「陸上特殊無線技士」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
国家試験: 日本無線協会令和6年度事業報告書から申請者数
 
(11人の利用者による、間の18版が非表示)
56行目:
|一陸特
|
1. [[陸上局#陸上の無線局|陸上の無線局]]の[[空中線電力]]500W以下の[[多重無線]]設備(多重通信を行うことができる無線設備で[[テレビジョン]]として使用するものを含む。)で30MHz以上の[[電波の周波数による分類|周波数]]の電波を使用するもの[https://www.soumu.go.jp/soutsu/kinki/dempa/juujisha/001.html#h4-08 技術操作]【点検員・判定員】短大入学程度で効力あり。
 
2. 前号に掲げる操作以外の操作で二陸特の操作の範囲に属する技術操作
82行目:
 
操作範囲について他種別の無線従事者との関係は次の通りである。
<pre>
     一総通         一陸技 
      ┃┗━━━━┳━━━━┓┃  
     二総通   一海通   二陸技 
 ┏━┳━┛┃┗━━┳━╂━━━┓ ┃┗┓
 ┃ ┃ 三総通 ┏╂二海通  ┃一陸特┃
 ┃ ┃  ┃┗━╂╂━╂━━┓┗┓┃ ┃
航空通┃  ┃  ┃┃三海通 ┃ 二陸特┃
 ┃ ┃  ┗┓┏┛┃ ┃  ┗━┓┃ ┃
航空特┃   四海通┗一海特   三陸特┃
   ┃    ┗━━━┫       ┃
   ┃       二海特      ┃
   ┃        ┣━━━━━┓┏┛
  国内電信      三海特   レーダー
 
[[File:Japan Radio Operator License Correlation Diagram.png]]
</pre>
 
'''[[陸上局#陸上の無線局|陸上の無線局]]'''とは、電波法施行令第3条第2項第8号に規定する無線局(海岸局、海岸地球局、船舶局、船舶地球局、航空局、航空地球局、航空機局、航空機地球局、無線航行局及び基幹放送局以外の無線局)をいう。
 
(なお、[[基幹放送局]]の無線設備の技術操作のうち「[[受信障害対策中継放送]]局(ギャップフィラー)及び[[コミュニティ放送局]]の無線設備の技術操作であって外部の転換装置で電波の質に影響を与えないもの」は、電波法施行令第3条1項の表により、一陸特・二陸特の資格により操作可能とされている)。
 
この「陸上の無線局」は「'''[[陸上局]]'''」([[電波法施行規則]]4条1項8号)のほか、「'''陸上に開設する無線局'''」([[電波法]]62条1項・63条・70条の2第2項等参照)とも異なる概念である(「陸上に開設する無線局」には基幹放送局のほか「海岸局、海岸地球局、航空局、航空地球局、無線航行局」も含まれるが、「陸上の無線局」にはこれらは含まれない。)。すなわち、「陸上局」・「陸上に開設する無線局」の無線局の無線設備であっても「陸上の無線局」の無線設備にあたらないものは、上記(ギャップフィラー・コミュニティ放送局)の例外を除いて陸上特殊無線技士の資格では操作をすることができず、逆に、操作しようとする無線設備が「陸上局」・「陸上に開設する無線局」の無線設備でなくても「陸上の無線局」の無線設備にあたるものであれば、各級のその他の操作範囲の要件を満たす限りにおいて、陸上特殊無線技士の資格で操作することが可能である。
 
また、陸上特殊無線技士の資格では、[[アマチュア無線技士]]の範囲の操作は行えない。これは、各資格の操作範囲と深い関連があり、無線工学や法規の試験が[[アマチュア局]]の運用に必要とされる内容を充足していないためである(例えば、国内電信には無線工学の試験は無い。また、二陸特・三陸特の無線工学の試験は「無線設備の取扱方法」であり、第四級アマチュア無線技士の資格で要求される無線設備・空中線系等の「理論・構造・機能」の「初歩」のレベルに足りない。なお一陸特は、無線設備・空中線系等について「理論・構造・機能」が要求され、そのレベルも第一級アマチュア無線技士の試験に相当する「概要」であるが、試験範囲となる無線設備は、空中線系を除き「多重無線設備」に限定されている。)。<!--電波法第44条 無線従事者国家試験は、無線設備の操作に必要な知識及び技能について行う。 -->
* 無線設備の操作は「技術操作」と「通信操作」に大別される(電波法施行令3条の表中、第一級[[総合無線通信士]]の項を参照)。
* 二陸特・三陸特の技術操作の範囲は、「外部の転換装置で[[電波#日本での規定|電波の質]]に影響を及ぼさない<ref>「電波の質に影響が及ぶ」とは、同じ周波数で変調方法を切り替え使用する事など電波関係法令に規定される電波の質が変化する技術操作を指す。</ref>」も具体的には、第二級海上無線通信士や航空無線通信士操作範囲である「無線設備の外部の調整部分の操作」れる。ない、転換装置(スイッチ•ツマミ類
 
)の操作をいう。なお、変調の方式の変換のためのスイッチ類の操作は、その無線設備において
 
もともと設定されている各変調の電波の質を形成する諸状態の変更を伴わない限りは可能である。</ref>」ものに限られる。
* 一陸特の技術操作の範囲は、「陸上の無線局の500W以下の多重無線設備(多重無線設備であればテレビジョン信号も可)で30MHz以上の周波数を使用するもの」については制限がなく、それ以外の無線設備は、下位資格である二陸特(及び三陸特)の操作範囲と同一である。(多重無線設備であっても使用される周波数が30MHz未満のものは、人工衛星局の中継による場合は二陸特と同様の、それ以外については三陸特と同じ制限がかかる<ref>{{Cite web |url=https://www.nichimu.or.jp/denpa/range/index.html |title=無線従事者に関する資料 |access-date=09-DEC-2023 |publisher=日本無線協会}} 30MHz以上の電波を使用する多重無線設備については、人工衛星局の中継の有無を含めて、操作範囲への影響はない。{{Cite web |url=https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/proc/manual/faq/ |title=よくある質問Q&A「7.地球局利用のために無線従事者の資格は必要ですか」参照|access-date=21-DEC-2023 |publisher=総務省電波利用ホームページ}}</ref>)。現代では30MHz未満の周波数を大電力で扱う需要は少なく、デジタル方式による多重通信が一般化していることから、陸上に開設されている無線局を概ねカバーできるとされている免許といわれる。
* 陸上の無線局において行われる通信操作は、モールス符号による無線電信の送受信(電波法39条2項)を除き「簡易な操作」とされており(電波法39条1項・電波法施行規則33条・[https://www.tele.soumu.go.jp/horei/law_honbun/72031500.html 平成2年郵政省告示第240号])、その限りにおいて(総合無線通信士等の)陸上においても通信操作を行うことができる無線従事者の資格を有する者を充てることを要しない。そのため、第一級から第三級の操作範囲はすべて「技術操作」とされており、通信操作については言及されていない([[陸上無線技術士]]の操作範囲においても同様である)。
 
電波法施行令第3条に規定される二陸特・三陸特の多重無線設備に係る操作範囲には、「多重通信を行うことができる無線設備でテレビジョンとして使用するものを含む」との文言がなく、また、一陸特の項の多重無線設備に係る操作範囲の規定においても(第三級総合無線通信士・第一級海上特殊無線技士の操作範囲の項に存在する「以下においてもこれと同じ扱いをする」ことを示す)「'''以下この表において同じ。'''」の表記もないことから、二陸特・三陸特の資格多重無線設備に係る操作範囲より「多重通信を行うことができる無線設備でテレビジョンとして使用するもの」の操作でき含まれのか否について疑義が不明瞭であり、あらか必要に応め、総務省当局に照会し、その確認を得ることが望ましい。
 
'''[[#変遷]]'''に見るように、三陸特の制定当初は、多重無線設備について規定されていなかった。
129 ⟶ 120行目:
* 2019年(平成31年)- 一陸特と二陸特の操作範囲に[[受信障害対策中継放送|ギャップフィラー]]及び[[コミュニティ放送局]]の無線設備が追加された<ref name="h31_19" />。
** 同時に、第二級・第三級総合無線通信士の操作範囲にも同じ内容が追加された。
 
 
==取得==
146 ⟶ 138行目:
===国家試験===
 
* 無線従事者免許試験に係る唯一の総務大臣指定試験機関となっている[[日本無線協会]]が6・10・2月の年3回実施する。これ以外にも[[学校]]等からの依頼による実施のほか、二陸特及び三陸特は2022年2月から全国で[[Computer Based Testing|CBT]]方式による試験が随時行われており、同3月以降は、身体に障害がある等CBT方式の受験が困難な場合を除き、CBT方式でのみ実施されている。
; 試験の方法及び試験科目
[[無線従事者規則]]第3条に試験の方法として、[[電気通信術]]は実地、その他は筆記又はCBT方式によること、<!-- 但し、[[総務大臣]]又は[[総合通信局]]長([[沖縄総合通信事務所]]長を含む。以下同じ。)が必要と認める場合は他の方法によることが、 -->また、第5条に試験科目が規定されている。
; 一陸特
* 無線工学
# 多重無線設備([[アンテナ|空中線]]系を除く。)の理論、構造及び機能の概要
# 空中線系等の理論、構造及び機能の概要
# 多重無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
336 ⟶ 328行目:
|-
!年度
! colspan="4" |令和2年度
! colspan="4" |令和3年度
! colspan="4" |令和4年度
|-
|align="center"|'''種別'''
409 ⟶ 401行目:
|88.8
|24.3
|-
!年度
!colspan="4"|令和5年度
!colspan="4"|令和6年度
!colspan="4"|
|-
|align="center"|'''種別'''
|align="center"|一陸特
|align="center"|二陸特
|align="center"|三陸特
|align="center"|国内電信
|align="center"|一陸特
|align="center"|二陸特
|align="center"|三陸特
|align="center"|国内電信
|align="center"|
|align="center"|
|align="center"|
|align="center"|
|-
|align="left"|申請者数(人)
|7,373
|5,792
|2,034
|67
|6,318
|5,432
|2,185
|66
|
|
|
| 
|-
|align="left"|受験者数(人)
|5,690
|5,569
|1,945
|45
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|align="left"|合格者数(人)
|1,992
|4,683
|1,648
|9
|
|
|
|
|
|
|
|
|-
|align="left"|合格率(%)
|35.0
|84.1
|84.7
|20.0
|
|
|
|
|
|
|
|
|}
 
677 ⟶ 744行目:
!colspan="4"|令和3年度
!colspan="4"|令和4年度
!colspan="4"|令和5年度
|-
|align="center"|'''種別'''
688 ⟶ 755行目:
|align="center"|三陸特
|align="center"|国内電信
|align="center"|一陸特
|align="center"|二陸特
|align="center"|三陸特
|align="center"|国内電信
|-
|align="left"|実施件数||81||360||654||0||84||317||658||0|| 75|| 346|| 656|| 0
|-
|align="left"|受講者数(人)||1,363||12,337||17,416||0||1,390||11,699||16,836||0|| 1,331|| 11,276|| 15,772|| 0
|-
|align="left"|修了者数(人)||1,334||12,309||17,396||0||1,361||11,143||16,794||0|| 1,310|| 11,210|| 15,730|| 0
|-
|align="left"|修了率(%)||97.9||99.8||99.9||-||97.9||95.2||99.8||-|| 98.4|| 99.4|| 99.7|| 
|-
|colspan="13" align="left"|注 平成27年度の発表なし
717 ⟶ 784行目:
===取得者数===
{|class="wikitable" style="text-align:right;"
|+取得者数の推移(人)
|-
!
!一陸特(人)!!二陸特(人)!!三陸特(人)!!国内電信(人)
!計
|-
|平成2年度末||90,175||746,335||29,031||10,525
|876,066
|-
|平成3年度末||94,939||760,011||63,729||10,572
|929,251
|-
|平成4年度末||99,877||774,875||97,620||10,642
|983,014
|-
|平成5年度末||104,534||789,434||129,422||10,683
|1,034,073
|-
|平成6年度末||109,814||803,916||158,088||10,727
|1,082,545
|-
|平成7年度末||115,037||817,341||173,683||10,784
|1,116,845
|-
|平成8年度末||120,037||833,886||186,793||10,834
|1,151,550
|-
|平成9年度末||124,483||849,806||199,339||10,873
|1,184,501
|-
|平成10年度末||129,156||863,775||210,915||10,903
|1,214,749
|-
|平成11年度末||133,520||877,559||222,681||10,958
|1,244,718
|-
|平成12年度末||138,041||891,294||233,872||11,020
|1,274,227
|-
|平成13年度末||141,977||906,943||244,410||11,056
|1,304,386
|-
|平成14年度末||145,670||926,854||255,387||11,098
|1,339,009
|-
|平成15年度末||150,189||946,602||267,564||11,161
|1,375,516
|-
|平成16年度末||154,186||964,442||279,206||11,226
|1,409,060
|-
|平成17年度末||157,708||982,999||291,978||11,305
|1,443,990
|-
|平成18年度末||161,554||1,001,565||307,290||11,370
|1,481,779
|-
|平成19年度末||165,792||1,021,105||323,349||11,434
|1,521,680
|-
|平成20年度末||170,224||1,040,041||338,380||11,508
|1,560,153
|-
|平成21年度末||175,688||1,059,962||362,596||11,598
|1,609,844
|-
|平成22年度末||181,244 ||1,080,339||388,495||11,649
|1,661,727
|-
|平成23年度末||185,762||1,101,075||411,111||11,692
|1,709,640
|-
|平成24年度末||191,044||1,121,304||433,697||11,726
|1,757,771
|-
|平成25年度末||196,658||1,141,538||454,802||11,757
|1,804,755
|-
|平成26年度末||202,097||1,161,096||477,601||11,784
|1,852,578
|-
|平成27年度末||207,312||1,181,536||500,030||11,815
|1,900,693
|-
|平成28年度末||211,578||1,201,625||522,500||11,873
|1,947,576
|-
|平成29年度末||215,571||1,220,822||545,268||11,911
|1,993,572
|-
|平成30年度末||220,729||1,240,323||567,680||11,939
|2,040,671
|-
|令和元年度末||226,094||1,259,262||588,988||11,947
|2,086,291
|-
|令和2年度末||230,986||1,275,090||607,015||11,954
|2,125,045
|-
|令和3年度末||237,018||1,293,215||628,894||11,962
|2,171,089
|-
|令和4年度末||243,809||1,313,246||649,765||11,968
|2,218,788
|-
|令和5年度末||248,486||1,328,262||668,151||11,973
|2,256,872
|}
<small>この節の統計は、資格・試験<ref>[https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/field/denpa04.html 資格・試験](総務省情報通信統計データベース - 分野別データ)</ref> による。</small>