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[[File:Yamamura Bocō.jpg|thumb|150px|山村暮鳥]]
[[File:James Bond Themed Prop Hire.jpg|thumb|200px|right|ジェームズ・ボンドを演じた歴代俳優をモチーフにした展示]]
'''山村 暮鳥'''(やまむらぼちょう、[[1884年]]([[明治]]17年)[[1月10日]] - [[1924年]]([[大正]]13年)[[12月8日]])は、[[明治]]・[[大正]]期の[[日本]]の[[詩人]]、[[児童文学者]]である。本名、土田八九十(つちだ はくじゅう)、旧姓は志村。
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{{Otheruses|イアン・フレミングが原作のスパイ小説、メディア・フランチャイズ|キャラクター|ジェームズ・ボンド (架空の人物)|その他の用法|ジェームズ・ボンド (曖昧さ回避)}}
{{出典の明記|date=2015年11月17日 (火) 15:39 (UTC)}}
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{{Infobox media franchise|title=ジェームズ・ボンド
|creator=[[イアン・フレミング]]|origin=『[[カジノ・ロワイヤル (小説)|カジノ・ロワイヤル]]』(1953)|owner={{Plainlist|
* {{仮リンク|イアン・フレミング財団|en|Ian Fleming Publications}}
* [[ダンジャック]]
* [[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]]
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「'''ジェームズ・ボンド'''」({{lang-en-short|James Bond}})シリーズは、作家[[イアン・フレミング]]が1953年に生み出した架空の英国[[秘密情報部]]の[[スパイ|エージェント]]を主人公とする小説群であり、彼は12の小説と2つの短編小説集に登場している。1964年にフレミングが亡くなって以降は、8人の作家がボンドの小説やノベライズを執筆していている。彼が登場する最新の小説は、2018年5月に出版された[[アンソニー・ホロヴィッツ]]の『Forever and a Day』。さらに、チャーリー・ヒグソンは若き日のボンドを題材にしたシリーズを書き、ケイト・ウェストブルックはシリーズの準レギュラーである[[ミス・マネーペニー|マネーペニー]]の日記を題材にした3つの小説を書いた。
 
自由詩社に入り詩壇に登場。情調的な象徴詩から前衛詩に転じ、晩年は平易な表現の人道主義的作風になった。詩集に『聖三稜玻璃』(1915年)、『風は草木にささやいた』(1918年)、『雲』(1925年)など。
ボンドは「007」(ダブルオーセブン)というコードナンバーで知られ、テレビ、ラジオ、コミックストリップ、ビデオゲーム、映画にも登場している。1962年に[[ショーン・コネリー]]がボンド役を演じた『[[007は殺しの番号]]』から始まった映画シリーズは、2021年現在、[[イーオン・プロダクションズ]]が制作したシリーズとして24作品が製作されている。最新のボンド映画『[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]』(2021年)では、[[ダニエル・クレイグ]]がイーオン・プロでボンドを演じる6人目の俳優となっている。また、独立プロダクションのボンド映画として『[[007/カジノ・ロワイヤル (1967年の映画)|007/カジノ・ロワイヤル]]』と『[[ネバーセイ・ネバーアゲイン]]』の2作がある。2015年、シリーズの興行収入は199億ドルと推定されており、ジェームズ・ボンドは史上最も興行収入の高い[[メディア・フランチャイズ]]の一つとなっている。
 
== 人物生涯 ==
[[File:Kamitsukenu Haniwano-sato Park Bocho Yamamura monument.jpg|thumb|詩碑(群馬県高崎市、[[上毛野はにわの里公園]]内)]]
{{main|ジェームズ・ボンド (架空の人物)}}
[[1884年]][[1月10日]]、[[群馬県]][[西群馬郡]]棟高村(現在の[[高崎市]])に生まれる。父・木暮久七、母・志村シヤウの長男。父は、西群馬郡[[元総社村]]の農家・木暮巳之吉の二男で、暮鳥が生まれた当時まだ志村家に未入籍。母方の祖父・志村庄平の二男「志村八九十」(しむらはくじゅう)として、出生届け。弟妹にアサ、リウ、仁才、雪江、涼、百合子、明石。
父・アンドリューは[[ヴィッカース]]・ディフェンス・システムズ社に勤める[[スコットランド人]]<ref group="注釈">この設定は初代ボンド俳優[[ショーン・コネリー]]の出自に基づく原作最後期に付けられたいわゆる、後付けのもの</ref>、母・モニク・ドラウは[[スイス人]]。
 
[[1889年]]、父・久七が祖父・庄平との確執に耐えきれず[[千葉県]][[佐原市|佐原町]]に出奔、母もその後を追って志村家を出たので、八九十は叔父・木暮作衛に預けられる。後に父母が元総社村に戻り住むに及び、引き取られ、[[5月1日]]、父・久七の養子として入籍。貧困の中で少年期を過ごす。
なお父は企業スパイで、幼少期は父の転勤に伴い西欧各地で在住。両親はジェームズが11歳の時にフレンチ・アルプスを登山中に事故死してしまい、その後は叔母のチャーミアンに引き取られ育てられたという設定である。
 
[[1899年]]に堤ヶ岡尋常小学校(現在の高崎市立堤ヶ岡小学校)の[[代用教員]]となる。働きながら[[前橋市|前橋]]の[[前橋聖マッテア教会|聖マッテア教会]]の英語夜学校に通い、受洗。
[[オックスフォード大学]]卒業後、[[イギリス海軍予備員]]中佐となり[[第二次世界大戦]]で出征。終戦後に[[秘密情報部]](MI6)の[[スパイ|工作官]]となる。[[パブリックスクール]]ではクラブを興す程日本の[[柔道]]に打ち込んでいたこともあり、[[柔道]]を始めあらゆる[[格闘技]]に長けている。しかし、健康面では、尿酸値過多、[[肝疾患]]、[[リウマチ]]、[[高血圧]]、頭痛などを患っており、医者から「長生きできない」と忠告されている<!--<ref>なお、『[[007 ダイ・アナザー・デイ]]』でも肝臓に関して拷問ではなくボンド自身の不摂生によるものだと言及されるシーンがある</ref>-->。
 
[[1902年]]、同教会の婦人[[宣教師]]ウォールの[[通訳]]兼[[秘書]]として[[青森市|青森]]に転任。
[[コーヒー]]派で「あんな泥水を飲んでいるから大英帝国が衰退した」と言い切るほどの[[紅茶]]嫌い。豆は[[ブルーマウンテン]]、[[コーヒーメーカー]]は[[ケメックス]](ハリオ式)を使用している。映画版でも踏襲されており、ボンドが紅茶を飲むシーンはない。
 
[[1903年]]、[[東京府]][[築地]]の聖三一神学校(後の[[聖公会神学院]])に入学。[[神学校]]在学中より詩や短歌の創作をはじめ、[[前田林外]]らの雑誌「白百合」に木暮流星の筆名で短歌を発表。卒業後はキリスト教[[日本聖公会]]の[[伝道師]]として[[秋田市|秋田]]、[[仙台市|仙台]]、[[水戸市|水戸]]などで布教活動に携わる。
[[酒]]はカクテルの[[ウォッカ・マティーニ]](本来は[[ジン (蒸留酒)|ジン]]ベースのカクテルである[[マティーニ]]を[[ウォッカ]]ベースにしたもの)をステアせずにシェイクし「舌がしびれるほど冷やして」飲むのが好きで、彼の決め台詞になっている。また、ウォッカとジンの両方とも用意して([[ゴードン・ジン]] 3、ウォッカ 1、キナ・リレ 1/2)、よくシェイクしてシャンパン・グラスに注ぎ、[[レモン]]の皮を入れるというオーダーをしたものは、[[ヴェスパー (カクテル)|ヴェスパー]]という名で現実世界でも親しまれている。
 
[[1909年]]、[[人見東明]]から「静かな山村の夕暮れの空に飛んでいく鳥」という意味をこめて「山村暮鳥」の筆名をもらう。
「[[ウィンザーノット]]にしている奴は信用できない」と考えており、ウィンザーノットでタイを結ぶことはない。紐靴には拘りはなく、[[スリッポン]]を履くことも多い。
 
[[1913年]]7月、[[萩原朔太郎]]、[[室生犀星]]と、詩、宗教、音楽の研究を目的とする「にんぎょ詩社」を設立。
これらの服装や食の好みはフレミングの好みが色濃く反映されている。フレミングは「ウィンザーノットなんて手間のかかる結びをしている奴は顕示欲が強くて、付き合いたくない」とまで述べている。愛用している拳銃は、第一作『007 ドクターノオ』の劇中でベレッタM418([[:en:Beretta 418]])を使っていたのを、武器担当者のアドバイスで[[ワルサーPPK]]へ切り替え、(後に[[ワルサーP99]]へ変更)以来同銃である。
 
[[1914年]]3月、同社の機関誌「卓上噴水」創刊。
誕生日は映画によってそれぞれ異なり、<!--原作や映画版初期では1920年代と思われるが、その後は演じる俳優に準じており-->[[ダニエル・クレイグ]]がボンド役を演じた『[[007/カジノ・ロワイヤル (2006年の映画)|カジノ・ロワイヤル]]』以降の作品では設定が一新され、[[1968年]][[4月13日]]、[[ベルリン]]生まれという設定になっている。両親が登山事故で亡くなったところまでは原作と同様だが、その後にスコットランド郊外にあるスカイフォールを実家としてキンケイドに育てられた後に、オーベルハウザーという人物に引き取られ義兄のフランツと共に育ったという出生に変更されている。また、義兄のフランツと義父のオーベルハウザーは、皮肉にも登山中の雪崩事故に巻き込まれて死亡し、またも天涯孤独となってしまう。ドイツ系の義父に育てられた経緯からかドイツ語、『慰めの報酬』にてボリビアのホテルの受付とのスペイン語で会話するシーンが、また『[[007 スペクター|スペクター]]』にてメキシコでテロリスト同士がイタリア語で会話するシーンを盗聴する描写があることから、多言語に長けている。『[[007 スカイフォール|スカイフォール]]』ではアルコール依存症で引退を勧められ、復帰テストにもお情けで合格させてもらう<!--<ref>一方で、銃撃に関してテスト時点では散々な結果であったのに対し廃墟となった島や審問会の議場において実力を発揮している描写があることから、勘が戻ったか敵を警戒し敢えて散々な結果を残した可能性も考えられる。</ref>-->、といった原作の人物像を多少反映したボンドということになっている。
 
[[1913年]]12月、教会の信者や知人達を中心に「新詩研究会」を結成。機関誌「風景」には萩原朔太郎、室生犀星の他、[[三木露風]]らが参加。
== 「007」の呼び名 ==
ジェームズ・ボンドには、任務遂行中は自分の一存で[[容疑者]]を殺めても不問にされる殺人許可証(いわゆる「殺しのライセンス」)が与えられており、「007」(00セクションに所属する7番の番号を振られたエージェント)の[[コードネーム]]を持つ。
 
[[1919年]]、[[結核]]のため伝道師を休職。
[[英語圏]]では、普通これを「ダブル・オー・セブン({{lang|en|Double O Seven}})」と読む<ref group="注釈">英語圏では、慣用的に、電話番号などの「0(零)」をアルファベットの「O(オー)」で読み替えることがある。また、同じ数字やアルファベットが連続する場合には、「ダブル…」や「トリプル…」といった形容詞をつけて読み替えることがある。</ref>。なお、映画『[[007は二度死ぬ (映画)|007は二度死ぬ]]』の劇中では、タイガー田中が「007」を"{{lang|en|zero zero...}}"と発音しているシーンもある。
 
[[1924年]][[12月8日]]、肺結核に悪性腸結核を併発し、[[茨城県]][[東茨城郡]][[大洗町]]の借家「鬼坊裏別荘」で死去<ref>[[工藤寛正|岩井寛]]『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)343頁</ref>、40歳。
英語圏以外では読み方は様々で、ドイツでは"{{lang|de|null null sieben}}"、フランスでは"{{lang|fr|zéro zéro sept}}"、日本では「ゼロ・ゼロ・セブン」などと読まれることも多い<ref group="注釈">ただし、日本では近年「ダブル・オー・セブン」が多く使われる傾向にある。また、[[淀川長治]]や[[水野晴郎]]は「ゼロ・ゼロ・ナナ」、「ゼロ・ゼロ・ナナ号」と読む場合もあった(『[[日曜洋画劇場]]』、『[[水曜ロードショー (日本テレビ)|水曜ロードショー]]』など)。その一方、[[荻昌弘]]は当時から一貫して「ダブル・オー・セブン」と読んでいた(『[[月曜ロードショー]]』)。</ref>。[[コカ・コーラ ゼロ]]が『慰めの報酬』公開時にタイアップした時には、「zero zero 7」のデザインで日本を含む世界35か国以上の国々で発売された。
 
自然のあらゆるものに神を見いだす彼独特の神学は、しばしば熱狂的な信徒を怒らせ、[[異端]]として追放された事も数多くあったという。
== イアン・フレミングの小説 ==
{{基礎情報 書籍
| title = ジェームズ・ボンド 小説・短編小説シリーズ
| orig_title = James Bond Novel and Short stories
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| author = [[イアン・フレミング]]
| translator = [[井上一夫]]
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| genre = [[スパイ小説|スパイ]]
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* [[カジノ・ロワイヤル (小説)|007 カジノロワイヤル]]
* [[007 死ぬのは奴らだ]]
* [[007 ムーンレイカー]]
* [[007 ダイヤモンドは永遠に]]
* [[007 ロシアより愛をこめて|007 ロシアから愛をこめて]]
* [[007 ドクター・ノオ]]
* [[007 ゴールドフィンガー]]
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* [[007/私を愛したスパイ#ノベライズ|007 わたしを愛したスパイ]]
* [[女王陛下の007]]
* [[007は二度死ぬ]]
* [[007 黄金銃を持つ男#出版|007 黄金の銃を持つ男]]
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* [[007/ユア・アイズ・オンリー#原作|007号の冒険]]
* [[007/オクトパシー#原作|007号/ベルリン脱出]]
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フレミングは銀行員、[[ジャーナリスト]]などを経て、[[第二次世界大戦]]中は海軍情報部とMI6で特別工作に携わっており、この経験を活かして007を書いたと言われる。
 
[[萩原朔太郎]]は「彼自身の見たる如き、ちがつた意味での基督教を信じてゐたにちがひない」と、追悼文『山村暮鳥のこと』で述べている。
「ジェームズ・ボンド」という、[[英語圏]]ではやや凡庸な印象の強い名前は、戦前の活劇映画的な、華やかな印象の名を、フレミングが意識的に避けたものである。フレミングが愛読する[[ジェームズ・ボンド (鳥類学者)|鳥類研究書の著者]]の名から取られた。
 
[[File:YamamuraBocho20170503.jpg|thumb|山村暮鳥の墓]]
フレミングの小説「007シリーズ」は[[1953年]]の第1作『カジノ・ロワイヤル』に始まって、フレミングが没する[[1964年]]まで書き継がれる。
 
== 著書 ==
当初はそれなりの評価を得ながらも、あまり売れなかった。そのため、フレミングは何度もシリーズを終了しようと考えるが、そのたびに映像化の話が出てきて、シリーズは継続されることになった。本格的に売れ始めるのは1950年代後半で、そのきっかけは、フレミングと縁があった[[ジョン・F・ケネディ|ケネディ米大統領]]が『ロシアから愛をこめて』を愛読書のリストの中に入れたことだった<ref group="注釈">実際には007を愛読していたのはケネディ夫人の[[ジャクリーン・ケネディ・オナシス|ジャクリーン]]だったとも言われている</ref>。
=== 詩集 ===
*「三人の処女」[[1913年]]刊行
*「聖三稜玻璃」[[1915年]]刊行 [https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/907860 NDL]
*「風は草木にささやいた」[[1918年]]刊行
*「梢の巣にて」[[1922年]]刊行
*「雲」[[1925年]]刊行(生前に入稿し、死後に出版)
 
=== 童謡・童話 ===
その作風は、従来のイギリスにおける主流であった重厚な[[リアリズム]]派[[スパイ小説]]とは対極にあり、華やかで享楽的な設定の中で、アメリカの[[ハードボイルド]]小説の影響を受けたシビアな暴力やアクションを描くものであった(『カジノ・ロワイヤル』はその好例である)。
*童話集「ちるちる・みちる」[[1920年]]刊行
*「鉄の靴」1922年刊行
*「萬物の世界」1922年刊行
*「よしきり」1925年刊行
*「聖フランシス」
 
=== 随筆 ===
しかし、やがて[[西部劇]]や[[スペースオペラ]]さながらの「悪役から美女を救い出す」凡庸なパターンにはまってしまった結果、1950年代末期以降の作品はマンネリ化し、誇大妄想的な設定が多くなった([[1959年]]の『ゴールドフィンガー』など)。
*「小さな穀倉より」[[1917年]]刊行
 
=== 影響小説 ===
*「十字架」1922年刊行
映画・コミックへの影響も非常に多大である。敵の手に落ちて拷問を受ける場面もこの種のヒーローとしては非常に多く、作家の[[小泉喜美子]]は『メインディッシュはミステリー』で「優雅なサディズム」と評している。
 
=== 翻訳 ===
超人的なプレイボーイのスパイをヒーローとし、グラマラスな美女を配した「洗練された[[マッチョイズム]]」の物語は大衆の嗜好に合致し、また[[冷戦]]状況下では、[[東側諸国]]を絶対悪に擬す安易な設定が濫用しやすかったことから、1950年代後半以降、膨大な量の007亜流の小説が世界各国に氾濫した。[[星新一]]は「悲しくなるほど安易な物まねで、関係者の頭脳ゼロを見せつけられる思いである」とエッセイ『きまぐれ博物誌』169ページで述べ、[[唐沢俊一]]は[[五島勉]]の『危機の数は13』について触れた部分で以下のように表現した。
*「ドストイヱーフスキイ翻訳集」1918年刊行
{{Quotation|おりしもそのころ、007シリーズの大ヒットによって世はスパイ・ブームまっさかり。日本でも模倣作がツクダニにするほど出回っており、とても国際的スパイがつとまるとは思えないスカスカ頭の色男を主人公に、'''銃と車と秘密兵器と裸のねーちゃん'''が出てきさえすれば読者は喜ぶ、と心得て(実際喜んだのだが)いいかげんに書きとばしたような三文小説が続出していた。|[[と学会]] 編 『トンデモ本の逆襲』 [[宝島社文庫]]170p、太字も[[原文ママ]]}}
 
== 教科書 ==
[[石ノ森章太郎]](当時のペンネームは石森章太郎)の『[[サイボーグ009]]』は「ゼロゼロセブン」呼称がタイトルの元なっており、[[名探偵コナン]]や[[ゴルゴ13]]、石ノ森の[[仮面ライダー]]にも影響を与え、少年時代の[[押井守]]も007ファンであり、ウルトラシリーズ第一作[[ウルトラQ]]の音楽にも影響を与えている<ref>『007』が日本のマンガ・アニメに与えたとてつもない影響 ~007は男子のディズニーランド~ https://www.banger.jp/movie/41447/ </ref>。
山村暮鳥の書いた、「春の河」は、2023年(令和5年)度光村国語教科書に掲載された。<ref>{{Cite book|和書 |title=光村国語教科書(令和5年度) |date=2023年2月15日 |year=2023年 |publisher=光村教科書 |page=14}}</ref><ref>{{Cite book|和書 |title=雲 |year=1925年 |publisher=山村暮鳥}}</ref>
 
== フレミング以外の作者 ==
フレミングの死後、イギリスの作家[[キングズリー・エイミス|キングスレー・エイミス]]が未亡人の許可を得てロバート・マーカムの名で『{{仮リンク|007/孫大佐|en|Colonel Sun}}』を書いた。シリーズ化される予定だったが、評判は芳しくなく、シリーズ化には至らなかった。
 
[[1977年]]には、映画『[[007/私を愛したスパイ|私を愛したスパイ]]』の[[ノベライズ|ノベライゼーション]]が出版された(タイトルは''[[:en:James Bond, The Spy Who Loved Me|James Bond, The Spy Who Loved Me]]'')。執筆したのは、脚本を担当した小説家{{仮リンク|クリストファー・ウッド|en|Christopher Wood (writer)}}。ウッドは、[[1979年]]に公開された『[[007/ムーンレイカー (映画)|ムーンレイカー]]』の脚本も担当。同様にノベライゼーションを手がけた(タイトルは''[[:en:James Bond and Moonraker|James Bond and Moonraker]]'')。映画シリーズで、脚本家がノベライゼーションを担当したのはこの2作だけである。
 
[[1981年]]に発表された『メルトダウン作戦''([[:en:Licence Renewed|Licence Renewed]])''』から、[[ジョン・ガードナー (イギリスの小説家)|ジョン・ガードナー]]がフレミングを引き継ぐ形で「007シリーズ」を再開させた。ガードナーによる新「007シリーズ」は、作品が発表されるたびに評価が低下していった。独自に展開しているうちに、映画シリーズとは全くかけ離れたものになってしまったのが原因と思われる。その後、[[1996年]]から[[レイモンド・ベンソン]]がシリーズ3代目の作家として作品を発表したが、6作目(『[[赤い刺青の男|007/赤い刺青の男]]''(The Man with the Red Tattoo)''』で007作家を降りることになった。[[2008年]]にはフレミング生誕100年を記念して{{仮リンク|セバスチャン・フォークス|en|Sebastian Faulks}}により『猿の手を持つ悪魔(''[[:en:Devil May Care (novel)|Devil May Care]]'')』が発表されたが、あくまでこれは記念作であるためシリーズ化される予定はない。
 
なお、[[2002年]]にベンソンが『007/赤い刺青の男』を発表したとき、日本を舞台とした内容であったことから、日本の一部マスコミが映画の次回作は日本が舞台かと騒いだが、この両者のオリジナル作品が映画化されたことはなく、逆に映画の脚本を基にしたノベライゼーション版をオリジナルに併行して発表しているにすぎない。しかし、作品の舞台となった地方([[北海道]][[登別市]]と[[香川県]][[直島町]])では現在も本作の映画化の実現とロケ誘致を目指した活動を続けている(詳細は該当項目を参照)。
 
== 小説一覧 ==
[[File:Fleming's paperback Bonds.jpg|thumb|150px|right|フレミングの書籍]]
(括弧内は発表年)
=== イアン・フレミング作品 ===
日本語訳は全て[[井上一夫]]により翻訳された。
 
==== 長編 ====
# [[007 カジノ・ロワイヤル|カジノ・ロワイヤル]] ''Casino Royale''(1953年) - [[創元推理文庫]]([[東京創元社]] 以下略) 1963、[[白石朗]]の新訳『007 カジノ・ロワイヤル』創元推理文庫 2019
# [[007 死ぬのは奴らだ|死ぬのは奴らだ]] ''Live and Let Die''(1954年) - [[早川書房]]:HPB(世界ミステリシリーズ)366 1957、新版(以下略)[[ハヤカワ文庫|ハヤカワ・ミステリ文庫]]、改版1998
# [[007 ムーンレイカー|ムーンレイカー]] ''Moonraker''(1955年) - 創元推理文庫 1964、改版1998
# [[007 ダイヤモンドは永遠に|ダイヤモンドは永遠に]] ''Diamonds Are Forever''(1956年) - 創元推理文庫 1960、改版2008
# [[007 ロシアから愛をこめて|ロシアから愛をこめて]] ''From Russia, With Love''(1957年) 映画版の邦題は「ロシアより」で、小説表記は「ロシアから」。 - 創元推理文庫 1964、改版2008
# [[007 ドクター・ノオ|ドクター・ノオ]] ''Doctor No''(1958年)- 早川書房:HPB511 1959、ハヤカワ・ミステリ文庫、改版1998
# [[007 ゴールドフィンガー|ゴールドフィンガー]] ''Goldfinger''(1959年) - 早川書房:HPB601 1960、ハヤカワ・ミステリ文庫、改版1998
# [[007 サンダーボール作戦|サンダーボール作戦]] ''Thunderball''(1961年) - 早川書房:HPB736 1962、早川書房:世界ミステリ全集〈13〉1972、ハヤカワ・ミステリ文庫、改版1998
# [[007 私を愛したスパイ|わたしを愛したスパイ]] ''The Spy Who Loved Me''(1962年) 映画版の邦題は「私」であるが、小説表記は「わたし」。 - 早川書房:HPB800 1963、ハヤカワ・ミステリ文庫、改版1998
# [[女王陛下の007]] ''On Her Majesty's Secret Service''(1963年) - 『女王陛下の007号』早川書房:HPB806 1963、『女王陛下の007』ハヤカワ・ミステリ文庫、改版1999
# [[007は二度死ぬ]] ''You Only Live Twice''(1964年) - 『007号は二度死ぬ』早川書房:HPB855 1964、『007は二度死ぬ』ハヤカワ・ミステリ文庫、改版2000
# [[007 黄金銃を持つ男|黄金の銃をもつ男]] ''The Man With the Golden Gun''(1965年) 映画版の邦題は「黄金銃」であるが、小説表記は「黄金の銃」。 - 早川書房:HPB888 1965、ハヤカワ・ミステリ文庫、改版2000
 
==== 短編集 ====
* [[007 ユア・アイズ・オンリー#原作|007の冒険 ''For Your Eyes Only'']](1960年)<br>旧版は『007号の冒険』創元推理文庫 1964 、改題『バラと拳銃』、新版は『薔薇と拳銃』創元推理文庫 2007
** バラと拳銃 ''From a View To A Kill''
** 読後焼却すべし ''For Your Eyes Only''
** 危険 ''Risico'' - 映画『007 ユア・アイズ・オンリー』に内容の一部が使用。
** 珍魚ヒルデブラント ''The Hildebrand Rarity'' - 映画『007 消されたライセンス』に一部が使用。
** ナッソーの夜 ''Quantum of Solace'' - 映画『007 慰めの報酬』に一部が使用。
* [[007 オクトパシー#小説|オクトパシー ''Octopussy and the Living Daylights'']](1966年)<br>旧版は『007/ベルリン脱出』 早川書房:HPB956 1966、改題『オクトパシー』ハヤカワ・ミステリ文庫 新版1983
** オクトパシー ''Octopussy''
** ベルリン脱出 ''The Living Daylights''
** 所有者はある女性 ''The Property of a Lady'' - 映画『007 オクトパシー』に内容の一部が使用。
** 007ニューヨークを行く ''007 in New York'' - 本邦単行本・文庫ともに未収録。和訳はHMM'08.10。
 
=== その他の作者による007小説 ===
==== ロバート・マーカム(キングスレー・エイミス)作品 ====
{{seealso|キングスレー・エイミス}}
* 007号/ジェイムズ・ボンド白書 ''The Book of Bond or, Every Man His Own 007''(1965年) - ビル・タナー(シリーズに登場する[[秘密情報部|MI6]]の幕僚主任)名義(ただし、日本語訳ではキングズリイ・エイミス名義)。ノンフィクション
* ''The James Bond Dossier''(1965年) - キングスレー・エイミス名義。ノンフィクション
* 007号/孫大佐<!-- (文庫題は「007/孫大佐」) --> ''Colonel Sun''(1968年) - ロバート・マーカム名義
 
==== ジョン・ガードナー作品 ====
{{seealso|[[ジョン・ガードナー (イギリスの小説家)|ジョン・ガードナー]]}}
# メルトダウン作戦 ''License Renewed''(1981年)
# スペクターの逆襲 ''For Special Services''(1982年)
# アイスブレーカー ''Icebreaker''(1983年)
# 独立戦争ゲーム ''Role of Honour''(1984年)
# 不死身な奴はいない ''Nobody Lives Forever''(1986年)
# 覚悟はいいかね、ボンド君 ''No Deals, Mr. Bond''(1987年)
# スコーピアスの謎 ''Scorpius''(1987年)
# ミソサザイ作戦 準備完了 ''Win, Lose or Die''(1989年)
# 紳士らしく死ね ''Brokenclaw''(1990年)
# ''The Man From Barbarossa''(1991年)
# ''Death is Forever''(1992年)
# ''Never Send Flowers''(1993年)
# ''SeaFire''(1994年)
# ''COLD''(1996年)アメリカ版は“''Cold Fall''”
 
==== レイモンド・ベンソン作品 ====
{{seealso|レイモンド・ベンソン}}
# 007/ゼロ・マイナス・テン ''Zero Minus Ten''(1997年)
# 007/ファクト・オブ・デス ''The Facts of Death''(1998年)
# 007/ハイタイム・トゥ・キル ''High Time to Kill''(1999年)
# ''Doubleshot''(2000年)
# ''Never Dream of Dying''(2001年)
# [[赤い刺青の男|007/赤い刺青の男]] ''The Man with the Red Tattoo''(2002年)
 
* 短編(未収録)
** ''Blast from the Past''(1996年)
** ''Midsummer Night's Doom''(1999年)
** 007/ライヴ・アット・ファイヴ ''Live at Five''(1999年)
 
==== セバスティアン・フォークス作品 ====
{{seealso|{{仮リンク|セバスチャン・フォークス|en|Sebastian Faulks}}}}
* 007/猿の手を持つ悪魔 ''Devil May Care''(2008年)
 
==== ジェフリー・ディーヴァー作品 ====
{{seealso|ジェフリー・ディーヴァー}}
* 007/白紙委任状 ''Carte Blanche''(2011年)
 
==== ウィリアム・ボイド作品 ====
* ''"Solo"'' ([[2013年|2013年)]]
{{seealso|[[ウィリアム・ボイド (作家)|ウィリアム・ボイド]]}}
 
==== アンソニー・ホロヴィツ 作品 ====
{{seealso|[[アンソニー・ホロヴィッツ|アンソニー・ホロヴィッツ(アンソニー・ホロヴィツ)]]}}
 
* 007/逆襲のトリガー ''Trigger Mortis''(2015年) - 「モリアーティ」でホームズ派生作品を書いたホロヴィツによる007新作<ref group="注釈">[[ジョン・ガードナー (イギリスの小説家)|ジョン・ガードナー]]とアンソニー・ホロヴィツは、「モリアーティ教授もの」と「007シリーズ」の双方で続編を書いた作家となった。</ref>。イアン・フレミング財団が公認<ref>「007 逆襲のトリガー」 (角川書店)帯カバー、解説など</ref>。
* {{仮リンク|Forever and a Day|en|Forever and a Day (novel)}}(2018年)
* Untitled ''Bond'' novel(2022年)
 
==== ジョン・ピアースン作品 ====
{{seealso|{{仮リンク|ジョン・ピアースン|en|Sebastian Faulks}}}}
* ジェイムズ・ボンド伝 ''[[:en:James Bond: The Authorized Biography of 007|James Bond: The Authorized Biography of 007]]''(1973年)
*: ボンド本人へのインタビューという形で、その生い立ちから『黄金の銃を持つ男』の後に至るまで、公私にわたるボンドの半生を描いた大作。ボンドの活躍は全て実話で、イギリス情報部の委嘱を受けたフレミングが「ボンドをフィクションの人物と見せかけてソ連側の魔手から遠ざけるため」実話を小説化したという設定を取っている。本書内の設定によれば、小説シリーズ3作目『ムーンレイカー』だけが「ボンドを架空の人物らしく印象づけるためのフィクション」であるという。なお、本書のインタビューで、ボンドは自分を演じたショーン・コネリーについて「何だあの男は」などと批判的な発言をしている。
 
==== ノベライゼーション作品 ====
* 新・私を愛したスパイ ''James Bond, the Spy Who Loved Me''(1977年) [[クリストファー・ウッド]]<small>[[:en:Christopher Wood (writer)|(英語版)]]</small>著
* 007とムーンレイカー ''James Bond and Moonraker''(1979年) クリストファー・ウッド著
* 消されたライセンス ''Licence to Kill''(1989年) [[ジョン・ガードナー (イギリスの小説家)|ジョン・ガードナー]]著
* ゴールデンアイ ''Goldeneye''(1995年) ジョン・ガードナー著
* トゥモロー・ネバー・ダイ ''Tomorrow Never Dies''(1997年) [[レイモンド・ベンソン]]著
* ワールド・イズ・ノット・イナフ ''The World is Not Enough''(1999年) レイモンド・ベンソン著
* 007/ダイ・アナザー・デイ ''Die Another Day''(2002年) レイモンド・ベンソン著
 
==== 派生作品 ====
===== James Bond Jr.シリーズ =====
* ''A View to a Thrill''(1992年) ''John Vincent'' 著 (Puffin Books) - James Bond Jr.や次世代の二代目Qを主人公にしたシリーズ第1作。原題は「美しき獲物たち」''A View to a Kill''のもじり。
* ''The Eiffel Target''(1992年) - アニメ作品「James Bond Jr.」 "The Eiffel Missile"のノヴェライズ。
* 踊るのは我らだ ''Live and Let's Dance''(1992年) - 原題は「死ぬのは奴らだ」''Live and Let Die''のもじり。邦題はHMMのもの。
* ''Sword of Death''(1992年) - 映画ラストでの[[原子炉]]爆発から生還した[[:en:Dr. No|Dr. No]]が、James Bond Jr.と対決する。Dr. Noは本作以降も、TVアニメと小説版で、シリーズを通じての悪の親玉を務める。
* ''High Stakes''(1992年)
* ''Tunnel of Doom''(1993年) ''Caryn Jenner'' 著(Buzz Books) - 以降の作品ではBaron Skarinや殺し屋Jawsが悪役で、Dr. Noは黒幕の扱いで表面に出てこない。
* ''Barbella’s Revenge''(1993年)
* ''Freeze Frame''(1993年) - アニメ作品「James Bond Jr.」 "Weather or Not"のノヴェライズ。
 
====パロディ====
* 007は三度死ぬ ''Sreshchu 007''([[アンドレイ・グリャシキ]]著)
*: 共産圏の[[ブルガリア]]の作家グリャシキによって、冷戦中の1958年に「東側版ジェームズ・ボンド」としてスタートした諜報員アヴァクーム・ザーホフのシリーズは、ブルガリアで非常な人気を得た。そのザーホフを何と本家007と世界を股にかけて対決させた本作は、ザーホフ・シリーズ唯一の日本語訳された作品である。ボンドの名が使えないため、作中では全て「007」表記で、原書ではトラブルをおもんばかって「07」と表記を変えていた。東側作品であるため、当然ながらソ連が主人公の味方、007は敵役で冷酷非情なプロの工作員として描写される。対してザーホフは寡黙で有能、身辺清潔な学者肌スパイとして描かれるが、[[KGB]]をはじめとする実際の東側上級工作員にも学者・研究者としての経歴を持つ者が多かった史実と符合する。
* [[定吉七番]] ([[東郷隆]])
*: 東郷隆による日本版007パロディー。[[大阪商工会議所]]に所属する『殺人許可証を持つ丁稚』を主人公に描かれる奇想天外なスパイアクションコメディー小説。脇役、敵役キャラクターや細かい場面など、かなり密着したパロディーとなっている。
* 『女王陛下の所有物 On Her Majesty's Secret Property』 『From the Nothing, with Love』([[伊藤計劃]])
*: 伊藤計劃のパロディ漫画および短編小説。映画版007のボンド役者の交代を「前任者の殉職と共にその記憶をオーバーテクノロジーで上書きされた別人」という独自解釈で描いている。作中では過去の映画シリーズは全て実際に007が遂行した任務として扱われ、不可能と思われた[[007 サンダーボール作戦|サンダーボール作戦]]の成功により、MI6は二度と手に入らない逸材であろうジェームズ・ボンドの才能を永久に保存する事を決定したとされている。全ての007に対面した事があるのは[[エリザベス2世]]と[[Q (ジェームズ・ボンド)|Q]]のみであり、Qが交通事故で死去した(演じた[[デスモンド・リュウェリン]]の死を受けての事と思われる)後、ただ一人残されたMが苦悩する姿と、007候補(全員執筆当時ボンド役候補だった若手俳優の名が用いられている)が次々と殺されていくのを受けてジェームズ・ボンドが調査に赴く物語となっている。作中年代は[[ロンドン同時爆破事件]]とほぼ同時期とされており、本作はボンドがピアース・ブロスナンからダニエル・クレイグへの交代を描いたものでもある。
* 『怪盗ジバコ』([[北杜夫]])
*: 連作短編の中の「007号出現す」で、怪盗ジバコと対決する。
* 『[[エイトマン]]』
*: アニメ版「スパイ指令100号」にて登場。007ジェームズ・ボンドとはっきり名乗り、機械国家メカニアに潜入したエイトマンと共闘する。
* 『[[0093 女王陛下の草刈正雄]]』
 
== 映画 ==
{{Infobox Film
| 作品名 = ジェームズ・ボンド映画
| 原題 = James Bond films
| 画像サイズ =
| 監督 =
| 原作 = [[イアン・フレミング]]
| 製作 = [[ハリー・サルツマン]]{{small|(''1''–''3''、''5''–''9'')}}<br />[[アルバート・R・ブロッコリ]]{{small|(''1''–''3''、''5''–''16'')}}<br />ケヴィン・マクローリー{{small|(''4'')}}<br />[[マイケル・G・ウィルソン]]{{small|(''14''–)}}<br />[[バーバラ・ブロッコリ]]{{small|(''17''–)}}
| 製作総指揮 = ハリー・サルツマン{{small|(''4'')}}<br />アルバート・R・ブロッコリ{{small|(''4'')}}<br />マイケル・G・ウィルソン{{small|(''11''–''13'')}}<br />トム・ペブスナー{{small|(''17'')}}<br />アンソニー・ウェイ{{small|(''20''–''22'')}}<br />カラム・マクドゥガル{{small|(''21''–''24'')}}<br />[[クリス・ブリガム]]{{small|(''25'')}}
| 脚本 =
| 音楽 = モンティ・ノーマン{{small|(''1'')}}<br />[[ジョン・バリー (作曲家)|ジョン・バリー]]{{small|(''2''–''7''、''9''、''11''、''13''–''15'')}}<br />[[ジョージ・マーティン]]{{small|(''8'')}}<br />[[マーヴィン・ハムリッシュ]]{{small|(''10'')}}<br />[[ビル・コンティ]]{{small|(''12'')}}<br />[[マイケル・ケイメン]]{{small|(''16'')}}<br />[[エリック・セラ]]{{small|(''17'')}}<br />[[デヴィッド・アーノルド]]{{small|(''18''–''22'')}}<br />[[トーマス・ニューマン]]{{small|(''23''-''24'')}}<br />[[ハンス・ジマー]]{{small|(''25'')}}
| 製作会社 = {{Plainlist|
* [[イーオン・プロダクションズ]]
* [[ユナイテッド・アーティスツ]]
* [[ダンジャック]]<small>(''2''–)</small>
* Les Productions Artistes Associés<small>(''11'')</small>
* [[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]]<small>(''13''–)</small>
* [[コロンビア ピクチャーズ]]<small>(''21''–''24'')</small>
* スティルキング・フィルムズ<small>(''21'')</small>
* バーベルスバーグ・フィルムズ<small>(''21'')</small>
* [[ユニバーサル・ピクチャーズ]]<small>(''25''–)</small>
}}
| 配給 = {{Plainlist|
* ユナイテッド・アーティスツ<small>(''1''–''12'')</small>
* [[ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント|ソニー・ピクチャーズ・リリーシング]]<small>(''21''–''24'')</small>
}}{{USA}} {{Plainlist|
* メトロ・ゴールドウィン・メイヤー<small>(''13''–''20'')</small>
* {{仮リンク|ユナイテッド・アーティスツ・リリーシング|en|United Artists#United Artists Releasing}}<small>(''25''–)</small>
}}{{GBR}} {{JPN}}{{Plainlist|
* [[ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ|UIP]]<small>(''13''–''19'')</small>
* [[20世紀フォックス]]<small>(''20'')</small>
* ユニバーサル・ピクチャーズ<small>(''25''–)</small>
}}
| 公開 = 1962年–
| 上映時間 =
| 製作国 = {{GBR}}<br/>{{USA}}<br/>{{FRA}}(''11'')<br />{{CZE}}(''21'')<br />{{GER}}(''21'')
| 言語 = [[英語]]
| 製作費 = {{small|'''合計(24作):'''}}<br/>$1,400,000,000
| 興行収入 = {{small|'''合計(24作):'''}}<br/>$6,838,530,927
}}
{{Portal 映画}}
 
1954年に『[[カジノ・ロワイヤル (小説)|カジノ・ロワイヤル]]』が[[007 カジノ・ロワイヤル|短編テレビドラマ化]]された(主演:[[バリー・ネルソン]])が、1950年代を通じてそれ以外の映像化の例は確認されていない。このドラマで敵役ル・シッフルを演じたのは、『[[M (1931年の映画)|M]]』、『{{仮リンク|暗殺者の家|en|The Man Who Knew Too Much (1934 film)|preserve=1}}』、『[[マルタの鷹 (1941年の映画)|マルタの鷹]]』などの映画で知られる名優[[ピーター・ローレ]]だった。その後、2人のプロデューサーがジェームス・ボンドに関心を抱いたことで本格的な映画化が始まった。
 
なお、各作品作成時の国際情勢・各国国内情勢が各作品に多かれ少なかれ影響されてはいるが、各作品は娯楽作品に徹し、敵役は実在の国家政府・犯罪組織・企業などとはかけ離れた存在の設定が多い。
 
また、冷戦時代の作品でも、ソ連政府それ自体を主敵とした作品は少ない。例として、1983年の作品ではソ連政府の急進派政治家を敵の一つとする、あるいは1960年代の『[[007/危機一発|ロシアより愛をこめて]]』ではソ連も敵だが二次的な敵であり、いずれも「主敵」ではない。ただし、1995年の作品では、冒頭での任務はソ連の神経ガス工場の破壊任務であったが、これはむしろ冷戦終結後の時代との対比のための設定と見るべきである。逆に1970年代の作品ではKGB幹部と共闘したり、ソ連スパイと協力して敵を倒した作品も存在する。冷戦時代、各作品でのソ連などの共産圏の扱いは、「雪解けのバロメーター」とさえされた。
 
日本では邦題から「'''007シリーズ'''」として知られる<ref>{{Cite web|和書|title=007シリーズ最新作 世界配給がソニー・ピクチャーズに決定! {{!}} ソニー・ピクチャーズ公式|url=https://www.sonypictures.jp/corp/press/2011-04-14|website=www.sonypictures.jp|accessdate=2021-08-10}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=007シリーズ【吹替】|url=https://www.bs-tbs.co.jp/movie/007/|website=BS-TBS|accessdate=2021-08-10|language=ja}}</ref>。
 
=== 作品 ===
'''イーオン・プロダクションズ作品'''
{| class="sortable wikitable" style="text-align:center; font-size:95%"
!作!!タイトル!!公開日!!主演!!監督!!脚本
|-
!第{{Display none|0}}1作
| style="text-align:left" |[[007は殺しの番号]]<br />{{Small|(007/ドクター・ノオ)}}<br />''Dr. No''
|{{flagicon|GBR}} [[1962年]]10月5日<br />{{flagicon|USA}} [[1963年]]5月8日<br />{{flagicon|JPN}} 1963年6月1日|| rowspan="5" |[[ショーン・コネリー]]|| rowspan="2" |[[テレンス・ヤング]]||[[リチャード・メイボーム]]<br />ジョアンナ・ハーウッド<br />バークレー・マーサー
|-
!第{{Display none|0}}2作
| style="text-align:left" |[[007/危機一発]]<br />{{Small|(007/ロシアより愛をこめて)}}<br />''From Russia with Love''
|{{flagicon|GBR}} 1963年10月10日<br />{{flagicon|USA}} [[1964年]]4月8日<br />{{flagicon|JPN}} 1964年4月25日||リチャード・メイボーム<br />ジョアンナ・ハーウッド
|-
!第{{Display none|0}}3作
| style="text-align:left" |[[007/ゴールドフィンガー (映画)|007/ゴールドフィンガー]]<br />''Goldfinger''
|{{flagicon|GBR}} 1964年9月17日<br />{{flagicon|USA}} 1964年12月22日<br />{{flagicon|JPN}} [[1965年]]4月1日||[[ガイ・ハミルトン]]||リチャード・メイボーム<br />ポール・デーン
|-
!第{{Display none|0}}4作
| style="text-align:left" |[[007/サンダーボール作戦 (映画)|007/サンダーボール作戦]]<br />''Thunderball''
|{{flagicon|JPN}} 1965年12月11日<br />{{flagicon|USA}} 1965年12月21日<br />{{flagicon|GBR}} 1965年12月29日||テレンス・ヤング||リチャード・メイボーム<br />ジョン・ホプキンス
|-
!第{{Display none|0}}5作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 ハニト/}}[[007は二度死ぬ (映画)|007は二度死ぬ]]<br />''You Only Live Twice''
|{{flagicon|GBR}}{{flagicon|USA}}[[1967年]]6月13日<br />{{flagicon|JPN}} 1967年6月17日||[[ルイス・ギルバート]]||[[ロアルド・ダール]]
|-
!第{{Display none|0}}6作
| style="text-align:left" |{{Display none|シヨウ/}}[[女王陛下の007 (映画)|女王陛下の007]]<br />''On Her Majesty's Secret Service''
|{{flagicon|GBR}}{{flagicon|USA}} [[1969年]]12月19日<br />{{flagicon|JPN}} 1969年12月27日|| style="white-space:nowrap" |[[ジョージ・レーゼンビー]]||[[ピーター・R・ハント|ピーター・ハント]]||リチャード・メイボーム
|-
!第{{Display none|0}}7作
| style="text-align:left" |[[007/ダイヤモンドは永遠に (映画)|007/ダイヤモンドは永遠に]]<br />''Diamonds Are Forever''
|{{flagicon|USA}} [[1971年]]12月17日<br />{{flagicon|JPN}} 1971年12月25日<br />{{flagicon|GBR}} 1971年12月30日||ショーン・コネリー|| rowspan="3" |ガイ・ハミルトン||リチャード・メイボーム<br />[[トム・マンキーウィッツ]]
|-
!第{{Display none|0}}8作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 シヌノ/}}[[007/死ぬのは奴らだ (映画)|007/死ぬのは奴らだ]]<br />''Live and Let Die''
|{{flagicon|USA}} [[1973年]]6月27日<br />{{flagicon|GBR}} 1973年7月5日<br />{{flagicon|JPN}} 1973年7月28日|| rowspan="7" |[[ロジャー・ムーア]]||トム・マンキーウィッツ
|-
!第{{Display none|0}}9作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 オウコ/}}[[007/黄金銃を持つ男 (映画)|007/黄金銃を持つ男]]<br />''The Man with the Golden Gun''
|{{flagicon|GBR}}{{flagicon|USA}} [[1974年]]12月19日<br />{{flagicon|JPN}} 1974年12月21日||リチャード・メイボーム<br />トム・マンキーウィッツ
|-
! style="white-space:nowrap" |第10作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 ワタシ/}}[[007/私を愛したスパイ]]<br />''The Spy Who Loved Me''
|{{flagicon|GBR}} [[1977年]]7月7日<br />{{flagicon|USA}} 1977年7月13日<br />{{flagicon|JPN}} 1977年12月24日|| rowspan="2" |ルイス・ギルバート||リチャード・メイボーム<br />クリストファー・ウッド
|-
!第11作
| style="text-align:left" |[[007/ムーンレイカー (映画)|007/ムーンレイカー]]<br />''Moonraker''
|{{flagicon|GBR}} [[1979年]]6月26日<br />{{flagicon|USA}} 1979年6月29日<br />{{flagicon|JPN}} 1979年12月8日||クリストファー・ウッド
|-
!第12作
| style="text-align:left" |[[007/ユア・アイズ・オンリー]]<br />''For Your Eyes Only''
|{{flagicon|GBR}} [[1981年]]6月24日<br />{{flagicon|USA}} 1981年6月26日<br />{{flagicon|JPN}} 1981年7月11日|| rowspan="5" |[[ジョン・グレン (映画監督)|ジョン・グレン]]||リチャード・メイボーム<br />[[マイケル・G・ウィルソン]]
|-
!第13作
| style="text-align:left" |[[007/オクトパシー]]<br />''Octopussy''
|{{flagicon|GBR}} [[1983年]]6月6日<br />{{flagicon|USA}} 1983年6月13日<br />{{flagicon|JPN}} 1983年7月2日||ジョージ・マクドナルド・フレザー<br />リチャード・メイボーム<br />マイケル・G・ウィルソン
|-
!第14作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 ウツク/}}[[007/美しき獲物たち]]<br />''A View To A Kill''
|{{flagicon|USA}} [[1985年]]5月27日<br />{{flagicon|GBR}} 1985年6月13日<br />{{flagicon|JPN}} 1985年7月6日|| rowspan="3" |リチャード・メイボーム<br />マイケル・G・ウィルソン
|-
!第15作
| style="text-align:left" |[[007/リビング・デイライツ]]<br />''The Living Daylights''
|{{flagicon|GBR}} [[1987年]]6月27日<br />{{flagicon|USA}} 1987年7月31日<br />{{flagicon|JPN}} 1987年12月19日|| rowspan="2" |[[ティモシー・ダルトン]]
|-
!第16作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 ケサレ/}}[[007/消されたライセンス]]<br />''Licence To Kill''
|{{flagicon|GBR}}{{flagicon|USA}} [[1989年]]6月13日<br />{{flagicon|JPN}} 1989年9月9日
|-
!第17作
| style="text-align:left" |[[ゴールデンアイ]]<br />''GoldenEye''
|{{flagicon|USA}} [[1995年]]11月17日<br />{{flagicon|GBR}} 1995年11月24日<br />{{flagicon|JPN}} 1995年12月16日|| rowspan="4" |[[ピアース・ブロスナン]]||[[マーティン・キャンベル]]||ブルース・フィアスティン<br />ジェフリー・ケイン
|-
!第18作
| style="text-align:left" |[[トゥモロー・ネバー・ダイ]]<br />''Tomorrow Never Dies''
|{{flagicon|GBR}} [[1997年]]12月12日<br />{{flagicon|USA}} 1997年12月16日<br />{{flagicon|JPN}} [[1998年]]3月14日||[[ロジャー・スポティスウッド]]||ブルース・フィアスティン
|-
!第19作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 ワアル/}}[[ワールド・イズ・ノット・イナフ]]<br />''The World Is Not Enough''
|{{flagicon|USA}} [[1999年]]11月19日<br />{{flagicon|GBR}} 1999年11月21日<br />{{flagicon|JPN}} [[2000年]]2月5日||[[マイケル・アプテッド]]||[[ニール・パーヴィス]]<br />ロバート・ウェイド<br />ブルース・フィアスティン
|-
!第20作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 タイア/}}[[007/ダイ・アナザー・デイ]]<br />''Die Another Day''
|{{flagicon|GBR}} [[2002年]]11月20日<br />{{flagicon|USA}} 2002年11月22日<br />{{flagicon|JPN}} [[2003年]]3月8日||[[リー・タマホリ]]||ニール・パーヴィス<br />ロバート・ウェイド
|-
!第21作
| style="text-align:left" |[[007/カジノ・ロワイヤル (2006年の映画)|007/カジノ・ロワイヤル]]<br />''Casino Royale''
|{{flagicon|GBR}} [[2006年]]11月16日<br />{{flagicon|USA}} 2006年11月17日<br />{{flagicon|JPN}} 2006年12月1日|| rowspan="5" |[[ダニエル・クレイグ]]||マーティン・キャンベル||ニール・パーヴィス<br />ロバート・ウェイド<br />[[ポール・ハギス]]
|-
!第22作
| style="text-align:left" |{{Display none|007 ナクサ/}}[[007/慰めの報酬]]<br />''Quantum of Solace''
|{{flagicon|GBR}} [[2008年]]10月31日<br />{{flagicon|USA}} 2008年11月7日<br />{{flagicon|JPN}} [[2009年]]1月24日||[[マーク・フォースター]]||ジョシュア・ゼトゥマー<br />ニール・パーヴィス<br />ロバート・ウェイド<br />ポール・ハギス
|-
!第23作
| style="text-align:left" |[[007 スカイフォール]]<br />''Skyfall''
|{{flagicon|GBR}} [[2012年]]10月23日<br />{{flagicon|USA}} 2012年11月7日<br />{{flagicon|JPN}} 2012年12月1日|| rowspan="2" |[[サム・メンデス]]||ニール・パーヴィス<br />ロバート・ウェイド<br />[[ジョン・ローガン]]
|-
!第24作
| style="text-align:left" |[[007 スペクター]]<br />''Spectre''
|{{flagicon|GBR}} [[2015年]]10月26日<br />{{flagicon|USA}} 2015年11月6日<br />{{flagicon|JPN}} 2015年12月4日||ジョン・ローガン<br />ニール・パーヴィス<br />ロバート・ウェイド<br />ジェズ・パターヴァス
|-
!第25作
| style="text-align:left" |[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]<br />''No Time To Die''
|{{flagicon|GBR}} [[2021年]]9月30日<br />{{flagicon|JPN}} 2021年10月1日<br />{{flagicon|USA}} 2021年10月8日||[[キャリー・フクナガ|キャリー・ジョージ・フクナガ]]||ニール・パーヴィス<br />ロバート・ウェイド<br />[[スコット・Z・バーンズ]]<br />フィーヴィー・ウォーリー=ブリッジ<br />キャリー・ジョージ・フクナガ
|}
<gallery>
ファイル:Sean Connery as James Bond at Switzerland 1964 (two thirds crop).jpg|{{center|[[ショーン・コネリー]]<br />(1962–67; 1971)}}
ファイル:On Her Majesty's Secret Service (17) (Lazenby crop).jpg|{{center|[[ジョージ・レーゼンビー]]<br />(1969)}}
ファイル:Sir Roger Moore crop.jpg|{{center|[[ロジャー・ムーア]]<br />(1973–85)}}
ファイル:Timothy Dalton 1987.jpg|{{center|[[ティモシー・ダルトン]]<br />(1987-89)}}
ファイル:PierceBrosnanCannesPhoto2.jpg|{{center|[[ピアース・ブロスナン]]<br />(1995–2002)}}
ファイル:Daniel Craig - Film Premiere "Spectre" 007 - on the Red Carpet in Berlin (22387409720) (cropped).jpg|{{center|[[ダニエル・クレイグ]]<br />(2006–21)}}
</gallery>'''イーオン以外の作品'''
{| class="sortable wikitable" style="text-align:center; font-size:95%"
!タイトル!!公開日
!主演
!監督!!脚本
|-
| style="text-align:left" |[[007/カジノ・ロワイヤル (1967年の映画)|007/カジノ・ロワイヤル]]<br />''Casino Royale''
|{{flagicon|GBR}} [[1967年]][[4月13日]]<br />{{flagicon|USA}} 1967年[[4月19日]]<br />{{flagicon|JPN}} 1967年[[12月16日]]
|[[デヴィッド・ニーヴン]]
|[[ジョン・ヒューストン]]<br />[[ケン・ヒューズ]]<br />ヴァル・ゲスト<br />[[ロバート・パリッシュ (映画監督)|ロバート・パリッシュ]]<br />ジョセフ・マクグラス
|ウォルフ・マンキウィッツ<br />ジョン・ロウ<br />マイケル・セイヤーズ
|-
| style="text-align:left" |[[ネバーセイ・ネバーアゲイン]]<br />''Never Say Never Again''
|{{flagicon|USA}} [[1983年]][[10月7日]]<br />{{flagicon|JPN}} 1983年[[12月10日]]<br />{{flagicon|GBR}} 1983年[[12月15日]]
|[[ショーン・コネリー]]
|[[アーヴィン・カーシュナー]]||[[ロレンツォ・センプル・ジュニア]]
|}
 
=== イーオン・プロダクションズ ===
1960年頃、フレミングの原作を読んだプロデューサーの[[アルバート・R・ブロッコリ]]は、「これは映画化に向いている」と感じ、フレミングの元へ行き交渉を求めた。しかし、フレミングは映像権を一足先に[[ハリー・サルツマン]]に売り渡していた。一方のサルツマンは、映像権の有効期限内に出資先を見つけるべく奔走していたものの、金策に尽きていた状況だった。そこへ、ブロッコリが接触し、二人は手を組んで[[ロンドン]]に[[イーオン・プロダクションズ]](以下イオン・プロ)を設立し、協力して007映画の制作に当たることになった。
 
プロダクションの設立後、サルツマンとブロッコリの二人は[[ハリウッド]]の大手映画会社[[ユナイテッド・アーティスツ]](以下UA)と契約を交わすべく渡米<ref group="注釈">当初はブロッコリと関係が良好だった[[コロンビア ピクチャーズ]]と契約する予定であったがコロンビア側は映画化には興味を示さなかった。</ref>。[[ニューヨーク]]でUAの社長であった{{仮リンク|アーサー・B・クリム|en|Arthur B. Krim}}と面会し、映画化を打診した。当時UAの社長秘書でフレミングの原作の大ファンでもあった{{仮リンク|デヴィッド・V・ピッカー|en|David V. Picker}}の後押しも受け、UAの出資が決定した<ref group="注釈">ピッカー自身もボンドシリーズの映像権取得に動いていたが、タイミングが会わず、結局サルツマンが取得することになった。</ref><ref>[https://jamesbond007news.com/2019/04/22/former-united-artists-president-david-picker-passes-away/ デヴィッド・ピッカーさん死去 ユナイト元社長]</ref>。この際UAはイオン・プロに対し、全面的な融資を行うこと、そして、最低でも7本のボンド映画の製作・配給を行うという条件で契約を交わし、遂に007の映画化プロジェクトが本格的に始動した。
 
当初イオン・プロは、第1作目に『サンダーボール作戦』を映画化しようとしていたものの、UAは権利関係の問題や予算の都合を上げ、却下された。その結果SF色の強い『ドクター・ノオ』が選ばれた。監督に関しては、当初イオン・プロはアメリカ人監督を推していたものの、UAは、作品の内容から判断し、イギリス人監督を推奨。その後、職人肌で、戦時中は諜報活動に従事していた[[テレンス・ヤング]]を監督に当てて、ボンド映画第1作目『[[007は殺しの番号|007/ドクター・ノオ]]』が映画化された(1962年公開。邦題は『007は殺しの番号』)。この映画は100万ドルという低予算作品ながらも、興行収入は5900万ドルと予想以上の大ヒットとなった。主役の[[ショーン・コネリー]]はこの1作で成功、ボンドは彼の当たり役となった。モンティ・ノーマン作曲、[[ジョン・バリー (作曲家)|ジョン・バリー]]編曲、演奏の「ジェームズ・ボンドのテーマ」も大好評で、以後の作品のオープニングで、ボンドを狙う銃口が逆に撃たれて血を流すシーン([[モーリス・ビンダー#ガンバレル・シークエンス|ガンバレル・シークエンス]])と共に必ず流されるようになった。
 
この作品のヒットに影響され、[[1960年代]]中期には「007もどき」のB級スパイ映画が世界各国で濫造されたが、一つとして007を超える成功を収めたものはなかった。
 
『ドクター・ノオ』以後、イオン・プロによって制作される007映画は、主演俳優を幾度か変えつつも、現在に至るまで人気シリーズとして存続している。
 
[[1970年代]]初期以降の作品は、フレミングの小説から題名のみを借りた[[脚本家|シナリオライター]]によるオリジナルストーリーで、原作とほとんど無関係となっている。その内容は、派手な設定とグラマラスな美女、大物俳優のゲスト出演をセットとした、[[エンターテインメント]]の王道とも言うべきもので、設定は全般に様式的なものとなっている。[[1990年代]]の作品からは映画オリジナル作品が主流となり、[[2008年]]公開の『[[007/慰めの報酬|慰めの報酬]]』でフレミングの小説は完全に枯渇している。
 
==== ブロッコリとサルツマンの反目 ====
アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンは、1970年代初期まで共同プロデューサーを務めていたが、ブロッコリの娯楽路線に、原作派で文芸趣味のあるサルツマンは次第に反発するようになる。[[レン・デイトン]]が007への[[アンチテーゼ]]として執筆した難解なスパイ小説『イプクレス・ファイル』を[[マイケル・ケイン]]主演で『[[国際諜報局]]』(1965年、[[シドニー・J・フューリー]]監督)として映画化させたのは、他ならぬサルツマンだった。
 
サルツマンの意見を元に製作され、リアリティやロマンチシズムへの傾倒があった『[[女王陛下の007 (映画)|女王陛下の007]]』の興行成績が芳しくなかった一方、続いてブロッコリの意見を元に製作された荒唐無稽で派手なストーリーの『[[007/ダイヤモンドは永遠に (映画)|ダイヤモンドは永遠に]]』の興行成績が良かったことから、ブロッコリが主導権を握るようになった。
 
結局、1975年にサルツマンはイオン・プロから離脱。それ以降、イオン・プロとその親会社である[[ダンジャック]]はアルバート・ブロッコリとその一族が支配することになる。因みに、サルツマンの持株はブロッコリに無断でUAへと売却され、UAはイオン・プロの大株主となった。しかし、そのUAも『[[天国の門]]』(1980年、[[マイケル・チミノ]]監督)の大失敗により経営危機に陥り、1981年に[[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]](以下MGM)に吸収合併された。その為、13作目『[[007 オクトパシー|オクトパシー]]』からはMGMも製作に加わり、それに伴い北米以外での配給は新たに[[ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ]](UIP)が担当することになった。
 
=== 『カジノ・ロワイヤル』 ===
小説のシリーズ第1作『カジノ・ロワイヤル』と第3作『ムーンレイカー』<ref group="注釈">『ムーンレイカー』に関しては俳優の[[ジョン・ペイン]]が所有していたが、その後権利を買いとることが出来たため、1979年に[[007 ムーンレイカー|映画化]]している。</ref>だけは、権利関係の錯綜からイオン・プロは権利を押さえることができなかった。
 
この作品は[[コロンビア ピクチャーズ]]が制作権を得て、[[ジョン・ヒューストン]]ら5人の監督によって共同で映画化された(1967年公開『[[007/カジノ・ロワイヤル (1967年の映画)|007/カジノ・ロワイヤル]]』)。実際にはさらに多数の監督が関わっているとも言われ、製作過程は混乱の上の混乱を極めた。[[デヴィッド・ニーヴン]]、[[ピーター・セラーズ]]ら実力派の名優を総動員しながら、結果としては原作から別次元に乖離した奇想天外なドタバタパロディ作品として作られており、最初から最後までギャグとジョークと人を食った展開が連発されるナンセンスものの怪作である。
 
現在では、1960年代中期の[[大衆文化|ポップ・カルチャー]]の影響を色濃く残すユニークな映画として[[カルト]]的評価を受けており、のちのヒット映画『[[オースティン・パワーズ]]』シリーズにも強い影響を与えている。本来の映画007シリーズとは異なった層の評価の高い作品である。
 
=== 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』 ===
[[1982年]]に、007映画から離れていたショーン・コネリー主演、[[ワーナー・ブラザース]]提供で『[[ネバーセイ・ネバーアゲイン]]』([[アーヴィン・カーシュナー]]監督)が制作された。タイトルは、コネリーの妻が再び007のオファーを受け、迷っていた夫に言った言葉「もうやらないなんて、'''そんなこと言わないで(ネバーセイ・ネバーアゲイン)'''もう一度おやりなさいな」からつけられた。
 
これは1961年にフレミングが書いた『サンダーボール作戦』(1965年にイオン・プロのシリーズ第4作として[[テレンス・ヤング]]監督、コネリー主演で映画化)の、イオン・プロから離れた形での再映画化である。この作品も権利関係の混乱による産物であり、以後、イオン・プロ以外で007映画は制作されていない(上記のような理由から、007映画にはおなじみのオープニングテーマと、オープニングでボンドを狙う銃口から逆に撃たれて血を流すシーン([[ガンバレル・シークエンス]])は使用されていない<ref group="注釈">しかし、『[[木曜洋画劇場]]』で放送された際の予告CMではアレンジ版ながらも「ジェームズ・ボンドのテーマ」が使用された。</ref>。)。
 
1999年に『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のプロデューサーと[[ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント|ソニー・ピクチャーズ]]が組んで、イオン・プロとは無関係の新007シリーズを製作すると発表した。ダンジャックとMGMはこれに反発し、事態は法廷闘争に持ちこまれた。最終的にMGMは所有していた『[[スパイダーマン]]』の権利を手放す代わりに、ソニー・ピクチャーズが所有していた『カジノロワイヤル』、『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の諸権利を所有する事で両者は和解に至り、ソニー・ピクチャーズは新007の製作を断念した。ところが2005年、経営難に陥ったMGMを[[ソニー]]を始めとする投資家グループ([[コンソーシアム]])が買収した。これによりソニー・ピクチャーズは本家「007」映画に携わる権利を得ることとなった。
 
=== メイン・タイトル ===
映画シリーズはタイトル・デザインの面白さでも知られる。[[タイポグラフィ]](字体)が変幻自在な[[ソール・バス]]や[[カイル・クーパー]]とは異なる独自のスタイルが今日まで一貫している。
 
第1作『[[007は殺しの番号|ドクター・ノオ]]』ではスタンリー・ドーネン作品で知られていた[[モーリス・ビンダー]]を招聘した[[幾何学]]パターンを用いたアニメーション作品。第2 - 3作では[[ロバート・ブラウンジョン]]<small>[[:en:Robert Brownjohn|(英語版)]]</small>が女性の身体に文字や作品のワンシーンが投射されるという奇抜な映像を提供し、女性をモチーフにしたスタイルが確立された(ブラウンジョンはタイトル・デザイナーとしては寡作で、007シリーズ2作の他には『{{仮リンク|スパイがいっぱい|en|Where the Spies Are|preserve=1}}』(1965年)と『[[将軍たちの夜]]』(1967年)があるだけである)。
 
第4作『[[007/サンダーボール作戦 (映画)|サンダーボール作戦]]』からはビンダーが再び担当し、女性のシルエットを多用したスタイルが続くが、1991年にビンダーが亡くなり、『[[ゴールデンアイ]]』以降はビンダーの助手で[[1980年代]]から[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]や[[ヴァン・ヘイレン]]のミュージック・ビデオを多数手がけている[[ダニエル・クラインマン]]<small>[[:en:Daniel Kleinman|(英語版)]]</small>が、デジタル合成を駆使しつつビンダー/ブラウンジョンのスタイルを受け継いだ。
 
=== 音楽 ===
イオン・プロの007シリーズは、{{仮リンク|モンティ・ノーマン|en|Monty Norman|preserve=1}}作曲による「[[ジェームズ・ボンドのテーマ]]」と、初期〜中期の音楽監督[[ジョン・バリー (作曲家)|ジョン・バリー]]のオーケストレーションが、007サウンドの基本スタイルを作り上げた。(わずかな例外を除けば)メインタイトルバックには、ボーカル入りのテーマ曲がかかるのが通例になっており、時代ごとの一流ミュージシャン・歌手が参加。映画と共にテーマ曲もヒットした。『[[トゥモロー・ネバー・ダイ]]』から『慰めの報酬』まで音楽を手がけていた[[デヴィッド・アーノルド]]は、元々007映画の大ファンで、歴代テーマ曲のカヴァー・アルバム『''[[:en:Shaken and Stirred: The David Arnold James Bond Project|Shaken And Stirred]]''』を発表したことが起用のきっかけになった。
 
==== メインテーマ ====
{| class="wikitable" style="font-size:95%"
!映画名!!曲名!!歌手(バンド)!!備考
|-
|[[007は殺しの番号|007/ドクター・ノオ]]||ジェームズ・ボンドのテーマ<br />"[[:en:James Bond Theme|James Bond Theme]]"||style="white-space:nowrap"|[[器楽曲|インストゥルメンタル]]||クレジットタイトルの後半に短いが歌の有る「キングストン・カリプソ」("Kingston Calypso")が流れる
|-
|[[007/危機一発|007/ロシアより愛をこめて]]||ロシアより愛をこめて<br />"[[:en:From Russia with Love (soundtrack)|From Russia With Love]]"||インストゥルメンタル||エンディングに[[:en:Matt Monro|マット・モンロー]]のヴォーカルによる「ロシアより愛をこめて」("From Russia With Love")が流れる
|-
|[[007/ゴールドフィンガー (映画)|007/ゴールドフィンガー]]||ゴールドフィンガー<br />"[[:en:Goldfinger (song)|Goldfinger]]"||[[シャーリー・バッシー]]||
|-
|[[007/サンダーボール作戦 (映画)|007/サンダーボール作戦]]||サンダーボール<br />"[[:en:Thunderball (soundtrack)|Thunderball]]"||[[トム・ジョーンズ (歌手)|トム・ジョーンズ]]||主題歌候補として[[ジョニー・キャッシュ]]が「サンダーボール作戦」を歌っているが選考で敗れた<ref>[https://英語日常会話.jp/11691.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(2)]</ref>。
|-
|[[007は二度死ぬ (映画)|007は二度死ぬ]]||007は二度死ぬ<br />"[[:en:You Only Live Twice (song)|You Only Live Twice]]"||[[ナンシー・シナトラ]]||
|-
|[[女王陛下の007 (映画)|女王陛下の007]]||style="white-space:nowrap"|女王陛下の007<br />"On Her Majesty's Secret Service"||インストゥルメンタル||挿入歌は、[[ルイ・アームストロング]]の「愛はすべてを超えて」("[[:en:We Have All the Time in the World|We Have All the Time in the World]]")
|-
|[[007/ダイヤモンドは永遠に (映画)|007/ダイヤモンドは永遠に]]||ダイアモンドは永遠に<br />"[[:en:Diamonds Are Forever (soundtrack)|Diamonds are Forever]]"||[[シャーリー・バッシー]]||
|-
|[[007/死ぬのは奴らだ (映画)|007/死ぬのは奴らだ]]||[[007 死ぬのは奴らだ (曲)|007 死ぬのは奴らだ]]<br />"[[:en:Live and Let Die (song)|Live and Let Die]]"||[[ポール・マッカートニー]](ポール・マッカートニー&[[ウイングス]])||初の全米・全英両方のチャートでトップ10入りした楽曲
|-
|[[007/黄金銃を持つ男 (映画)|007/黄金銃を持つ男]]||黄金銃を持つ男<br />"[[:en:The Man with the Golden Gun (soundtrack)|The Man With the Golden Gun]]"||[[ルル (歌手)|ルル]]||主題歌候補として[[アリス・クーパー]]が「黄金銃を持つ男」を歌っているが、選考で敗れた<ref>[https://英語日常会話.jp/11693.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(3)]</ref>
|-
|[[007/私を愛したスパイ]]||[[私を愛したスパイ (曲)|私を愛したスパイ]]<br />"[[:en:Nobody Does It Better|Nobody Does It Better]]"||[[カーリー・サイモン]]||ボンド本人に関する初めてのテーマ曲
|-
|[[007/ムーンレイカー (映画)|007/ムーンレイカー]]||ムーンレイカー<br />"[[:en:Moonraker (soundtrack)|Moonraker]]"||[[シャーリー・バッシー]]||
|-
|[[007/ユア・アイズ・オンリー]]||ユア・アイズ・オンリー<br />"[[:en:For Your Eyes Only (song)|For Your Eyes Only]]"||[[シーナ・イーストン]]||オープニング・タイトルに歌手本人が登場<br>主題歌候補として「For Your Eyes Only」は他に[[ブロンディ (バンド)|ブロンディ]](詞も曲も異なる)が歌っているが<ref>[https://英語日常会話.jp/11696.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(4)]</ref>、最終選考でイーストンに敗れた。
|-
|[[007/オクトパシー]]||オール・タイム・ハイ<br />"[[:en:All Time High|All Time High]]"||[[リタ・クーリッジ]]||歌詞のどこにも作品名がない
|-
|[[007/美しき獲物たち]]||美しき獲物たち<br />"[[:en:A View to a Kill (song)|A View to a Kill]]"||[[サイモン・ル・ボン]]([[デュラン・デュラン]])||全米1位を記録
|-
|[[007/リビング・デイライツ]]||リビング・デイライツ<br />"[[:en:The Living Daylights (song)|The Living Daylights]]"||[[a-ha]]||当初は「[[ペット・ショップ・ボーイズ]]」が唄う"This Must Be the Place I Waited Years to Leave"の予定だったが、[[歌詞]]の内容が[[宗教]]色が濃いという問題で不採用になった。<br>[[ジョン・バリー]]との対立により二つのバージョンが存在する。
|-
|[[007/消されたライセンス]]||[[消されたライセンス (曲)]]<br />"[[:en:Licence to Kill (soundtrack)|Licence to Kill]]"||[[グラディス・ナイト]]||
|-
|[[ゴールデンアイ]]|||ゴールデンアイ<br />"[[:en:GoldenEye (song)|Goldeneye]]"||[[ティナ・ターナー]]||主題歌候補として[[エイス・オブ・ベイス]]が「ゴールデンアイ」を歌っているが選考で敗れた<ref>[https://英語日常会話.jp/11702.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(6)]</ref>。
|-
|[[トゥモロー・ネバー・ダイ]]||[[トゥモロー・ネヴァー・ダイ]]<br />"Tomorrow Never Dies"||[[シェリル・クロウ]]||主題歌候補として[[パルプ (バンド)]]が「トゥモロー・ネバー・ライ」を歌っているが選考で敗れた<ref>[https://英語日常会話.jp/11709.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(7)]</ref>。
|-
|[[ワールド・イズ・ノット・イナフ]]||ワールド・イズ・ノット・イナフ<br />"[[:en:The World Is Not Enough (song)|The World is Not Enough]]"||[[ガービッジ]]||日本語版のエンディングに[[LUNA SEA]]の(Sweetest Coma Againが)流れる
|-
|[[007/ダイ・アナザー・デイ]]||[[ダイ・アナザー・デイ]]<br />"Die Another Day"||[[マドンナ (歌手)|マドンナ]]||テーマ曲を歌った歌手が作品に役者として登場
|-
|[[007/カジノ・ロワイヤル (2006年の映画)|007/カジノ・ロワイヤル]]||ユー・ノー・マイ・ネーム<br />"[[:en:You Know My Name|You Know My Name]]"||[[クリス・コーネル]]||歌詞のどこにも作品名がない<br />a-ha 以来、19年ぶりの男性ボーカルの主題歌
|-
|[[007/慰めの報酬]]||[[アナザー・ウェイ・トゥ・ダイ]]<br />"Another Way to Die"||[[ジャック・ホワイト]]<br />[[アリシア・キーズ]]||007シリーズ史上初のデュエット
|-
|[[007 スカイフォール]]||[[スカイフォール]]<br />"[[:en:Skyfall|Skyfall]]"||[[アデル (歌手)|アデル]]||
[[第85回アカデミー賞]]、[[アカデミー歌曲賞|歌曲賞]]受賞<br>主題歌候補として[[ミューズ (バンド)]]が「スプレマシー」を歌っているが選考で敗れた<ref>[https://英語日常会話.jp/11721.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(8)]</ref>。
|-
|[[007 スペクター]]||[[ライティングズ・オン・ザ・ウォール]]<br />"[[:en:Wrintg's On The Wall|Writing's On The Wall]]"||[[サム・スミス]]||[[第88回アカデミー賞]]、歌曲賞受賞<br>主題歌候補として[[レディオヘッド]]が「スペクター」を歌っているが選考で敗れた<ref>[https://英語日常会話.jp/11724.html BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(9)]</ref>。
|-
|[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]
|[[ノー・タイム・トゥ・ダイ (曲)|ノー・タイム・トゥ・ダイ]]<br />"No Time To Die"
|[[ビリー・アイリッシュ]]||[[第94回アカデミー賞]]、歌曲賞受賞<br>007シリーズ史上最年少で主題歌を担当
|-
|}
メインテーマ曲を最も多く歌っているのは、[[シャーリー・バッシー]]。『ゴールドフィンガー』、『ダイヤモンドは永遠に』、『ムーンレイカー』の3回。
 
第1作『ドクター・ノオ』のオープニング曲は「ジェームズ・ボンドのテーマ」で、ヴォーカルのメインテーマはない(クレジットタイトルの後半には歌のある「キングストン・カリプソ」と、劇中にも挿入歌「マンゴの木の下で」が流れる)。
 
第6作『女王陛下の007』もメイン・テーマはインストゥルメンタル曲だが、[[ルイ・アームストロング]]が歌った挿入歌「愛はすべてを超えて」("[[:en:We Have All the Time in the World|We Have All the Time in the World]]")が劇中に流れる。なお、『女王陛下の007』のセルVHSでは特典として"We Have All the Time in the World"がエンドクレジット後に流れるバージョンのものが一時期販売されていたが、現在流通されているDVD版には収録されていない。
 
==== イオン・プロ以外の007映画の音楽 ====
1967年のパロディ版『007/カジノロワイヤル』は全編の作曲・編曲が[[バート・バカラック]]、演奏が[[ハーブ・アルパート]]とティファナ・ブラスという組み合わせであった。[[ダスティ・スプリングフィールド]]が歌った挿入歌「恋の面影」("[[:en:The Look of Love (1967 song)|The Look of Love]]")は、本家イオン・プロのナンバー以上にスタンダードとして愛されている。
 
『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の映画音楽は、映画音楽界の大御所[[ミシェル・ルグラン]]が担当、主題歌は[[ラニ・ホール]]<small>[[:en:Lani Hall|(英語版)]]</small>が歌う Never Say Never Again で、本家に勝るとも劣らない豪華なものである。ただし、この映画公開当時は、[[サウンドトラック]]のアルバムが存在せず、映画音楽紹介番組では映画からの同録がそのまま放送されていた。
 
==== 不採用になった007映画の音楽 ====
* 『007/サンダーボール作戦』には、制作されたが実際に使われなかった主題歌「Mr Kiss Kiss Bang Bang」 Shirley Basseyが存在する<ref>Wikipedia「Thunderball」の項目など</ref><ref group="注釈">映画サウンドトラック盤『007/サンダーボール作戦』にはインストルメンタル曲が収録されている。</ref>。シャーリー・バッシーは他に、デヴィッド・アーノルド作曲でドン・ブラック作詞の「Quantum of Solace」(No Good About Goodbye)も録音している。
* [[1981年]]、Blondieが『007 ユア・アイズ・オンリー』の主題歌候補として「For Your Eyes Only」(詞も曲も異なる)を歌うが、最終選考で[[シーナ・イーストン]]に敗れた<ref>ブロンディ (バンド) - Wikipedia</ref>。ただし、曲はBlondieのアルバムにも収録され、発売されている。
* 『ネバーセイ・ネバーアゲイン』にも[[フィリス・ハイマン]]<small>[[:en:Phyllis Hyman|(英語版)]]</small>による「Never Say Never Again」があり、歌詞の中にタイトルが歌われている。
 
=== 主演俳優一覧 ===
{| class="wikitable" style="font-size:95%"
!rowspan="2"|俳優名!!rowspan="2"|生年月日!!colspan="3"|初主演作!!colspan="3"|最終主演作!!rowspan="2"|主演<br />本数
|-
!タイトル!!公開年!!年齢!!タイトル!!公開年!!年齢
|-
|[[ショーン・コネリー]]||[[1930年]][[8月25日]]||[[007は殺しの番号]]||1962年||32歳||[[ネバーセイ・ネバーアゲイン]]||1983年||53歳||7作品<ref group="注釈">『ネバーセイ・ネバーアゲイン』を含む。</ref>
|-
|[[ジョージ・レーゼンビー]]||[[1939年]][[9月5日]]||[[女王陛下の007 (映画)|女王陛下の007]]||1969年||30歳||女王陛下の007||1969年||30歳||1作品
|-
|[[ロジャー・ムーア]]||[[1927年]][[10月14日]]||[[007/死ぬのは奴らだ (映画)|007/死ぬのは奴らだ]]||1973年||46歳||[[007/美しき獲物たち]]||1985年||58歳||7作品
|-
|[[ティモシー・ダルトン]]||[[1946年]][[3月21日]]||[[007/リビング・デイライツ]]||1987年||41歳||[[007/消されたライセンス]]||1989年||43歳||2作品
|-
|[[ピアース・ブロスナン]]||[[1953年]][[5月16日]]||[[ゴールデンアイ]]||1995年||42歳||[[007/ダイ・アナザー・デイ]]||2002年||49歳||4作品
|-
|[[ダニエル・クレイグ]]||[[1968年]][[3月2日]]||[[007/カジノ・ロワイヤル (2006年の映画)|007/カジノ・ロワイヤル]]||2006年||38歳||[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]||2021年||52歳||5作品
|}<gallery caption="" widths="180px" heights="220px" perrow="3">
Sean Connery 1980 Crop.jpg|初代ボンド<br />[[ショーン・コネリー]]<br />1980年
GeorgeLazenby11.14.08ByLuigiNovi.jpg|2代目ボンド<br />[[ジョージ・レーゼンビー]]<br />2008年
Sir Roger Moore Allan Warren.jpg|3代目ボンド<br />[[ロジャー・ムーア]]<br />1973年
Timothy Dalton 1987.jpg|4代目ボンド<br />[[ティモシー・ダルトン]]<br />1987年
PierceBrosnan(CannesPhotoCall).jpg|5代目ボンド<br />[[ピアース・ブロスナン]]<br />2002年
Craig premiere new york.jpg|6代目ボンド<br />[[ダニエル・クレイグ]]<br />2008年
</gallery>
 
==== 吹き替え声優 ====
{{出典の明記|date=2015年4月|section=1}}
{|class="wikitable"
!ボンド
!俳優
!声優
!バージョン
!担当作品
|-
|rowspan="8"|初代||rowspan="8"|[[ショーン・コネリー]]||rowspan="5"|[[若山弦蔵]]||ソフト版||全作品
|-
|[[TBSテレビ|TBS]]版||『[[007/ゴールドフィンガー (映画)|ゴールドフィンガー]]』と<br />『[[ネバーセイ・ネバーアゲイン]]』を除く全作
|-
|[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]版||『ゴールドフィンガー』
|-
|[[フジテレビジョン|フジテレビ]]版||rowspan="2"|『ネバーセイ・ネバーアゲイン』
|-
|機内版
|-
|rowspan="2"|[[日高晤郎]]||[[テレビ朝日|NETテレビ]]版||『ゴールドフィンガー』
|-
|rowspan="2"|TBS版||『[[007/危機一発|ロシアより愛をこめて]]』
|-
|[[内海賢二]]||『[[007/ダイヤモンドは永遠に (映画)|ダイヤモンドは永遠に]]』
|-
|rowspan="2"|2代目||rowspan="2"|[[ジョージ・レーゼンビー]]||[[小杉十郎太]]||ソフト版||rowspan="4"|全作品
|-
|rowspan="3"|[[広川太一郎]]||TBS版
|-
|rowspan="3"|3代目||rowspan="3"|[[ロジャー・ムーア]]||ソフト版
|-
|TBS版
|-
|[[羽佐間道夫]]||機内版||『[[007/オクトパシー|オクトパシー]]』
|-
|rowspan="7"|4代目||rowspan="7"|[[ティモシー・ダルトン]]||[[大塚芳忠]]||[[DVD]]/[[Blu-ray|BD]]版||全作品
|-
|[[田中秀幸 (声優)|田中秀幸]]||[[VHS]]版||『[[007/消されたライセンス|消されたライセンス]]』
|-
|[[小川真司]]||TBS版||全作品
|-
|[[鈴置洋孝]]||rowspan="2"|[[テレビ朝日]]版||『[[007/リビング・デイライツ|リビング・デイライツ]]』
|-
|[[山寺宏一]]||『消されたライセンス』
|-
|[[津嘉山正種]]||rowspan="2"|機内版||『リビング・デイライツ』
|-
| [[谷口節]] || 『消されたライセンス』
|-
|rowspan="5"|5代目||rowspan="5"|[[ピアース・ブロスナン]]||[[神谷明]]||rowspan="2"|ソフト版||『[[007 ゴールデンアイ|ゴールデンアイ]]』<br />『[[トゥモロー・ネバー・ダイ]]』
|-
|[[横島亘]]||『[[ワールド・イズ・ノット・イナフ]]』<br />『[[007/ダイ・アナザー・デイ|ダイ・アナザー・デイ]]』
|-
|田中秀幸||テレビ朝日版||全作品
|-
|[[江原正士]]||フジテレビ版||『トゥモロー・ネバー・ダイ』
|-
|[[堀内賢雄]]||ビデオゲーム版||『[[007 ナイトファイア|ナイトファイア]]』<br />『[[007 エブリシング オア ナッシング|エブリシング オア ナッシング]]』
|-
|rowspan="5"|6代目||rowspan="5"|[[ダニエル・クレイグ]]||小杉十郎太||rowspan="2"|ソフト版||『[[007/カジノ・ロワイヤル (2006年の映画)|カジノ・ロワイヤル]]』<br />『[[007/慰めの報酬|慰めの報酬]]』
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|rowspan="4"|[[藤真秀]]||『[[007 スカイフォール|スカイフォール]]』<br />『[[007 スペクター|スペクター]]』
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|テレビ朝日版||『カジノ・ロワイヤル』
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|[[キングレコード]]版||rowspan="2"|『慰めの報酬』
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|[[BSジャパン]]版
|}
 
== ジェームズ・ボンドの日 ==
2012年10月5日は、第1作『ドクター・ノオ』が1962年10月5日にイギリスで初上映してからちょうど50周年にあたり「ジェームズ・ボンドの日」(GLOBAL JAMES BOND DAY)として007関連イベントを実施した。
 
* シリーズ誕生50周年記念作品である第23作『007 スカイフォール』の[[アデル (歌手)|アデル]]が歌う主題歌「スカイフォール」は、「007」にちなんで2012年10月5日のイギリス時間「0時7分(0:07)」に世界一斉解禁された。
 
* イギリスのオークションハウスである[[クリスティーズ]]では、「ジェームズ・ボンドの50年 - ザ・オークション」(50 YEARS OF JAMES BOND – THE AUCTION)というチャリティー・オークションが開催された。シリーズ誕生50周年記念作品である第23作『スカイフォール』まで全23作のゆかりのアイテム計50点を出品。うち40点はオンライン・オークションにかけられ、少なくとも3点は日本人が落札して日本に空輸された。50点のうち残りの10点は10月5日ジェームズ・ボンドの日にクリスティーズにて招待者限定のオークションを実施。オンライン・オークションでは、日本が舞台の第5作『007は二度死ぬ』(1967年)で初代ボンドの[[ショーン・コネリー]]が劇中で敵の基地に登るために使用した装備や、第9作『黄金銃を持つ男』(1974年)で登場した黄金のバックルの中に銃弾が仕込まれたベルトなど、劇中に登場した小道具や衣装、宣伝で使用されたポスターや劇場パネルなどが出品。招待者限定オークションでは、第21作『カジノ・ロワイヤル』(2006年)で6代目の[[ダニエル・クレイグ]]が海から登場する際に着用していた水泳用パンツや、シリーズ誕生50周年記念作品である第23作『スカイフォール』で着用した[[トム・フォード]]のスーツとタキシード、[[オメガ]]の時計、最新作のプレミアに参加できる権利などが出品された。また、第22作『慰めの報酬』(2009年)で使用した車アストンマーティンDBSも出品され、予想落札価格が12万から17万ポンド(約1500万から2130万円)という今回のオークションの中でも最高値が予想された<ref group="注釈">アストンマーティンDBSの実際の落札価格は389,377ドル(約3058万円)となった。</ref>。ボンドの大ファンというサッカー選手[[デビッド・ベッカム]]や[[クリスティアーノ・ロナウド]]がアストンマーティンを狙っているという話も報じられた。
2023年、前年にボンド映画が60周年を迎えたことを記念して、ボンド映画10作品の4Kレストア版を全国で公開した<ref>{{Cite web|和書|url=https://theriver.jp/bond60-lineup-announced/ |title=『007』60周年リバイバル上映、豪華ラインナップが発表 ─ 『ロシアより愛をこめて』『ゴールデンアイ』『スカイフォール』など10作 |access-date=2023-10-08}}</ref>。映画は5作品ずつ二弾に分けて上映され、第一弾は同年9月22日、第二弾は11月17日に公開される。ラインアップは以下の通り。
{| class="wikitable"
|+
!第一弾 9月22日~
!第二弾 11月17日~
|-
|
* 『[[女王陛下の007 (映画)|女王陛下の007]]』
* 『[[007は二度死ぬ (映画)|007は二度死ぬ]]』
* 『[[007/私を愛したスパイ]]』
* 『[[ゴールデンアイ]]』
* 『[[007/危機一発|007/ロシアより愛をこめて]]』
|
* 『[[007/リビング・デイライツ]]』
* 『[[007 スカイフォール|007/スカイフォール]]』
* 『[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]』
* 『[[007/サンダーボール作戦 (映画)|007/サンダーボール作戦]]』
* 『[[007は殺しの番号|007/ドクター・ノオ]]』
|}
 
== 悪役(メイン・ヴィラン) ==
=== 小説・映画共通 ===
* ル・シッフル - 『[[007 カジノ・ロワイヤル]]』
* ミスター・ビッグ - 『[[007 死ぬのは奴らだ]]』
* サー・ヒューゴ・ドラックス - 『[[007 ムーンレイカー]]』
* ローザ・クレッブ - 『[[007/危機一発|007 ロシアより愛をこめて]]』
* ジュリアス・ノオ(''Dr.Julius No'')<ref group="注釈">[[:en:James Bond Jr.|''James Bond Jr.'']]にもシリーズを通してのレギュラー悪役として登場する。</ref> - 『[[007 ドクター・ノオ]]』
* オーリック・ゴールドフィンガー - 『[[007 ゴールドフィンガー]]』
* アリスト・クリスタトス・・・「危険」Risico<ref group="注釈">映画は『ユア・アイズ・オンリー』</ref> - 『[[007/ユア・アイズ・オンリー]]』
* ミルトン・クレスト・・・「珍魚ヒルデブランド」The Hildebrand Rarity<ref group="注釈">映画は『消されたライセンス』</ref> - 『[[007/消されたライセンス]]』
* エミリオ・ラルゴ<ref group="注釈">『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではマクシミリアン・ラルゴ(スペクターNO.1)</ref> - 『[[007 サンダーボール作戦]]』
* [[エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド]](''Ernst Stavro Blofeld'')<ref group="注釈">『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではブロフェルド(スペクターNO.2=首領)</ref> - 『[[007は二度死ぬ]]』、『[[女王陛下の007]]』、『[[007 ダイヤモンドは永遠に]]』、『[[007 スペクター]]』
* フランシスコ・スカラマンガ(''Francisco Scaramanga'') - 『[[007 黄金銃を持つ男]]』
 
=== 小説のみ ===
* セラフィモ・スパング・・・『ダイヤモンドは永遠に』
* ジャック・スパング・・・『ダイヤモンドは永遠に』
* サンギネッティ・・・『私を愛したスパイ』
* スラッジー・モラント・・・『私を愛したスパイ』
* ソル・″ホラー″・ホロウィッツ・・・『私を愛したスパイ』
* 暗殺者ライダー・・・『薔薇と拳銃』
* フォン・ハマースタイン大佐・・・『読後焼却すべし』
* トリガー(KGBエージェント)・・・『ベルリン脱出』
 
=== 映画のみ ===
* カール・ストロンバーグ - 『[[007/私を愛したスパイ]]』
* ジョーズ - 『007/私を愛したスパイ』、『007 ムーンレイカー』
* カマル・カーン - 『[[007/オクトパシー]]』
* オルロフ将軍 - 『007/オクトパシー』
* マックス・ゾーリン - 『[[007/美しき獲物たち]]』
* ゲオルギ・コスコフ将軍 - 『[[007/リビング・デイライツ]]』
* ブラッド・ウィテッカー - 『007/リビング・デイライツ』
* ネクロス - 『007/リビング・デイライツ』
* フランツ・サンチェス - 『007/消されたライセンス』
* ダリオ - 『007/消されたライセンス』
* アレック・トレヴェルヤン - 『[[ゴールデンアイ]]』
* アーカディ・グリゴリビッチ・ウルモフ - 『ゴールデンアイ』
* ゼニア・オナトップ - 『ゴールデンアイ 』
* エリオット・カーヴァー - 『[[トゥモロー・ネバー・ダイ]]』
* ヘンリー・グプタ - 『トゥモロー・ネバー・ダイ』
* スタンパー - 『トゥモロー・ネバー・ダイ』
* レナード(ヴィクトル・ゾーカス) - 『[[ワールド・イズ・ノット・イナフ]]』
* エレクトラ・キング - 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』
* ムーン大佐/[[グスタフ・グレーブス]] - 『[[007/ダイ・アナザー・デイ]]』
* タン・リン・ザオ - 『ダイ・アナザー・デイ』
* ミランダ・フロスト - 『ダイ・アナザー・デイ』
* ドミニク・グリーン - 『[[007/慰めの報酬]]』
* ラウール・シルヴァ - 『[[007 スカイフォール]]』
* ミスター・ホワイト - 『007 カジノ・ロワイヤル』、『007 慰めの報酬』、『007 スペクター』
* リュートシファー・サフィン - 『[[007/ノー・タイム・トゥ・ダイ]]』
 
== ボンドガール ==
{{Main2|「[[ボンドガール]]」を}}
 
== ボンドカー ==
{{Main2|「[[ボンドカー]]」を}}
 
== 漫画 ==
=== 欧米 ===
* 英国では、[[:en:Gilberton Company, Inc.|Gilberton Company, Inc.]]から''Classics Illustrated'' のレーベルで「''Dr. No''」 が漫画化され出版。アメリカでは、[[:en:DC Comics|DC Comics]]から''Showcase''のレーベルで発売された。
 
ストーリーは映画とほぼ同じだが、原子炉で格闘中に、ボンドを殴るドクター・ノオの金属製義手が勢い余って、計器に触れて感電死するラストになっている<ref>Wikipedia(English)「James Bond (comics)」の項目</ref>。
 
=== 日本 ===
日本では[[貸本劇画]]において人気を不動のものとした [[さいとう・たかを]] が、青年向けの総合誌『[[ボーイズライフ]]』に執筆した。これは彼が[[貸本]]から[[雑誌]]に活躍の場を移す転機となった。
 
[[1960年代]]に入ってから[[小説]]と[[映画]]で人気の出始めたイアン・フレミングの007シリーズを翻案した企画物。基本の設定や物語のアウトライン以外は大幅にアレンジされている。原作のタイトルは正確には「ダブルオーセブン」だが、この作品発表当時は公開された映画も含め「ゼロゼロセブン」と呼んでいた。
 
さいとうはガンアクション、カーアクションをふんだんに盛り込んだスリリングでスピーディーな展開を写実的な画風で描いて、新しいタイプのアクション漫画に仕上げている。従来の漫画と異なった表現方法としての劇画の定着を図ったさいとうの思惑が如実に現れ、当時まだ漫画を読む層として認識されていなかった青年層の一般読者に貸本劇画の魅力を知らしめ、後の劇画ブームの火付け役となった。
 
初の漫画の新書判単行本として[[小学館]]が発行したゴールデンコミックスの第1弾がこの作品と[[白土三平]]の『[[カムイ外伝]]』だったことはその後の劇画ブームの質と性格をよく表している。
 
シリーズは『死ぬのは奴らだ』、『サンダーボール作戦』、『女王陛下の007』、『黄金の銃を持つ男』の全4作。小説や映画と異なり、第3作までのボスはブロフェルドではなく、『死ぬのは奴らだ』に引き続き、ミスター・ビッグになっている。(『サンダーボール作戦』でもエミリオ・ラルゴを手下に従えている。)
 
== ゲーム作品 ==
=== テーブルトークRPG ===
1983年にアメリカの[[アバロンヒル#ビクトリーゲームズの設立|ビクトリー・ゲームズ]]より[[テーブルトークRPG]]『''[[:en:James Bond 007 (role-playing game)|James Bond 007: Role-Playing In Her Majesty's Secret Service]]''』が発売された。御都合主義をルール化した[[ヒーローポイント]]を初めて採用したゲームとして知られる。
 
基本システムに続き、以下のような映画をモチーフとした追加システム、追加シナリオなどが発売されている。
* ''Goldfinger''
* ''Octopussy''
* ''Dr. No''
* ''You Only Live Twice''
* ''Live and Let Die''
* ''Goldfinger II - The Man With The Midas Touch''
* ''The Man with the Golden Gun''
* ''A View to a Kill''
* ''You Only Live Twice II: Back of Beyond''
* ''For Your Eyes Only''
* ''On Her Majesty's Secret Service''
 
日本においては、1986年に[[ホビージャパン]]より基本システムの日本語訳が『ジェームズ・ボンド 007 RPG』として箱入りで発売された。「ベーシック・ルールブック(入門アドベンチャー『ドクター・ノオの島』収録) 1冊」が同梱。また、追加シナリオとして『ゴールドフィンガー』のみ、日本語訳が発売されている。同社が発行していた雑誌『[[タクテクス]]』では、[[リプレイ (TRPG)|リプレイ]]の連載も掲載されていた。
 
プレイヤーは各能力値に値を任意に割り振ってキャラクターを作成する。本作において「容貌」の能力値は値が大きいほうが人々の記憶に残らない、目立たない容貌となっている。このため、筋力や敏捷性といった行動に必要な能力値を高く設定すると容貌の値は低くなり、美男美女の00要員が出来上がることになる。また、映画での007の行動を再現するために異性を「誘惑」するための専用ルールが設けられていた<ref>『[[タクテクス]]』No.52 1988年3月号([[ホビージャパン]])</ref>。
 
=== ビデオゲーム ===
007シリーズのゲーム化権利は[[エレクトロニック・アーツ]]が[[2010年]]まで{{いつから|date=2015年4月}}保有することになっていたが、2006年の『カジノ・ロワイヤル』でボンド役がダニエル・クレイグに移ったため、肖像権の問題により契約を破棄した。以降は、[[アクティビジョン]]がゲーム化権利を保有することとなった。2020年11月、「[[ヒットマン (ゲームシリーズ)|ヒットマンシリーズ]]」の開発を行っているIO Interactiveより「Project007」と呼ばれる新作ゲームの開発中であることが発表された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.4gamer.net/games/539/G053959/20201120038/|title=「Project 007」発表。ヒットマンシリーズのIO Interactiveがジェームズ・ボンドを主人公にした新作を開発|date=2020-11-20|accessdate=2021-10-11}}</ref>。
; 作品一覧
* 007 ジェームズ・ボンド ''007 James Bond''([[1984年]]、[[ツクダオリジナル]])
* 007 死闘 ''James Bond The Duel''([[1993年]]、[[テンゲン]])
* [[ゴールデンアイ 007]] ''GoldenEye 007''([[1997年]]、[[任天堂]])([[2011年]]、アクティビジョン)
* ''[[:en:James_Bond_007_(1998_video_game)|James Bond 007]]''([[1998年]]、[[任天堂]])
* 007 トゥモロー・ネバー・ダイ ''[[:en:Tomorrow Never Dies (video game)|Tomorrow Never Dies]]''([[1999年]]、[[エレクトロニック・アーツ]])
* ''[[:en:The World Is Not Enough (video game)|The World Is Not Enough]]''(2000年、エレクトロニック・アーツ)
* ''[[:en:007 Racing|007 Racing]]''(2000年、エレクトロニック・アーツ)
* ''[[:en:Agent Under Fire (video game)|Agent Under Fire]]''([[2001年]]、エレクトロニック・アーツ)
* [[007 ナイトファイア]] ''Nightfire''([[2002年]]、エレクトロニック・アーツ)
* [[007 エブリシング オア ナッシング]] ''Everything or Nothing''([[2004年]]、エレクトロニック・アーツ
*[[ゴールデンアイ ダーク・エージェント]] ''[[:en:GoldenEye: Rogue Agent|GoldenEye: Rogue Agent]]''(2004年、エレクトロニック・アーツ)
* 007 ロシアより愛をこめて ''[[:en:From Russia with Love (video game)|From Russia with Love]]''(2005年、エレクトロニック・アーツ)
* [[007 慰めの報酬 (ゲーム)|007 慰めの報酬]] ''Quantum of Solace''([[2008年]]、[[アクティビジョン]])
* [[007 ブラッドストーン]] ''James Bond 007: Blood Stone''([[2010年]]、アクティビジョン)
 
== ジェームズ・ボンドのモデル ==
ジェームズ・ボンドの作品は前述のように、イアン・フレミングのMI6時代の経験が基になっている。しかし、ボンドのモデルになった実在の人物が複数存在する。彼がボンドの直接的なモデルとして選んだのは、[[ドゥシャン・ポポヴ]]というMI6工作官だった。MI6にいた頃のフレミングの任務は、ポポヴの監視だった。
 
ポポヴは[[ユーゴスラビア]]出身で、[[第二次世界大戦]]時の[[ノルマンディー上陸作戦]]が行われる直前、ドイツに欺瞞情報を流し、作戦の成功につなげた実績がある。また、女優たちと交際を持ったり、カジノで大金を使ったりなど、豪勢な振る舞いをしていたとされている。
 
== ボンド・アイテム ==
[[画像:Omega007.jpg|thumb|オメガ007モデル]]
 
* 時計
** [[オメガ]]シーマスター300"SPECTRE"リミテッド (通算24作品目記念モデル 世界限定7007本)
** オメガシーマスターアクアテラ ジェームズ・ボンド 007 リミテッド (通算24作品目記念モデル 世界限定15007本)
** オメガシーマスタープロフェッショナル(40周年通算20作目記念モデル)
** [[スウォッチ]]007モデル
* スーツ
** 慰めの報酬 [[トム・フォード]] リージェンシー ライン 21BL4B、スカイフォール [[トム・フォード]] ライン名未定
 
== 脚注 ==
<references/>
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat}}
{{Commons|Category:James Bond}}
* [[ボンドガール吉野せい]]
*[[詩人一覧]]
* [[キャロル・ブーケ]]
* [[ボンドスーツ]]
* [[ジェームズ・ボンドのテーマ]]
* [[秘密情報部|MI6]]
* [[スパイ映画]]
* [[アクション映画]]
* [[イギリスの映画]]
* [[アメリカ合衆国の映画]]
* [[ジェームズ・ボンド (小惑星)]] - [[小惑星番号]]に"007"が含まれることから命名
* [[ジェームズ・ボンド (鳥類学者)]] - 名前の由来となった鳥類学者
* [[イアン・フレミング]]
 
== 外部リンク ==
* {{青空文庫著作者|136|山村 暮鳥}}
* {{YouTube|user=jamesbond007|James Bond 007}}{{en icon}}
* [http://www.jliterature.com Takemoto Hiroaki Page] - 関係文献リストと「三人の処女」「聖三稜玻璃」のテキストを掲載
* {{Wayback|url=http://www.cnn.co.jp/adspecial/spe_201210/35022173.html |title=こんなところにも!?と驚く ボンド50年の影響力を振り返る |date=20121008001203}} ([[CNN]])
* [http://www.amazon.co.jp/dp/B00BFZMG2O 『La Bonne Chanson』] - 「三人の処女」以前に自費出版した詩集
* [https://jamesbond007news.com/ ジェームズ・ボンド007ニュース]
* {{Wayback|url=http://www.geocities.jp/scaffale00410/bocholist.htm |title=山村暮鳥 詩一覧 |date=20190330043556}}
* [https://gqjapan.jp/culture/movie/20121203/bondstory ジェームズ・ボンドはこうして生まれた! 知られざる誕生秘話]
* {{Wayback|url=http://homepage3.nifty.com/yamabuki-h/index.html |title=橋本山吹の聖ぷりずむ堂 |date=20041030192815}} - 山村暮鳥の項に「風は草木にささやいた」「ちるちる・みちる」「夏の歌」、萩原朔太郎著「山村暮鳥のこと」のテキストを掲載
* {{Wayback|url=http://www.geocities.jp/scaffale00410/bochotop.htm |title=山村暮鳥(日本詩人愛唱歌集) |date=20190101000000}} - 暮鳥の詩による音楽作品のリスト
* {{Wayback|url=http://www.geocities.jp/shiori19991109/index.html |title=山村暮鳥研究 |date=20181105201750}} - 長編童話『鉄の靴』を中心に
 
{{ジェームズ・ボンド}}
{{Normdaten}}
{{Writer-stub}}
 
{{DEFAULTSORT:やまむら ほちよう}}
{{デフォルトソート:ほんと しええむす}}
[[Category:ジェームズ・ボンド|*20世紀日本の詩人]]
[[Category:00720世紀日本キャラクター|*児童文学作家]]
[[Category:小説日本シリーズ|しええむすほんと聖公会の信者]]
[[Category:イアン・フレミング日本の神学校出身の人物]]
[[Category:ハードボイルド群馬県出身の人物]]
[[Category:1884年生]]
[[Category:1924年没]]
[[Category:結核で死亡した日本の人物]]
[[Category:20世紀に結核で死亡した人物]]