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|名称=ロンドン同時爆破事件
|画像=Russell square police road.JPG
|脚注=[[ファイル:Euston cordoned off 070705.jpg|none|300px]]テロ発生直後のロンドン・ラッセル・スク
|場所={{
|標的=[[ロンドン地下鉄]]と[[2階建車両|ダブルデッカーバス]]
|日付=[[2005年]][[7月7日]][[木曜日]]
|時間=
|手段=[[
|死亡=56人(実行犯4人を含む)
|負傷=
|犯人=[[アル・カーイダ]]
|容疑=ハシブ・フセイン、モハメド・サディク・カーン、ジャーメイン・リンゼイ、シェザード・タンウィア
}}
'''ロンドン同時爆破事件'''(ロンドンどうじばくはじけん、7 July 2005 London bombings)は、[[2005年]][[7月7日]]、[[グリニッジ標準時|現地時間]]
事件前日の6日は2012年の[[夏季オリンピック]]の開催地がロンドンに決定した日でもあり、オリンピック開催決定の歓喜に沸いた1日から一転して深い悲しみに包まれることになった。
日本国内の[[メディア (媒体)|メディア]]では、この事件を'''ロンドン同時爆破テロ'''、'''ロンドン同時多発テロ'''、'''ロンドン同時テロ'''という名称で報じている。▼
▲日本国内の[[メディア (媒体)|メディア]]では、この事件を'''ロンドン同時爆破テロ'''、'''ロンドン同時多発テロ'''、'''ロンドン同時テロ'''という名称で報じている。
== 事件概要 ==
=== 地下鉄 ===
7月7日午前8時50分頃、[[ロンドン地下鉄]]トンネル内の3カ所でほぼ同時に地下鉄の車両が[[爆発]]した。最初の爆発から3個目の爆発まで僅か約50秒足らずであった。
* [[サークル
* [[ピカデリー線]] - [[キングス・クロス・セント・パンクラス駅]]から[[ラッセル・スクウェア駅]]に向かう列車の1両目。
*
=== ダブルデッカーバス ===
[[File:London Bus route 30.jpg|right|thumb|200px|ロンドン同時爆破事件の被害とされたバス路線のひとつ、系統30。バスも同じタイプの[[デニス・トライデント・2]]。]]
7月7日午前9時47分頃(現地時間)、[[大英博物館]]のあるラッセル広場近くの[[タヴィストック広場|タビストック・スクエア]]を走行中の[[2階建車両|2階建てバス]]1台が爆発し、屋根を含めて2階部分が完全に吹き飛んだ。▼
▲
ロンドン同時爆破事件で爆破された3台のバスのうち2台は、ロンドンのシンボルとも言えるデニス・トライデント・2型で、他の1台も含めて全て「[[ステージコーチ]]・ロンドン(Stagecoach London)社」の所有だった。
最初に爆破されたバスは[[アレクサンダー・デニス・E400|エンバイロ・400]]の車体を利用して修復され、ロンドン市民からは「ロンドンのスピリット(Spirit of London)」という名前で呼ばれている<ref>[http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/london/4304884.stm BBC News | England | London | London bomb tribute bus unveiled]</ref><ref>[http://londonist.com/2005/10/spirit_of_londo.php 'Spirit of London' Bus Unveiled]</ref><ref>{{cite web|url=http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-20014969 |title=BBC News - Suspected arson on 7/7 tribute bus 'Spirit of London' |publisher=Bbc.co.uk |date=2012-10-20 |accessdate=2013-03-25}}</ref>。
=== 被害 ===
このテロ攻撃によって56名が死亡した。ただし、その中に実行犯4名が含まれている。地下鉄車両は完全に破壊され、施設にも被害を受けた。ラッセル・スク
=== 実行犯 ===
[[ロンドン警視庁テロ対策指令部|イギリス捜査当局]]は[[テロリズム|テロリスト]]による
4名は
=== 逮捕 ===
[[
[[2007年]][[3月22日]]、ロンドン警視庁は、このテロに関与した「反テロ法」違反の容疑で、男性3人を逮捕したと発表した。警察は22日の午後1時ごろ、30歳と23歳の男を、[[マンチェスター空港]]から[[カラチ]]([[パキスタン]])行き飛行機に搭乗しようとしたところ逮捕した。次いで午後4時ごろ、26歳の男を、中部リーズの自宅で逮捕した。また同時に彼等の家などが家宅捜索された。
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作者不明の犯行声明ではあったが、その報道により、イギリス国内で在英ムスリムや[[アラブ人|アラブ系]]住民に対する嫌がらせが発生した。英国協議会の公式サイトには3万件もの脅迫紛い[[電子メール|メール]]が送りつけられ、[[ニュージーランド]]では[[モスク]]の窓が破壊された。
2005年8月13日、The Independent紙の報道では、警察と[[MI5]]の情報元を引用し、7月7日の爆発犯たちは海外にいるアル・カーイダ主謀者の計画に沿って独自に行動を起こしたとされている。[https://web.archive.org/web/20061026100045/http://news.independent.co.uk/uk/crime/article305547.ece]
2005年9月1日、[[アルジャジーラ]]に送付した
=== 報道 ===
[[ファイル:Kings Cross press gazebo 1.jpg|thumb|キングスクロス駅での報道テント]]<!-- コモンズ画像利用 -->
* [[BBC One|BBC 1]] 及び [[ITV (イギリス)|ITV 1]] (イギリスの主要なチャンネル) の両局は通常番組を中止して、この事件の
* [[オーストラリア]]の[[オーストラリア放送協会|国営ABC放送]]は BBC 放送の生番組を、[[Seven Network|チャンネル7]]や[[Nine Network|チャンネル9]]などの民放は ITV の生番組を放送し続けた。
* アメリカ [[CNN]] は海外向けを含めて通常番組を中止して、この事件のニュースを放送した。
* [[日本]]では[[NHK衛星第1テレビジョン|NHK BS1]] が通常番組を中止し、途中[[NHK BSニュース|BSニュース]]を挟みながら BBC News 24 を[[通訳|同時通訳]]付きで放送した。[[NHK総合テレビジョン|総合テレビ]]の深夜の時間帯は[[スーパーインポーズ (映像編集)|テロップ]]を付けた形で通常番組を放送した。[[日テレNEWS24|NNN24]] 及び [[
* 各国の[[新聞]]は1面にてトップニュースとして報じた。また各国国営短波放送局はトップニュースとして報じた。
== 影響 ==
=== 市民生活 ===
ロンドン市内では警察によって、事件翌朝に無用な外出は控えるよう市民に呼びかけたが、すぐにいつも通りの生活に戻ろうという呼び掛けが行われた。一時的に徒歩や
=== サミット ===
[[ファイル:Blair G8 July7th05.jpg|thumb|250px|合同記者会見を行うサミット参加国首脳。ブレア英首相が代表して「テロには結束して対抗する」との声明を読み上げる。]]
イギリスでは[[7月6日]]から[[第31回主要国首脳会議|グレンイーグルズ・サミット]]が開催されており、テロはこれに合わせて行われたと考えられる。事件発生を受けた[[トニー・ブレア]]英首相をはじめとする[[G7|G8]]首脳は、日本時間7日午後8時から
3日間開催されたサミットの主要議題は、議長国であるイギリスが事前に定めた「アフリカ支援・気候変動」であったが、このテロのために、アメリカが積極的に推し進める「テロとの戦い」こそが世界の最重要課題となった。
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;サミットの予定日程
* 6日:英女王主催の夕食会
* 7日:午前)気候変動・世界経済について討議、昼)中国など新興5
* 8日:午前)アフリカ支援について討議、昼)アフリカ諸国との対話、午後)総括発表
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* 7日:テロに関する宣言発表(例年の経緯から見れば、その後この件について話し合わないように、という意味)
* 8日:テロについての議論が継続、対テロ声明を採択して終了(2度も同じ内容で宣言が発せられるのは極めて異例)
=== 誤射事件 ===
イギリス国内の警察もテロ警戒に対し過剰反応し、[[2005年]][[7月23日]]に警察官が地下鉄車内で[[ブラジル人]]
しかし、この男性はただの配管工で、爆弾などは持っておらず、テロリストとは全く関係なかったことが判明し、ロンドン警視庁は世界中から非難され、イギリス政府が遺族やブラジル政府に対し謝罪するに至った。それどころか、駅構内の監視カメラでは、男性は警官に呼び止められず、改札は普通に通り抜けた上、横の[[フリーペーパー]]まで手にとっている。地下鉄にも若干小走りに乗り込んだ程度で、逃げるようには見えなかったという証言もある。また、「警官(私服だったという)は数人で座席に腰掛けていた男性を取り囲み、至近距離から何発もの銃弾を撃ち込んだ
誤射した警官らは逮捕されたが、イギリスのマスコミは[[11月27日]]、男性を射殺した警官
[[2006年]][[7月23日]]、殺害から1年
イギリス検察庁は、[[2006年]][[7月17日]]、ロンドン警視庁の組織としての責任を問うとしながらも、射殺した警官やブレア警視総監の訴追を退けた。遺族や支援者は、検察庁の判断を非難し、ブレア警視総監を含む責任者の処罰、事件の真相究明、ロンドン・テロ事件後警察が採用したテロ容疑者即時殺害方針の撤回などを求めている。
=== 弾劾 ===
このテロにはブレア首相への[[弾劾]]に影響したと見る向きもある。[[6月26日]]に英紙でブッシュ
=== 再発 ===
[[7月21日]]午後12時頃にも、再び鉄道の駅3箇所とバスで爆発があったが、大きな被害は無かった({{n|ロンドンの地下鉄3駅で爆発 乗客が避難}})しかし、この事件は、リュックが残るほど被害が少ないこと、顔を隠していないアラブの風貌の人物によって、公衆の面前で地下鉄の列車内にリュックを投げ込まれたことから、[[愉快犯]]・[[模倣犯]]
この事件は、実際に爆発は起こっておらず「未遂」に終わっているが、後の調べにより、バックパックに入っていた[[化学物質]]の量などから7月7日の爆弾よりもより強力なものを作成しようとしたことがわかっている。未遂に終わったのは、爆弾の作成者が、それぞれの化学物質の計算を間違え、量が正確ではなかったことがあげられる。また、実行当時の気温が高かったために、量が正確であったとしても化学反応は起こらなかっただろうと見られている(2007年7月11日現在)。
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=== 英王室 ===
*「この事件によって、わたしたちの生き方が変わることはない。このような残虐行為はわたしたちの連帯感と人間愛、法規範への信頼を一層強めるだけだ」(エリザベス女王・負傷者の救護にあたる病院スタッフへの演説)
*「困難なロンドンの現代にあって、かつての苦難の時代に復活力とユーモア、絶えざる勇気をもった世代の記憶を若い世代も受け継ぎ、現代の平和を守る戦いに生かしてほしい」(女王[[エリザベス
=== 英国議会 ===
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=== 各国首脳 ===
*サミット参加国:[[ジョージ・ウォーカー・ブッシュ|ブッシュ]][[アメリカ合衆国大統領|米大統領]]など会議に出席した首脳もテロを非難する共同声明を発した。[
*「テロがイスラエルだけの問題ではないことを改めて示した」(イスラエルのシャローム外相)
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*「われわれは、仲間である英国市民とともにいる」(英国の主要なイスラム教団体の広報担当者)
*「イスラム教が説く人間性と平和、正義を明確に唱える」(ロンドンのイスラム社会学生連盟)
*英・「[[デイリー・テレグラフ]]」紙の調査では、英国のイスラム教徒は「7日の同時テロは正当化されない」と考える人が88%、「実行犯の動機に共感しない」と考える人が計71%だった。
;イスラム圏各国
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*「テロに長年苦しんできたアフガンの人々は、英国の悲しみをよく理解している」([[アフガニスタン]]の[[ハーミド・カルザイ|カルザイ]]大統領)
*「国民よ、立ち上がって、過激派と、憎しみと混沌を社会の中に広めようとしている者に対する聖戦を行ってほしい」([[パキスタン]]・[[ムシャラフ]]大統領)
* 一部のイスラム教国では、アル・カーイダ、[[ウサーマ・ビン・ラーディン|オサマ・ビンラディン]]への信頼度は大幅に落ち込み、一般市民を標的にする自爆テロという手法は殆どの人々から受け入れられていない。(米世論調査機関)
;米国
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=== キリスト教 ===
* [[7月10日]]にイギリス全土の教会で犠牲者と遺族に祈りがささげられた。
* [[教皇|ローマ教皇]]
*
=== オリンピック ===
*「[[IOC]]はロンドンの安全対策を完全に信頼している」(IOCの[[ジャック・ロゲ|ロゲ]]会長。事件前日、[[2012年ロンドンオリンピック|ロンドンをオリンピック開催地]]として選んだことから→[[2012年夏季オリンピックの開催地選考]]も参照)
==
2011年7月25日に犯人に対し禁錮21年が言い渡されたが、被害者などからは「軽すぎる」として批判が強まっている。<ref>http://sapukei.seesaa.net/article/216683220.html{{リンク切れ|date=2017年9月 |bot=InternetArchiveBot }}</ref>
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
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* [[アメリカ同時多発テロ事件]]
* [[バリ島爆弾テロ事件]]
* [[
* [[モスクワ地下鉄爆破テロ]]
* [[過酸化アセトン]](この事件で使用された爆薬)
* [[w:Casablanca Attacks]]
* [[w:1995 Islamist terror bombings in France]]
* [[ジャック・ストロー]] - [[第31回主要国首脳会議]]に出席していた[[トニー・ブレア]]首相に代わり、議長として議事運行にあたったとされている。
== 外部リンク ==
{{commons|Category:London bombing, July 2005}}
* [http://news.bbc.co.uk/onthisday/hi/dates/stories/february/18/newsid_4165000/4165719.stm 1996年IRA ロンドンバス爆破] 1996年2月のIRAテロ
*[http://www.n-seiryo.ac.jp/~usui/news2/2005/london_blasts.html ロンドン同時多発テロの犯罪心理]
*[
*[http://www.met.police.uk/news/terrorist_attacks/ Metropolitan Police response to terrorist attack in London](英語)
* [[英国放送協会|BBC]] NEWS - In Depth: [http://news.bbc.co.uk/1/hi/in_depth/uk/2005/london_explosions/default.stm london explosions](英語)
*[http://www.bmj.com/cgi/content/full/331/7509/127 A taste of metal and a smell of burning flesh] -- Walsh 331 (7509): 127 -
*[http://www.bmj.com/cgi/content/full/331/7509/127-a The bus, the purse, and the limb] -- Dearden 331 (7509): 127 -- [[ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル|BMJ]] - 同上
* {{Kotobank|ロンドン同時爆破テロ}}
{{対テロ戦争}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:ろんとんとうしはくはしけん}}
[[Category:対テロ戦争]]
[[Category:アルカーイダ]]
[[Category:イギリスの国際関係]]
[[Category:
[[Category:ロンドン
[[Category:ロンドンのバス交通|とうしはくはしけん]]
[[Category:2005年]]▼
[[Category:2005年のイギリス]]
[[Category:反英感情]]
[[Category:イギリスの警察不祥事]]
▲[[Category:2005年7月]]
[[Category:イギリスのテロ事件]]
[[Category:イギリスで発生した爆発事件・事故]]
[[Category:鉄道テロ]]
[[Category:ジャック・ストロー]]
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