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'''桃太郎'''(ももたろう)
{{Otheruses|飲料の茶|色名|茶色|その他}}
* [[桃太郎]] - 日本のおとぎ話。およびその[[主人公]]。
{{Redirect|お茶|国際連合事務局の '''OCHA''' (United Nations '''O'''ffice for '''C'''oordination of '''H'''umanitarian '''A'''ffairs){{nbsp}}|国際連合人道問題調整事務所}}
* [[桃太郎 (童謡)]]
[[ファイル:Tea time お茶の時間.jpg|240px|thumb|[[日本]]で一般的な[[煎茶]]]]
* [[桃太郎 (落語)]]
[[ファイル:Tea ceremony Japan 01.jpg|240px|thumb|[[抹茶]]を点てる様子]]
* [[桃太郎 (トマト)]] - [[タキイ種苗]]が販売する[[トマト]]の品種の一つ。
[[ファイル:W cha4101.jpg|240px|thumb|秋に花咲く、日本の茶の木<br>([[愛媛県]][[広見町 (愛媛県)|広見町]])。]]
* [[桃太郎 (アダルトビデオ)]] - 日本のビデオ製作会社。
'''茶'''(ちゃ)または'''ティー'''({{lang-en|Tea}})は、[[チャノキ]]([[学名]]:{{snamei|species|Camellia sinensis}} {{AUY|[[カール・フォン・リンネ|(L.)]]}} {{AUY|[[オットー・クンツェ|O. Kuntze]]}}){{Efn|[[日本茶]]や[[中国茶]]、[[紅茶]]などは別の植物の葉であると誤解されることもあるが、[[分類学]]上は全て[[ツバキ目]][[ツバキ科]][[ツバキ属]][[チャノキ]]という同一の種からこれらを作っている。ただし[[チャノキ]]には中国種とアッサム種という[[変種]]に細分され、[[緑茶]]は前者、[[紅茶]]は後者を用いて作るのが一般的である。}}の[[葉]](茶葉)や[[茎]]([[茎茶]]・棒茶)から作られる[[飲み物]]である。
* [[桃太郎 (ミュージシャン)]] - [[横浜銀蝿]]の弟分[[紅麗威甦]]のメンバー。
 
* [[絶対可憐チルドレンの登場人物#構成員|桃太郎 (絶対可憐チルドレン)]] - [[漫画]]・[[テレビアニメ|アニメ]]『[[絶対可憐チルドレン]]』に登場する[[モモンガ]]。
また、これに加えて、チャノキ以外の[[植物]]の部位(葉、茎、[[果実]]、[[花冠|花びら]]、[[根]]等)や[[菌類|真菌類]]・[[動物]]に由来する加工物から作られる飲み物({{Small|「[[#茶ではない「茶」|茶ではない「茶」]]」の節、[[茶外茶]]を参照}})にも「茶」もしくは「○○茶」と称するものが数多くある。
* [[ハドソン]]の[[コンピュータゲーム]]シリーズ『桃太郎シリーズ』の主人公。<br />以下は桃太郎シリーズの一覧
 
** [[桃太郎伝説シリーズ]]
== 定義 ==
** [[桃太郎電鉄シリーズ]]
茶類を分類した{{en|[[国際標準化機構|ISO]] 20715:2023}}「{{en|Tea — Classification of tea types}}」では茶を以下のように定義している:
** [[桃太郎活劇]]
{{Quote|{{Anchors|ISOによる茶の定義}}{{en|products processed by characteristic techniques exclusively using fresh tea leaves and known to be suitable for consumption}}<ref>{{Cite web |url=https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:75419:en |title=3 Terms and definitions, 3.2 tea |access-date=2024/03/19 |work=ISO 20715:2023(en) Tea — Classification of tea types}}</ref><br>
** [[桃太郎電劇]]
(試訳)生葉のみを使用し、特徴的な技術によって加工され、消費に適していることが知られている製品。}}
** [[桃太郎電劇2]]
ここで生葉({{En|fresh tea leaf}})は以下のように定義される:
** [[桃太郎道中記]]
 
* 漫画・アニメ『[[魁!!男塾]]』の主人公、[[男塾 (架空の学校)#剣桃太郎(つるぎ ももたろう)|剣桃太郎]]のこと。
{{Quote|{{en|material plucked from the tender leaves, buds and shoots of the varieties of ''Camellia sinensis'' (L.) O. Kuntze by hand or by using machinery}}<ref>{{Cite web |url=https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:75419:en |title=3 Terms and definitions, 3.1 fresh tea leaf |access-date=2024/03/19 |work=ISO 20715:2023(en) Tea — Classification of tea types}}</ref><br>
* [[JR貨物EF210形電気機関車|ECO-POWER 桃太郎]] - [[日本貨物鉄道|JR貨物]]の[[電気機関車]]、[[JR貨物EF210形電気機関車|EF210形]]の愛称。[[岡山機関区]]に所属することにちなんで命名。
(試訳)[[チャノキ|''{{en|Camellia sinensis}}'' {{en|(L.) O. Kuntze}}]]の[[変種]]の柔らかい葉、芽、または[[シュート (植物)|苗条]]{{efn|{{En|buds and shoots}}の訳は文献<ref>{{Cite web |title=シュート |url=https://www.biol.tsukuba.ac.jp/~algae/BotanyWEB/shoot.html |website=BotanyWeb |access-date=2024-03-25 |publisher=[[筑波大学]]}}</ref>に従った。}}を手作業または機械で摘み取った原料}}
* [[もも太郎]] - [[新潟県]]を中心に[[セイヒョー]]と第一食品が販売している[[アイスキャンディー]]の商品名。
 
* [[松下桃太郎]] - [[カヌー]]選手。[[2012年ロンドンオリンピックの日本選手団|2012年ロンドンオリンピック日本代表]]
 
* [[斎藤桃太郎]] - [[明治]]期~[[大正]]期の[[宮内省]]官僚
== 栽培 ==
* [[柳田桃太郎]] - [[参議院議員]]・[[門司市|門司市市長]](第15代・第16代)
{{Main|チャノキ}}
* 松原桃太郎 - かつてのアイドルグループ・[[CHA-CHA]]のメンバー。
 
* [[剣翔桃太郎]] - 現役[[大相撲]][[力士]]。本名は安彦 剣太郎(あびこ けんたろう)。
=== チャノキ ===
* [[湘南乃海桃太郎]] - 現役[[大相撲]]力士。本名は谷松 将人(たにまつ しょうと)。
[[ファイル: Cameron Highland Tea Plantation 2012.JPG |thumb|right|220px|[[マレーシア]]・[[キャメロンハイランド]]にある茶の[[プランテーション]]。]]
* [[玄海桃太郎]] - 元[[大相撲]]力士。一時期は「桃太郎研二」を名乗っていた。本名は田中 研二(たなか けんじ)。
[[チャノキ]](茶樹、[[学名]]:{{snamei|species|Camellia sinensis}} {{AUY|[[カール・フォン・リンネ|(L.)]]}} {{AUY|[[オットー・クンツェ|O. Kuntze]]}})は、主に[[熱帯]]及び[[亜熱帯]]気候で生育する[[常緑樹]]である<ref name="hort.purdue">{{cite web | url=https://hort.purdue.edu/newcrop/duke_energy/Camellia_sinensis.html | title=Camellia Sinensis | publisher=Purdue University Center for New Crops and Plants Products |language=en | accessdate=2010-10-26}}</ref>。品種によっては[[海洋性気候]]でも生育可能であり、最北で[[イギリス]]の[[ペンブルックシャー]] <ref>{{cite web |first=Robin |last=Turner |title=Duo plant tea in Wales |url=https://www.walesonline.co.uk/news/wales-news/duo-plant-tea-in-wales-2073996 |publisher=Wales Online |language=en |date=2009-10-03 |accessdate=2011-04-26}}</ref>や[[アメリカ合衆国]][[ワシントン州]]<ref>{{cite web |title=Tea |url=http://69.93.14.225/wscpr/LibraryDocs/Tea2010.pdf |format=PDF |work=The Compendium of Washington Agriculture |publisher=Washington State Commission on Pesticide Registration |year=2010 |language=en |accessdate=2011-04-26 |deadlinkdate=2022-03-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110810214338/http://69.93.14.225/wscpr/LibraryDocs/Tea2010.pdf |archivedate=2011-08-10}}</ref>で栽培されている。
* [[昔々亭桃太郎]] - [[昭和]]前期の[[落語家]]。本人は「二十四代目」を称する。本名は山下 喜久雄(やました きくお)。
 
* [[昔昔亭桃太郎]] - [[昭和]]後期以降の現役[[落語家]]。本人は「三代目」を称し、1987年まで「昔々亭桃太郎」を称していた。本名は柳澤 尚心(やなぎさわ たかみ)。
茶樹は[[種子]]から、あるいは[[挿し木]]によって繁殖する{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=2-3, 11}}。茶樹が種子を付けるまで4年から12年ほどかかり、新しい木が収穫(摘採)に適するまでには3年ほどかかる<ref name="hort.purdue" />。年平均気温が12.5 - 13[[セルシウス度|℃]]以上(適温は14 - 16℃)、年間[[降水量]]が1300 - 1400mm以上、土壌は[[水素イオン指数|pH]]4 - 5程度の[[酸性]]であることが望ましいとされている<ref>{{Cite web|和書|url=http://ocha.tv/how_tea_is_made/cultivation/ |title=お茶の栽培 |publisher=[[伊藤園]] |accessdate=2013-01-25}}</ref>。茶の品質は一般に[[窒素]]を多くするほど向上する(ある程度以上では効果は薄い)。そのため多[[肥料|施肥]]化が進み、日本などでは[[硝酸態窒素]]による[[地下水汚染]]が問題になっている<ref>{{Cite journal|和書|author=中曽根英雄 |author2=山下泉 |author3=黒田久雄 |author4=加藤亮 |title=茶園地帯の過剰窒素施肥が[[ため池]]の水質に及ぼす影響 |date=2000-06-10 |publisher=日本水環境学会 |journal=水環境学会誌 |volume=23 |number=6 |naid=10007661145 |doi=10.2965/jswe.23.374 |pages=374-377 |ref=harv}}</ref>。
* 中瀬桃太郎 - YouTuber[[桃太郎オフィス]]の本名。
 
[[ファイル:Tea plantation picking.JPG|thumb|left|220px|[[タンザニア]]の手摘みの様子。]]
 
=== 栽培されている変種 ===
世界で主に栽培されているチャノキは基準[[変種]]であるチャノキ(学名:{{snamei|species|Camellia sinensis}} {{AUY|[[カール・フォン・リンネ|(L.)]]}} {{AUY|[[オットー・クンツェ|O. Kuntze]]}} {{en|var.}} {{snamei|species|Camellia sinensis|sinensis}})とアッサムチャ(学名:{{snamei||Camellia sinensis}} {{AUY|[[カール・フォン・リンネ|(L.)]]}} {{AUY|[[オットー・クンツェ|O. Kuntze]]}} {{en|var.}} {{snamei|species|Camellia sinensis var. assamica|assamica}})であり<ref>{{Cite web |title=薬草園歳時記(16)チャノキ(茶の木)と茶 2022年4月 {{!}} 大学案内 |url=https://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/guide/outline/oike02/april-2022/ |website=静岡県公立大学法人 静岡県立大学 |access-date=2024-03-21 |language=ja}}</ref>、[[茶業]]では前者を'''中国種'''、後者を'''アッサム種'''という<ref>{{Cite web |title=植物としてのチャ |url=https://www.alit.city.iruma.saitama.jp/070/050/20200101153000.html |website=入間市博物館 アリット |access-date=2024-03-21}}</ref>。
 
==== 中国種 ====
比較的[[カテキン]]含有量が少なく、[[酵素]]の活性も弱く[[酸化]][[発酵]]しにくいことから、一般に[[緑茶]]向きとされている。
 
中国種は幹が枝分かれした低木で、寒い冬にもよく耐え、100年程度栽培可能である<ref name="Britannica">{{Cite web |url=https://www.britannica.com/plant/tea-plant |title=Tea production |publisher=Encyclopedia Britannica |accessdate=2013-01-26}}</ref>。葉は比較的小さく、成長時の長さは5センチメートル程度である<ref name="TeaHorse">{{Cite web |url=http://www.teahorse.co.uk/info/what-tea/ |title=What Is Tea? |publisher=Tea Horse |language=en |accessdate=2013-01-26 |deadlinkdate=2022-03-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130525113716/http://teahorse.co.uk/info/what-tea/ |archivedate=2013-05-25}}</ref>。[[中国]]、日本などの緑茶生産国のほか、[[イラン]]、[[グルジア]]、[[トルコ]]など冬の寒さが厳しい場所で栽培されている<ref name="Shizuoka-tea">{{Cite web|和書|url= http://shizuoka-tea.jp/modules/con/index.php?content_id=17 |title=茶樹の原産地 |publisher=静岡紅茶株式会社 |accessdate=2013-01-26 }}</ref>。また、[[インド]]の[[ダージリン]]や[[スリランカ]]でも栽培されている<ref name="Britannica" />。
 
==== アッサム種 ====
アッサム種はカテキン含有量が多く、[[酵素]]の活性が強く発酵しやすいことから、[[紅茶]]向きとされている。また[[黒茶]]のうち、[[プーアル茶|プーアル熟茶]]もアッサム種を使うことが前述の{{en|[[国際標準化機構|ISO]] 20715:2023}}「{{en|Tea — Classification of tea types}}」に規定されている<ref>{{Cite web |title=第166回:ISOの国際規格『茶類の分類』の内容を考察-六大分類が世界基準に |url=https://www.teamedia.co.jp/blog_166/ |website=合同会社ティーメディアコーポレーション |date=2023-05-01 |access-date=2024-03-21 |language=ja}}</ref>。
 
アッサム種は単幹の[[高木]]で、放置すれば6メートルから18メートルの高さにも達する。葉が大きく、15-35センチメートルまで成長する<ref name="TeaHorse" />。栽培に適した高さに刈り込みながら摘採した場合、経済的に利用可能なのは40年程度である{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=椿 (カメリア) の謎}}。アッサム種の中に5つの亜変種があるとの説もある<ref name="Britannica" />。生育の良さと葉の大きさのため収量があり、インドの[[アッサム州|アッサム地方]]、[[スリランカ]]低地、[[インドネシア]]、[[ケニア]]などで栽培されている<ref name="Shizuoka-tea" />。
 
[[ファイル: TeaLeaves.JPG |thumb|right|220px|摘採直後の茶葉。同じ木から摘んだものでも、葉の小さいものの方が重量当たりの価値が高い(インド・ダージリン)。]]
 
=== 栽培 ===
新芽が成長してくると'''摘採'''を行う。摘採時期が遅れると収量は増えるものの、次第に粗繊維が増加して葉が硬化し、主成分である[[カフェイン]]、[[カテキン]]、[[アミノ酸]]([[テアニン]])も急激に減少するため、品質が低下する。そのため、品質を保ちながら収量を確保するため、摘採時期の見極めが必要である<ref>{{Cite web|和書|url= http://ocha.tv/how_tea_is_made/tea_picking/ |title=お茶の摘採 |publisher=伊藤園 |accessdate=2013-01-26 }}</ref>。
 
成熟した茶樹のうち、摘採するのは上部数センチメートルの葉と葉芽だけである<ref>{{cite book |author=Elizabeth S. Hayes |title=Spices and Herbs: Lore and Cookery |publisher=Courier Dover Publications |year=1980 |isbn=0-486-24026-6|accessdate=2008-09-20 |page=74}}</ref>。成長期には摘採後7日から15日で新しい葉が生え、葉がゆっくり成長するほど風味豊かな茶となるとされる<ref name="hort.purdue"/>。
 
== 分類・製造 ==
{{Main|製茶}}
[[中国茶]]では、緑茶、[[白茶]]、[[黄茶]]、[[青茶|烏龍茶]]、紅茶、[[黒茶]]の大きく6種類の区別が用いられている<ref name="Chinesetea">{{Cite web|和書 |url=http://ocha.tv/varieties/chinesetea_varieties/ |title=中国茶の種類 |publisher=伊藤園 |accessdate=2013-01-26}}</ref>{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=あなたのお茶は何色?}}。茶の分類の国際規格[[国際標準化機構|ISO]] 20715:2023「Tea — Classification of tea types」においても同じ6分類が用いられているので<ref>{{Cite web |url=https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:75419:en |title=3 Terms and definitions |access-date=2024/03/19 |work=ISO 20715:2023(en) Tea — Classification of tea types}}</ref>、これは国際的にも有効な分類である。
 
なおこの分類は「[[チャノキ]]の」「生葉」「のみ」を使った茶の分類なので<ref name=":2">{{Cite web |url=https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:75419:en |title=3 Terms and definitions, 3.1 fresh tea leaf, 3.2 tea |access-date=2024/03/19 |work=ISO 20715:2023(en) Tea — Classification of tea types}}</ref>、この条件を満たさない茶(例えば[[麦茶]])は分類に含まれない。これらの「茶」については「[[茶#茶外茶|茶ではない「茶」]]」の節を参照されたい。
 
これら6種類のうち黒茶以外の違いは一般的には発酵度合いによって説明され、発酵度合いの低い順に緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶とされ<ref name=":15" />、それぞれ不発酵茶、微発酵茶、弱後発酵茶、半発酵茶、発酵茶と呼ばれる<ref name=":15" /><ref name=":16" />。ただし[[茶業]]における「発酵」は[[酵素]]による酸化を指し、[[生化学]]的な意味での「[[発酵]]」ではない<ref name=":17">{{Cite web |title=緑茶と紅茶、ウーロン茶の違いを教えて下さい。 |url=https://shizuoka-cha.com/index.php/faq/faq01/01/ |website=公益社団法人 静岡県茶業会議所 |access-date=2024-03-21}}</ref>。黒茶に関しては生化学的な意味での発酵(すなわち微生物による嫌気的な代謝)が行われ<ref name=":17" />、後発酵茶と呼ばれる<ref name=":15">{{Cite web |title=中国茶の種類|お茶の種類|お茶百科 |url=http://www.ocha.tv/varieties/chinesetea_varieties/ |website=お茶百科 |access-date=2024-03-21 |language=ja}}</ref><ref name=":16">{{Cite web |title=中国茶の種類 |url=https://www.qingxianghualou.com/pages/chinese-tea-types/ |website=中国茶の清香花楼チンシャンファーロウ |date=2022-09-05 |access-date=2024-03-21 |language=ja}}</ref>。
 
一方、前述の{{En|ISO 20715:2023}}では茶の製法の観点からこれら6種類を定義しているが、これについては[[茶#ISOによる6大分類の定義|後述]]する。
 
<gallery caption="六大分類の茶葉">
ファイル:Green tea Sencha.jpg|[[緑茶]]([[煎茶]])
ファイル:Kunzanginshin(1).jpg|[[黄茶]]
ファイル:Pu-erh cha type sancha.jpg|[[黒茶]]([[プーアル茶]])
ファイル:BZC Oolong tea leaf.jpg|[[烏龍茶]]
ファイル:Hakumou ginsin.jpg|[[白茶]]
ファイル:Must tee suurelt.jpg|[[紅茶]]
</gallery><gallery caption="六大茶分類の水色">
ファイル:2017 Kagoshima sencha - second infusion.jpg|[[緑茶]](鹿児島[[煎茶]])
ファイル:Yellow tea.jpg|[[黄茶]]
ファイル:Pu-erh tea.jpg|[[黒茶]]([[プーアル茶]])
ファイル:China tea.jpg|[[烏龍茶]]([[黄金桂]])
ファイル:Байхао Иньчжэнь в заварнике.jpg|[[白茶]]([[白毫銀針]])
ファイル:Black-tea.jpg|[[紅茶]]
</gallery>
 
=== 製法 ===
6大茶分類は典型的には以下のように製造する:
{| class="wikitable"
|+[[中国茶]]の製造工程<ref name=":0">{{Cite web |title=中国茶の分類と製造方法 日本中国茶協会公式サイト |url=https://chinatea.org/chinesetea/classification/ |website=chinatea.org |access-date=2024-03-20}}</ref><ref name=":1">{{Cite web |title=お茶の製造工程|お茶ができるまで|お茶百科 |url=http://www.ocha.tv/how_tea_is_made/process/ |website=お茶百科 |access-date=2024-03-20 |language=ja}}</ref>
! rowspan="2" |[[緑茶]]
! rowspan="2" |[[黄茶]]
! colspan="2" |[[黒茶]]
! rowspan="2" |[[烏龍茶]]
! rowspan="2" |[[紅茶]]
! rowspan="2" |[[白茶]]
|-
!緊圧茶
!散茶
|-
| colspan="7" |[[茶#摘採|摘採]]
|-
|↓
|↓
|↓
|↓
| colspan="3" |[[茶#萎凋|萎凋]]
|-
|↓
|↓
|↓
|↓
|[[茶#做青|做青]]
|↓
|↓
|-
| colspan="5" |[[茶#殺青|殺青]]
|↓
|↓
|-
| colspan="5" |[[茶#揉捻|揉捻]]
|[[茶#揉切|揉切]]
|↓
|-
|↓
|[[茶#悶黄|悶黄]]
| colspan="2" |[[茶#渥堆|渥堆]]
|↓
|[[茶#曝気|曝気]]
|↓
|-
|↓
|↓
|[[茶#蒸圧|蒸圧]]
|↓
|↓
|↓
|↓
|-
| colspan="7" |[[茶#乾燥|乾燥]]
|}
上記に上げたのはあくまで典型的工程であり、例えば緑茶の一種である[[抹茶]]は揉捻を行わないなど例外もある(なお、{{En|ISO 20715:2023}}の緑茶の定義では「通常は揉捻」とあるので揉捻は必須ではない)。
 
 
各工程の詳細は以下の通りである:
{| class="wikitable"
|+
!工程
!{{En|ISO 20715:2023}}における名称
!概要
!目的
|-
|摘採{{Anchors|摘採}}
|{{En|plucking}}
|葉を摘む事
|-
|-
|萎凋{{Anchors|萎凋}}
|{{En|withering}}<ref name=":10">{{Cite web |title=第166回:ISOの国際規格『茶類の分類』の内容を考察-六大分類が世界基準に |url=https://www.teamedia.co.jp/blog_166/ |website=合同会社ティーメディアコーポレーション |date=2023-05-01 |access-date=2024-03-21 |language=ja}}</ref>
|茶葉を放置して水分を軽く飛ばし、萎れさせる<ref name=":0" /><ref name=":1" />。
|「酸化酵素の活性により、カテキンが酸化され赤色系に変色を始め」、「加水分解酵素の活性により、芳香物質が生成される」<ref name=":0" />。
|-
|做青{{Anchors|做青}}<ref name=":0" />(揺青<ref name=":1" />)
|{{En|tumbling}}<ref name=":10" />
|茶葉の攪拌と静置を繰り返す<ref name=":0" />。
|攪拌:茶葉表面の傷や水分蒸発などで活性化した酵素によるカテキンの赤色化、芳香物質の生成などが進む<ref name=":0" />。
静置:「水分を蒸発させながら茶葉全体の水分量を平均化」<ref name=":0" />
|-
|殺青{{Anchors|殺青}}
|{{En|enzyme inactivation}}<ref name=":10" />
({{En|fixing}}<ref name=":10" />とも)
|茶葉の加熱<ref name=":0" />
|酵素類の失活<ref name=":0" />
|-
|揉捻{{Anchors|揉捻}}
| rowspan="2" |{{En|rolling}}<ref name=":10" />
|茶葉を揉む。
|茶葉の形を整え、茶葉の細胞を壊し成分を抽出しやすくなり<ref name=":0" />、水分を均一化<ref name=":1" />。
|-
|揉切{{Anchors|揉切}}{{efn|
文献<ref>{{Cite web |title=中国茶の分類と製造方法 日本中国茶協会公式サイト |url=https://chinatea.org/chinesetea/classification/ |website=chinatea.org |access-date=2024-03-20}}</ref>では紅茶のときのみ「揉捻」ではなく「揉切」と呼称しているので、ここではそれに合わせたが、{{en|ISO 20715:2023}}の紅茶の定義では揉切も揉捻と同じく{{en|rolling}}という用語を用いている。}}
|茶葉に強い圧力をかけながら揉む<ref name=":0" />。
|茶汁が沁み出して茶葉の表面に付着し<ref name=":0" />、酸化酵素によるカテキンの赤色化が進む<ref name=":0" />
|-
|悶黄{{Anchors|悶黄}}
|{{En|yellowing}}<ref name=":10" />
|少量づつ紙に包み<ref name=":0" />、焙煎・密閉放置を繰り返す<ref name=":0" />。
|黄茶の特有の色、香り、味わいを出す<ref name=":0" />。
|-
|渥堆{{Anchors|渥堆}}(後発酵{{Efn|[[生化学]]では[[発酵]]は「生物が有機物を嫌気的に代謝する事」を意味するが、
[[茶業]]では茶の酵素による酸化の事を「発酵」と呼び、生化学的な意味での発酵を「後発酵」と言う。}}とも)
|{{En|pilling fermentation}}<ref name=":10" />
({{En|post-fermentation}}<ref name=":10" />とも)
|大量に堆積して「一定の水分と温度を保ちながら一定時間放置」<ref name=":0" />
|混入した微生物による発酵{{Efn|茶の製法では酵素による酸化を「発酵」と言うが、ここでは本来の生化学的な意味での[[発酵]]。}}により、化学変化<ref name=":0" />。酸化酵素や微生物の働きによらず高温多湿の環境で[[ポリフェノール]]やクロロフィル(葉緑素)が酸化し、葉は黄色くなる<ref> {{Cite journal|last=ZHOU|first=Ji-rong|last2=CHEN|first2=Yu-qiong|last3=SUN|first3=Ya|last4=NI|first4=De-jiang|year=2005|title=Studies on the Piling Technological Effects on Luyuan Yellow Tea|journal=Food Science|page={{要ページ番号|date=2022-03-26}}}}</ref>。
|-
|曝気<ref name=":10" />{{Anchors|曝気}}(酸化<ref name=":10" />、発酵<ref name=":0" /><ref name=":10" />{{Efn|[[茶業]]における「発酵」は[[酵素]]による酸化を指し、[[生化学]]的な意味での「[[発酵]]」ではない<ref>{{Cite web |title=緑茶と紅茶、ウーロン茶の違いを教えて下さい。 |url=https://shizuoka-cha.com/index.php/faq/faq01/01/ |website=公益社団法人 静岡県茶業会議所 |access-date=2024-03-21}}</ref>。|name=茶業の発酵}}、転紅<ref name=":1" />、転色<ref>{{Cite web |title=中国茶のこと {{!}} 甘香茶屋 |url=https://moca-chaya.com/chinesetea.html |website=moca-chaya.com |access-date=2024-03-21}}</ref>とも)
|{{En|aeration}}<ref name=":10" /> ({{En|oxidation}}<ref name=":10" />, {{En|fermentation}}<ref name=":10" />とも)
|「茶葉を室温25度から30度、湿度を90%前後」で静置<ref name=":0" />
|酵素により茶葉を酸化<ref name=":0" /><ref name=":1" />。
|-
|蒸圧{{Anchors|蒸圧}}
|-
|蒸気を当てた後、圧縮<ref name=":0" />
|固形にする<ref name=":0" />。
|-
|乾燥{{Anchors|乾燥}}
|{{En|drying}}<ref name=":10" />
|茶類にもよるが水分量を5~7%程度まで乾燥<ref name=":0" />。
|-
|}
 
=== {{En|ISO 20715:2023}}における定義{{Anchors|ISOによる6大分類の定義}} ===
{{En|ISO 20715:2023}}は6大茶分類を製法の観点から以下のように特徴づけている<ref>{{Cite web |url=https://www.iso.org/obp/ui/en/#iso:std:iso:20715:ed-1:v1:en |title=3 Terms and definitions |work=ISO 20715:2023(en)
Tea — Classification of tea types |access-date=2024/03/19}}</ref>:
{| class="wikitable"
|+
!
! colspan="2" |用いる部位
! colspan="2" |製造工程
|-
!
!原文
!試訳
!原文
!試訳
|-
!緑茶
|the tender leaves, buds and shoots
|柔らかい葉、芽、もしくは[[シュート (植物)|苗条]]
|enzyme inactivation and commonly rolling, shaping or comminution, followed by drying
|酵素の不活性化そして通常は揉捻、成形もしくは粉砕、その後乾燥
|-
!黄茶
|the bud or bud and the tender shoots
|芽もしくは芽と柔らかい[[シュート (植物)|苗条]]
|enzyme inactivation, rolling/shaping, yellowing and drying
|酵素の不活性化、揉捻/成形、悶黄、および乾燥
|-
!黒茶
|the tender shoots or mature new shoots
|柔らかい[[シュート (植物)|苗条]]もしくは成熟した新しい苗条
|enzyme inactivation, rolling, piling fermentation and drying
|酵素の不活性化、揉捻、渥堆、および乾燥
|-
!烏龍茶
|the moderately matured new shoots
|中程度に成熟した新しい[[シュート|苗条]]
|withering, tumbling and aeration (partial aeration/oxidization), enzyme inactivation, rolling/shaping and drying
|萎凋、做青と曝気(部分的な曝気/酸化)、酵素の不活性化、揉捻/成形および乾燥
|-
!紅茶
|the tender shoots
|柔らかい[[シュート (植物)|苗条]]
|withering, rolling or leaf maceration, aeration and drying
|萎凋、揉捻すなわち葉の浸解、曝気、および乾燥
|-
!白茶
|the bud or bud and tender shoots (one to three leaves)
|芽もしくは芽と柔らかい[[シュート (植物)|苗条]](1つから3つの葉)
|harvesting and a single withering/drying stage
|収穫し一度の萎凋/乾燥をする段階{{Efn|白茶のみ原文に「{{en|stage}}」とあるので試訳にも「段階」と書いた。}}
|}
 
 
=== 緑茶 ===
{{Main|緑茶}}
 
緑茶は[[うま味]]の元である[[アミノ酸]]が多い<ref>[[#大森]] 第四章3節の「緑茶は「味」が勝負」より。本書では煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶のアミノ酸/カテキン/カフェインの含有量を紅茶と比較しているので、本項の以下の記述における「緑茶」はこれに準ずる。</ref>のが特徴で、俗に「味を楽しむお茶」と言われ<ref name=":11">[[#大森]] 第4章2節の「緑茶らしい香りの成分」より</ref>、紅茶や烏龍茶のような「香りを楽しむ茶」と対比される<ref name=":11" />。
 
==== 特徴 ====
;水色
:緑色。これは緑茶は紅茶と違って茶葉を揉捻しない事から<ref name=":6">[[#大森]] 第一章1節の「作り方で色も風味も変わる」と2節の「お茶における「発酵」とは」より</ref>カテキンの酸化が抑えられ<ref name=":6" />、紅茶と違って色が変わらない事による<ref name=":6" />。(ただし[[ほうじ茶]]は茶葉を焙じているので水色は[[茶色]])。
;味
:(日本の)緑茶は[[紅茶]]よりも[[うま味]]を重視した茶であり、紅茶よりも[[うま味]]の元である[[アミノ酸]]が多く<ref name=":7">[[#大森]] 第四章3節の「緑茶は「味」が勝負」より。本書では煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶のアミノ酸/カテキン/カフェインの含有量を紅茶と比較しているので、本項の以下の記述における「緑茶」はこれに準ずる。</ref>、煎茶では上級煎茶ほどアミノ酸含有量が多い<ref name=":7" />。また[[抹茶]]や[[玉露]]のような高級な茶種では栽培中に日光をさえぎる事によってもアミノ酸の分解を妨げているので<ref name=":8">[[#大森]] 第一章2節の『緑茶「非発酵茶」』の「(1)玉露」と「(5)抹茶」より</ref><ref name=":9">{{Cite web |url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/46/2/46_121/_pdf |title=抹茶の特徴 |access-date=2024/03/20 |author=原口健司(京都府農林水産技術センター 農林センター 茶業研究所) |work=におい・かおり環境学会誌 46巻 2 号 ― 特 集 ― お茶の香り |ref=原口 |page=123}}</ref>、いずれも煎茶の2倍程度アミノ酸が多い<ref name=":8" /><ref>[[#大森]] 第一章の『緑茶「非発酵茶」』の節の「(5)抹茶」より</ref>。
;香り
:「緑の香り」<ref name="大森42-緑茶の香り">[[#大森]] 第4章2節の「緑茶らしい香りの成分」より</ref>、「苔のような香り」<ref name="大森42-緑茶の香り" />等と言われ、化学的には[[シス-3-ヘキセナール|青葉アルデヒド]]<ref name="大森42-緑茶の香り" />や[[青葉アルコール]]<ref name="大森42-緑茶の香り" />などの[[:en:Smell_of_freshly_cut_grass|草の匂い]]の元となる物質<ref>{{cite journal|last1=Cotton|first1=Simon|year=2017|title=Molecule of the Month: Hexenal|url=http://www.chm.bris.ac.uk/motm/hexenal/hexenalh.htm|publisher=Chm.bris.ac.uk|accessdate=2018-07-26|doi=10.6084/m9.figshare.5245834}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.rsc.org/chemistryworld/2013/11/hexenal-grass-smell |title=Chemistry World (Internet Archive) |access-date=2024/03/24}}</ref>の匂い。揮発性の為、加熱により香りが飛んでしまう<ref name="大森42-緑茶の香り" />。
 
==== 茶種 ====
緑茶には殺青を釜炒りで行うものと、蒸す事で行うもの(蒸青<ref name=":4">{{Cite web |title=蒸青緑茶 |url=https://cttea.info/wordbank/zhengqing_lucha |website=中国茶情報局 |date=2018-02-22 |access-date=2024-03-20 |language=ja}}</ref>)があり<ref name=":0" />、前者は中国、後者は日本に多い<ref name=":5">[[#大森]] 第3章1節の「緑茶の作り方」より</ref>。釜炒りの中国茶は炒青緑茶(揉捻をしながら炒って乾燥)、烘青緑茶(軽く「揉捻」した茶葉を焙る状態で乾燥)、晒青緑茶(日光を利用して乾燥)に細分される<ref name=":0" />。
{| class="wikitable"
|+殺青方法による緑茶の分類<ref name=":0" />(英語名は{{En|ISO 20715:2023}}より<ref name=":10" />)
| colspan="3" |釜炒りで殺青
中国に多い<ref name=":5" />
| rowspan="2" |蒸青緑茶<ref name=":4" />
{{En|steamed green tea}}<ref name=":10" />
 
蒸して殺青
 
日本に多い<ref name=":5" />
|-
|炒青緑茶
{{En|pan-fried green tea}}<ref name=":10" />
 
揉捻をしながら炒って乾燥<ref name=":0" />
|烘青緑茶
{{En|roasted green tea}}<ref name=":10" />
 
軽く「揉捻」した茶葉を焙る状態で乾燥<ref name=":0" />
|晒青緑茶
{{En|sun-dried green tea}}<ref name=":10" />
 
日光で乾燥<ref name=":0" />
|}
 
 
公益社団法人[[日本茶業中央会]]は(日本の)緑茶の茶種を以下の17種類に分類している:[[煎茶]]、深蒸し煎茶、[[玉露]]、[[かぶせ茶]]、[[玉緑茶#蒸し製玉緑茶|蒸し製玉緑茶(グリ茶)]]、[[釜炒り茶|釜炒り製玉緑茶(釜炒り茶)]]、[[番茶|番茶または川柳]]、[[抹茶]]、[[粉茶]]、[[芽茶]]、[[茎茶|茎茶または棒茶]]、[[粉末茶]]、[[ほうじ茶]]、[[玄米茶]]、混合茶、[[緊圧茶|固形茶]]、[[インスタント茶|インスタントティー]]<ref>{{Cite web |url=https://www.nihon-cha.or.jp/pdf/hyoujikijyun.pdf |title=緑茶の表示基準 |access-date=2024/03/19 |publisher=公益社団法人日本茶業中央会 |page=21}}</ref>。[[消費者庁]]の食品表示企画課による食品表示基準Q&Aにおいても、同一の分類が採用されている<ref>{{Cite web |url=https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms101_210317_12.pdf |title=食品表示基準Q&A |access-date=2024/03/20 |date=平成27年3月(最終改正 令和3年3月17日消食表第115号) |author=消費者庁 食品表示企画課 |page=24}}</ref>。
 
=== 紅茶 ===
{{main|紅茶}}
 
==== 特徴 ====
;水色
:赤色<ref name=":12">[[#大森]] 第4章1節の「紅茶の赤い色を決めるもの」</ref>。化学的には生の茶葉を揉捻する事でカテキンを[[酵素]]の{{仮リンク|ポリフェノールオキシダーゼ|en|Polyphenol oxidase}}<ref name=":12" />で酸化してできた[[テアフラビン]]<ref name=":12" />(明るいオレンジ<ref name=":12" />)、[[テアルビジン]]<ref name=":12" />(濃い赤色<ref name=":12" />)、およびカテキンの酸化重合物<ref name=":12" />(赤褐色<ref name=":12" />)の色。最後のものが少ない方が水色がよく、上級紅茶となる<ref name=":12" />。
;味
:渋みがある<ref name=":13">[[#大森]] 第4章3節の「「本当の紅茶の味」を知ってますか?」より</ref>。「緑茶のようなうま味はなく、カテキン由来の爽やかなパンチがあるもの、ワインのように重厚な味わいがあるもの」<ref name=":13" />が良いとされる。[[ポリフェノール]]が緑茶の1.5~2倍程度あり紅茶の味の特徴を形成<ref name=":13" />。
:ーラル系の甘さを併せ持つ香り<ref name=":14">[[#大森]] 第4章2節の「300でもまだ足りない紅茶の香り」</ref>)を含むが、すでに判明しているだけでも300種の香気成分が関わっている<ref name=":14" />。
 
==== 茶種 ====
{{節stub|date=2024年3月20日 (水) 06:14 (UTC)}}
 
=== 烏龍茶 ===
{{Main|烏龍茶}}
 
==== 特徴 ====
;水色
:発酵度合いによって淡い黄色から褐色<ref name=":18">[[#大森]] 第4章1節の「多様なウーロン茶の色」</ref>。化学的には[[没食子酸エピガロカテキン|エピガロカテキンガレート]]2つが結合したビスフラバノールA<ref name=":18" />、エピガロカテキンガレートと[[ガロカテコール|エピガロカテキン]]が結合したビスフラバノールB<ref name=":18" />などが烏龍茶特有の色を出す。
;味
:味を決める化学物質は不明な点が多いものの<ref name=":13" />、日本の緑茶と違い殺青が釜炒りな事が原因となり<ref name=":13" />、茶の味を決めるアミノ酸、カテキン、カフェインがいずれも少なく<ref name=":13" />、味よりも香りが嗜好性を決めるものと思われる<ref name=":13" />。
;香り
:花の香りが強いものが質の高い烏龍茶とみなされる<ref name=":14" />。化学的には日干しの萎凋により酵素が働き[[リナロール]]<ref name=":14" />(スズラン系の軽い香り<ref name=":14" />)、[[ゲラニオール]]<ref name=":14" />(バラや柑橘系の重い芳香<ref name=":14" />)などが生成される。香りは発酵度合いや製造中の温度・湿度により変わり、[[ベンズアルデヒド]]<ref name=":14" />、[[ネロリドール]]<ref name=":14" />(柑橘系の爽やかさとフローラル系の甘さを併せ持つ香り<ref name=":14" />)、[[インドール]]<ref name=":14" />など「沸点が高く重い香り」の成分が含まれる<ref name=":14" />。
 
==== 茶種 ====
{{節stub|date=2024年3月20日 (水) 06:14 (UTC)}}
 
=== 白茶 ===
{{Main|白茶}}
茶葉が「白い産毛に包まれていることから白茶」<ref name=":19">{{Cite web |title=白茶 | 商品カテゴリー | おいしい中国茶の旺徳福 |url=https://chuugokucha.com/product-category/2hakucha/ |access-date=2024-03-29}}</ref>と呼ばれる。
 
;水色
:「ベージュっぽい褐色」<ref name=":20">{{Cite web |title=意外と知らない白茶の3つの顔 |url=https://hojotea.com/jp/posts-1182/ |website=お茶の専門店HOJO |date=2020-06-06 |access-date=2024-03-29 |language=ja}}</ref>
;味
:甘みのある味<ref name=":19" /><ref name=":21">{{Cite web |title=お茶のプロが教える白茶の魅力。おすすめの白茶の選び方 |url=https://hojotea.com/jp/posts-953/ |website=お茶の専門店HOJO |date=2014-12-26 |access-date=2024-03-29 |language=ja}}</ref>
;香り
:フルーツのような甘い香り<ref name=":20" /><ref name=":21" />。10~20年熟成するとブランデーのような香り<ref name=":21" />
 
;味
:味を決める化学物質は不明な点が多いものの<ref name=":13" />、日本の緑茶と違い殺青が釜炒りな事が原因となり<ref name=":13" />、茶の味を決めるアミノ酸、カテキン、カフェインがいずれも少なく<ref name=":13" />、味よりも香りが嗜好性を決めるものと思われる<ref name=":13" />。
:
 
{{節stub|date=2024年3月20日 (水) 06:14 (UTC)}}
 
=== 黄茶 ===
{{節stub|date=2024年3月20日 (水) 06:14 (UTC)}}
 
=== 黒茶 ===
{{節stub|date=2024年3月20日 (水) 06:14 (UTC)}}
 
== 喫茶 ==
{{節stub|date=2024年3月20日 (水) 06:14 (UTC)}}
 
==== 茶殻 ====
抽出した後に残った茶葉などを茶殻という。ごみとして捨てられることが多いが、有効利用されることもある。用途には家庭用の消臭剤としてのほか、[[飼料]]<ref>{{Cite news |url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16H0Z_W7A610C1000000/ |title=茶殻育ちの牛肉いかが 静岡の新たなブランドに |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2017-06-17 |accessdate=2019年3月8日}}</ref>、各種資材<ref>{{Cite news|和書 |title=伊藤園、茶殻の再利用拡大/麦茶も販売増で/紙・ゴムなどに 環境配慮PR |newspaper=[[日経産業新聞]] |date=2019年1月16日 |at=食品・日用品・サービス面}}</ref>などが挙げられる。
 
== 名称 ==
=== 漢字 ===
{{Wiktionary|茶|荼|tea}}
[[漢字]]の「茶」は[[中唐]]以後に成立した字で、それまでは「'''荼'''」または「'''𣘻'''」(木偏に荼の字)を使用していた。「荼(ト)」は本来は苦い味のする植物である[[ニガナ]]を指す字である{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=34}}。また、[[仏典]]では {{unicode|ḍa}} の音写に「荼」字をあてた([[軍荼利明王|軍荼利]]、[[曼荼羅]]、[[鳩槃荼]]など)。茶が原産地の[[雲南省|雲南]]方面から[[四川省|四川]]・江南へと[[長江]]流域に広まるにつれ、ダのような発音の語に荼字を当てて使うようになったと推定されている。[[唐]]の[[陸羽]]が『[[茶経]]』を著して、「荼」を1画減らして区別することが広まったと言われる。『茶経』には「茶」「檟(カ)」「蔎(セツ)」「茗(メイ)」「荈(セン)」の5種の名が揚げられているが、他に当て字もあって、それらも合わせると10種以上の字が使われていた。「茗」に関しては、現代[[中国語]]でも茶を総称する「茗茶」という言い方が残っている。
 
=== 各国語における茶を意味する語 ===
世界で茶を意味する[[語]]の起源は、「チャ」系統のものと「テー」系統のものがある<ref>{{Cite web|title=Chapter 138: Tea |work=The World Atlas of Language Structures Online|first=Östen| last=Dahl|publisher=Max Planck Digital Library| url=https://wals.info/chapter/138|accessdate=2008-06-04}}</ref>{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=7}}。
 
中国語の[[北京語]]や[[広東語]]では、茶は「チャ(cha)」と呼ばれている{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=ティーとテイ、チャとチャイ}}。[[モンゴル語]]、[[ウイグル語]]、[[ヒンディー語]]、[[トルコ語]]、[[ペルシャ語]]、[[ロシア語]]などでは「チャイ」系統の音で呼ばれ、これらは中国から伝播したものと考えられるが、「イ」がどのようにして加わったのかは不明。[[ペルシア語]]辞典や[[ヒンディ語]]辞典にはチャー(chā)とチャーイ(chāi)の両項目が挙げられている{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=163-164}}{{Efn|インドからアラビアを経て北アフリカにかけての地域では、日常的な飲用物としての紅茶を「[[チャイ]]」と称している。}}。「チャ」に由来する呼び名を持つ言語としては以下のような例がある。
* {{lang-zh|茶}}(chā)、[[チベット語]]: {{unicode|ཇ}}(cha)、{{lang-ja|茶}}、{{lang-ko|차 [茶]}}(cha)、{{lang-vi|trà}}、{{lang-th|ชา}}(chaa)、{{lang-tl|tsa}}
* {{lang-mn|цай}}(tsai)、{{lang-hi|चाय}}(cāe)、{{lang-fa|چای}}(chāy)、{{lang-tr|çay}}、{{lang-ar|شاي}}(shāy)、{{lang-sw|chai}}
* {{lang-el|τσάι}}(tsai)、{{lang-ro|ceai}}、{{lang-bg|чай}}(chai)、{{lang-sr|чај}}(čaj)、{{lang-cs|čaj}}、{{lang-ru|чай}}(chai)
 
これに対して西欧の多くの国では「テー」系統の発音が用いられている{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=ティーとテイ、チャとチャイ}}。これは、[[福建省]]で用いられている[[廈門語]]のテー({{Unicode|tê}})に由来するとみられる{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=ティーとテイ、チャとチャイ}}。17世紀に茶を中国からヨーロッパに持ち込んだ[[オランダ]]人経由でヨーロッパに広まった{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=ティーとテイ、チャとチャイ}}。[[陳舜臣]]は、[[清]]代中期から貿易を認められていた[[広州]]の特許貿易商である[[広東十三行]]は、福建省[[廈門市|廈門]](アモイ)出身者が多く、彼らが自らの母語でテーと呼んだことによるとするが{{Sfn|陳舜臣|1992|p=163}}、通常は福建語から[[マレー語]]にはいり、オランダ語はマレー語から借用したと考えられている<ref>{{cite web|url=http://gtb.inl.nl/iWDB/search?actie=article&wdb=WNT&id=M068296|title=THEE|publisher=Historische woordenboeken op internet |language=nl |accessdate=2015-05-22}}</ref>。この系統の言語としては次のようなものがある。
* {{lang-nl|thee}}、{{lang-en|tea}}、{{lang-de|Tee}}、{{lang-hu|tea}}、{{lang-he|תה}} [te]、{{lang-fr|thé}}、{{lang-es|té}}、{{lang-it|tè}}、[[スカンジナビア]]では {{lang|sv|te}}、{{lang-fi|tee}}、[[アルメニア語]]: թեյ(t'ey)
* [[インドネシア語]]と[[マレー語]]では{{lang|id|teh}}(インドネシアがオランダの貿易拠点であった経緯から)
* セイロン茶の産地[[スリランカ]]の言語である[[シンハラ語]] තේ [tē]、[[タミル語]] தேநீர் [tēnīr](イギリス人が茶の栽培を持ち込んだ経緯から)
他方、[[ポルトガル]]は[[広東省]]の[[マカオ]]から直接茶を輸入していたことから、広東省での呼び名に従い、西欧では例外的に{{lang|pt|chá}}と呼んでいる{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=ティーとテイ、チャとチャイ}}(現在のポルトガル語では「シャ」と発音されるが、かつての発音は「チャ」であった)。
 
日本語の茶の字音は[[呉音]]「ダ」、[[漢音]]「タ」、[[唐音]]「サ」である。「チャ」という音は[[院政時代]]の『[[色葉字類抄]]』に見られ、漢音と唐音の間の時期に流入したと考えられる。なお、「チ・ツ」は古くは[[破擦音]]ではなく<ref>{{Cite book|和書|author=有坂秀世|authorlink=有坂秀世|title=国語音韻史の研究 増補新版|chapter=唐音に反映したチ・ツの音価|year=1957|publisher=三省堂}}</ref>、「チャ」と書いて「テャ」のように発音していた。[[朝鮮語]]の「{{lang|ko|茶}}」に対する[[朝鮮漢字音|漢字音]]も「タ」({{lang|ko|다}} / da)と「チャ」({{lang|ko|차}} / cha)があるが、植物・飲料の茶だけを指す場合、「チャ」を用いる。[[ベトナム語]]でも {{lang|vn|trà}} と {{lang|vn|chè}} の2形がある。
 
「チャ」系統と「テー」系統以外で呼ばれる言語もごくわずかあり、ほとんどは中国[[雲南省]]から[[ミャンマー]]にかける地域に住んでいる[[東南アジア]]諸民族の言語である。例えば、[[ビルマ語]]ではလက်ဖက်(lakphak、ラペ)と、[[パラウン語]]では「miang」(ミアン)と呼ばれる。ただし、これらの民族の習俗上において茶葉はもともと飲用ではなく、[[ラペソー]]などの[[漬物]]の原料である{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=13-14}}。なお、「ミアン」は中国語における茶の別名「茗(ming)」の語源であるという説もある<ref>{{Cite journal|和書|author=中村羊一郎|year=1995|title=ミャンマーにおける茶の起源伝承と「食べるお茶・ラペソー」について|journal=[[比較民俗研究]]|volume=12|issue=1995/9|pages=35-62 |id={{hdl|2241/14344}}}}</ref>。
 
== 喫茶の歴史 ==
=== 中国 ===
{{See also|中国茶}}
==== 南北朝時代まで ====
茶の原産地については、[[四川省|四川]]・[[雲南省|雲南]]説([[長江]]及び[[メコン川]]上流)、中国東部から東南部にかけてとの説、いずれも原産地であるという二元説がある{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=113-114}}。
 
中国で喫茶の風習が始まったのは古く、その時期は不明である。原産地に近い四川地方で最も早く普及し、長江沿いに、茶樹栽培に適した[[江南]]地方に広がったと考えられる{{Sfn|陳舜臣|1992|p=11}}。
 
しかし、「茶」という字が成立し全国的に通用するようになったのは[[唐]]代になってからであり、それまでは「荼(と)」「茗(めい)」「荈(せん)」「檟(か)」といった文字が当てられていた{{Sfn|陳舜臣|1992|p=10}}。
 
書籍に現れるものとしては、[[紀元前2世紀]]([[前漢]])の『[[爾雅]]』に見られる「檟」、または、[[司馬相如]]の『[[凡将篇]]』に見られる「荈詫(セツタ)」が最初とされる。漢代の『[[神農本草経]]』果菜部上品には次のような記述がある。
{{Quote|苦菜。一名荼草。一名選。味苦寒。生川谷。治五蔵邪気。厭穀。胃痹。久服安心益気。聡察少臥。軽身耐老。}}
[[陶弘景]]は注釈書『[[本草経集注]]』の中でこれを茶のことと解した。これに対して[[顔師古]]は茶に疾病を治癒する薬効は認められないとしてこれを批判し、さらに唐代に編纂された『[[新修本草]]』も茶は木類であって菜類ではないと陶弘景の説を否定して苦菜を[[キク|菊]]の仲間とした。このため、以後、苦菜を[[キク科]]や[[ナス科]]の植物と考えて茶とは別物とする説が通説である。ただし、その一方で[[宋 (王朝)|宋代]]の『紹興本草』などでは、苦菜(と考えられたキク科やナス科の植物)に『神農本草経』の記す薬効がないと指摘されているため、陶弘景の説を肯定する見解もある{{Efn|{{Harv|岩間眞知子|2009|p=3-17, 201-216}}。なお、岩間は『神農本草経』において、苦菜が含まれている上薬を「無毒で長期服用が可能な養命のための薬」と定義していることを指摘し、茶が上薬に該当しかつ苦菜の特徴と共通すると主張して苦菜を茶とした陶弘景の説を肯定している。}}。
 
「荼」という字が苦菜ではなく現在の茶を指すと確認できる最初の例は、[[前漢]]の[[王褒 (前漢)|王褒]]が記した「僮約」という文章である。ここでは、使用人(僮)がしなければならない仕事を列挙した中に「荼を烹(に)る」「武陽で荼を買う」という項があるが、王褒の住む益州(現在の[[四川省]][[広漢市]])から100キロメートルほど離れた武陽(現在の[[彭山県]]、眉山茶の産地)まで買いに行く必要があるのは苦菜ではなく茶であると考えられる{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=22-23}}。この「僮約」には[[神爵]]3年(前59年)という日付が付されており、紀元前1世紀には既に喫茶の風習があったことが分かる{{Sfn|陳舜臣|1992|p=26}}。
 
[[後漢]]期には茶のことを記した明確な文献はないが、[[晋 (王朝)|晋]]代の[[詩人]]張載が「芳荼は六清に冠たり/溢味は九区に播(つた)わる/人生苟(も)し安楽せんには/茲(こ)の土(くに)聊(いささ)か娯(たの)しむ可し」という、茶の讃歌といえる詩を残している{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=28-29}}。[[南北朝時代 (中国)|南北朝時代]]には南朝で茶が飲まれていた。[[顧炎武]]([[清]]初)によれば、南朝の[[梁 (南朝)|梁]]代(502 - 557年)に既に「荼」から独立した「茶」の文字が現れたというが、字形成立の年代特定は難しく、仮に「茶」の字が生まれたとしても余り頻用されなかったと考えられている{{Sfn|陳舜臣|1992|p=11}}。
 
==== 唐代 ====
茶の文化を初めて体系化したのは、[[唐]]の'''[[陸羽]]'''(? - 804年)であった{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=茶の聖人、陸羽}}。南北朝が統一され、政局が安定し、民生が充実するとともに、茶が北方に広がり、「茶」の字も全国的に普及した{{Sfn|陳舜臣|1992|p=11}}。陸羽は[[755年]]に始まった[[安史の乱]]を避け呉興(現在の[[浙江省]][[湖州市]])に移り住み、名茶を求めて諸方に旅をするかたわら、茶を通じて文人らと交わった。この頃『'''[[茶経]]'''』を著して、「茶は南方の嘉木なり」と述べた{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=1, 45-46, 49}}。『茶経』には茶の飲み方として、觕茶(そちゃ)、散茶、末茶、餠茶(へいちゃ)があるとされている。觕茶はくず茶、散茶は葉茶をいうとされ、[[緊圧茶|餠茶]]は乾燥した茶葉を圧搾して固形にしたものである。末茶([[抹茶]])は餠茶を搗いて粉にしたものであり、7世紀にはこの末茶が主流であったと考えられている{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=85-86}}。
 
陸羽は『茶経』の中で、野生の茶が上であり畑の茶はこれに次ぐ、陽崖(日当たりの良い山の斜面)で陰林(適当に陰を作る林)にあるもの、緑よりも紫のもの、笋のもの([[タケノコ]]の形をしたもの)、葉の巻いたものが最も上質であるとしている。湖州[[顧渚山]]の最高級の茶は「紫笋茶(しじゅんちゃ)」と呼ばれた{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=107-108}}。
 
[[大暦]]5年(770年)に、茶を朝廷に献上する貢茶が始まったとされ、地方官の関心はより高級な茶の調達に向かった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=104}}。[[太湖]]沿岸の常州(現在の[[江蘇省]][[宜興市]])と湖州で産した陽羡茶は[[長安]]の都に毎年送られた{{Sfn|陳舜臣|1992|p=144}}。
 
一方で、茶の庶民化も進んだ。[[建中 (唐)|建中]]3年(782年)に初めて茶への課税が行われた。その後、税は廃止されたり復活したりを繰り返した{{Sfn|陳舜臣|1992|p=104}}。
 
==== 宋元代 ====
[[宋 (王朝)|宋]]代([[北宋]]、960年 - 1127年)になると、搗いて粉にするのではなく、茶葉を研(す)って粉にするようになり、これを'''研膏茶'''と呼ぶ。宮廷(皇帝)への献上品として、最高級の研膏茶を固形の[[団茶]]にした「竜鳳茶」が作られたが、その後[[蔡襄]]によって更に上等の「小竜団」が作られ、進貢された。献上茶には、[[竜脳]]、珍果、香草などを混ぜて香り付けしたものもあった。[[元豊 (宋)|元豊]]年間(1078 - 1085年)の「密雲竜(のち瑞雲翔竜)」、[[大観 (宋)|大観]]年間(1107 - 1110年)の「御苑玉芽」「万寿竜芽」「無比寿芽」、[[宣和]]2年(1120年)の「新竜園勝雪」と次々に高級団茶が開発され、金では買えない宝として扱われた{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=89-92}}。
 
[[ファイル: Wuyi Shan Fengjing Mingsheng Qu 2012.08.23 15-10-18.jpg|thumb|right|220px|[[武夷山]]の岩肌に生える茶樹([[武夷岩茶]])。特に「大紅袍」は最も珍重されている。]]
産地としては、中唐の頃には知られていなかった[[福建省|福建]]が献上茶の筆頭となり、皇室御用の茶を栽培する'''北苑'''が福建に設けられ、「竜鳳茶」などを製造した{{Sfn|陳舜臣|1992|p=181}}。蔡襄の著した『茶録』にも、北苑系の建安の茶が第一とされている。南宋から元にかけて、北苑が衰えると、福建北部の[[武夷山]]がこれに取って代わった{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=191, 205}}。武夷山は岩ばかりの山であり、わずかな土壌に生える茶が[[武夷岩茶]]として珍重された{{Sfn|陳舜臣|1992|p=200}}。
 
[[乾徳 (宋)|乾徳]]3年(965年)、宋は茶の[[専売制]]を敷いた。ただし、当初は茶の生産から運搬、流通まで官が行うこととされたが、困難であったため、後に、商人に茶を払い下げる際に徴税することとなった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=175}}。[[熙寧]]3年(1070年)にいったん自由売買が認められたが、財政難から元豊7年(1084年)に専売制が復活した{{Sfn|陳舜臣|1992|p=181}}。
 
専売制は交易上も大きな意味を持った。中国本土に少し遅れて、[[青海省|青海]]付近の[[チベット民族|チベット人]]が茶を飲むようになった。茶を産しないチベットでは宋から茶を入手する必要があり、宋にとっては茶が[[絹]]に代わるチベットへの輸出品となった。宋初に、チベット系政権[[西夏]]との国境付近の原州、渭州、徳順(現在の[[甘粛省]][[鎮原県|鎮原]]、[[平涼市|平涼]]、[[静寧県|静寧]])3郡に茶と馬との交易場が設けられた。元豊6年(1083年)、茶場司と買馬司を統合した茶馬司という役所ができ、交易を管理することになった{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=168-170}}。その後、茶の産地から遠く離れた塞外民族も、茶を不可欠とするようになった。肉食の塞外民族は[[ビタミンC]]の補給のために茶を必要としたとの説がある{{Sfn|陳舜臣|1992|p=171}}。[[南宋]](1127 - 1279年)の時代には、茶はチベットに対してだけではなく北の[[金 (王朝)|金]]や[[モンゴル]]に対しても主要な輸出品となった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=172}}。
 
==== 明代 ====
[[明]]代(1368 - 1644年)になると、太祖[[洪武帝]]が[[洪武]]24年(1391年)に団茶の進貢をやめさせ、葉茶のままにするよう命じたことを機に、団茶(抹茶)は廃れた。『[[明史]]』食貨志に「旧(も)と皆な採りて之を碾(ひ)き、銀板を以て圧(おさ)え、大小の竜団を為(つく)る。太祖、其の民を労するを以て、造るを罷(や)め、惟(た)だ茶芽を採りて以て進めしむ。」とある{{Sfn|陳舜臣|1992|p=87}}。明は尚武の精神が強い重農主義的な王朝であり、洪武帝も社会の最下層から身を起こした人物であったため、余りに洗練された贅沢な団茶を嫌ったのではないかと指摘されている{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=99-100}}。また、それまでの葉茶(散茶)が、蒸して乾燥させた茶葉に湯を注いで飲む方法であり青臭さがあったのに対し、明代には、葉を釜炒りする方法が主流となり、飲みやすくなったことも、中国の茶が葉茶のみになった理由であると考えられている{{Sfn|陳舜臣|1992|p=105}}。
 
産地については、許次紓が17世紀初頭に書いたと思われる『茶疏』に、{{読み仮名|松蘿|しょうら|[[安徽省]][[屯渓区]]西北}}、[[虎丘区|虎丘]]([[江蘇省]][[蘇州市]])、{{読み仮名|龍井|ロンチン|[[浙江省]][[杭州市]]付近}}の茶を「香気濃郁」として挙げている{{Sfn|陳舜臣|1992}}。
 
==== 清代 ====
[[清]]代(1644 – 1912年)の宮廷([[紫禁城]])では、夏期に[[龍井茶]](緑茶)を飲み、冬期に[[プーアル茶|普洱茶]]を飲んだ。江南を愛した[[乾隆帝]](在1735-95年)も、江南への3回目の行幸で龍井を訪れ、「龍井の新茶 龍井の泉/一家の風味 烹煎(ほうせん)を称す」と始まる詩を作っている{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=136, 227-229}}。普洱茶は雲南省[[シーサンパンナ・タイ族自治州|西双版納]]で生産され、[[緊圧茶]]の形で進貢された。紫禁城では、[[頤和園]]の玉泉山の水で普洱茶を煮、[[乳酪]]に加工した牛乳を加えて飲んだ{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=136-137}}。
 
[[#西ヨーロッパ|後述するように]]、ヨーロッパで茶が飲まれ始めたのは日本の[[平戸島]]から茶葉を輸入して以降だが、非常に高価であった。そのため安い茶を求めて後期の明や清などからも輸出が始まると、多様な'''中国茶'''が知られるようになった。清代後期、18世紀から19世紀にかけて、イギリス商人が中国で盛んに茶を買い付けた{{Sfn|陳舜臣|1992|p=207}}。当初は、中国の緑茶をそのまま仕入れ、ヨーロッパでも緑茶を飲んでいたが、18世紀初頭から中国茶の中でも抽出が簡単でヨーロッパに多い[[硬水]]に合う'''紅茶'''{{Efn|紅茶は、高温の沸騰した水で抽出し、かつ硬水だと渋くならない。}}が増え始め、18世紀半ばに紅茶の方が優勢となった{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=223, 239}}。イギリス商人は、福建産の茶の中でも粗悪なものをボヒア(「武夷」の転訛)と呼んだのに対し、丁寧に製茶したものを工夫茶(コンゴウ)と呼んだ{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=207-208}}。福建の工夫茶の成功を見て、19世紀後半、緑茶の産地であった安徽省[[祁門県]]も、紅茶生産に転換し、[[祁門紅茶]](キームン)が生まれた{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=245-246}}。
 
半発酵茶である'''烏龍茶'''は、福建北部の武夷山で始まった{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=28-30, 94}}が、18 - 19世紀にイギリスの買い付けに有利な福建南部の[[安渓県|安渓]]で盛んに作られるようになった。安渓で産する烏龍茶の代表が[[鉄観音]]である{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=210-212}}。さらに、烏龍茶は安渓から台湾に伝えられた{{Sfn|陳舜臣|1992|p=218}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=30}}。
 
清朝は乾隆22年(1757年)輸出港を[[広州]]に限定し、茶の売上げと輸出税で収益を上げた{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=265-266}}。一方、茶や[[陶磁器]]、[[絹]]の輸入によって清に対する大幅な輸入超過に陥ったイギリスは、反対商品としてインド産の[[アヘン]]を清に密輸する[[三角貿易]]を組み立てたが、このことが[[アヘン戦争]](1840 – 1842年)を招いた{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=磁器の秘密}}{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=阿片仲買人}}{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=こじ開けられた中国}}。以後、イギリスは[[南京条約]]によって割譲させた[[香港]]を拠点に対清通商を進めた{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=こじ開けられた中国}}。
 
イギリスは、清からの輸入を減らすため、インドでの茶生産も図った{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=西の国からやってきた茶のスパイ}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=116-122}}。アヘン戦争後に中国内地へのアクセスが可能になると、1848年、イギリスの[[ロバート・フォーチュン]]が[[イギリス東インド会社|東インド会社]]からの委嘱を受け、インドへの移植にふさわしい茶樹の苗・種子を採集するため中国に入った{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=西の国からやってきた茶のスパイ}}。彼は、中国の産茶区を巡り、[[安徽省]]の松蘿山一帯が最高の緑茶の産地であると報告している{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=238-239}}。実際、19世紀後半から、インド、スリランカで本格的な茶樹栽培が始まると、中国茶は市場を失うようになった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=221}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=132}}。
 
=== 日本 ===
{{Main|日本茶}}
[[ファイル:Kanō Osanobu 71 utaiawase.jpg|thumb|400px|[[東京国立博物館]]本『[[七十一番職人歌合]]』二十四番。右、僧形の「一服一銭([[室町時代]]の[[茶屋]]の原型)」が[[抹茶]](粉茶)を勧めている。左は「煎じ物売」。[[狩野養信]]・[[狩野雅信|雅信]]父子による[[模写]](養信歿年にあたる[[弘化]]3年[1846年]の作)。]]
[[ファイル:Japanese over a cup of tea. Before 1902.jpg|thumb|240px|[[長火鉢]]を囲んで茶を愉しむ([[明治時代]])]]
茶がいつ中国から日本に伝わったのかははっきりしていないものの、公事根源の記録によると奈良時代である天平元年(729年)[[聖武天皇]]の時代に「宮中に僧を召して茶を賜った」と記されている。茶樹の栽培においても、805年に永忠と帰国した[[最澄]]は嵯峨天皇に茶を点てて差し上げた御製の漢詩がある。帰国前には、僧は酒が禁物なため、茶で送別の会を開き、友人たちと漢詩を応酬した。滋賀県比叡山の
日吉茶園は彼ら天台僧が育てた茶の木が元との伝説がある。翌年、大同元年(806年)に弘法大師([[空海]])が唐より茶の種子を持ち帰り、弟子の堅恵大徳が宇陀市榛原赤埴の佛隆寺に播種され、その製法を伝えられたのが「大和茶」の始まりといわれている。
 
また、空海も茶に親しんだことが、在唐中に求めた典籍を[[嵯峨天皇]]に献じた際の奉納表の中に記されている<ref>{{Cite book|和書|author=河添房江|authorlink=河添房江 |title=唐物の文化史 -舶来品からみた日本 |year=2014 |publisher=岩波書店 |isbn=9784004314776 |page=32}}</ref>。
 
『[[日本後紀]]』には、[[弘仁]]6年(815年)4月、嵯峨天皇の[[近江国|近江]][[行幸]]の際、[[梵釈寺]]([[滋賀県]][[大津市]])の僧[[永忠]]が茶を煎じて献上したと記されている{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=35}}。永忠は在唐35年の後、805年に帰国しており、この時に茶樹の種子あるいは苗を持ち帰ったと見られる{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=94-95}}。815年6月、[[畿内]]、近江、[[丹波国|丹波]]、[[播磨]]の諸国に茶を植え、毎年献進することが命じられた{{Sfn|陳舜臣|1992|p=95}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=35}}。『[[凌雲集]]』の嵯峨天皇[[御製]]に「詩を吟じては厭わず香茗(こうめい)を搗(つ)くを/興に乗じては偏(ひと)えに宜しく雅弾を聴くべし」との聯があり、搗いて喫していたことが分かる{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=95-96}}。[[平安貴族|平安朝の宮廷人]]も茶を飲んでいたことがいくつかの詩に残っており、[[菅原道真]]も、「煩懣(はんまん)胸腸(きょうちょう)に結び/起ちて飲む茶一椀」と詠んでいる{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=96-97}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=35}}。しかし、[[遣唐使]]が停止されてからは、唐風のしきたりが衰え、茶もすたれていった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=97}}。だが、この見方については異論もあり、平安時代中期の[[漢詩]]集『[[本朝麗藻]]』に採録された[[大江以言]]が[[園城寺]]を訪問した時の読まれた漢詩に「山の御厨(みくりや)の茶は熟し、暮煙興(おこ)る」とあり、平安時代末期に[[藤原忠通]]・[[藤原周光]]によって編纂されたとみられる『本朝無題詩』に所収されている漢詩には11世紀から12世紀中期にかけて寺で茶を供された話を盛り込んだ詩が7首{{Efn|喫茶の話を記した7首の作者は[[藤原明衡]](2首)、[[中原広俊]]、[[源経信]]、[[藤原実範]]、[[藤原基俊]]、藤原周光(編者)の6名でいずれも[[遣唐使]]の停止から100年から250年も後の人物である。}}存在しており、平安時代を通じて京都の寺院を中心に茶を喫する伝統が継承されてきたと考えるべきであるとする指摘がある<ref>井上辰雄『平安儒家の家 大江家のひとびと』(塙書房、2014年)pp.201-208</ref>。
 
茶の再興は、'''[[明菴栄西|栄西]]'''が1191年に[[宋 (王朝)|宋]]([[南宋]])から種子や苗木を持ち帰ってからである。栄西は、1187年から5年間の2回目の渡宋中、素朴を尊ぶ[[禅]]寺での抹茶の飲み方を会得して帰ったと考えられる{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=97-99}}。当初は薬としての用法が主であった(戦場で、現在の何倍も濃い濃度の[[抹茶]]を飲んで眠気を覚ましていた等)が、栽培が普及すると共に[[嗜好品]]として、再び飲まれるようになった。<!-- 『茶の事典』{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=36-38}}は茶の衰退から栄西による再興に関して否定的。 -->
 
一時([[平安貴族|貴族社会の平安時代]]の遊びとして)中国のように[[闘茶]]が行われることもあったが、日本茶道の祖・[[南浦紹明]]により、中国より[[茶道具]]などと共に当時、[[径山寺]]などで盛んに行われていた茶会などの作法が伝わり、次第に場の華やかさより主人と客の精神的交流を重視した独自の[[茶道|茶の湯]]へと発展した。茶の湯は[[明治時代]]に[[茶道]]と改称され、ついには[[女性]]の[[礼儀作法]]の嗜みとなるまでに一般化した。
 
茶は[[江戸時代]]前期では贅沢品として、『[[慶安御触書]]』や『直江四季農戒書』{{Efn|この二つの資料は制作年代にも疑問があり、法的な拘束力はなかったとされる。しかし、当時の支配者層は農民が茶を嗜むことは贅沢で怠惰なイメージを持っていたと思われる。<ref>{{Cite book|和書|author=原田信夫 |title=江戸の食生活 |publisher=[[岩波書店]] |year=2003 |isbn=9784000222679 |page={{要ページ番号|date=2022-03-26}}}}</ref>}}でも戒められていたが、やがて有利な現金作物として生産が増えて大いに普及した。生産者にとっては現金収入となる一方で、[[金肥]]といわれた[[干鰯]]や[[油粕]]のような高[[窒素]]肥料を購入しなければならなかったので、生産地では農村への[[貨幣経済]]浸透を促した。
 
[[明治時代]]になって西洋文明が入ってくると、[[コーヒー]]と共に紅茶が持込まれて徐々に普及していくこととなる。[[昭和]]期に芸能マスコミの話題(人気絶頂期の[[ピンク・レディー]]{{Efn|静岡県出身のため「茶ばたけ」というユニット名でのデビューも考えられていた。『[[夜のヒットスタジオ]]』などでの烏龍茶発言で静岡茶の売り上げにはマイナスになったが、静岡県発祥の[[伊藤園]]の業績が伸びた。}}が減量のために[[烏龍茶|ウーロン茶]]を飲んでいると言ったこと)から半発酵茶の[[烏龍茶]]が注目を集め、伊藤園や[[サントリー]]から缶入り烏龍茶が発売されると一般的な飲み物として定着した。また、この流行のため中国では烏龍茶が主であるかのようなイメージが広がった。
 
缶入り烏龍茶の好評を受けて飲料メーカーは[[缶]]・[[ペットボトル]]入りの紅茶・日本茶を開発し、一つの市場を形成するに至った。家庭で[[急須]]に入れた茶葉から茶を抽出して飲むことは、茶殻の処理が面倒といった理由で敬遠されるようになったが、日本茶用[[ティーバッグ]]、家庭用に碾茶から抹茶をつくれる機械が販売されるようになっている<ref>{{Cite news|和書|title=【トレンド情報局】リーフ茶 低迷脱出に弾み/若年層に訴求 キーワードは「手軽さ」「エコ」 |newspaper=[[日本農業新聞]] |date=2021年7月16日 |at=16面}}</ref>。このほかにも新しい茶製品が相次いで開発されている。
 
茶道は、礼儀作法が敷居が高いイメージがあり、趣味人の芸道としての存在に回帰しつつある。その一方で、茶道を気軽に日常に取り入れる動きも存在し、文化誌、婦人誌では、日本を含めた様々な茶の紹介、正式・略式・個人式の茶会の記事も紹介され、緑茶のみならず、世界の茶が紹介されている。旅茶セット、[[野点]]セットなど、趣味人だけではなく一般を対象とした道具もある。
 
=== 朝鮮半島 ===
{{see also|茶礼 (韓国)|茶道#朝鮮・韓国|韓国の茶}}
[[朝鮮半島]]には[[首露王]]の妃である許黃玉がインドで茶の種子を持ってきたという伝説がある{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=54}}が、[[新羅]][[興徳王]]3年(828年)12月に大廉が茶の種子を唐から持って来て[[智異山]]に植えたという記録が最初である(『[[三国史記]]』)。しかし、[[緯度]]が高く冷涼乾燥気候の朝鮮半島は茶の栽培には適さず、生産量は限られたものであった。また、その品質も悪く、後述の『高麗図経』では「土産茶、味似苦渋不可入口(高麗産の茶は苦く渋くて、口に入れることができない)」と記されている。『三国史記』や『[[三国遺事]]』に現れる茶に関する記述は、大部分が僧侶にまつわる話であって、当時寺院を中心に喫茶が儀礼と関係して用いられていた様子が窺われる。さらに、中国[[宋 (王朝)|宋]]王朝の使節である徐兢の記録『高麗図経』(正確には『[[宣和奉使高麗図経]]』)からは[[高麗]]の喫茶法が確認されるが、その記述が不十分なことから、当時の喫茶法については明確でない。[[熊倉功夫]]氏などは抹茶法であったと推測しているが<ref>{{Cite book|和書|author=熊倉功夫 |title=茶の湯の歴史 千利休まで |series=[[朝日選書]] |volume=404 |publisher=[[朝日新聞社]] |year=1990 |isbn=978-4022595041 |page={{要ページ番号|date=2022-03-26}}}}</ref>、宋時代の抹茶法では用いない「湯鼎」を使う、あるいは、明時代の茶書『製茶新譜』で'''団茶法'''(鼎や鍋で茶葉を煮出す方法)に対して用いられている動詞「烹」を使うなど、疑問点が多い(抹茶の場合は通常「点」を用いる)。
 
[[李氏朝鮮]]時代には崇[[儒教|儒]]廃仏によって[[仏教]]的な文物の多くは破棄されており、この時期に喫茶の風習も途絶えていたとみなされる場合が多い。しかし、[[慶尚道]]慶州府、[[全羅道]]羅州牧、[[南原市|南原]]都護府などで茶が生産されており、王宮では贈答用の「天池団茶」という固形茶も製造されていた(さらに「青苔銭」と呼ばれる固形茶もあったようである)。なお、日本による併合後に持ち込まれた茶の品種に対して、[[DNA]]の形質から区別される在来種を「韓国野生茶」と呼んでいる。このように李朝においても製茶自体は存続していたが、しばしば記録に登場する高級茶は中国からの輸入品であったようである。
 
李氏朝鮮の喫茶法は古い喫茶道具や文献資料の不足から不明な点が多く、『[[朝鮮王朝実録]]』の記録からは中国[[明]]王朝の使節を迎える際に、茶を用いた儀礼([[茶礼 (韓国)|茶禮]])が行われていた様子が確認されるが、儒教を国教とし仏教文化の茶文化も禁圧して消滅させ、茶を奉げる仏教儀礼の「茶礼(茶禮、チャレ)」は禁じられ、酒を奉げる献杯の儒教「祭祀」を奨励していた<ref>{{Cite news |title=<随筆>◇お茶文化◇ 広島大学 崔 吉城 名誉教授 |newspaper=[[東洋経済日報]] |date=2010-06-18 |author=[[崔吉城]] |url=http://www.toyo-keizai.co.jp/news/essay/2010/post_3993.php |accessdate=2015-10-31}}</ref>。ただし儒教の祭祀の名前はそのまま「茶礼」と呼ばれ続けた。[[文禄・慶長の役#慶長の役|慶長の役]]の時(1598年)に明の楊鎬が南原の茶は高品質なのになぜ採取しないのかと問うのに対し、「私たちには茶を飲む風習が無い」と答えている<ref>{{Cite web |author= |date= |url=https://sillok.history.go.kr/inspection/insp_king.jsp?id=kna_13106023_002 |title=宣祖實錄101卷, 31年6月23日 |work=『[[朝鮮王朝実録]]』 |publisher=[[国史編纂委員会]] |accessdate=2015-10-31 |deadlinkdate=2022-03-26}}</ref>。楊鎬は朝鮮茶の中国への輸出を推奨した。清への朝貢物品の中で[[1637年]]から[[1645年]]まで茶千包が含まれていたが、前述のように茶葉の産出量が少なかったことから、朝鮮で使用される茶葉は[[北京]]からの輸入品が主であった。
 
このように、茶の国内への供給量がごく限られたものであったことから、茶葉を用いた喫茶の習慣は上流階級や一部の寺院のみのものであった。このため、朝鮮半島で「茶」と言う場合は、中国・日本などで言われる「茶」ではなく、木の根などを煎じた薬湯や、果実を湯に浸した物([[柚子茶]])等を指す場合が多い([[韓国伝統茶]])。庶民の間では茶の代用として、焦げ飯のついた釜で沸かした湯「[[スンニュン]]」が食後の口直しに飲まれていた。なお、李氏朝鮮時代の文献『朝鮮歳時記』には、中国で茶の新芽を意味する「雀舌」が、杉など他の植物の新芽を指している例も見られる。
 
李氏朝鮮の末期には大興寺の禅僧である[[草衣]](초의、意恂、[[:ko:의순]]、1786 - 1866)が現れ、『東茶頌』『茶神伝』などの著書を遺しているが、同書の章立は宋・明の茶書に近いものがある。
 
[[明治]]9年(1876年)7月に、日本政府が[[日朝修好条規]]に基づき、条規付録や通商章程を協議決定するため[[宮本小一]][[外務大丞]]を[[京城]]へ派遣した際の記録で、宮中での食事、建物、一般情勢の記録には茶について「茶(緑茶)は無い。干した[[生姜]]の粉と[[陳皮]]([[蜜柑]]の皮を干したもの)を砕いたのを煎じたものを「茶」としている。貴人はこれに人参([[朝鮮人参]])を入れて人参湯と称する。つまり、煎じ薬を飲むにも似ている」とある。1894年から1897年にかけ、李氏朝鮮を訪れ『[[朝鮮紀行]]』を記した[[イザベラ・バード]]は、朝鮮には茶はなく、[[柑橘類]]を溶かしたもの([[柚子茶]])を飲む風習があることを紹介している。
 
[[朝鮮戦争]]以後は、民族主義活動家で僧籍にあった崔凡述([[:ko:최범술]]、暁堂、1904 - 1979)が、草衣の茶礼を受け継いだと称して般若露茶礼を創始し、これが現代韓国の茶の儀式の基礎となっている<ref>{{Cite book|和書|author1=ヴィクター・H・メア|authorlink1=ヴィクター・メア|author2=アーリン・ホー |title=お茶の歴史 |publisher=[[河出書房新社]] |year=2010 |isbn=9784309225326 |page={{要ページ番号|date=2022-03-26}}}}</ref>。なお、文献では例外的なものを除いて「茶道」という言葉は使われていない。朝鮮半島において、「道」の語は[[道教]](道家思想)を意味するものであり、芸道修行意図で用いられている日本の「茶道」とは異なっている。また、朝鮮半島で[[抹茶]](点茶法)が飲まれていた資料も無い。
 
=== インド ===
インド人が茶を飲んでいたことは、17世紀の文献に見える。また、[[大英博物館]]の植物標本室に、[[イギリス東インド会社|東インド会社]]の外科医サミュエル・ブラウンとエドワード・バルクリーが、インドの[[マラバール海岸|マラバル地方]]で1698年から1702年にかけて採集したとされる茶樹があり、中国から移植したものと考えられる{{Sfn|陳舜臣|1992|p=114}}。
 
19世紀後半から、インドやスリランカで本格的な茶樹栽培が始まった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=221}}。
 
=== 西ヨーロッパ ===
[[ヨーロッパ]]の最古の茶に関する記述は、[[ヴェネツィア]]のジョヴァンニ・ラムージオによるもので、1550年代の著書『航海と旅行』第2巻で、[[ペルシア人|ペルシャ人]]からの伝聞として「カタイのチャイ」(Chiai Catai)の効能について記している{{Efn|{{cite book|url=https://archive.org/stream/secundovolumedel00ramu#page/n37/mode/2up |author=Ramusio, Giovanni Battista|title=Secundo volume delle navigationi et viaggi|year=1574|edition=2nd|___location=Venetia}}}}。16世紀にはほかにもいくつかの文献が中国や日本の茶について「chia, chaa」などの名で紹介している。
 
本格的にヨーロッパに茶がもたらされたのは、1609年、[[オランダ]]が日本の[[平戸島]]に商館を設け、翌年、日本茶と中国茶が[[ジャワ島|ジャワ]]経由でヨーロッパに輸出されてからである{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=122}}。薬屋で量り売りされる高価なもので、[[聖職者]]が眠気覚ましの薬に用いたとも言われる。17世紀前半には、オランダの医師が、茶は万病に効き、長生きの妙薬だと述べたのに対し、[[ドイツ]]や[[フランス]]の医師が、茶の害を説いた文章を発表している{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=250-251}}<!--{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=世紀の馬鹿げた新商品}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=101-102}}-->。
 
[[イギリス]]でも茶について賛否両論があったが、1640年に初めて[[ティールーム]]が開業されるなど、徐々に浸透していった。当初はイギリスでも緑茶で飲んでいた。[[清教徒革命]]の後に[[オリバー・クロムウェル]]が[[イングランド共和国]]の実権を握った時、その頃に流行り始めていた茶に課税することを思いつき、実行した{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=密輸と偽装茶}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=114}}。この抑制が国王政府への反抗心に作用し、茶の密輸が横行した{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=114-115}}。聖職者が密輸業に加担していたことが茶の普及に拍車をかけた。クロムウェルの時代が終わったとき、イギリス国民に喫茶の習慣が確立していた{{Sfn|マグロンヌ・トゥーサン=サマ|1998|pp=622-623}}{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|p=115}}。
 
17世紀後半には、「午後の茶」([[アフタヌーン・ティー]])の習慣が定着した{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=私はハイ・ティーと言い、あなたはロー・ティーと言う}}。同じ頃、緑茶よりも紅茶が優勢となった。これは、中国や日本と異なり、イギリスでは[[軟水]]ではなく[[硬水]]を使っていたためである。[[サミュエル・ジョンソン]]は、1757年、喫茶否定論に反論して「私の湯沸かしは、ほとんど冷める暇はない。晩に茶で楽しみ、夜でも茶で慰み、朝でも茶で目が覚める。」と書いている{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=254-255}}。イギリスでは、他のヨーロッパ諸国に比べて喫茶の風習が広く浸透したが、その理由として、イギリスの水が茶に合ったこと、フランス、イタリアの[[ワイン]]や、ドイツの[[ビール]]に当たるような飲み物がイギリスになかったことなどが挙げられている{{Sfn|陳舜臣|1992|p=251}}。
 
茶貿易もオランダではなくイギリスが主導権をとり、中国産の茶がヨーロッパで主役となった{{Sfn|陳舜臣|1992|p=250}}。中国貿易を独占していたのがイギリス東インド会社であったが、その三角貿易がアヘン戦争につながった(''前述[[清代]]'')。19世紀の半ばには<!--[[ヨット#ヨットレース|ヨットレース]]の先駆けと言われる-->、茶を運ぶ「[[クリッパー (船)|クリッパー]]」と呼ばれる高速[[帆船]]による速度記録競争が過熱した{{Sfn|大森正司|阿南豊正|伊勢村護|加藤みゆき|2017|pp=123-124, 126-127}}。殊勲を上げた海運業者には報奨金と[[ブルーリボン]]が与えられた。この競争に世界中の港と賭け屋が夢中になったと言われる{{Sfn|マグロンヌ・トゥーサン=サマ|1998|pp=623-624}}。
 
=== アメリカ ===
[[イギリスによるアメリカ大陸の植民地化|アメリカのイギリス植民地]]でも中国産の茶が飲まれていたが、フランスやオランダの商人がイギリスの課税を免れて安い密輸茶を運んでいた。イギリス本国政府は、1773年、[[茶法]](茶税法)を制定し、密輸茶を取り締まり、東インド会社の市場独占を確立しようとした。しかしこれがアメリカ市民の反発を招いて同年、[[ボストン茶会事件]]が起こり、[[アメリカ独立戦争]]につながった{{Sfn|陳舜臣|1992|pp=269-270}}。この時代に茶法の反対運動が激化し、不買運動にまでつながった。代わってアメリカではコーヒーを飲む文化が広まることになった。
 
[[アメリカ合衆国]]は独立後、自前で中国貿易に参入。アメリカ人参、[[ラッコ]]や[[アザラシ皮|アザラシ]]の[[毛皮]]、[[綿花]]、[[鉛]]、[[胡椒]]、羽紗などを清に輸出して、見返りに茶などを買った{{Sfn|陳舜臣|1992|p=272}}。このことが[[太平洋]]航路の開発につながった。
 
== 産業 ==
=== 生産 ===
[[ファイル:World Map Tea Production.svg|thumb|360px|2017年における世界生産量に占める割合(色が濃いほど生産割合が高い)。 {{Legend|#2d5016| 20% 以上}} {{Legend|#447821| 10 から 20%.}} {{Legend|#71c837| 5 から 10%.}} {{Legend|#aade87| 1 から 5%.}} {{Legend|#c6e9af| 0.5 から 1%.}} {{Legend|#b9b9b9| 0.5% 未満}}]]
[[国際連合食糧農業機関|国連食糧農業機関]] (FAO) の統計によれば、2010年における世界の茶葉生産量は、約452万トンである。地域別では、[[アジア]]が生産量の約84%、[[アフリカ]]が約14%、[[アメリカ州|南北アメリカ]]が約2%を占める。上位5か国は[[中国]]、[[インド]]、[[ケニア]]、[[スリランカ]]、[[トルコ]]であり、国別生産量は次表のとおり<ref name="FAO">{{Cite web |url= http://faostat3.fao.org/home/index.html#VISUALIZE |publisher=FAO |title=FAOSTAT |accessdate=2013-01-27 |archiveurl= |archivedate=}}</ref>。
 
{| class="wikitable sortable"
|-
!国 !!2008!!2009!!2010
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|China}}||align="right"|{{formatnum:1274984}}||align="right"|{{formatnum:1375780}}||align="right"|{{formatnum:1467467}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|India}}||align="right"|{{formatnum:987000}}||align="right"|{{formatnum:972700}}||align="right"|{{formatnum:991180}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Kenya}}||align="right"|{{formatnum:345800}}||align="right"|{{formatnum:314100}}||align="right"|{{formatnum:399000}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Sri Lanka}}||align="right"|{{formatnum:318700}}||align="right"|{{formatnum:290000}}||align="right"|{{formatnum:282300}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Turkey}}||align="right"|{{formatnum:198046}}||align="right"|{{formatnum:198601}}||align="right"|{{formatnum: 235000}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Vietnam}}||align="right"|{{formatnum:173500}}||align="right"|{{formatnum:185700}}||align="right"|{{formatnum:198466}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Iran}}||align="right"|{{formatnum:165717}}||align="right"|{{formatnum:165717}}||align="right"|{{formatnum:165717}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Indonesia}}||align="right"|{{formatnum:150851}}||align="right"|{{formatnum:146440}}||align="right"|{{formatnum:150000}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Argentina}}||align="right"|{{formatnum:80142}}||align="right"|{{formatnum:71715}}||align="right"|{{formatnum:88574}}
|-
| style="text-align:left;"|{{flag|Japan}}||align="right"|{{formatnum:96500}}||align="right"|{{formatnum:86000}}||align="right"|{{formatnum:85000}}
|- class="sortbottom"
!合計!!{{formatnum:4211397}}!!{{formatnum:4242280}}!!{{formatnum:4518060}}
|}
 
[[日本]]の茶の生産量は[[静岡県]]が1位である(2020年統計)<ref name="pr20210219">{{Cite press release|和書|url=https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/attach/pdf/index-9.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210313061934/https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_kome/attach/pdf/index-9.pdf|format=PDF|language=日本語|title=作物統計調査 令和2年産茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量 -全国の荒茶生産量は、前年産に比べ15%減少-|publisher=農林水産省大臣官房統計部|date=2021-02-19|accessdate=2021-03-14|archivedate=2021-03-13}}</ref>。続いて[[鹿児島県]]が2位、[[三重県]]が3位、[[宮崎県]]が4位である<ref name="pr20210219" /><ref>{{Cite news|url=https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/863289.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210314175839/https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/863289.html|title=静岡県 茶生産量、薄氷の日本一 鹿児島、1300トン差に迫る|newspaper=[[静岡新聞]]|date=2021-02-20|accessdate=2021-03-14|archivedate=2021-03-14}}</ref>。産出額においては静岡県が[[2019年]]に鹿児島県に抜かれ、[[1970年]]から49年間続いた首位の座から陥落した<ref>{{Cite news|url=https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/870204.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210314174013/https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/870204.html|title=静岡県 茶産出額1位陥落 史上初、鹿児島県に譲る|newspaper=静岡新聞|date=2021-03-13|accessdate=2021-03-14|archivedate=2021-03-14}}</ref><ref name="373news20210316">{{Cite news|url=https://373news.com/_news/?storyid=134233|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210317055414/https://373news.com/_news/?storyid=134233|title=鹿児島、茶産出額全国1位に 19年252億円、初めて静岡抜く|newspaper=[[南日本新聞]]|date=2021-03-16|accessdate=2021-03-17|archivedate=2021-03-17}}</ref>。
 
=== 販売 ===
世界での茶類の販売額は454億ドルと推計され(イギリスの調査会社ユーロモニターインターナショナルによる)、「[[リプトン]]」ブランドを有する[[ユニリーバ]]が10%強のシェアを持つ最大手である<ref>【点検 世界シェア】「リプトン」ユニリーバ独走『日経産業新聞』2019年7月31日(食品・日用品・サービス面)</ref>。
 
== 成分と効能 ==
[[ファイル:Tea_in_different_grade_of_fermentation.jpg|サムネイル|280x280ピクセル|酸化成分が異なるお茶]]
{| class="floatright wikitable" style="font-size:smaller"
|+ 色々な茶(浸出液)100 g中の主な成分の比較<ref name="mext">{{Cite web|和書|url=https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm |title=五訂増補『日本食品標準成分表』 |accessdate=2014-06-15}}</ref>
! !![[玉露]]!![[煎茶]]!![[ほうじ茶]]!![[番茶]]!![[玄米茶]]!![[紅茶]]!![[ウーロン茶]]
|-
![[タンパク質]]
|1.3 g||0.2 g||0 g||0 g||0 g||0.1 g||0 g
|-
![[ビタミンB2]]
|0.11 mg||0.05 mg||0.02 mg||0.03 mg||0.01 mg||0.01 mg||0.03 mg
|-
![[葉酸]](ビタミンB9)
|150 μg||16 μg||13 μg||7 μg||3 μg||3 μg||2 μg
|-
![[ビタミンC]]
|19 mg||6 mg||0 mg||3 mg||1 mg||0 mg||0 mg
|-
![[カフェイン]]
|16 mg||20 mg||20 mg||10 mg||10 mg||30 mg||20 mg
|-
![[タンニン]]
|23 mg||70 mg||40 mg||30 mg||10 mg||10 mg||30 mg
|}
{{栄養価
| name =茶(instant, unsweetened, powder)
| water =5.09 g| kJ =1320| protein =20.21 g| fat =0 g| carbs =58.66 g| fiber =8.5 g| sugars =5.53 g| calcium_mg =118| iron_mg =2.26| magnesium_mg =272| phosphorus_mg =239| potassium_mg =6040| sodium_mg =72| zinc_mg =1.69| manganese_mg =133| selenium_μg =5.3| vitC_mg =0| thiamin_mg =0| riboflavin_mg =0.985| niacin_mg =10.8| pantothenic_mg =4.53| vitB6_mg=0.356| folate_ug =103| choline_mg =118.3| vitB12_ug =0| vitA_ug =0| betacarotene_ug =0| lutein_ug =0| vitE_mg =0| vitD_iu =0| vitK_ug =0| satfat =0 g| monofat =0 g| polyfat =0 g| opt1n =[[カフェイン]]| opt1v =3680 mg| opt2n =[[テオブロミン]]| opt2v =71 mg| right=1 | source_usda=1
}}
茶を嗜好品として特別視せしめたのは[[カフェイン]]が含有されている事であるが、茶には他にも次のような各種有効成分があると言われている。
* [[タンニン]]([[カテキン]]類)
* [[テアニン]]
* [[ビタミンC]]
[[カフェイン]]の主な作用は、[[中枢神経]]を興奮させることによる覚醒作用及び強心作用、[[脂肪酸]]増加作用による呼吸量と熱発生作用の増加による皮下脂肪燃焼効果<ref name="ikegaya" />、脳細動脈収縮作用、利尿作用などがある<ref>{{Cite web|url=https://www.heart.org/?identifier=4445 |title=Caffeine |publisher=American Heart Association |language=en |accessdate=2007-11-17 |deadlinkdate=2022-03-26 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20071110111338/http://www.americanheart.org/presenter.jhtml?identifier=4445 |archivedate=2007-11-10}}</ref>。
 
カテキンには実に多様な生理活性があることが報告されており、それらを列挙すると、[[血圧]]上昇抑制作用<ref name="tanaka" /><ref name="kajita" />、血中[[コレステロール]]調節作用、[[血糖値]]調節作用(詳細は以下を参照のこと)、[[抗酸化物質|抗酸化作用]]<ref>{{Cite journal|和書|author=梶本五郎 |doi=10.3136/nskkk1962.10.9_365 |title=茶葉中の抗酸化成分および抗菌性成分について(第3報) カテキン類の抗酸化性とカフエインの相乗作用について |journal=日本食品工業学会誌 |year=1963 |volume=10 |issue=9 |pages=365-368}}</ref><ref>{{Cite journal|和書|author=山口真彦 |title=天然抗酸化物質に関する研究 |journal=日本食品工業学会誌 |volume=22 |issue=6 |pages=270-274 |year=1975 |doi=10.3136/nskkk1962.22.270}}</ref><ref name="kajita" />、[[老化]]抑制作用{{Efn|詳細は「[[老化#糖化反応説]]」「[[サポニン]]」を参照。}}、抗[[突然変異]]、抗癌<ref name="tanaka" /><ref name="kajita" />、[[抗菌]]、抗[[う蝕]]<ref name=tanaka>田中達郎,石垣正一:『食品と科学』,12,110(1989)</ref><ref name="kajita">{{Cite journal|和書|author=梶田武俊 |doi=10.11402/cookeryscience1968.25.1_51 |title=お茶の話 |journal=調理科学 |year=1992 |volume=25 |issue=1 |pages=51-59}}</ref>などとなる<ref name="ikegaya">{{Cite journal|和書|author=池ケ谷賢次郎 |doi=10.3358/shokueishi.30.254 |title=茶の機能と衛生 |journal=食品衛生学雑誌 |year=1989 |volume=30 |issue=3 |pages=254-257}}</ref>。
{{main|カテキン}}
 
チャの葉や種子のテアサポニン(theasaponin)類、アッサムサポニン(assamsaponin)類には[[小腸]]での[[グルコース]]の吸収抑制等による[[血糖値]]上昇抑制活性が認められた<ref>{{Cite journal|和書|author=吉川雅之 |doi=10.1271/kagakutoseibutsu1962.40.172 |title=薬用食物の糖尿病予防成分 |journal=化学と生物 |year=2002 |volume=40 |issue=3 |pages=172-178}}</ref>(詳細は「[[サポニン]]」参照)。動物実験で[[日本茶]]、特に[[番茶]]、中でも[[多糖類]](ポリサッカライド)を有効成分とする番茶冷浸エキスでの血糖降下作用が認められた<ref>{{Cite journal|和書|author=清水岑夫 |author2=和田修治 |author3=林利光 |author4=有澤宗久 |author5=池ヶ谷賢次郎 |author6=大角誠治 |author7=矢野三郎 |author8=森田直賢 |doi=10.1248/yakushi1947.108.10_964 |title=日本茶の血糖降下作用成分に関する研究 |journal=藥學雜誌 |year=1988 |volume=108 |issue=10 |pages=964-970}}</ref>。
 
[[テアニン]]にはリラックス効果<ref>{{cite journal|和書|author=小林加奈理 |author2=長戸有希子 |author3=L.R.ジュネジャ |author4=金武祚 |author5=山本武彦 |author6=杉本助男|title= L-テアニンのヒトの脳波に及ぼす影響|journal=日本農芸化学会誌|volume=72| issue=2|pages= 19-23 |year=1998 |doi=10.1271/nogeikagaku1924.72.153}}</ref>、抗ストレス作用<ref>{{cite journal|journal=Biol. Psychol. |year=2007|volume= 74|issue= 1|pages= 39-45|title=<small>L</small>-Theanine reduces psychological and physiological stress responses|author=Kimura K, Ozeki M, Juneja LR, Ohira H|pmid= 16930802 |doi=10.1016/j.biopsycho.2006.06.006}}</ref>、睡眠の質の改善<ref>{{cite journal|和書|author=小関誠 |author2=L.R.ジュネジャ |author3=白川修一郎|title= アクチグラフを用いたL-テアニンの睡眠改善効
果の検討|journal=日本生理人類学会誌|volume=9|issue=4|pages= 143-150 |year=2004|naid = 110002510948|doi=10.20718/jjpa.9.4_143}}</ref>[[月経前症候群|月経前症候群(PMS)]]の軽減<ref>{{cite journal|和書|author=上田智子 |author2=小関誠 |author3=大久保勉 |author4=朱政治 |author5=L.R.ジュネジャ |author6=[[横越英彦]] |author7=松本清一|title= PMSと健康食品: L-テアニンの月経前症候群改善効果に関する研究 |journal=女性心身医学|volume=6|issue=2|pages= 234-239 |year=2001 |naid=110004012542|doi=10.18977/jspog.6.2_234}}</ref>、認知活動や気分の改善<ref name="pmid18006208">{{cite journal |author=Haskell CF |author2=Kennedy DO |author3=Milne AL |author4=Wesnes KA |author5=Scholey AB |title=The effects of L-theanine, caffeine and their combination on cognition and mood |journal=Biol. Psychol. |volume=77 |issue=2 |pages=113-22 |year=2008 |pmid=18006208 |doi=10.1016/j.biopsycho.2007.09.008}}</ref>の作用がある(詳細は[[テアニン]]を参照のこと)。
 
[[モンゴル]]など野菜が不足する地域では、茶を飲む習慣があり、1日に10杯程度飲むと言われているが、[[遊牧民]]が愛飲する[[煉瓦|レンガ]]状に固められた茶葉を分析すると、[[ビタミン]]はほとんど存在しなかった<ref>{{Cite web|和書|author=石井智美 |url=https://facts.net/longest-bones-human-body/ |title=第2回 遊牧民宅のはなし |accessdate=2014-02-25 |deadlinkdate=2022-03-25 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20100712100840/http://www.hone-kenko.org/mongol/bn_01.html |archivedate=2010-07-12}}</ref>。むしろ、遊牧民が夏場に愛飲する[[馬乳酒]]中の[[乳酸菌]]がビタミンCを生成するため、[[野菜]]や[[果物]]を摂れない遊牧民の[[ビタミンC]]補給源となっていると言われている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kikkoman.co.jp/kiifc/tenji/tenji08/mongol06.html |title=館内展示パネル - 自然がささえる草原の食卓 |publisher=[[キッコーマン]] |work=キッコーマン国際食文化研究センター |accessdate=2014-02-25}}</ref><ref name=kyoto>{{Citation|author=石井智美 |url=http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/files/img/publish/alpub/jcas_ren/REN_04/REN_04_009.pdf |format=PDF |title=内陸アジアの遊牧民の製造する乳酒に関する微生物学的研究 |publisher=国立民族学博物館地域研 |work=[http://www.cias.kyoto-u.ac.jp/publish/id635.html#vol4 JCAS連携研究成果報告4] |date=2003年1月31日 |pages=103-123 |accessdate=2014-02-25}}</ref>。
 
茶は[[デザイナーフーズ計画]]のピラミッドで2群に属しており、[[タマネギ]]や[[ターメリック]]と共に、2群の最上位に属する高い[[癌]]予防効果のある食材であると位置づけられていた<ref>{{cite journal|和書|author=大澤俊彦 |doi=10.2740/jisdh.20.11 |title=がん予防と食品 |journal=日本食生活学会誌 |year=2009 |volume=20 |issue=1 |pages=11-16}}</ref>。
 
茶には[[シュウ酸]]が含まれており、乾燥茶葉100 g中の含有量は、[[玉露]](上級)1,290 mg、[[煎茶]](上級)820 mg、番茶740 mg、[[ほうじ茶]]770 mgであった<ref>{{cite journal|和書|author=堀江秀樹 |author2=木幡勝則 |title=各種緑茶中のシュウ酸含量とその味への寄与 |journal=茶業研究報告 |year=2000 |volume=2000 |issue=89 |pages=23-27 |doi=10.5979/cha.2000.89_23}}</ref>。
 
ハーバード大学医学部によると、お茶にはフラボノイドが豊富に含まれているため、野菜や果物と同様に物忘れをふせぐ効果があるとのことである<ref>{{Cite web|title=Can flavonoids help fend off forgetfulness?|url=https://www.health.harvard.edu/blog/can-flavonoids-help-fend-off-forgetfulness-202109172596 |website=Harvard Health|date=2021-09-17|accessdate=2022-01-08|language=en|first=Heidi|last=Godman}}</ref>。
 
なおデメリットもあり、先述の利尿作用は度が過ぎると水分不足につながることもある<ref>{{Cite web|和書|url=https://biz-journal.jp/2020/08/post_172091.html|title=夏の熱中症予防にはスポーツドリンクよりスイカが最適な理由…低カロリーで食物繊維が豊富|publisher=Business Journal|date=2020-08-06|accessdate=2020-11-23}}</ref>。
 
飲用のために熱湯もしくは常温、冷却された水に茶葉を浸して成分を抽出する場合、茶葉の種類にもよるが温度によって時間単位での溶け出す量が変化し、これにより成分や風味を調整することができる。
 
== 様々な茶と、茶を利用した食品 ==
=== 他の材料と混合した茶 ===<!--WP:POV-->
* [[花茶]]
** [[ジャスミン茶]](茉莉花茶、[[さんぴん茶]])
** 菊洱(ジュアル): [[プーアル茶]]に菊茶を加える。
** 蓮茶: 茶葉に[[ハス|蓮]]の花の香りをつける。[[ベトナム]]でポピュラーな飲み方。
* [[バター茶]]: 茶以外に[[バター]]、[[塩]]を含む。
* [[ミルクティー]]: 紅茶に[[牛乳]]、[[砂糖]]などを加える。
** [[チャーイェン]]: [[タイ王国|タイ]]ではポピュラーな茶の飲み方であり、茶に[[加糖練乳]](コンデンスミルク)を加える。
* [[果実]]茶
** [[レモンティー]]: 紅茶に[[レモン]]、[[砂糖]]などを加える。
** アップルティー: 紅茶に[[リンゴ]]、砂糖などを加える。但し、レモンティーとは少し手順が異なり、果肉の代わりに果汁やジュースを加えることもある。
* [[鴛鴦茶]]: 茶と[[コーヒー]]を混合する。
* [[チャイ|マサーラー・チャイ]]: [[インド]]や[[東南アジア]]諸国にて広く普及している茶の飲み方。[[カルダモン]]、[[クローブ]]などの[[香辛料]]、[[牛乳]]を含む。前述のミルクティーと要素は近いものの香辛料を加える点では大いに異なる。
* [[玄米茶]]
* [[ぶくぶく茶]]: 炒米を煎じて[[さんぴん茶]]に加え、泡立てた後に[[ピーナッツ]]粉末を振りかけて供することが代表的。日本の[[沖縄県]]。
* [[擂茶]]: [[客家]]の伝統茶で、[[落花生]]、[[ゴマ]]、[[玄米]]などを入れる。
* [[八宝茶]](三泡台): [[回族]]の伝統茶で、砂糖や[[ナツメ]]などを入れる。
* [[三道茶]]: [[ペー族]]の伝統茶で、砂糖や[[ルーシャン]]などを入れるものもある。
 
==== 茶を使った酒類 ====
茶は[[サワー]]、[[チューハイ]]の割材として使われるほか、静岡県では茶のファンや需要を増やすため、各種茶葉を様々な酒類([[ジン (蒸留酒)|ジン]]、[[ウォッカ]]、[[焼酎]]など)に浸漬して香りや甘味を抽出したクラフト[[リキュール]]や[[カクテル]]を「宵茶」として飲食店で提供している<ref>{{Cite news|和書|title=宵茶ほろ酔い良い香り/若者の需要拡大へ クラフトリキュール/酒に漬け込み成分抽出/産地の静岡県 提案 |newspaper=[[日本農業新聞]] |date=2021年6月11日 |at=13面}}</ref>。
 
=== 茶葉を用いた料理、菓子など ===
==== 料理 ====
* 食茶: 茶殻をそのまま食べること、また、その食材としての利用。
* [[茶漬け]]、[[ひつまぶし]]: ご飯に[[魚]]、[[塩辛]]、[[梅干]]、[[海苔]]、[[ミツバ|三つ葉]]などを乗せ、煎茶をかけて食べる。
* [[茶粥]]: 日本の[[奈良県]]と[[和歌山県]]では、茶葉を入れて粥を作る伝統がある(主に[[ほうじ茶]]を使用)。
* [[茶そば]]: 抹茶を練り込んだ[[蕎麦|蕎麦切り]]。
* [[龍井蝦仁]]: 中国[[浙江省]][[杭州市]]の名物料理で、川[[エビ]]の殻を剥いて、龍井茶の若葉と[[炒め]]たもの。
* 樟茶鴨: [[四川料理]]の一つで、下味をつけた[[アヒル]]を[[クス]]の葉とジャスミン茶でいぶして香り付けした後、蒸し、さらに表面を油で[[揚げる]]料理。
* [[茶卵]](茶鶏蛋): 中国で一般的な、茶や[[醤油]]などで味付けした[[ゆで卵]]。
* [[ラペソー]]: [[ミャンマー]]料理の一種。後発酵させ漬物のようになった茶葉を[[種実類|ナッツ]]や干[[エビ|蝦]]、生野菜などと和え、[[サラダ]]のように調理する。
 
==== 菓子 ====
* [[茶団子]]: [[団子]]に抹茶を加えて風味を添えたもの。大正初期に京都府[[宇治市]]の「{{読み仮名|大茶万|おちゃまん}}本店」で作られた物が発祥。
* [[はったい粉]]、[[ツァンパ]]: [[大麦]]の粉を使う練り[[菓子]]の一つで、茶を用いる場合もある。
ほか、[[抹茶アイスクリーム]]、抹茶[[ババロア]]、抹茶[[ケーキ]]など、緑茶の風味を添えた[[洋菓子]]・[[和菓子]]が日本には多い。また、チョコレート菓子(※「準」扱い含む)の製品は特に多い。
 
また、[[タイ北部|北タイ]]の[[ラーンナー]]地方には茶葉にナッツなどをくるんだものを[[ガム]]のように噛んで味わう、[[黒茶|噛み茶]]が存在する{{Efn|タイ語で {{lang|th|เมี่ยง}} {{IPA|mîaŋ}} と呼び、言語学者の[[冨田竹二郎]]はこの語が中国語の「茗」(茶葉の別称、あるいは茶の若葉のこと)から来たのではないかとしている。<ref>{{Cite book|和書|author=冨田竹二郎編著|title=タイ日大辞典〈第三版〉|date=1997年10月1日|publisher=めこん|isbn=978-4-8396-0114-0|page=1176}}</ref>}}。
 
これら以外にも、茶葉を使った料理は日本や中国を中心に様々なものがある<ref>{{Cite web|和書|url=https://allabout.co.jp/gourmet/chinesetea/subject/msubsub_teacook.htm |website=AllAbout |title=お茶を使った料理たち |accessdate=2007-02-06 |deadlinkdate=2022-03-26 |archiveurl= |archivedate=}}</ref>。
 
=== 食用以外での利用 ===
日本では[[平安時代]]より[[江戸時代]]まで、茶は[[染料]]として利用されており「茶色」は正しく茶の色だった。時代とともに、茶そのものよりも茶色が出しやすい別の染料に置き換わる形で次第に利用されなくなった。[[元禄]]時代には茶色ブームが起き、当時の「茶」の付く色の和名は80種を超える<ref>{{Cite |和書 |author = 山田新市 |title = 江戸のお茶:俳諧 茶の歳時記 |date = 2007 |publisher = 八坂書房 |isbn = 9784896948974 |ref = harv |pages=152-164}}</ref>。
 
== 茶ではない「茶」{{Anchors|茶外茶}} ==
{{Main|茶外茶}}
本項ではこれまでISOの定義<ref name=":2" />に従い「[[チャノキ]]の」「生葉」「のみ」を使った茶について論じてきたが、これ以外にも「茶」と呼ばれる嗜好品は存在する。これらの「茶外の茶」をも含めた「茶」は以下のように分類できる:
 
* 狭義の茶:チャを原料とする茶<ref name=":3">{{Cite journal|author=落合雪野|title=茶外の茶 : 嗜好品と医薬品のはざまで|url=https://irdb.nii.ac.jp/00926/0001773456|journal=東洋文化研究所紀要|volume=164|pages=62-98|language=ja|format=pdf}}</ref>
* 中間義の茶:植物の葉を煎じる飲料<ref name=":3" />
* 広義の茶:アルコール性飲料や生の果汁を除いた飲料全般<ref name=":3" />
 
[[ジャスミン茶]]のような[[花茶]]、茶葉を固めた[[緊圧茶]]、[[ティーバッグ]]や[[粉末茶]]などはチャノキの葉を原料とした「茶」をさらに加工した加工製品で、「[[再加工茶]]」と呼ばれる<ref>{{Cite web |title=再加工茶-花茶、緊圧茶など再加工したお茶 |url=https://teamedia.jp/knowledge/reprocessing_tea |website=Teamedia |date=2020-04-17 |access-date=2024-03-20 |language=ja}}</ref>。
 
 
以下では上述した3分類によらず、「植物由来の茶」「[[菌類|真菌]]由来の茶」「[[動物]]に由来の茶」のように茶の生成に関わった生物種によって「茶外の茶」を分類して紹介する:
 
=== 植物由来 ===
{{columns-list|15em|
* [[麦茶]]<!--イネ目-->
* [[ハトムギ#利用|ハトムギ茶]]<!--イネ目-->
* [[クマザサ#利用|熊笹茶]]<!--イネ目-->
* [[竹]]茶<!--イネ目-->
* [[そば茶]]<!--タデ目-->
* [[エビスグサ|ハブ]]茶<!--マメ目-->
* [[甜茶]]<!--多種-->
* [[甘茶]]<!--バラ目-->
* [[アマチャヅル|甘茶蔓]]茶<!--スミレ目-->
* [[トチュウ|杜仲]]茶<!--トチュウ目-->
* [[苦丁茶]]<!--ニシキギ目等-->
* [[ドクダミ]]茶<!--コショウ目-->
* [[コーヒー生豆茶]]<!--リンドウ目-->
* [[シソ|紫蘇]]茶<!--シソ目-->
* 緑甘茶(緑天茶)<!--ユキノシタ科-->
* [[ツルレイシ|ゴーヤー]]茶
* [[マタタビ]]茶<!--ツバキ目-->
* [[ユズ#食材|柚子茶]]<!--ムクロジ目-->
* 陳皮茶([[ウンシュウミカン|蜜柑]]の皮茶)<!--ムクロジ目-->
* [[韓国伝統茶]]
* [[ハーブティー]]
* [[マテ茶]]<!--南米-->
* [[羅漢果]]茶
* [[コカ|コカ茶]]<!--南米-->
* [[ルイボス#ルイボス茶|ルイボス茶]]<!--南ア-->
* ハニーブッシュティー<!--南ア-->
* [[桜]]漬葉茶
* [[昆布茶]]
* [[梅干|梅]]昆布茶
}}
ほか、多数
 
=== 真菌類由来 ===
* [[シイタケ|椎茸]]茶
 
=== 動物由来 ===
* [[虫糞茶]](虫屎茶): 茶の材料とする茶葉(チャノキの葉に限らず)を[[ガ|蛾]]の[[幼虫]]に食べさせる。その結果として得られる物は[[糞]]であるが、分解が進み、動物性の[[うま味|旨み]]も加わった自然加工物である。
* [[象糞茶]]: [[アフリカ大陸]]東部に暮らす[[マサイ族]]などが[[乾期]]の[[ゾウ]]<!--注:アフリカゾウ非限定(マルミミゾウもあり)-->の糞を元に作る飲み物。別名・サバンナティー。
 
== ティーバッグ ==
[[ティーバッグ]]は1907年に、アメリカの茶商トーマス・サリヴァンが、[[絹]]の小さなバッグの中に茶葉を入れ、配布したのが始まり{{Sfn|ビアトリス・ホーネガー|2020|loc=ティーバッグ――偶然の発明}}。
 
== 茶の音楽 ==
=== 邦楽 ===
; 『宇治巡り』([[地歌]]・[[箏曲]])
: [[文化 (元号)|文化]][[文政]]の頃、京都で活躍した[[視覚障害者|盲人]]音楽家・[[松浦検校]]が作曲した[[手事物#手事(てごと)もの|手事(てごと)もの]]地歌曲。[[箏]]の手付は[[八重崎検校]]。「[[喜撰]]」「雁が音」など、多数の茶の銘を詠み込み四季の順に配列しつつ、春夏秋冬の[[宇治茶|茶の名産地である宇治]]を巡り歩くという風流な趣向の曲。大曲で、二箇所の手事(楽器だけで奏される器楽[[間奏]]部)も音楽的に凝ったもので、[[転調]]も頻繁に現れ、技術的にもなかなか難しい曲。「松浦の四つ物(四大名曲)」の一つとされている。
; 『[[茶音頭]]』(地歌・箏曲)
: [[化政文化|文化文政時代]]、京都で活躍した盲人音楽家・[[菊岡検校]]が作曲、八重崎検校が箏の手付をした手事もの地歌曲。[[俳人]][[横井也有]]の「女手前」から抜粋した歌詞で、多数の[[茶道具]]を詠み込みつつ男女の仲がいつまでも続くよう願った内容。[[三味線]]の[[調弦]]が「六下り」という非常に特殊なもので、独特な響きがこの曲独自の雰囲気を作り出しており、歌の節も凝っている一方で手事が長く、八重崎検校の箏手付も巧みで合奏音楽としてもよくできているので、現代でも演奏会でよく採り上げられる曲である。「[[音頭]]」という語が付いているが、[[民謡]]ではなく、れっきとした芸術音楽。[[お点前]]の伴奏として演奏されることもある。
; 『宇治茶』([[上方歌]]・[[端唄]]・[[うた沢]])
; 『[[茶摘み]]』([[文部省唱歌]]。[[作詞]][[作曲]]者不詳)
; 『[[ちゃっきり節]]』(静岡県の[[新民謡]]。作詞:[[北原白秋]]、作曲:[[町田嘉章]])
 
=== クラシック音楽 ===
* [[ピョートル・チャイコフスキー|チャイコフスキー]]: [[バレエ]]音楽『[[くるみ割り人形]]』より「お茶(中国の踊り)」。
* [[フランツ・レハール|レハール]]: [[オペレッタ]]『微笑みの国』より、二重唱曲「お茶を飲みつつ語らえば」。
* [[ドミートリイ・ショスタコーヴィチ|ショスタコーヴィチ]]: [[タヒチ・トロット]](『[[二人でお茶を (曲)|二人でお茶を]]』という流行歌の編曲)。
 
その他、茶製造に関する[[労働歌]]、民謡として「茶摘み歌」「茶揉み歌」などが各地にある。またこれらに、茶に関する童謡や歌謡曲を含めて「茶歌」と言われることがある。
 
== 茶の庭 ==
[[File:George Morland (1763-1804) - The Tea Garden - T00055 - Tate.jpg|thumb|1790年に[[ジョージ・モーランド]]が[[ラネラーガーデン]]に作った''The Tea Garden''の絵]]
 
茶の庭、ティーガーデン(Tea garden)とは、茶や軽食を提供する[[屋外]][[空間]]や[[庭園]]、あるいは茶を飲むことを連想させる庭園のことである。特にインドでは[[茶畑]]の俗称でもある<ref>{{cite web| url = https://www.merriam-webster.com/dictionary/tea%20garden|title=Tea garden Definition & Meaning|website=Merriam-Webster |access-date=2023-04-09 }}</ref>。茶園は初期のイギリスの商業的な[[遊園]]の一部で、しばしば[[カップル]]などの出会い目的で訪れた。男性は[[ローンボウルズ]]に興じてビールまたはワインで過ごし、女性はティーガーデンで過ごすのだった。ただし現代では[[カフェ]]や[[喫茶店]]の屋外スペースを意味することが多い。
{{main|:en:Tea garden}}
[[File:Female workers at a tea Garden of Assam.jpg|thumb|2017年の[[アッサム茶]]の収穫風景]]
[[Image:Jingu Chashitsu04.jpg|thumb|[[伊勢神宮]]の霽月[[茶室]]に通じる[[露地]]で、飛び石、苔、[[竹]]門、外苑と内苑への区分などが典型的]]
 
[[日本庭園]]において茶の庭は''[[露地]]''といった比較的小さな庭の特殊な様式であり、元々は[[茶室]]の入口の庭として、[[茶道]]のために到着した客の気分を盛り上げるために作庭される<ref>{{cite web|url=https://www.britannica.com/art/landscape-architecture|title=Landscape architecture|website=[[Encyclopedia Britannica]] |access-date=2023-04-09 }}</ref>。庭園は建物へ通じる道から見えるようにしか設計されておらず、通常その中で[[茶道]]をたしなむ。この様式は小規模な[[前庭]]に適しており、日本や西洋でしばしば用いられてきた。
 
このほか、[[カモミール]]、[[モナルダ|ビーバーム]]、[[ペパーミント]]、[[レモンバーム]]、[[ラベンダー]]などのお茶として飲む[[ハーブ]]に特化した[[キッチンガーデン]]の[[ハーブ]]ガーデンに対して用いられることもある<ref>{{Cite web|url=https://www.finegardening.com/article/plant-an-herbal-tea-garden|title=Plant an Herbal Tea Garden|date=June 29, 2013|first=Chris|last=McLaughlin|website=[[Fine Gardening]] |access-date=2023-04-09 }}</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{reflist|30em}}
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book |和書 |author=陳舜臣|authorlink=陳舜臣 |title=茶の話――茶事遍路 |series=[[朝日文庫]] |publisher=朝日新聞社 |year=1992 |isbn=4-02-260705-X |ref=harv}}
* {{Cite |和書 |author = マグロンヌ・トゥーサン=サマ |translator = 玉村豊男 |title = 世界食物百科 |date = 1998 |publisher = 原書房 |isbn = 4562030534 |ref = harv |pages=623-624 }}
* {{Cite book |和書 |author=岩間眞知子 |title=茶の医薬史 中国と日本 |year=2009 |publisher=思文閣出版 |isbn=978-4-7842-1463-1 |ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author1=大森正司|authorlink1=大森正司|author2=阿南豊正 |author3=伊勢村護|authorlink3=伊勢村護|author4=加藤みゆき |author5=滝口明子 |author6=中村羊一郎 |title=茶の事典 |year=2017 |publisher=朝倉書店 |isbn=9784254431209 |ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author=ビアトリス・ホーネガー |translator=平田紀之 |title=茶の世界史 |year=2020 |isbn=9784560097601 |ref=harv}}
* {{Cite book|和書 |title=お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ |publisher=講談社 |date=2017/5/17 |isbn=978-4-06-502016-6 |author=大森正司 |ref=大森}}
{{参照方法|date=2022-02-03|section=1}}
* {{Cite book |和書 |author=松崎芳郎 |title=年表 茶の世界史 |year= 2012 |publisher=[[八坂書房]] |isbn=978-4-89694-144-9}}
* 松田興昌・田村哲也『田水會喜多十左衛門喫茶法』共同著書 オフィスtan 2014年。
* Cha Tea紅茶教室『図説 英国ティーカップの歴史』河出書房新社 (2012年) ISBN 978-4-309-76189-3 C0372
 
== 関連項目 ==
派生語は[[桃太郎#派生用語]]も参照。
{{Commons&cat|Tea|Tea}}
* 桃太郎シリーズ - 上記おとぎ話をモデルにした[[ハドソン]]のゲームシリーズ。
* 分類学 - [[チャノキ]] / [[木の一覧]]
** [[桃太郎伝説]]([[桃太郎伝説シリーズ]]) - [[コンピュータRPG]]。
* 大別 - [[緑茶]] / [[紅茶]]
*** [[桃太郎伝説 (アニメ)]] - 上記ゲームを原作にしたテレビアニメ。
* 国別 - [[日本茶]] / [[中国茶]]
** [[桃太郎電鉄]]([[桃太郎電鉄シリーズ]]) - コンピュータ[[ボードゲーム]]。
* 製法 - [[深蒸し茶]] / [[醗酵茶]]
* 生産 -* [[モノカルチャー桃太郎活劇]] /- [[プラPCエテーション]] / [[製茶]] / [[検茶アクションゲーム]]
** [[桃太郎電劇]] - [[ゲームボーイ]]用にアクションゲーム。
* 銘柄 - [[伊勢茶]] / [[宇治茶]] / [[狭山茶]] / [[静岡茶]] / [[大和茶]] / [[知覧茶]]
*** [[桃太郎電劇2]]
* 淹れる - [[ISO 3103]](茶の淹れ方に関する国際標準)
** [[桃太郎道中記]] - 桃太郎電鉄シリーズと同一内容の[[セガサターン]]用ゲームソフト。
* 嗜む - [[茶道]] / [[闘茶]]・[[お茶講]] / [[茶#茶葉を用いた料理、菓子など|食茶]] / [[茶漬け]] / [[茶碗]] / [[給茶機]]
* [[桃太郎侍]] - [[山手樹一郎]]の時代小説。またそれを原作にした時代劇映画やテレビドラマ。
* 人物 - [[明菴栄西|栄西]] / [[千利休]] / [[大谷嘉兵衛]](茶聖とも言われる実業家)
* [[岡山空港|岡山桃太郎空港]] - [[岡山空港]]の愛称。
* 施設 - [[入間市博物館]]([[狭山茶]]の産地として茶をメインテーマとする。国登録有形民俗文化財「狭山茶の生産用具」を所蔵) / [[茶店]] / [[喫茶店]]
* [[おかやま桃太郎まつり]] - [[岡山市]]で行われる祭り。
* 作品 - [[茶柱倶楽部]](「茶」をメインテーマにした漫画作品)<!-- 茶を題材とした作品は希少な気がするので、ここに追加しました。もし不要と思われましたら外して下さい。 -->
* [[桃太郎スタジアム]] - [[岡山県総合グラウンド陸上競技場]]の愛称。
* その他 - [[乾物]] / [[コーヒー]]
* [[桃太郎アリーナ]] - [[岡山県総合グラウンド体育館]]の愛称。
* [[お茶の振興に関する法律]]
* モモタロー。 - [[ものまねタレント]]・[[女性声優]]。本名・[[桜井ちひろ]]。
* [[茶色]]
 
{{Aimai}}
== 外部リンク ==
{{Wikiquote|茶}}
{{Wiktionary|茶|お茶}}
* {{PaulingInstitute|mic/food-beverages/tea Tea}}
* {{Hfnet|491|チャ(茶)}}
* [http://www.nihon-cha.or.jp/ 公益社団法人日本茶業中央会]
* {{Wayback |url=http://www.city.shizuoka.jp/deps/norin/tea/ |title=お茶の国しずおか(茶の入れ方など)|date=20180806051003 }}
* [https://jp.rbth.com/arts/2014/02/20/47225 クラスノダル紅茶](ロシア・ビヨンド、2014年2月20日、ロシアNOW、ミトリー・スホドリスキー)
* {{Egov law|423AC1000000021|お茶の振興に関する法律}}
* {{Kotobank}}
 
{{デフォルトソート:ももたろう}}
{{茶}}
[[Category:同名の作品]]
{{Normdaten}}
[[Category:日本語の男性名]]
[[アッサムチャ|var. assamica]]
{{DEFAULTSORT:ちや}}
[[Category:茶|*]]
[[Category:喫茶文化]]
[[Category:工芸作物]]