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{{アメリカ合衆国の教育}}
'''アメリカ合衆国における入学試験'''(アメリカがっしゅうこくにおけるにゅうがくしけん)は、様々な尺度で志願者の審査を行う。
== 保育園 ==
アメリカで5歳未満の子どもが通う[[保育園]](Preschool, [[:en:Preschool Nursery school|Nursery School]], [[:en:Pre-Kindergarten|Pre-K]])は、ほとんどが私立であるが、一般的に先着順、抽選、兄弟優先で入学者を受け入れ、試験を課すところはあまりない。しかし高所得で教育水準の高い都市部では、名門私立への入学対策を行う園、外国語[[イマージョン・プログラム|イマージョン]]や[[モンテッソーリ教育]]を導入する園、[[有機農産物|オーガニック]]など健康に気を配った食事や環境を提供する園などがある。年間1万5000ドル以上と学費が高いにもかかわらず非常に人気があり、書類選考や面接、知能試験などが行われる。とくに独身者や子どものいない[[共働き]]所帯の多かった[[ニューヨーク]]の[[マンハッタン]]では、[[郊外]]から子どものいる家庭が多く転入し始めたため、競争率が高くなり受験が激化している<ref>[http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200703100009a.nwc 2007年3月10日付配信 フジサンケイビジネスアイ:NYで保育園“お受験”戦争 若年夫婦増、学費は年174万円超]</ref>。
== K-12 ==
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
日本の[[幼稚園]]に比べ勉学に重きを置くキンダーガーテン([[:en:Kindergarten|Kindergarten]]、略称キンダー)から始まる初等と[[アメリカ合衆国の中等教育|中等]]、つまりキンダーから12年生までの教育課程を[[K-12]]という。学校形態は大まかに分けると[[公立]]、[[私立学校|私立]]、[[ホームスクーリング]]の三種類である。
=== 公立の入試 ===
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
[[IMAGE:MiddleSchoolScienceBowl.jpg|right|thumb|全米中学科学杯で優勝した理数系マグネット・スクールの生徒達]]
米国教育制度の大きな特徴は、州を細かく分けた'''[[アメリカ合衆国の学区|公立学区]]'''(School district)によって運営されることである。学区が[[不動産]][[地価]]を左右することからもわかるように、学区内の居住者が払う[[固定資産税]]を財源とする学校予算、教師の質、教育指導内容・レベルには大変な地域格差がある。
入学試験や選考試験のある公立校も多く存在する。たとえば[[早期教育#早期教育の種類|早期就学]]や[[飛び級]]、高い才能があるとされる[[ギフテッド]]のための[[特別支援教育|特別クラス]] 、成績優秀者しか履修できない優等クラス(Honors)や大学単位認可クラス([[
選考は[[調査書 (進学と就職)|内申書]]だけのこともあるが、面接や筆記試験、[[知能検査]]などが課される。筆記試験は[[TAKS|テキサス州標準テスト]]のように州が作成するテストか、全米標準テストのアイオワ基礎テスト([[
=== 私立の入試 ===
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
米国の私立校は経営母体によって募集する生徒のタイプが分かれており、日本の[[AO入試]]選抜に近い手順を取ることが多い。進学校は学力テストを行い、私立向けの独立校入学テスト([[:en:Independent School Entrance Exam|ISEE]]、5-12年生)と公立でも用いられるSSATが一般的である。日本のように独自のテストを作る学校も多い。
[[Image:PhillipsAndover.JPG|right|thumb|ブッシュ大統領親子も卒業した名門アンドーバー]]
日本の有名私学に一番近いものは、'''プレップ・スクール'''([[
非営利団体や宗教団体によって運営されている私立校では、まず受験者側が学校の方針に同意していることが大前提である。クリスチャン・スクール(キリスト教)とジューイッシュ・スクール(ユダヤ教)が多いが、宗教に敏感な国であるため、特定宗教の影響を嫌う親はこのような学校を避けたがる。偏差値で[[ミッション系大学|ミッションスクール]]を選ぶ日本との大きな違いである。しかし近年はアカデミック重視で、創立理念や宗教色が薄くなってきている学校もある。そのような学校は進学率が高く人気があるため競争率も高くなっている。
クリスチャン・スクールの中でも'''パロキアル・スクール'''([[
[[学習障害]]やその他障害のために特殊教育を必要とする生徒、あるいはいわゆる問題児を集めた学校などターゲットを絞った私立校も多く存在する。こういった学校は[[特殊学級]]専門の教師、[[作業療法士]]、[[言語聴覚士]]、あるいは[[カウンセラー]]、セラピスト、[[心理学者]]といったエキスパートが集まってチームを組んで指導をする。生徒が持つ能力を最大限まで伸ばし、将来の可能性を広げる手助けするという目的で運営されている。学校の指導内容を一番必要としている者から順に入学許可が下りる。
== 高等教育 ==
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
{{Main|アメリカ合衆国の高等教育}}
{{See also|SAT (大学進学適性試験)}}
高校卒業後は、'''[[アメリカ合衆国のコミュニティ・カレッジ|コミュニティ・カレッジ]]'''('''Community College'''、日本語での通称'''コミカレ''')という地域に根付いた公立の2年制大学に進む道と、4年制大学に進む道がある。K-12は9月入学で6月卒業だが、大学は9月入学が主流ではあっても、セメスター(2学期制)・トライセメスター(3学期制)・クォーター(4学期制)に合わせて各学期の初めから入学でき、卒業も6月とは限らない。日本の[[高等学校卒業程度認定試験|高認]]に当たる[[General Educational Development|GED]]に合格すれば、高校を卒業していなくても大学に入学する資格を与えられる。
=== コミュニティ・カレッジ入試 ===
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
{{Seealso|アメリカ合衆国のコミュニティ・カレッジ}}
コミュニティ・カレッジとは、高校卒業資格・職業資格などの[[ディプロマ]]取得、職業訓練で取得できる職業証明書の[[サーティフィケート]](職業学位とも)、[[短期大学士|アソシエイト・ディグリー]](日本でいう短期大学士)取得、4年制大学への[[編入学]]を柱に、特にビジネス、会計学、コンピュータ、工学、ホスピタリティ、医療、教育学、アート、刑事司法等の[[学部]]を多く揃えた[[州|州政府]]が運営、高等教育を提供している[[公立学校|公立]]の2年制大学である。私立の2年制大学は一般的にJunior Collegesと呼ばれる。看護専攻は3年制であり卒業&RN取得後に4年制大学編入は可能。コミュニティカレッジには趣味を極めるための教室が併設されている場合もある。設置している学部や学級は学校により異なり、ハワイのフラや、ギター製作、劇のシナリオ作りなどユニークなものもある。
公立のコミュニティカレッジの学費は、同じ州内にある州立大学の州内出身学生の学費(In-State Tuition)と比較して安いが、州外の学生や留学生の学費は、州内の学生より高くなるのが一般的である。授業レベルは、学校・専攻により評価は異なる。英語が母国語でない人が多く住む州では、英語教育に力をいれているコミュカレもあり、また看護学で必須の生物・化学等は通常授業に加えて週一で実験もありハードである。チューターや補講が4年制大学より充実しているコミュカレもある。そもそも、進学コースは州立大の1,2年次を担っているので、比較してレベルは低くはない。ただし、近年の不況により、学生数が急増した学校では、きちんとした教師の補充ができているかはケースバイケース。また、高校での成績が悪く4年制大学に進学できなかった生徒の受け皿になっている面がコミュカレにはあり、4年制大学と比較して(特に10代の)学生のモチベーションには幅がある。教師の側も、授業のレベルを落としたくないが、落第もさせたくないというジレンマがある。コミュカレによってはドロップアウト率は高く、大学側も策を講じているのだが、理由が単純に、高校で勉強の仕方を学ぶ機会を逸しているだけでなく、働きながら通っている、子供や親の世話があるなど様々であり難しい。逆に、(4年制大学が無い)地元で成績優秀な高校生が、飛び級で学びに来ていたりもする。
コミュカレは、その名のとおり地元密着型である。近所に4年制大学がなく、一般教養や専攻の基礎教育は親元から通ってお金を節約したい、社会人の再入学(特に看護専攻)といった学生も多くみられる。入学のハードルは低いが、成績でAを取るには学期中に課されるクイズ、中間テスト、期末テスト、レポート等で平均93-95点以上取る必要があり、コミュニティカレッジといえども、日本の大学受験生なみの勉強時間は要求される。外国人にも門戸を広く開放しており、[[TOEFL]]の点数も同じ州内の州立4年制大学より低く設定されているのが一般的だが、ハワイのように英語要件が逆転してるケースもある。高校の成績が悪くてもコミカレで頑張って(ある程度のGPAで)卒業すれば、高卒時点では無理だった4年制大学に編入・卒業することも可能になる。コミカレを経由して4年制大学の編入をめざす生徒は、4年制大学の一般教養や専攻の基礎に当たるクラスを履修し、高い
一部のコミュカレには寮が併設されている。一般的に留学生も入寮可能である。
=== 4年制大学入試 ===
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
4年制大学には名門[[アイビー・リーグ]]8大学をはじめ、[[ジョンズ・ホプキンズ大学]]、[[マサチューセッツ工科大学]]や[[セントルイス・ワシントン大学]]などの有名私大、[[リベラルアーツ・カレッジ]]、パブリック・アイビー([[カリフォルニア大学バークレー校]]、[[ミシガン大学]]、[[バージニア大学]]、[[ウィリアム・アンド・メアリー大学]]、[[ノースカロライナ大学チャペルヒル校]]など非常にレベルの高い[[州立大学]])、宗教色の強い私大、サテライト・キャンパスを持つマンモス州立大、専門を絞った大学、障害者のための大学、軍隊アカデミーなど、教育レベル・内容は多種多様である。それゆえ入学審査も一般入試、[[一芸入試]]、公募推薦、ポートフォリオ提出、実技、面接、体力測定など様々であり、大学側も学生が均一化することを嫌い多様性を好むことが多い。後述するレガシー制度など、公平でない部分もある。合格基準に及ばなかった学生にも、「条件付き入学」として特定クラスの履修・好成績を条件に入学するチャンスを与える大学もある。
多くの大学では、高校の成績、[[SAT (大学進学適性試験)|SAT]]あるいはACTテストの点数、推薦状、小論文の提出が求められる。外国人はこれにTOEFLの点数が加わる。編入学には上記項目に加えてコミカレや他大学での成績も要求される。米国の大学には留学生、編入生が非常に多い。入学審査書類はすべて郵送か[[オンライン]]で提出するので、日本のような「入試日」はない。遠方の大学に試験を受けに行くのは、実技や面接がある試験で最終審査に残った有力候補だけである。そのため遠い他州の大学をいくつも掛け持ちすることができる。
全米トップレベルの教育は、アイビーリーグや有名私大に限らず、州立大学でも受けることができる。その分野で数々の業績があり、多くの優秀な教授陣・研究員・学生を抱える州立大の学部では入学基準も競争率も非常に高い。
成績の判定にはSATテストや高校の成績を用いるが、課外活動や人格の評価には、小論文や推薦状が参考となり、全米優等生協会([[
[[Image:
[[Image:ScienceOlympiad.jpg|right|thumb|科学オリンピックに参加中の高校生]]
日本と同様、スポーツ推薦入学や、[[ジュリアード音楽院]]などの単科専門大学の入試では、テストの点数以上に実技や実績がものを言う。そして
米国では地方から全国、国際レベルまで、小中高生を対象にした[[舞台芸術]]、弁論、[[綴り字|スペリング]]、[[数学]]、[[科学]]、[[プログラミング (コンピュータ)|プログラミング]]、[[ジャーナリズム]]、ビジネス・スキルなど数多くのコンテストが頻繁に開催されており、技能や知識を公的に評価される好機会となっている。[[アメリカ地理学協会]]の地理コンテスト、[[レゴ]]社のロボット設計コンテストというように関連団体や企業が政府機関と共同主催する大規模なものは、優勝者に賞金や奨学金が出ることも多い。
最寄の総合大学を選ぶ学生も多いが、専攻したい学部が充実している大学を選ぶ学生、将来が約束されている一流大学の一流学部をめざす学生も多い。入学審査には成績のほかに志望動機をつづった小論文や推薦状が重要な位置を占める。もう一つ非常に重大な進路決定の要因は、[[奨学金]]である。複数の志望校の中から奨学金が得られる大学を選ぶのは自然な行為である。
=== 大学院入試 ===
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
: ''関連項目:[[留学#米国大学院留学]]''
: ''学位や奨学金、大学院での教育・試験については[[アメリカ合衆国の教育#大学院]]参照。''
[[Image:SURFatNIST.jpg|right|thumb|大学院進学を希望する理数系専攻のインターンたち]]
大学院も(後述する大学院入学共通テスト[[GRE]]の点数を含む)書類選考で入学が決まる(ただし、専攻によっては面接を行うところもある)。大学の事務局ではなく専攻学部、時には教授がスポンサーとなって入学許可が下りる。院では専門の研究をするため、専門分野と直結する研究実績、職歴、経験を持つ人間が求められる。志望動機の小論文(EssayあるいはStatement of Purposeなどと呼ばれる。自己紹介や目的意識なども含めて記述する)、ポートフォリオ、推薦状などが今まで以上に重要となるわけである。
大学を卒業して長いブランクの末に大学院に入る者、働きながら専門を極めるために大学院に通う者も非常に多い。大学院は、異なったバックグラウンドや実社会経験を持つ学生の貢献を認め、院の専攻は学部時代と一致しなくてよいとする大学が多い。しかし学部で履修したクラスのうち、院の専攻に関係あるものは特に良い成績を修めておかなければならない。基礎クラスを学部のクラスで履修して良い成績を取るという条件付きで修士の入学許可を与えるられることもある。このように例外が認められることも多く、あらゆる面で交渉の余地がある。なお、入学選考制度と必要な試験が[[カナダ]]とほとんど統一化されているため、アメリカ合衆国の大学院入学を考える人はカナダの大学も志望校の選択に含める場合が多い。
専攻が違っても院で研究を進めるだけの学力・知識があるかを判定するために、大学院入学共通テストの点数は提出しなければならない。専門職以外の大学院入学共通テストは、文系も理系も[[GRE]]であり、分野によっては[[GRE#Subject Test|GRE Subject Test]]という専門科目の試験もある。社会科学系はGREの代わりに[[:en:Miller Analogies Test|MAT]]を受験することもある。留学生は[[TOEFL]]も受験する。学部の[[GPA]]が一定値を越えていなければ願書を受け付けないという大学院も多い(大学の事務は機械的に処理しようとするが、この場合でも教員を説得できるだけの材料や業績があれば、教員に直接交渉すれば例外として認められることもある)。一方で、共通テストや学部の成績による線引きは行わず、過去の研究実績、実社会での経験、志望動機や推薦状などで考慮することも多い。
==== 専門職養成大学院 ====
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
{{Seealso|プロフェッショナル・スクール}}
医学、法学、経営学、教育学、公共政策学、建築学、図書館学などは専門職を養成する大学院で[[専門職学位]](Professional degree)が与えられる。日本に一番なじみがあるは[[経営学修士|MBA]](ビジネス・スクール)、医学([[メディカル・スクール]])、法曹([[ロー・スクール (アメリカ合衆国)|ロー・スクール]])であろう。
日本と異なり、医学、獣医学、薬学、法学、公共政策学、図書館学などは学部レベルに専攻自体がない。しかし医学は医学部準備クラス([[
専門職の大学院共通テストには、経営に進む学生が受ける[[Graduate Management Admission Test|GMAT]]、法曹は[[
専門職によっては、職業に就くために在学中、卒業後も国家試験を受けなければならない。たとえば法務関係では、4年
医学関係は、基礎2年・臨床実習2年のメディカルスクールを終えたあとレジデンシ
== 米国入試制度の問題点 ==
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
難関大学であっても学業成績のみで受験生をふるい落とすことはなく[頭脳明晰な成績優秀者グループ 、スポーツも含め奇抜でユニークな経歴を持つグループ、豊富で強力な人脈を持ち莫大な寄付金を納める富裕層グループ]の3条件を大学運営の鍵として重視する。社会的地位の高い家庭や[[セレブリティ]]の子女には3条件を満たす者もいる。
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
多民族国家で世界中から留学生が訪れる米国ならではの選考基準の中に、人種・民族といったマイノリティー調査がある。[[積極的差別是正措置|アファーマティブ・アクション]]としてマイノリティー(とくに[[アフリカ系アメリカ人]]、[[ヒスパニック]]、[[ネイティブ・アメリカン]])のテスト点数をかさ上げしたり、特別枠を設けてマイノリティーが合格しやすいように細工することもある。
しかし、逆に言えば、能力があっても白人であるために不合格になってしまう「逆差別」も生まれる。最も有名なものはカリフォルニア大学医学部を訴えた'''バッキー'''([[
2003年にはミシガン大学の'''グラター'''([[
少数派優遇案にも
[[
アファーマティブアクションとは正反対に、特定グループの合格基準を厳しくする人種制限方針もある。対象となるのは'''モデル・マイノリティー'''([[
大学入試に関して言えば、アジア系は全人種の中で平均学力が最も高く合格点をクリアしやすい。所得の高低に関わらず高等教育を望み教育に熱心なアジア系アメリカ人と、母国で過酷な受験戦争を勝ち抜いて来たアジア系留学生が学力レベルを引き上げているためだ。一流と言われる私立や州立大学では、アジア系が圧倒数で合格し、学内の人種バランスが崩れるという現象が起きている。そのためアジア枠や出身国枠を作ったり、アジア系は合格基準を厳しくするという制限を行う大学もある。
2001年9月に[[カリフォルニア大学ロサンゼルス校|UCLA]]に合格したヒスパニック学生のSAT平均点数が1168点であるのに対し、白人平均は1355点、アジア系平均は1344点であった。個人的事情などが考慮されて900点台のヒスパニック学生が合格する一方で、1400や1500点
アジア系学生の競争が熾烈になるのは、専攻が理数系に偏っているのも原因の一つだという説がある。英語力が乏しいため理数系学科で勝負する、人文系に比べ客観的評価が成される理数系なら差別を受けにくいと考える、安定した職に就けると考え理数系を子どもに勧める、
{{出典の明記|date=2012年12月|section=1}}
州立大学は、州税から援助金を受けており、それを高等教育の場を供給するという形で還元しなければならない。州民よりもずっと高い学費を払う州外学生や留学生が多いほど大学の財源は潤うし、日本のように出身地に関わらず実力主義で合格判定をすれば大学の水準も上がるだろう。しかし、州立大学は州民に低めの学費を設定し、州内の高校生を優先しなければ税金を払う州民のサポートは得られない。また私立大学以上に、州の人口を反映するよう学内の人種バランスに神経を使う。公の機関ゆえに入試選考の透明化、選考の過程と結果の公表も求められる。
1998年から[[テキサス州]]は「上位10%法」([[
州民枠は、[[郊外#海外(主にアメリカ)での郊外発展の歴史|郊外]]に住む中流階級を満足させるだけではない。郊外に比べて低所得者やマイノリティーが多く、教育レベルの低い[[インナーシティ|都市中心部]]や[[村落|村落部]]に住む住民の賛同も得ることができる。大学側は人種枠(州によっては違法とされる)の代わりに州民枠を使うことで、人種・民族・社会的背景・経済状態など多岐面にわたりバラエティーに富んだ学生を集めることが可能になる。
'''カリフォルニア大学の入試選考'''<br
名門[[カリフォルニア大学バークレー校]]や[[スタンフォード大学]]を抱えるカリフォルニア州では、アジア系やヒスパニックなど年々増加するマイノリティー人口を抱え、学内の人種バランスの均衡が切実な問題となっている。州立の[[カリフォルニア大学]]の入学資格は数年ごとに改定され細分化し、そのポリシーに従いながらも最終的決定は[[カリフォルニア大学#
* 州立大学として州民に奉ずる義務 (州内の高校
* 高い教育水準を維持するという純粋な目標(バークレーやUCLAには国内はもとより国外からも優秀な生徒が多数受験する。)
* リベラルな州民を納得させられるだけのポリシー(州の人口を反映するようなマイノリティーの在学率)
{|
|td width="25%"|SP-1<br
|SP-1「入試選考に人種と性別を適用しない」実力主義方針をカリフォルニア州立大学理事会([[
|-
|コミカレからの編入増加案<br
|コミュニティー・カレッジからの編入を約30%、98年には50%に増やすと決定。
|-
|SP-1無効<br
|SP-1は人種を選抜要素にしない代わりに、不利な状況にある生徒が入学できるよう指導・補助金の増加も決めた。しかし、改正案209号は「入学への援助や奨学金の選考にも人種を取り入れるべきではない」と広義に解釈され、不利なマイノリティーをターゲットに援助することが困難となった。
|-
|ELC(Eligibility in the Local Context 地域考慮)
|共通テストと高校の成績を基準にするStatewide Eligibility(州内一般入試)を補う形で導入された高校別の選考。1996年の調査で州内の高校生上位11.
|-
|Eligibility by Examination Alone(一発選考)
|StatewideやELC基準に入れなかった生徒も、共通テストで高得点を取れば入学資格を得る可能性が与えられた。
|-
|DAP(Dual Admissions program 編入学制度)<br
|上位4%に入れなかった州内の高校生のうち上位12.5%までの生徒が対象。高卒の時点でUCの入学資格に達していなくても、コミュニティーカレッジで規定のクラスを履修し一定の成績を修めればUC側が指定するキャンパスに編入する資格が与えられた。
|-
|GTO(Guaranteed Transfer Option 編入保障制度)
|州からの援助金不足で新入生全員を大学に収容することは不可能な上に、UCの新入生数を10%減らしてコミュニティーカレッジに回すという知事の提案もあり、導入された編入保障制度。GTOは、高卒時にUC入学資格に達していたが定員一杯でUCに籍がもらえなかった学生を対象とする。州内のコミュニティーカレッジで指定のクラスを取り、
|-
|DAPの廃止<br
|州からDAPへの援助金が打ち切られ廃止される。2004年以前にDAPを申請した者はGTOに変更可能だが、今後は高卒時にUCの入学資格を満たしていないと編入学プログラムに入学できない。
|-
|Comprehensive Review(総合評価方式)<br
|人気のあるキャンパスや学部は入学資格者数が定員数を越えるために考案された。また州人口の割合が在学率に相当していないグループ(Underrepresented 。ネイティブ・アメリカン、アフリカ系、メキシコ系、ラテン・アメリカ系) の入学率がさらに下がったためそれを補うためにも用いられる。成績だけでなく、履修クラスの数と質、在籍高校の質、成績向上率、特別技能、個人的体験(低所得、移民など社会経済的要素も含む)など14項目で選別される。
|-
|SAT Iの廃止<br
|SAT I(語彙と文の理解力、文章構成力、数学)の重要度を下げ、能力テストでなくカリフォルニア州の教育課程に沿った基礎学力達成度テストの実施を発表。SAT II(英語、社会、数学、科学、外国語)の重視は、州人口の割合より低い在学率のマイノリティー・グループが合格しやすくなるようにという配慮もある。スペイン語が得意なヒスパニック学生には有利である。しかし基礎能力を計り学生が大学で発揮する能力をある程度予測できるSAT Iを廃止するのは危険だとの指摘もある。
|-
|Admission by Exception (枠外入学制度)の強化<br
|入学資格を満たしていない学生のうち、特別配慮で入学を許される制度をより充実させる意向を発表した。
|-
|合格基準の引き上げ<br
|2003年の調査は1996年の調査結果と逆転し、州内の高校生上位14.
10学年、11学年で規定以上のクラスを取った場合、各カテゴリーで最高の成績だけを
GPAの計算に入れていたが、2005年度からは規定に該当するクラス全部の成績で計算する。以前は高校
2007年度からは2.8だったGPAの足切り点を3.0に引きあげる。
|-
|}
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
* [[アメリカ合衆国の教育]]
== 外部リンク ==
*
* [http://www.magnet.edu/index.htm Magnet School of America]
* [http://www.peacecorps.gov/index.cfm Peace Coprs]
* [
* [http://modelminority.com/printout318.html Brand, David. "The New Whiz Kids" TIME Aug.31 1987]
* [http://opr.princeton.edu/faculty/tje/espenshadessqptii.pdf Espenshade, Thomas
* [http://www.myflorida.com/myflorida/government/governorinitiatives/one_florida/index.html One Florida Initiative]
* [http://www.ucop.edu/sas/publish/aa_final2.pdf Undergraduate Access to the University of California After the Elimination of Race-Conscious Policies]
* [http://www.universityofcalifornia.edu/admissions/eligibility.html UC Admissions Revised Eligibility Requirements for Freshman Applicants]
[[Category:アメリカ
[[Category:
[[Category:公民権運動]]
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