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{{生物分類表
'''アブル=アターヒーヤ'''({{lang-ar|أبو العتاهية}};Abū l-ˤAtāhiyya、[[748年]] - [[828年]])は、アッバース朝期に活躍した[[詩人]]。
| 名称 = ハマダイコン
|色 = lightgreen
| 画像 = [[File:Hamadaikon 01.jpg|260px|Hamadaikon 01]]
| 画像キャプション = ハマダイコンの花
| 分類体系 = [[APG III]]
| 界 = [[植物界]] [[:w:Plantae|Plantae]]
|門階級なし = [[被子植物]] {{Sname||Angiosperms}}
|綱階級なし = [[真正双子葉類]] {{Sname||Eudicots}}
|亜綱階級なし = [[バラ類]] {{Sname||Rosids}}
|目 = [[アブラナ目]] {{Sname||Brassicales}}|
| 科 = [[アブラナ科]] [[:en:Brassicaceae|Brassicaceae]]
| 属 = [[ダイコン属]] ''[[:en:Raphanus|Raphanus]]''
| 種 = <!--'''〓'''--> ''R. sativus''
|変種 = ダイコン<br> ''R. s.'' var. {{Snamei|hortensis}}
|品種 = '''ハマダイコン'''<br> ''R. s.'' var. ''h.'' f. {{Snamei|raphanistroides}}
| 学名 = {{Snamei||Raphanus sativus}} {{AU|L.}} var. {{Snamei|hortensis}} {{AU|Backer}} f. {{Snamei|raphanistroides}} {{AU|Makino}} {{small|([[1909年|1909]])}}<ref name="YList">{{YList|id=11733|taxon=Raphanus sativus L. var. hortensis Backer f. raphanistroides Makino ハマダイコン(標準)|accessdate=2023-05-28}}</ref>
|シノニム =
* {{Snamei|Raphanus sativus}} {{AU|L.}} var. {{Snamei|raphanistroides}} ({{AU|Makino}}) {{AU|Makino}} {{small|([[1917年|1917]])}}<ref name="YList_20423">{{YList|id=20423|taxon=Raphanus sativus L. var. raphanistroides (Makino) Makino ハマダイコン(シノニム)|accessdate=2023-05-28}}</ref>
* {{Snamei|Raphanus acanthiformis}} {{AU|Morel}} ex {{AU|Sisley}} f. {{Snamei|raphanistroides}} ({{AU|Makino}}) {{AU|H.Hara}} {{small|([[1935年|1935]])}}<ref name="YList_28170">{{YList|id=28170|taxon=Raphanus acanthiformis Morel ex Sisley f. raphanistroides (Makino) H.Hara ハマダイコン(シノニム)|accessdate=2023-05-28}}</ref>
| 英名 =
}}:
 
== 人物 ==
[[シリア砂漠]]の中の[[オアシス]]の町の一つで生まれた<!-- [[ヒジャーズ]](?) -->。父親は吸角法で、息子のアブル=アターヒーヤは壷を売って生計を立てており、大変に生活は貧しかった。しかし、徐々に天才詩人としての名声が知れ渡り、ついには[[アッバース朝]]第3代目[[カリフ]]、[[マハディー]]の目に止まり、それからまたたくまに出世していった。[[アブー・ヌワース]]と共に並び称される詩人となった。その作風は、平易な中に人生の様々な機微を詠み、清貧を称賛する作風である。
 
'''ハマダイコン'''(浜大根{{sfn|金田初代|2010|p=167}}、[[学名]]: {{Snamei|Raphanus sativus}} var. ''hortensis'' f. ''raphanistroides'')は、[[アブラナ科]][[ダイコン属]]の越年草である。別名、ホソダイコン、ノダイコン、イソダイコンともよばれる{{sfn|金田初代|2010|p=167}}。[[中国]]名は藍花子<ref name="YList"/>。野菜の[[ダイコン]]よりも[[葉]]や[[根]]は硬く、強い辛味と香りを有し、同様に食用にすることができる。日本全国([[北海道]]から[[琉球]]まで)に分布し、海岸や河口の砂地、海岸沿いの草やぶに自生する{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}{{sfn|森昭彦|2021|p=33}}。海岸のゴミが打ち上げられるような場所に多く見られるのは、[[コルク]]質の種子が海流に乗って運ばれてきたためである{{sfn|永田芳男|2006|p=221}}。多くの植物図鑑などでは、かつて栽培されたダイコンが古い時代に野生化したものとする説が主流であるが{{sfn|金田初代|2010|p=167}}、これに疑問を持つ研究者もおり{{sfn|永田芳男|2006|p=221}}、[[遺伝子]]を調べた研究ではダイコンとは別系統の種類であるとする報告もある{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。
== 逸話 ==
彼に関して、逸話が残っている。その逸話を後述する。アブル=アターヒーヤは、ある時、第5代目カリフ、[[ハールーン・アッ=ラシード]]の元に招かれ、次のような詩を詠んだ。
 
== 人物特徴 ==
:「思いのままに、すこやかに、高き宮居の影に君、その日その日を生きたまえ。夕べに朝に、君欲しと、おぼしたまわむ者みなは、時を移さずととのわめ。たちまちに、胸の動きもとだえがち、息も微かにあえぐ時、初めて君は覚るらん、この世の快楽みな夢と…」
高さ60 - 70[[センチメートル]] (cm) 内外になる[[越年草]](二年草){{sfn|永田芳男|2006|p=221}}{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。地上部の[[葉]]姿は畑で栽培されるダイコンによく似るが{{sfn|森昭彦|2021|p=33}}、[[根]]は細くてダイコンのように太くはならい。葉は長さ15&nbsp;cm前後、幅4&nbsp;cmほどで、頂小片と5対ほどの側小片に裂けていて、頂小片は最も大きく、表と裏面ともに粗い毛が生え、触れると痛みを感じるほどである{{sfn|金田初代|2010|p=167}}{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。冬の間は、根生葉を砂地に広げた[[ロゼット]]状で冬越しする{{sfn|金田初代|2010|p=167}}。
 
花期は春から初夏(3 - 6月)で{{sfn|永田芳男|2006|p=221}}、[[茎]]が伸びて濃淡がある淡赤紫色、まれに白色の十字型の[[花]]をたくさん咲かせる。4枚の[[花弁]]は、濃い紫色の線が入る{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。花が終わると、[[アブラナ科]]特有の細長い[[莢]]状の果実をつけ、長さ6&nbsp;cmほどのサヤには[[数珠]]状のクビレがある{{sfn|金田初代|2010|p=167}}。[[果実]]が熟しても裂開しないが{{sfn|永田芳男|2006|p=221}}、果実の中には4個前後の無毛の[[種子]]が入っている{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。夏から秋にかけて、芽生えが起こる{{sfn|永田芳男|2006|p=221}}。
この詩を聞いたハールーンは、涙を流して感動したという。ハールーンの死後も、彼の正妃の[[ズバイダ]]から、毎年金貨100[[ディナール]]と、銀貨100[[ディルハム]]の大金を贈られ、手厚く保護された。
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File:Sakushima Raphanus sativus in Shigake ac.jpg|群生するハマダイコン([[愛知県]][[西尾市]]の[[佐久島]]にて)
File:ハマダイコン (71409599).jpeg|ふつう花色は濃淡がある淡赤紫色
File:Raphanus sativus var raphanistroides2.jpg|白い花
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== 逸話利用 ==
[[Category:イスラム史の人物|あふる あたひや]]
冬から春にかけて、まだやわらかい若苗と若い根を食用にする。花茎が伸びると硬くなるため、1 - 3月ごろの花茎が伸びる前に、根ごと抜き取って採取する{{sfn|金田初代|2010|p=167}}。根や葉は、よく洗ってから茹でて水にとって冷まし、[[おひたし]]や[[和え物]]、[[油炒め]]、[[きんぴら]]、[[煮びたし]]、汁の実などにする{{sfn|金田初代|2010|p=167}}{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。また刻んで薄い塩味をつけて、炊いたご飯に混ぜ込んだ[[菜飯]]にしてもよい{{sfn|金田初代|2010|p=167}}。根は硬くて辛味もかなり強く、生食はできないが、主に[[塩]]や[[醤油]]で[[一夜漬け]]にする{{sfn|金田初代|2010|p=167}}。花は料理に散らして、[[つま#あしらい|あしらい]]にする{{sfn|森昭彦|2021|p=33}}。未熟な果実も生食でき、[[大根おろし]]のような風味がある{{sfn|森昭彦|2021|p=33}}。
[[Category:748年生|あふる あたひや]]
[[Category:828年没|あふる あたひや]]
 
[[消化作用]]があり、[[胸やけ]]に薬効があるといわれる{{sfn|川原勝征|2015|p=20}}。
[[ar:أبو العتاهية]]
 
[[en:Abu-l-'Atahiya]]
== 脚注 ==
[[es:Abu-l-'Atahiya]]
<references />
[[fr:Abū al-ʿAtāhiyya]]
 
[[hu:Abu l-Atáhija]]
== 参考文献 ==
[[pl:Abu al-Atahijja]]
* {{Cite book|和書|author=金田初代|coauthors=金田洋一郎(写真)|title=ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方|publisher=[[PHP研究所]]|date=2010-09-24|page=166|ISBN=978-4-569-79145-6|ref=harv}}
[[ro:Abu-l-'Atahiya]]
* {{Cite book|和書|author=川原勝征|title=食べる野草と薬草|date=2015-11-10|publisher=[[南方新社]]|isbn=978-4-86124-327-1|page=20|ref=harv}}
[[ru:Абу-ль-Атахия]]
* {{Cite book|和書|author=永田芳男|title=春の野草|date=2006-11-10|publisher=[[山と渓谷社]]||series=新装版山渓フィールドブックス9|isbn=4-635-06066-7|page=221|ref=harv}}
[[sl:Abul Atahija]]
* {{Cite book|和書|author=森昭彦|title=食べられる草ハンドブック|date=2021-08-20|publisher=[[自由国民社]]|isbn=978-4-426-12726-8|page=33|ref=harv}}
 
== 関連項目 ==
* [[ダイコン]]
 
{{plant-stub}}
{{DEFAULTSORT:はまたいこん}}
[[Category:アブラナ科]]