「原子核物理学」の版間の差分
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{{専門的|date=2015年5月}}
'''原子核物理学'''(げんしかくぶつりがく、Nuclear physics、単に核物理とも言われる):[[強い相互作用]]に従う粒子の[[多体問題]]を研究する学問領域。主に[[原子核]]の核構造、核反応([[核分裂反応]]、[[核融合反応]])などを扱う分野のこと。また、[[核物質]]・[[ハドロン物質]]の性質を調べる[[ハドロン物理学]]も、この分野の一部である。▼
{{複数の問題|出典の明記=2011年11月|正確性=2015年5月11日 (月) 09:38 (UTC)}}
構成要素が2種類(注・[[ハイパー核]]はさらに数種類の構成要素が加わる)であるにもかかわらず、陽子・中性子それぞれの数や励起のさせ方により、様々な構造を取るのが特徴である。核子の主要な相互作用である「強い相互作用」が未だ完全に解明されていないこと、物性理論のように構成粒子が無限であるという近似が許されないこと、表面の効果が重要であること等により、発見から1世紀近く経つにもかかわらず、まだまだ未知の部分が残されており、理論実験ともに盛んに研究が行われている。▼
▲'''原子核物理学'''(げんしかくぶつりがく、
▲構成要素が2種類
== 原子核物理学における理論 ==
対象とするエネルギー領域によって、
低エネルギー領域における現象を記述する原子核物理学では、[[核子]]の自由度から原子核の構造を記述する「微視的核構造理論」の構築に力が注がれている。
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一方[[量子分子動力学]]を基にした[[AMD模型]]等により[[核構造]]の記述が試行されているが、その理論正当性はいまだに判然としない。
中間エネルギー領域の現象を記述する[[ハドロン物理学]]では[[量子色力学]]
理論的に疑問点の少ない[[摂動論]]を用いた現象の記述は、摂動的に記述できる部分と非摂動的に記述しなければならない部分との因子化分離が可能な場合にはよく理解されている。
しかし非摂動領域での[[有効模型]]や[[QCD和則]]による研究は、永年月にわたる多大な努力にもかかわらず芳しい進展を見ない。
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== 原子核物理学における実験 ==
現代の原子核に関する実験には大雑把に言って原子核をくっつけて([[核融合反応]])自然に存在しないより大きな原子核を作る実験([[超重核]]の探索など)、ぶつけて壊す([[核破砕反応]])事によって天然に存在しない核を作り性質を調べる実験([[中性子過剰核]]や[[陽子過剰核]]の実験)、陽子・中性子以外に[[ストレンジネス]]を持つ[[バリオン]]である[[ハイペロン]]を混入してその振る舞いを調べる実験
測定の手法としては[[励起状態]]から[[基底状態]]へ移る際に放出される[[ガンマ線|γ線]]のエネルギーとその揺らぎを測定する実験([[原子核分光]])、[[原子核崩壊]]の生成物のエネルギーとその揺らぎを測定する実験、原子核に高エネルギーの光子や電子を入射してその変化を調べる実験、その他原子核から放出される種々の粒子を測定する実験がある。
== 最近取り沙汰される話題 ==
* [[不安定核]]
* [[超重核]]
* [[三体力]]
* [[ペンタクォーク]]
* [[クォークグルーオンプラズマ]]
==関連記事==▼
*[[物理学]]▼
*[[核物理]]▼
*[[核構造物理学]]▼
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[[Category:原子核物理学|*けんしかくふつりかく]]▼
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