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{{Infobox Film
'''南海トラフ地震に関連する情報'''(なんかいトラフじしんにかんれんするじょうほう、{{lang-en-short|Nankai Trough Earthquake Information}}<ref name="eng">{{Cite web|title=Monitoring of Earthquakes, Tsunamis and Volcanic Activity|url=https://www.jma.go.jp/jma/en/Activities/earthquake.html|website=気象庁|accessdate=2022-03-20|language=en}}</ref>)は、[[南海トラフ巨大地震]]を念頭に、[[南海トラフ]]全域を対象に[[南海トラフ巨大地震|地震]]発生の可能性の高まりについて[[気象庁]]が発表する情報<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=気象庁|南海トラフ地震について {{!}} 南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/info_criterion.html|website=www.data.jma.go.jp|accessdate=2021-02-14|publisher=気象庁(一部改変)}}</ref>。気象庁は、それまで[[東海地震]]に限定していた警戒体制([[東海地震に関連する情報]])を改めて、2017年11月1日に「南海トラフ地震に関連する情報(臨時)」および「南海トラフ地震に関連する情報(定例)」の運用を開始した<ref name="JMA2017">[https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/index.html 南海トラフ地震について] 気象庁</ref><ref>[https://www.jma.go.jp/jma/press/1709/26a/nankaijoho.pdf 「南海トラフ地震に関連する情報」の発表について] 気象庁報道発表資料(2017年9月26日)</ref>。その後2019年5月31日には、「'''南海トラフ地震臨時情報'''({{lang-en-short|Nankai Trough Earthquake Extra Information}}<ref name="eng" />)」および「南海トラフ地震関連解説情報({{lang-en-short|Nankai Trough Earthquake-Related Commentary}}<ref>{{Cite web|title=Earthquakes and Tsunamis - Observation and Disaster Mitigation|url=https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/jishintsunami/en/jishintsunami_en.pdf|publisher=気象庁|accessdate=2023-06-15|format=PDF|language=en}}</ref>)」に改められた<ref>[https://www.jma.go.jp/jma/press/1905/31a/20190531_nteq_name.html 「南海トラフ地震臨時情報」等の提供開始について] 気象庁報道発表資料(2019年5月31日)、2019年6月25日閲覧。</ref>。想定震源域での大規模地震そのものの発生だけでなく、[[ひずみ計]]の変化にも留意する。
|作品名=MG-2416
|原題=
|画像=
|画像サイズ=
|画像解説=
|監督=谷口仁則
|脚本=久馬歩<br /> 谷口仁則
|出演者=[[兵動大樹]]<br />[[谷澤恵里香]]<br />大木はんすけ<br />[[武田幸三]]<br />[[川上礼奈]]<br />[[梶剛]]<br />[[西野亮廣]]
|音楽=[[TAKUYA]](OP・ED)<br />ミナカテルラ・ケンタロンギフィラ(劇伴)
|主題歌=TAKUYA and the Cloud Collectors「Uncotrollable」
|撮影=
|編集=
|製作会社 =
|配給=[[吉本興業|よしもとクリエイティブ・エージェンシー]]
|公開={{flagicon|JPN}} [[2013年]][[3月24日]]
|上映時間=35分
|製作国={{JPN}}
|言語=[[日本語]]
}}
『'''MG-2416'''』(エムジーニイヨンイチロク)は、[[2013年]][[3月24日]][[沖縄国際映画祭]]にて公開の[[日本映画]]。
 
== 概要 ==
== 情報の種類・発表の条件 ==
本作は、[[吉本興業|よしもとクリエイティブ・エージェンシー]]と[[丸亀市]]がタッグを組み、第5回沖縄国際映画祭地域発信型映画部門の作品として2013年に制作された短編映画である。監督に谷口仁則、脚本に久馬歩を迎え、撮影はすべて香川県丸亀市で行われた。のべ150人の地域の人々が制作やエキストラ出演で応援した。
{| class="wikitable" style="margin-bottom: 1.5em; font-size: 95%;"
! style="width:14em" |情報名
!情報発表条件
|-
|南海トラフ地震臨時情報
|南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合。もしくは観測された異常な現象の調査結果を発表する場合<ref name=":0" />。
|-
|南海トラフ地震関連解説情報
|観測された異常な現象の調査結果を発表した後の状況の推移等を発表する場合。もしくは「[[南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会]]」の定例会合における調査結果を発表する場合(ただし南海トラフ地震臨時情報を発表する場合を除く)<ref name=":0" />。すでに必要な防災対応がとられている際は、調査を開始した旨や調査結果を南海トラフ地震関連解説情報で発表する場合がある<ref name=":0" />。
|}
 
沖縄国際映画祭では丸亀市の[[ゆるキャラ]]骨付じゅうじゅうもレッドカーペットを歩き、観客を賑わせた。
=== 臨時情報に付記するキーワード ===
南海トラフ地震臨時情報は、以下のいずれかのキーワードを付して「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」といった形で発表される<ref name=":0" />。
{| class="wikitable" style="margin-bottom: 1.5em; font-size: 95%;"
!キーワード
!付記条件
|-
|bgcolor="#ccffdd" style="font-weight:bold"|調査中
|下記のいずれかにより、臨時に「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を開催する場合。
* 監視領域内{{efn|name=監視領域|南海トラフ巨大地震の想定震源域およびその海溝軸外側50キロメートル程度までの範囲。}}において、[[気象庁マグニチュード]]6.8以上{{efn|モーメントマグニチュード7.0の地震をもれなく把握するため、マグニチュードの推定誤差を見込んで、速報段階での気象庁マグニチュード6.8以上の地震を調査対象とする。}}の地震{{efn|name=深発除外|太平洋プレートの沈み込みに伴って発生する震源が深い地震を除く。}}が発生
* ひずみ計で南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測([[南海トラフ地震に関連する情報#ひずみ計観測による調査開始の条件|後述]])
* その他、想定震源域内の[[プレート]]境界の固着状態の変化を示す可能性のある現象が観測されるといった、南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測
|-
|bgcolor="#ffccdd" style="font-weight:bold"|巨大地震警戒
|想定震源域内のプレート境界において、[[モーメントマグニチュード]]8.0以上の地震が発生したと評価した場合。
|-
|bgcolor="#ffffaa" style="font-weight:bold"|巨大地震注意
|下記のいずれかの場合。
* 監視領域内{{efn|name=監視領域}}において、モーメントマグニチュード7.0以上の地震{{efn|name=深発除外}}が発生したと評価(巨大地震警戒に該当する場合は除く)
* 想定震源域内のプレート境界面において、通常と異なる[[スロースリップ|ゆっくりすべり]]が発生したと評価
|-
|調査終了
|巨大地震警戒、巨大地震注意のいずれにも当てはまらない現象と評価した場合。
|}
 
凱旋上映会は2013年5月4日丸亀お城祭りにて、丸亀市民会館で盛大に行われた。その後六本木、横浜ブリリアシアターにて上映、2013年10月、第2回氷見絆国際映画祭にて最優秀短編作品賞を受賞。[[2014年]]2月22日には、[[さぬき映画祭]]2014での上映も決定している。
なお、南海トラフ臨時情報の発表に伴う防災対応の呼びかけについては実施期間の目安が定められているが([[南海トラフ地震に関連する情報#発表時の対応|後述]])、臨時情報そのものは発表のみであり、「解除」はない<ref>{{Cite news|title=1月の九州の地震であわや『南海トラフ地震臨時情報』 1週間の事前避難必要なケースあるも認知度低く|url=https://www.nagoyatv.com/news/?id=011821|newspaper=メ~テレ|date=2022-03-12|accessdate=2022-04-13|archivedate=2022-03-16|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220316235646/https://www.nagoyatv.com/news/?id=011821}}</ref>。
 
第5回沖縄国際映画祭出品作品。第二回氷見絆国際映画祭最優秀短編作品賞。さぬき映画祭2014招待作品。
== ひずみ計による観測 ==
[[ファイル:Strain.png|サムネイル|300x300ピクセル|体積ひずみ計と多成分ひずみ計]]
気象庁が南海トラフ地震の観測に用いるひずみ計は、地下の[[岩盤]]の伸び縮みを観測できる[[地殻変動]]の観測装置で、ボアホールと呼ばれる直径15センチメートル程度の縦穴を数百メートル掘削した底面部に、円筒形の検出部が埋設されている。プレート境界のゆっくりすべりなどに伴うごくわずかな岩盤の伸び縮みを捉えるため、ひずみ計は岩盤の伸び縮みを10億分の1の相対変化まで測定が可能な精度となっている<ref name="ひずみ計">{{Cite web|和書|title=ひずみ計とは|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/strainmeter.html|website=気象庁|accessdate=2022-01-31}}</ref>。
 
== あらすじ ==
ひずみ計には、岩盤の伸び縮みによる検出部の体積の変化を測定する[[体積ひずみ計]]と、検出部の異なる4つの方位の直径の変化を測定する多成分ひずみ計が用いられている。前者は変化の大きさを測定することができ、後者はそれに加えて方向ごとの変化量も測定することができる<ref name="ひずみ計" />。
 
== キャスト ==
ひずみ計によって観測された地殻変動の変動量の大きさは、3段階の異常レベルと比較して異常監視を行っている。レベル値は数字が大きいほど異常の程度が高いことを示し、平常時におけるデータのゆらぎの一定時間内での変化速度についての出現頻度に関する調査に基づき、観測点毎(体積ひずみ計)、成分毎(多成分ひずみ計)に設定されている<ref name=":0" />。
*土居乾吉:[[兵動大樹]](矢野・兵動)
{| class="wikitable" style="margin-bottom: 1.5em; font-size: 95%;"
*コンスタンティン・ブランシーク:[[谷澤恵里香]]
!異常レベル
*ロドリゲス・マクティアナン:大木はんすけ
!設定値
*田中幸三:[[武田幸三]]
|-
*かや:[[川上礼奈]](NMB48)
|レベル1
*南条:[[梶剛]]
|平常時のデータのゆらぎの中において、1年に1 - 2回現れる程度の値
*土居俊輔:[[西野亮廣]](キングコング)
|-
*子供ヒットマン:[[あきと]]
|レベル2
|レベル1の1.5 - 1.8倍の値
|-
|レベル3
|レベル1の2倍の値
|}
 
== スタッフ ==
=== ひずみ計観測による調査開始の条件 ===
*脚本:久馬歩、谷口仁則
「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」の発表条件のうち、ひずみ計で観測される南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる変化については、以下のようなものがある<ref name=":0" />。
*監督:谷口仁則
# 1か所以上のひずみ計での有意な変化
*音楽:[[TAKUYA]](OP・ED)、ミナカテルラ・ケンタロンギフィラ(劇伴)
#* レベル3に相当する変化が観測された場合
*撮影:蒲田実
# 他の複数の観測点でも有意な変化に関係すると思われる変化が観測
*照明:本村毅
#* 「有意な変化」と同時期に、周辺の複数の観測点でレベル1以上の変化が観測
*アシスタントプロデューサー:松永梨恵子
# 想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合
*制作プロデューサー:やたにゆき
#* 従来から観測されている短期的なゆっくりすべりとは異なる、プレート境界におけるゆっくりすべり
*プロデューサー:原知行、坂本直彦、覚野公一
*製作:「MG-2416」製作委員会
*配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
*後援:丸亀市
 
=== ひずみ計観測点主題歌 ===
*TAKUYA and the Cloud Collectorsの「Uncontrollable」。レコーディングプロデューサーに[[佐久間正英]]を迎えたため、エンドロールにもクレジットされている。
南海トラフ地震に関連する情報の発表にあたり、気象庁が調査を開始する対象となる現象を判断する際に用いているひずみ観測点は、2022年1月現在、[[東海地方|東海]]地域、[[近畿地方|近畿]]地域及び[[四国]]地域に設置されている以下の39点である<ref>{{Cite web|和書|title=気象庁|南海トラフ地震について {{!}} 南海トラフ地震に関連する情報の発表に用いるひずみ計観測点|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/kijyun_obs_points.html|website=www.data.jma.go.jp|accessdate=2021-02-14|publisher=気象庁(初版から現在版まで一部改変)}}</ref>。
{| class="wikitable" style="margin-bottom: 1.5em; font-size: 95%;"
! colspan="2" |所在地
!観測点名
!ひずみ計種別
!設置機関
|-
| rowspan="22" |[[静岡県]]
|[[浜松市]][[浜名区]]
|浜松[[三ヶ日]]
|体積
| rowspan="15" |[[気象庁]]
|-
| rowspan="2" |浜松市[[天竜区]]
|浜松横川
|体積
|-
|浜松[[佐久間町|佐久間]]
|多成分
|-
|浜松市浜名区
|浜松[[宮口 (浜松市)|宮口]]
|多成分
|-
| rowspan="2" |[[掛川市]]
|掛川富部
|多成分
|-
|掛川高天神
|多成分
|-
| rowspan="2" |[[御前崎市]]
|御前崎大山
|体積
|-
|御前崎[[佐倉村 (静岡県)|佐倉]]
|体積
|-
|[[牧之原市]]
|牧之原坂部
|体積
|-
|[[島田市]]
|島田[[川根町|川根]]
|体積
|-
| rowspan="2" |[[静岡市]][[葵区]]
|静岡漆山
|体積
|-
|静岡落合
|多成分
|-
|静岡市[[清水区]]
|静岡但沼
|体積
|-
| rowspan="2" |[[藤枝市]]
|藤枝花倉
|体積
|-
|藤枝蔵田
|多成分
|-
|浜松市天竜区
|浜松[[春野町 (静岡県)|春野]]
|多成分
| rowspan="2" |静岡県
|-
|[[川根本町]]
|川根本町東藤川
|多成分
|-
|[[南伊豆町]]
|南伊豆入間
|体積
| rowspan="10" |気象庁
|-
|[[熱海市]]
|熱海下多賀
|体積
|-
|[[富士市]]
|富士[[鵜無ケ淵]]
|体積
|-
|[[伊豆市]]
|伊豆小下田
|体積
|-
|[[東伊豆町]]
|東伊豆奈良本
|体積
|-
| rowspan="1" |[[長野県]]
|[[売木村]]
|売木岩倉
|多成分
|-
|! rowspan="7" |[[愛知県]]
| rowspan="2" |[[田原市]]
|田原[[福江町 (愛知県)|福江]]
|体積
|-
|田原[[高松町 (田原市)|高松]]
|多成分
|-
|[[新城市]]
|新城浅谷
|多成分
|-
|[[蒲郡市]]
|蒲郡清田
|体積
|-
|[[豊橋市]]
|豊橋多米
|多成分
| rowspan="12"|[[産業技術総合研究所]]
|-
|[[豊田市]]
|豊田神殿
|多成分
|-
|[[西尾市]]
|西尾善明
|多成分
|-
| rowspan="2" |[[三重県]]
|[[津市]]
|津[[安濃町|安濃]]
|多成分
|-
|[[熊野市]]
|熊野磯崎
|多成分
|-
| rowspan="2" |[[和歌山県]]
|[[田辺市]]
|田辺[[本宮町 (和歌山県)|本宮]]
|多成分
|-
|[[串本町]]
|串本津荷
|多成分
|-
| rowspan="3" |[[高知県]]
|[[室戸市]]
|[[室戸岬町|室戸岬]]
|多成分
|-
|[[須崎市]]
|須崎大谷
|多成分
|-
|[[土佐清水市]]
|土佐清水松尾
|多成分
|-
| rowspan="2" |[[愛媛県]]
|[[新居浜市]]
|新居浜黒島
|多成分
|-
|[[西予市]]
|西予[[宇和町|宇和]]
|多成分
|}
 
== 備考 ==
このほか、[[産業技術総合研究所]](産総研)が設置しているひずみ計のうち、[[大分県]][[佐伯市]]の観測点を今後気象庁の観測対象点に追加する予定である<ref>{{Cite news|title=南海トラフ巨大地震、九州にも観測網…「ひずみ計」大分県佐伯市に設置、空白域が縮小|url=https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240218-OYTNT50039/|newspaper=読売新聞オンライン|date=2024-02-18|accessdate=2024-02-19}}</ref>。
すべて香川県丸亀市で撮影されている。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、クリントピア丸亀、中津万象園、JR丸亀駅など。
 
== 発表時の対応 ==
以下は、2021年5月に[[内閣府]]が公表した「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン 第1版」による<ref>{{Cite web|和書|title=南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン【第1版】|url=https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/pdf/honbun_guideline2.pdf|format=PDF|publisher=内閣府(防災担当)|accessdate=2022-04-13}}</ref>。
 
内閣府が、南海トラフ沿いで観測されうる異常な現象のうち、防災対応を検討するべきものとして挙げているのは以下3つのケースについてである。
* 半割れ(大規模地震)/被害甚大ケース
* 一部割れ(前震可能性地震)/被害限定ケース
* ゆっくりすべり/被害なしケース
 
=== 半割れケース ===
半割れケースは、南海トラフの想定震源域内の領域で大規模地震が発生し、残りの領域で大規模地震発生の可能性が相対的に高まったと評価された場合を想定する。具体的には、
 
* 南海トラフ地震の想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生した場合
 
が該当する。
 
半割れケースの場合、地震発生から数十分程度で「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表され、数時間程度で「'''南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)'''」が発表されるとしている。なお、検討が2時間程度以上に及ぶ場合など、必要に応じて「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を適宜発表し、引き続き調査中である旨を伝える場合がある。
 
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、[[災害対策本部#緊急災害対策本部|緊急災害対策本部]]長から南海トラフ地震防災対策推進地域(以下、推進地域)内の[[都道府県知事|都府県知事]]及び[[市町村長]]への指示、[[内閣総理大臣]]から国民に対する周知等を実施する(巨大地震警戒対応)。{{Main2|南海トラフ地震防災対策推進地域の一覧|南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法#南海トラフ地震防災対策推進地域 (の指定)}}
その後も、気象庁から適宜「南海トラフ地震関連解説情報」が発表される。後発地震が発生しないまま1週間が経過した場合、国は、後発地震に対して警戒する措置を解除し、さらに1週間、後発地震に対して注意する措置をとる旨、呼びかける(巨大地震注意対応)。後発地震が発生しないままさらに1週間が経過した場合、国から、後発地震に対して注意する措置を解除し、通常の生活に戻る旨、呼びかける。
 
==== 住民の対応 ====
===== 地震への備え =====
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、日頃からの地震への備えを再確認することにより、後発地震が発生した場合に被害軽減や迅速な避難行動が図られるようにする必要がある。また、日常生活を行いつつ、一定期間、できるだけ安全な行動をとることが重要であるとしている。
 
以上の対応は、巨大地震警戒対応や巨大地震注意対応が必要な2週間程度としている。
 
===== 後続地震の津波に対する事前避難 =====
南海トラフ巨大地震において、陸上において[[津波]]により30cm以上の浸水が地震発生から30分以内に生じる地域等の[[市町村]]を「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」(以下、津波避難対策特別強化地域)としている。{{Main2|南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の一覧|南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法#南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域 (の指定)}}
半割れケースの場合、M8.0以上の地震の発生直後に、震源域から離れた地域を含めて南海トラフ沿いの全域の沿岸部に対して[[大津波警報]]または[[津波警報]]が発表され、津波浸水想定区域内の住民等は[[避難指示]]などが発令され避難行動を開始しているとされる。そのうえで、さらに後続の地震発生に備え、最初の地震に対する避難後に自宅等に戻らず、引き続き、避難を継続する必要がある場合がある。
 
後続地震による津波に対する避難について、揺れが収まってからの避難開始時間や移動速度などから、想定最大クラス(M9クラス)の地震に対しての避難可能範囲を各自治体が事前に算出することとしている。その際、避難者については、移動速度を考慮して「健常者」「要配慮者」別に検討することを基本としている。算出された津波浸水想定区域から避難可能範囲を除いた地域を含む単位全体、すなわち地震発生後に避難を開始した場合に津波からの避難が間に合わないとされる地域を「'''事前避難対象地域'''」とする。事前避難対象地域には、要配慮者のみ避難を要する「高齢者等事前避難対象地域」と、健常者も含む地域のすべての住民が避難を要する「住民事前避難対象地域」が含まれる。
 
最初の地震に伴う大津波警報または津波警報が[[津波注意報]]に切り替えられた後、仮に後続地震が発生した場合に要配慮者においても避難が可能な地域については避難指示を解除する。高齢者等事前避難対象地域に対しては、[[避難準備|高齢者等避難]]を発令し、要配慮者は避難を継続する。住民事前避難対象地域に対しては、避難指示を発令し'''全住民は避難を継続する'''、としている。
 
以上の事前避難の対応は、巨大地震警戒対応が必要な1週間程度としている。
 
==== 企業の対応 ====
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、同地震に関する[[事業継続計画]](BCP)を確認し、日頃からの地震への備えの再確認、後発地震に備えて警戒または注意した防災対応を取ること等を通じて、人的・物的被害の軽減を図ることとしている。
 
また同情報発表時は、被災地域以外では[[ライフライン]]は原則として継続され通常の社会活動が営まれるが、事前避難対象地域には後発地震に備えた1週間程度の避難指示が発令される。このため、対象地域に居住する従業員が避難所等で避難生活を送っていることや学校の臨時休業や一部の[[交通機関]]の停止等により、出勤可能な従業員が減少すること、対象地域や被災地域に位置する取引先の事業停止等により、必要な経営資源の調達が困難となることが想定される。そのうえで、必要な事業を継続するための措置を講じ、施設及び設備等の点検や従業員等の安全確保に努め、状況に応じて地震に備えて普段以上に警戒を行う事や、地域への貢献を行うこととしている。また企業内等での情報伝達や、防災対応の実施に必要な要員の確保も行うとしている。
 
=== 一部割れケース・ゆっくりすべりケース ===
一部割れケースは、南海トラフ沿いで大規模地震に比べて一回り小さい地震(M7クラス)が発生した場合を想定する。具体的には、
 
* 南海トラフ地震の想定震源域内のプレート境界においてM7.0以上、M8.0未満の地震が発生した場合
* 想定震源域のプレート境界以外や、想定震源域の海溝軸外側50km程度までの範囲で発生したM7.0以上の地震
 
が該当する。
 
ゆっくりすべりケースは、ひずみ計等で有意な変化として捉えられる、短い期間にプレート境界の固着状態が明らかに変化しているような通常とは異なるゆっくりすべりが観測された場合を想定する。そのような現象が観測された場合に、大規模地震発生の可能性が相対的に高まったと評価するとしている。
 
いずれのケースにおいても、地震発生時点またはひずみ計の変化が気象庁の調査開始基準に到達した時点から数十分程度で「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表され、数時間程度で「'''南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)'''」が発表されるとしている。
 
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合、国から、国民に対して注意する措置をとる旨の呼びかけ等を実施する。その後も、気象庁から適宜「南海トラフ地震関連解説情報」が発表される。後発地震が発生しないまま1週間(ゆっくりすべりケースの場合は、すべりの変化が収まってから変化していた期間と概ね同程度の期間)が経過した場合、国から、後発地震に対して注意する措置を解除し、通常の生活に戻る旨、呼びかける。
 
==== 住民・企業の対応 ====
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合、住民や企業は、個々の状況に応じて、日頃からの地震への備えを再確認する等を中心とした防災対応(巨大地震注意対応)を取るとしている。南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)の発表時とは異なり、住民の事前避難などは行わない。
 
== 発表状況 ==
2022年12月現在、南海トラフ地震に関連する情報のうち南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会の定例会合における調査結果を発表する「南海トラフ地震関連解説情報(定例)」および「南海トラフ地震関連解説情報」を除いた、「南海トラフ地震に関連する情報(臨時)」および「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたことはない<ref>{{Cite web|和書|title=南海トラフ地震に関連する情報|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nteq/index.html|website=気象庁|date=2022-01-11|accessdate=2022-12-16}}</ref>。
 
== 現状と課題 ==
{{節スタブ|date=2022-04-13}}
2022年1月から2月にかけて、[[日本放送協会|NHK]]が津波避難対策特別強化地域となっている139の自治体に対して行ったアンケートよると、すでに事前避難対象地域の指定が済んでいる、または検討の結果指定の必要が無いと判断した自治体は9割であり、残りの自治体についても大半が2022年度中に指定を終えるとした。避難対象となる住民は現時点で70自治体の46万3650人である。一方で、事前避難を呼びかけた場合に対象者全員を受け入れられる避難所を確保できると答えた自治体は54%にとどまっている<ref name="nhk_survey">{{Cite news|title=「南海トラフ地震臨時情報」に関する自治体アンケート|url=https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20220307_01.html|newspaper=NHK NEWS WEB|date=2022-03-07|accessdate=2022-04-13|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220309053553/https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20220307_01.html|archivedate=2022-03-09}}</ref>。
 
全域が推進地域に指定されている[[静岡県]]が2022年3月に公表した県民意識調査の中で、南海トラフ地震臨時情報を「知っている」と答えたのは3割未満であった<ref>{{Cite news|title=南海トラフ地震臨時情報「知っている」3割未満 静岡県民調査、コロナで防災活動低調|url=https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1038413.html|publisher=静岡新聞|date=2022-03-12|accessdate=2022-04-13}}</ref>。同年、同じく全域が推進地域に指定されている[[高知県]]の県民意識調査でも、「知っている」と回答したのは2割にとどまり、前回2018年の調査時よりも低下した<ref>{{Cite news|title=臨時情報、半数「知らない」 南海トラフ事前予測 高知県が意識調査|url=https://www.asahi.com/articles/ASQ4H6SRBQ4DPTLC01W.html|publisher=朝日新聞|date=2022-04-16|accessdate=2022-04-29}}</ref>。また前述のNHKのアンケートで、南海トラフ地震臨時情報の内容が住民に十分浸透したと答えた自治体は25%に満たず、8割の自治体が実際の発表・運用にあたって「情報が浸透していないことによる混乱」についての懸念や不安があると回答している<ref name="nhk_survey" />。
 
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 関連項目 ==
* [[南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法]]
* [[北海道・三陸沖後発地震注意情報]] - [[千島海溝]]・[[日本海溝]]沿いの[[巨大地震]]を想定した注意情報
 
== 外部リンク ==
*[https://www.youtube.com/watch?v=F2itFOVsWTo 【予告】映画「MG‐2416」 ] - Youtube吉本興業チャンネル
* [https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/info_criterion.html 南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件] - 気象庁
*{{Twitter|mg2416|【映画】『MG-2416』}}
 
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{{南海トラフ巨大地震}}
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[[category:2013年の映画]]
{{日本の防災情報}}
[[Category:日本のコメディ映画]]
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[[Category:災害情報香川県を舞台とした映画作品]]
[[Category:気象庁香川県で製作された映画作品]]
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[[Category:地震学]]
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