「9x19mmパラベラム弾」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2020-04-14}}
[[Image:9mmLuger.jpg|thumb|right|通常弾(左)とホローポイント弾(右)]]
{{Infobox Firearm Cartridge
|name=9x19mm Parabellum
|image=[[ファイル:9mmLuger.jpg|300px]]
|caption=通常弾(左)と[[ホローポイント弾]](右)
|origin={{DEU}}
|type=拳銃弾
<!-- Production info -->
|designer=[[ゲオルグ・ルガー]]
|design_date=1901
|manufacturer=
|production_date=1902-現在
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|variants=
<!-- Specifications -->
|parent=[[7.65x21mmパラベラム弾]]
|case_type= リムレス, ストレージ
|is_SI_specs=yes
|bullet=9.01
|neck=9.65
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|base=9.93
|rim_dia=9.96
|rim_thick=
|case_length=19.15
|length=29.69
|rifling=
|primer= Small pistol
<!-- Ballistic Performance -->
|is_SI_ballistics=yes
|bwunit=gram
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|energy=
<!-- Ballistic data, load 1 -->
|bw1=7.5
|btype1=[[フルメタルジャケット弾|FMJ]]
|vel1=360
|en1=483
<!-- Ballistic data, load 2 -->
|bw2=8.0
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|en2=494
<!-- Ballistic data, load 3 -->
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<!-- Ballistic data, load 4 -->
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|btype4=
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<!-- Ballistic data, load 5 -->
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|en5=
<!-- Ballistics data source -->
|test_barrel_length=102 mm
|balsrc=Federal Cartridge <ref>{{cite web |url=http://www.federalcartridge.com/ballistics/ |title=Federal Cartridge Co. ballistics page |accessdate=2007-09-25 }}</ref>
}}
[[Image:9 mm.JPG|300px|thumb|right|3種類の弾丸: 左からアンジャケッテッド(むき出しの[[鉛]])、[[弾丸#弾丸の種類|フルメタルジャケット]]、[[弾丸#弾丸の種類|ホローポイント弾]]]]
'''9x19mmパラベラム弾'''(9ミリパラベラムだん、9x19mm Parabellum)、'''9mmルガー弾'''(9ミリルガーだん、9mm Luger)、'''9x19mm NATO弾'''は、[[ドイツ]]の複数の銃器・弾薬製造会社が合併して設立されたドイツ武器弾薬工業 ([[DWM (火薬メーカー)|DWM]]) が開発した、[[拳銃]]用の[[実包]](カートリッジ)。[[7.65x21mmパラベラム弾|7.65mmルガー弾]]の強化版である。弾体直径9mm、[[薬莢]](ケース)の長さが19mmなので「9x19」とも表示される。
 
この弾は反動が比較的弱いが、非常にフラットな[[弾道]]を示す。優れた点は、小さく多弾装化が容易であることと、実包の製造に大した原料を必要としないところにある。
'''9mmパラベラム弾、9mmルガー弾、9mmルガー・パラベラム弾'''は[[ドイツ]]の複数の銃器・弾薬製造会社が合併して立ち上げた '''[[:en:Deutsche Waffen und Munitionsfabriken|DWM 社]]'''で開発された[[弾丸|拳銃弾]]である。7.65[[ミリメートル|mm]]ルガー弾の強化版であり、DWMでこの弾の開発及び各種の銃器の開発を担当した銃工ゲオルグ・ルガーの名にちなんでいる。弾体直径9mm、薬莢の長さが19mmで9x19とも表示される。
 
現在では最も世界で最も広く使用されている[[弾薬]]であり、民間でもこの弾を使用する小火器が広く使用されている。さらには[[第二次世界大戦]]以降、世界で使用される[[短機関銃]]用弾の主流でもある。
 
パラベラムの名は[[ラテン語]]言い回しであることわざ''{{la|Si Vis Pacem, Para Bellum''}}」([[汝平和を欲さば、戦への備えをせよ|平和を望むならば戦いに備えよ]])に由来しており、「戦に備えよ」の部分を取り出したもの。そしてこれはDWMのモットーでもあった。
 
価格は50発あたり約12ドル(2012年・ウォルマート調べ)。
 
== 開発の経緯 ==
[[7.65mmルガー65x21mmパラベラム]]を基にして[[ゲオルグ・ルガー]]DWMで9mm9x19mmパラベラム弾を開発し、それを[[イギリス|英国]]の[[ヴィッカース]]社([[機関銃]]などを製造したメーカー)を通じて英国小火器委員会に自身が開発したルガーを9mmに[[ワイルドキャット・カートリッジ#ワイルドキャットの目標と手法|ネックアップ]]したものと一緒に提出した。[[1903年]]には3タイプの9mm弾が[[アメリカ陸軍|米陸軍]]に提供され、[[スプリングフィールド造兵]]にて実射実験が行われている。[[1904年]]には自国、[[ドイツ]]もその新型弾に強い興味を示すようになった。
 
初期の9mm9x19mmパラベラム弾は7.65mm65x21mm弾に特徴的であった[[ボトルネック#銃|ボトルネック]]を廃しただけのものであり、わずかに[[テーパー]]のかかったリムの無い薬莢を使用していた。[[1910年]]に弾丸が再設計されより自動装填に適した形に改められた。薬莢部分のわずかなテーパーはそのままであるため、[[サブマシンガン]]で使用される装弾数が30発程度の[[弾倉]]は[[MP5]]や[[H&K UMP|UMP9]]のように湾曲しているものも一部存在する
 
[[第一次世界大戦]]終了後から、この弾丸は各国に採用され、世界中で幅広く使用されるようになる。
 
[[第二次世界大戦]]中のドイツでは、[[鉛]]の使用を抑えるため、それまでの鉛芯を[[鉄]]芯にえて鉛で周囲をコーティングした弾を開発した。これは弾丸が黒色であることがその外見的特であり、08mit{{lang|de|Pistolenpatrone Eisenkern(0808 mit Eisenkern}}(08スチールコア拳銃弾)と呼ばれた。また戦時中別のには{{lang|de|Pistolenpatrone 08 SE}}という弾丸も開発され、弾丸が暗褐色であるという外見的特を持っていた。これは鉄粉を高温で[[焼結]]形成して作ったものである、SEは焼結鉄({{lang|de|Sinter-Eisen}})を示す
 
特殊弾として、薬莢底部にXの刻印が入り、って薬莢全体が緑色に塗られ、150[[グレ|gr]] (9.7[[グラム|g]]) という重い弾丸を装備した弾丸実包も戦時中に開発された。これは[[消音器|サプレッサー]]を装備した銃に使用する亜音速弾であり、中、他国でも同じタイプの弾丸が開発された。
 
第二次世界大戦後、9mmパラベラム弾は精度を向上させるためにその弾体重量を6-8%ほど増やして8gへと変えられた。[[1986年]][[連邦捜査局|FBI]]で旧式の7.4gの弾体を持つ弾と後期型の重量弾(8g弾など)でトライアルが行われ、新型弾のほうが命中時に対象に効果的に打撃を与えられるという調査結果が出て以降、警察でも8gの弾丸が採用された。現在では9.5gまでの各種9mm弾が販売されている。
 
== 9mmパラベラム弾を使用する銃器 ==
== 薬莢の材質とデザイン ==
{{See|Category:9mmパラベラム弾使用銃}}
その誕生より9mm弾の薬莢には真鍮が使われていた。外見、耐久性、視認性を向上させるために、外側はニッケルか銅でコーティングされる。
 
== 薬莢の材質とデザイン ==
* [[アルミ]]:[[真鍮]]の使用を抑えるために[[1941年]]から[[スイス]]ではアルミ薬莢が開発され、今日でも使用され続けている。
; [[真鍮]]
 
: その誕生時から9mm弾の薬莢には真鍮が使われていた。外見、耐久性、視認性を向上させるため、外側は[[ニッケル]](銀色)か[[銅]](金色)でコーティングされる。
* 鉄:第一次世界大戦以後、各国で鉄製薬莢が試作された。腐食するという鉄の性質ゆえ、成功している例は極めて少ないが、現在でも中国、ロシアでは生産されている。
; [[アルミ]]
: 真鍮の使用を抑えるために[[1941年]]から[[スイス]]ではアルミ薬莢が開発され、今日でも使用され続けている。
; 鉄
: 第一次世界大戦以後、各国で鉄製薬莢が試作された。鉄や鋼は真鍮やアルミに較べて柔軟性に劣るため、自動火器での使用に耐える鉄薬莢は第二次世界大戦半ばまで作れなかった。比較的柔軟な軟鋼で薬莢を作って、必要に応じ表面に保護処理を施し、その実包を酸化性雰囲気を排除した容器に密封保管し、開封してすぐに使用することによって錆びやすさに対処する。現在でも[[中華人民共和国|中国]]や[[ロシア]]などで生産されている。
 
== 性能形状 ==
[[Image:9x19mm Parabellum.svg|400px]]
9mmパラベラム弾は比較的反動が弱い一方で、非常にフラットな弾道を示す特徴がある。この弾丸の優れた点は、小さく、製造するのにたいした原料を必要としないところにある。欠点として貫通力が高いため、弾体がマッシュルーミング(対象物に弾体が進入した際に弾体がつぶれて平らに、大きくなる現象)しない弾を使用した場合対象物へのダメージが低いという点がある。戦場で鉄芯弾を被弾した兵士が、弾が貫通して傷口が小さかったので撃たれたことにすら気が付かなかったり、あるいは動きを全く止められなかったという話が伝えられている。ただし、上記の逸話は世にあふれる他の戦場記録と同様、真偽を証明することが極めて難しく、あくまで逸話の域を超えない。
 
== 脚注 ==
9mmパラベラム弾と45.ACPは、よく「どちらがマン・ストッピング・パワーに優れるか?」という議論の対象になる。弾丸の体積や質量に勝る後者の方が高威力に違いない、と想像する者が(特にアメリカでは)多いが、9mmパラベラム弾の方が弾速に勝る為、実際に弾丸が有する[[運動エネルギー]]や初活力を測定してみると、その値はほぼ互角である(公式から分かる通り、質量が2倍、3倍になれば運動エネルギーも2倍、3倍となるが、速度が2倍、3倍になると運動エネルギーは4倍、9倍と[[指数関数]]的に増加する)。
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
[[Category:小火器|9みりはらへらむ]]
*[[拳銃弾一覧]]
*[[9x18mmウルトラ弾]]
 
[[Category:9mm弾]]
[[da:9 mm Luger Parabellum]]
[[Category:NATO弾]]
[[de:9 mm Parabellum]]
[[en:9 mm Luger Parabellum]]
[[es:9mm Parabellum]]
[[fr:9 mm Parabellum]]
[[it:9 Parabellum]]
[[nn:Kaliber 9 mm Parabellum]]
[[no:9 x 19 mm Luger]]
[[pl:Nabój 9 x 19 mm Parabellum]]
[[ru:9×19 мм Парабеллум]]
[[sl:9x19 mm Parabellum]]
[[zh:9毫米鲁格弹]]