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'''小林 信夫'''(こばやし のぶお、生年月日不明{{refnest|group="注"|2023年に享年72であること、トミー時代の同期(1949年生まれ)が「小林君は私より一つ年下」<ref>[[#GM50年史|GM50年史]], p. 128</ref>と述懐していることから、1950年または1951年の生まれと推定される。}} - [[2023年]][[6月20日]])は、[[日本]]の[[イラストレーター]]、[[モデラー (模型)|モデラー]]。[[鉄道模型]]メーカーの商品の[[ボックスアート|箱絵]]を手がけ、鉄道模型雑誌に製作記事を連載していた。
{{出典の明記|date=2019年9月}}
'''小林 信夫'''(こばやし のぶお)は、[[日本]]の[[イラストレーター]]、[[モデラー (模型)|モデラー]]。
 
== 来歴・人物 ==
[[武蔵野美術大学]]卒業し、[[トミー (企業)|トミー工業]](現・[[タカラトミー]]、ホビー事業部は現・[[トミーテック]])に入社。[[TOMIX#歴史|トミーナインスケール]]を担当し、「[[汽車製造|K.S.K.]]タイプC[[タンク機関車]]<ref>{{Cite web|url=https://www.tomytec.co.jp/tomix40th/history.html#1976|title=HISTORY: 1976|website=トミックス40周年記念サイト|publisher=トミーテック|date=2016-04-21|accessdate=2024-11-23}}</ref>」を開発{{refnest|group="注"|小林は「最初に自身の企画デザインで世に問うたのは(中略)[[カツミ|KTM]]の[[フリーランス]]Cタンクを[[Nゲージ|N]]にアレンジしたもの」と表現している<ref>{{Cite journal|和書|author=小林信夫|title=楽しい軽工作 <34> トレーの丘、下敷の温室|journal=[[鉄道模型趣味]] 2022年7月号|volume=No. 966|publisher=[[機芸出版社]]|date=2022-06-20|pages=96-100}}</ref>。}}したのち、鉄道模型ブランド[[TOMIX]]立ち上げにも関わった<ref name="TMS-980">{{Cite journal|和書|author=[[名取紀之]]|title=小林信夫さんを偲んで|journal=[[鉄道模型趣味]] 2023年9月号|volume=No. 980|publisher=[[機芸出版社]]|date=2023-08-20|pages=100-101}}</ref>。このほか、彩色済み[[プラモデル]]「おさかな図鑑シリーズ」や戦闘機プラモデル「[[1/32スケール|1/32]] スケール&アクションキット」<ref>[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 128-131</ref>、[[トミカ]]用ストラクチャー「[[トミカタウン#トミカタウン以前|トミカラマ]]」<ref>[[#小林 (2024)|小林 (2024)]], p. 158</ref>などの[[ボックスアート|箱絵]]や[[マニュアル|解説書]]も手掛けた<ref>[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 16-17</ref>。
元[[トミー (企業)|トミー]]社員。鉄道模型メーカーの商品の[[ボックスアート|箱絵]]、鉄道模型関係の雑誌にイラストや作品の掲載を手がけていた。
 
2023年7月20日発売の[[鉄道模型趣味]]2023年8月号の編集後記にて、同号の締め切り直前に訃報が届いたと記述があった。
 
=== グリーンマックス ===
: 1976年頃、[[巣鴨]]の模型店「DB(デェーベェー)」で[[グリーンマックス]]関係者と接点を持ち、同店が翌1977年に[[グリーンマックス#グリーンマックス・ザ・ストア|グリーンマックス巣鴨店]]として再出発する際には店内用[[レイアウト (鉄道模型)|レイアウト]]([[ジオラマ]])の製作に携わった<ref>[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 16, 44, 130</ref>。なお、巣鴨店は1984年に田端店のオープンに伴って閉店した。
: [[1980年代]]まで[[グリーンマックス]]の[[鉄道模型]](主に[[ストラクチャー]])の箱絵や解説書、[[カタログ]]のイラストを手がけていた<ref>{{Cite journal|和書|author=大平祥司|title=GREEN MAXの仕事|journal=[[N (雑誌)|N(N(エヌ)]]|volume=No. VOL29」GREEN MAXの仕事(29|publisher=[[イカロス出版]]|date=2006-08|pages=36-39}}</ref>。特にカタログにおいては乗り物マニアや建物マニアの本領を生かし、鉄道に留まらない広範な鉄道模型の[[ストラクチャー]]作方法を提示し、近似スケール([[1/144スケール]]など)の[[船]]や[[飛行機]]の模型を使うといった提案をした。自ら企画した[[漁船]]キットには[[スケールモデル#主なスケールとそのジャンル|1/200スケール]]日本国外製キットの漁船を日本仕様にするための[[デカール]]まで付属されていた。また、[[いすゞ・キュービック]]や[[三菱ふそう・エアロクィーン]]を製品化し、バスモデルのジャンルを開拓した<ref>[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 64-65</ref>。このほか、[[1/700]]の[[船#船舶を指すための様々な表現|艦船]]キット「[[ピットロード#製品|スカイウェーブシリーズ]]」(のちに[[ピットロード]]に移管)の箱絵や解説書も担当した。
 
: 小林による企画のストラクチャーは、「レイアウト向けの日本の木造建築」として「[[町屋 (商家)]]・[[農家]]・大型の建物・非住居{{refnest|group="注"|「大型の建物」は[[学校]]や[[役場]]、「非住居」はバス・タクシー[[営業所]]や[[火の見櫓|火の見やぐら]]など<ref name="GM50年史p58"/>。}}」の四本柱で行われ、各地の取材をもとに製品化された<ref name="GM50年史p58">[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 58-63</ref>。なお、[[空港]]の[[格納庫]]や[[劇場]]、[[銀行|地方銀行]]、[[ガソリンスタンド]]など<ref name="gm-store">{{Cite web|url=https://www.gm-store.co.jp/blog/gmstore-staff/archives/85240|title=新製品紹介/格納庫(倉庫)、劇場(映画館)|website=GM通信|publisher=グリーンマックス|date=2022-03-23|accessdate=2024-11-23}}</ref>はカタログに掲載されたものの未発売{{refnest|group="注"|グリーンマックスは2022年8月、「[https://www.greenmax.co.jp/gm-product/2173.html バス営業所]」の派生製品として、「[https://www.greenmax.co.jp/news/prototype/2022/06/23/220623-2220.html 格納庫(倉庫)]」と「[https://www.greenmax.co.jp/news/prototype/2022/06/23/220623-2221.html 劇場(映画館)]」を発売した<ref name="gm-store"/>。}}となったが、このようなものは後々他社が製品化した。
小林による企画のストラクチャーの中には商品化された[[漁港]]などの他に[[空港]]の[[管制塔]]と[[格納庫]]([[ヘリコプター]]付属予定)や[[劇場]]、[[ガソリンスタンド]]、[[銀行]]というものもあり、カタログに掲載されたものの未商品化となったが、このようなものは後々他社が商品化した。
 
=== 鉄道模型趣味誌 ===
: 『[[鉄道模型趣味]]』1990年6月号の誌面に登場<ref name="TMS-980" />して以降、死去する2023年まで数々の製作記事を寄せていた。
[[1990年代]]以降は主に雑誌「鉄道模型趣味」に製作記事を掲載しているが、作例は: [[1/72スケール]]の[[ミリタリーモデル]][[軍用車両]]を民間仕様に改造して[[HOゲージ]]に転用したり、各種[[食玩]]モデルのストラクチャーへの転用を薦める記事が多く、[[ペーパークラフト|ペーパーモデル]]による車体やストラクチャーの自作も得意としてい。近年{{いつ|date=2019年9月9日 (月) 22:30 (UTC)}}では、[[フリーマーケット]]や[[100円ショップ]]で販売されている安価な玩具の改造や[[折り紙|色付きの紙]]、廃材を用いて極力塗装を不要とした安価な工作の紹介が多くなってい
 
=== 晩年・没後 ===
: 『[[鉄道模型趣味]]』2023年8月号の編集後記にて、同号の締切直前に訃報が届いたことが触れられた<ref>{{Cite journal|和書|author=[[名取紀之]]|title=編集者の手帖|journal=[[鉄道模型趣味]] 2023年8月号|volume=No. 979|publisher=[[機芸出版社]]|date=2023-07-20|page=114}}</ref>。
: 翌9月号にて、6月20日未明に入院中の病院にて死去したことが誌面で発表された<ref name="TMS-980" />。晩年は入退院を繰り返しており、入院中にも執筆していた。享年72<ref name="TMS-980" />。
: 第22回[[国際鉄道模型コンベンション]](2023年8月18-20日開催)の[[Models IMON]]・[[鉄道模型趣味|TMS]]ブースにて「小林信夫さん原画展」と題して、製作記事用に描かれた原画が初めて公開された<ref>{{Cite book|和書|chapter=メーカー・ショップ大集合:企業出展|title=第22回JAM国際鉄道模型コンベンション公式記録集|publisher=[[機芸出版社]]|date=2024-01-01|page=98|isbn=9784905659259}}</ref>。
: 2024年9月には小林の選り抜き記事で構成された『[[#小林 (2024)|小林信夫の模型世界]]』が発行され、翌年には[[#小林 (2025)|続編]]が発行された。
 
=== その他の主な仕事 ===
* 「GMマニュアル VOL1」1986年、『[[グリーンマックス]]Nゲージカタログ<ref>[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 46-47</ref>』のコラム(volume. 8、1987年まで/小林名は記されていない)
* {{Cite book|和書|title=GMマニュアル Vol.1|publisher=グリーンマックス|date=1986-11}}(小林の名は記載されていない)
* [[トミーテック]] ノスタルジック鉄道コレクションのイメージイラスト<ref>[https://twitter.com/tomytecdiocolle/status/1441983368611106816 【トミーテック】#ノス鉄 第2弾のイメージイラスト公開!] ジオコレ【トミーテック公式】(2021年9月26日、2023年7月21日閲覧)</ref>
* [[トミーテック]] [[鉄道コレクション]]のイメージイラスト
** ナローゲージ80 猫屋線第7弾<ref>{{Twitter status|tomytecdiocolle|1225762128843304960}}</ref>-猫山森林鉄道第2弾([[16番ゲージ|縮尺1/80]]・[[Nゲージ|軌間9mm]]、2020年2月-2024年2月発売)
** ノスタルジック鉄道コレクション 第1弾<ref>{{twitter status|tomytecdiocolle|1360123503836418055}}</ref>-第4弾([[Nゲージ|縮尺1/150・軌間9mm]]、2021年6月-2023年12月発売)
 
== GMカタログでの名言 ==
1980年代のグリーンマックスのカタログには名言がいくつか見られ、著者名は記されていないものの、絵柄やアイディアなどから小林によるものと考えられている。
* 「'''何らかの方法で埋める'''」「'''この部分自作した方が早い'''」<ref name="zenmen">{{Cite book|和書|chapter=この前面はこう使う!|title=GMマニュアル Vol.1|publisher=グリーンマックス|date=1986-11|page=11}}(クモハ52については[[#GM50年史|GM50年史]], pp. 47, 66に掲載)</ref> - [[国鉄52系電車|クモハ52]]キットから[[国鉄モハ53形電車|クモハ53]](前面パーツは[[国鉄80系電車|サロ85]]に付属)を製作する際の前面部の処理の説明。
* 「'''手すり(ぜひ自作して取り付けたい)'''」<ref name="zenmen"/> - [[京急1000形電車 (初代)|京急1000形]]キットから[[小田急5000形電車 (初代)|小田急5200形]](前面パーツは[[小田急9000形電車|小田急9000形]]に付属)を製作する際のアドバイス。
* 「'''スソのRは不要'''」<ref name="zenmen"/> - [[阪急2800系電車|阪急2800系]]キットから[[京急2000形電車|京急2000形]](前面パーツは[[東急8500系電車|東急8500系]]に付属)を製作する際の説明。
* 「[[T-6 (航空機・初代)|テキサン]][[練習機]]は[[零式艦上戦闘機|ゼロセン]]を黄色く塗ってごまかしておけば良い。('''シロウトはだませる''')」{{refnest|{{Cite book|和書|chapter=1/144 scaleノススメ|title=Nゲージ総合カタログ Vol.6|publisher=グリーンマックス|date=1984-7|page=29}}<ref name="gm-store"/>}} - [[1/144スケール]]の飛行機を用いて空港を製作する際のアドバイス。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author=小林信夫|title=小林信夫の模型世界|publisher=[[機芸出版社]]|date=2024-09-01|isbn=9784905659280|ref=小林 (2024)}}
* {{Cite book|和書|author=小林信夫|title=続小林信夫の模型世界 ~貴方も電鉄経営者~|publisher=機芸出版社|date=2025-10-01|isbn=9784905659310|ref=小林 (2025)}}
* {{Cite book|和書|title=グリーンマックス創業50周年記念誌|publisher=[[ネコ・パブリッシング]]|date=2025-03-18|isbn=9784777055890|ref=GM50年史}}
** 第7章「小林信夫氏とグリーンマックス」「小林信夫氏原画集」のほか、各種資料を収録
 
== 外部リンク ==
* [http://chojamaru.blog51.fc2.com/blog-entry-189.html 鉄道模型趣味誌 小林信夫氏の掲載作品リスト(暫定版)]
* [https://www.gm-store.co.jp/blog/gmstore-staff/?s=カタログ カタログ回顧録] - GM通信([[グリーンマックス]]公式ブログ)
* [https://x.com/search?f=live&q=小林信夫+(from:tomytecdiocolle) ジオコレ【トミーテック公式】(@tomytecdiocolle)による投稿] - [[X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)|X(旧Twitter)]]
 
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