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'''亀戦車'''<ref name="norimono_01">{{Cite web |author= |url=https://trafficnews.jp/post/132751 |title= ロシア軍「亀戦車」は何がいいの…? 防御モリモリ不格好だけど“新型” 21世紀の突撃砲に?|website=乗りものニュース |publisher= |language= |date= |accessdate=2024-06-17}}</ref>(かめせんしゃ、{{lang-uk|танк-черепаха}}, {{lang-en|Turtle Tank}}<ref name="AB_01"/>)は、[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアによるウクライナ侵略]]の最中に[[ロシア連邦軍]]が配備した一連の改造[[戦車]]の通称である。{{仮リンク|クラスノホリウカの戦い|en|Battle of Krasnohorivka}}の最中に初めて確認され、2024年4月9日に[[ウクライナ国防省]]がドローンで空撮した映像を公開した<ref name="norimono_01"/>。納屋(あるいは甲羅)のように見える大きな外部装甲で覆われているのが最も大きな特徴で、これは[[徘徊型兵器|自爆ドローン]]による攻撃からの防護を目的としている<ref name="DE_01"/>。また、大抵は合わせて地雷除去装置や[[電子防護]]機材を備えている<ref name="Forbes_01"/>。
 
ウクライナの前線では、かねてより自爆ドローンや[[対戦車ミサイル]]による{{仮リンク|トップアタック|en|Top attack}}への対抗を目的に、日傘や鳥かごのような{{仮リンク|[[スラットアーマー|en|Slat armor}}]]を車両に取り付ける改造がしばしば行われていた。また、戦車の運用においては対機甲戦闘よりも塹壕突破に際しての歩兵支援が重視されており、「納屋」によって[[砲塔]]の旋回範囲や[[視野]]が制限されることは必ずしも大きな問題とはみなされなかった<ref name="norimono_01"/>。
 
==名称==
亀戦車のほか、[[ウクライナ]]側では'''納屋のツァーリの納屋'''({{lang-uk|Царь-сарай}}<ref name="DE_01">{{Cite web |author= |url= https://defence-ua.com/army_and_war/navischo_rashisti_zrobili_t_72_iz_sarajem_proti_droniv_i_scho_tse_govorit_pro_jih_taktiku_shturmiv-14984.html |title= Навіщо рашисти зробили Т-72 із "сараєм" проти дронів, і що це говорить про їх тактику штурмів |website=DEFENSE EXPRESS|publisher= |language= |date= |accessdate=2024-06-17}}</ref>)、1990年代のお笑い番組『[[:uk:Каламбур (тележурнал)|Каламбур]]』内のコントに登場した戦車になぞらえた'''ザリズニー・カプート'''({{lang-uk|Залізний капут}}<ref name="DE_02">{{Cite web |author= |url= https://defence-ua.com/army_and_war/fenomen_zaliznogo_kaputu_chi_brak_protitankovoji_oboroni_jak_vorozhij_tank_jizdit_krasnogorivkoju_video-15066.html |title= Феномен "Залізного капуту" чи брак протитанкової оборони: як ворожий танк-сарай їздить Красногорівкою (відео) |website=DEFENSE EXPRESS|publisher= |language= |date= |accessdate=2024-06-17}}</ref>)、[[バットモービル]]をもじった'''Blyatmobile'''<ref name="AB_01"/>などの通称も知られる。
 
[[ロシア]]側では'''ツァーリのバーベキューグリルのツァーリ'''({{lang-ru|Царь-мангал}})<ref name="AB_01"/>という通称が最もよく使われているが、'''突撃車庫'''({{lang-ru|штурмовых гаражей}})などと呼ばれることもある<ref name="AB_03">{{Cite web |author= |url= https://armourersbench.com/2024/04/28/tsar-mangal-return-of-the-turtle-tanks/ |title= Tsar Mangal: Return of the Turtle Tanks |website= The Armourers Bench|publisher= |language= |date= |accessdate=2024-06-17}}</ref>。出現した当初、ロシア側のメディアでは'''新型戦車'''や'''クラスノホリウカの征服者'''などとも呼ばれていたという<ref name="norimono_01"/>。
 
==背景==
[[File:Destruction of Russian tanks by Ukrainian troops in Mariupol (3) (cropped).jpg|thumb|「コープケージ」を取り付けたロシア軍戦車(2022年3月)]]
ウクライナ侵略以前から、砲塔上部への{{仮リンク|[[スラットアーマー|en|Slat armor}}]]の増設(いわゆる「コープケージ」の設置)は行われていた。これは各種対戦車火器やドローンを用いた戦車上面への攻撃、すなわち{{仮リンク|トップアタック|en|Top attack}}への対抗を目的としたものである。戦争が激化する中、ワイヤーケージで戦車全体を覆ったり、コープケージから[[鎖|チェーン]]を垂らすなど、一層の防護を得ようとする試行錯誤が繰り返された。その延長線上に現れたのが戦車全体を鉄板などで覆う「納屋」であった<ref name="AB_01">{{Cite web |author= |url= https://armourersbench.com/2024/04/14/russian-blyatmobile-the-turtle-tank/|title= Russian Blyatmobile – The Turtle Tank |website= The Armourers Bench|publisher= |language= |date= |accessdate=2024-06-17}}</ref>。
 
また、2023年10月、すなわち亀戦車が目撃されるおよそ半年前からは、アメリカの議会内対立の影響を受けてウクライナへの軍事支援が滞っていた。ウクライナ軍では安価なFPVドローンの調達を進め、[[FGM-148 ジャベリン]]のような対戦車ミサイルや各種砲弾の不足を補うことを余儀なくされた。結果としてウクライナ軍によるFPVドローンを用いた攻撃の規模は拡大しつつあり、当然これと相対するロシア軍部隊では早急な対応が求められていた<ref name="Forbes_01"/>。