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「ドローン」の語義のひとつに、この種の無人航空機のことを指す用法がある。[[オックスフォード英語辞典]]第2版では「{{lang|en|drone}}」の、語義のひとつとして「{{lang|en|a pilotless aircraft or missile directed by remote control.}}(遠隔操作で指向され、操縦手の搭乗しない航空機ないし飛翔体)」としており、そこに挙げられている用例としては1946年のものが最も古い{{Efn2|OED2eでは由来については触れられていない。一説には、[[デ・ハビランド DH.82 タイガー・モス|DH.82 タイガー・モス]]の無線操縦改造型の愛称「クインビー」(女王蜂)からの転で、雄蜂のことである「ドローン」という語が使われるようになった、という。収録されている用例の時期からも、同機の時代までは歴史を遡るはずである。}}。しかし、2018年現在の英語圏では特に[[ラジコン|無線操縦]]機と区別して、自律性を持つ機体をドローンと呼んでいる場合もある<ref>https://www.dronesetc.com/blogs/news/21481409-what-is-the-difference-between-a-drone-and-an-rc-plane-or-helicopter</ref><ref>http://www.differencebetween.info/difference-between-drone-and-rc-plane</ref>。あくまで用法による呼称であり、ドローンという呼称自体は一般に誤解されるようなクワッドコプターなどの「形」を指す物では無い。そのため、飛行機型やヘリコプター型は勿論、陸上を走るものや水中を進む物も、ドローンの用途であれば「ドローン」である。
{{seealso|クワッドローター|マルチコプター}}
====語源====
語源は 古英語の「雄バチ」[[w:Drone (bee)|drānまたは drǣn]]。ハチのブンブンいう羽音。また持続する低く響くブーンという音。ただブーンと音を立てながら飛ぶものから「無人機」へと発展。
=== 法的規制 ===
{{Law|section=1}}{{See also|en:Regulation of unmanned aerial vehicles}}
従来の航空法では目視で操縦する[[ラジコン]]が想定されていたが、2010年代以降安価なマルチコプターが市販されるようになると、空撮中の墜落<ref>[https://web.archive.org/web/20150521033543/http://www.sankei.com/affairs/news/150521/afr1505210008-n1.html 15歳少年逮捕 浅草・三社祭で「ドローン飛ばす」予告、業務妨害の疑い]</ref>や[[空港]]への侵入、目視出来ない距離での飛行<ref>[https://web.archive.org/web/20151117025425/http://www.iza.ne.jp/kiji/events/photos/150920/evt15092022450020-p1.html 「機体見えなくなった」姫路城ドローン衝突事故、操縦の男性名乗り出る] 産経新聞 2015年9月20日</ref>などの問題が発生するようになった。またメーカーが開発する際にも法的なトラブルが発生した。[[イギリス]]では、現行の法律上、国内に軍用無人航空機の試験飛行ができる場所がなかったため、
日本では2015年12月10日施行の改正[[航空法]]で「無人航空機」が定義された。「航空の用に供することができる[[飛行機]]、[[回転翼航空機]]、[[滑空機]]、[[飛行船]]その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作(無線遠隔操作とは限定していないので有線遠隔操作も含むと考えられる)又は自動操縦により飛行させることができるもの(100g未満の重量(機体本体の重量と[[バッテリー]]の重量の合計)のものを除く)」となっている<ref name=":0">http://www.mlit.go.jp/common/001218182.pdf</ref>。従来のラジコン飛行機やラジコンヘリなども、そのほとんどが「100g以上で遠隔操作や自動操縦が可能な無人飛行体」として無人航空機に含まれる。なお、単純なゴム動力飛行機などは、重量の面や遠隔操作や自動操縦が不能なことから無人航空機の定義には含まれない<ref name=":0" />。また、最大離陸重量150kg以上の無人の航空機は、本法における無人航空機ではなく通常の航空機に近い「無操縦者航空機」として扱われ、求められる資格や適用される法が異なる。未だ[[モーターグライダー|動力滑空機]]を除いて電動プロペラ機カテゴリーが存在しない有人機と異なり、電動無人航空機の存在を前提とした条文となっている。
その他、同改正[[航空法]]により、無人航空機の飛行ルールが定められた<ref>{{Cite news |title=ドローンなど許可申請ラッシュ 改正航空法施行 「こんなに来るとは」…国交省 |newspaper=産経ニュース |date=2015-12-27 |url=https://www.sankei.com/article/20151227-AZYZ657B2BI4FJVL6XTNDBBTV4/ |accessdate=2016-04-06}}</ref>。また、[[2016年]](平成28年)[[4月7日]]施行の[[重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律|小型無人機等飛行禁止法]]により、内閣総理大臣官邸をはじめとする国の重要施設、外国公館や原子力事業所などの周辺地域の上空でドローン等を飛行させることが禁止されている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.npa.go.jp/keibi/kogatamujinki/index.html |title=小型無人機等飛行禁止法について |publisher=警察庁 |accessdate=2016-04-20}}</ref>。当該法は、無人航空機「等」とされているように、多くの航空法が適用されないケースが多い100g以下の「模型航空機」も当該法に含まれるため、注意が必要である。加えて、2021年の航空法施行規則改正によって災害時に[[緊急用務空域]]が設定されるようになり、許可を得ていない無人航空機等は当該空域内の飛行が禁止されている。
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固定翼機では離着陸時に地上を滑走するものが多いが、小型の機体では[[貨物自動車|トラック]]の荷台に載せた[[カタパルト]]から打ち出すものや、さらに小さな機体では手で投げるものもあり、回収方法も小型のものでは[[網|ネット]]で受けたり地上のワイヤーに機体のフックを引っかけて回収する機種もある<ref>石川潤一著 『米4軍無人機部隊の全貌』、[[軍事研究]]2005年3月号、(株)ジャパン・ミリタリー・レビュー</ref>。例として[[RQ-2 パイオニア]]はネットで回収する。[[スウィフト020]]のように機体後部で接地する垂直離着陸機も登場している。
比較的低空を飛行するため騒音対策として推進器に
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==== 標的機・偵察機の登場 ====
同大戦後、[[軍事]]関係で無人機として広く普及したものは'''[[#標的機|標的機]]'''([[ターゲット・ドローン]])であった。[[冷戦]]が本格化した[[1950年代]]に[[アメリカ空軍]]では{{仮リンク|BQM-34 ファイヤービー|en|Ryan Firebee}}のような高速飛行するジェット推進式の標的機を配備し、[[アメリカ軍]]と敵対した[[ソビエト連邦軍]]も同様の[[La-17 (航空機)|La-17]]を配備した。アメリカ海軍では無線操縦式の[[ヘリコプター]]である[[QH-50 DASH]]により、海上を飛行して[[魚雷]]を投下する用途で[[1960年代]]に開発、実際に配備した。
[[1960年代]]から[[1970年代]]にかけて無線機の小型化や電子誘導装置が発達したことにより、写真[[偵察]]などを目的とする[[D-21 (航空機)|D-21]]や[[マスティフ (航空機)|マスティフ]]などの無人偵察機が[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[イスラエル]]で本格的に開発開始され、特に標的機だったファイヤービーの[[偵察機]]型である{{仮リンク|ライアンモデル147 ライトニングバグ|en|Ryan Model 147}}は[[ベトナム戦争]]で活用された。また、試験的ながら攻撃用途での開発の先鞭が付けられ、ファイヤービーを武装化する実験に成功していた<ref>{{cite web|title=Teledyne Ryan Q-2/KDA/xQM-34/BGM-34 Firebee|web=Designation-Systems.Net |date=2003-05-26 |url=http://www.designation-systems.net/dusrm/m-34.html |accessdate=2019-12-19}}</ref>。
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アメリカやイスラエルと異なり、[[ヨーロッパ|欧州]]各国は無人機の有効性に懐疑的な主張が多く、アメリカ軍と比較して開発が遅れた<ref name="wsj20131009">{{cite news |title=視界不良の欧州の無人機開発 |newspaper=[[ウォール・ストリート・ジャーナル]] |date=2013-10-09 |url=http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303941704579124421457331680.html |accessdate=2013-11-02 |author=DAVID PEARSON}}</ref>。一方の[[中華人民共和国|中国]]は[[イラク戦争]]でのアメリカ軍の無人機の戦果を目の当たりにして[[軍事における革命]](RMA)として重視し<ref>Yang Jun, “Yilake jiujing shi shui de zhanchang” (Whose Battlefield is Iraq in the End?” Renmin Ribao (People’s Daily), August 10, 2007</ref>、無人機の開発で急速に存在感を示すことになった<ref>「無人機開発、中国が存在感=自衛隊も「重点研究」-都内でシンポジウム」時事通信2013年11月8日</ref><ref>{{cite news |title=中国軍用ドローンが世界を制する日 |newspaper=[[ニューズウィーク]] |date=2018-06-02 |url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10294_1.php |accessdate=2018-09-19}}</ref>。
[[日本]]では、[[ラジコン|ラジオコントロール式]]の無人ヘリコプターである[[遠隔操縦観測システム|遠隔操縦観測システム(FFOS)]]の開発を1988年に開始し、2004年に陸上自衛隊に導入された。また2001年からは高性能の無人偵察機である[[無人機研究システム]]の開発を開始。 上空で戦闘機から分離された後、プログラミングによる自律飛行をしながら偵察を行い、自力で飛行場に着陸するというタイプだったが、正式採用はされなかった<ref>{{Cite web |title=日本は偵察型を独自開発:時事ドットコム |url=https://www.jiji.com/jc/v2?id=20100324unmanned_aerial_vehicle_12 |website=時事ドットコム |access-date=2023-12-07 |language=ja}}</ref>。これは当時の自衛隊がドローンを不要であると考えており、幕僚監部が開発要求をしなかったためとされている<ref>{{Cite web |title=自衛隊はほんの数年前「ドローンのニーズはない」と言い切っていた |url=https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00478/071000059/ |website=日経ビジネス電子版 |access-date=2023-12-07 |language=ja |last=日経ビジネス電子版}}</ref>が、これは当時の[[主計局]]が固定翼ドローンを固定翼機と合算して固定翼有人機調達数を減らさんと虎視眈々と狙っていたことを、防衛省が察していた事も一因で、有人機と別枠となり始めた[[中期防衛力整備計画 (2019)]]以後、特に次の[[防衛力整備計画 (2023)]]からは顕著に導入が行われるようになった。
==== 新たな無人機の登場 ====
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==== パイロットの負担 ====
[[ファイル:Flickr - The U.S. Army - Piloting Unmanned Aircraft Systems.jpg|thumb|250px|[[MQ-1C (航空機)|MQ-1C]]の操縦者]]
大型機は衛星経由で遠隔操作が可能であるため、操縦員は地球の裏側の本国の基地内で、スクリーンを見ながら操縦していることも多い。このような無人機の運用は、操縦者が人間を殺傷したという実感を持ちにくいという意見がある<ref>[https://web.archive.org/web/20100506071314/http://mainichi.jp/select/world/news/20100430ddm003030027000c.html テロとの戦いと米国: 第4部 オバマの無人機戦争/1 ピーター・シンガー氏の話]{{リンク切れ|date=2014年3月}} - [[毎日新聞]] 2010年4月30日</ref><ref name="uav02">[https://web.archive.org/web/20100511050534/http://mainichi.jp/select/world/news/20100502ddm007030059000c.html テロとの戦いと米国: 第4部 オバマの無人機戦争/3 コソボ、イラクで操作した…]{{リンク切れ|date=2014年3月}} - [[毎日新聞]] 2010年5月2日</ref>。この場合は長期間戦地に派遣されることもなく、定時で任務を終えれば、そのまま家族のいる自宅に帰るのである。「ミサイルを発射して敵を殺す戦場」と「息子の[[サッカー]]の試合を見に行く日常」を毎日行き来する、従来の軍事作戦では有り得ない生活を送ることや、敵を殺傷する瞬間をカラーテレビカメラや[[赤外線]]カメラで鮮明に見ることが無人機の操縦員に大きな精神的[[ストレス (生体)|ストレス]]を与えているという意見もある<ref>{{Cite web |title=「地球の裏側から無人航空機でミサイルを発射する」兵士たちのストレス |url=https://wired.jp/2008/08/22/%E3%80%8C%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E8%A3%8F%E5%81%B4%E3%81%8B%E3%82%89%E7%84%A1%E4%BA%BA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%E3%81%A7%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%92%E7%99%BA%E5%B0%84%E3%81%99/ |website=WIRED.jp |date=2008-08-22 |access-date=2023-12-07 |language=ja-JP |first=Condé |last=Nast}}</ref>。
[[国際政治学者]]の[[P・W・シンガー]]によると、無人機の[[パイロット (航空)|パイロット]]は実際に[[イラク]]に展開している[[兵士]]よりも高い割合で[[心的外傷後ストレス障害|心的外傷後ストレス障害(PTSD)]]を発症している<ref>{{Citation|title=Military robots and the future of war|last=Singer|first=P. W.|date=2009-04-03|url=https://www.ted.com/talks/p_w_singer_military_robots_and_the_future_of_war|access-date=2023-12-07}}</ref>。
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==== 無人偵察機 ====
[[ファイル:Northrop Grumman RQ-4 Global Hawk (210476312).jpg|thumb|250px|RQ-4 グローバルホーク]]
[[偵察機]]は極端な低空や高高度を飛行するため危険性は高いが、[[偵察衛星]]より安価で柔軟に運用できることから早期に実用化された。現代では単座有人機ではパイロットの生理的に不可能な長時間を飛行し広域を偵察する大型機から、1人で持ち運べる小型機まで様々な機体が運用されている。
無人機ではパイロットの安全を考慮する必要が無いため、[[RQ-4 (航空機)|RQ-4]]のように偵察に特化した機体設計が可能となった。またカメラや通信機器の小型化・高性能化により偵察機能は標準装備に近くなり、攻撃機との兼用が可能な機体も登場している。ボーイングが開発中の艦載[[空中給油機]]「[[MQ-25 (航空機)|MQ-25]]」は偵察機としての運用も可能であり、空母のスペースを圧迫しないことが特徴となっている。
[[偵察]]任務には長時間の滞空が求められるために[[固定翼機]]が多いが、回転翼機も存在する。FFOSは[[ヘリコプター]]型で運動性が高い代わりに速度や高度、巡航距離の性能が固定翼機に比べて低いほか、高度な制御技術を要している。ほかに回転翼の無人機としては[[ボーイング]]社がA160 ハミングバードを開発中である。無人偵察機に似たコンセプトのものに、陸上ではUGV(Unmanned Ground Vehicle:無人陸上車両)、海中ではAUV(Autonomous Underwater Vehicle:無人潜航艇)が構想されており、試験段階にあるが、広範には用いられない。
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[[射弾観測]]には有人[[観測機]]が利用されていたが、大型機の映像を確認することが主流となり、射弾観測のためだけに有人機を飛行させることはなくなった。前線の部隊でも小型機により独自の観測が可能となった。
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[RQ-4 (航空機)|RQ-4 グローバルホーク]]や[[日本]]の[[遠隔操縦観測システム]] (FFOS) などがある。[[イスラエル]]に対立する[[イスラーム|イスラム]][[武装]]組織[[ヒズボラ]]も[[2006年]]に無人偵察機「ミルサード」の所有を公表している。
戦闘機の[[ウェポンベイ]]に搭載可能なサイズ(当然哨戒機や爆撃機のウェポンベイや輸送機の荷室にも搭載可能)の使い捨てUAVも研究されている。
民生用のドローンは操作が容易で小型ながらカメラを搭載することも可能であるため、航空機を保有できないゲリラなどが安価な偵察手段として多用している。2016年にはISによって自爆攻撃や迫撃砲の観測指揮に使われた。ドローンから送られる画像を見ながら指揮官が指示を出し、[[車爆弾]]に乗り込んだ乗員はスマートフォンで通話し情報を得ながら敵軍に突入して自爆し、シリア軍やイラク軍に大きな損害を与えた。政府側もドローンを活用して偵察手段に用いており、双方がドローンを戦場に投入している。[[2022年ロシアのウクライナ侵攻]]では[[ウクライナ]]、[[ロシア]]双方がドローンを大量に投入してるとみられ、各国がウクライナにドローンを供与し成果を上げたことから重要性が注目された<ref name=":3">{{Cite web|和書|title=【動画】ヘリ2機、ジェット機1機と、ドローンの「直接対決」...どうしても撃墜できないシーン |url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/09/21-52.php |website=Newsweek日本版 |date=2023-09-09 |access-date=2023-09-09 |language=ja}}</ref>。[[無人地上車両]]を目視外から遠隔操作するためにドローンの映像を利用するなど、他の無人機との組み合わせも考案されている<ref>{{Cite web|和書|title=ウクライナで無人機開発加速、地雷載せて走る無人機も…「技術革新だけがロシア打ち負かす手段」 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20230918-OYT1T50101/ |website=読売新聞オンライン |date=2023-09-18 |access-date=2023-09-19 |language=ja}}</ref>。
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[[英語]]では[[UCAV]] (Unmanned Combat Aerial Vehicle) と呼ばれる。偵察型や哨戒型に[[ハードポイント]]を設置し兼用できる機体も登場しており、武装した状態で偵察し目標を発見した際はそのまま攻撃任務に移行できる[[マルチロール機]]が実用化されている<ref>無人攻撃機運用の図解: AFPBB News「[https://www.afpbb.com/articles/-/2677887?pid=5082617 【図解】映像を傍受された米無人偵察機]」2009年12月24日</ref>。無人偵察機がマルチロール化した例では、RQ-1 プレデターが[[RQ-1 プレデター|MQ-1 プレデター]]となり、[[MQ-9 リーパー]]が作られた経緯がある。
人間が搭乗しないため、敵地で[[撃墜]]されても操縦員が死傷したり、捕虜になるリスクがない。現代では[[RQ-1 プレデター|MQ-1 プレデター]]など[[武装]]した無人航空機が世界で数多く登場しており、[[2001年]]の[[アメリカ同時多発テロ事件]]後、[[アメリカ軍]]が[[アフガニスタン紛争 (2001年-2021年)|アフガニスタンへの侵攻]]を開始した2001年[[10月14日]]に先立つ[[10月7日]]、MQ-1 プレデターが[[ヘルファイア (ミサイル)|ヘルファイアミサイル]]を搭載して[[武装]]偵察飛行を行ったことに始まり<ref>{{PDFlink|[http://www.9-11commission.gov/hearings/hearing8/tenet_statement.pdf テネットCIA長官職務報告]}}。なお、同報告では非武装運用を開始していた基地があるが、[[ウズベキスタン]]と[[パキスタン]]のいずれから発進したかの記述がない</ref>、その後アフガニスタン戦線の外、[[イラク戦争]]、[[イエメン]]など[[中東]]地域での攻撃に多用されるようになった。主な任務は対地攻撃だが、2002年12月に[[スティンガーミサイル|スティンガー]]で武装したプレデターがイラク戦争で[[イラク軍]]の[[MiG-25]]と交戦し、互いに[[対空兵器]]を装備した有人機と無人機の史上初の[[ドッグファイト|空中戦]]となった<ref>Krane, Jim. "Pilotless Warriors Soar To Success." CBS News, 25 April 2003.</ref><ref>Paul J. Springer, Military Robots and Drones: A Reference Handbook (Santa Barbara, CA: ABC-CLIO, 2013), p.23</ref>。
アメリカ政府によるテロ容疑者[[暗殺]]作戦
無人機による[[テロリズム|テロリスト]]組織への攻撃は、しばしば[[倫理]]や[[法律]]上の議論を惹起するが、アメリカ政府によれば無人機による攻撃は、テロリストの攻撃に対して均衡が取れている規模であること、結果的に多くのアメリカ兵の生命を救っていることをあげ、合法的でかつ倫理的にも反していないとの見解を示している<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/2875437?pid=8878405 「無人機攻撃は合法かつ倫理的」米大統領補佐官が講演] AFP.BB.NEWS(2012年05月01日)同日閲覧</ref>。[[アメリカ軍]]では無人機の操縦者のうち7人に1人は民間人([[ブラックウォーターUSA]]などの[[民間軍事会社]])だが、アメリカ軍の[[交戦規定]]により攻撃は軍人が担当している<ref name="uav02" />。無人攻撃機にはアメリカ軍の他に[[イスラエル]]も早くから導入している。多様な無人攻撃機の実証実験機などのテストが進行中である。無人攻撃機の実証実験機には[[X-45 (航空機)|X-45]]や[[X-47 (航空機)|X-47]]がある。
現代では司令部と前線部隊の通信中継、取得した画像提供と同時に援護攻撃を行うなど多彩な任務に投入されている。イラク戦争では[[イラク治安部隊#イラク軍|イラク軍]]の防空網に対する囮として使われたほか、イラク戦争に先立つ[[2002年]][[12月23日]]には、[[飛行禁止空域 (イラク)|イラク飛行禁止空域]]を警戒飛行していたMQ-1が搭載していた[[スティンガーミサイル#空対空型|スティンガー]][[空対空ミサイル]]でイラク軍の[[MiG-25 (航空機)|MiG-25]]を攻撃している<ref>[http://www.atwar.net/download.php?view.174 MiG vs Predator], CBS video. 1999年5月13日にセルビア軍に撃墜された場面を含む</ref><ref>[http://www.cbsnews.com/stories/2003/04/25/tech/main551126.shtml Pilotless Warriors Soar To Success], CBS News, April 25, 2003</ref>。広く知られた利用方法は[[アルカーイダ]]や[[ターリバーン]]への攻撃で、宣戦布告なき戦争(=[[不正規戦争]])で[[パキスタン]]やイエメン、[[ソマリア]]など、撃墜され[[パイロット (航空)|パイロット]]が[[捕虜]]となった場合国際的な問題とされそうな国で多用されている<ref>[
アメリカ軍が、無人機での攻撃を開始して以降、殺害した人数は、2013年2月時点で約4,700人と推定されている<ref>{{cite news |title=米無人機攻撃による死者は4700人、米上院議員 |newspaper=[[フランス通信社|AFPBB News]] |date=2013-02-20 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2929818?pid=10320733 |accessdate=2013-02-20 |author= Dan De Luce}}</ref>。[[アメリカ空軍]]は[[2023年]]までに、すべての攻撃機のうち3分の1が無人機になるとしている<ref>{{cite news |title=変わりゆく戦争の姿--米空軍の無人航空機 |newspaper=[[CNET|CNET Japan]] |date=2013-02-23 |url=https://japan.cnet.com/article/35028126/ |accessdate=2013-02-23 |author= James Martin}}</ref>。
世界最大の無人攻撃機輸出国<ref>{{cite news |url=https://nationalinterest.org/blog/buzz/really-big-deal-china-drone-superpower-47692 |title=A Really Big Deal: China is a Drone Superpower |publisher=[[ナショナル・インタレスト]] |date=2019-03-16|accessdate=2019-03-22}}</ref>となった[[中華人民共和国|中国]]は[[翼竜 (航空機)|翼竜]]や[[彩虹 (航空機)|彩虹]]など積極的に攻撃能力を持つ無人機を[[発展途上国]]に輸出してイラク軍<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://www.recordchina.co.jp/b125510-s0-c70-d0000.html|title=中国製無人機がイスラム国拠点を破壊=低価格高性能の新型機―イラク|publisher=[[Record China]]|date=2015-12-21|accessdate=2017-04-15}}</ref>や[[エジプト軍]]<ref>{{Cite web|author=|url=http://www.defenseworld.net/news/23535/Egyptian_Air_Force_Shows_off_Chinese_made_Wing_Loong_Attack_Drones|title=Egyptian Air Force Shows-Off Chinese-Made Wing Loong Attack Drones|publisher=Defence Web|date=2018-10-19|accessdate=2018-11-06}}</ref><ref>{{Cite web|author=|url=http://english.alarabiya.net/en/features/2017/02/27/The-story-of-the-Wing-Loong-drone-and-the-Egyptian-battle-against-ISIS-in-Sinai.html|title=The story of the Wing Loong drone and the Egyptian battle against ISIS in Sinai|publisher=[[アル=アラビーヤ]]|accessdate=2017-04-15}}</ref>の[[ISIL]]への作戦や[[ナイジェリア軍]]の[[ボコ・ハラム]]攻撃<ref>{{Cite web|author=|url=http://www.defenceweb.co.za/index.php?option=com_content&view=article&id=53613:algeria-egypt-unveil-chinese-uavs|title=Algeria, Egypt unveil Chinese UAVs|publisher=Defence Web|date=2018-11-02|accessdate=2018-11-06}}</ref>、[[サウジアラビア軍]]と[[アラブ首長国連邦軍]]の[[2015年イエメン内戦]]への軍事介入<ref>{{Cite web|author=|url=https://www.scmp.com/news/world/middle-east/article/3030823/chinese-drones-hunt-turkish-drones-libya-air-war|title=Chinese drones hunt Turkish drones in Libya air war|publisher=[[サウスチャイナ・モーニング・ポスト]]|date=2019-09-29|accessdate=2019-11-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=|date=2015-12-17|url=http://militaryedge.org/articles/uae-saudi-arabia-operating-chinese-uavs-yemen/|title=UAE, Saudi Arabia Operating Chinese UAVs Over Yemen|publisher=Military Edge|accessdate=2017-08-13}}</ref>など[[中東]]や[[アフリカ]]<ref>{{cite news |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20181109-OYT1T50074.html |title=「中国無人機は素晴らしい」アフリカや中東絶賛 |publisher=[[読売新聞]] |date=2018-11-09|accessdate=2018-11-13}}</ref><ref>{{cite news |url=http://foreignpolicy.com/2018/05/10/china-trump-middle-east-drone-wars/ |title=China Has Already Won the Drone Wars |publisher=Foreign Policy |date=10 May 2018|accessdate=2018-06-18}}</ref>で実戦使用され、[[先進国]]に輸出を限定していた米国もこれに規制緩和で対抗しており<ref>{{Cite web|和書|author=|date=2018-04-20|url=https://mainichi.jp/articles/20180421/k00/00m/030/042000c|title=無人機輸出の規制緩和 武器売却拡大へ方針|accessdate=2018-06-18}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://dji.care/ |title=DJI Care |access-date=http://dji.care/ |publisher=DJI Care}}</ref>、武装無人機の拡散による紛争拡大が懸念されている<ref>{{Cite web|author=|date=2016-04-24|url=https://www.cnn.co.jp/world/35081142.html|title=無人機市場で存在感増す中国、兵器拡散で紛争拡大の懸念も|publisher=[[CNN]]|accessdate=2017-08-13}}</ref>。また、[[イラン]]は武装無人機の{{仮リンク|シャヘド129|en|Shahed 129}}によって[[シリア]]で反政府勢力を攻撃し<ref>Gettinger, Dan (December 2016). "Drones Operating in Syria and Iraq" . Center for the Study of the Drone at Bard College.</ref>、市販の中国製エンジンを搭載した{{仮リンク|アバビール|en|HESA Ababil}}のような武装無人機を中東の[[シーア派]]民兵組織に拡散させて問題になっており<ref>{{Cite web|author=|date=2019-10-07|url=https://wired.me/technology/killer-drone-middle-east-online/|title=The killer-drone parts available online for less than $600|publisher=[[WIRED]]|accessdate=2019-12-17}}</ref><ref>{{Cite web|和書|author=|date=2019-09|url=https://www3.nhk.or.jp/news/special/new-middle-east/drone-warfare/|title=拡散する“現代のカラシニコフ” 中東ドローン戦争|publisher=[[NHK]]|accessdate=2019-09-10}}</ref>、[[イエメン]]の[[フーシ]]が自前化したアバビール(カセフ1)や{{仮リンク|サマド3|en|Samad (UAV)}}などで[[サウジ石油施設攻撃]]を起こして世界経済に大きな影響を与えた<ref>{{Cite web|和書|author=|date=2019-09-19|url=https://jp.reuters.com/article/saudi-attack-brirf-idJPKBN1W329C/|title=サウジ、攻撃使用の無人機残骸を公表 イラン関与「疑いない」|publisher=[[ロイター]]|accessdate=2019-11-18}}</ref>。[[2014年リビア内戦]]では暫定政府の[[トルコ]]製無人攻撃機の[[バイラクタル TB2]]と[[リビア国民軍]]の中国製無人攻撃機の翼竜が互いに破壊し合う無人機戦争が起きている<ref>{{Cite web|author=|date=2019-09|url=https://www.scmp.com/news/world/middle-east/article/3030823/chinese-drones-hunt-turkish-drones-libya-air-war|title=Chinese drones hunt Turkish drones in Libya air war|publisher=[[サウスチャイナ・モーニング・ポスト]]|accessdate=2019-09-10}}</ref>。
テロ組織側でもISILは自動識別や自動運航が可能で滑走路での離着陸を必要としない[[DJI (会社)|DJI]]<ref>{{Cite web|author=|date=2016-10-11|url=http://gizmodo.com/isis-is-now-turning-hobby-drones-into-makeshift-smart-b-1787687168|title=ISIS Is Now Using Hobby Drones to Kill People|publisher=[[ギズモード]]|accessdate=2017-04-09}}</ref>や[[スカイウォーカー・テクノロジー]]など殆どは世界市場でメジャーな中国製<ref>{{Cite web|author=|date=2017-12-10|url=https://www.ft.com/content/82a29f96-c9e7-11e7-ab18-7a9fb7d6163e|title=Isis use of hobby drones as weapons tests Chinese makers|publisher=[[ファイナンシャル・タイムズ]]|accessdate=2018-07-06}}</ref>の民生用無人機に爆発物を載せて攻撃機に改造するといった利用が拡大している。2017年のシリア・イラクにおける紛争で、ISは手榴弾や迫撃砲弾、たる爆弾などを搭載した民生用ドローンを投入して政府軍に多くの死傷者を出している。構造は単純で、真下に爆弾を落とすだけの簡素なものだが、誤差数メートルという驚異的な精度で攻撃できた。小型のドローンは被発見性も低く、騒音も軍用機に比べてはるかに小さいため、直下の兵士が全く気付かないまま攻撃を受けることもあった。戦車に対する攻撃にも使用されており、撃破の事例はまだないが、対戦車榴弾や対戦車ロケットによる攻撃が試みられている。少なくともこの攻撃で乗員が殺傷されたことがISの連日投稿する動画で確認されており、脅威度の高さを裏付けるものとなった。民生用ドローンを攻撃用途に用いる場合、防護が一切ないので小銃弾を受けるだけで簡単に撃墜されてしまうが、十分な高度があれば攻撃後の退避は容易である。赤外線をほとんど出さない上にRCSも低いので、SAMによる対処は不可能である。軍用機として見れば極めて安価であり、歩兵が直接運用し自前で近接航空支援が可能なことから、テロリストから見れば理想的な航空兵器であり、懸念が高まっている。イラクで充電不足で自動帰還した自らのドローンにISの戦闘員が誤爆されるという珍事が起きた際は民生用ドローンの高性能化の脅威を示すものと報じられた<ref>{{Cite web|author=|date=2019-08-25|url=https://www.thesun.co.uk/news/9797095/isis-fighter-killed-by-drone-bomb/|title=JIHADI KARMA ISIS fighter killed by drone bomb he was operating after it ran low on battery and flew back|publisher=[[ザ・サン]]|accessdate=2019-09-10}}</ref>。2018年8月に[[ベネズエラ]]ではDJIの商用無人機に爆弾を搭載して大統領暗殺を狙ったテロ事件([[:en:Caracas drone attack|Caracas drone attack]])も起きており<ref>{{cite news |title=Venezuela says it has ID'd mastermind, accomplices in apparent Maduro assassination try |url=https://
アメリカやイスラエルなどの正規軍でも、廉価で使い勝手が良いことから民生用無人機が使用されており<ref>{{Cite web|author=|date=2017-08-06|url=http://www.jpost.com/Israel-News/US-Army-order-troops-to-stop-using-Chinese-made-DJI-drones-501741|title=IDF to continue using drones that US army deemed unsafe|publisher=[[エルサレム・ポスト]]|accessdate=2019-11-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=|date=2017-06-04|url=http://www.jpost.com/Israel-News/US-Army-order-troops-to-stop-using-Chinese-made-DJI-drones-501741|title=WATCH: THE NEW DRONE EVERY IDF OFFICER WANTS IN THE BATTLEFIELD|publisher=[[エルサレム・ポスト]]|accessdate=2019-11-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=|date=2017-08-04|url=https://www.reuters.com/article/us-usa-army-drones-idUSKBN1AK2C0|title=US Army halts use of Chinese-made drones over cyber concerns|publisher=[[ロイター]]|accessdate=2019-11-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=|date=2019-09-17|url=https://www.voanews.com/usa/us-military-still-buying-chinese-made-drones-despite-spying-concerns|title=US Military Still Buying Chinese-Made Drones Despite Spying Concerns|publisher=[[ボイス・オブ・アメリカ]]|accessdate=2019-11-13}}</ref><ref name=slate1708>{{Cite web|author=|date=2017-08-16|url=http://www.slate.com/articles/technology/future_tense/2017/08/the_u_s_military_shouldn_t_use_commercial_drones.html|title=The U.S. military shouldn't use commercial drones|publisher=Slate|accessdate=2019-11-13}}</ref><ref>{{Cite web|author=|date=2018-09-26|url=https://www.defenseworld.net/news/23420/US_Air_Force_Requisitions_Chinese_Origin_DJI_Drones|title=US Air Force Requisitions Chinese Origin DJI Drones|publisher=DefenseWorld|accessdate=2019-11-13}}</ref>、イスラエル軍はDJIの無人機に[[催涙弾]]を搭載して2018年3月に[[ガザ地区]]のデモ隊に使用して死傷者を出した<ref>{{cite news |title=Drones Don’t Wear Uniforms. They Should|url=https://foreignpolicy.com/2018/05/22/drones-dont-wear-uniforms-they-should/ |accessdate=2018-12-08 |work=フォーリン・ポリシー |date=2018-05-22}}</ref><ref>{{Cite web|和書|date= 2018年3月31日|url= https://www.afpbb.com/articles/-/3169477|title= ガザ大規模衝突で15人死亡、1400人負傷 デモに住民数万人|publisher= AFP|accessdate=2018-03-30}}</ref>。
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開発中の精密な空中自律行動能力と空対空戦闘機能を持つUCAVは、無人[[戦闘攻撃機]]と呼ばれることもあるが、これも対地攻撃がメインの攻撃機である。
完全な無人戦闘機より技術的なハードルを下げ、有人戦闘機に随伴して対地攻撃など危険な任務を担当する{{仮リンク|協調戦闘機|en|Collaborative combat aircraft}}と呼ばれる無人[[僚機]]の研究が各国で行われている<ref>{{Cite web |title=F-22「ラプター」早くも退役へ!? 米空軍「戦闘に耐えられない」A-10やF-15なども続々 |url=https://trafficnews.jp/post/131658 |website=乗りものニュース |date=2024-03-25 |access-date=2024-08-26 |language=ja}}</ref><ref name="reuters091222">{{Cite web|和書 |url=https://jp.reuters.com/article/%E6%97%A5%E8%8B%B1%E4%BC%8A-%E6%AC%A1%E6%9C%9F%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F%E3%81%AE%E5%85%B1%E5%90%8C%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%A7%E5%90%88%E6%84%8F%E3%80%802035%E5%B9%B4%E3%81%AB%E9%85%8D%E5%82%99%E9%96%8B%E5%A7%8B-idJPL4N32Y2ST |archive-url=https://web.archive.org/web/20221209050354/https://jp.reuters.com/article/%E6%97%A5%E8%8B%B1%E4%BC%8A-%E6%AC%A1%E6%9C%9F%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F%E3%81%AE%E5%85%B1%E5%90%8C%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%A7%E5%90%88%E6%84%8F%E3%80%802035%E5%B9%B4%E3%81%AB%E9%85%8D%E5%82%99%E9%96%8B%E5%A7%8B-idJPL4N32Y2ST |title=日英伊、次期戦闘機の共同開発で合意 2035年に配備開始 |publisher=[[ロイター]] |date=9 December 2022 |archive-date=9 December 2022 |access-date=9 December 2022}}</ref>。[[XQ-58 (航空機)|XQ-58]]は有人戦闘機からの操作により対地攻撃の他、親機への攻撃を
有人機に多数搭載できる小型UAVを対象に突撃させるなど、ミサイルのような機体の試験も行われている<ref name="trafficnews63639">{{Cite web|和書 |title=1000機の「群れ」が一斉突撃? 米のマイクロドローン群実験成功で空戦は一変するか |url=https://trafficnews.jp/post/63639 |website=乗りものニュース |access-date=2023-02-07 |language=ja}}</ref>。
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1945年に日本で計画された[[秋水式火薬ロケット]]は機体前部に[[衝角]]を備えており、発射後は地上からの無線誘導で爆撃機に体当たりしてダメージを与えた後、滑空して地上に戻り機体を再利用するという[[地対空ミサイル]]と無人迎撃機の中間のような運用を予定していた。
1959年からアメリカ空軍に配備された長距離地対空ミサイルの[[CIM-10 ボマーク
==== 実験機 ====
[[X-43 (航空機)]]や[[X-51 (航空機)]]のような新技術の実験に無人航空機が用いられるケースも存在する。軍民双方で無人実験機は使用されており、[[X-36 (航空機)|X-36]]や[[X-10 (ミサイル)|X-10]]のように有人機やミサイルのプロトタイプとしてセミスケールの無人試作機を製造する例も見られる。
====対策====
{{seealso|en:Category:Counter unmanned air systems}}
小型攻撃ドローンに対策するため、レーダー装備の自動対ドローン砲などが開発されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://trafficnews.jp/post/119646 |title=小型ドローンにも対処可能 新対空自走砲を独ラインメタルが公開 ユーロサトリ |access-date=2023-08-12 |date=2022-06-15 |website=乗りものニュース |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.reuters.com/video/watch/idOWjpvCC66DIGS0TIXCCTHMUMIDA3IS8 |title=ロが安価な自爆ドローン「ランセット」強化、ウで西側供与兵器への脅威に(字幕・29日) | ロイタービデオ |access-date=2023-08-12 |last=Editorial |first=Reuters |website=jp.reuters.com |language=ja}}</ref>。また自走車両搭載式の地対空ミサイルに取って代わられた感があった[[自走式対空砲]]が、その実用性と対空ミサイルより優れたコストパフォーマンスで再評価された<ref>{{Cite web|title=ウクライナで評価高めた「ゲパルト」実質的な“後継車両”も同じ戦場へ ドローンの“群れ”にも対応!?|url=https://trafficnews.jp/post/584917|website=乗りものニュース|date=2025-09-10|access-date=2025-10-07|language=ja}}</ref>。
ドローンと操縦者の通信を妨害することも行われており、その対策として光ファイバーを使った有線式のドローンが開発されている<ref>{{Cite web|title=使用増える「光ファイバードローン」、ロ・ウクライナが対抗技術の開発急ぐ {{!}} Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)|url=https://forbesjapan.com/articles/detail/76727|website=forbesjapan.com|access-date=2025-10-07|language=ja}}</ref>。
* {{ill2|RFDEW|en|Radio Frequency Directed Energy Weapon}} - 対ドローン用高周波指向性エネルギー兵器<ref>{{Cite web |url=https://trafficnews.jp/post/540332#google_vignette |title=「ドローンの大群を一気に落とす!」新たなエネルギー兵器が実験成功 コスパが異常に高いのが魅力 |access-date=2025-04-21 |date=2025-04-21 |website=乗りものニュース |language=ja}}</ref>
== 民間機 ==
[[ファイル:FreeflySystemsALTA X(reisui.co.jp).jpg|thumb|250px|水中測深用のレーザスキャナを取り付けたマルチコプター([https://www.reisui.co.jp/news/1186/ 株式会社嶺水])]]
2000年代以前は、ラジコン航空機は内燃機関による騒音や操縦の難しさなど運用の難しさに加え、燃料代やメンテナンス費などコスト面でも気軽に利用できるレベルではなく、産業用としてもっぱら農薬散布や架線工事へ利用されるにとどまっていた。電池の制約により電動モーターを採用した機体は普及しなかった。1989年に開発された[[キーエンス ジャイロソーサー]]は、ニッカド電池のため短時間の飛行しかできなかった。
2010年代に[[リチウムイオン二次電池]]の普及、[[MEMS]][[ジャイロスコープ]]や[[加速度センサー]]などの技術革新によって、安価で低騒音、 ハードウェアの他、各分野に特化した自動制御システムと組み合わせたパッケージも販売されている<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=開会式で地球をかたどったドローンは1824台のIntel製「Shooting Star」|url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/24/news021.html|website=ITmedia NEWS|accessdate=2021-07-26|language=ja}}</ref>。
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*広域の[[測量]]のための[[空中写真]]は有人機が主流であるが、局地的な測量に無人航空機が使用されている。従来の地上で行う測量や有人機に比べ、安価で短時間に作業ができ、より多くの情報も収集できる。[[2016年]](平成28年)[[3月30日]]、国土地理院によって「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」及び「公共測量におけるUAVの使用に関する安全基準(案)」が制定された<ref>[http://www.kajima.co.jp/news/press/201606/13c1-j.htm ドローンによるレーザ測量 日本初の実用化]</ref><ref>[http://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/uav/ UAVによる公共測量]</ref>。
*[[テレビ局]]の空撮には有人ヘリコプター(報道ヘリ)が利用されていたが、ピンポイントでの撮影が可能なマルチコプターも導入されている<ref>https://news.ntv.co.jp/category/society/374810 何だろ?ドローン見上げる愛らしき動物たち] - [[日本テレビ]]</ref>。日本では、災害時に騒音が少なく助けを求める声が聞き取りやすくなるマスコミの電動無人機は、災害時に設定される緊急用務空域により飛行が禁じられることが多く、災害救助の邪魔になる大騒音の在来有人ヘリコプターを飛ばさざるを得ない本末転倒な状況となっている。また無人機による空撮映像の専門チャンネルも開設されている<ref>[https://www.drone.jp/news/20171002162753.html 日本ドローンビジネスサポート協会、ドローン映像専門チャンネル「drone+TV」を開設]</ref>。
*日本の産官学プロジェクトに、[[紛争]]地域に遺棄されている[[地雷#対人地雷|対人地雷]]の探知を、[[センサー]]を積んだロボットヘリコプターで行おうという構想がある。
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アメリカでは1機のドローンを導入したところ犯罪率が1割低下するなど、低コストな治安対策として実証されているが<ref>{{Cite news|title=たった1機のドローン導入で、強盗発生率は30パーセント低下する:メキシコの警察が実証|newspaper=[[WIRED]]|date=2018-06-23|url=https://wired.jp/2018/06/23/ensenada-mexico-police-drone/|accessdate=2018-12-08}}</ref>、[[監視社会]]化を懸念する声も少なくない<ref>{{Cite news|title=ニューヨーク市警察、14機のドローンを配備。しかしお偉いさんから疑念の声が…|newspaper=[[ギズモード]]|date=2018-12-07|url=https://www.gizmodo.jp/2018/12/the-nypd-now-has-a-fleet-of-drones-for-tactical-operations.html|accessdate=2018-12-07}}</ref>。
=== 消防・防災 ===
防災用としては[[レスキューロボット]]の一種として開発が行われ、被災地域の空中からの調査や、[[噴火]]など予断を許さない状況下での調査などに利用される。有人ヘリコプターでは小型機であっても[[騒音]]による振動や巻き上げる風([[ダウンウォッシュ]])があったが、小型の無人機では被害が少く、墜落による人命リスクも皆無であり、有人機では不可能な接近も可能である<ref>[
日本ではドローンを活用した災害状況把握のシステム構築が急速に進み、 2023年4月時点で全国の429の[[消防本部]](全体の59.3%)に581機、2021年12月時点で40の[[消防団]](1.8%)に60機のドローンが配備されている<ref>{{Cite web|和書|title=ドローン活用で変わる消防現場 被災状況を素早く把握 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC302SK0Q3A630C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2023-07-14 |access-date=2023-11-05 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=消防団にドローン本格導入へ、災害被害の早期把握に活用…来年度から操縦方法など各地で講習 |url=https://www.yomiuri.co.jp/national/20220917-OYT1T50131/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-17 |access-date=2023-11-05 |language=ja}}</ref>。
大型のドローンで担架を吊るし搬送する研究も行われている<ref>{{Cite web |title=宇和島の消防出初式 新導入の大型ドローンで担架搬送を実演 |url=https://www.ehime-np.co.jp/article/news202502230171 |website=愛媛新聞社 |access-date=2025-03-25 |language=ja}}</ref>。
有人ヘリコプターでは接近が困難な場所での消火活動のため、ドローンに[[消火弾]]を搭載する研究も行われている<ref>{{Cite web |title=ランチャーでビルに消火剤を打ち込む!ユニークな消防用大型ドローン |url=https://drone-journal.impress.co.jp/docs/event/1185563.html |website=ドローンジャーナル |date=2023-10-24 |access-date=2025-03-25 |language=ja |last=株式会社インプレス}}</ref><ref name=":02">{{Cite web |title=防犯カラーボールを作った人に「どうやって犯人に当てるか」を聞く |url=https://dailyportalz.jp/kiji/all-about-the_security_ball |website=デイリーポータルZ |date=2020-07-30 |access-date=2025-03-25 |language=ja |last=井上マサキ}}</ref>。
===旅客・貨物輸送===
362 ⟶ 374行目:
===趣味===
{{Main|ドローンレース}}
安価な小型機でも[[デジタルカメラ]]を搭載することが可能となり、空撮を行うアマチュアも増加した<ref>[https://gigazine.net/news/20140815-best-drone/ 最も「買い」なドローンはどのモデルか、5機種を比較するとこんな感じ]</ref>。一方で[[首相官邸無人機落下事件]]や文化財などの建築物、地域の祭りなどの催しで使用され衝突・落下など安全管理が問題になっている<!--<ref>[https://web.archive.org/web/20150521033543/http://www.sankei.com/affairs/news/150521/afr1505210008-n1.html 15歳少年逮捕 浅草・三社祭で「ドローン飛ばす」予告、業務妨害の疑い]</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20150525020330/http://www.sankei.com/affairs/news/150522/afr1505220010-n1.html 警察挑発、再三の注意無視 ドローン飛行予告少年「答えるつもりありません」]</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20150923002623/http://mainichi.jp/shimen/news/20150920ddm041040106000c.html ドローン:姫路城大天守に衝突 窓枠に擦り傷5カ所 兵庫] 毎日新聞 2015年9月20日</ref><ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150920/k10010243181000.html 姫路城大天守にドローン衝突 男性が出頭]</ref><ref>[http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20150921-00000001-nnn-soci 姫路城にドローン衝突 男性が出頭、謝罪]</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20151117025425/http://www.iza.ne.jp/kiji/events/photos/150920/evt15092022450020-p1.html 「機体見えなくなった」姫路城ドローン衝突事故、操縦の男性名乗り出る]</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20150923000248/http://www.yomiuri.co.jp/national/20150920-OYT1T50085.html 姫路城ドローン衝突、操縦の会社役員が出頭]</ref><ref>[https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201509/0008414125.shtml 姫路城にドローン衝突 操縦者が名乗り出る 兵庫県警]</ref>-->。このような事態を受けて日本では[[2015年]](平成27年)[[9月4日]]、改正[[航空法]]が可決成立されドローンの規制・罰則が定められる<ref>[https://www.sankei.com/article/20150904-5ISG5YWLC5NG5BROQY32PX7MMY/ ドローン、密集地で禁止 改正航空法が成立]</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20150909165550/http://mainichi.jp/select/news/20150905k0000m040120000c.html ドローン:法律で規制…密集地の飛行禁止 改正航空法成立]</ref>などの法整備が行われている。
飛行技術や機体性能を競うレース([[ドローン インパクト チャレンジ]]など)も世界各国で行われている。
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[無人航空機一覧]]
* [[無人航空従事者試験]] - 民間試験
*[[無人航空機操縦者技能証明]] - 日本の国家資格
839 ⟶ 416行目:
* [[首相官邸無人機落下事件]]
* [[無人航空機・システム・トラフィック・マネジメント]]
* [[ロシアのウクライナ侵攻]]
** [[ロシアのウクライナ侵攻#ドローン|ドローン]]
** [[ロシアのウクライナ侵攻#ウクライナ特殊作戦(蜘蛛の巣作戦)|ウクライナ特殊作戦(蜘蛛の巣作戦)]]
== 外部リンク ==
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