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標準軌GTO-VVVF車の再編対応
 
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近鉄の車両は原則グループ企業の[[近畿車輛]](近車)製だが、西信貴ケーブル線の車両は日立製である他、[[四日市あすなろう鉄道内部線|内部]]・[[四日市あすなろう鉄道八王子線|八王子線]]の付随車([[三重電気鉄道]]引継車)には[[帝國車輛工業|帝国車輛]]・[[日本車輌製造]](日車)・[[アルナ工機|ナニワ工機]]製のものがあり、[[1950年代]]前半(6421系)まで名古屋線向けは日車製であるなどの例外もある。内部・八王子線は経営分離により、6421系等は廃車によりすでに除籍されているため、西信貴鋼索線の車両を除けば2019年現在、自社保有車両は近畿車輛製に統一されている。前述した社以外の車両メーカーとの取引は、電気機器を納入している日立製作所を除き全くないが、過去には[[川崎重工業]]製の冷房装置を一部の特急車に採用したことがあった。
 
[[鉄道車両の台車|台車]]も基本的に近車が製造しており、1954年から1992年までは同社が[[スイス車両エレベーター製造|スイス・カー・アンド・エレベーター]] (SWS) 社との提携によって開発されたシュリーレン式円筒案内軸箱支持機構を標準採用(特殊狭軌線と[[近鉄7000系電車|7000系]]、[[近鉄5200系電車|5200系]]、5209系を除く)、以降は近車独自開発の片持ち式積層ゴム支持による軸箱支持機構を備えたボルスタレス台車を採用している。このため、関西大手私鉄で唯一、[[日本製鉄]](旧[[住友金属工業]]→新日鐵住金)製のFS・SS台車を採用していないが、近鉄成立以前の大阪電気軌道や参宮急行電鉄時代からシュリーレン式台車の実用化までは同社製品を主に使用していた。そのほか、[[伊勢湾台風]]直後の名古屋線改軌の際には、例外的に日車製円筒案内台車を複数購入している。なお、2017年には新日鐵住金製[[PQモニタリング台車]]の試用を行っている<ref>{{cite news|url=httphttps://railf.jp/news/2017/02/02/180000.html|title=近鉄で22600系を使った台車試験|newspaper=[[鉄道ファン]] railf.jp 鉄道ニュース|publisher=[[交友社]]|date= 2017-02-02|accessdate=2019-12-28}}</ref>。
 
== 形式付与基準 ==
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=== F 1位 ===
* 系列番号と形式番号は0、製造番号は1である。<!---1200系2連車は改番され、1201系となっているため、現存している。--->
* 前系列に対し小規模な変更が行われた新系列は、下一桁1~9まで使って細かく刻んだ系列番号が付番される(例:1233系、1422系、2444系、5209系、6419系など)。中1~9を使うは該当系列が1編成しかないものも存在する(例:1233:1240系、14221254系、1435系、6251436系など)。
* MM'ユニットで製造された電動車は先頭車と中間車のペアでも連続して付番される。
大半の系列は基本的には以上の規則・分類に従って付番されているが、改造による車種変更等で例外的に規則に従わない車両も存在する。
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* [[近鉄23000系電車|23000系]]「伊勢志摩ライナー」
* [[近鉄30000系電車|30000系]]「ビスタEX」(登場時はビスタカーⅢ世)
* [[近鉄1220019200系電車#19200系|19200系]]「あをによし」(観光特急)
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ファイル:KINTETSU50000 B.JPG|50000系「しまかぜ」
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* [[近鉄12400系電車#12600系|12600系]]「サニーカー」
* [[近鉄22000系電車#22000系|22000系]]「ACE」
* [[近鉄22600系電車#22600系概要|22600系]]「Ace」
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ファイル:Kintetsu-12410-12412F.jpg|12410系「サニーカー」
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==== 標準軌線団体専用車両 ====
* [[近鉄20002013系電車#2013系|2013系]]「つどい」
* [[近鉄1220015200系電車#15200系|15200系]]「[[あおぞらII]]
* [[近鉄1220015400系電車#15400系|15400系]]「かぎろひ」([[クラブツーリズム]]専用)
* [[近鉄20000系電車|20000系]]「楽」
 
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==== 南大阪線・吉野線用 ====
* [[近鉄16000系電車#16000系|16000系]]
* [[近鉄16000系電車#16010系|16010系]]
* [[近鉄2200016400系電車#16400系|16400系]]「ACE」
* [[近鉄2260016600系電車#16600系|16600系]]「Ace」<ref>[http://www.kinkisharyo.co.jp/ja/special/tnumber/tnumber01.htm 近畿車輌株式会社-車両出場状況]</ref>
* [[近鉄26000系電車|26000系]]「さくらライナー」
* [[近鉄600016200系電車#16200系|16200系]]「青の交響曲(シンフォニー)」(観光特急)<ref>[http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/symphony.pdf 南大阪線・吉野線観光特急「青の交響曲 シンフォニー」が平成28年9月10日デビュー!]</ref>
 
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* [[近鉄10000系電車|10000系]]「ビスタカーⅠ世」
* [[近鉄10100系電車|10100系]]「ビスタカーⅡ世」
* [[近鉄10400系電車|10400系]]「[[エースカー]]
* [[近鉄11400系電車|11400系]]「新エースカー」
* [[近鉄12000系電車|12000系]]「[[スナックカー]]
* [[近鉄12200系電車|12200系]]「新スナックカー」・「[[あおぞらII]]
* [[近鉄18000系電車|18000系]]
* [[近鉄18200系電車|18200系]](京都線特急車、ミニエースカー のち旧あおぞらII)
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以下は年度毎による車両の総合的変遷を世代別に解説・分類した後、世代別と路線別を組み合わせた表を使用し、これまでの幹線共通規格車を整理している。前世代と次世代両者に跨る系列も一部に存在する。
 
新型一般車両(8A系・1A系・1B系・6A系)導入に合わせ、今後、現存する全ての一般車両において色分けがなされる予定で、奈良・京都・南大阪線系統の車両は、従来の赤色、大阪・名古屋線系統の車両は、青色に統一される予定である。なお、シリーズ21については、現時点では未定である。
 
=== 試作高性能車(1954年以降)===
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=== 初期高性能車(1957年以降)===
{{see also|ラビットカー}}
本線用高性能車としては1957年に片側3扉の1460系が大阪線に、日本初の高加減速車でもある片側4扉の6800系が南大阪線に投入され、3扉と4扉で比較が行われた<ref>保育社 カラーブックス「日本の私鉄1 近鉄」P.61 ISBN 4-586-50489-7</ref>。しかし、大阪を中心としたスプロール現象は予想よりも早く拡大し、片側3扉ではまかないきれないと判断され<ref>保育社 カラーブックス「日本の私鉄1 近鉄」P.65 ISBN 4-586-50489-7</ref>、大阪線にも片側4扉の1470系、1480系が投入された。このデザインは1980年に新製された[[近鉄8000系電車#8800系|8800系]]まで20年以上にわたり踏襲されたこのデザインは「丸屋根車」と呼ばれる。標識灯は角型一灯式のものが採用された。細部では6800系の[[前照灯]]配置や1480系の中間車の前後対称の窓配置など、後に増備された車両と比較して異なる点が存在した。また、高性能車ではないものの、名古屋線の6441系も1460系とほぼ同じ車体の片側3扉で投入されていた。
 
なお、統一規格車体の詳細については後述する。
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新製当初より冷房装置を搭載し、天井に冷房風道を設置する前提で構体設計の見直しが実施された結果、ラインデリア車と比較して屋根が高く丸くなった。また乗降時に車内温度が上昇しやすい客用扉部分にラインデリアを1両あたり4台設置し、冷房装置と併用することで冷房効果を高めている。
 
[[近鉄8000系電車#8600系|8600系]]から冷房装置が[[集約分散式冷房装置|集約分散式]]となり、[[2610系]]・[[近鉄26002610系電車#2800系|2800系]]も増備中途より分散式から集約分散式に変更された。
 
前世代の各形式においては床下の補助機器を二位側車両に搭載し重量の分散化を計っていたが、本グループは補助機器も一位側車両に搭載するよう変更された。
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=== チョッパ省エネ車(1981年以降)===
車体のフルモデルチェンジが行われた。前面は窓上にステンレス製の飾り板が新設され、標識灯が角型横3列配置のものに変更されるなど、全体的に角ばったデザインとなった。このデザインは後述する制御装置の刷新後も1998年に登場した[[近鉄5800系電車|5800系]]まで踏襲された。
 
[[界磁チョッパ制御]]が本格的に採用された。だが他社に比べチョッパ車の量産化は遅く、逆にVVVFインバータ制御の採用が早かったため、次世代と比べ両数は少ない。特に南大阪線は2両編成の[[近鉄14006600系電車#6600系|6600系]]が4編成作られたのみである。これは山岳区間の多い近鉄では[[回生ブレーキ|回生制動]]の失効を抑える必要があるのに対し、チョッパは比較的高い速度から失効するが、VVVFインバータ制御は失効速度が低いことが理由の一つである。
 
この世代のみの外観上の変遷として、側面表示部が種別のみあんどん式→銀枠なし種別行先方向幕→銀枠つき種別行先方向幕と移行している。
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制御方式が[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ]]になり、側面乗務員扉直後に「VVVF INVERTER」のエンブレムが貼付された(5800系のみ「L/C」のエンブレムが貼付されている(2009年3月以降順次撤去)。また機器メーカーが日立製作所製か三菱電機製かによって、一部系列を除き系列番号を分けている。
 
1986年の[[近鉄3200系電車|3200系]]より本格的にアルミ合金製車体を採用。初期車は主にA6N01アルミ合金が用いられていたが、[[近鉄12201230系電車#1230系|1233系]]・[[近鉄14221430系電車#1430系|1430系]]・[[近鉄6400系電車|6413系]]以降はリサイクル性と溶接性を考慮し、A7N01アルミ合金が用いられている。ただし、急行用車両として3扉構造で新製された[[近鉄5200系電車|5200系]]のみ、側窓を大型化した関係で構体開口部が他系列と比較して大きくなったため、構体強度確保の観点から普通鋼製構体を採用している。これとは別にけいはんな線所属の[[近鉄7000系電車|7000系]]も普通鋼製構体となっている。
 
全幹線新規格車体が本格採用され、奈良・京都線と同じ広幅裾絞り(最大幅2,800mm)となった。
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=== 前面八角形風車体(2024年以降)===
2024年より前面を八角形風のデザインにするなどのフルモデルチェンジ車両となった[[近鉄8A系電車|8A系]]を皮切りとして、次世代の車両として分類される。2026年1月に1A系が大阪・名古屋線で、同年5月に6A系が南大阪線系統で営業運転を開始する予定。なお、大阪・名古屋線系統に導入される予定の車両については車体塗装は青色となる予定
* [[近鉄8A系電車|8A系]]
*: 奈良線・京都線・橿原線・天理線に導入の車両。2024年6月26日未明より、本線試運転を実施し、同年9月28日には試乗会を実施した。10月7日より運転を開始し、年度内(2025年3月末まで)に12編成48両が、翌年度には9編成36両が導入される<ref>{{Cite press release|url=https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/3ffcffeeedf5418db31ce7f192df2976/20240510.pdf|title=2024年10月 奈良線・京都線で新型一般車両がデビューします!|format=PDF | publisher=近畿日本鉄道|date=2024-05-10|access-date=2024-05-10}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/ecf8269cf71342a7a89027cc85773e20/20240906.pdf |title=10月7日(月)に奈良線・京都線ほかで新型一般車両がデビューします! ~デビューを記念して有料撮影会、有料試乗会を開催します~ |access-date=2024/09/06 |publisher=近畿日本鉄道}}</ref>。
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|-
|初期高性能車<br />([[1957年]]以降)
|[[近鉄14601470系電車|1470系]]▲<br />[[近鉄1480系電車|2470系]]▲<br />[[近鉄1480系電車|1480系]]▲
|[[近鉄6441系電車|6441系]]▲<br />[[近鉄1600系電車|1600系]]▲
|&nbsp;
379 ⟶ 381行目:
|統一規格車体<br />([[1961年]]以降)
|[[近鉄2400系電車|2400系]]▲
|[[近鉄16001800系電車|1800系]]▲
|&nbsp;
|[[近鉄900系電車|900系]]▲<br />[[近鉄8000系電車|8000系(21-59)]]▲
387 ⟶ 389行目:
|ラインデリア<br />([[1967年]]以降)
|[[近鉄2400系電車|2410系]]<br />[[近鉄2400系電車|2430系]]
|[[近鉄16001800系電車|1810系]]<br />[[近鉄1000系電車|1000系]]<br />[[近鉄1010系電車|1010系]]
|[[近鉄2600系電車|2600系]]▲
|[[近鉄8000系電車|8000系(60-90)]]<br />[[近鉄8000系電車|8400系]]
394 ⟶ 396行目:
|-
|新造冷房車<br />([[1971年]]以降)
|[[近鉄26002610系電車|2800系]]
|[[近鉄2000系電車|2000系]]
|[[近鉄26002680系電車|2680系]]▲<br />[[近鉄26002610系電車|2610系]]
|[[近鉄8000系電車|8600系]]<br />[[近鉄8000系電車|8800系]]
|[[近鉄3000系電車|3000系]]▲
410 ⟶ 412行目:
|-
|VVVF省エネ<br />([[1984年]]以降)
|[[近鉄1420系電車|1420系]]<br />[[近鉄1220系電車|1220系]]<br />[[近鉄12201230系電車|1230系]]<br />[[近鉄1422系電車|1422系]]<br />[[近鉄14221430系電車|1430系]]<br />[[近鉄14221430系電車|1620系]]
|&nbsp;
|[[近鉄5200系電車|5200系]]<br />[[近鉄5800系電車|5800系]]
|[[近鉄12201230系電車|1233系]]<br />[[近鉄12201230系電車|1020系]]
|[[近鉄3200系電車|3200系]]
|[[近鉄6400系電車|6400系]]<br />[[近鉄6400系電車|6620系]]
423 ⟶ 425行目:
|[[近鉄9020系電車|9020系]]<br />[[近鉄9020系電車|9820系]]
|[[近鉄3220系電車|3220系]]
|[[近鉄90206820系電車|6820系]]
|-
|前面八角形風車体<br />([[2024年]]以降)
|1A系
|形式未定(2025年)
|1B系
|
|[[近鉄8A系電車|8A系]]
|
|
|6A系
|形式未定(2025年)
 
|}
<gallery>
456 ⟶ 459行目:
* [[近鉄モト90形電車|モト90形]]
* [[近鉄1600系電車|五位堂・高安入替車]]
* [[近鉄2400系電車#モワ24系電車|モワ24系電気検測車]](はかるくん)
<gallery>
ファイル:Kintetsu Moto75 Nara JPN 001.JPG|モト75形
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== 導入予定の車両 ==
*1A系・1B系 - 2026年1月以降に大阪線・名古屋線系にて運行開始予定の一般車両。いずれも8A系に準じたL/Cカーで、1A系は4両編成で編成中に車椅子対応トイレを装備、1B系は3両編成でトイレは装備しない<ref name="press250612">{{cite pressrelease |和書 |url=https://files.microcms-assets.io/assets/f76cb3f097104533921f6d6262a336ee/ed86364ee0d94d10ad3687f45f012d96/20260612rw.pdf |title=2026年に大阪線・名古屋線・南大阪線などで新型一般車両がデビュー! |format=PDF |publisher=近畿日本鉄道 |date=2025-06-12 |acceesdate=2025-09-13}}</ref>。塗装は8A系のマルーンレッドをコーポレートカラーや伊勢志摩をイメージしたブルーに変更する<ref>{{cite news |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD125730S5A610C2000000/ |title=近鉄の新型車両「1A系」、大阪・名古屋線で26年1月導入 車体は青 |newspaper=日本経済新聞 |date=2025-06-12 |accessdate=2025-09-13}}</ref>(この塗装は在来車にも展開予定<ref>{{cite news |url=https://www.asahi.com/articles/AST6D24TJT6DOIPE009M.html |title=近鉄の一般車両に初の青い塗装 名古屋線などに1A系、来年1月登場 |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2025-06-12 |accessdate=2025-09-13}}</ref>)。2025年度は大阪線に1A系2編成(8両)、名古屋線に1A系3編成(12両)を、2026年度は名古屋線に1B系3編成(9両)を導入する予定<ref name="press250612"/>。
* 2025年度には大阪線に2編成8両、名古屋線と南大阪線に3編成12両ずつ新型車両が導入される予定である(いずれも仕様および形式は未定)。
*6A系 - 2026年5月以降に南大阪線系にて運行開始予定。4両編成で南大阪線系一般車としては初めてL/Cカーとなり車椅子対応トイレを装備する。塗装は8A系と同じとする。2026年度に3編成(12両)、2027年度に2編成(8両)を導入する予定<ref name="press250612"/>。
 
== 脚注 ==