ページ「Category:ソビエト連邦の政治改革」と「海綿動物」の間の差分

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{{生物分類表
[[ソビエト連邦]]における政治上の改革のカテゴリ。
|色 = 動物界
|名称 = 海綿動物門 Porifera
|fossil_range = {{fossil range|[[エディアカラ紀]]|現世}}
|画像 = [[ファイル:Haeckel Calcispongiae.jpg|250px]]
|画像キャプション = "Calcispongiae" from [[エルンスト・ヘッケル|Ernst Haeckel]]'s<br />''[[Kunstformen der Natur]]'', 1904
| ドメイン = [[真核生物]] {{sname||Eukaryota}}
| ドメイン階級なし = {{生物分類表/階級なし複数
|[[オピストコンタ]] {{sname||Opisthokonta}}
|[[コアノゾア]] {{sname||Choanozoa}}
}}
|界= [[動物|動物界]] {{Sname||Animalia}}<br/>([[後生動物]] {{sname||Metazoa}})
|門= '''海綿動物門 {{Sname||Porifera}}'''<br /><small>[[:en:Robert Edmund Grant|Grant]] in [[:en:Robert Bentley Todd|Todd]], 1836</small>
|和名 = 海綿動物門
|英名 = sponge
|下位分類名 = 綱
|下位分類 =
* [[石灰海綿綱]] Calcarea
* [[普通海綿綱]] Demospongiae
* [[六放海綿綱]] Hexactinellida
* [[硬骨海綿綱]] Sclerospongiae
}}
'''海綿動物'''(かいめんどうぶつ、{{lang-en-short|sponge}})とは、'''海綿動物門'''({{lang-la-short|Porifera}})に属する[[動物]]の総称である。海綿、カイメンなどとも表記される。
 
[[熱帯]]の[[海]]を中心に世界中のあらゆる海に生息する。淡水に生息する種も存在する。壺状、扇状、杯状など様々な形態をもつ種が存在し、同種であっても生息環境によって形状が異なる場合もある。大きさは数mmから1mを越すもの([[南極海]]に生息する樽状の海綿 {{snamei|Scolymastra joubini}})まで多様である。[[多細胞生物]]であるが、[[細胞]]間の結合はゆるく、はっきりとした[[器官]]等の分化は見られない。細かい網目状の海綿質繊維からなる[[骨格]]は[[スポンジ]]として[[化粧]]用や沐浴用に用いられる。
[[Category:改革|そひえとれんほう]]
 
[[Category:ソビエト連邦の政治|かいかく]]
== 生物学的特徴 ==
海綿は[[固着性]]の動物である。基本的には[[放射相称]]の形を取るが、実際には環境によっても大いに変化する。表面に小孔と呼ばれる数多くの孔をもち、ここから水と食物をとりこんでいる。また、大孔とよばれる開口部が上部にあり、ここから水を吐き出している。胃腔と呼ばれる内側の空洞部には[[鞭毛]]をそなえた[[襟細胞]]が多数あり、この鞭毛によって小孔から大孔への水の循環を引き起こしている。このような体内に水を循環させる構造をまとめて水溝系(canal system)という。
 
大部分は海産で、潮間帯から深海まで様々なものがある。淡水産の種も少ないながら存在する。岩盤や海藻、あるいは貝殻の上など、硬い基盤の上に張り付いて成長するものが多いが、深海の泥底には根状の構造で突き刺さるようにして定着するものがある。
 
カイメンは[[濾過摂食]]者であり、体内を通り抜ける水の中から[[デトリタス|有機物微粒子]]や[[微生物]]を捕らえて栄養とする。それらは襟細胞や内部の食細胞によって確保される。ただし、深海などには[[肉食性カイメン]]と呼ばれるものがあり、それらはより大きな小型甲殻類などを捕らえて消化する。
 
海綿の体内には大量の[[微生物]]が[[共生]]しており、種によっては全体積の 40% を微生物が占める<ref>Gretchen Vogel, "The Inner Lives of Sponges", ''Science'' '''2008''', 320, 1028 - 1030. {{DOI|10.1126/science.320.5879.1028}}</ref>。その多くが海綿体内からのみ発見される種である。現在、[[細菌]]と[[古細菌]]双方に、Poribacteria(カイメン Porifera に因む)や[[タウム古細菌]]([[ケナルカエウム・シュンビオスム|''Cenarchaeum symbiosum'']]など)といった新しい[[門 (分類学)|門]] が提唱されている<ref>Lars Fieseler, Matthias Horn, Michael Wagner, and Ute Hentschel, "Discovery of the Novel Candidate Phylum “Poribacteria” in Marine Sponges", ''Appl Environ Microbiol.'' '''2004''' June; 70(6): 3724–3732. {{doi|10.1128/AEM.70.6.3724-3732.2004.}}</ref>。
 
=== 生殖 ===
生殖は[[無性生殖]]と[[有性生殖]]の双方を行う。無性生殖として体表から芽が成長して繁殖するほか、芽球と呼ばれる芽を体外に放出して繁殖する種もある。有性生殖も多様であり、雌雄同体と雌雄異体の双方の種がある。多くの種では[[受精]]後、[[幼生]]になるまでは親の体内で育つ[[胎生]]であるが、[[卵生]]の種も存在する。
 
=== 発生 ===
[[発生]]の過程において、[[外胚葉]]や[[内胚葉]]といった胚葉の形成は起こらない。また、多細胞でありながら明瞭な器官の分化が見られない。このため、海綿動物門および[[平板動物]]門(同様に組織の分化が見られない)は[[側生動物]] Parazoa として、器官系が分化したその他の動物である[[真正後生動物]] Eumetazoa とは区別されている。襟細胞が襟に囲まれた鞭毛をもつことから、[[単細胞生物]]の[[襟鞭毛虫]](えりべんもうちゅう)と海綿動物との類似性が古くから指摘されてきた。このことから、以前は海綿動物は襟鞭毛虫の群体から派生したもので、多細胞動物とは系統が異なるものではないかとも言われたこともある。しかし、海綿動物には[[ホメオボックス]]遺伝子、TGB-β遺伝子など、多細胞生物としての分化、発生に関わる[[遺伝子]]群が既に存在していることが明らかになってきており、他の多細胞動物との差はそう大きなものではないとの証拠も挙がっている。
 
=== 後生動物との系統関係 ===
先述のように、従来はこの群が他の[[後生動物]]とは別の系統に属するとの説があった。しかし[[分子系統学]]等の情報から、多細胞動物は襟鞭毛虫の群体が起源であると考えられるようになり、海綿動物は最も原始的な多細胞動物であるという説があらためて提示されている。したがって、動物は総て祖先を共有する[[単系統群]]であると考えられている。
 
しかし、最古の多細胞動物の[[化石]]である[[エディアカラ生物群]]からは[[刺胞動物]]によく似た生物が見つかっていることから、 刺胞動物の幼生に類似した単細胞生物の[[繊毛虫]]のようなものが多細胞動物の起源であるという考えも残っている([[繊毛虫類起源説]]、ciliate theory)。<!-- この場合、多細胞動物は異なる2系統の祖先を持つことになる。-->
 
いずれにせよ、多細胞動物としては破格に組織器官が単純であり、その進化のごく初期に分化した原始的なものであるとの定見がある。しかし、海の底生生物としては非常に成功している動物群でもある<ref>Vacelet(1999)p.46</ref>。
 
== 分類 ==
 
; [[石灰海綿綱]] {{Sname||Calcarea}}
: 骨格の主成分は[[炭酸カルシウム]]で、総て海産の海綿動物である。
:* カルキネア亜綱 Calcinea
:** ロイケッタ目 Leucettida
:** クラトリナ目 Clathorinida - クラトリナカイメン
:* カルカロネア亜綱 Calcaronea
:** アミカイメン目 Leucosolenida - カゴアミカイメン
:** ツボカイメン目 Syncettida - ケツボカイメン
:* ファレトロニダ亜綱 Pharetronida
:** ペトロビオナ目 Inozoa
:** ソラシア目 Sophinctizoa
:<!--リストの分断防止行-->
; [[普通海綿綱]] {{Sname||Demospongiae}}
: 現生する海綿の95%がこの綱に属している。骨格はかなり柔軟性のある海綿質繊維の「[[スポンジン]]」で構成されている。スポンジンの主成分は、他の総ての動物がもつ[[細胞外マトリックス]]である[[コラーゲン]]の祖先物質である。
:* 同骨海綿亜綱 Homosclromorpha
:** 同骨海綿目 Homoscleromorhida - ノリカイメン
:* 四放海綿亜綱 Tetrectinomorpha
:** 有星海綿目 Choristida - アツカワカイメン
:** 螺旋海綿目 Spirophorida - グミカイメン、トウナスカイメン
:** イシカイメン目 Lithistida - [[テオネラ・シリンドリカ|''Theonella cylindrica'']]
:** 硬海綿目 Hadromerida - パンカイメン・ユズダマカイメン
:** 中軸海綿目 Axinelida - ツノマタカイメン
:* 角質海綿亜綱 Ceractinomorpha
:** 網角海綿目 Dictyoceratida - [[モクヨクカイメン]]
:** 樹状角質海綿目 Dendroceratida
:** 単骨海綿目 Haplosclerida - [[ムラサキカイメン]]、ザラカイメン、ワタトリカイメン
:** イワカイメン目 Petrosida - [[ペトロシア・フィシフォルミス|''Petrosia ficiformis'']]
:** 多骨海綿目 Poecilosclerida
:** 磯海綿目 Halichondrida - [[ダイダイイソカイメン]]、[[クロイソカイメン]]
:<!--リストの分断防止行-->
; [[六放海綿綱]] {{Sname||Hexactinellida}}
: ガラス海綿ともよばれ、六放射星状の[[ケイ酸]]質の骨片を主とする骨格を持つ。[[深海]]の砂地などに生息している。
:* 両盤亜綱 Amphidiscophora
:** 両盤目 Amphidiscosa
:* 六放星亜綱 Hexasteriphora
:** 六放目 Dictynia
:** カイロウドウケツ目 Lyssacina - [[カイロウドウケツ]]
:** アウロキスチス目 Lycniscosa
:<!--リストの分断防止行-->
; [[硬骨海綿綱]] {{Sname||Sclerospongiae}}
: 炭酸カルシウムの骨格の周囲をケイ酸質の骨片と海綿組織が取巻いている。多くが[[化石]]種である。
:* アストロスクレラ目 Astrosclerida
:* ケラトポレラ目 Ceratoporellida
:* 床板海綿目 Tabulospongida
 
== 歴史 ==
* {{ill2|層孔虫|en|Stromatoporoidea}} - 古生代の海底を支配していた古代の造礁性海綿動物で、石炭紀前期には絶滅した<ref>{{Cite web |title=Stromatoporoids |language=en-US |website=ucmp.berkeley.edu |url=https://ucmp.berkeley.edu/online-exhibits/stromatoporoids/ |access-date=2025-08-25}}</ref>。諸説あるが海綿動物の硬骨海綿のあるものの溝系の出口が類似することから、海綿動物の起源とされる<ref>{{cite kotobank|層孔虫|access-date=2025-08-25}}</ref>。
 
== 人間との関わり ==
[[ファイル:SpongesTarponSprings.jpg|サムネイル|右|スポンジ]]
普通海綿綱に属する6種の海綿は海綿質繊維だけからなり硬い骨片を持たないため、スポンジとして化粧用や沐浴用に用いられる。[[地中海]]産、[[紅海]]産の海綿が柔らかく、品質が高いとされる。海底で捕獲した海綿の組織を腐敗させ洗い流して残った骨格が、スポンジとして店頭で見られる海綿となる。日本では、ガラス海綿の一種である[[カイロウドウケツ]]などがその姿の面白さから飾りなどに使われた。
 
海綿は水中に浮遊する食物を[[濾過摂食]]するため、水質汚濁の原因となる水中の微生物や有機物を除去する役割を果たしている。
 
カイメンからは複雑な構造を持つ[[有機化合物]]が多数発見されており、[[医薬品]]の候補として期待されている。抗 [[HIV]] 薬として用いられている[[ジドブジン]]はカイメン由来の天然物と類似した構造を持っており<ref>Lisa M. Jarvis, "Liquid Gold Mine", ''C&EN'' '''2007''', 85, 22-28. [http://pubs.acs.org/cen/business/85/8541bus1.html]</ref>、他にも[[ハリコンドリンB]]<ref>[http://www.sci.nagoya-u.ac.jp/kouhou/12/p14_15.html 上村 大輔, "海洋生物由来の“切れ者分子”の謎"]</ref>や環状グアニジン類<ref>長澤 和夫, “海産環状グアニジン系天然物の全合成及び新規グアニジン型不斉有機分子触媒の開発”, ''薬学雑誌'', Vol. '''123''', 387-398 (2003). {{doi|10.1248/yakushi.123.387}}</ref>などが[[抗がん剤]]や抗 HIV 薬、抗[[マラリア]]薬として作用することが確認されている。
 
挿入式の[[生理用品]]([[タンポン]])として使用されることがある。乾燥したカイメンを膣に挿入して経血を吸わせる。取り出して洗って乾燥させれば再利用できる。[[江戸時代]]から使われていたことがわかっている。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{reflist}}
 
== 参考文献 ==
* 白山義久 編 『バイオディバーシティ・シリーズ (5) 無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』 裳華房 (2000) ISBN 978-4-7853-5828-0
* 佐藤矩行、倉谷滋、野地澄晴、長谷部光泰 著 『シリーズ進化学 (4) 発生と進化』 岩波書店 (2004) ISBN 978-4000069243
* [[リン・マーギュリス|L.マルグリス]]、KV.シュヴァルツ 著 『図説・生物界ガイド 五つの王国』 日経サイエンス社 (1987) ISBN 978-4-532-06267-5
*J. Vacelet. 1999. Sponges(Porifera) in submarine Caves. Qatar Univ. Sci. J.pp.46-56.
 
== 関連項目 ==
{{commonscat|Porifera|海綿動物}}
* [[襟鞭毛虫]]
* [[スポンジ]]
* [[タンポン]]
* {{仮リンク|海綿礁|en|Sponge reef}} ‐ 海綿動物によって形成された[[暗礁]]
* 解剖学:{{ill2|表皮 (海綿動物)|en|Pinacoderm}}、{{ill2|大孔 (海綿動物)|en|Osculum}}、{{ill2|海綿腔|en|Spongocoel}}
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:かいめんとうふつ}}
[[Category:後生動物]]
[[Category:海綿動物|*]]
[[Category:動物門]]