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|所管= ([[司法省 (日本)|司法省]]→)<br>([[法務庁]]→)<br>(法務府→)<br>[[法務省]][[[検務局]]→[[法務省刑事局|刑事局]]]
|内容= 主な犯罪の成立要件とそれに対する刑罰
|関連= [[軽犯罪法]]<br>[[爆発物取締罰則]]<br>[[組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律|組織的犯罪処罰法]]<br>[[航空機の強取等の処罰に関する法律]]<br>[[刑事訴訟法]]<br>など
|リンク= {{Egov law}}
|ウィキソース= 刑法 (日本)
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{{日本の刑法}}
{{ウィキプロジェクトリンク|刑法 (犯罪)}}
'''刑法'''(けいほう、明治40年4月24日法律第45号、{{旧字体|'''𠛬法'''}}、{{Lang-en|Penal Code}}<ref>[http://www.japaneselawtranslation.go.jp/law/detail/?id=1960 日本法令外国語訳データベースシステム - [法令本文表示] - 刑法]</ref>)は、[[犯罪]]に関する[[総則]]規定および個別の犯罪の[[構成要件|成立要件]]やこれに対する[[刑罰]]に関する[[日本]]の[[法律]]である。[[日本]]において、[[六法]]を構成する法律の一つであり、基本的法令である。ただし、広義の「[[刑法]]」と区別するため'''刑法典'''とも呼ばれる。
 
[[1907年]]([[明治]]40年)4月24日に公布、[[1908年]](明治41年)10月1日に[[施行]]された。主務官庁は[[法務省]][[法務省刑事局|刑事局]]刑事課および[[管理官|刑事法制管理官職]]。
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=== 刑罰 ===
第2章 - 第6章では、[[死刑]]・[[懲役]]・[[]]・[[罰金]]・[[拘留]]・[[科料]]といった刑罰の種類や軽重、刑の[[執行猶予]]、[[仮釈放]]、刑の[[時効]]および[[消滅]]等について規定している。
 
令和7年([[2025年]])6月1日に改正刑法が施行されたが、この改正以前は[[法定刑]]として[[懲役刑]]及び[[禁錮刑]]が定められており、令和4年([[2022年]])6月17日に公布された"刑法等の一部を改正する法律"に基づき拘禁刑に一本化された<ref> {{cite web|url=https://www.kanpo.go.jp/old/20220617/20220617g00129/20220617g001290010f.html|title=インターネット版官報 令和4年6月17日 号外第129号|accessdate=2025年6月7日|page=10|publisher=国立印刷局}} </ref>。
 
=== 犯罪の不成立、刑の減免 ===
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ここでは、[[殺人罪 (日本)|殺人罪]]や[[窃盗罪]]、[[放火罪]]など各種の犯罪類型や、その[[未遂|未遂罪]]を処罰するかどうかなどを規定する。これら各犯罪の[[構成要件]]等について研究するのが講学上の[[刑法各論]]である。
 
条文の配列は、基本的に「[[国家的法益]]に対する罪」(第2章{{efn|かつて第1章には国家的法益に対する罪の筆頭として「皇室ニ対スル罪」が設定され、[[大逆罪]]などの規定があったが、[[日本国憲法]]施行に伴う刑法の改正で削除され、現在は存在しない。下の「沿革」節も参照。}} - 第7章)、「[[社会的法益]]に対する罪」(第8章 - 第24章)、「[[個人的法益]]に対する罪」(第26章 - 第40章)の順になっている。ただし、保護法益に対する考え方の違いもあり、全ての犯罪類型がこの順序に従って並んでいるわけではない。例えば、[[国家|国家的]][[法益]]に対する罪である「汚職の罪」は第25章に位置しており、また、[[今日]]では一般的に[[個人|個人的]]法益に対する[[犯罪|罪]]だと解されている「わいせつ、強制[[不同意性交等罪|不同意性交等]]及び[[重婚|重婚の罪]]」は第22章に位置している。
 
[[日本]]の刑法典の各則([[犯罪|罪]])は、犯罪を包括的に規定しているために条文数が少なく、また法定刑の幅が広く規定されているのが特徴である。
 
{{See2|個別の犯罪類型については、[[:Category:日本の犯罪類型]]に掲載された各項目を}}
 
== 沿革 ==
 
=== 古代 ===
[[日本の上代文学史|上代]]には[[大祓詞]](おおはらえのことば)では、[[身体障害]]、[[病気|疾病]]、[[自然災害]]も含んだ[[天つ罪・国つ罪]](あまつつみ・くにつつみ)の観念があり、これらは祓(はらえ)により浄化された。しかし、公開刑の[[死刑]]、[[財産|財産刑]]、[[没収]]、[[日本における追放刑|追放]]なども存在したとされる。[[大化の改新]]ののち、[[大陸]]からの[[帰化人]]や[[留学|留学生]]により[[大宝律令]]、[[養老律令]]が制定された。これらは[[唐|唐律]]の規定にならうが、規定の簡素化と刑の緩和がはかられていた。なお、[[弘仁]]9年([[818年]])から[[保元]]元年([[1156年]])までの339年間、[[朝臣]]に対して[[死刑]]が行われなかった<ref>[[大塚仁]] 刑法概説P.31</ref>( → [[日本における死刑#日本における死刑の歴史|日本における死刑]])。
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** [[聴覚障害者|瘖唖者]](いんあしゃ)減軽規定(旧・40条)の削除
** [[尊属殺|尊属殺人罪]](旧・200条)・尊属[[傷害罪#傷害致死罪|傷害致死罪]](旧・205条2項)・尊属[[遺棄罪]](旧・218条2項)・尊属[[逮捕・監禁罪|逮捕監禁罪]](旧・220条2項)の削除
**: 1973年(昭和48年)の[[最高裁判所 (日本)|最高裁]]の[[尊属殺重罰規定違憲判決]]が[[確定判決]]となった<ref>尊属殺重罰規定違憲判決:最高裁判所昭和48年4月4日大法廷判決・[[刑集]]27巻3号265頁-[https://www.courts.go.jp/apphanrei/hanrei_jp51807/detail2?id=51807/index.html 最高裁判例情報]</ref>後も削除されず、死文化し形式的に残っていた第200条を削除し、他の[[親族#尊属と卑属|尊属]][[厳罰化]]規定も削除したもの。
 
=== 平成10年代(平成時代中期 - 末期) ===
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* 強姦罪([[b:刑法第177条|刑法177条]])を「[[強制性交等罪]]」に名称を変更し、法定刑の下限を引き上げ。性別を問われなくなり、被害者からの[[親告罪]]から非親告罪へ変更され、集団強姦罪が廃止される。[[6月23日]]公布、平成29年[[7月13日]]に施行。
;; (平成29年法律第67号)<ref>{{日本法令索引|id=0000142614|name=組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律}}</ref>
* [[組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律]](組織的犯罪処罰法)の改正に伴い、国民の国外犯として、新たに[[贈賄罪]]が追加された。
 
; 2018年(平成30年)改正(平成30年法律第72号)<ref>{{日本法令索引|id=0000145663|name=民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律}}</ref>
921 ⟶ 924行目:
; 2022年(令和4年)改正(令和4年法律第67号)<ref>{{日本法令索引|id=0000158407|name=刑法等の一部を改正する法律}}</ref>
* [[侮辱罪]](刑法231条)の法定刑の上限を引き上げ。これまで法定刑は「拘留又は科料」であったが、「一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に改められた。令和4年[[6月13日]]成立、[[6月17日]]公布。公布後20日を経過した日([[7月7日]])に施行。
* [[懲役刑]]と[[禁錮刑]]を[[拘禁刑]]に統一<ref> {{cite web|url=https://www.kanpo.go.jp/old/20220617/20220617g00129/20220617g001290010f.html|title=インターネット版官報 令和4年6月17日 号外第129号|accessdate=2025年6月7日|page=10|publisher=国立印刷局}} </ref>。拘禁刑の受刑者は「改善更生を図る」ことを明記した<ref> {{cite web|url=https://www.moj.go.jp/content/001437235.pdf|title=拘禁刑下の矯正処遇等について|accessdate=2025年6月7日|publisher=法務省矯正局|format=pdf}}</ref>。2025年(令和7年)6月1日から施行。
; 2023年改正(令和5年)改正(令和5年法律第66号)<ref>{{日本法令索引|id= 0000161544 |name=刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律}}</ref>
* 強制わいせつ罪(176条)、強制/準強制性交等罪(177条/178条)及び各致死傷罪(181条)、強盗・強制性交等罪及び同致死傷罪(241条)を[[不同意わいせつ罪]]、[[不同意性交等罪]]、[[強盗・不同意性交等罪]]へと罪名変更及び性犯罪の成立要件の見直し、性的同意年齢を13歳から16歳へ引き上げ。また、十六歳未満の者に対する面会要求等罪(182条)を新設し、旧182条の淫行勧誘罪を欠番の183条へ移動。2023年(令和5年)6月23日公布、同年7月13日施行。
 
== 脚注 ==