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[[ファイル:31a_1_Грозинська_загальноосвітня_школа_(Житомирська_область).jpg|サムネイル|<center>算数</center>]]
{{複数の問題
'''算数'''(さんすう)は、[[日本]]の[[小学校]]における[[教科]]の一つであり、初歩的な[[数学]]を取り扱う。[[四則演算]]や[[図形]]、[[単位]]、[[割合]]、[[データの扱い]]など、日常生活や他教科の基礎となる内容を[[学習]]する。また、思考力や問題解決能力の育成も目的とされる。
|出典の明記=2010年7月
|言葉を濁さない=2010年7月}}
'''算数'''(さんすう)は、[[日本]]の[[小学校]]における[[教科]]の一つであり初歩的な[[数学]]を取り扱う。広義には各国の[[初等教育]]における一分野も指す。
 
広義には、各国の[[初等教育]]における数学の基礎的分野も含まれ、英語では''arithmetic''または''elementary mathematics''(初等数学)と呼ばれることが多い。
この項では便宜を考慮して各国の初等教育(中でも小学校に相当する学校)における、算数に相当する教科について広く解説する。
 
この項では便宜を考慮して各国の初等教育(中でも[[小学校]]に相当する学校)における、算数に相当する教科について広く解説する。
類似の言葉として、[[初等数学]]({{lang-en-short|elementary mathematics}})があり、定義は曖昧だが、こちらは日本の中学校の数学あたりまでを指す言葉である。方程式や冪乗などを含む。
 
類似の言葉として、[[初等数学]]({{lang-en-short|elementary mathematics}})があり、定義は曖昧だが、一般には日本の[[中学校]]段階で学習する数学([[方程式]]や[[冪乗]]、[[素因数分解]]など)を含む概念として用いられる<ref name="mext">文部科学省「学習指導要領(小学校)・算数編」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youryou/index.htm</ref><ref>岡潔『初等数学とは何か』日本数学会講演集</ref>。
 
== 概説 ==
国ごとに教える内容や教え方、[[教科書]]のあり方などに相違点がある。例えば日本では[[乗法]](かけ算)に関して、「[[九九]]」すなわち9×9の数表を教え暗記させているが、[[インド]]では「20×20」(19×19) の数表を教え暗記させている。(昔は一部で99×99までを暗記させるところもあったといわれているが、実際は違う<ref>{{Cite web |title=How far up the multiplication tables do Indian students memorize? |url=https://www.quora.com/How-far-up-the-multiplication-tables-do-Indian-students-memorize |website=Quora |accessdate=2022-08-24 |language=en}}</ref>。)また、日本では「2+3=□」というタイプの、答えが基本的には一つしかないような課題が主として出されるのに対し、ヨーロッパなどでは初期の段階から「□+□=5」といったような課題を頻繁に提示し、答えが一つではなく複数あり、様々な数学的な発想・探求へといざなうような教育がされることが多い。
 
[[中華人民共和国|中国]]、[[台湾]]、[[大韓民国|韓国]]、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]では、「算数」ではなく「'''小学数学'''」と呼ばれている。
 
== 「算数」という語の由来 ==
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== 日本の算数 ==
日本では、小学校までは「算数と数学は実際は別の教科である。[[中学校]]以降では「数学」という呼称となっている。中学以降の数学がやや観は概、厳密性(証明など)、抽象的であっ化に重きを置い内容となっており、また専門的な職業で用いるような応用をにらんだカリキュラムになっている<ref group="注">中学校学習指導要領(平成29年3月告示)の「目標」では「数量や図形などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに,事象を数学化したり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。」とある。https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/073/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/21/1372244_15.pdf#page=2</ref>。対して小学校の算数は「日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てる」ことが目指される<ref>[https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/073/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/21/1372244_15.pdf#page=3 小学校 算数科における目標の変遷-目標における資質・能力-] 小学校学習指導要領 平成20年3月</ref>。
りする技能を身に付けるようにする。」とある。https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/073/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/21/1372244_15.pdf#page=2</ref>のに対し、小学校の算数は「日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てる」ことが目指される<ref>[https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/073/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/06/21/1372244_15.pdf#page=3 小学校 算数科における目標の変遷-目標における資質・能力-] 小学校学習指導要領 平成20年3月</ref>。
 
{{要出典範囲|計算の反復練習が重要なことや、問題を制限時間内にこなすために集中力や持続力を育てる必要等から、[[しつけ]]としての役割もある|date=2009年4月}}、と述べる教育者もいる。それに対して、{{要出典範囲|算数の目的はしつけや我慢にあるわけではない|date=2009年4月}}と述べる人もいるという。
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その後も形式陶冶の考え方は根強いが、実際的な学習効果を重視する「実質陶冶」の考え方も強くなってきている{{要出典|date=2009年4月}}、ともされる。
 
== 現在の日本の小学校の算数のおもな学習内容(2020年度以降)==
出典:<ref>{{Cite web|和書 |author=管理人 |title=小学校算数の目次|数学FUN |url=https://sugaku.fun/elementary-school-mathematics/ |website=数学FUN |access-dateaccessdate=2022-08-24 |language=ja |last=管理人}}</ref>==
=== 数・式 ===
* 0から120程度までの数(1年)、1万までの数(2年)、万(2~3年)、億(3~4年)、兆(4年)など<!--([[自然数]]<ref>学校教育において、[[自然数]]は1から始まると教えられることが多い。</ref>)-->
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* [[約数]](5年)
** [[公約数]]と[[最大公約数]](5年)
* [[直線#座標|数直線]]
* [[近似値|概数]](4年)
* 数の範囲の表し方([[以上・以下|以上・以下]]・未満]])(4年)
* [[式]] 
** [[等号]]と[[不等号]](2~3年)
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== 中学入試における受験算数の内容 ==
[[中学受験|中学入試]]は受験生を選抜するためのものであり、そこで出題されている算数の内容は、[[学習指導要領]]に沿って実施されている一般的な公立小学校で学習よりも遥かに高度であるといわれている。
 
学習段階としては算数より上である、中学課程以上の数学を使えば、中学入試の算数を正答するのは容易だろうと推察されそうであるが、実際には数学の公式・定理などに当てはめただけでは解けない問題がほとんどであり、中学課程以上を先取り学習していても有利にはならないように工夫した出題がほとんどである。
 
例えば、[[文章題]]を解くのに、中学課程では[[方程式]]の利用の習得に重き置か最善と思わる出題がほとんどであるが、中学入試では、方程式が立てられなかったり、方程式を立てるとするとかえって困難になりうる問題がほとんどである。
 
なお、将来難関大学を目指す児童の中には、中学受験をしなくても受験算数に取り組む場合もある。実際、難関大学の数学などの入試でも入試を念入りに工夫して出する難関大学では、積分などの文字式の単純計算や初めに式を立てさえすればあとは一直線で解けるという問題はほとんど出題されておらずなく着眼を工夫したり本質を見抜く力が求められる場合が多い。また、受験算数は難関大学入試問題が高校入試、ひいては中学入試に輸入され、中学・高校・大学の内容が小学生向けに翻訳したものと見らものもある<ref group="注">大学入試における[[三角比]]の問題で、三角形の辺の長さや角の大きさを具体的に求めるなら、三角比を使わずに、合同や相似の性質だけから解けることもある。また、大学入試の順列や組み合わせは意味さえ理解できれば小学生でも解けるものがある([[芳沢光雄]]著『算数・数学が得意になる本』(講談社現代新書)163頁より)。</ref>。
 
ただし、ある数の[[割合]]([[比]])を「1」とし、それを日数や人数などの乗除でのべ量を出して考えること([[相当算]])や、比と実際の数量の関係を利用した方法([[還元算]])は、文字を使っていない以外は1元1次方程式の立式による導出そのものである。また[[消去算]]は連立1次方程式そのものである<ref group="注">方程式では未知数を文字で表し、それを立てて解くことで解が得られる。負の数、文字式の計算は小学校の範囲外なので、相当算・還元算などにおいて移項はできない。そこで、求めたい量を「1」などとして等式を立式し、増加量・減少量に着目して答えを導出する。<br />例として、方程式
:3x-1=x+5
の解は、中学課程での数学では、移項して同類項を整理することで導けるが、-1は負の数であり、算数の範囲外の概念である。そこで、xから3xの増加量と、1を引くのと5を加えるのを比べた増加量が等しいと考える。このことは、方程式を解く操作に相当している。</ref>。
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一方で方程式に頼らない、算数らしい解法も種々に見られる。例えば、数量の大小や比の関係を線分図で表したり、2数の積を長方形の面積に置き換えて表した面積図(例えば一人当たりの分配量と人数の積は分配すべきものの総量となるが、これを長方形の2辺と面積に置き換える)もよく使われる。
 
また、[[数論]]、[[初等幾何学]]、[[数え上げ数学]]などの、小学校・中学・高校の境界が曖昧な分野では、[[中等教育]]内容(例えば、[[素因数分解]]、[[位取り記]]に関する種々の公式相似比と面積比・体積比と[[組合せ (数学)|組み合わせ]]関係計算法など)が受験生には知られていたり、出題されたりしている。
{{main2For2|中学入試で出題されている算数の内容一覧|中学受験#算数}}
 
== 脚注 ==
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{{ウィキプロジェクトリンク|数学|[[画像:Nuvola apps edu mathematics blue-p.svg|34px|Project:数学]]}}
{{ウィキポータルリンク|数学|[[画像:Nuvola apps edu mathematics-p.svg|34px|Portal:数学]]}}
<ref name="mext">文部科学省「学習指導要領(小学校)・算数編」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youryou/index.htm</ref>
<ref>岡潔『初等数学とは何か』日本数学会講演集</ref>
<ref>Common Core State Standards Initiative「Mathematics Standards」https://www.corestandards.org/Math/</ref>
<ref>OECD「PISA 2018 Results」https://www.oecd.org/pisa/publications/pisa-2018-results.htm</ref>
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
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{{Wiktionary|算数}}
{{Wikibooks|小学校算数}}
*[[数学]]、[[数学 (教科)]] - [[算数・数学教育]]
*[[小学校]] - [[特別支援学校]]
*[[学習指導要領]]