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{{
{{基礎情報 国
| 略名 =マラウイ
| 日本語国名 =マラウイ共和国
| 公式国名 =
| 国旗画像 =Flag_of_Malawi.svg
| 国章画像 =[[
| 国章リンク =([[マラウイの国章|国章]])
| 標語 =
|国歌=[[おお、神よ、マラウイに祝福を|{{lang|ny|Mlungu dalitsani Malaŵi}}]]{{ny icon}}<br>''おお、神よ、マラウイに祝福を''<br>[[ファイル:Malawian national anthem.oga]]
| 位置画像 =Malawi (orthographic projection).svg
| 公用語 =[[チェワ語]]、[[英語]]
| 首都 =[[リロングウェ]]
| 最大都市 =[[
| 元首等肩書 =[[マラウイの大統領一覧|大統領]]
| 元首等氏名 =[[
| 首相等肩書 =
| 首相等氏名 =
| 面積順位 =98
| 面積大きさ =1 E11
| 面積値 =118,480
| 水面積率 =20.6%
| 人口統計年 =
| 人口順位 =
| 人口大きさ =1 E7
| 人口値 =21,660,000<ref name=population>{{Cite web |url=https://data.un.org/en/iso/mw.html |title=UNdata |publisher=国連 |accessdate=2021-10-10 }}</ref>
| 人口密度値 =
| GDP統計年元 =
| GDP値元 =8兆2198億5300万<ref name="economy">IMF Data and Statistics 2021年10月18日閲覧([https://www.imf.org/en/Publications/WEO/weo-database/2021/October/weo-report?c=676,&s=NGDP_R,NGDP_RPCH,NGDP,NGDPD,PPPGDP,NGDP_D,NGDPRPC,NGDPRPPPPC,NGDPPC,NGDPDPC,PPPPC,PPPSH,PPPEX,NID_NGDP,NGSD_NGDP,PCPI,PCPIPCH,PCPIE,PCPIEPCH,TM_RPCH,TMG_RPCH,TX_RPCH,TXG_RPCH,LP,GGR,GGR_NGDP,GGX,GGX_NGDP,GGXCNL,GGXCNL_NGDP,GGXONLB,GGXONLB_NGDP,GGXWDG,GGXWDG_NGDP,NGDP_FY,BCA,BCA_NGDPD,&sy=2019&ey=2026&ssm=0&scsm=1&scc=0&ssd=1&ssc=0&sic=0&sort=country&ds=.&br=1])</ref>
| GDP統計年MER =
| GDP順位MER =
| GDP値MER =
| GDP MER/人 = 543.685(推計)<ref name="economy" />
| GDP
| GDP
| GDP値 =298億4400万<ref name="economy" />
| GDP/人 =1470.941(推計)<ref name="economy" />
| 建国形態 =[[独立]]<br/> - 日付
| 建国年月日 =[[イギリス]]より<br/>[[1964年]][[7月6日]]
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| 時間帯 =+2
| 夏時間 =なし
| ISO 3166-1 = MW / MWI
| ccTLD =
| 国際電話番号 =265
| 注記 =
}}
'''マラウイ共和国'''(マラウイきょうわこく)、通称'''マラウイ'''は、[[アフリカ大陸]]南東部
== 概要 ==
マラウイは[[アフリカ大地溝帯]]に位置
アフリカでは[[ボツワナ]]と共に[[独立]]以来対外[[戦争]]や[[内戦]]を経験していない国であり、「'''アフリカの温かい心'''(The Warm Heart of Africa)」という別称を持つ<ref>[[国際協力機構|JICA]]の現場から(46)マラウイ事務所長・木藤耕一氏/インフラ整備 日本の技術を『[[日刊工業新聞]]』2018年6月29日(2面)。</ref>。
== 国名 ==
正式名称は、[[チェワ語]]で、
英語では 日本語の表記は、'''マラウイ共和国'''。 == 歴史 ==
かつてこの地には[[サン人]]が居住していたが、15世紀に[[チェワ族]]を中心とする[[バントゥー系民族|バントゥー系]]の複数の部族が連合してマラヴィ(Maravi)と呼ばれるようになり、[[マラビ帝国]](マラヴィ帝国、マラウィ帝国とも)が建国された。マラビ帝国は[[モザンビーク]]方面から到来した[[ポルトガル人]]や[[スワヒリ]]都市の[[アラブ人]]との交易を行いながら、19世紀末までこの地を統治した。
[[ファイル:Stamp British Central Africa 1897 6p.jpg|thumb|left|160px|[[イギリス中央アフリカ保護領]]の切手([[1897年]])]]
[[スコットランド|スコット]]からの強力な[[キリスト教]]宣教活動による結果、[[1891年]]にイギリスの保護領となり、[[1893年]]に[[イギリス中央アフリカ保護領]]([[1893年]] - [[1907年]])と改称されたのち[[1907年]]に[[ニヤサランド|ニヤサランド保護領]]([[1907年]] - [[1953年]])となった。1915年には[[牧師]]の[[ジョン・チレンブウェ]]が反乱を起こすものの鎮圧されたが、この反乱はマラウイで植民地支配への抵抗の象徴とされ、マラウイ・クワチャ紙幣にはチレンブウェの肖像が使用されている<ref>『マラウィを知るための45章』p60、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
[[第二次世界大戦]]後、[[1953年]]に[[北ローデシア]](現[[ザンビア]])、[[南ローデシア]](現[[ジンバブエ]])、ニヤサランドをあわせた[[ローデシア・ニヤサランド連邦]](イギリス領中央アフリカ連邦、CAF、[[1953年]] - [[1963年]])が成立した。これは、地下資源の豊富な北ローデシア、製造業が盛んな南ローデシアと、[[黒人]]労働力の供給先であるニヤサランドを結びつけて経済発展を図った白人入植者([[アングロアフリカン]])の策であった。しかし、[[1958年]][[11月23日]]の{{仮リンク|全アフリカ人民会議|en|All-African Peoples' Conference}}(AAPC)に出席した[[ヘイスティングズ・カムズ・バンダ|バンダ]]をはじめとした急進派の独立運動がアフリカ各地で高揚した。ニヤサランドでは1959年にローデシア・ニヤサランド連邦への反対運動を続けたバンダが[[グウェル]](現[[ジンバブエ]]領内)に投獄されていて、いわゆる1960年の「[[アフリカの年]]」を迎える中で連邦分離の動きは止まらず、連邦の維持は困難になっていた。1962年には連邦内の自治権を獲得。同年には連邦離脱の権利を認めさせ、翌1963年にローデシア・ニヤサランド連邦は解体した<ref name="名前なし-1">田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p.522、朝倉書店 ISBN 4254166621 </ref>。
=== 独立 ===
[[1964年]]7月6日にニヤサランドは[[イギリス連邦]]内の[[英連邦王国]]の形式で独立、[[国際連合]]にも加盟した。初代大統領は[[ヘイスティングズ・カムズ・バンダ]]。バンダは民主化がなされた1994年まで大統領職にあった。バンダは就任後すぐに独裁傾向を強め、[[1966年]]にマラウイは[[マラウイ会議党]] (MCP) による[[一党制]]国家になり、1970年にはバンダは終身大統領の座についた。外交的には、経済発展の必要性から、マラウイ国民の主要な[[出稼ぎ]]先であった[[アパルトヘイト]]時代の[[南アフリカ共和国]]とも外交関係を維持した。ほかにも、アフリカにおける植民地帝国を維持しようとしていた[[ポルトガル]]とも連携して[[モザンビーク]]経由で沿岸部との繋がりを持とうとするなど、アフリカ南部の白人政権への接近がみられた<ref name="名前なし-1"/>。そのため、首都改造や鉄道網整備に際して、南アフリカ共和国から経済支援を受けた。また、この時代には[[反共]]の観点から[[台湾]]([[中華民国]])との友好関係が保たれた。
1992年になるとバンダの圧政に対し国内の反発が強くなり、1993年の国民投票で[[複数政党制]]が認められ、民主的に行われた[[1994年マラウイ総選挙|1994年の選挙]]では[[統一民主戦線 (マラウイ)|統一民主戦線]]の[[バキリ・ムルジ]]が大統領に当選した<ref>田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p.523、朝倉書店 ISBN 4254166621 </ref>。
[[2004年マラウイ総選挙|2004年の選挙]]では同じ統一民主戦線の[[ビング・ワ・ムタリカ]]が大統領に当選。ムタリカは、[[2005年]]に[[民主進歩党 (マラウイ)|民主進歩党]](DPP)を旗揚げし、[[2009年]]に再選されたが、[[2012年]][[4月5日]]に急死した<ref>https://www.afpbb.com/articles/-/2869992?cx_part=search 「マラウイ大統領死去、水面下で権力闘争開始か」AFPBB 2012年4月7日 2019年10月20日閲覧</ref>。[[4月7日]]に副大統領で民主進歩党から除名されて人民党を立ち上げていた[[ジョイス・バンダ]]が憲法の規定により大統領に昇格し、マラウイ初の[[選出もしくは任命された女性の元首の一覧|女性大統領]]となった<ref>https://www.afpbb.com/articles/-/2870072?cx_part=search 「マラウイ新大統領が就任、団結呼び掛ける 現職死去で昇格」AFPBB 2012年4月8日 2019年10月20日閲覧</ref>。しかし、[[2014年]][[5月20日]]に実施された[[2014年マラウイ総選挙|2014年の選挙]]で、ビング・ワ・ムタリカ元大統領の実弟で、民主進歩党の[[ピーター・ムタリカ]]が当選して第5代大統領に就任した<ref name="名前なし-2">「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版 世界各国要覧と最新統計」p307 二宮書店 平成28年1月10日発行</ref>。2019年の大統領選ではムタリカ大統領が再選されたが僅差での勝利となり、野党が選挙不正を訴え抗議する事態となった<ref>https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45347740Y9A520C1EAF000/ 「マラウイ大統領が再選 ムタリカ氏、野党不正訴え」日本経済新聞 2019/5/28 2019年10月20日閲覧</ref>。
== 政治 ==
[[File:Lazarus Chakwera Profile.png|thumb|200px|第5代大統領[[ラツルス・チャクウェラ]]]]
{{main|マラウイの政治}}
マラウイは[[共和制]]、[[大統領制]]を採る立憲国家である。現行[[憲法]]は[[1995年]][[5月18日]]に公布されたもの。
=== 行政 ===
[[元首|国家元首]]である[[大統領]]は、国民の直接選挙により選出される。任期は5年。3選は禁止。[[閣僚]]は大統領により任命される。[[首相]]職は1966年に廃止された。
{{See also|マラウイの大統領一覧|マラウイの首相一覧}}
=== 立法 ===
[[立法府]]は[[一院制]]で、正式名称は'''[[国民議会 (マラウイ)|国民議会]]'''。定数は193で、議員は国民の直接選挙により選出される。議員の任期は5年である。
=== 政党 ===
[[1994年]]から[[複数政党制]]が認められており、旧一党支配政党であり[[チェワ族]]主体で中部に地盤を持つ[[マラウイ会議党]](MCP)のほか、[[ピーター・ムタリカ]]前大統領が率いる[[自由主義]]政党の[[民主進歩党 (マラウイ)|民主進歩党]](DPP)、[[ヤオ族 (アフリカ)|ヤオ族]]主体で南部に地盤を持ちムタリカ前大統領が[[2005年]]にDPPを設立するまで所属していた[[統一民主戦線 (マラウイ)|統一民主戦線]](UDF)、ジョイス・バンダ元大統領が率いる[[人民党 (マラウイ)|人民党]]、[[共和党 (マラウイ)|共和党]](RP)を中心とする政党連合[[ムグウイリザノ連合]](MC)などが活動している。
{{see also|マラウイの政党|2009年マラウイ総選挙}}
===
{{
[[イングランド法]]を基に、最高裁判所、憲法裁判所と{{ill2|治安判事裁判所|en|Magistrates' court}}から構成される。2020年には昨年の総選挙結果を覆した5人の憲法裁判所判事に[[チャタムハウス]]賞が授与されている<ref>{{Cite web |title=Chatham House Prize: Malawi Judges Win for Election Work {{!}} Chatham House – International Affairs Think Tank |url=https://www.chathamhouse.org/2020/10/chatham-house-prize-malawi-judges-win-election-work |website=web.archive.org |date=2021-01-10 |access-date=2022-11-11 |archive-url=https://web.archive.org/web/20210110013041/https://www.chathamhouse.org/2020/10/chatham-house-prize-malawi-judges-win-election-work |archive-date=2021-01-10}}</ref>。2014年以降は各地方裁判所と地区控訴地方裁判所は弁護士である必要はなく、高度な教育水準、英語の習熟度、慣習法と裁判所が奉仕する地域の言語の十分な知識を持つ長官によって、裁かれるようになった<ref>{{cite web |url=http://jurist.org/dateline/2011/08/megan-crouch-local-courts-malawi.php |title=Improving Legal Access for Rural Malawi Villagers |date=2011-08-18 |author=Megan Crouch |publisher=Jurist Legal News and Research Services |access-date=2024-06-15}}</ref>。
{{節スタブ}}
== 国際関係 ==
{{main|マラウイの国際関係}}
マラウイは独立後、[[南アフリカ共和国]]との経済関係を重視する立場から、[[ブラックアフリカ]]では例外的に南アフリカの[[アパルトヘイト]]政権と友好関係を築き、白人国家[[ローデシア]]や1975年までアフリカ植民地から撤退しなかった[[ポルトガル]]とも同様に友好関係を結んでいた<ref name="名前なし-1"/>。
また、親西側政策から1966年から[[台湾]]([[中華民国]])と[[外交関係]]を有していたが、2007年末に断交し、[[中華人民共和国]]と国交を樹立した<ref>『マラウィを知るための45章』p243、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
<br />
=== 日本との関係 ===
{{Main|日本とマラウイの関係}}
日本はマラウイを独立と同時に[[国家の承認|承認]]し、現在では相互に[[大使館]]を開設している。
* 在留日本人数 - 99名(2021年10月)<ref name="mofa">{{Cite web|和書|url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malawi/data.html#section6|title=マラウイ共和国 基礎データ|publisher=外務省|accessdate=2021-09-20}}</ref>
* 在日マラウイ人数 - 132名(2021年){{R|mofa}}
== 軍事 ==
[[File:Malawian female soldier (45745891874).jpg|thumb|マラウイ軍の女性兵士]]
{{main|マラウイの軍事}}
マラウイ軍は陸軍、海軍、空軍の三軍から構成され、総人員は約5,300人である。兵制は[[志願制]]を採用している。2000年度の軍事予算は950万ドルでGDPの0.76%である。
== 地理 ==
[[
[[File:Livingstoniamountainsmalawi.jpg|thumb|left|マラウイ北部に存在する山々。画像は雨季の様子を撮影したもの]]
{{main|マラウイの地理}}
マラウイの面積は約11.8万km<sup>2</sup>、11万8484km<sup>2</sup>であり、ほぼ[[北海道]]と[[九州]]をあわせた面積に相当する。国土の北部はほとんど高原となっているが、マラウイ湖沿岸は北部台地からはかなり標高が低くなっている。南部は標高が低く、マラウイ湖から流れ出した[[シーレ川]]が流れる。[[マラウイ湖]]の面積が国土の20%以上を占めており<ref name="名前なし-3">『マラウィを知るための45章』p18、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>、国土の5分の1が湖や川などの水域である。マラウイ湖南方の大きな湖としては[[マロンベ湖]]が、さらにその南東のモザンビークとの国境地帯には[[チウタ湖]]と[[チルワ湖]]がある。チルワ湖はほかの湖と比べ非常に浅いが魚影が濃く、マラウイ全体の漁獲量の20%<ref>『マラウィを知るための45章』p96、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>から30%<ref name="名前なし-4">https://www.afpbb.com/articles/-/3203258 「むき出しになった湖底、気候変動で深刻化する干ばつ マラウイ」AFPBB 2018年12月19日 2019年10月21日</ref>を占める大漁場となっている。ただし浅いために水位が変動しやすく、2018年には旱魃によって水位が大幅に低下した<ref name="名前なし-4"/>。同国には、5つの国立公園と4つの野生生物保護区があり、その他には2つの保護区が存在している<ref>{{Cite book|last=Briggs|first=Philip|url=https://books.google.com/books?id=fqhc-1eKDOIC&q=There+are+five+national+parks%2C+four+wildlife+and+game+reserves+and+two+other+protected+areas+in+Malawi&pg=PA27|title=Malawi|date=2010|publisher=Bradt Travel Guides|isbn=978-1-84162-313-9|language=en}}</ref>。2019年時点での{{仮リンク|森林景観保全指数|en|Forest Landscape Integrity Index}}の平均値は5.74/10であり、172ヶ国中で96位に挙げられている<ref name="FLII-Supplementary">{{cite journal|last1=Grantham|first1=H. S.|last2=Duncan|first2=A.|last3=Evans|first3=T. D.|last4=Jones|first4=K. R.|last5=Beyer|first5=H. L.|last6=Schuster|first6=R.|last7=Walston|first7=J.|last8=Ray|first8=J. C.|last9=Robinson|first9=J. G.|last10=Callow|first10=M.|last11=Clements|first11=T.|last12=Costa|first12=H. M.|last13=DeGemmis|first13=A.|last14=Elsen|first14=P. R.|last15=Ervin|first15=J.|last16=Franco|first16=P.|last17=Goldman|first17=E.|last18=Goetz|first18=S.|last19=Hansen|first19=A.|last20=Hofsvang|first20=E.|last21=Jantz|first21=P.|last22=Jupiter|first22=S.|last23=Kang|first23=A.|last24=Langhammer|first24=P.|last25=Laurance|first25=W. F.|last26=Lieberman|first26=S.|last27=Linkie|first27=M.|last28=Malhi|first28=Y.|last29=Maxwell|first29=S.|last30=Mendez|first30=M.|last31=Mittermeier|first31=R.|last32=Murray|first32=N. J.|last33=Possingham|first33=H.|last34=Radachowsky|first34=J.|last35=Saatchi|first35=S.|last36=Samper|first36=C.|last37=Silverman|first37=J.|last38=Shapiro|first38=A.|last39=Strassburg|first39=B.|last40=Stevens|first40=T.|last41=Stokes|first41=E.|last42=Taylor|first42=R.|last43=Tear|first43=T.|last44=Tizard|first44=R.|last45=Venter|first45=O.|last46=Visconti|first46=P.|last47=Wang|first47=S.|last48=Watson|first48=J. E. M.|display-authors=1|title=Anthropogenic modification of forests means only 40% of remaining forests have high ecosystem integrity – Supplementary Material|journal=Nature Communications|volume=11|issue=1|year=2020|page=5978|issn=2041-1723|doi=10.1038/s41467-020-19493-3|pmid=33293507|pmc=7723057|doi-access=free}}</ref>。
{{See also|{{仮リンク|フローラ・ザンベシアカ|en|Flora Zambesiaca}}}}
気候は、高原となっている北部・中部は[[温帯夏雨気候]](Cw)であり、南部の低地は[[熱帯モンスーン気候]]に属する。5月から10月までが[[乾季]]、11月から4月までが[[雨季]]である。[[降水量]]は全般に多く、高原部では2000ミリ以上降るところもあり、最も降水量の少ない南部の低地においても800ミリ程度の降水量はある<ref name="名前なし-3"/>。気温もさほど激しいものではなく、首都リロングウェの気温は夏が17度~29度、冬が7度~23度くらいとなっている<ref>田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p519、朝倉書店 ISBN 4254166621 </ref>。
=== 生態系 ===
[[File:Elephant at Majete wildlife reserve.jpg|thumb|left|[[マジェテ動物保護区]]に生息する[[アフリカゾウ]]]]
{{main|{{仮リンク|マラウイの野生動物|en|Wildlife of Malawi}}}}
マラウイ国内では約187種の哺乳類の生息が確認されている。湖や川には約500種の魚類が生息しており、その多くは固有種である。また鳥類は約648種の存在が記録されている。
{{節スタブ}}
=== マラウイ湖 ===
[[File:Monoxylon beach Lake Malawi 1557.jpg|right|thumb|マラウイ湖の湖岸]]
{{main|マラウイ湖国立公園}}
{{see also|マラウイの国立公園および保護区の一覧}}
[[マラウイ湖]]の南北の総延長は約560kmあるが、幅は75km位しかない。面積はほぼ2万9500km<sup>2</sup>で、[[九州]]島の面積の約80パーセントに当たる。最大水深は706m。湖は大切な漁獲資源を得る場であり、観光資源でもある。500種以上の魚類が生息している。漁業も盛んであり、シクリッド科に属する[[チャンボ]]という白身魚が特産となっているほか、様々な魚が水揚げされる<ref>『マラウィを知るための45章』p94-95、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。その他、湖には[[カワウソ]]、[[ワニ]]、[[カバ]]といった動物や様々な色鮮やかな鳥も生息している。[[マラウイ湖国立公園]]は、[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の指定する[[世界遺産]]の一つである。
== 地方行政区分 ==
{{main|マラウイの州|マラウイの行政区画}}
[[北部州 (マラウイ)|北部州]]、[[中部州 (マラウイ)|中部州]]、[[南部州 (マラウイ)|南部州]]の3つの州(Region)に分かれており、その下にさらに28の県(District)がある。
北部州は、[[チティパ]](Chitipa)、[[カロンガ]](Karonga)、[[ルンピ]](Runphi)、[[ムジンバ]](Mzimba)、[[カタベイ]](Nkhata Bay)、[[リコマ]](Likoma)の6県に分かれている。
中部州は、[[カスング]](Kasungu)、[[ンチシ]](Ntchisi)、[[ドーワ]](Dowa)、[[ムチンジ]](Mchinji)、[[コタコタ]](Nkhotakota)、[[サリマ]](Salima)、[[リロングウェ]](Lilongwe)、[[デッザ]](Dedza)、[[ンチェウ]](Ntcheu)の9県に分かれている。
南部州は、[[マンゴチ]](Mangochi)、[[バラカ (マラウイ)|バラカ]](Balaka)、[[マチンガ]](Machinga)、[[ゾンバ]](Zomba)、[[チラズル]](Chiradzulu)、[[ムワンザ]](Mwanza)、[[チョロ (マラウイ)|チョロ]](Tyolo)、[[ムランジェ]](Mulanje)、[[パロンベ]](Phalombe)、[[チクワワ]](Chikwawa)、[[ンサンジェ]](Nsanje)、[[ブランタイヤ]](Blantyre)、[[ネノ]](Neno)の13県に分かれている。
=== 主要都市 ===
{{main|マラウイの都市の一覧}}
マラウイ最大の都市は中部にある首都の[[リロングウェ]] (Lilongwe)であり、人口は約98万人(2014年)である<ref name="名前なし-5">「データブック オブ・ザ・ワールド 2016年版 世界各国要覧と最新統計」p306 二宮書店 平成28年1月10日発行</ref>。リロングウェは独立以前は地方都市に過ぎなかったが、1975年に南部のゾンバから遷都された<ref>『マラウィを知るための45章』p105、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>のち急速に人口が増大し、2000年代中盤にブランタイヤを抜いて国内最大の都市となった<ref>『マラウィを知るための45章』p104、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。産業はそれほど存在せず、政治の中心としての性格が強い都市である。これに次ぐのが南部の[[ブランタイヤ]] (Blantyre)であり、人口は66万人(2008年)を数える<ref name="名前なし-2"/>。政治のリロングウェに対してブランタイヤは経済の中心であり、盛んな商業のほか、食品や醸造などの工業も立地している<ref>『マラウィを知るための45章』p112-113、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
マラウイの都市人口はリロングウェとブランタイヤの二大都市が突出しており、それ以外の都市ははるかに小さな規模にとどまっている。第三都市である[[ムズズ]] (Mzuzu) は北部の中心地であるが、人口は13万人(2008年)に過ぎない<ref name="名前なし-2"/>。これに次ぐのが南部にあるマラウイ第4の都市[[ゾンバ]] (Zomba) であり、人口は9万人(2008年)である<ref>『マラウィを知るための45章』p118、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。ゾンバは高原上にあって風光明媚な風景と冷涼な気候を持ち、イギリス植民地時代には植民地の首都がおかれた。独立後も引き続き1975年まで首都が置かれ、遷都後も[[マラウイ大学]]の本部が置かれる文教都市となっている<ref>『マラウィを知るための45章』p120、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
== 経済 ==
[[File:Blantyre City.jpg|thumb|マラウイの経済の中心である[[ブランタイヤ]]市]]
[[File:Lilongwe (Malawi) - crafts market.JPG|thumb|right|[[リロングウェ]]の工芸品市場]]
{{main|マラウイの経済}}
通貨は[[マラウイ・クワチャ]](クワチャ、クワッチャ、kwacha,Mkw,M.K)。補助通貨としてタンバラが存在し、1マラウイ・クワチャ=100タンバラである。また、[[中央銀行]]は[[マラウイ準備銀行]]である。2006年には[[世界銀行]]の統計によれば8%台の経済成長を遂げたが、依然として世界[[最貧国]]の一つである。世界銀行によると、2014年の1人当たり国民所得は250米ドルで、世界最下位である(2023年には640米ドルまで上昇したが、この年のデータのある国では依然下から8番目である)。<ref>https://datacatalogfiles.worldbank.org/ddh-published/0038128/DR0046435/GNIPC.pdf?versionId=2024-07-01T12:43:25.7145590Z</ref>
=== 産業 ===
主要産業は農業であり、人口の84.5%(1998年)が第一次産業に従事している<ref name="名前なし-2"/>が、ほとんどが天水農業であるために生産性が低く、また気候変動に収穫が大きく左右される。主な作物としては[[トウモロコシ]]、[[サツマイモ]](世界生産量2位の6.4%、2019年)が全土で広く栽培されるが、自給作物としての性格が強い。商品作物として最も有力なものは葉[[タバコ]]で、2013年には総輸出の46.6%を占める最大輸出品となっていた。このほか商品作物としては、[[砂糖]](総輸出の9.5%、2013年)、[[茶]](総輸出の7.1%、2013年)、[[落花生]](総輸出の5.0%、2013年)などが生産されている<ref name="名前なし-2"/>。主力作物のタバコに頼る率が高い上に禁煙運動などによって先行きに不安があるため、商品作物の多角化が進められ、[[マカダミアナッツ]]などいくつかの小規模な輸出作物が開発された<ref>『マラウィを知るための45章』p85-86、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。マカダミアナッツは日本向け輸出の50.4%(2014年)を占めており、42.5%を占める葉たばことともに日本向けの主力商品となっている。ただし対日貿易はマラウイからの輸出が輸入の3分の1以下であり、マラウイの大幅な貿易赤字となっている<ref name="名前なし-2"/>。可耕地の多くが農地とされているため[[牧畜]]はあまり行われていない<ref>田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p525、朝倉書店 ISBN 4254166621 </ref>。
{{See also|{{仮リンク|マラウイの農業|en|Agriculture in Malawi}}}}
一方でマラウイは鉱産資源に恵まれていない。わずかに[[石灰石]]と少量の[[石炭]]が採掘されているのみである<ref>『マラウィを知るための45章』p87、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。2009年には北部カエレケラで[[ウラン]]鉱山が開発され、2013年には総輸出の11.3%を占めるまでに成長した<ref name="名前なし-2"/>ものの、2014年に価格低迷によって休山に追い込まれた<ref>https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malawi/data.html 「マラウイ基礎データ」日本国外務省 令和元年9月9日 2019年10月20日閲覧</ref>。
マラウイは雨量が多いため豊かな[[森林]]も広がっていたが、農地の開墾や燃料(薪炭)用の伐採などによって速いテンポで森林減少が続いている<ref>https://www.kkc.co.jp/service/env_energy/pdf/report_vol_13.pdf 「マラウイ森林レポート― 森林とマラウイ人の関係 ―」p3-6 髙主知佳 国際航業株式会社 2019年2月 2019年10月22日閲覧</ref>。
上で述べるように降水量は少なくはないが年較差が激しく、灌漑設備も整っていないため旱魃に見舞われやすい。2005年には旱魃などのため収穫量が激減し、[[国際連合世界食糧計画]]などが援助を行った。2005年10月、ムタリカ大統領は食糧危機に対し緊急宣言を行った。2016年にも旱魃に襲われ、大きな被害を出した<ref>https://www.afpbb.com/articles/-/3073695?cx_part=search 「アフリカ南部、1400万人に飢餓の危機 国連が警鐘」AFPBB 2016年1月19日 2019年10月20日閲覧</ref>。{{See also|{{仮リンク|マラウイにおける食料安全保障|en|Food security in Malawi}}}}
傍ら[[洪水]]に見舞われることも少なくなく、2019年には主に南部で100万人近くが被災する大規模な水害がおきた<ref>https://www.afpbb.com/articles/-/3216084?cx_part=search 「アフリカ南東部の豪雨災害、犠牲者126人に モザンビークにはサイクロン襲来」AFPBB 2019年3月16日 2019年10月21日</ref>。
=== インフラ整備 ===
90%の地域には未だ電気が通っていない。発電は[[シーレ川]]などマラウイ湖の流出・流入河川における[[水力発電]]に依存しており、2012年には発電量の89.1%が水力発電によって占められた<ref name="名前なし-2"/>。このため、特に乾季は電力不足や停電が深刻である<ref>https://www.kkc.co.jp/service/env_energy/pdf/report_vol_13.pdf 「マラウイ森林レポート― 森林とマラウイ人の関係 ―」p3 髙主知佳 国際航業株式会社 2019年2月 2019年10月22日閲覧</ref>。
2001年に[[ウィリアム・カムクワンバ]]が独力で[[風力発電|発電用の風車]]を完成させたことは、マラウイ中、さらには全世界から強い関心を集め、自伝である「風をつかまえた少年」は2018年には映画化され、2019年には日本でも公開された<ref>https://globe.asahi.com/article/12572434 「『風をつかまえた少年』 アフリカ最貧国から米名門大へ 1冊の本が開いた道」朝日新聞GLOBE 2019.07.26 2019年10月20日閲覧</ref>。
== 交通 ==
{{main|マラウイの交通}}
社会基盤となる交通の整備は未だ不十分な状態である。
=== 道路 ===
幹線道路の舗装率は約50%となっている<ref>https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007907.html 「マラウイの物流円滑化及び交通利便性向上のための無償資金協力に関する書簡の交換」日本国外務省 令和元年10月9日 2019年10月22日</ref>。長距離移動では、主要都市を拠点として長距離バスが各地を結んでおり、国外主要都市に向かう[[バス (交通機関)|バス]]もある。近距離で市民の足として広く利用されているのは[[ミニバス]]である<ref>『マラウィを知るための45章』p178-180、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
{{節スタブ}}
=== 鉄道 ===
{{main|マラウイの鉄道}}
鉄道の路線は北部域へ通じておらず、中南部のみとなっている。鉄道はザンビア国境のムチンジから、首都リロングウェやマラウイ湖畔の[[サリマ]]、ブランタイヤ市を通って国土南端の[[ンサンジェ]]からモザンビークの[[ベイラ]]港へ抜けるルートと、途中のンカヤから東部国境のナユチへと通じ、モザンビークの[[ナカラ]]港へ抜ける路線が存在する<ref>「世界の鉄道」p357 [[海外鉄道技術協力協会|一般社団法人海外鉄道技術協力協会]]著 ダイヤモンド・ビッグ社 2015年10月2日初版発行</ref>。対外貿易のメインルートはモザンビーク経由であったが、1980年代の[[モザンビーク内戦]]によってこのルートが絶たれ、道路を利用したザンビア経由へと移行した。1990年代初頭にモザンビークで和平が成立した後、同国経由ルートは再び活況を取り戻した<ref>『マラウィを知るための45章』p236、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。このほか、タンザニアの[[ダルエスサラーム]]から同国南部の[[ムベヤ]]まで[[タンザン鉄道]]で物資を運び、そこから[[貨物自動車|トラック]]でマラウイ北部へ入る輸送ルートも多用され、ムベヤにはマラウイ向けの物資を保管するマラウィ・デポと呼ばれる倉庫が置かれている<ref>「交流の中で」栗田和明/「タンザニアを知るための50章」p257 栗田和明・根本利通編著 明石書店 2006年7月10日初版第1刷</ref>。
{{節スタブ}}
=== 空港 ===
空運は、リロングウェの[[リロングウェ国際空港]]とブランタイヤの[[チレカ国際空港]]の2つの国際空港が存在し、そのほか[[ムズズ空港]]など小規模な空港がいくつか存在する。
{{節スタブ}}
== 科学技術 ==
{{main|{{仮リンク|マラウイの科学技術|en|Science and technology in Malawi}}}}
{{節スタブ}}
== 国民 ==
[[ファイル:Malawi-demography.png|thumb|260px|FAOによる1961年から2003年までのマラウイの人口動態グラフ。]]
[[ファイル:Chancellor college zomba.jpg|thumb|260px|[[マラウイ大学]]チャンセラー校の校舎。]]
{{main|マラウイの国民}}
=== 人口 ===
マラウイの人口は急増を続けている。独立直前、1962年の人口は295万人だった<ref>「各国別 世界の現勢Ⅰ」(岩波講座 現代 別巻Ⅰ)p344 1964年9月14日第1刷 岩波書店</ref>が、1994年には995万人となり<ref name="名前なし-6">田辺裕、島田周平、柴田匡平、1998、『世界地理大百科事典2 アフリカ』p520、朝倉書店 ISBN 4254166621 </ref>、2015年には1730万人となった<ref name="名前なし-5"/>。この地域は植民地化以前から人口が多く、ニヤサランド植民地時代はローデシアや南アフリカへの労働力供給地となっていて、多くの人々がこれら近隣諸国へ出稼ぎを行っていた<ref>『マラウィを知るための45章』p58-59、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。人口密度は中南部が非常に高いが、北部ではやや低い<ref>『マラウィを知るための45章』p25-26、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
=== 民族 ===
マラウイ最大の民族集団は[[チェワ族]]であり、総人口の32.6%(2008年)を占める<ref name="名前なし-2"/>。そのほか、[[トゥンブーカ族]](トゥンブカ族)、[[ンゴニ族]](アンゴニ族)、[[ヤオ族 (アフリカ)|ヤオ族]]、[[ニャンジャ族]]、[[チポカ族]]、[[トンガ族]]、[[アマゴロゴロ族]]、[[ンセンガ族]]、[[ズールー族]]、[[コーサ族]]、[[スワジ族]]、{{仮リンク|北ンデベレ人|en|Northern Ndebele people|label=ンデベレ族}}などが存在する。マラウィ内には40程度の[[民族集団]]が存在するといわれるが、それぞれの民族集団の輪郭は曖昧である。
=== 言語 ===
[[国語]]は[[チェワ語]]であり、[[英語]]も[[公用語]]となっている。その他にも、チェワ語はほぼ同じ言語である[[ニャンジャ語]]<ref name="名前なし-7">『マラウィを知るための45章』p28、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>と合わせると人口の半数以上の母語となっており<ref name="名前なし-6"/>、主に中南部で広く使用される<ref name="名前なし-7"/>。このほか、北部で広く使用される[[トゥンブカ語]](トゥンブーカ語)<ref name="名前なし-7"/>をはじめ、[[トンガ語 (ニアサ)|トンガ語]]、[[ヤオ語 (バントゥー)|ヤオ語]]、{{仮リンク|マラウイ・ロムウェ語|en|Malawi Lomwe language}}([[ロムウェ語]])、Kokola([[マクア語]])、マラウイ・セナ語([[セナ語]])、{{仮リンク|ランブヤ語|en|Lambya language}}、ンコンデ語([[ニャキュサ語]])、{{仮リンク|ニイカ語|en|Nyika language}}、その他諸部族語が話され、少数だが[[フランス語]]、[[スワヒリ語]]を話す人々も存在する。
=== 婚姻 ===
マラウイにおいては、婚姻時に改姓する法的な必要はない。とくに北部においては伝統的に改姓しない([[夫婦別姓]])<ref>[https://mwnation.com/surnames-of-married-women/ Surnames of married women], The Nation, March 3, 2015.</ref>。
=== 宗教 ===
{{main|マラウイの宗教}}
1998年のセンサスによれば、国民の79.9%が[[キリスト教]]、12.8%が[[イスラーム]]、その他が3%、[[無宗教]]が4.8%である<ref name=2010cia/>。キリスト教は[[カトリック教会|カトリック]]よりも[[プロテスタント]]各派のほうが多い。[[マラウイにおけるイスラーム|マラウイのイスラーム]]においては[[ムスリム]]はマラウイ湖畔や北部に比較的多い。
{{See also|{{仮リンク|マラウイのキリスト教|en|Christianity in Malawi}}|マラウイのイスラム教}}
=== 教育 ===
{{main|マラウイの教育}}
2003年の推計によれば、15歳以上の国民の識字率は62.7%(男性:76.1%、女性:49.8%)である<ref name=2010cia>[https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/mi.html CIA World Factbook]2010年1月14日閲覧。</ref>。2003年にはGDPの5.8%が教育費に支出された<ref name=2010cia/>。教育制度は小学校8年・中等学校4年・大学4年の8・4・4制である。[[義務教育]]制度は存在しないが、小学校の授業料は無料である<ref>https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/world_school/07africa/infoC74300.html 「諸外国・地域の学校情報 マラウイ共和国」日本国外務省 平成29年10月 2019年10月21日閲覧</ref>。この無料化は1994年に実施されたが、これによって就学率こそ向上したものの、財源や人材の不足などによって教育の質が低下し、学力の低下などが問題となっている<ref>https://home.hiroshima-u.ac.jp/cice/wp-content/uploads/2014/02/12-2-17.pdf 「マラウイの初等教育無償化後の現実―学校レベルの質的改善―」p203-207 澤村信英 広島大学教育開発国際協力研究センター『国際教育協力論集』第 12 巻 第 2 号(2009)2019年10月21日閲覧</ref>。
主な[[高等教育]]機関としては1964年に南部のゾンバに設立された総合大学である[[マラウイ大学]]があるほか、1999年には教員養成用の単科大学として北部のムズズに[[ムズズ大学]]が設立された<ref>『マラウィを知るための45章』p155、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。
=== 保健 ===
{{main|{{仮リンク|マラウイの保健|en|Health in Malawi}}}}
{{see also|{{仮リンク|マラウイの地区保健制度|en|District health system in Malawi}}|マラウイにおけるHIV/AIDS}}
国民の健康状態は良好ではなく、[[HIV]]/[[AIDS]]が蔓延しているために[[平均余命]]も52.9歳である<ref>[[国際連合]] 世界の人口推計2008年版の概要:[http://www.un.org/esa/population/publications/wpp2008/wpp2008_text_tables.pdf The 2008 Revision Highlights]Table A.17、男女別平均寿命[http://esa.un.org/unpp/index.asp?panel=2 World Population Prospects: The 2008 Revision Popuation Database] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090215000125/http://esa.un.org/unpp/index.asp?panel=2 |date=2009年2月15日 }}</ref>。2007年のHIV感染者は約930,000人であり<ref name=2010cia/>、感染率は11.9%である<ref name=2010cia/>。[[マラリア]]の患者も非常に多く、人口の3分の1以上に当たる600万人が毎年マラリアに罹患しているとされる<ref>「世界初のマラリアワクチン、マラウイで接種開始」AFPBB 2019年4月24日 2019年10月22日閲覧</ref>。またマラウイ湖は[[ビルハルツ住血吸虫]]に汚染されているため遊泳は危険である<ref>https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_120.html 「海外安全ホームページ マラウイ共和国」日本国外務省 2018年01月11日 2019年10月21日閲覧</ref>。
==== 医療 ====
{{main|{{仮リンク|マラウイの医療|en|Healthcare in Malawi}}}}
{{節スタブ}}
== 治安 ==
マラウイの治安は他のアフリカ諸国に比べると比較的安定している方であるが、日本と比べると確実に安全性が高いとはいえない。[[犯罪]]の大半は、[[窃盗]]、[[ひったくり]]、建造物侵入などの軽犯罪が主体となっている。しかしながら近年は、国内の収入格差の広がりによる貧困層の増加、近隣諸国からの不法滞在者が[[銃器]]と供に流入している点から、犯罪の手口が凶悪化かつ組織化しているケースも見受けられるようになっている面がある。
首都リロングウェや南部の商業都市であるブランタイヤにおける犯罪は、複数の強盗団による建物侵入事案が主流となっており、電気会社や警察を装う、警備員が犯罪者を手引きする、集団で住居に侵入するなどのケースが報告されている。
また、慢性的な電力不足から[[街灯]]は消灯していることが多く、道路に[[置き石]]をして停車させ、車両を襲撃するなどの事案が発生しているために、夜間の外出には十分な注意が必要とされている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_120.html#ad-image-0|title=マラウイ 危険・スポット・広域情報|accessdate=2022-04-19|publisher=外務省}}</ref>。
{{節スタブ}}
=== 人権 ===
{{main|{{仮リンク|マラウイの人権|en|Human rights in Malawi}}}}
{{節スタブ}}
2024年、警察が金を盗んだ少年を拘束。両手をゴムバンドで縛って勾留したため、後日、両手を切断せざるを得ない傷を負う事案が発生した<ref>{{Cite web |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3584657?cx_part=top_topstory&cx_position=3 |title=13歳少年、勾留中に両手縛られその後切断 警察の「拷問」と認定 マラウイ |publisher=AFP |date=2025-06-21 |accessdate=2025-06-21}}</ref>。
== マスコミ ==
{{main|{{仮リンク|マラウイのメディア|en|Mass media in Malawi}}}}
マラウイでは[[携帯電話]]の所持率は10%弱である。[[インターネット]]普及率も低く、通信環境に恵まれていない面が強い。
{{See also|マラウイの通信|{{仮リンク|MISAマラウイ|en|Media Institute of Southern Africa (MISA) Malawi}}}}
{{節スタブ}}
== 文化 ==
=== 食文化 ===
{{main|{{仮リンク|マラウイ料理|en|Malawian cuisine}}}}
マラウイ人の多くは、[[シマ]]と呼ばれる[[トウモロコシ]]粉を湯で練って作ったものを[[主食]]として食べる<ref>『マラウィを知るための45章』p184、栗田和明、明石書店、2004年。</ref>。多くの場合、魚・牛肉・鶏肉や調理された野菜を副菜にして一緒に食べる。[[米]]や[[キャッサバ]]粉から作られた食物なども好んで食べる。また、畑などに現れる[[ネズミ]]もよく食べる。マラウイではネズミはポピュラーな食糧で、よく市場で売られているという。
=== 文学 ===
マラウイを代表する[[作家]]には{{仮リンク|レグソン・カイラ|en|Legson Kayira|fr|Legson Kayira}}が挙げられる。
{{節スタブ}}
{{See also|{{仮リンク|マラウイの作家の一覧|en|List of Malawian writers}}}}
=== 音楽 ===
[[File:Drums exhibit, Blantyre Chichiri Museum.jpg|thumb|マラウイの伝統的な楽器]]
{{main|[[マラウイの音楽]]}}
マラウイにおける音楽文化は、歴史的に[[イギリス|英国]]と[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の音楽文化からの影響を受けている面がある。
{{節スタブ}}
=== 映画 ===
{{節スタブ}}
=== 世界遺産 ===
{{Main|マラウイの世界遺産}}
マラウイ共和国内には、[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の[[世界遺産]]リストに登録された[[文化遺産 (世界遺産)|文化遺産]]が1件、[[自然遺産 (世界遺産)|自然遺産]]が1件存在する。
<gallery>
ファイル:Lake Malawi, view from Likoma Island.jpg|[[マラウイ湖国立公園]] - (1984年、自然遺産)
ファイル:Chongoni rock art.jpg|[[チョンゴニの岩絵地域]] - (2006年、文化遺産)
</gallery>
=== 祝祭日 ===
{{main|{{仮リンク|マラウイの祝日|en|Public holidays in Malawi}}}}
{| class="wikitable"
|+祝祭日
!日付!!日本語表記!!現地語表記!!備考
|-
|[[1月1日]] || [[元日]] || ||
|-
|[[1月15日]] || ジョン・チレンブウェ記念日 || ||[[バプテスト]]の[[牧師]]兼[[教育者]]であった[[ジョン・チレンブウェ]]を称えて制定された。 <br> チレンブウェは第一次世界大戦においての強制労働と当時のアフリカの関与に抗議して1914年~1915年に最初の国民主義者の蜂起を主導した人物である。
|-
|[[3月3日]]([[3月4日]]交互)|| {{仮リンク|殉教者の日|en|Martyrs' Day}} || || イギリスの植民地主義との闘いで戦死した政治的英雄を称える日である。
|-
|[[3月]]から[[5月]]、年により移動 || [[復活祭]]|| || 前日に[[聖金曜日]]を祝い、終了後には[[イースターマンデー]]を祝う。
|-
|[[5月1日]]([[5月2日]]または3日交互) || [[労働者の日]] || || [[メーデー]]に該当する。
|-
|[[5月14日]] || カムズ・バンダ記念日 || || 同国の初代大統領である[[ヘイスティングズ・カムズ・バンダ]]の誕生日を記念したものである。
|-
|[[7月6日]] || [[独立記念日]] || ||1966年のイギリスからの独立を記念したもの。
|-
|[[10月15日]] || [[母の日]] || ||この休日は、[[農山漁村女性のための国際デー|世界農山漁村女性の日]]ともなっている。
|-
|[[12月25日]] || [[クリスマス]] || ||
|-
|[[12月26日]] || [[ボクシングデー]] || ||
|-
|[[ヒジュラ暦]]第10月 ||{{仮リンク|シャウワール|en|Shawwal}} || ||
|-
|}
=== スポーツ ===
{{main|{{仮リンク|マラウイのスポーツ|en|Sports in Malawi}}}}
;サッカー
{{main|{{仮リンク|マラウイのサッカー|en|Football in Malawi}}}}
マラウイ国内でも他の[[アフリカ]]諸国同様に、[[サッカー]]が最も人気の[[スポーツ]]となっており、[[1986年]]にサッカーリーグの[[マラウイ・プレミアディビジョン]]が創設された。{{仮リンク|ニャサ・ビッグ・ブレットFC|en|Nyasa Big Bullets FC}}がリーグ最多14度の優勝に輝いている。[[サッカーマラウイ代表]]は[[FIFAワールドカップ]]への出場歴こそないものの、[[アフリカネイションズカップ]]には3度出場しており、[[アフリカネイションズカップ2021|2021年大会]]では初めてグループリーグを突破しベスト16入りを果たした。
;オリンピック
{{See also|オリンピックのマラウイ選手団|{{仮リンク|オリンピックにおけるマラウイ|en|Malawi at the Olympics}}}}
== 著名な出身者 ==
{{main|マラウイ人の一覧}}
=== 書籍 ===
* 栗田和明、『マラウィを知るための45章』、明石書店、2004年。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
== 関連項目 ==
* [[マラウイ関係記事の一覧]]
* [[サッカーマラウイ代表]]
* [[マラウイ・プレミアディビジョン]]
* {{ill2|2024年チリマ副大統領搭乗機墜落|en|2024 Chikangawa Dornier 228 crash}}
== 外部リンク ==
{{Commons&cat|Malawi|Malawi}}
; 政府
** [
** [http://www.malawiembassy.org/ 在日マラウイ大使館] {{ja icon}}
** [http://www.photopassport.gr/index_029.html 写真マラウイから]
; 日本政府
** [
* [http://www.malawiembassy.org/jp/index.html 駐日マラウイ大使館]
=== ウェブサイト ===
* [https://www.jica.go.jp/malawi/index.html JICA-国際協力機構 マラウイ基本情報]
* {{Kotobank}}
{{アフリカ}}
{{イギリス連邦}}
{{Authority control}}
{{DEFAULTSORT:まらうい}}
[[Category:マラウイ|*]]
[[Category:アフリカの国]]
[[Category:内陸国]]
[[Category:
[[Category:イギリス連邦加盟国]]
[[Category:国際連合加盟国]]
[[Category:アフリカ連合加盟国]]
[[Category:後発開発途上国]]
|