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'''長善館'''（ちょうぜんかん）は、天保4年(1833)に漢学者鈴木文台によって、新潟県西蒲原郡粟生津村(現[[燕市江戸時代]])に創設された私塾である。明治45年(1911)まで約80年間後期、北[[越を中心に千人以上を教育した。主な門下後長岡藩]]粟生には、津村(維新後[[長谷川鉄之進新潟県]]、[[長谷川泰西蒲原郡]]、[[桂湖粟生津村]]、現[[小柳司気太燕市]]、)に存在した[[鈴木虎雄私塾]]らがいである。

==概要==

[[天保]]4年([[1833年]])に漢学者[[鈴木文臺]]によって創設された。[[明治]]45年([[1912年]])まで約80年間、北越を中心に千人以上を教育した。明治22年([[1889年]])8月の[[文部省]][[官報]]では、[[三餘堂]]と共に北越の「私学の双璧」とされている。[[昭和]]42年([[1967年]])には長善漢学塾資料283点が県指定[[文化財]]となった。

=== 長善館史料館 ===

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{{博物館

[[Category:私塾]]

|名称 = 燕市長善館史料館

|画像= File:Chouzenkan Museum, Tsubame, Niigata, Japan, May 2021.jpg

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|画像説明 ={{Infobox mapframe|zoom=13|marker=museum}}

|正式名称 =

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|前身 =

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|事業主体 =

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|閉館 =

|所在地郵便番号 = 959-0227

|所在地 = [[新潟県]][[燕市]]粟生津97番地

|位置 =

|緯度度 =37 |緯度分 =39 |緯度秒 =7 |N(北緯)及びS(南緯) =N

|経度度 =138 |経度分 =52 |経度秒 =10 |E(東経)及びW(西経) =E

|地図国コード = JP

|座標右上表示 = yes

|最寄駅 = [[東日本旅客鉄道|JR]][[越後線]] [[粟生津駅]]（徒歩約5分）

|最寄バス停 = [[燕市循環バス]]「粟生津駅」

|URL = [https://www.city.tsubame.niigata.jp/soshiki/kyoiku/3/12/tyouzennkann/836.html 燕市長善館史料館] - 燕市

}}

現在、跡地には史料館があり、長善館や鈴木家についての資料に加え、[[1837年]]に落下した[[米納津隕石]]のレプリカを展示している。2016年6月には、史料館近くの鈴木家本家の跡地に、高齢者生活支援施設「長善のさと」が開所する予定である。

==長善館の教師==

*[[鈴木文臺]](ぶんだい・陣蔵、[[1796年]]-[[1870年]])

初代館主。38歳のときに近隣の子弟を集めて漢学を教えたのが長善館の始まりである。[[良寛]]との親交でも知られる。

*[[鈴木惕軒]](てきけん・健蔵、[[1836年]]-[[1896年]])

二代館主。小川家に生まれ文臺に師事し、後に文臺の二女菊子と婚姻、長善館を継ぐ。子に柿園・彦嶽・[[鈴木虎雄|豹軒]]。

*[[鈴木柿園]](しえん・鹿之介、[[1861年]]-[[1887年]])

惕軒二男(戸籍上は長男)。長善館で教授し、また西蒲原中学校の漢学教師ともなった。

*[[鈴木彦嶽]](げんがく・時之介、[[1868年]]-[[1919年]])

三代館主。惕軒三男(戸籍上は次男)。長善館閉館後は粟生津[[郵便局]]初代局長となる。

== 主な門下生 ==

* [[長谷川鉄之進]]

* [[長谷川泰]]

* [[大竹貫一]]

* [[桂湖村]]

* [[小柳司気太]]

* [[鈴木虎雄|鈴木豹軒]]

==戊辰戦争と長善館出身者==

[[戊辰戦争]]の際、長岡藩は[[河井継之助]]の指揮の下、[[奥羽越列藩同盟]]に加盟し、新政府軍と戦端を開き、[[北越戦争]]が勃発した。しかし長岡藩にあっても河井の方針に従わず新政府軍に与した勤皇主義者が存在し、その中に長善館出身者が多くいた。

長善館出身者の[[高橋竹之介]]らは、[[1864年]]([[元治]]元年)方義隊(後に[[居之隊]]と改名)を結成し、同じく長善館出身の長谷川鉄之進も幹部に加わった。他の長善館出身者に窪沢円一、柳下安太郎などがおり、館主の惕軒自身も関与していた。戊辰戦争が始まると、高橋らは長岡藩の情勢を新政府軍に報告し、小千谷談判決裂の一因となったとも言われている。文臺は彼らの活動を良しとしていなかったらしく、文臺と惕軒の間に確執があったことが惕軒の日記からうかがえる。<ref>長善館学塾資料所収の「惕軒日記」の[[慶応]]二年(実際には三年と思われる)三月十九日の記事に「此日諌大人、大人不聴玉長大息(此の日大人を諌む、大人聴きたまわず、長大息)」とある。大人とは文臺のことである。文臺が「健造ノ了簡ハマチガツテヰル」と言っていたことを、豹軒こと虎雄が母菊子から聞いたこととして記している。</ref>

一方長岡藩に従軍した長善館出身者もいた。長谷川泰は河井継之助に見出されて長岡藩の軍医(三人扶持)となり、戦傷者の治療に当たった。左足に重傷を負った河井を最初に診たのも長谷川であったが、治療の甲斐なく、河井は死去する。別の長善館出身の医師[[竹山屯]]は官軍に属し、[[高崎藩]]の藩医となったから、同門の出身であり、後の新潟を代表する著名な医者が敵味方に分かれて従軍していたことになる。

==資料・文献==

{{参照方法|date=2021-05|section=1}}

:*新潟県教育委員会 新潟県文化財調査報告書第十四「長善館学塾資料(上)(下)」 (1974年)

:*長善館史蹟保存会 「長善館餘話」 (1987年)

:*吉田勝「越北の鴻都 長善館ものがたり 人物に見る八十年の歩み」 (2009年)

:*池田雅則「私塾の近代 越後・長善館と民の近代教育の原風景」 (2014年)

:*長善館史料館所蔵資料調査会 「長善館史料館所蔵資料目録」 (2017年)

== 脚注 ==

{{Reflist}}

== 関連項目 ==

* [[日本の私塾一覧]]

== 外部リンク ==

* [https://www.city.tsubame.niigata.jp/soshiki/kyoiku/3/12/tyouzennkann/836.html 燕市長善館史料館] - 燕市

* [https://www.city.tsubame.niigata.jp/material/files/group/6/100518066.pdf 広報つばめ No.167 2013年3月 日本を動かした私塾 長善館] - 燕市

* [https://www.city.tsubame.niigata.jp/bunka/bunka/114/3753.html 長善館友の会] - 燕市

{{DEFAULTSORT:ちょようせんかん}}

[[Category:江戸時代の私塾]]

[[Category:幕末の私塾]]

[[Category:明治時代の私塾]]

[[Category:越後国]]

[[Category:新潟県の歴史越後長岡藩]]

[[Category:新潟県燕市の建築物・観光名所歴史]]

[[Category:幕末燕市の建築物]]

[[Category:1833年設立]]

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