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| 英文社名 =
| ロゴ =
| 画像 = JASM
| 画像
| 画像説明 = 会社ロゴ
| 種類 = [[株式会社 (日本)|株式会社]]
| 機関設計 =
| 市場情報 =
| 略称 = JASM
| 国籍 = {{JPN}}
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| 本店所在地 =
| 設立 = 2021年12月10日
| 業種 = 3650
| 統一金融機関コード =
| SWIFTコード =
| 事業内容 = [[ファウンドリ]]、半導体素子の製造・販売など
| 代表者 =
| 資本金 = 2,072億3,200万円<ref name="fy2024">Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社 第4期決算公告、2025年(令和7年)5月23日付「官報」(号外第114号)43頁。]</ref>
| 発行済株式総数 =
|
* 5億500万円
| 営業利益 = ▼
(2024年12月期)<ref name="fy2024" />
| 経常利益 = ▼
|
* △417億7,300万円
| 純資産 = ▼
(2024年12月期)<ref name="fy2024" />
* △358億7,700万円
(2024年12月期)<ref name="fy2024" />
* △358億8,000万円
(2024年12月期)<ref name="fy2024" />
|総資産 =
* 1兆471億3,100万円
(2024年12月31日現在)<ref name="fy2024" />
| 従業員数 =
| 支店舗数 =
| 決算期 = 12月
| 会計監査人 =
| 所有者 =
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| 関係する人物 =
| 外部リンク =
| 特記事項 =
}}
'''Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社'''(ジャパン・アドバンスト・セミコンダクター・マニュファクチャリング
TSMCが過半数を出資 == 概要 ==
[[1997年]]に[[台湾積体電路製造|TSMC]](台湾積体電路製造)は日本法人を設立
工場は菊池郡菊陽町に、[[2022年]]4月から[[鹿島建設]]本社を中心とするJVが建設を開始し、2024年2月に竣工した。竣工式典には、政府要人がオンラインで、TSMC創業者の[[モリス・
工場では2024年から、12/16[[ナノメートル|nm]][[FinFET]]プロセスと22/28nmプロセス技術を用いた半導体を、月産能力で12インチ[[ウェハー
=== JASMとソニー熊本の関係 ===
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2019年にTSMCは「TSMCジャパンデザインセンター」を設立してグローバルな顧客に設計サービスを提供し、[[茨城県]]の3DIC研究開発センターでも日本のパートナーと協力して高度なパッケージング技術のフロンティアを広げているが、JASMは、1997年の日本法人設立以来の、長年に渡り日本の半導体エコシステムと協力してきたTSMCの歴史における新たな章<ref>{{Cite news|和書 |title=特別トップインタビュー 誠実かつ信頼を理念に最先端プロセスを通じて顧客とマーケットを結ぶ |newspaper=日経XTECH |date=2021-12-20 |url=https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/21/tsmc1220/ |access-date=2023-07-25}}</ref>と位置付けれられている。
日本の半導体産業にとって、今回のJASMの設立や工場設置は半導体産業の再生に向けた重要な一歩であり<ref name="#1">{{Cite news|和書 |title=ソニー・TSMC合弁が、日の丸半導体の再起を促す画期的な決断である理由 |newspaper=DIAMOND online |date=2021-12-28 |url=https://diamond.jp/articles/-/291808 |access-date=2023-07-25}}</ref>、日本国政府は今回の工場設立や[https://techtaiwan.com/20211020/tsmc-japan-fund/ 同様の流れを継続させるための積極的な支援策を検討]<ref>{{Cite news|title=Japan Considers a Semiconductor Fund to Support TSMC and Chip Industry Revival|newspaper=TechTAIWAN|date=2021-10-20}}</ref>している。また、自動車や家電製品などの基幹産業を守るため、世界的な基幹部品の需要に対応する有効な手段<ref>{{Cite news|和書 |title=TSMC announces plans to build first chip plant in Japan |newspaper=NIKKEI Asia |date=2021-10-14 |url=https://asia.nikkei.com/
=== JASMに関する話題 ===
[[Image:JASM Kumamoto 2024 03.jpg|thumb|JASM熊本工場(2024年3月)]]
2021年11月のJASM発表の際、ライトストリーム・リサーチのアナリスト・加藤ミオはシンガポールの市場調査会社・スマートカルマ(SmartKarma)に対し、「この工場は日本の半導体産業にとって先端ロジック能力を拡大する上でプラスになり<ref>{{Cite news|和書 |title=TSMC to Set Up $7 Billion Japan Plant With Help From Sony |newspaper=Bloomberg |date=2021-11-09 |url=https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-11-09/tsmc-to-set-up-7-billion-japan-plant-with-help-from-sony-tokyo?sref=By3eIQgR#xj4y7vzkg |access-date=2023-07-25 |language=en}}</ref>、[[ソニー]]や[[ルネサスエレクトロニクス|ルネサス エレクトロニクス]]といった日本の顧客との関係強化につながる可能性がある」と書いている。また、[[週刊ダイヤモンド]]の記事では、「日本の半導体業界の再起を促す画期的な決断」と評されている<ref name="#1"/>。▼
▲2021年11月のJASM発表の際、ライトストリーム・リサーチのアナリスト・加藤ミオはシンガポールの市場調査会社・スマートカルマ(SmartKarma)に対し、「この工場は日本の半導体産業にとって先端ロジック能力を拡大する上でプラスになり<ref>{{Cite news|和書 |title=TSMC to Set Up $7 Billion Japan Plant With Help From Sony |newspaper=Bloomberg |date=2021-11-09 |url=https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-11-09/tsmc-to-set-up-7-billion-japan-plant-with-help-from-sony-tokyo?sref=By3eIQgR#xj4y7vzkg |access-date=2023-07-25 |language=en}}</ref>、[[ソニー]]や[[ルネサスエレクトロニクス|ルネサス エレクトロニクス]]といった日本の顧客との関係強化につながる可能性がある」と書いている。また、[[週刊ダイヤモンド]]の記事では、「日本の半導体業界の再起を促す画期的な決断」と評されている<ref name="#1" />。
なお、JASMが工場を建設している熊本県は、1960年代に[[三菱電機]]や[[NEC]]のウェハファブの拠点として、九州がシリコンアイランドと呼ばれるようになった経緯がある<ref>{{Cite news|和書 |title=曾在90年代被美國打趴的日本半導體,會在台積電進駐後從九州開始「復興」? |newspaper=Citi ORANGE |date=2022-01-13 |url=https://buzzorange.com/citiorange/2022/01/13/kyushu-silicon-island/ |access-date=2023-07-25}}</ref>。日本の半導体産業の中心地として発展し、現在でも、三菱電機やソニー、[[東京エレクトロン九州|東京エレクトロン]]など日本の半導体企業の多くが熊本県に拠点を置いている。また、JASMが立地する熊本県菊陽町の隣町、熊本県上益城郡益城町には[[熊本空港]]があることや、[[熊本港]]や[[八代港]]にも近く、[[中華人民共和国|中国]]など[[アジア]]などへのアクセスも容易な点がある。
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== JASM設立の経緯 ==
{{See also|en:Global chip shortage (2020–2023)}}
2019年5月のアメリカによる[[ファーウェイ]]への大規模な規制や、[[中
ソニーは[[撮像素子]]を自ら製造していたが、その素子と組み合わせるロジック半導体はTSMCが製造しており、その規模はTSMCの日本での売り上げの半分以上をソニーが占めるほどだった<ref name=":3">{{Cite web |title=「TSMC熊本進出」のあまり語られない本当の理由 |url=https://toyokeizai.net/articles/-/720724 |website=東洋経済オンライン |date=2023-12-12 |access-date=2024-02-23 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=日本に「最新でない半導体工場」を作る理由。TSMC新工場【西田宗千佳のイマトミライ】 |url=https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/nishida/1359072.html |website=Impress Watch |date=2021-10-18 |access-date=2024-02-24 |language=ja |last=株式会社インプレス}}</ref>。2020年7月、ソニーはTSMCに対し、ソニー専用の半導体製造工場を新たに設置するよう求め、TSMCは別の会社の[[台南市|台南]]にある工場を買い取ることでソニー専用の28nm生産ライン(Fab14B)を作ろうとした<ref>{{Cite web |title=台湾ビジネスの情報サポート {{!}} ワイズコンサルティングG |url=https://www.ys-consulting.com.tw/news/90858.html |website=台湾ビジネスの情報サポート {{!}} ワイズコンサルティングG |access-date=2024-02-23 |last=ysmedia}}</ref>。
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2020年末からの{{Ill|半導体不足|en|Chip shortage|label=チップ不足}}により、経産省の懸念が現実のものになった。また2021年4月、[[ジョー・バイデン|バイデン]]米大統領は政権として初の外国要人の面会に[[菅義偉]]首相を選び、台湾有事が起こった場合の半導体供給の懸念について話し合った<ref name=":4">{{Cite web |title=膨らむTSMCへの補助額 「防波堤も必要」財務省が突きつけた条件:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASS2V52G0S2LULZU003.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |date=2024-02-26 |access-date=2024-02-29 |language=ja}}</ref>。これを受けて、[[自由民主党 (日本)|自民党]]の[[関芳弘]]と[[甘利明]]は半導体戦略推進議連を新たに立ち上げ<ref name=":4" />、半導体産業の強化は国家戦略であるとした<ref>{{Cite web |title=安倍前首相、「異次元」の半導体産業支援が必要-自民が議連設立 |url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-21/QTE1U3T0AFB501 |website=Bloomberg.com |date=2021-05-21 |access-date=2024-02-23 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=自民党「半導体戦略推進議連」立ち上げ 政策づくり提言 – 一般社団法人 日本自動車会議所 |url=https://www.aba-j.or.jp/info/industry/15221/ |website=www.aba-j.or.jp |access-date=2024-02-23}}</ref>。そして4760億円の補助金のもと、TSMCが台南で進めていたFab14Bの計画を丸ごと熊本へ持ってくることになった<ref name=":3" />。
そして、熊本工場の設置においては、該当する合志市及び菊陽町に跨る地域に2026年を目処に熊本県が工業団地を整備する計画が持ち上がっており、さらにソニーグループが傘下のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング熊本工場に隣接する約21haの土地を取得しTSMCに提供する用意があったことも要因にある<ref>{{Cite web |title=ソニー、TSMCの工場新設に協力表明 熊本の用地提供を検討か:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASPBX5GZ0PBXULFA00V.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |date=2021-10-28 |access-date=2024-02-24 |language=ja}}</ref>。地下水の問題は、JASMと菊陽町の間で地下水の汲み上げ用量などの合意が得られており、水質調査などにも協力する合意が成立している<ref>{{Cite web |title=TSMC子会社と地元自治体などが地下水維持に向け協定|NHK 熊本県のニュース |url=https://web.archive.org/web/20231003012718/https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20231002/5000020278.html |website=NHK NEWS WEB |access-date=2024-02-24 |last=日本放送協会}}</ref>。
2024年2月より試作試験中のFab23において<ref>{{Cite web |title=台湾TSMC社のファブ23はどこにある?ファブ23フェーズ1とは何? |url=https://www.semiconportal.com/archive/blog/insiders/hattori/231212-tsmcfabs.html |website=セミコンポータル/Semicon Portal |access-date=2024-02-25 |author=服部毅}}</ref>、12nmプロセスの稼働を目指しているのは、次世代画像素子ロジック及び汎用ペリフェラル製品にも適応可能なプロセスだからである。また、このプロセス様式を決定するに当たっての重要な要因としては、顧客が保有する既存の設計ツールの変更を伴わずに、必要なチップを入手できるようにするためでもあった。
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