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{{Otheruses|野球における内野手のうちの1つ|パソコン雑誌|月刊遊撃手}}
[[File:Jetershortstop.JPG|thumb|right|250px|遊撃の守備に就く[[デレク・ジーター]]]]
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'''遊撃手'''(ゆうげきしゅ、{{lang-en-short|shortstop}}は、[[スポーツ]]である[[野球]]において、現在は、二塁と三塁の中間を守備する[[内野手]]。[[中馬庚守備番号]]によっては6。英略字は'''SS'''('''S'''hort'''s'''topから)。日本では'''ショートストップの訳語'''して命名さも呼ばることがある。主に[[二塁手]]([[セカンド]])と[[三塁手]]([[サード]])の[[間]]に位置する
 
== 概要 ==
センターラインを形成する守備のひとつ。[[二塁手]]と並んで高い守備技術が要求され、連係プレーにおける中核を担う<ref>[[#キャンパニス(1957年)|キャンパニス(1957年)]] p.104</ref>。ボールに触る機会が多いため、「守備の華」と称される<ref>[https://number.bunshun.jp/articles/-/14336 “守備の華”遊撃手で最高の選手は? 20年間の数字から見えた、ある真実。 1]</ref>。
[[英語]]でshortstopと呼ばれることから日本では'''ショート'''とも呼ぶ。ショートは[[和製英語]]である。[[守備番号]]は6。英略字は'''SS'''('''S'''hort'''s'''topから)。[[画像:Baseball_Position.png|thumb|250px|野球のポジション図]]
 
二遊間および三遊間後方のフライ処理をはじめ、[[投手]]や[[三塁手]]のバックアップを行うなど守備範囲は広い。内野ゴロの送球に要する時間が短く、加えて深い位置からの送球も多いため、優れた反射神経や強肩などが必須。さらに[[牽制球]]や[[盗塁]]阻止のベースカバー、外野からの中継プレーなども担い、最も身体能力が要求されるポジションである。
[[野球|ベースボール]]の成立当初は、投手と二塁との間を中心に守備していたために、「ショートストップ」と呼ばれたという。[[一塁手]]と[[三塁手]]は、当初から現在と同様の守備位置だった。後に、二塁を守備していた二塁手が、一塁寄りの守備位置になり、二塁と三塁手との間に遊撃手が移動し、現在の守備形態となった。''second baseman''と''shortstop''の名称は、当時の名残である。
 
少しばかり打撃不足や体格に劣っている選手でも、俊足・強肩・堅守などを兼ね備え守備力に長けていれば正遊撃手に定着することが多い。その上で高い打撃能力や恵まれた体格を持ち合わせていれば「大型遊撃手」などと称され重宝される。特にプロ野球では、プロ入り後要求される力量がないと判断されたり、故障や加齢によって能力が衰えてきたりした場合は直ちに他ポジションへ[[コンバート (野球)|コンバート]]されることが多く、一般的に守備能力が衰えるとされる30歳代半ばを超えても遊撃手のレギュラーを守り続けた選手は少ない。ただし、今まで遊撃手を務めてきた資質から、コンバート先のポジションで名手として活躍する場合もある。
[[明治時代]]の日本に野球が伝わってまだ間もない頃に、[[正岡子規]]によってshort=短く stop=遮る の直訳である「短遮」(たんしょ)、もしくは「短遮者」と呼ばれていたが、明治時代の[[教師]]・[[中馬庚]]が「「ショート・ストップ」は戦列で時期を見て待機し、動き回ってあちこちを固める『遊軍』のようだ」と表現し、「遊撃手」という名称を新たに広めた。
 
日本のプロ野球ではボールに対する抵抗の少ない[[人工芝]]を内野に使用した球場が多いため、内野ゴロの打球より速く守備位置まで到達するので、捕球できなかった場合でも最低の正面で止めてボールを前に落とす打球処理方法が基本とされる。一方、内野に[[天然芝]]を多く使うアメリカの野球では、打球の速度が落ちるので前に落として打球を処理していたのでは一塁への送球が間に合わなくなるため、捕球の確実性よりも素早くアウトを取る能力を求められる。そのため、体のひねりを利用して素早く送球動作に移ことの出来る「逆シングル捕球を積極的に採用する行うように指導される。そのためことが多く中には真正面の打球であっても逆シングルで捕球する選手もいる。[[斎藤隆 (野球)|斎藤隆]]は「もっとも大きな差が現れるのは、打撃力、走力、守備力のうちどれですか?」という問いに「守備じゃないですか。特に内野守備です」「もちろん、打撃もそうですが、内野の守備力は、芝生の上で野球をやることが当たり前だった彼らと、土と人工芝しか知らない日本人選手では、考え方や捕り方に根本的な違いがあります。だから、上手い下手ということではなく、違うんですよ。それが土台の違いという意味なんです。」と解説している<ref>{{Cite web|和書|url=https://number.bunshun.jp/articles/-/847484|title=「イチローや松井が例外だったんですよ」MLBでフロントを経験、斎藤隆が明かす“米国で獲得リストに挙がった日本人野手の名前”|publisher=Number Web|date=2021-03-27|accessdate=2023-03-30}}</ref>
== 守備範囲・役割 ==
二塁手と並んで、内野で最も難しいポジションであり、内野守備の花形的ポジション。
 
左投げの選手の場合、ボールを捕球してから一塁手へ送球するまでに体の向きを変える必要があり、右投げに比べわずかではあるが処理に時間を要し、一塁手を除く他の内野のポジションと同様、遊撃手も通常は右投げの選手が務める。
[[二塁手]]と二塁に対して対称の位置が定位([[本塁]]から二塁に向かって二塁手が向かって右側、遊撃手が向かって左側)。野手に関しては打者の妨害をしない限り守備位置についての規則がないため、状況や[[打者]]に応じて前後左右に常に守備位置を移動する。
 
[[メジャーリーグベースボール|メジャーリーグ]]においては[[カル・リプケン・ジュニア]]の登場以降、遊撃手も打撃力が必要不可欠な[[Template:野球のポジション|ポジション]]であるとのイメージが強くなった<ref>
守備範囲としては三塁後方の浅いフライやレフト前からセンター前の打球までと範囲が広く、[[投手]]や[[三塁手]]のカバーリングも行う。
[[アメリカ合衆国|アメリカ]][[メジャキュリーグベースボール|メジャーリーグ]]においては[[カル・リプケン少年野球]]の登場以降などでは伝統的に最も身体能力野球技術の優れた選手が遊撃手も打撃力が必要不可欠を任されるため、日本における投手のよう[[花形のポジション]]となっており、である。そのだ守備が上手なだけめ、これらの国ではプロに入団すると遊撃手から適性に合った他のポジションを奪うにコンバートされることは困難になってが多。</ref>。特に、[[デレク・ジーター]]、[[アレックス・ロドリゲス]]、[[ノマー・ガルシアパーラ]]の3人は[[1990年代]]に3大遊撃手と呼ばれ、リプケン以降の、打撃も守備も兼ね備えた新たな遊撃手像を体現する存在となった。[[2000年代]]に入るとロドリゲス、ガルシアパーラに代わって、[[マイケル・ヤング ()|マイケル・ヤング]]、[[ミゲル・テハーダ]]を加えた3選手が新・3大遊撃手と呼ばれていた。ただし近年においても、ポジション別の[[OPS (野球)|OPS]]などでは、遊撃手は概して外野手や一塁手、三塁手よりも低くなっており、まずは打撃よりも遊撃を守れ守備力が要求されていることに変わりはないようである。選手の総合評価指標として知られる[[WAR (野球)|WAR]]では、捕手に次いでポジション補正値が高い
 
神奈川県の強豪高校の監督がアメリカにコーチ留学した際、[[横浜中学校・高等学校|横浜高校]]時代の[[松坂大輔]]の映像を持って渡米すると「なんでショートにしないんだ?」と疑問の声がアメリカ国内の指導者達から上がった。これは投手というポジションがアメリカの野球において「背がひょろっと高くて、ちょっと不器用そうで、他に守るポジションがないような選手」の守るポジションとされているためでもあるが、それだけ遊撃手の地位がアメリカで高いことを物語るエピソードでもある<ref>[https://number.bunshun.jp/articles/-/186968 野球の華はショートかピッチャーか?日本人野手の評価がMLBで低い理由。] Number Web 2012/01/18 10:30 (2021年3月28日閲覧)</ref>。
二塁を二塁手と共に守るため、投手からの牽制球の捕球とカバーリング、または盗塁の際の捕手からの送球を捕球する役割があり、打者の打席の左右や打球傾向によって二塁手と交代で守り、送球がそれた場合に備えて互いのカバーリングも行う。そのため二塁手との連携が非常に重要であるポジションである。また'''[[ダブルプレー]]'''の際には一塁手や二塁手が捕球したボールを二塁上で処理する役割がある。
 
== 歴史 ==
また、二塁手同様カットプレーが多く、二塁を境にしてレフト側の打球を左翼手や中堅手が処理した後、ボールを中継して内野まで戻す役割がある。そのため内外野の橋渡しとして重要であり'''走力'''や'''判断力'''が求められる。
アメリカの野球黎明期、投手の両隣に2人の守備者がおり、打者のすぐ近くで守ることから''shortstop''の名称で呼ばれていた。時代が進み、2人いたショート・ストップは1人となり、当時は二塁の塁上付近に構えていた二塁手と投手の間を守るようになる。日本に野球が普及したのはこの頃である。さらに時代が進み、二塁を守っていた二塁手が一塁寄りに位置するようになったことで、遊撃手も二塁と三塁の間に移動し、現在の守備形態となった。
 
日本においては[[明治|明治時代]]の日本に野球が伝わってまだ間もない頃に、[[正岡子規]]によってshort=短く 」「stop=遮る の直訳である「短遮」(たんしょ)、もしくは「短遮者」と呼ばれの訳語があられ。その後、明治時代の[[教員|教師]]・[[中馬庚]]が「ショート・ストップは戦列で時期を見て待機し、動き回ってあちこちを固める『遊軍』のようだ」と表現し説き、「遊撃手」という名称を新たにまっ<ref>[https://web.archive.org/web/20160918120320/http://www.softbankhawks.co.jp:80/stadium/girls_gate/trivia.php 女性のための野球観戦講座 ショート(遊撃手)ってどんなポジション?]</ref>
一塁から遠いため、内野ゴロの処理に許される時間が短く、高い反応力に裏打ちされた'''俊敏性'''と'''送球の正確さ'''も求められる。二塁手に比べると、捕球しやすい強い打球を処理することが多い三遊間だが、深い位置から一塁や本塁へ投球することも多いことから'''強肩'''であることも要求される。
 
== 脚注 ==
このように多くのプレーに関係し、ボールに触る機会が全ポジションの中でも特に多いため、'''プロにおいてはもっとも運動神経や野球センスを要求される内野手'''であるとされ、比較的打撃に劣る選手が遊撃手に定着する例も多く、俊足・強肩・堅守で、しかも打撃力能力の高い選手は重宝される。また、要求される力量がないと判断されたり故障や年齢により能力が衰えてきたりすると、一塁に近いため遊撃手ほど肩の強さが要求されない二塁手、または守備機会の少ない三塁手や、守備の負担の軽い一塁手、[[外野手]]に[[コンバート (野球)|コンバート]]されることがたびたび起こる。一般的には年齢と共に守備力の衰えた遊撃手が三塁手に、遊撃手の定位置争いに敗れた若い選手は2塁手にコンバートされることが多い。
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== 参考文献 ==
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[メジャーリーグベースボール|メジャーリーグ]]においては[[カル・リプケン]]の登場以降、遊撃手も打撃力が必要不可欠な[[ポジション]]となっており、ただ守備が上手なだけではポジションを奪うことは困難になっている。特に、[[デレク・ジーター]]、[[アレックス・ロドリゲス]]、[[ノマー・ガルシアパーラ]]は[[1990年代]]には3大遊撃手と呼ばれ、リプケン以降の、打撃も守備も兼ね備えた新たな遊撃手像を体現する存在となった。[[2000年代]]に入るとロドリゲス、ガルシアパーラに代わって、[[マイケル・ヤング (野球)|マイケル・ヤング]]、[[ミゲル・テハーダ]]を加えた3選手が新・3大遊撃手と呼ばれている。
* {{Cite book|和書|author=Al Campanis|authorlink=アル・キャンパニス|translator=[[内村祐之]]|date=1957年|title=[[ドジャースの戦法]]|publisher=[[ベースボール・マガジン社]]|asin=B000JAY4RG|ref=キャンパニス(1957年)}}
 
アメリカや[[キューバ]]の[[少年野球]]などではもっとも身体能力・野球技術の優れた選手が遊撃手を任されるため、日本における投手のような花形のポジションである。日本の少年野球では「エースで4番」が多いが、アメリカなどでは「ショートで4番」となるわけである。そのため、これらの国ではプロに入団すると遊撃手から適性に合った他のポジションへ'''[[コンバート (野球)|コンバート]]'''されることが多い。
 
日本のプロ野球ではボールに対する抵抗の少ない[[人工芝]]を内野に使用した球場が多いため、内野ゴロの打球が速く守備位置まで到達するので、捕球できなかった場合でも最低体で止めてボールを前に落とす打球処理方法が基本とされる。一方、内野に[[天然芝]]を多く使うアメリカの野球では、打球の速度が落ちるので前に落として打球を処理していたのでは一塁への送球が間に合わなくなるため、捕球の確実性よりも素早くアウトを取る能力を求められる。そのため、体のひねりを利用して素早く送球動作に移れる逆シングル捕球を積極的に採用するように指導される。そのため、真正面の打球であっても逆シングルで捕球する選手もいる。
 
なお、遊撃手は'''左投げは不向き'''といわれる。これは右投げならばボールをとったらそのままの体勢でファーストへ送球すればいいのに対し、左投げの場合は捕球してから一塁の方向に送球体勢を取るまでの動作が多くなるため、わずかではあるが時間がかかるからである。これは一塁手以外の内野手全般に言えることではあるが、特に遊撃手の場合は守備の負担が大きいことにもよる。
 
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