覧</ref><ref>[https://www.k1dousou.jp/modules/newdb1/detail.php?id=563 『香川県立観音寺第一高等学校資料館 日本学士院恩賜賞メダル』] 2018年2月28日閲覧</ref>。なお、授与された日本学士院恩賜賞のメダルと記念品<ref>[https://www.k1dousou.jp/modules/newdb1/detail.php?id=562 『香川県立観音寺第一高等学校資料館 日本学士院恩賜賞記念品』] 2018年2月28日閲覧</ref>は母校の香川県立観音寺第一高等学校に寄贈された。

*1989年 - 日本学士院賞・恩賜賞

==研究内容・業績==

== 編著書 ==

専門は、東洋史のうち社会経済史。[[宋 (王朝)|宋]]代から[[清|清代]]にいたる近世史において、中国経済や財政の近世史の於について、研究を行った。とりわけ宋代の[[茶]]の[[専売]]制度、清代の[[塩]]の専売制度の研究では、統制物資を扱う政府と結びついた業者・商人の動向や政府の統制をかいくぐる違法な闇商人の暗躍、秘密結社の存在に着目すして考察をしている。史料には残りにくい歴史の暗部にも迫っており、中国史全般に大きな影響を与えた同郷的結合をもと基とした[[徽州 (安徽省)|徽州]]商人や[[山西省|山西]]商人のに解明に手がかりを求めた<ref>『巨鼇 第11号』（観一高同窓会京阪神支部）（2007年） 68頁</ref>。

主著は『清代塩政の研究』、『中国史研究』（第1〜第3）、『[[王安石]]』である。数多くの論文があり、加えて、概説書や研究の手引きとなる工具書の刊行数は20数種類にのぼっている。

==著作==

== ;編著書 ==

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* 『吏学指南索引』（1941年）

* 『[[宋代]][[茶法]]研究資料』（1941年）

* 『[[王安石]]』(支那歴史地理叢書 11)（1941年）（）
**改訂版 [[中公文庫]]、1990年）

* 『宋代の坐倉』（1948年）

* 『[[明律国字解]]索引』（1949年）

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* 『中国随筆雑著索引』(東洋史研究叢刊 7)（1960年）

* 『[[資治通鑑]]索引』(東洋史研究資料叢刊 3)（1961年）

* 『宋と元』(世界の歴史 6)（1961年）（）
**文庫化：[[宮崎市定]]共著、新版 [[中公文庫]]、1975年）

* 『[[宋史]]職官志索引』(東洋史研究叢刊 11)（1963年）

* 『宋の新文化』(東洋の歴史 6)（1967年）（ 責任編集・共著、（1967年）
**改訂版「[[中国文明]]の歴史6」 [[中公文庫]]、2000年）

* 『[[中国史]]研究　第1・2・3』(東洋史研究叢刊 21(3分冊))（1969年-1977年）

* 『宋代文集索引』(東洋史研究叢刊 24)（1970年）

* 『古今[[類書]]纂要 附索引』（1972年）

* 『雅俗漢語訳解』（1976年）

* 『宋史刑法志索引』（1977年）

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* 『宋史河渠志索引』（1979年）

* 『宋史選挙志索引』(東洋史研究資料叢刊)（1982年）

* 『中国塩政史の研究』（1987年） ISBN 4589013371

* 『事物異名録索引』（1995年） ISBN 4892810436

* 『類説索引』（2004年）

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==資料==

*[[夫馬進]]2006「<訃報> 佐伯富教授の訃」『東洋史研究』65-2, 東洋史研究会, 349頁[https://doi.org/10.14989/138189 doi].

*[[竺沙雅章]]2006「<訃報>本会元理事長 佐伯富先生を偲ぶ」『史林』89-5, 史学研究会, 779-780頁[https://doi.org/10.14989/shirin_89_779 doi].

== 脚注 ==

{{Reflist|2}}

<references />

== 参考文献 ==

* 『香川県人物・人名事典』（[[四国新聞社]]）（1985年）

{{Academic-bio-stub|*}}

{{Normdaten}}

{{DEFAULTSORT:さえき とみ}}

[[Category:20世紀日本の歴史学者家]]

[[Category:日本の東洋学者]]

[[Category:日本の中国史家]]

*1989年 - [[Category:日本学士院賞・恩賜受賞者]]

[[Category:京都大学の教員]]

[[Category:山口大学の教員]]

[[Category:文学博士取得者]]

[[Category:京都大学人文科学研究所の人物]]

[[Category:京都大学出身の人物]]

[[Category:旧制第六高等学校出身の人物]]

[[Category:香川県立観音寺第一高等学校出身の人物]]

[[Category:香川県出身の人物]]

[[Category:勲三等旭日中綬章受章者]]

[[Category:1910年生]]

[[Category:2006年没]]