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シリア国旗の変遷: バアス党政権の国旗
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{{Infobox flag
| Name = {{FIAV|defacto|}}シリアの国旗 ([[デ・ファクト]])
| Image = Flag of Syriathe Syrian revolution.svg
| Image2 = Flag of Syria (1932-1958; 1961-1963).svg
| Imagetext = アサド政権崩壊後、各国の[[シリア大使館・アラブ共和国憲法宣言|暫定憲法]]掲揚制定されている「独立」(''independence flag'')。
| Imagetext2 = {{FIAV|alternate}}旧国旗の比率(1:2)に合わせたもの
| Alt =シリアの独立旗(independence flag)
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| Morenicks =
| Use = 111111
| Symbol = {{FIAV|defactonormal|}}
| Proportion = 2:3(上記)あるいは1:2(下記)
| Adoption = [[1932年|1932]] - [[1958年]] ([[シリア第一共和国|第一]]・[[シリア第二共和国|第二共和国]])<br/>[[1961年|1961]] - [[1963年]] ([[シリア第二共和国|第二共和国]])<br/>[[2011年|2011]] - [[2024年]] ([[反体制派 (シリア 2011-)|旧反体制派]]の旗)<br/>2024年 - (現暫定政府の旗)
| Design = 緑、白、黒の三色旗で、中央に赤色の3つの五芒星
}}
'''シリアの国旗'''([[デ・ファクト]])は、[[2011年]]から[[2024年]]にかけて[[シリア内戦]]で[[反体制派 (シリア 2011-)|旧反体制派]]が使用していた「革命旗」のデザインを踏襲したもので、1932年に制定された[[シリア第一共和国]]時代の「独立旗」(''independence flag'')のデザインが元となっている。2024年の[[アサド政権の崩壊|アサド政権崩壊]]後に発足した暫定政権によって、事実上、が発布した[[シリア・アラブ共和旗として扱わ憲法宣言|憲法]]により制定されており<ref name=":0">{{Cite web |last=وصحف |first=وكالات |date=2025-03-13 |title=النص الكامل للإعلان الدستوري السوري (13 آذار 2025) |url=https://kassioun.org/news/item/82565-2025 |access-date=2025-03-18 |website=kassioun.org |language=ar-aa}}</ref><ref name="Flag specification">{{Cite web |title=North Press Obtains Draft Articles of Syria's Constitution Draft |url=https://syrianobserver.com/syrian-actors/north-press-obtains-draft-of-syrias-constitutional-declaration.html |website=The Syrian Observer |access-date=2025-3-27}}</ref>、[[トルコ]]、[[ロシア]]、[[日本]]等各国に設置されたシリア大使館においても旧政権のもに代わって掲揚されているほか<ref>{{Cite AV media |url=https://www.youtube.com/watch?v=keN6aQbwRlE |title=Syria’s Embassies In Turkey, Greece, And Russia Replace Ba’ath Flag With Syrian Revolution Flag |date=2024-12-08 |last=Forbes Breaking News |access-date=2024-12-08 |via=YouTube}}</ref><ref>{{Cite web |last= |first= |date=2024-12-08 |title=End of Bashar al-Assad's Era: Syrian flag removed from consulate in Turkey |url=https://en.dailypakistan.com.pk/08-Dec-2024/end-of-bashar-al-assads-era-syrian-flag-removed-from-consulate-in-turkey |access-date=2024-12-08 |website=Daily Pakistan English News |language=}}</ref><ref>https://english.alarabiya.net/News/world/2024/12/09/syrian-opposition-flag-installed-on-embassy-building-in-russia-</ref><ref>{{Cite web |last= |first= |date=2024-12-08 |title= 在日シリア人 駐日大使館で新国旗を掲揚 |url= https://www.arabnews.jp/article/japan/article_135869/ |access-date=2024-12-08 |website=ARAB NEWS Japan|language=}}</ref>、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[ニューヨーク]]の[[国際連合本部ビル|国連本部]]においてもアサド政権([[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権]])時代のものに代わって掲揚されている<ref>{{Cite news
| author = 金子靖志
| title = シリアの新国旗、国連本部で掲揚…アサド政権時代の「星二つ」から旧反体制派の「星三つ」に
| newspaper = [[読売新聞オンライン]]
| place = [[ニューヨーク]]
| publisher = [[読売新聞東京本社|株式会社読売新聞東京本社]]
| date = 2025-04-26
| url = https://www.yomiuri.co.jp/world/20250426-OYT1T50175/
| accessdate = 2025-04-27 }}</ref>。
 
なお、それまでのアサド政権([[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権]])時代の国旗は、[[1980年]]に制定されたもので、[[1958年]]から[[1961年]]にかけての[[アラブ連合共和国]]時代のデザインを踏襲したものであった。
{{Infobox flag
| Name = {{FIAV|historical|}}シリア ([[バアス党政権 (シリア)|アサド政権]]時代) の国旗
|Image=Flag of the United Arab Republic (1958–1971), Flag of Syria (1980–2024).svg
|Use=111111
|Symbol={{FIAV|historical|}}
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|Adoption= [[1958年|1958]] - [[1961年]] ([[アラブ連合共和国|アラブ連合]]の国旗)<br/>[[1980年|1980]] - [[2024年]]
|Design=[[赤]]、[[緑]]、[[白]]、[[黒]]}}
 
'''シリアの国旗'''([[デ・ファクト]])は、[[2011年]]から[[2024年]]にかけて[[シリア内戦]]で[[反体制派 (シリア 2011-)|旧反体制派]]が使用していた「革命旗」のデザインを踏襲したもので、1932年に制定された[[シリア第一共和国]]時代の「独立旗」(''independence flag'')のデザインが元となっている。2024年の[[アサド政権の崩壊|アサド政権崩壊]]後に発足した暫定政権によって、事実上、シリアの国旗として扱われており、[[トルコ]]、[[ロシア]]、[[日本]]等各国に設置されたシリア大使館においても旧政権のものに代わって掲揚されている<ref>{{Cite AV media |url=https://www.youtube.com/watch?v=keN6aQbwRlE |title=Syria’s Embassies In Turkey, Greece, And Russia Replace Ba’ath Flag With Syrian Revolution Flag |date=2024-12-08 |last=Forbes Breaking News |access-date=2024-12-08 |via=YouTube}}</ref><ref>{{Cite web |last= |first= |date=2024-12-08 |title=End of Bashar al-Assad's Era: Syrian flag removed from consulate in Turkey |url=https://en.dailypakistan.com.pk/08-Dec-2024/end-of-bashar-al-assads-era-syrian-flag-removed-from-consulate-in-turkey |access-date=2024-12-08 |website=Daily Pakistan English News |language=}}</ref><ref>https://english.alarabiya.net/News/world/2024/12/09/syrian-opposition-flag-installed-on-embassy-building-in-russia-</ref><ref>{{Cite web |last= |first= |date=2024-12-08 |title= 在日シリア人 駐日大使館で新国旗を掲揚 |url= https://www.arabnews.jp/article/japan/article_135869/ |access-date=2024-12-08 |website=ARAB NEWS Japan|language=}}</ref>。
 
なお、それまでのアサド政権([[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権]])時代の国旗は、[[1980年]]に制定されたもので、[[1958年]]から[[1961年]]にかけての[[アラブ連合共和国]]時代のデザインを踏襲したものであった。
 
== シリア国旗の変遷 ==
最初のシリア国旗は、[[ハーシム家]]が建てた[[シリア・アラブ王国|シリア王国]]時代の[[1920年]]にデザインされた。これは現在の[[ヨルダンの国旗]]に似ているが緑色と白色の順序が逆で、[[第一次世界大戦]]中にハーシム家が率いた[[アラブ反乱]]の[[アラブ反乱旗|旗]]をもとに七つの突起がある白い星を加えたものであり、[[アラブ世界]]で最初に[[汎アラブ色]]を取り入れた国旗だった。しかし、シリアは[[フランス]]の[[委任統治]]となったため、[[フランス軍]]がシリアへ侵攻。ハーシム家は敗れ、王家には[[イギリス]]の手によって[[イラク王国]]の国王に据えられた。[[フランス委任統治領シリア]]は王国の旗に替え、青地に白の三日月、左隅([[カントン (紋章学)|カントン]])に[[フランスの国旗]]を配した旗を制定した。さらに一か月後、緑・白・緑の水平三色旗に、左隅にフランス国旗を配した旗に変えられた。この旗は[[1925年]]から[[1932年]]まで使用された。同時期シリアは[[アラウィー派]]国や[[ドゥルーズ派]]国などにも分割されており、それぞれ左隅にフランス国旗を配した旗を制定した。
 
この旗は[[1932年]]に、上から緑・白・黒の三色の帯があり、白帯のところに3つの赤い星([[五芒星]])があるデザインに変えられ、次いでフランス・シリア条約が制定されシリアは部分的な独立を得た。緑は[[イスラム帝国]]初期の[[正統カリフ]]の時代を、白はウマイヤ朝を、黒はアッバース朝を表していた。3つの赤い五芒星は当初は委任統治領シリアの[[アレッポ]]地区、[[ダマスカス]]地区、[[デリゾール]]地区を指していたが、[[1936年]]に[[アラウィー派]]国と[[ドゥルーズ派]]国がシリアに合流すると、3つの星はシリアの主要部、アラウィ―派地域、ドゥルーズ派地域を表すということになった。なお3つの星について、3つの地域というのはアサド政権が主張する誤った認識で、本来はフランスの侵略に対する3つの反乱([[:en:Hananu Revolt|Hananu Revolt]]、[[:en:Alawite revolt of 1919|Alawite revolt of 1919]]、[[:en:Great Syrian Revolt|Great Syrian Revolt]])を表すという政治的解釈もある<ref name="almajalla">{{Cite web |url=https://en.majalla.com/node/323424/documents-memoirs/history-syrias-not-so-new-flag |title=The history of Syria's not-so-new flag |publisher=Al Majalla |date=2024-12-11 |accessdate=2025-02-12}}</ref>。[[1944年]]の独立時もこの旗であった。
 
[[1958年]]にシリアと[[エジプト]]が[[アラブ連合共和国]]を結成した時に、赤・白・黒で緑の星が2つある現在、後のアサド政権([[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権]])時代と同じデザインのものが使われた(2つの星はエジプトとシリアを意味する)。[[1961年]]にアラブ連合共和国を離脱した際に、古いデザインに戻ったが、[[1963年]]に[[バアス党]]の[[3月8日革命|クーデター]]でまた赤・白・黒の水平三色旗に戻った。この時には星は3つとなった(同時期にバアス党が政権を奪取した[[イラクの国旗]]と同様のデザインであり、当初はイラク・シリア・エジプトによる汎アラブ国家建設の構想もあったとされるが、実現しなかった)。
 
[[1971年]]、[[リビア]]の[[ムアンマル・アル=カッザーフィー|カダフィ大佐]]主導で、シリア・エジプト・リビアの汎アラブ主義国が[[アラブ共和国連邦]]を結成し国旗を統合した。この連邦は、赤・白・黒の水平三色旗の中央にアラビア語で「アラブ共和国連邦」と書かれた巻物を持つ金の鷹の旗を国旗に制定したが、この連邦は政治統合を見ないまま[[1977年]]に解消した。
 
[[1980年]]にアラブ共和国連邦旗に代えて、2024年まで使い続け現在のれることになるデザインが使われるようになった。この旗はアラブ連合共和国当時と同じデザインで、赤色もアラブ共和国連邦当時の赤色からアラブ連合当時のやや明るい赤色に戻された。
 
[[2011年]]から始まった[[シリア内戦]]では、[[バッシャール・アル=アサド]]率いる[[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権]]に[[反体制派 (シリア 2011-)|反対する勢力]]が、アサド政権とバアス党の正当性を否定するため、バアス党の政権掌握以前に制定された1932年以来の国旗を「シリア革命旗」として使用した。そのためアサド政権は「革命旗」を非合法化し、少しでも関わった者は即時逮捕された。また親政権派メディアを通じ、独立時の国旗を「委任統治時代の旗」「植民地主義の旗」「フランスの高等弁務官の旗」とった根拠のない主張を展開した<ref name="almajalla" />
 
その後バアス党政権が崩壊した直後は、シリア内戦時におけるシリア革命旗に近い物が事実上用いられるようになった。そして2025年、暫定政府が[[シリア・アラブ共和国憲法宣言|憲法]]を発布し、正式に国旗が制定された<ref name=":0" /><ref name="Flag specification" />。
 
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Naval Ensign of the Federation of Arab Republics.svg|{{FIAV|historical|}}アラブ共和国連邦の軍艦旗
Standard of the President of Syria (1972–1980).svg|{{FIAV|historical|}}アラブ共和国連邦時代の大統領旗
ファイル:Flag of the United Arab Republic (1958–1971), Flag of Syria (1980–2024).svg|{{FIAV|historical|}}アサド政権([[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権]])時代の国旗(1980年-2024年12月8日)
ファイル:Flag of Syria (1932-1958;2011, 1961-1963)observed.svg|{{FIAV|alternatenormal|}}[[シリア内戦]]において[[反体制派 (シリア 2011-)|反体制派暫定政府]]時代掲げる独立(independence(2025年-) flag)。旧国旗と同じもの。
ファイル:Flag of Syria 2011,(1932-1958; observed1961-1963).svg|{{FIAV|defacto|alternate}}現在の国旗(2024201112月8日以降[[シリア内戦]]において[[反体制派 (シリア 2011-)|反体制派]]の掲げる独立ていた(independence flag)(2:3の縦横比)アサド暫定権崩壊府発足、各国シリア大使館は、掲揚してい現在も併用され国旗を独立旗(independence flag)に交換した
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== 汎アラブ色(旧バアス党政権下の国旗で用いられていた配色) ==
国旗に使わ[[2024年]][[12月8日]]までの[[バアス党政権 (シリア)|バアス党政権下]]で用いられていた旧国旗の配色は伝統的な汎アラブ色の物であり、現在も[[イエメン]]、[[エジプト]]、[[スーダン]]、[[イラク]]とも共通する。緑は[[正統カリフ]]または[[ファーティマ朝]]を、白は[[ウマイヤ朝]]を、黒は[[アッバース朝]]を、赤は[[殉教者]]を表すとされるが、赤は[[ヒジャーズ]]など[[ハーシム家]]を表すと国旗で用いられてう見方もある。
 
この色の意味は、緑が[[正統カリフ]]または[[ファーティマ朝]]を、白が[[ウマイヤ朝]]を、黒が[[アッバース朝]]を、赤が[[殉教者]]を表す物であったとされるが、赤に関しては[[ヒジャーズ]]の[[ハーシム家]]を指す物であったという見方もある。
 
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=== 注釈 ===
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== 脚注 ==
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{{脚注ヘルプ}}
 
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Flags of Syria}}