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{{Redirect|秩父湖|秩父さくら湖|浦山ダム}}
{{ダム|
| 画像=[[ImageFile:Futase-637-r1 Dam.jpg|300px|二瀬ダム]]
| 所在地=左岸:[[埼玉県]][[秩父市]]大滝字大久保<br/>右岸:埼玉県秩父市大滝
| 座標={{ウィキ座標2段度分秒|35|56|29.8|N|138|54|35.0|E}}
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| 利用目的=[[洪水調節]]・[[放流 (ダム)#不特定利水|不特定利水]]・[[水力発電|発電]]
| 事業主体=[[国土交通省]]関東[[地方整備局]]
| 電気事業者=埼玉県企業局[[東京発電]]
| 発電所名(認可出力)=二瀬発電所<br />(5,200[[ワット|kW]])
| 施工業者=[[熊谷組]]
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| 備考=
}}
'''二瀬ダム'''(ふたせダム)は[[埼玉県]][[秩父市]]、[[一級河川]]・[[荒川 (関東)|荒川]]の本流最上流部に建設された[[ダム]]である。
[[ファイル:Lake Chichibu.jpg|250px|thumb|秩父湖]]
'''二瀬ダム'''(ふたせダム)は[[埼玉県]][[秩父市]]、[[一級河川]]・[[荒川 (関東)|荒川]]の本流最上流部に建設された[[ダム]]である。
 
[[国土交通省]]関東[[地方整備局]]が管理する[[国土交通省直轄ダム]]で、荒川水系では初となる[[多目的ダム]]である。高さ95.0mの[[重力式アーチダム]]。荒川の[[治水]]と埼玉県北西部の既得農地に対する農業用水補給および県営の[[水力発電]]が目的である。[[浦山ダム]](浦山川)や[[滝沢ダム]](中津川)と共に'''荒川上流ダム群'''を形成している。ダムによって形成された[[人造湖]]は、[[雍仁親王妃勢津子|秩父宮妃]]によって'''秩父湖'''(ちちぶこ)と命名された。[[秩父多摩甲斐国立公園]]に指定されている。
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荒川は名前が示す通り古くから氾濫を繰り返す河川であった。このため[[荒川放水路]]開削を始め様々な治水対策が行われてきたが、[[1947年]]([[昭和]]22年)の[[カスリーン台風]]によって流域は更なる被害を受けた。[[建設省]](現・[[国土交通省]]関東[[地方整備局]])は荒川の治水を図るべく「荒川総合開発事業」に着手。この中でダムによる洪水調節を目論んだ。こうして計画されたのが'''二瀬ダム'''であり、[[1952年]](昭和27年)より建設が開始され[[1961年]](昭和36年)に完成した。
 
ダムの型式は[[重力式コンクリートダム]]と[[アーチ式コンクリートダム]]の利点を兼ね備えた[[重力式アーチダム]]であり、ダムの高さは95mである。荒川沿岸の[[洪水調節]]、荒川沿岸の既得農地に対する慣行[[水利権]]分の農業用水補給を図る[[放流 (ダム)#不特定利水|不特定利水]]、および埼玉県企業局による[[水力発電]]が目的の[[多目的ダム]]([[多目的ダム#特定多目的ダム|特定多目的ダム]]である。この後、荒川水系には[[浦山ダム]](浦山川)が完成し現在は[[滝沢ダム]](中津川)が建設中であるが完成し、この3ダムは近い位置にあり「'''荒川上流ダム群'''」と総称される。
 
[[国道140号]]は、かつて当ダム湖(秩父湖)沿いを駒ヶ滝トンネルで通っていたが、このトンネルは信号制御の片側交互通行かつ、当ダム管理道路を兼ねる[[埼玉県道278号秩父多摩甲斐国立公園三峰線]]がトンネル内で分岐しており、危険であった。そこで、当ダムの管理所を移設し、その跡地上に管理道路・県道と交差する対面2車線の橋梁を通し、国道を移転することで交差点が地上かつ広くなり、安全性が向上した(管理道路・県道は片側交互通行のまま)。当ダムの管理所がダム本体から離れたところにあるのはこのためである。
==奥秩父の観光地==
 
ダムによって出来た人造湖は'''秩父湖'''と呼ばれ、[[秩父多摩甲斐国立公園]]に指定されている[[観光地]]であり[[秩父市]](旧[[秩父郡]][[大滝村]])に位置している。近くには[[三峰山]]・[[三峯神社]]があり、多くの観光客で賑わう。秩父湖沿いの[[国道140号]]は[[秩父往還]]とも呼ばれ、かつては[[甲斐国|甲斐]]と秩父を結ぶ主要街道であったが、[[雁坂峠]]という難所があり、長い間[[点線国道]]となっていた。滝沢ダム建設に伴い中津川沿いに変更となり、さらに[[1998年]](平成10年)には[[雁坂トンネル]]が開通。これに伴い秩父市から[[甲府市]]間の所要時間を大幅に短縮させることができた。
==秩父湖==
ダムによって出来た人造湖は'''秩父湖'''と呼ばれ、[[秩父多摩甲斐国立公園]]に指定されている[[観光地]]であり[[秩父市]](旧[[秩父郡]][[大滝村 (埼玉県)]])に位置している。近くダムの天端には[[埼玉県道278号秩父多摩甲斐国立公園三峰線|埼玉県道278号]]が通っており、[[三峯神社国道140号]]があり、多くの観光客で賑わう[[三峰山]]・[[三峯神社]]を結ぶルートとして利用されている。秩父湖沿いの[[国道140号]]は[[秩父往還]]とも呼ばれ、かつては[[甲斐国|甲斐]]と秩父を結ぶ主要街道であったが、[[雁坂峠]]という難所があり、長い間[[点線国道]]となっていた。滝沢ダム建設に伴い中津川沿いに変更となり、さらに[[1998年]](平成10年)には[[雁坂トンネル]]が開通。これに伴い秩父市から[[甲府市]]間の所要時間を大幅に短縮させることができた。
 
また、秩父湖からは[[和名倉山]]への登山道が延びているが、笹薮に覆われた難コースである。
 
<gallery>
File:Futase-637-r1.jpg|二瀬ダム
File:Futase-Dam.JPG|ダム天端上を県道が通過する
File:Futase Dam lake.jpg|秩父湖
[[ファイルFile:Lake Chichibu.jpg|250px|thumb|二瀬ダムと秩父湖]]
File:Futase Dam office.jpg|二瀬ダム管理所
File:Takizawa dam and Futase dam.jpg|滝沢ダムと二瀬ダム(奥側)を空撮
</gallery>
 
==荒川上流ダム群再開発~新大洞ダム~==
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#大洞ダム再開発計画(ダム直下に新しいダムを建設する)
 
大洞ダム再開発計画については、秩父湖に注ぐ[[大洞川 (埼玉県)|大洞川]]に[[1960年]](昭和35年)、埼玉県企業局により完成した発電専用ダム・大洞ダム(重力式コンクリートダム・堤高24.7m)の直下流に国土交通省によって新しいダムを建設するというものである。このダムは「'''新大洞ダム'''」と暫定的に呼ばれているが、堤高155mの巨大な重力式コンクリートダムを建設し、総貯水容量3,300万[[立方メートル|m&sup3;<sup>3</sup>]]のほぼ全てを洪水調節容量に充てるという[[治水ダム]]を建設する計画するものである。最終的にどの案になるのかは現在検討中であるため、新大洞ダムの具体的な内容については骨格が固まっていない。
 
== 二瀬ダムが登場する作品 ==
=== 漫画 ===
* [[ダムマンガ]]([[井上よしひさ]])
 
==関連項目==
{{Commonscat|Dams in Saitama prefecture|埼玉県のダム}}
*[[ダム]]
*[[日本のダム]]
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*荒川上流ダム群-[[滝沢ダム]]・[[浦山ダム]]
*[[ダム再開発事業]]
*[[中止したダム事業]]
*[[水力発電]]
*[[秩父多摩甲斐国立公園]]
*[[日本のダム一覧]]
*[[関東地方のダム一覧]]
 
== 参考文献 ==
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==外部リンク==
{{Commonscat|Futase Dam}}
*[http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=0637 ダム便覧(財団法人日本ダム協会) 二瀬ダム]
* [http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=06360637 二瀬ダム便覧(財団法人日本ダム協会) 大洞ダム(元)] - [http://wwwsocdamnet.nii.acor.jp/jdfcgi-bin/Dambinran/binranbinranA/All/All_3245.htmlcgi?db4=0636 大洞ダム)] - {{ダム便覧|a|3245|大洞ダム(再)}}
*[httphttps://www.mlit.go.jp/ 国土交通省] - [httphttps://www.ktr.mlit.go.jp/ 関東地方整備局] - [httphttps://www.ktr.mlit.go.jp/futase/ 二瀬ダム管理所]
 
{{国土交通省直轄ダム}}
 
{{DEFAULTSORT:ふたせたむ}}
[[Category:重力式アーチダム]]
[[Category:埼玉県のダム]]
[[Category:荒川の橋]]
[[Category:荒川水系 (関東)]]
[[Category:秩父市]]