「朝鮮語の南北差」の版間の差分
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{{Pathnav|朝鮮語|frame=2}}
'''朝鮮語の南北差'''(ちょうせんごのなんぼくさ)では、[[大韓民国]](以下「韓国」という。)と[[朝鮮民主主義人民共和国]](以下「朝鮮」という。)における[[朝鮮語]]の[[言語]]的差異を扱う。なお、適宜[[中華人民共和国]]・[[吉林省]][[延辺朝鮮族自治州
<!--南北の言語の総称としては、「朝鮮語」を用いることが日本語での慣習。-->
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===韓国===
韓国では、1933年の「朝鮮語綴字法統一案」を引き続き用いつつ、数次の草案制定作業が行われ、「[[ハングル正書法]]({{lang|ko-KR|한글 맞춤법}})」<ref>「朝鮮語綴字法統一案」の改定との位置付け。</ref>および「標準語規定({{lang|ko-KR|표준어 규정}})」を定め、これにより多少南北間の差異が拡大した。その後、[[2014年]]および[[2017年|17年]]に「ハングル正書法」が改正され現在に至る。
===中国===
中国では、1977年の「東北3省朝鮮語文事業協議領導小組」成立により、初めて政府次元における規範化事業が行われ、1985年に最初の『朝鮮語規範集』が出版された。
その後、1986年から中国朝鮮語査定委員会の指導課に本格的な規範化事業が行われ、1996年に『朝鮮語規範集(修正本)』を出版した。更に、2007年に部分的修正を経た『朝鮮語規範集』が、2016年に一部内容を修正補充した『朝鮮語規範集』が出版され、2025年現在の最新版となっている{{Sfn|김연수|김광수|김철준|2016|loc=머리말}}。
== 字母 ==
朝鮮語を表記するのに用いられる[[字母]]については、
ただし 字母に関して、韓国では合成母音字母{{lang|ko|ㅐ}},{{lang|ko|ㅒ}},{{lang|ko|ㅔ}},{{lang|ko|ㅖ}},{{lang|ko|ㅘ}},{{lang|ko|ㅙ}},{{lang|ko|ㅚ}},{{lang|ko|ㅝ}},{{lang|ko|ㅞ}},{{lang|ko|ㅟ}},{{lang|ko|ㅢ}}、および合成[[子音]]字母{{lang|ko|ㄲ}},{{lang|ko|ㄸ}},{{lang|ko|ㅃ}},{{lang|ko|ㅆ}},{{lang|ko|ㅉ}}は独立した字母として扱われないが、朝鮮・中国ではこれらの合成字母も独立した字母として扱われる。
一部の子音字母については、韓国、朝鮮と中国でその名称が異なる。
{| class="wikitable"
!rowspan="2"|字母
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=== 辞書の見出し語の配列 ===
辞書の見出し語の配列は以下の
==== 初声 ====
朝鮮及び中国では、合成字母を正規の字母として基本字母の後に配列する。ただし、子音字母「{{lang|ko-KP|ㅇ}}」を初声に持つ音節は、朝鮮では、(母音から始まるものとみなす結果として){{lang|ko-KP|ㅉ}}の次に配列するのに対し、中国では、{{lang|ko-CN|ㅅ}}の次に配列する。
韓国では、合成字母を基本字母の配列の中に配列する。また、子音字母「{{lang|ko-KR|ㅇ}}」は、中国と同様に{{lang|ko-KR|ㅅ}}の次に配列する。
<small>
{|
|-
!style="text-align:right"|韓国:
157 ⟶ 168行目:
!style="text-align:right"|中国:
|{{lang|ko-CN|ㄱ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㄴ}}||{{lang|ko-CN|ㄷ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㄹ}}||{{lang|ko-CN|ㅁ}}||{{lang|ko-CN|ㅂ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅅ}}|| ||style="color:Blue"|{{lang|ko-CN|ㅇ}}||{{lang|ko-CN|ㅈ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅊ}}||{{lang|ko-CN|ㅋ}}||{{lang|ko-CN|ㅌ}}||{{lang|ko-CN|ㅍ}}||{{lang|ko-CN|ㅎ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㄲ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㄸ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅃ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅆ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅉ}}
|}</small>
==== 中声 ====
朝鮮及び中国では、合成字母を正規の字母として基本字母の後に配列する。ただし、合成字母は、朝鮮では、画数順に配列するのに対し、中国では、構成字母の順序に従って配列する。
韓国では、合成字母を基本字母の配列の中に配列する。
<small>
{|
|-
!style="text-align:right"|韓国:
170 ⟶ 185行目:
!style="text-align:right"|中国:
|{{lang|ko-CN|ㅏ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅑ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅓ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅕ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅗ}}|| || || ||{{lang|ko-CN|ㅛ}}||{{lang|ko-CN|ㅜ}}|| || || ||{{lang|ko-CN|ㅠ}}||{{lang|ko-CN|ㅡ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅣ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅐ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅒ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅔ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅖ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㅘ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅚ}}||style="color:Blue"|{{lang|ko-CN|ㅙ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㅝ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅟ}}||style="color:Blue"|{{lang|ko-CN|ㅞ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅢ}}
|}</small>
==== 終声 ====
朝鮮では、1音素の合成字母(つまり各自並書)のみを正規の字母として基本字母の後に配列する。
中国では、合成字母(各自並書及び合用並書)をいずれも基本字母の後に(構成字母の順序に従い)配列する。
韓国では、合成字母を基本字母の配列の中に配列する。
また、子音字母「{{lang|ko-KP|ㅇ}}」については、初声とは異なり、いずれの国又は地域においても、{{lang|ko|ㅅ}}の次に配列する。
<small>
{|
|-
!style="text-align:right"|韓国:
182 ⟶ 206行目:
!style="text-align:right"|中国:
|{{lang|ko-CN|ㄱ}}|| || ||{{lang|ko-CN|ㄴ}}|| || ||{{lang|ko-CN|ㄷ}}||{{lang|ko-CN|ㄹ}}|| || || || || || || ||{{lang|ko-CN|ㅁ}}||{{lang|ko-CN|ㅂ}}|| ||{{lang|ko-CN|ㅅ}}|| ||style="color:Blue"|{{lang|ko-CN|ㅇ}}||{{lang|ko-CN|ㅈ}}||{{lang|ko-CN|ㅊ}}||{{lang|ko-CN|ㅋ}}||{{lang|ko-CN|ㅌ}}||{{lang|ko-CN|ㅍ}}||{{lang|ko-CN|ㅎ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㄲ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄳ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄵ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄶ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄺ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄻ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄼ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄽ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄾ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㄿ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㅀ}}||style="color:Green"|{{lang|ko-CN|ㅄ}}||style="color:Red"|{{lang|ko-CN|ㅆ}}
|}</small>
== 音声 ==
255 ⟶ 273行目:
また、頭音法則は本来朝鮮語におけるすべての語に適用されるべきものであるが、近代以降の借用語に関しては、韓国においても頭音法則を適用しないつづり・発音を規範としている。そのため「{{lang|ko|라디오/라지오}}([[ラジオ]])」はそのまま{{IPA|ɾadio/ɾaʥio}}として発音することとなるが、老年層の中には南北問わず{{IPA|nadio/naʥio}}と発音する人物が少なくない。
そのほか固有語
=== 母音 ===
母音については以下のような違いが認められる。/{{lang|ko|ㅓ}}/はソウル方言では円唇の度合いがより弱く、平壌方言では円唇の度合いがより強い。[[国際音声記号]]で示すと、ソウル方言が{{IPA|ɔ̜}}であるのに対し、平壌方言は{{IPA|ɔ}}である。この円唇性のため、ソウル方言話者が平壌方言の/{{lang|ko|ㅓ}}/を/{{lang|ko|ㅗ}}/に近く聞き取ることがある。また、朝鮮において、「/{{lang|ko|ㅐ}}/と/{{lang|ko|ㅔ}}/,/{{lang|ko|ㅡ}}/と/{{lang|ko|ㅜ}}/を混同する現象」{{Harv|리승길|2015|p=44}}が指摘されている。
韓国では、/{{lang|ko|ㅐ}}/と/{{lang|ko|ㅔ}}/は、若年層のソウル方言で明確な区別が失われている。
=== ピッチ ===
ピッチパターンはソウル方言と平壌方言で異なるが、その違いについて詳しい研究は進んでいない。『朝鮮語大辞典({{lang|ko|조선말대사전}})』([[1992年]], 社会科学出版社)には若干の単語に音響機器を用いた単語のピッチが3段階で示されているが、例えば「{{lang|ko|꾀꼬리}}([[コウライウグイス]])」のピッチは{{ipa|꜔.꜒.꜔}}("232";1低2中3高の3段階)と示されているなど、ソウル方言のピッチパターンと異なる表示が散見される。
271 ⟶ 286行目:
==== {{lang|ko|-아/-어}}形 ====
=====ㅣ系母音語幹=====
語幹末音が{{lang|ko|ㅣ}},{{lang|ko|ㅐ}},{{lang|ko|ㅔ}},{{lang|ko|ㅚ}},{{lang|ko|ㅟ}},{{lang|ko|ㅢ}}の母音語幹の接続形は、韓国では他の陰母音語幹と同様{{lang|ko-KR|-어}}が付くが、朝鮮・中国では{{lang|ko-KP|-여}}が付く。ただし、発音上は韓国においても-여と発音することが
{| class="wikitable"
317 ⟶ 332行目:
===== ㅂ不規則用言 =====
ㅂ不規則用言の接続形は、1音節語幹の場合、
2音節以上の語幹の場合、韓国では、
*{{Cite web |url=http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?OEAyMDI0LTA0LTI4LU4wMjZANUBAQDFAMg== |title=한없이 고마워라, 우리 사는 품이여 - 각지 독자들이 보내온 글작품을 보며 - |access-date=2024-06-18 |publisher=로동신문 |author=본사기자 리은정 |date=2024-04-28 |website=http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php}}
*{{Cite web |url=http://www.ryongnamsan.edu.kp/univ/ko/research/articles/680f0fc378c4abff9d8f271c95e799c3 |title=위인과 흠모 |access-date=2024-07-21 |publisher=김일성종합대학 |author='''김일성'''종합대학 조선어문학부 박사 부교수 김철환 |date=2024-06-18 |year=2024 |website=김일성종합대학 |quote=...위대한 장군님의 사랑이 너무도 고마워... |language=ko-KP |archive-url=https://web.archive.org/web/20240720235215/http://www.ryongnamsan.edu.kp/univ/ko/research/articles/680f0fc378c4abff9d8f271c95e799c3 |archive-date=2024-07-21 |url-status-date=2024-07-21}}</ref>。また、中国では、いずれも認める扱いとなっている。
{| class="wikitable"
!rowspan="2"|原形
351 ⟶ 366行目:
===== {{lang|ko|ㅎ}}不規則用言 =====
{{lang|ko|ㅎ}}不規則用言の接続形は
{| class="wikitable"
!rowspan="2"|原形
378 ⟶ 393行目:
==== 濃音として現れる語尾等 ====
終声{{lang|ko|ㄹ}}を含む語尾は、韓国では、{{lang|ko|ㄹ}}の直後の疑問を表す語尾が濃音字で
{| class="wikitable"
|-
398 ⟶ 413行目:
|}
語根に接尾辞または語尾がつく場合、韓国で濃音として表記されるものが、朝鮮で平音として表記されることがある。また、その逆の場合もある。
{| class="wikitable"
|-
420 ⟶ 436行目:
====接尾辞「-이」====
擬声・擬態語に「-이」が付いた語は、韓国では、当該擬声・擬態語に「-하다」または「-거리다」が付きうるか否かによって語
また、副詞に強調の「-이」が付く場合にも、韓国では、語源表示をする一方、朝鮮・中国では、語源表示をしない。
{| class="wikitable"
!韓国
437 ⟶ 455行目:
|일찌기
|早く
|-
|더욱이
|더우기
|更に
|-
| colspan="2" |깍두기
448 ⟶ 470行目:
|}
また、一部の語では、
{| class="wikitable"
!韓国
494 ⟶ 516行目:
|}
==== 「-
体言及び形容詞「아니다」に付く/-
{| class="wikitable"
!韓国
501 ⟶ 523行目:
!日本語
|-
|{{lang|ko-KR|이것은
|{{lang|ko-KP|이것은 낫이요
|これは鎌で
|-
|{{lang|ko-KR|이것은
|{{lang|ko-KP|이것은
|これは本で
|-
|{{lang|ko-KR|이것은
|{{lang|ko-KP|이것은
|これは
|-
|[参考]{{lang|ko-KR|이리 오시오.}}
634 ⟶ 656行目:
===== (3)固有語化した漢字語 =====
一部の漢字語については、朝鮮又は中国で固有語化した語彙として扱われ<ref>したがって、辞典上漢字語として扱われず、漢字が併記されない。</ref>、頭音法則を適用した発音どおりに表記される。
一方で、朝鮮では、2013年11月に至って、従来固有語化した語彙として扱われていたものの一部を漢字語として扱うことに改められ<ref>{{Harvnb|안순남|2022|p=187}}では、該当する語彙として、{{lang|ko-KP|남색→람색}}、{{lang|ko-KP|녹두→록두}}、{{lang|ko-KP|용마루→룡마루}}、{{lang|ko-KP|연거퍼→련거퍼}}、{{lang|ko-KP|노곤하다→로곤하다}}、{{lang|ko-KP|연어→련어}}を挙げる。</ref>、これにより朝鮮と韓国・中国と間での表記が異なる語彙が生じることとなった。
{| class="wikitable"
!style="width:4em;"|韓国
640 ⟶ 664行目:
!style="width:4em;"|中国
!語源!!備考
|-
|{{lang|ko-KR|궁량}}
| colspan="2" style="text-align:center;" |{{lang|ko-KP|궁냥}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 648페지}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 783페지 및 784페지}}
|{{lang|ko|窮量}}
|
|-
| colspan="3" style="text-align:center;" |{{lang|ko|나발}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 994페지(나발)}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 1205페지(나발)}}
| rowspan="2" |{{lang|ko|喇叭}}
| rowspan="2" |
|-
| colspan="3" style="text-align:center;" |{{lang|ko|나팔}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 1000페지(나팔)}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 1216페지(나팔)}}
|-
| colspan="3" style="text-align:center;" |{{lang|ko|나사}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 996페지}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 1209페지}}
645 ⟶ 680行目:
|
|-
|{{lang|ko-KR|남색}}
|{{lang|ko-KP|람색}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 1032페지(남색) 및 1695페지(람색)}}
|{{lang|ko-CN|남색}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 1255페지(남색) 및 2045페지(람색)}}
|{{lang|ko|藍色}}
|従来、朝鮮・中国ともに固有語化した漢字語として、남색と綴っていたが、朝鮮では、現在漢字語として扱うこととなっている。
|-
|{{lang|ko-KR|노곤하다}}
|{{lang|ko-KP|로곤하다}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 1077페지(노곤하다) 및 1751페지(로곤하다)}}
|{{lang|ko-CN|노곤하다/로곤하다}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 1310페지(노곤하다) 및 2112페지(로곤하다)}}
|{{lang|ko|勞困}}
|中国では、いずれの表記についても概ね同様の語釈が行われている。
|-
| colspan="3" style="text-align:center;" |{{lang|ko|요기}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제4권 1199페지}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제3권 5005페지}}
653 ⟶ 696行目:
|
|-
|{{lang|ko-KR|용마루}}
|
|
|{{lang|ko|
|中国では、いずれの表記についても語釈が行われているが、その意義が若干異なる。
|-
|{{lang|ko-KR|양 / -냥}}
| colspan="2" style="text-align:center;" |{{lang|ko-KP|냥}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 1048페지(냥, 냥돈, 냥돈사)}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 1273페지(냥, 냥돈,냥돈사)}}
|{{lang|ko|兩}}
|韓国では、語頭に来るときには、頭音法則を適用する<ref>例:{{lang|ko|양돈사}}(一両にいくらかを加えた金額)など。</ref>。<br>形式名詞の場合には、例外となる<ref>例:{{lang|ko|한냥}}(一両)</ref>。
|-
|{{lang|ko-KR|원수}}
| colspan="2" style="text-align:center;" |{{lang|ko-KP|원쑤}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제4권 1655페지}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제3권 5539페지}}
|{{lang|ko|怨讐}}({{Lang|ko-CN|怨讎}})
|
832 ⟶ 870行目:
==== 字音 ====
一部の漢字において[[朝鮮漢字音|字音]]を異にするものがある。
{| class="wikitable"
913 ⟶ 909行目:
|{{lang|ko-KP|긱경}} / {{lang|ko-KP|만긱}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 974페지(긱경) 및 제2권 2310페지(민긱)}}
|{{lang|ko|喫驚}} / {{lang|ko|滿喫}}
|}
==== 熟語 ====
一部の単語において、本来「{{lang|ko|ㄴㄴ}}」だったものが「{{lang|ko|ㄹㄹ}}」と発音されることがある。
韓国では、慣習に従い「{{lang|ko|ㄴㄹ}}」と表記する一方、朝鮮では、「{{lang|ko|ㄴㄴ}}」と表記する<ref>なお,2010年改訂版文化語発音法では,1987年改訂版第24項までの「一部定着した単語の場合には,その「{{lang|ko|ㄴ}}」を{{lang|ko|[ㄹ]}}と発音する」旨の記述が削除されているが,同項の削除後も引き続き「ㄹㄹ」が標準発音とされている{{Harv|리승길|2014}}。またこのことは,チェホチョル「朝鮮「朝鮮語規範集」の2010年改訂とその意味」でも,「3.2.4.8. パッチム「ㄴ」の発音に関する第24項の例外条文を削除したが,これは,このような場合の発音を単語の個別的な事案として処理するとの意思であると判断される。」として指摘されているところである。なお,同様に例外規定が削除されながらも例外適用の継続されているものとして,一部語彙(ex. 샛별・明星)におけるㅅの表記がある。</ref>。
{| class="wikitable"
!韓国
!朝鮮・中国
!発音<!--南北ともです!朝鮮語大辞典(2017)で確認済み-->
!漢字表記
|-
|{{lang|ko-KR|곤란}}
|{{lang|ko-KP|곤난}}
|[{{lang|ko|골란}}]
|{{lang|ko|困難}}
|-
|{{lang|ko-KR|한라산}}
|{{lang|ko-KP|한나산}}
|[{{lang|ko|할라산}}]
|{{lang|ko|[[漢拏山]]}}
|}
1,138 ⟶ 1,155行目:
|}
===
==== {{lang|ko|ㅖ}} ====
朝鮮漢字音のうち、韓国で{{lang|ko|몌}}・{{lang|ko|폐}}と表記されるものについては、朝鮮では{{lang|ko|메}}・{{lang|ko|페}}とつづられる(ただし発音は韓国でも [{{lang|ko|메}}]・[{{lang|ko|페}}])。また、朝鮮で{{lang|ko-KP|계}}と表記されるものの一部は、韓国では{{lang|ko-KR|게}}と綴られる(ただし発音は朝鮮でも [{{lang|ko|게}}] となる)。
{| class="wikitable"
!韓国
!朝鮮・中国
!漢字表記
|-
|{{lang|ko-KR|몌별}}
|{{lang|ko-KP|메별}}
|{{lang|ko|袂別}}
|-
|{{lang|ko-KR|폐쇄}}
|{{lang|ko-KP|페쇄}}<ref name=":5">페쇄[페:쇄] pʰe:swɛ 막거나 닫는것. (閉鎖)|| ~장치{{Harv|리승길|2014}}</ref>
|{{lang|ko|閉鎖}}
|-
|{{lang|ko-KR|폐지}}
|{{lang|ko-KP|페지}}
|{{lang|ko|廢止}}
|-
|{{lang|ko-KR|휴게}}
|{{lang|ko-KP|휴계}}<ref name=":6">휴계-실[휴게실] hjugeɕil 쉴수 있게 마련된 방. (休憩室)|| 극장~{{Harv|리승길|2014}}。</ref>{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제4권 7797페지}}
|{{lang|ko|休憩}}
|}
また、固有語のうち、韓国で{{lang|ko-KR|계}}と表記されるものの一部は、朝鮮では{{lang|ko-KP|게}}と綴られる。
{| class="wikitable"
!韓国
!朝鮮・中国
!意味
|-
|{{lang|ko-KR|핑계}}
|{{lang|ko-KP|핑게}}
|言い訳
|}
====転訛====
標準語とも関連する問題であるが、{{lang|ko|ㅏ/ㅓ}}を含む音節の後にㅣを含む音節が来る場合に前舌母音化({{lang|ko|앞모음되기}})して{{lang|ko|ㅐ/ㅔ}}となることがある。
また、両唇音{{lang|ko|ㅂ, ㅍ, ㅃ}}の後に非円唇母音{{lang|ko|ㅡ}}が来る場合に当該母音が円唇化して発音されることがある。
これらをどの程度標準語(文化語)として認めるかについて、南北差がある。
{| class="wikitable"
!韓国
1,148 ⟶ 1,203行目:
!日本語
|-
|{{lang|ko-KR|
|{{lang|ko-KP|곰팽이/곰팡이}}<ref>{{Harvnb|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제1권 467페지(곰팡이, 곰팽이)}}では、곰팡이を곰팽이の同義語として登載。</ref><ref name=":7">{{Harvnb|리광국|김우성|2024|pp=65-66}}では、前舌母音化した形態が許容される事例として、{{lang|ko-KP|곰팡이-곰팽이}}、{{lang|ko-KP|부스러기-부스레기}}、{{lang|ko-KP|지푸라기-지푸래기}}のほか、{{lang|ko-KP|가닥질-가댁질}}、{{lang|ko-KP|구덩이-구뎅이}}、{{lang|ko-KP|괄량이-괄랭이}}、{{lang|ko-KP|누더기-누데기}}、{{lang|ko-KP|풍덩이-풍뎅이}}、{{lang|ko-KP|딸랑이-딸랭이}}、{{lang|ko-KP|찌르러기-찌르레기}}、{{lang|ko-KP|엉덩이-엉뎅이}}、{{lang|ko-KP|구렁이-구렝이}}、{{lang|ko-KP|조무라기-조무래기}}、{{lang|ko-KP|오라기-오래기}}を挙げる。</ref><ref>{{Harvnb|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제1권 572페지(곰팡이, 곰팽이)}}では、곰팡이を곰팽이の同義語として登載。</ref>
|{{古韓文|곰팡}}←{{古韓文|곰-픠-앙}}
|かび
|-
|{{lang|ko-KR|냄비}}
1,158 ⟶ 1,213行目:
|鍋
|-
|{{lang|ko-KR|
|{{lang|ko-KP|
|{{古韓文|
|塵芥
|-
|{{lang|ko-KR|지푸라기}}
|{{lang|ko-KP|지푸래기/지푸라기}}<ref>{{Harvnb|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제3권 613페지(지푸라기, 지푸래기)}}では、지푸라기を지푸래기の同義語として登載。</ref><ref name=":7" /><ref>{{Harvnb|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제3권 6390페지(지푸라기, 지푸래기)}}では、지푸라기を지푸래기の同義語として登載。</ref>
|{{lang|ko|짚-으라기}}
|わら
|-
|{{lang|ko-KR|찌푸리다}}
|{{lang|ko-KP|찌프리다}}{{Sfn|《조선말대사전》편집부|2017|loc=제4권 757페지}}{{Sfn|《朝鲜语大辞典》编委会|2023|loc=제4권 8447페지}}
|{{lang|ko|지픠-오-다}}
|(曇って)どんよりとする、(顔を)しかめる
|}
1,185 ⟶ 1,250行目:
|{{lang|ko-KP|생각컨대}}
|{{lang|ko-CN|생각건대}}
|思うに
|-
|{{lang|ko|만만하지}}
1,228 ⟶ 1,293行目:
====「-이-」用言の縮約形====
「-이다」用言の縮約形に関して
{| class="wikitable"
1,241 ⟶ 1,306行目:
|-
!韓国
!朝鮮・中国
!colspan="3"|韓国
!colspan="3"|朝鮮・中国
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=== 形式名詞 ===
形式名詞
数詞と助数詞の結合もこれに準ずるが、韓国では一部続け書きが許容され {| class="wikitable"
!韓国
!朝鮮
!中国
!日本語
!備考
|-
|{{lang|ko-KR|내 것}}
|{{lang|ko-KP|내것}}
|{{lang|ko-CN|내 것}}
|私のもの
|
|-
|{{lang|ko-KR|할 수 있다}}
|{{lang|ko-KP|할수 있다}}
|{{lang|ko-CN|할 수 있다}}
|することができる
|
|-
|colspan="3"|{{lang|ko-KR|사실상}}
|事実上
|韓国では、接尾辞と解して続け書きをする。
|-
|{{lang|ko-KR|처리 중}}
|colspan="2"|{{lang|ko-KP|처리중}}
|処理中
|
|-
|{{lang|ko-KR|한 개}}
|colspan="2"|{{lang|ko-KP|한개}}
|
|
|-
|{{lang|ko-KR|두 시 삼십 분/두시 삼십분}}
|colspan="2"|{{lang|ko-KP|두시 삼십분}}
|2時30分
|
|}
=== 1つの概念を表すもの ===
2単語以上が合わさって1つの概念を表すものは、朝鮮では、助詞が間に入ったり品詞が異なる場合であっても、原則続け書きをする。ただし、続け書きをすると意味が二通りに解釈されたり、一単位の文字数が余りにも多くなる場合においては分かち書き
これに対し、韓国では
{| class="wikitable"
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|}
===
原則は上記の
また、朝鮮では、通常「{{lang|ko-KP|못 ~}}(~できない)」を品詞の異なる語が結合したものとして分かち書きをするが<ref>{{lang|ko-KP|못하다}}(できない)と{{lang|ko-KP|못되다}}(ならない)については、例外的に続け書きをする語とされている。</ref>、「{{lang|ko-KP|못이기다}}(勝てない)」や「{{lang|ko-KP|못미덥다}}(頼りない)」など一部の語については、『朝鮮語大辞典』に1単語として掲載されているため、続け書きをすることとなる。
== 語彙 ==
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韓国では[[アメリカ英語]]から導入された外来語が多く、朝鮮ではロシア語から導入された外来語が多いので、両者の間で違いが生じる場合が少なくない。また、同じ英語外来語であっても、音の取り入れ方が南北で異なり、結果的に異なる語形になることもある。
また、[[漢字文化圏|漢字圏]]を除く外国の国名・地名については、韓国では英語名を用いるのが一般的であるのに対し、朝鮮では現地言語による名称が用いられる。[[中華人民共和国|中国]]の地名・人名については、韓国では中国漢字音で表記されるのが一般的であるが、朝鮮では[[
{| class="wikitable"
! align="center" |韓国
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*{{Citation |和書|ref=harv |author=조선문화어문법규범편찬위원회 |title=조선문화어문법규범 |year=2011 |date=2011-07-15 |publisher=사회과학출판사 |isbn=9789946278087 |editor=한선희 |series=조선사회과학학술집 |edition=2 |country=kp |language=ko-KP |trans-title=朝鮮文化語文法規範}}
*{{Citation |和書|ref=harv |author=김연수 |author2=김광수|author3=김철준|title=조선말규범집 |year=2016 |date=2016-12 |publisher={{lang|zh-CN|延边教育出版社}} |isbn=9787552454932 |editor=중국조선어사정위원회 |country=cn |language=ko-CN |trans-title=朝鮮語規範集}}
*{{Citation |和書|ref=harv |author=리광국 |author2=김우성 |title=어휘상식문답 |year=2024 |date=2024-03-20 |publisher=과학백과사전출판사 |isbn=9789946103488 |editor=김은경 |editor2=박광혁 |series=언어학문고 |country=kp |language=ko-KP |trans-title=語彙常識問答}}
*{{Citation |和書|ref=harv |author=안순남 |title=사회주의적민족어건설 |year=2022 |date=2022-03-25 |publisher=사회과학출판사 |isbn=9789946304472 |editor=오경학 |country=kp |language=ko-KP |trans-title=社会主義的民族語建設}}
*{{Citation |和書|ref=harv |author=리승길 |author2=최광훈 |author3=궁정식 |author4=한명길 |title=문화어발음상식 |year=2015 |publisher=과학백과사전출판사 |isbn=9789946102184 |editor=한경희 |country=kp |language=ko-KP |trans-title=文化語發音常識}}
===論文===
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