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{{redirect|ハザードランプ|[[安田顕]]主演、[[榊英雄]]監督の映画|ハザードランプ (映画)}}
[[画像:Blinker_01.jpg|thumb|150px|方向指示器 右フロントウィンカーと右サイドマーカーが点灯している状態]]
{{Otheruses|自動車の方向指示器|航空計器の方向指示器({{lang-en|direction indicator}})|飛行方位計}}
{{複数の問題
| 独自研究=2022-11
| 出典の明記=2022-11
}}
[[ファイル:Blinker_01.jpg|thumb|150px|[[トヨタ・ビスタ]]の方向指示器<br>右側の前部方向指示器と側面方向指示器が点灯している状態]]
'''方向指示器'''(ほうこうしじき)とは、[[自動車]]、[[オートバイ]]などに付ける[[保安部品]]で、右左折や進路変更の際に、その方向を周囲に示すための装置である。'''ウインカー'''とも。緊急時にはすべてのランプを同時に点滅させることで、'''ハザードランプ'''としても使用される。
 
== 概要 ==
'''方向指示器'''(ほうこうしじき)とは、[[自動車]]、[[オートバイ]]等に付ける[[保安部品]]で、右左折や進路変更の際に、その方向を周囲に示すための装置である。方向を灯火の点滅で示すことから、日本では通常、'''ウインカー'''([[英語]]: winker“まばたきするもの”)と言うが、現在[[英語圏]]において winker と言うことは稀である。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では blinker もしくは turn signal 、[[イギリス]]では directional indicator、あるいは単に indicator と表記する。[[ドイツ語]]でも以前は [[:de:Winker|Winker]] と呼んでいたことがある。[[日本]]では年配の人を中心に「アポロ」と呼ぶこともある(下記、[[方向指示器#歴史|歴史]]を参照)。
[[ファイル:Car_blinker.gif|thumb|330px|自動車の方向指示器の、各ランプの位置(一例)]]
設置部位により、前部方向指示器(フロントターンシグナルランプ、フロントターンランプ)、側面方向指示器(サイドターンシグナルランプ、サイドターンランプ、サイドマーカー<ref group="注釈">アメリカ仕様車における車体側面の前後部両端に設置された、反射板を兼ねた車幅灯連動の灯火も'''サイドマーカー'''と呼ばれる。</ref>)、後部方向指示器(リアターンシグナルランプ、リアターンランプ)というように呼び分けられる。最近の自動車では、[[ドアミラー]]に側面方向指示器を内蔵する車種が増えているほか(下記、[[#灯火|ドアミラーターンランプ]]を参照)、一部の[[タクシー]]のように屋根にもランプを装備している例もある(下記、[[#灯火|タクシーウインカー]]を参照)。
 
方向指示器はあくまで[[保安部品]]なので、仮に故障したとしても、車両としての走行機能には影響しない。しかし、多くの車両が同時に走行する[[公道]]上では、[[交通安全]]を確保するため欠かせない装備であり、日本を含めほとんどの国において構造、動作、操作に関するルールが定められている(下記、[[#法令・規格|法令・規格]]を参照)。
また、全てのランプを同時に点滅させることで'''ハザードランプ'''としても使用される<ref>なお'''フラッシャー'''と呼ぶこともあるが、英語のFlasherには「露出狂」「[[性器]]を露出する[[変態性欲|変態]]」という意味があるので使わないのが無難である。[[日本語]]の「ハザードランプ」はHazard FlasherやHazard Indicatorである。</ref>。
 
=== 呼称について ===
設置部位によるランプの呼称は、前面のランプをフロントウインカー、側面をサイドマーカー、後面をリアウインカーと呼ぶ。最近の自動車では、[[ドアミラー]]にサイドマーカーを装備することが増えているほか(下記、[[方向指示器#ドアミラーウインカー|ドアミラーウインカー]]を参照)、[[タクシー]]のように屋根にもランプを装備している例もある。
[[日本]]では、'''ウインカー'''または'''ウィンカー'''と[[通称]]される。方向指示器を指す[[イギリス英語]]の口語的表現 「{{lang|en-UK|winker}}(「点滅するもの」の意)」からの[[音訳]]である。[[自動車部品の一覧|部品]]名や[[メンテナンス|整備]]書には「'''ターンシグナルランプ'''」という呼称が用いられてきたが、今日では[[ユーザー]]向けの[[カタログ]]や[[マニュアル|取扱説明書]]も'''ターンランプ'''などの表記へ移行している。
 
イギリス英語で「winker」と呼称されることは稀であり、「{{lang|en-UK|(directional) indicator}}」(インジケーター)が用いられる。[[アメリカ英語]]では、くだけた表現として「{{lang|en-US|blinker}}」(ブリンカー)、もしくは「{{lang|en-US|turn signal}}」(ターンシグナル)、[[シンガポール]]では「{{lang|en-UK|signal}}」と表記・呼称する。[[ドイツ]]でも以前は 「{{lang|de|Winker}}」(ヴィンカー)と呼んでいたことがある。特に矢羽式・腕木式のものを英語圏では「{{lang|en|trafficator}}」、「{{lang|en|semaphore}}」、日本では「アポロ」として区別したこともある(下記、[[#歴史|歴史]]を参照)。
方向指示器はあくまで保安部品なので、仮に故障したとしても、車両としての走行機能には影響しない。しかし、多くの車両が同時に走行する公道上では、交通安全を確保するため欠くべからざる装備であり、日本を含めほとんどの国において構造・動作・操作に関するルールが定められている(下記、法令、規格を参照)。
[[画像:Car_blinker.gif|thumb|330px|right|自動車の方向指示器ランプの位置]]
 
== 歴史 ==
初期の[[自動車]]においては、交通絶対量が少なかったこと、また[[オープンカー|オープンボディ]]が大半であったことなどから、装備としての方向指示器は存在しなかった。進路変更を周囲に伝達する必要がある場合は、[[馬車]]時代からの身振りを踏襲した「[[手信号]]」による意思表示を用いており、それで充分だったと言える。なお、手信号は現在も[[道路交通令上認めら]]において規定されている。
 
その後、[[大量生産]]の時代を迎えて交通量が爆発的に増大し、交通の円滑性、安全性から進路変更時の合図が重要となり、同時にクローズドボディの普及により、車外に何らかの信号装備が求められるようになった。
 
[[1893年]]、イギリスのJ・B・フリーマンによって文字盤式の方向指示器が発明されるこれは車体後部に表示内容を変更できるロール式の掲示板を設置して、手動操作によって「Left{{lang|en|left}}」・「Right{{lang|en|right}}」の文字表示できるようにしたものであった。
 
[[Imageファイル:Trafficator.jpg|thumb|180px200px|矢羽式方向指示器]]
[[Imageファイル:Automotive-lighting-Apollo-moving.jpg|thumb|250px|日本の「アポロ」式<br />写真は[[大型自動車|大型車]]用の汎用品]]
1900年代初頭には、イギリスのF・フォークナーによって、ボディサイドに装備する矢羽式(やばねしき、または腕木式 = うでぎしきとも)の方向指示器が発明される。この矢羽式は、可動式の表示器を通常はボディサイド(外付けのものは灯体)に収納しており、操作時にアームを車体から突出させて周囲に意思を伝える方式である。矢羽式の方向指示器は、手旗信号を基にしたもので、[[鉄道信号機|鉄道用信号機]]としても、'''セマフォ式鉄道信号機'''と呼ばれ、世界的に普及している。自動車では、セマフォ方向指示器を略した「セマフォ」のほか、「{{仮リンク|トラフィケーター|en|Trafficators}}」などと呼ばれている。動作はケーブルを介した手動式か、[[インテークマニホールド|吸気管]]の負圧を利用した[[真空|バキューム]]式であった。
 
1908年に、[[イタリア]]のアルフレード・バラッキーニがアームの中に[[電球]]を入れたものを発表した。当時、電気式[[前照灯]]がすでに普及しはじめていたため、矢羽を透明樹脂製とし電照式とすることで、夜間でも被視認性の高い方向指示が可能となった。操作はまだケーブルを介した手動式であったが、1918年、イギリスのネーリックモーターシグナル社が、小型モーターを用いた電動式アームで特許を取得した。しかしこのシステムも、ギュスターヴ・ドネとモーリス・ボワソンの二人の[[フランス]]人発明家のアイディアによってすぐに時代遅れとなる。彼らは1923年にアームの[[アクチュエータ|アクチュエーター]]を[[電磁石]]に置き換え、指示器全てがピラー(柱)に完全に収まる、より小型で簡潔なシステムを発表した。さらに、1927年、[[運転手|ドライバー]]に作動を通知する車内インジケーターを追加し、その後のスタンダードへとまとめあげたのは、[[ドイツ]]のマックス・ルールとエルンスト・ノイマンである(ワイヤー式でインジケーターを持つものも多数ある)。電磁式のメーカーでは、イギリスの[[:en:Lucas Industries|ルーカス]]、ドイツの[[:en:Hella (company)|ヘラ]]などが代表的である。
[[1900年代]]初頭には、イギリスのF・フォークナーによって、ボディサイドに装備する矢羽式(やばねしき、または腕木式 = うでぎしきとも)の方向指示器が発明される。この矢羽式は、可動式の表示器を通常はボディサイド(外付けのものは灯体)に収納しており、操作時にアームを車体から突出させて周囲に意思を伝える方式である。矢羽式の方向指示器は、手旗信号を基にしたもので、[[鉄道信号機|鉄道用信号機]]としても、セマフォー式鉄道信号機([[:en:Railway semaphore signal|Railway semaphore signal]] )と呼ばれ、世界的に普及している。車ではセマフォー方向指示器(Semaphore turn signal)を略した「セマフォー(Semaphore)」のほか、「トラフィケーター([[:en:Trafficators|Trafficator]])」と呼ばれている。動作はケーブルを介した手動式か[[インテークマニホールド|吸気管]]の負圧を利用した[[真空|バキューム]]式であった。
 
日本では自動車の普及と灯火類の法整備が遅かったため、一般向け[[乗用車]]などでの車体内蔵式の採用期間は非常に短く、左右独立点滅式方向指示器の義務化以降は、未装備の車両向けを中心に、アポロ工業の外付け型矢羽式方向指示器が汎用品として市場をほぼ独占した。そのため、[[商標の普通名称化|アポロ製品が矢羽式方向指示器の代名詞となり、さらに車体内蔵式を含む矢羽式方向指示器の全てが「アポロ」と呼ばれる]]ほど一般的な存在であった。
[[1908年]]に、[[イタリア]]のアルフレード・バラッキーニ(Alfredo Barrachini)がアームの中に[[電球]]を入れた物を発表した。当時、電気式[[前照灯|ヘッドランプ]]が既に普及しはじめていたため、矢羽を透明樹脂製とし電照式とすることで、夜間でも被視認性の高い方向指示が可能となった。操作はまだケーブルを介した手動式であったが、[[1918年]]、イギリスのネーリックモーターシグナル社が、小型モーターを用いた電動式アームで特許を取得した。しかしこのシステムも、ギュスターヴ・ド・ネフ(Gustave de Neef)とモーリス・ボワソン(Maurice Boisson)の二人の[[フランス]]人発明家のアイディアによってすぐに時代遅れとなる。彼らは[[1923年]]にアームの[[アクチュエータ|アクチュエーター]]を[[電磁石]]に置き換え、指示器全てがピラー(柱)に完全に収まる、より小型で簡潔なシステムを発表した。さらに、[[1927年]]、ドライバーに作動を通知する車内インジケーターを追加し、その後のスタンダードへとまとめあげたのは、[[ドイツ]]のマックス・ルール(Max Ruhl)とエルンスト・ノイマン(Ernst Neuman)である(ワイヤー式でインジケーターを持つものも多数ある)。電磁式のメーカーでは、イギリスのルーカス([[:en:Lucas Industries plc|Lucas]])、[[ドイツ]]のヘラ([[:en:Hella (company)|Hella]])などが代表的である。
 
小型車で点滅式が主流となった後でも、[[オート三輪|三輪自動車]]、[[大型自動車|大型]][[貨物自動車|トラック]]、[[バス (交通機関)|バス]]では、新車にもアポロとその[[OEM|ライセンス品]]が使われていた。これらの外付け型は多くの車種に対応するため、大きさは大・小、電圧は6V・12V・24Vの各種が用意されており、矢羽内の表示灯も初期は常時点灯式であったが、後に点滅式へと変更されている。また、点滅式方向指示器とアポロとの併用も見られた。
日本では[[乗用車]]などでの[[車体]]内装型は非常に少なく、[[アポロ工業]]の製品が外付け型汎用品として市場をほぼ独占した。そのため、[[アポロ式]]が矢羽式方向指示器の代名詞となり、さらに車体内装式を含む矢羽式方向指示器の全てが「アポロ」と呼ばれるほど一般的な存在であった。[[大型自動車|大型]][[貨物自動車|トラック]]や[[日本のバス車両|バス]]では、小型車で点滅式が主流となった後まで外付け型のアポロ式が使われており、点滅式との併用も見られた。その後アポロ式は点滅式への移行に伴う需要の低迷から急速に衰退し、アポロ工業自体も[[1964年]]に[[サンウエーブ工業]]に吸収合併されている。
 
その後アポロは点滅式への移行に伴う需要の低迷から急速に衰退し、アポロ工業自体も1964年(昭和39年)に[[サンウエーブ工業]]に吸収合併されている。アポロ式方向指示器自体も、[[1973年]](昭和48年)からの法律により装着ができなくなった<ref>[[道路運送車両法#道路運送車両の保安基準|道路運送車両の保安基準]]第2章及び第3章の規則の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示第45条</ref>。
矢羽式実用化後に、[[バイメタル]]を応用し、矢羽を廃した点滅灯式方向指示器が考案され、[[1935年]]には[[イタリア]]の[[フィアット]]1500([[:en:Fiat 1500 (1935)|Fiat 1500]] )や、アメリカの[[ビュイック]]に採用されている。
 
矢羽式実用化後に、[[バイメタル]]を応用し、矢羽を廃した点滅灯式方向指示器が考案され、1935年にはイタリアの[[:en:Fiat 1500 (1935)|フィアット1500]] や、アメリカの[[ビュイック]]に採用されている。
矢羽式と点滅式はしばらく共存していたが、点滅式は特に昼間時の視認性の良さと、断線、焼損の懸念のある電磁石や、機械的可動部が排除されたことによる信頼性の高さにより、欧米では比較的すぐに、日本においても[[1950年代]]までには主流となっていった。
 
矢羽式と点滅式はしばらく共存していたが、点滅式は特に昼間時の視認性の良さと、断線・焼損の懸念のある電磁石や、機械的可動部が排除されたことによる信頼性の高さにより、欧米では比較的すぐに、日本においても1950年代までには主流となっていった。
日本で方向指示器が法定化された際、指示器を持たない既存の車両は、「アポロ」やそのライセンス製品(いずれも矢羽式)などの汎用品を後付けすることで対応した。[[オート三輪|三輪自動車]]や[[バス (交通機関)|バス]]、[[貨物自動車|トラック]]などでは新車においても汎用品を採用する例も見られた。汎用品は多くの車種に対応するため、大・小の二種類が用意されていた。また、矢羽内の表示灯は初期は常時点灯式であったが、後に点滅式も登場した。
 
[[1960年代]]、特にアメリカでは道路交通の過密化、高速化が進み、自車と周囲の安全を確保するため、より多くの情報を伝達する必要が生じた。そのため、方向指示器は、その全て(前後、左右)を同時に点滅させることで停車中であることを知らせる[[ハザード]]ランプとしての機能も併せ持つようになった。[[日本車]]でも[[輸出]]向けから採用が始まり、全車に普及していった。
 
また、点滅機構もバイメタルから[[トランジスタ]]と[[継電器|リレー]]を用いたものへと代わり、その後も改良が続き、タマ切れ時に点きっぱなしになる欠点を補う、倍速点滅機能も盛り込まれた。
 
[[1990年代]]に入り車両電装品の電子制御化が進むと、方向指示器は外部から視認が容易な位置にあること、また元々、点滅機構を備えることから、盗難[[警告|アラーム]]、[[リモコン]]操作の確認など、車外から何らかの合図を確認する目的でも使用されることになる。
 
[[オートバイ]]での方向指示器の装備は[[自動車|四輪車]]よりも遅く、[[1950年代]]に矢羽式がオプション装備されたのが始まりで、すぐに点滅式に交代している。
 
== 構造 ==
{{出典の明記|section=1|date=2014年9月}}
方向指示器は、車外に取り付けられ合図を表示する表示部(ランプ)、車内に取り付けられ[[ドライバー]]が合図操作を行う操作部(レバーまたはスイッチ)、操作に従い表示部の動作を制御する制御部から成り立つ。
{{独自研究|section=1|date=2014年9月}}
方向指示器の基本構造は、運転者が操作するスイッチにより灯火の点滅を制御する回路に電流を流す。制御回路は灯火の点滅のほか、作動状態を運転者に表示するインジケータや、補助的に音を発生する装置を作動させる。
 
=== 表示部灯火 ===
[[画像ファイル:Blink_area.JPG|thumb|180px200px|フロントターンシグナル側・前部方向指示器の視認範囲]]
[[ファイル:Turning Lights on Roof of Taxi.jpg|thumb|200px|タクシーウインカー]]
表示部は点滅を行う[[ランプ (光源)|ランプ]]であり、[[乗用車]]の場合は車体前部(''フロントターンシグナル'')、後部(''リアターンシグナル'')、側面(''サイドターンシグナル'')の3カ所に装備される。大型車の場合は車体中央部側面にも装備される。[[オートバイ]]の場合には車体前部側面および車体後部に装備される。
灯火は点滅を行う[[ランプ (光源)|ランプ]]である。乗用車の場合は車体前部、後部、側面に3対が装備される。大型車の場合は車体中央部側面にも1対が装備される。オートバイの場合には車体前部および車体後部に2対が装備される。オートバイの前部方向指示器は[[バックミラー]]や[[ハンドルバー]]両端などに取り付けられている場合もある。車両前方から視認できるよう車両進行方向へ配光されているため、側面方向指示器ではない。屋根の縁や荷台後方の高い位置にも1対の方向指示器が増設される場合がある。
 
通常、後部方向指示器は片側1灯ずつ点滅するものが多いが、[[トヨタ・クラウン]]、[[日産・セドリック]]/[[日産・グロリア|グロリア]]、[[三菱ふそう・エアロクィーン|三菱・エアロシリーズ]]などの過去のモデルや、トラック(特に[[デコトラ]])、[[三菱・チャレンジャー]]の後期モデルなどでは{{独自研究範囲|date=2014年2月|独特の存在感を出すために}}、[[ごみ収集車|ゴミ収集車]]や[[路線バス]]などでは{{独自研究範囲|date=2014年2月|路上駐停車の頻度が高いことから}}片側2灯以上点滅するものもある。{{独自研究範囲|date=2014年2月|タクシーは、急停止や方向転換、乗客の乗降車などが頻発するため、ターンランプやハザードランプの点灯を周囲に認知させる必要性が高い。[[東京]]や[[仙台市|仙台]]などの一部の会社によっては屋根の上の[[社名表示灯|あんどん]]両脇への補助ターンランプの装備がある。これを日本国内では'''タクシーウインカー'''または'''ルーフウインカー'''と呼ぶ。}}類似の装備は日本国外でもしばしばみられ、[[ニューヨーク市]]の[[イエローキャブ (タクシー)|イエローキャブ]]も同様の装備を持つ。また、後部の窓にターンランプと連動して「注意」という文字を点滅させる装置を装備した車両もあった。
日本の現在の車両保安基準では、方向指示器の灯光の色は''橙(とう)色''でなくてはならない<ref>道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第249条第三項</ref>。ただし、現行の保安基準が施行される以前に登録された車両についてはこの限りになく、また[[在日米軍]]の車両については、日本の車両法、道路交通法が適用されないため、前部は車幅灯と兼用、後部はブレーキランプやテールランプとの兼用という車両がある。
 
[[ファイル:Door_mirror_winker1.jpg|thumb|200px|ドアミラーターンランプ。写真右が点灯時。]]
取り付け位置も詳細に決められており、まず車体の周囲360度からいずれかのターンシグナルが視認できなくてはならない、さらに個々のターンシグナルの視認範囲が決められており、たとえば右のフロントターンシグナルの場合であれば、ターンシグナル中心を起点とした車体正面方向中心線から、左周り45度から、右回り80度の範囲から視認できなくてはならない。
[[ファイル:Door_mirror_winker2.jpg|thumb|200px|ドアミラーターンランプ。写真右が点灯時、6個のLED光源が見える。]]
乗用車や小型貨物車では[[ドアミラー]]の前面から側面に方向指示器の灯火が内蔵されたものがあり、現在では市販車両の純正部品として広く採用されているが、[[ダイハツ工業]]の様に、多くの軽自動車の車種で部品を共通化させてコストを縮減させるためや破損時の修理費用が高くなることなどを考慮して、カスタム系など一部車種のみの導入に留めているメーカーも存在する<ref>[https://trafficnews.jp/post/81222/2 「ドアミラーにウインカー」のメリットとは 高級車から大衆車へ普及 流れに逆行するメーカーも?内『「ドアミラーをぶつけたときの費用が…」で不採用に?』](乗りものニュース、2018年8月16日更新、2021年1月6日閲覧)</ref>。この装備は[[安全性]]の向上に寄与し得るとの調査結果がある<ref>{{Cite web|url=http://www.sae.org/technical/papers/2005-01-0449|title=Geometric Visibility of Mirror Mounted Turn Signals|publisher=[[SAE International]]|accessdate=2017-02-23}}</ref>。市販車での世界初採用は、1998年に登場した[[メルセデス・ベンツ・W220|メルセデス・ベンツSクラス(4代目)]]、[[日本車]]での初採用は2001年(平成13年)の日産の[[日産・シーマ#4代目 F50型(2001年-2010年)|4代目シーマ]]である。車体側面に方向指示器を装備する義務がないアメリカでは、斜め後ろから見えるドアミラーの鏡面で表示が点滅する方向指示器が販売されている。
 
乗用車の場合、旧来のランプユニットは金属のプレス品の反射部と電球を保持する口金(ソケット)とを溶接した本体に、[[ゴム]]製の[[ガスケット]][[シール (工学)|シール]])をはさみ、着色された[[樹脂]][[レンズ]]を[[ねじ]]止めする構造であったがねじ止めで車体への取り付けられていた。生産台数の増加した現在では、{{独自研究範囲|date=2014年2月|コストダウンのため}}樹脂レンズと、や反射部樹脂製の反射部兼用ハウジング(本と一)は化され、樹脂レンズと[[高周波]][[溶着]]されておりた構造を持つものもある。溶着されたハウジングは気密性が高く{{独自研究範囲|date=2014年2月|温度変化による内部[[結露]]を防ぐ}}ブリーザー(呼吸機構)を持つ。また、同じくねじ止めであった車体への取り付け方法も、灯体のはハウジングに設けられたボスと車体側のにつけられたゴムブッシュの組み合わせによるハメ込み式を採用するものがある。{{独自研究範囲|date=2014年2月|以前は溶着技術にメーカー間格差があり、特定の車種で溶着不良による内部の浸水がよく見られた}}。ハウジングを樹脂製変わっしたランプユニットではボディアースは使用できず、カプラー化されたソケットから導線でアース接続されている。
 
レンズは橙色に着色されているものが主流である一方、無色のものもある。現在は多くの国々の法規で橙色と定められているが、かつては前部の方向指示器は白色が中心であった。たとえば、{{要出典範囲|date=2014年2月|アメリカでは[[1963年]]から橙色の方向指示器の使用されるようになり、[[1968年]]に法制化された}}。ただし法令上は、消灯中の色を定めていないことから、現在はデザイン上の手法として無色のレンズを利用し、点灯時に橙色に見えるように設計されているものがある。無色のレンズの内側に電球を覆うカバーを追加してカバーを橙色に着色したり、電球の表面を橙色に着色したりといった方法で透過光を橙色とするほか、橙色に発光するLEDを利用する場合もある。アフターパーツとして販売されている場合や、純正として採用されている場合がある。電球の表面を着色した製品の中には、電球から発せられる熱の影響で塗料が剥がれ、白色の点滅となり保安基準に適合しなくなる場合がある。{{独自研究範囲|date=2014年2月|同様にデザイン面から一部の間でリアコンビネーションランプ全面を赤くする改造も広まった([[スポーツコンパクト|スポコン]]、[[ドリ車]]など)。この場合、電球を緑色に発光するタイプに取り替えることでオレンジ色の光を得られる。}}
以前は溶着技術にメーカー間格差があり、特定の車種で溶着不良による内部への浸水がよく見られた。
 
[[画像ファイル:brinker_lamp.jpg|thumb|left|150px|電球(左:口金タイプ 右:ウエッジタイプ)]]
[[電球]](バルブ)の口金形状は[[規格]]化されており、{{独自研究範囲|date=2014年2月|[[日本産業規格|JIS]] C 7506に規定されるBAタイプ、特にBA15sがよく使われる}}。方向指示器用の電球は、ほかの灯火と同様にスワン式と呼ばれる口金を使う方式のものと、ウエッジタイプと呼ばれる差し込み式のものがある。スワン式は円筒形の口金側面に短いピンをソケットの側面に切られたL字型の溝に引っかけ、ソケット底部に組み込まれた[[ばね]]の力で電球の口金を押さえて固定する方式である。電球の極性は中心[[電極]]をプラス、口金部をマイナス(アース)としている車種がほとんどである。ねじを使ったエジソン式と比較すると振動で緩みにくく、ソケット底部のばねの力により接点の接触圧力が保たれる。ウェッジタイプは、ソケットに設けられた長方形の差し込み口に長辺の両面から押さえつける接点金具が組み込まれ、電球を[[くさび]]({{lang-en-short|wedge}})のように接点金具の間に差し込む方式である。
 
乗用車の方向指示器に用いられる電球は一般的に、フロント用には15または21-27W、リア用には21-27W(21Wと23Wが主流)が使われる。サイド用は小型(5Wが主流)のものが使用される。ただし、{{独自研究範囲|date=2014年2月|近年のコンパクトカーやファミリーカーのクラスの車種では、電球交換の知識と技量を持たないユーザーに触られることを嫌い}}、点滅しなくなったときには販売店や整備店に相談するよう取扱説明書で指示しているものもある。{{要出典範囲|date=2014年2月|[[2002年]]頃から[[発光ダイオード|LED]]の高輝度化に伴い、電球よりも長い寿命や被視認性向上、[[消費電力]]低減などのメリットから方向指示器に[[LED照明]]を採用する車種が増えている}}。電球を置き換えるための口金タイプなどのLEDランプも発売されているが、{{独自研究範囲|date=2014年2月|中には安価な汎用品を用いた商品もあり、光が拡散せずに照射範囲が保安基準を満たさない粗悪品もある}}。電球は消灯している時はフィラメントが冷えており点灯時より抵抗値が低くなっているので、{{要出典範囲|date=2014年2月|点灯する瞬間に定常電流の10倍近くの大きな電流が流れる}}([[突入電流]])が、LEDでは突入電流は発生しない。元々、電球を取り付けるよう設計されている車両では、{{要出典範囲|date=2014年1月|突入電流を利用して機械式[[継電器|リレー]]の接点のゴミを焼き切り接点の接触不良を防止するように設計されている}}ので、LEDに交換するとウインカーリレーの接触不良により点灯しなくなることがある。電球へ流れる電流値を利用して球切れを検出する機構を備えた車種では、電球より電流が少ないLEDを取り付けると検出機構が球切れ警告を表示する場合がある。{{要出典範囲|date=2014年2月|これらの問題を解決するため}}方向指示器を制御するリレーをLED対応にするための半導体リレーも発売されている。
電球は規格化された口金タイプが使用され、[[日本工業規格|JIS]]-C7506に規定されるBAタイプ、特にBA15sがよく使われる。このタイプは電球の口金側面に短いピンがあり、ソケットの口金側面に切られたL字型の縦溝にそってまっすぐ挿入した後、電球を捻ってピンを横溝に引っかける(スワン式と呼ばれ、ねじタイプのエジソン式に比べて振動に強い)。電球の極性は中心[[電極]]がプラス、口金部がマイナス(アース)で、ソケット底部にはスプリングが内蔵されており、電球を押し返してピンを横溝に圧着させることで電球を固定するのと同時に、アースを確保している。通常ランプユニットは樹脂製のためボディアースは使用できず、カプラー化されたソケットからコードでアース接続されている。
 
=== バスの車内における方向指示器 ===
ターンシグナルの電球は一般的に、フロント用が15または21~27W、リア用は21~27W(21、23Wが主流)が使われる。サイド用は小型であり、電球も[[くさび|ウエッジ]]タイプと呼ばれる小振り(5Wが主流)のものが使用される。いずれの場合も電球の交換には工具を使わなくてすむように考慮されて設計されている場合が多い。
[[ファイル:Turning Lights in Buses in Japan.jpg|thumb|200px|路線バスの乗客用方向指示器]]
ただし、近年のコンパクトカーやファミリーカーのクラスの車種では、電球交換の知識と技量を持たないユーザーに触られることを嫌い、点滅しなくなったときには販売店や整備店に相談するよう取扱説明書で指示しているものもある。
路線バスの一部には、方向指示器と連動して点灯する表示灯を客席前方の車内に備える場合がある。フットブレーキの操作に連動する表示灯とともに、乗客から視認しやすい位置に設置される。
 
=== 音による補助装置 ===
2002年頃から[[発光ダイオード|LED]]の高輝度化に伴い、半永久的な実用性(不点寿命)、視認性向上、消費電力低減などのメリットから方向指示器にLEDを採用する車種が増えている。
トラックなどの大型車のうち、日本向けの車両には方向指示器を操作した際に外部のチャイムを鳴らしたり、チャイムと共に「右(左)へ曲がります」と音声を流す装置を装備するものがある。一部の路線バス車両では、左の方向指示器を出したときのみチャイムが鳴るようにしたものもある。
 
普通の車に後付けするための口金タイプなどのLEDランプも発売されているが、中には安価な汎用LEDを用いた商品もあり、光が拡散せずに照射範囲が保安基準を満たさない「粗悪品」もある。電球は消灯している時はフィラメントが冷えており点灯時より抵抗値が低くなっているので、点灯する瞬間に定常電流の10倍近くの大きな電流が流れる(突入電流)が、[[発光ダイオード|LED]]では突入電流は発生しない。一見、[[発光ダイオード|LED]]のほうが突入電流が発生しないため好ましいように思えるが、元々、電球を取り付けるよう設計されている車両では、突入電流を利用して機械式リレーの接点のゴミを焼き切り接点の接触不良を防止するように設計しているので、[[発光ダイオード|LED]]に交換するとウインカーリレーの接触不良を招き故障に至らしめることがある。また消費電力が極めて小さいことから、装着車両側が認識できずに球切れを表示することもあるので注意が必要である。
 
[[アメリカ合衆国]]におけるターンシグナルの規定は、世界の中でも独特である。[[アメリカ車]]およびアメリカ仕様車では、フロントターンシグナルは橙色(アンバー)に規定されているが、車幅灯(スモールランプ、ポジションランプ)と兼用にしていることが多く、その場合は光の増減のみで動作を示す「明滅式」である。リアターンシグナルも、ブレーキランプやテールランプとの兼用型(赤色)の場合が多い。車輌側面への方向指示器の装備義務はない。日本や欧州では、すでに保安適合しないため、これらアメリカ独自の仕様を持った車輌を日本で運行させることは、現行の保安適合措置が施行される以前の旧型車両、もしくは在日米軍の車両や[[アメリカ大統領]]専用車両など特殊なケースを除き許容されない。アメリカ仕様車を日本に輸入し販売する際には、車輌側面のウインカーランプや独立した後部ウインカーを増設するなどの保安適合措置が必要となる。
 
普通はリアターンシグナルは片側一灯ずつ点滅すものが多いが、[[トヨタ・クラウン]]、[[日産・セドリック]]、[[三菱ふそう・エアロクィーン|三菱・エアロシリーズ]]などの過去のモデルや、[[貨物自動車|トラック]](特に[[デコトラ]])、[[三菱・チャレンジャー]]の後期モデルなどでは独特の存在感を出すために、[[ゴミ収集車]]や[[路線バス]]などでは路上駐停車の頻度が高いことから二灯以上点滅するものもある。さらに日本のトラックでは「流れる」ように複数のリアターンシグナルが順番に点滅するようにカスタムする者もいるが、これは保安適合措置に違反している。
 
=== 操作部 ===
方向指示器を操作する[[開閉器#スイッチ|スイッチ]]には、右左折などの合図の際に用いるスイッチと、非常停止灯(ハザードランプ)として機能させるスイッチがあるのが通常である。
==== ウインカー・スイッチ ====
方向指示器の操作部は、合図の開始と方向を指定するウインカー[[スイッチ]]が主なものである。初期の車用ウインカースイッチは[[ダッシュボード (自動車)|ダッシュボード]]上に装備されたトグルスイッチ等の電気的スイッチが主流であった。左右(あるいは上下)2方向に接点を有するスイッチがよく使われ、ドライバーは合図の開始と終了を、スイッチON / OFFすることで操作していた。1950年代頃から[[ハンドル]]操作を阻害しないようにと、[[ステアリングコラム]]から延びるスティック状の操作桿(レバー)が主流となりウィンカー・レバーとも呼ばれるようになった。ステアリングコラムに装着されたことによりハンドル操作との連動が容易になり、ハンドルを戻した時に自動的に操作桿が中立位置まで戻り合図がOFFとなるオートキャンセルの装備が進むこととなる。ただし、オートキャンセルは[[アメリカ合衆国|アメリカ]]車等ではステアリングポストに装備された初期から普及したが、[[ヨーロッパ|欧州]]車などでは近年までオートキャンセルを装備しない車種も見られた。
 
==== 方向指示スイッチ ====
標準的なオートキャンセル付きスイッチの場合、レバーを操作して一定の位置を越えると[[クリック]]感があり、スイッチがON位置で固定されオートキャンセルの待機状態となる。クリック位置を越えずにレバーを保持し続けると、合図は継続するがレバーは固定されず、指を離すと[[バネ]]の力でレバーは中立位置(OFF位置)まで戻る。レーンチェンジなどの微少なハンドル操作の場合、ハンドル舵角が少ないためにオートキャンセルが作動しない場合が多く、戻し操作を手動で行う必要がある。上記機能はこの戻し操作の手間を大幅に軽減することができるが、初期のオートキャンセルには備わっておらず、この機能の普及初期には「レーンチェンジャー付き」と称したメーカーもあった。
[[画像ファイル:Blinker_sw.jpg|thumb|350px| コンビネーションスイッチ(左)と単独スイッチ(右)写真は共に右ハンドル車]]
矢羽根式の自動車では[[ダッシュボード (自動車)|ダッシュボード]]上に装備されたレバーによるワイヤーで操作するものもあった。電動の矢羽根式や点滅式ではトグルスイッチなどの電気スイッチがダッシュボード上に装備されるようになった。電気スイッチは、左右(あるいは上下)2方向に接点を有するスイッチが使われ、合図の開始と終了のいずれにもドライバーによる操作が必要であった。{{要出典範囲|date=2014年2月|[[1950年代]]頃から}}、[[ステアリングコラム]]側面に装備され、[[ステアリング・ホイール]]から手を離さずに操作できる[[レバー (操作機具)|レバー]]が主流となった。ステアリングホイール内側に円環型の[[警笛]]スイッチを持つ車種では、警笛スイッチを円周方向に回転([[時計回り・反時計回り]]に回転)できるようにし、方向指示スイッチとしたものもあった(日本では1960年代の[[トヨタ自動車|トヨタ]]車が採用)。同時に、ステアリングシャフトの回転を利用した機構で[[ステアリング]]を中立に戻す際に、自動的にレバーが中立位置まで戻り、合図がオフとなるオートキャンセラーの装備が進んだ。オートキャンセラーはアメリカ車などではステアリングポストに装備された初期から普及した一方、[[欧州車]]などでは近年{{いつ|date=2014年2月}}までオートキャンセラーを装備しない車種も見られた。
日本車の場合はウインカースイッチと、[[ヘッドライト]]等の他の灯火類のスイッチを組み合わせて操作桿としたコンビネーションスイッチが主流である。欧米車においてはヘッドライト等のスイッチがダッシュボードに装備されている場合もあり、ウィンカースイッチ単独の操作桿も見られる。また、まれにダッシュボードから板状の操作スイッチをハンドル付近に延ばす方式([[三菱自動車工業|三菱]]・[[三菱・ギャラン|ギャラン]])や、メーターパネルの角にロッカースイッチを装備する方式([[シトロエン]]・[[シトロエン・BX|BX]])なども見られる。
 
標準的なオートキャンセラー付きスイッチの場合、レバーを操作して一定の位置を越えるとクリック感があり、スイッチオンの位置で固定される。クリック感のある位置を超える前にスイッチは入るがレバーは固定されず、手を離すとばねの力で中立位置(スイッチオフ)に戻る。オートキャンセラーはステアリングを中立に戻す際の回転角度がある一定以上になると働くが、車線変更(レーンチェンジ)などのようにステアリング操作角度が小さい場合はオートキャンセラーが作動せず、手動でスイッチをオフにする操作が必要になる場合もある。レバーが固定されない位置でスイッチが入る機能は、車線変更の際に手動でスイッチを切る操作を省くことができる。初期のオートキャンセラーには備わっておらず、この機能の普及初期には{{要出典範囲|date=2014年2月|「レーンチェンジャー付き」と称したメーカー}}もあった。現在は、レバーを軽く一度だけ操作すれば、あらかじめ任意に設定された回数の点滅を自動で行う車種もある(主要な[[ドイツ車]]など)。現在の[[BMW]]車([[ミニ (BMW)|MINI]]を含む)および一部[[レクサス]]車では、レバーを操作してもオン位置で固定されず常にセンター位置に戻る方式を採用している。
ウインカースイッチの位置は、日本国内で販売される国内メーカーの車では通常ステアリングコラムの右側に装備されているが、日本国外においてはハンドル位置の左右にかかわらず左側に装備される場合が多い。これは、[[国際標準化機構|ISO]]の[[規格]]でウインカースイッチの位置が左側と規定されているためである。<ref>ISO 4040 ''Road vehicles Location of hand controls, indicators and tell-tales in motor vehicles''</ref>そのため、日本国内で販売される日本車と、[[対面交通|日本国外の左側通行国]]の中でも特に欧州圏([[イギリス]]・[[アイルランド]]・[[マルタ]]・[[キプロス]])で販売される右ハンドルの日本車とでは、ウインカースイッチの左右位置が違うという状態になっている。
* [[イギリス]]は左側通行だが、現在生産されているイギリス車のウインカーは、右ハンドルにおいてもステアリングコラムの左に装備される。ただし、[[国際標準化機構|ISO]]の[[規格]]が登場する以前は右側に装備した車種が大半であった。[[マニュアルトランスミッション]]車の割合が高い欧州で右ハンドルの場合、変速操作とウィンカースイッチ操作を同時に行わなければならない機会は多く、現在でも安全上の観点からこのISO規格の見直しが論議されている<ref>右ハンドル車において左ハンドル車と反対の配置とすることが永続的に認められることになった模様。[http://www.google.co.jp/search?q=ISO+4040&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja&domains=JSAE.OR.JP&sitesearch=JSAE.OR.JP 自動車技術会サイトのgoogle検索]</ref>。
[[Image:Mercedes-Benz O530 Blinker sw.jpg|thumb|ウインカーとワイパーが一体になったメルセデス・ベンツのマルチファンクションレバー(写真のタイプは[[警笛]]も一体化)]]
* [[メルセデス・ベンツ]]の多くの車種では、誤操作防止の観点から、ウインカーとワイパーの操作を一本のレバーに一体化している。このレバーの位置も、かつては「右ハンドル仕様=ステアリングコラムの右側・左ハンドル仕様=左側」であった(モデル[[メルセデス・ベンツ 190E|W201]]、[[メルセデス・ベンツ Eクラス|W124]]、[[メルセデス・ベンツ W126|W126]]の時代まで)。しかし、 現在はISOの規格に合わせ左側に統一されている。
* 日本向けの輸入車の一部には、日本国内に合わせ右ハンドル・右側ウインカーを採用している車種がある。(北米生産の[[ゼネラルモーターズ|GM車]]([[キャデラック]]、[[サターン (自動車)|サターン]]など)、[[現代自動車|ヒュンダイ]]各車など)
 
[[ファイル:Mercedes-Benz O530 Blinker sw.jpg|thumb|ターンシグナルと[[ワイパー]]のスイッチが一体になったメルセデス・ベンツのマルチファンクションレバー(写真のタイプは[[警笛]]も一体化)]]
オートバイの方向指示器の操作部(ウィンカースイッチ)は、左ハンドルのグリップ付近に左右方向(または上下方向)のスライド式のスイッチが装備されていることが多いが、[[ハーレーダビッドソン]]や[[BMW]]などの一部車種では、右および左のグリップ付近にそれぞれ右ウインカーと左ウインカーのスイッチが装備されていることもある。特殊な例としては、[[本田技研工業|ホンダ]]・[[ホンダ・カブ#スーパーカブ|スーパーカブ]]が「そば屋の出前持ちが片手で運転できるように」との配慮から、スロットル操作を担う右グリップ側に装備されている。
日本車の場合は方向指示スイッチと、[[前照灯]]などの灯火を操作するスイッチが1本のレバーに組み込まれたコンビネーションスイッチが主流である。欧米の車種の場合は前照灯などのスイッチが独立してダッシュボードに配置装備されている場合もあり、ターンシグナルスイッチ単独のレバーも見られる(ただし[[パッシング]]・ロー/ハイビーム切り替え機能は残っている)。まれにダッシュボードから[[パドル]]状の操作スイッチをステアリングホイール付近に延ばす方式([[三菱自動車工業|三菱]]・[[三菱・ギャラン|ギャラン]])や、メーター[[ナセル]]のふちにロッカースイッチを装備する方式([[シトロエン]]・[[シトロエン・BX|BX]])なども見られる。[[メルセデス・ベンツ]]の車種のうち、モデル[[メルセデス・ベンツ・W201|W201]]、[[メルセデス・ベンツ・W124|W124]]、[[メルセデス・ベンツ・W126|W126]]の時代までは、右ハンドル仕様はステアリングコラムの右側に、左ハンドル仕様は左側に配置されていたが、それ以降の車種ではISOの規格に合わせ左側に統一されるようになった。なお、メルセデス・ベンツの主要モデルでは、ターンシグナルと[[ワイパー]]のスイッチを一本のレバーに一体化したマルチファンクションレバーを永らく採用している{{efn|乗用車のみならず、同社のバスやトラックでも採用されており、日本でも[[連節バス]]として導入されている[[メルセデス・ベンツ・シターロ]]も同様のスイッチを備えている。}}。
 
ターンシグナルスイッチの配置は、日本車や韓国車、オーストラリア車等のうち日本国内向けや[[オセアニア]]、[[東南アジア]]の[[対面交通|左側通行]]採用国に向けた仕様ではステアリングコラムの右側にレバーが装備されるのが通常だが、他の国のメーカーによる車種や日本メーカーのそのほかの仕様では、ハンドル位置の左右にかかわらず左側に装備されることが多い。これは、[[国際標準化機構|ISO]][[規格]]で強く推奨されているためである<ref>ISO 4040 ''Road vehicles Location of hand controls, indicators and tell-tales in motor vehicles''</ref><ref group="注釈">この件についてISO規格の見直しが論議されてきたが、右ハンドル車において左ハンドル車と[[線対称]]の配置とすることが永続的に認められることになった。[https://www.google.co.jp/search?q=ISO+4040&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja&domains=JSAE.OR.JP&sitesearch=JSAE.OR.JP 自動車技術会サイトのgoogle検索]</ref>。したがって、右ハンドルの日本車でも、日本国内で販売される仕様と、欧州の左側通行の国(イギリス・[[アイルランド]]・[[マルタ]]・[[キプロス]])で販売される仕様とでは、方向指示スイッチの配置が異なる。北米生産の[[ゼネラルモーターズ|GM]]車([[キャデラック]]、[[サターン (自動車)|サターン]])、[[現代自動車|ヒュンダイ]]車など、日本向け[[輸入車]]の一部には右ハンドル・右側方向指示器を採用している車種がある。
オートバイは機械的キャンセル機構を作動させるほどのハンドルの回転角がなく、車体をバンクさせる(傾ける)ことによってハンドル操作をせずとも比較的容易に方向を変えられる、という二輪車独特の特性を持つことから、ハンドル連動式のオートキャンセル機能の装備は技術的に難しかった。ただし、[[カワサキ・Z1-R/Z1R-II]]など、ウインカーが作動してから一定時間経過後に走行距離でOFFとなる時限/距離式のオートキャンセルが装備されたことはある。代わりにオートバイ独自の機構として、プッシュキャンセル式スイッチが開発された。これは左右に動くスライド式スイッチだが、スイッチは指を離すと中立の位置に戻り、さらに中立位置ではスイッチを押し込める(プッシュ)ようになっており、プッシュするとウィンカーの動作が終了するという機構である。プッシュキャンセル式は、はじめ中型以上の排気量区分(400cc超)を中心に普及したが、やがて他の排気量区分へも普及していった。ちなみに前述のハーレーダビッドソンやBMW等での左右独立式のウィンカースイッチも、再度スイッチを押し込むなどの操作でウィンカーの作動を終了するという意味で、変則的なプッシュキャンセル式だといえる。
 
オートバイの方向指示スイッチは、左側ハンドルのグリップ付近にスライド式のスイッチが装備されていることが多い。進行方向に対して左右あるいは上下に操作することでスイッチが入り、スイッチを切る操作は中立に戻す方式や、スライドスイッチの中央にキャンセルボタンを備えたプッシュキャンセル式がある。プッシュキャンセル式のスライドレバーは指を離すと中立の位置に戻り、中立位置でキャンセルボタンを押すとスイッチが切れる。プッシュキャンセル式は、{{要出典範囲|date=2014年2月|はじめ中型以上の排気量区分(400cc超)を中心に}}普及したが、やがてほかの排気量区分へも普及していった。[[ハーレーダビッドソン]]やBMWなどの一部車種では、左右独立したプッシュボタン式のスイッチが左右それぞれのグリップ付近に装備され、1度押すとスイッチが入り、再び押すとスイッチが切れる。旧型の[[ホンダ・カブ#スーパーカブ|ホンダ・スーパーカブ]]は「そば屋の出前持ちが片手で運転できるように」との配慮から、[[スロットル]]操作を担う右グリップ側に装備されている。
なおそれ以外の方式としては、[[1982年]]に[[ホンダ・CBX400F|ホンダ・CBX400Fインテグラ]]が角度検知[[センサ]]などを使用したオートキャンセルを装備したが、当時は動作が安定せず姿を消している。また[[ホンダ・フュージョン]]でも、右左折終了時に自動でウィンカー作動を終了するオートキャンセル機能を搭載していた。フュージョンのオートキャンセル機能は比較的高精度だったが、ウィンカーを自動終了するだけという機能の単純さに対して掛かるコストが見合わないと、他の車種にまで大きく普及することはなかった。以上の経緯から、オートバイでは現在も手動終了のプッシュキャンセル式が主流であり、より良い方式が開発されない限りは、この状況が変わる様子はない。
 
オートバイは自動車に比較するとステアリングの操作角度が小さいことから、自動車のような機械的なキャンセラー機構は普及していない。[[カワサキ・Z1-R/Z1R-II]]などでは、ターンシグナルが作動してから一定時間経過後に走行距離でオフとなる時限・距離式のオートキャンセラーが採用された。1982年(昭和57年)の[[ホンダ・CBX400F|ホンダ・CBX400Fインテグラ]]には角度検知[[センサ]]などを使用したオートキャンセラーが採用されたが、{{独自研究範囲|date=2014年2月|当時は動作が安定せず}}姿を消している。[[ホンダ・フュージョン]]でも、右左折終了時に自動でターンシグナルの作動を終了するオートキャンセル機能を搭載していた。フュージョンのオートキャンセル機能は{{独自研究範囲|date=2014年2月|比較的高精度だったが、ターンシグナルを自動終了するだけという機能の単純さに対して掛かるコストが見合わないと}}、他の車種にまで大きく普及することはなかった。
==== ハザード・スイッチ ====
[[画像:Benz_hazard.jpg|thumb|150px|メルセデス・ベンツのハザードスイッチ 形状とアイコンが三角停止板を模している]]
ハザードランプのスイッチは、ウインカースイッチと別体で用意される。かつて乗用車のハザードランプのスイッチは、ハンドルの後ろ側のステアリングポスト上側など、目立たない場所に小型のものが装備されていることも多かった。今日では、殆どの自動車においてダッシュボード中央や運転席と助手席の間など、運転席と助手席のどちら側からも操作し易い位置に、かつてよりも大き目のものが設置されている。緊急時に備えてエンジンがかかっていない状態でもハザードは作動する。また、一部の車種は急制動時や衝撃を感知したときにも自動的に作動する。
 
==== ハザードスイッチ ====
トラック・バスのハザードスイッチはステアリングコラム左側のレバーを、右レバーで言う所の「パッシング」でオン・オフ切換とするものが一般的。
[[ファイル:Benz hazard.jpg|thumb|150px|メルセデス・ベンツのハザードスイッチ 形状とアイコンが三角非常停止板を模している]]
以前はレバーを上へ操作してオン・下へ戻すとオフ(又はこの逆)、レバーを手前に引くと作動する車種もあったが、現状では特に大型車では手前に1段引くと排気ブレーキ、更に手前に引くと排気ブレーキとリターダが作動するパターンが多い。普通車から乗り換えた時(逆のパターンでも)には注意を要する。
[[ファイル:Hazardswitch on motorcycle(honda cbr1000rr).jpg|thumb|150px|二輪車に装備されているハザードスイッチ]]
ハザードランプのスイッチは方向指示スイッチとは独立して備えられる。乗用車や小型[[商用車]]においては、古くはステアリングコラムの上面に小型のプルスイッチやシーソースイッチとして装備されていたが、[[ダッシュボード (自動車)|ダッシュボード]]中央や運転席と助手席の間など、どの座席からでも操作しやすい位置にプッシュスイッチが装備されるようになった。かつてのものより大きめで、ハザードランプの動作に連動してスイッチが点滅するものもある。[[大型自動車|大型]]トラック・バスにおいては、以前はレバーを手前に引いてオン、奥へ戻すとオフ(またはこの逆)もあったが、ステアリングコラム左側のレバーを手前に引くことでオン・オフ切換とするものが一般的である。変わったものでは[[トヨタ・ジャパンタクシー]]ではステアリングホイール上にハザードスイッチを有する。
 
緊急時に備えてイグニッションキーがオフや抜かれた状態でもハザードランプは作動する。また、一部の車種は急制動時や衝撃を感知したときにも自動的に作動する。方向指示スイッチで操作されている最中でもハザードランプのスイッチを押すとハザードランプの機能が優先され、全ての方向指示器を同時に点滅させるのが一般的だが、ドイツ車の一部(メルセデス・ベンツ、MINIを含むBMW、フォルクスワーゲンなど)では、ハザードランプ動作中に方向指示スイッチを操作すると方向指示の機能を優先する車種もある。
オートバイはハザードランプの装備義務は持たない。[[川崎重工業]]がいち早くハザードスイッチを装備していたが、オートバイのヘッドライトが[[常時点灯]]にされることに伴い、ヘッドライトスイッチを廃した代わりにハザードスイッチを装備させるなどして、近年では全メーカーの250ccクラス以上の国内仕様のオンロード系車種の多くに装備されるようになってきている。また、機能独立したスイッチを装備しない車種にハザードランプを追加する場合は、別体スイッチを装備する場合もあるが、ウインカースイッチを利用して特定操作(例えば右、左、キャンセル、など)によってハザードランプを作動させるようにしたものも存在する。
 
オートバイにはハザードランプの装備義務がない。{{要出典範囲|date=2014年2月|[[川崎重工業]]がいち早く}}ハザードスイッチを装備していて、近年では全メーカーの250ccクラス以上の日本仕様のオンロード系車種の多くに装備されるようになった。オートバイの前照灯が[[常時点灯]]にされることに伴い、前照灯スイッチを廃した代わりにハザードスイッチを装備させるなどして普及した。アフターマーケットにはハザードランプスイッチを持たない車種用に、独立したスイッチを追加する製品がある(ただし、リレー上には実装されていてもスイッチがないことでオミットされている場合はまだしも、ハザードランプ作動のためにリレーを交換する場合ではイグニッションがオンでないと作動しない、あるいはオン以外でも作動できるようにすると通常の方向指示もオン以外で作動するようになる)ほか、方向指示スイッチを特定操作(例えば右、左、キャンセル、など)によってハザードランプを作動させるようにしたものもある。
==== インジケータ ====
[[画像:brinker_indicator.jpg|thumb|150px| インジケータ左右別(上)と共通(下)]]
操作部の、もう一つの装備として、ドライバーやライダーに合図の動作を知らせるインジケータがある。多くの場合、メータパネル上に表示部と同調して点滅するランプが装備され、また、聴覚による動作確認として点滅のクリッカー音が発せられる。インジケータは左右別のランプが装備されるのが一般的だが、欧州車には左右共用のランプを一つだけ装備するものがある。例としては[[オペル・コルサ]](Bモデルまで)、[[ルノー・トゥインゴ]](初代・現行モデル共に)など一部の欧州製小型車に見られるほか、1990年代前半頃までの[[フェラーリ]]各車([[フェラーリ・348|348]]など)にも同様の装備が見られる。オートバイの場合にはメータパネルのスペース上の問題から、左右共用タイプも比較的多くみられた。
 
=== インジケーター ===
動作音はリレーの動作音をそのまま利用する場合が多い。操作部の電子化が進んだ車種では電子合成音を採用することもあるが、([[日産・ティーダ]]、[[三菱・アウトランダー]]など)その場合でもクリッカー音に似せる場合が多い<!--(おそらく、習慣的な要求によるものと思われるが、まれに電子音然とした音色を採用した例もある)-->。また、トラックなどの大型車は方向指示を出したときにチャイムやチャイムと「(右または左)へ曲がります」と音声で外の歩行者などに知らせるものもある。一部の[[路線バス]]車両では、左の方向指示器を出したときにチャイムが鳴るものがある。これによってバス停にいる乗客に停車を知らせることが出来る。
[[ファイル:brinker Indicator.jpg|thumb|150px|インジケーターの左右別タイプ(上)と共通タイプ(下)]]
運転者に動作を知らせるインジケーターが装備される。メータパネル上には表示部と同調して点滅するランプが装備され、インジケーターは左右別のランプが装備されるのが一般的だが、欧州車では左右共用のランプを一つだけ装備するものがある。例としては[[オペル・コルサ]](Bモデルまで)、[[ルノー・トゥインゴ]](初代・現行モデル共に)など一部の欧州製小型車に見られるほか、1990年代前半頃までの[[フェラーリ]]各車([[フェラーリ・348|348]]など)にも同様の装備が見られる。オートバイの場合にはメータパネルのスペース上の問題から、左右共用タイプも比較的多くみられる。
 
自動車では点滅に合わせて音が発して聴覚的に動作を通知する。[[継電器|リレー]]の動作音をそのまま利用する場合が多かったが、回路の電子化が進んだ現在では電子合成音を採用するケースが増えている。[[ブザー]]音のほか、従来のリレー作動音を再現したものがある<ref group="注釈">例えば[[スズキ (企業)|スズキ]]車や[[マツダ]]車の場合、方向指示器(非常点滅表示灯)の作動音は従来のリレー音を再現したものとなっているが、AT車で方向指示器(非常点滅表示灯)を作動させた状態で「R」に入れると車内でブザー音がする代わりに方向指示器の作動音が消える。</ref>。
=== 制御部 ===
制御部の主な機能は、ランプ(表示部)を一定間隔で点滅させることである。点滅の周期は、[[日本]]・[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の法令では'''毎分60~120回の一定周期'''と定められている。また、その他の地域においても、[[ヨーロッパ|欧州]]を中心とした標準化委員会において同様の規格が採用されている<ref>[http://www.unece.org/trans/main/wp29/wp29regs41-60.html UNECE (United Nations Economic Commission for Europe:国連欧州経済委員会) Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 47: Regulation No. 48 Section6.5.9 "Other requirements"]</ref>。
 
=== 制御機構 ===
点滅制御は通常[[継電器|リレー]](ウインカー・リレー)が使用される。ウインカー各ランプの点滅は安全性の問題から完全に同期する必要があり(点滅時期がずれると、仮現運動知覚''apparent motion perception''により幻惑されるおそれがある)そのため、各ランプは通常一つのリレーによって制御される。一部の例外としてバッテリーレス仕様のオートバイでは、全てのランプを同時に点灯させるだけの電力を供給できない場合があるので、ランプは前後交互に駆動される仕様となっているものがある。この場合、後方から見た時前後のランプが同時に見えない様に注意が払われている。
方向指示器はスイッチオンで点灯するのみのほかの灯火と異なり、ランプを一定の点滅速度に制御する機構が組み込まれている。点滅速度は、日本やアメリカの法令では「毎分60 - 120回で一定」と定められ、その他の国や地域においても同様に、[[ヨーロッパ|欧州]]を中心とした標準化委員会が定める規格が採用されている<ref>{{Cite web |url=http://www.unece.org/trans/main/wp29/wp29regs41-60.html |title=Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 47: Regulation No. 48 Section6.5.9 "Other requirements" |accessdate=2005-12-21 |publisher=UNECE(United Nations Economic Commission for Europe : 国連欧州経済委員会)}}</ref>。また、安全性の問題から完全に同期する必要があり(点滅時期がずれると、仮現運動知覚(apparent motion perception)により幻惑されるおそれがある)、すべてのランプは一つの制御機構によって制御されるのが通常である。一部の例外としてバッテリーレス仕様のオートバイでは、{{要出典範囲|date=2014年2月|全てのランプを同時に点灯させるだけの電力を供給できない場合がある}}ので、ランプは前後交互に駆動される仕組みをとるものがある。
 
点滅を制御する装置には[[継電器|リレー]](ターンシグナルリレー)が古くから利用されている。方向指示スイッチやハザードスイッチでリレーに通電すると、ランプに電流を流す回路に一定間隔で通電と切断を繰り返し、ランプが点滅する。古くから利用される方式としては'''サーマルリレー'''が採用されてきたが、電子部品の発達に伴い、コンデンサや[[半導体]]を利用したリレーも利用されるようになった。さらに、高度に電子化された現在の自動車においては、コンピュータで制御される例もある。
ウインカー・リレーは、通電すると接点部分が一定間隔でOFF / ONを繰り返す[[素子]]であり、ランプへの給電ラインの途中に接続される。操作部の[[スイッチ]]によりランプへの通電が開始されると同時にウインカー・リレーは動作を開始し、点滅制御を開始する(ランプへ通電する時は必ず点滅する回路となっている)。
 
従来ウインカマルリレーは[[サーモスタット]]に使用される物と同様の[[バイメタル]]を利用する方式が使用されで、バイメタルのほかにヒータを備えきたいるこれバイメタル温度変化に伴って形状熱膨張率変化す異なる2種類の金属を貼り合わせた接点金具で、ヒータによって熱が加えられるよう配置されている。待機状態ではバイメタルと、の接点は通電状態発熱あり、リレーに通電するとランプとヒータを備えるもで、電流を流す主回路に通電する。ヒータ開始発熱するで、やがてバイメタルが変形しON(またはOFF)となり、同時にヒーてバイメ通電接点が離れて主回路が切断さる。熱を受けなくなったバイメタルが元は時間位置経過ととも元の形状へり再び主回路を閉じ、以後同様の動作。これを繰り返すことで主回路が開閉を繰り返し、ランプが点滅制御を行うする。バイメタルは金属物性を動作原理とす利用していので、非常に耐久性に富み、{{独自研究範囲|date=2014年2月|特性も極めて変化しにくい(=}}(={{独自研究範囲|date=2014年2月|点滅周期が安定している)ため}}この方式は長年主流であった。ただ、ヒータ部については加熱 / 冷却が繰り返されるため{{独自研究範囲|date=2014年2月|安定性の高い金属}}が採用され、{{要出典範囲|date=2014年2月|これが部品を比較的高価としていた}}。[[コンデンサ]]と[[抵抗器|抵抗]]による[[発振回路]]を利用したリレーも使用されるようになるが、キャパシタの容量劣化による点滅周期の変化が起きやすく、{{独自研究範囲|date=2014年2月|寿命の点ではバイメタル方式の方が優れていた}}。タイマ[[集積回路|IC]]などの[[半導体]]素子の制御による電子式([[トランジスタ]]式)リレーが登場して以降も、自動車用はほかの用途の半導体リレーと異なり、主回路の開閉には機械式リレーを利用している
 
電気近年では、主回路の発達に伴い、大容量キャ開閉もシタ(コンデンサ)を利用した電気式リレ(渦電流式と呼ばれる)も使用されるようになるが、キャパシタ(コトラデンサ)の容量劣化による点滅周期の変化が起きやすく、寿命の点ではバイメジスル方式の方が優れていた。さらに電子回路の発達によりタイマ[[集積回路|IC]]などの[[半導体]]素子による制御によるで行う電子式リレーが登場する。ウインカー・リレーに使用される半導体制御式リレーは、通常の半導体リレー(電流接点自体も半導体で構成される)と異なり、点滅制御は半導体制御で実施するが、リレー自体は機械式のものを採用している。近年では、リレー自体もパワー半導体に置き換えるものも見られるようになってきている(た。{{要出典範囲|date=2014年3月|方向指示器の操作回数が多い路線バスでは、リレーの接点不良による方向指示器の故障を避ける観点から、[[1980年代]]くらいからパワ電子式リレトランジスタ素子で点滅させる無接点タイプが一部の事業者で採用されている}}。電子式リレーは点滅精度では最も安定しており、部品単価も抑えられるため、近年にはほとん。室内灯やドアロックな他の子式リレ装品を制御するコンピュが採用されていタユニットを備え車種では、方向指示器の点滅制御をコンピュータユニットに統合する場合もある
 
日本やアメリカ、EUの法令や規格では、方向指示器でランプ切れなどが発生した場合は運転者に通知するように定められていて<ref group="注釈">以下に、日本・アメリカ・EUの各法令と規格を示す。
なお、高度に電子化された現在の自動車においては、車両構成部品点数削減によるコスト低減のために、バイメタル方式や電子式リレーなどを単体で設置するのではなく、室内灯やドアロックなど他のシステムを制御するコンピュータユニットにウィンカー点滅制御を統合することがほとんどになっている。
* 日本の法令 : 国土交通省告示第619号「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」別添40「灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の装置型式指定基準」4.5.7.2項
* アメリカの法令 : Federal Regulations part571 "Federal Motor Vehicle Safety" Standards No.108 "Lamps, reflectivedevices, and associatedequipment" Section5.5.6
* EUにおける条約 : UNECE Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 47,Regulation No. 48 "INSTALLATION OF LIGHTING AND LIGHT-SIGNALLING DEVICES" Section6.5.8 "Tell-tale"</ref>、制御回路はこのための機能も持つ。方向指示器の各ランプは[[並列]]に接続されており、1つのランプで球切れなどにより電気が流れない状態になっても他のランプは点灯(点滅)できるようになっている。一方で、リレーに流れる電流量が変わるため、リレーの動作が変化する。あるいは、電子式であれば電流検出抵抗により[[電流]]値の変化を検出して制御を変える。これにより、方向指示器の点滅速度を速くしたり、点滅せずに連続点灯の状態にすることで異常を知らせるようになっている。
 
ハザードスイッチの回路は運転者の操作以外にも、[[カーアラーム]]やリモコンドアロックなどの応答を表示するアンサーバック機能として、あるいは[[エアバッグ]]などの衝突安全装備と連動したり、急ブレーキ時の車両減速度に応じて自動的に制御される場合もある。これらの機能に利用される制御回路は方向指示器の回路とは別に設置され、アンサーバック機能が故障しても方向指示器の動作に影響が与えない配慮がされている。
機械式リレーを採用するもうひとつの理由は、断続時に生じる機械的作動音(メカニカルノイズ)により点滅の動作状態を聴覚的に認識できることである。<!--フィラメントの断線検出(下記参照)にも利用できる。-->近年では半導体リレーも用いられるが全くの無作動音化されてしまうので、この場合、機械的作動音を発生させるための発音回路を付加したり、ランプ点滅に寄与しないごく小さな機械式リレーを付加することが行われる。
 
== 法令・規格 ==
制御部のもう一つの役割が、ランプの状態監視である。日本、アメリカ、EUの法令、規格では、方向指示器は'''ランプ切れなどのトラブルが発生した場合に、異常をドライバに通知する'''ように定められている<ref>日本の法令:国土交通省告示第六百十九号「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」別添40「灯火器及び反射器並びに指示装置の取付装置の装置型式指定基準」4.5.7.2項<br/>
方向指示器に関する法令・規格には次のようなものがある。
アメリカの法令:Federal Regulations part571 "Federal Motor Vehicle Safety" Standards No.108 "Lamps, reflectivedevices, and associatedequipment" Section5.5.6<br/>
EUにおける条約:UNECE Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 47,Regulation No. 48 "INSTALLATION OF LIGHTING AND LIGHT-SIGNALLING DEVICES" Section6.5.8 "Tell-tale"</ref>
 
通常、この機能もウインカー・リレーが請け負っている。ウインカー・リレーと各ランプは、それぞれ[[並列]]に接続されており、ランプバルブのどれかが切れたとしても他のランプは点灯(点滅)可能である。しかし、バルブが切れることによりウインカー・リレーの[[負荷]]が変化し(通常は負荷が減る)、点滅制御の特性を変えるようになっている(バイメタル式であればヒータの発熱量が変化する、電子式であれば[[時定数]]抵抗値が変化する、近年の電子式であれば電流検出抵抗により[[電流]]値の変化を検出する)。これにより、'''ウインカーランプの点滅間隔が短く(いわゆるハイフラッシャ状態)なったり、点灯状態にする'''ことで異常をドライバに知らせるようになっている。
 
なお、近年の電子制御の発達により、[[イモビライザー]]に代表される盗難[[アラーム]]、遠隔ロックなどの[[リモコン]]機能が実装されるようになり、その車両側応答インジケータとして方向指示器が使用される傾向がある(アンサーバック機能)。これらの場合は、それぞれの[[電子回路|回路]]はウインカーリレーとは別体に設置され、ハザードスイッチと同様の出力をウインカーリレーに一定時間与えるようになっており、これにより、これらの回路が故障したとしてもウインカー動作に影響が与えない配慮がされている。また、<!--[[メルセデス・ベンツ]]では、--><!--国産車でも採用車種多数-->ハザードのポリシーを更に発展させて、[[エアバッグ]]などの安全装備と連動して、事故時に制御部が自動的にハザードを発するオートハザード機能を搭載する車種も増えている。
 
== 法令、規格 ==
方向指示器に関する法令、規格は次のようなものがある。
 
=== 日本 ===
2024年(令和6年)現在における日本の車両保安基準では、方向指示器の灯光の色は'''[[橙色]]'''と定められており、前後共に側面方向指示器を除き片側2灯まで設置が認められている<ref>道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第249条第3項</ref>。
# [[道路運送車両法]]第41条第1項第15号(方向指示器を装備しない自動車(二輪車等含む)の運用禁止)
# 道路運送車両法第44条第1項第9号(方向指示器を装備しない原動機付自転車の運用禁止)
# 道路運送車両の保安基準第41条(自動車・自動二輪車の方向指示器に関する詳細を定める条項)
# 道路運送車両の保安基準第41条の2(補助方向指示器に関する詳細を定める条項)
# 道路運送車両の保安基準第41条の3(非常点滅表示灯に関する詳細を定める条項)
# [[道路交通法]]第53条(車両の進路変更時の合図に関する条項)
# 道路交通法第120条第1項第8号(進路変更時の合図不履行に関する罰則条項)
# 道路交通法第120条第2項(不必要な合図に関する罰則条項)
 
取り付け位置も詳細に決められており、まず車体の周囲360度からいずれかの方向指示が視認できなくてはならない、さらに個々の方向指示器の動作視認範囲が決められており、たとえば右前面の場合であれば、方向指示器の中心を起点とした車体正面方向中心線から、左周り45度・右回り80度の範囲で点滅動作が視認できなくてはならない。
=== アメリカ ===
# Federal Regulations part571 Federal Motor Vehicle Safety Standards No.108 "Lamps, reflectivedevices, and associatedequipment"(方向指示器を含む灯火類に関する法律)
# [[SAE]] (Society of Automotive Engineers) Standard J588e"Turn Signal Lamps for Use on Motor Vehicles"(方向指示器の構造規格)
 
側面方向指示器とは別に、ディーラーオプションや[[アフターマーケット]]などで販売されているドアミラーや屋根の両端に装着する補助的な方向指示器は、道路運送車両の保安基準の第四十一条の二(補助方向指示器)に規定、分類される。メーカーオプションのドアミラーの場合、側面方向指示器に分類される場合もある。
=== EU ===
# [[欧州経済委員会|UNECE]] Regulations (1958 Agreement and addenda)Addendum 5: Regulation No. 6"UNIFORM PROVISIONS CONCERNING THE APPROVAL OF DIRECTION INDICATORS FOR MOTOR VEHICLES AND THEIR TRAILERS"(方向指示器の構造規定)
# UNECE Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 47: Regulation No. 48 INSTALLATION OF LIGHTING AND LIGHT-SIGNALLING DEVICES(方向指示器を含む灯火類の実装規定)
 
[[ファイル:71Skyline.jpg|thumb|220px|赤色の尾灯と方向指示器を兼用する車両の例(C10型[[日産・スカイライン]]、1968年 - 1972年)]]
== 様々な用法 ==
なお、現行の保安基準が施行される[[1973年]](昭和48年)11月30日以前に製造された車両や、日本の車両法および道路交通法が適用されない[[在日米軍]]の車両については、赤色の[[尾灯]](テールランプ)と方向指示器を兼用している場合でも合法となる。
日本では、方向指示器は右左折や進路変更の合図<ref>:道路交通法第53条第一項,道路交通法施行令第21条</ref>、ハザードランプは自車が交通の障害物(=ハザード)となっていることを表示するため(日本では夜間駐停車中の使用も含まれる<ref>:道路交通法第52条第一項,道路交通法施行令第18条第二項</ref>)と定められており、これらが道交法に規定されるハザードランプの本来の使用法である。<!--ハザードランプの目的外使用については、禁止規定はない。--><!--「違法」とは言えないと思います。-->
 
過去に製造された一部の乗用車<ref group="注釈">日本車では[[日産自動車|日産]]の[[日産・ローレル|ローレル]](C30型)、[[日産・ブルーバード|ブルーバード]](510型ハードトップのみ)、[[日産・セドリック|セドリック]]、[[日産・グロリア|グロリア]](230型)など。日産車におけるシーケンシャルウィンカーは2014年の保安基準改正以降に[[日産・アリア|アリア]]や[[日産・ノート オーラ|オーラ]]で復活した。</ref>や[[日本のバス車両|バス車両]]には、後部方向指示器を片側3連ずつとし、順次点灯させて点灯部の面積を徐々に増すものや、点灯部が流れるように移動する「シーケンシャルタイプ」と呼ばれるものが存在した。[[デコトラ]]などでこれを真似たカスタムも見られ、3連を大きく超える個数のものもあるが、輝点の移動や点灯面積の変化が認められていないため、保安適合措置[[犯罪|違反]]となる。しかし、2014年(平成26年)10月9日より保安基準の一部改正が行われ、一定の要件を満たすものに限り、方向指示器のシーケンシャル点灯(連鎖式点灯)が認められることになった<ref>{{Cite press release|和書|title=「装置型式指定規則」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」等の一部改正について |publisher=国土交通省 |date=2014-10-09 |url=https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000163.html |accessdate=2015-04-26}}</ref><ref group="注釈">なお、この改正後シーケンシャル点灯を初採用したのは[[レクサス・RX]]である。</ref>。
しかしながら、方向指示器、ハザードランプを本来の目的以外の様々な合図に使用することも行われている。車両から何らかの合図を発信するには灯火類を使用するのが有効であるが(特に夜間)、[[前照灯]]や[[テールランプ]]などの灯火装備は本来目的以外の目的に使用するには光量が大きすぎる、操作性が悪いなどの問題があり、これらの条件から方向指示器が使われてきたと考えられる。また、クラクションも車両からの“合図”(ただし、法令上の「合図」ではない)の一つであるが、特に日本では余程重大な警告でない限り使用しない。諸外国ではハザードランプや灯火よりもクラクションを頻繁に使用し、この点は日本独自の慣習であるといえる。<!--なお、道路交通法第53条第三項<ref>:道路交通法第53条第三項</ref>により、方向指示器を本来の目的以外のために使用するのは厳密には違法であり、☆重要事項★ハザードは両側が点滅するので左右に車両を寄せるときに出すのはどちらに拠るのかを判別できないため方向指示器義務の違反となるので、それは違法取締り行為対象になることを警視庁に確認した。(bonbonsinsiより)-->
<!--しかしながら高速道路渋滞後方車両などにおけるハザードランプはこれは安全事故防止のために許されているが、進路変更とは別の問題である。ハザードランプは法令上「合図」とはみなされないため、目的外使用は違法とはいえない。とここに書かれてた意味がわからないのですがおそらくは牽引や高速道路渋滞中の最後尾などのことだとと思われます。--><!--法に禁止が明記されてはいないようですが。あと文章としてまとまりを欠いてる気がします-->
 
方向指示器を車幅灯(スモールランプ)としても機能させる改造(いわゆるウインカーポジション)については、2005年(平成17年)12月31日までに製造された車両の場合、以下の条件を満たせば保安基準に適合する。
<!--また、クラクションを「鳴らさなければならないこととされている場合」または「危険を防止するためやむを得ないとき」以外に鳴らすことは禁じられている<ref>:道路交通法第54条第二項</ref>。--><!--方向指示器と無関係-->
:色はすべて同色(橙色)にし元の白色は点灯させないこと。方向指示器作動時の条件として「方向指示器を出している側の車幅灯は消灯(方向指示の点滅のみ)、出していない方は車幅灯をそのまま点灯させる。
::逆に、方向指示器を作動させている側の車幅灯を消さず、点滅式ではなく明滅式にすると不適合である。また、方向指示器を出していない側の車幅灯まで消灯させることも不可である。面積に関しては前後共に20立方センチメートル以上必要であり、改造によりアフターパーツの方向指示器を装着した場合は面積の基準に注意が必要である。改造により側面から点灯が確認出来なくなった場合は、ドアミラーウィンカーなど補助方向指示器が装着されていれば、合法とみなされ{{要出典|date=2018年10月}}、何ら問題ない。
なお、2006年(平成18年)1月1日以降に製造された車両については、車幅灯は白色及び電球色しか認可されないため、方向指示器と車幅灯の兼用は不適合となる<ref group="注釈">保安基準には「方向指示器又は非常点滅表示灯と構造上一体、兼用になっているものは橙色も可」となっているが、これは自動車メーカーがこの仕様で承認を取った車両に対するものであり、ユーザーによる後天的改造には適用されない。</ref>。
 
自動車用の灯火のバルブ規格にはT20、T16/10、S25、G18など数種類あるが、このうちウインカー用は特に決まっておらず、改造により規格が変わった場合は視認性や明るさに問題がなければ合法となる。
=== 方向指示器の用法 ===
==== 右左折時 ====
実際に交差点に進入・右左折する際の方向指示器の点滅を指す。原則として、右左折時の交差点進入30m手前から開始する。進路変更時の方向指示器とセットになる場合もある。右左折待機中には点滅させず、進入する直前にしか点滅させないのは道交法違反「合図不履行」となる。特に左折時のそれは巻き込み事故の原因ともなり得る。
 
* [[道路運送車両法]]
==== 進路変更時 ====
** 第41条第1項第15号 (方向指示器を装備しない自動車(二輪車等含む)の運用禁止)
日本では、右左折時の交差点進入30m手前までに進路変更(車線の左側もしくは右側に車体を寄せる)を完了する。実際の進路変更動作の3秒前に方向指示器を点滅させるのが原則である。あるいは二車線以上の道路で他の車線に移る場合に活用する。この場合、やはり進路変更の約3秒前に方向指示器を点滅させるのが原則である。方向指示器を出さないままの右左折時待機もみられるが、進路無変更のまま、信号が青になる直前後の方向指示器点滅による左折も上記同様「合図不履行」であり、自転車や原動機付自転車、自動二輪等を巻き込む原因ともなり得る。
** 第44条第1項第9号 (方向指示器を装備しない原動機付自転車の運用禁止)
* 道路運送車両の保安基準
** 第41条 (自動車・自動二輪車の方向指示器に関する詳細)
** 第41条の2 (補助方向指示器に関する詳細)
** 第41条の3 (非常点滅表示灯に関する詳細)
* 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示
** 第48条、第104条、第160条 (自動車・自動二輪車の方向指示器の技術的基準)
** 第49条、第104条、第161条 (自動車・自動二輪車の補助方向指示器の技術的基準)
** 第176条、第182条、第188条 (原動機付自転車の方向指示器の技術的基準)
** 別添59 (方向指示器の技術的基準の詳細)
** 別紙1 (方向指示器の種類)
* [[道路交通法]]
** 第53条 (車両の進路変更時の合図の方法)
** 第120条第1項第8号 (進路変更時の合図不履行に関する罰則)
** 第120条第2項 (不必要な合図に関する罰則)
 
=== アメリカ ===
右左折・進路変更ともに方向指示器は形式的なものと認識したり、また規則どおりの操作は教習中の初心者のようで格好悪いとみなす風潮が多くのドライバーに見られる。例えば、方向指示器の操作をぎりぎりまで履行しない者や、全く点滅させない者も多いが、当然ながら他車両に対し直前までは自車は直進することを示した上で突然左折することになるため、巻き込み事故を誘発しやすい(特に日本の教習所ではこの点は徹底して教習し、運転免許試験でもしばしば減点対象となる)。
{{Double image aside|right|1999 Chevrolet Corvette Hardtop in Arctic White, Rear Left, 07-26-2023.jpg|220|Chevrolet Corvette C5 rear.jpg|220|[[シボレー・コルベット]](C5)の例<br>北米仕様(左)は尾灯と方向指示器が兼用の赤一色であるが、日本向け(右)は尾灯の下半分が別色の方向指示器になっている}}
[[アメリカ合衆国]]における方向指示器の規定は、世界の中でも独特である。[[アメリカ車]]およびアメリカ仕様車では、前部方向指示器は橙色(アンバー)に規定されているが、車幅灯(スモールランプ、ポジションランプ)と兼用にしていることが多く、その場合は光の増減のみで動作を示す「明滅式」である。
 
また、側面方向指示器の装備義務はないが、アメリカで義務化されているサイドマーカー(側面前方アンバー、側面後方レッド)の前方に方向指示機能を有する場合もある。その場合は正面前部がダブル球の明滅式、側面前方が点滅式で、前部と側面前方が交互に作動する。
==== 駐停車時 ====
走行中、路肩などに駐停車する際は、例えば左側に駐車する場合は左ウインカーを出し、安全確認を行い、緩やかに路肩に寄せる。駐停車中も左ウインカーをつけっぱなしにしている車を見かけるが、これは正しくない。本来、駐停車時のウインカーは「『路肩に寄せる』という意味の合図」であり、停止後は速やかにウインカーを消すべきである。ただし、夜間など自車の存在が他車に認識されにくいような状況の場合、灯火<!--やウインカー-->を点灯するべきである。ただし、交差点など右左折の出来る場所では、「ハザードランプ」を点滅させる方が望ましい。<!--教本より抜粋--><!--「ウインカーを」とは書いていないと思います-->
 
後部方向指示器は橙色だけでなく赤色も認められており、赤色の場合はブレーキランプやテールランプと兼用されていることが多い。逆に方向指示器の発光面積の規定が日本や欧州より厳しく、主に欧州メーカーでは本来の方向指示器を赤くし、ブレーキランプも同時に点滅させることで方向指示面積を広げて基準をクリアしているケースもある。
==== 排気ブレーキ使用時 ====
大型、中型車には通常のブレーキの他に、排気を強制的に制限することで強力なエンジンブレーキを発生させる[[排気ブレーキ]]が装備されている。従来、制動灯はフットブレーキ操作時以外に点灯してはならないものと規定されていたため、排気ブレーキによる制動時は制動灯が点灯しなかったが、排気ブレーキの作動に気付かない普通車等の後続車が追突する事例があった。一部の[[貨物自動車|トラック]]はアフターパーツで緑色の灯火を後部に取り付けて排気ブレーキ灯としていた(規定灯火類以外の点滅する灯火ということになり、厳密には違法)ものもあったが、そうでない大型車において、排気ブレーキの作動時に方向指示器、あるいはハザードランプを点滅させる用法が見られた。その後、法改正により、排気ブレーキ使用時にも制動灯が点灯してもよいことになり、またそのようなシステムが普及したことから、現在ではこの用法は少なくなっている<!--2000年以降にはほとんど見られなくなった:現在でも若干見られるため、不適切-->。
 
日本や欧州において、これらアメリカ独自の仕様を持った方向指示器は保安適合しないため、そのような車両を日本で運行させることは、現行の保安適合措置が施行される以前の[[旧車]]、もしくは日本の保安基準が適用されない例外([[在日米軍]]の公用車両や、[[アメリカ合衆国大統領|アメリカ大統領]][[大統領専用車 (アメリカ合衆国)|専用車両]]を含む[[日本のナンバープレート#外交官車両 (外務省)|外交ナンバー]]装着車両など)を除き許可されない。アメリカ仕様車を日本に輸入し販売する際には、前部方向指示器の改修や側面方向指示器の増設、後部方向指示器の独立した設置など保安適合措置が必要となる。また独立した車幅灯や左側通行にあわせた前照灯照射範囲の改修も必須である。
==== 追い越しの意思表示 ====
* {{lang|en|Federal Regulations part571 Federal Motor Vehicle Safety Standards No.108 "Lamps, reflectivedevices, and associatedequipment"}} (方向指示器を含む灯火類に関する法律)
[[高速道路]]走行時などに、先行車に対して追い越しを開始する旨の伝達にはヘッドライトを用いたパッシングが使用されることがある。ところが、追越車線または最も中央車線寄り車線を走行中に低速車に追いつき、追い抜くことが不可能になった場合、さらに道路の中央寄り(左側通行であれば右、右側通行であれば左)の方向指示器を点滅させる用法が見られる。行き場のない側へ車線変更することから転じて、先行車に対し追越進路を塞いでいる旨を伝える意味がある。
* {{lang|en|[[SAE規格|SAE Standard]] J588e "Turn Signal Lamps for Use on Motor Vehicles"}} (方向指示器の構造規格)
 
=== EU ===
パッシングは先行車のドライバーに必要以上のプレッシャーを与えるために威圧感を生じさせない意味(日本ではパッシングを原因としたトラブルもあり、エチケット的意味で)で、また欧州においては一般に追い越しの行われる速度や頻度が日本より高く、また中央分離帯のない対面通行道路が多いため、追い越しをしようとする車とされる車との間でも意思疎通を行う慣行(追いつかれた車両が対向車線寄りの方向指示器を点滅させた場合、対向車・先行車があり「この場所での追い越しするべきではない」との意思を表示する慣行)から一般道・高速道路ともに用いられている。
* {{lang|en|[[欧州経済委員会|UNECE]] Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 5: Regulation No. 6"UNIFORM PROVISIONS CONCERNING THE APPROVAL OF DIRECTION INDICATORS FOR MOTOR VEHICLES AND THEIR TRAILERS"}} (方向指示器の構造規定)
* {{lang|en|UNECE Regulations (1958 Agreement and addenda) Addendum 47: Regulation No. 48 INSTALLATION OF LIGHTING AND LIGHT-SIGNALLING DEVICES}} (方向指示器を含む灯火類の実装規定)
 
== 様々な用法 ==
アメリカにおいては以上のような用法はほとんどみられず、日本においても一般的とはいえない。
=== 日本 ===
日本では、方向指示器は右左折や進路変更の合図<ref name=shikourei21>道路交通法第53条第1項、道路交通法施行令第21条</ref>、ハザードランプは自車が交通の障害物(=ハザード)となっていることを表示するため(日本では夜間照明されていない路上での駐停車中の使用も含まれる<ref>道路交通法第52条第1項、道路交通法施行令第18条第2項</ref>)と道交法に規定されている。しかしながら、方向指示器やハザードランプを法規に定められている以外のさまざまな合図を目的として使用される場合もある。
 
その一方で、後述するハザードランプの用法の中には、その行為を肯定するまたは、直接的に否定できる法令等がないものが存在する。道路交通法および施行令で「合図」として定義されている灯火類の使用方法は、右左折・進路変更・転回(そのほか停止・徐行・後退)だけであり、これらの行為を行わないときは「当該合図をしてはならない」とされている。
==== 譲り合い時の合図 ====
大型車同士がすれ違うことのできない道路で、譲られた車が進行するときに右ウインカーを出す場合は、中央線がない場合(ある場合ならすれ違える)道路中央から大きくはみ出すという意味で使われる。また、高速道路本線第一通行帯の走行車両が加速車線からの車に前方進路を譲り流入を促す場合に、左ウインカーを点滅する場合がある。これは、誤解を招く可能性が非常に高く危険な場合があるが、パッシングよりは誤解を招かないだろう。さらに、高速道路本線第一通行帯を定速走行中の大型車が、自車よりも速い車両に追いつかれた場合、後続車両に追い越しを促す意味で左ウインカーを点滅する場合がある。追いついた後続車両は大型車によって前方視界が塞がれている場合が多く、前車は安全に追い越し可能であるとの意思表示ともいえる。この場合においても追い越し車両は漫然と追い越しをするのではなく、安全確認が求められるのはいうまでもない。
 
==== 後退(バック進行)時の方向指示器の用法 ====
* 右左折時
本来、方向指示器は進路を変更する場合に使用しなくてはならない。その意味では後退(バック進行)時に進路変更する場合(車庫入れ、スイッチバック等)にも使用すべきものであるが、リバース時の使用については地域によって扱いが異なる。日本では後述のリバースハザードが使用されることからもあまり厳しく取り扱われない。一方、アメリカでは[[運転免許]]取得時の試験で必ず評点対象となる州があるほど全体的に厳しく扱われる{{要出典}}。
** 日本では交差点([[環状交差点]]を除く)、または道路外に出るため右折(交通整理が行われている交差点で[[二段階右折]]をする場合も含む)または左折する際の合図である。道路交通法第53条各項および道路交通法施行令第21条には、右左折時は、交差点または道路外に出ようとする地点の30&nbsp;m手前から合図を開始することが定められている<ref name=shikourei21/>。右左折待機中には点滅させず、運転者が求める進行方向に対して進入する直前にしか合図しないのは道路交通法違反の「合図不履行」に該当する。
** 日本では交差点または道路外に出るための右左折の前段階として、あらかじめ道路の左側端、中央または右側端などに寄るため、進路変更を伴う場合もある。右左折の合図開始は30&nbsp;m手前からとなっているため、交通の流れに沿ったうえで交差点30&nbsp;m以上手前までには進路変更を終える。進路変更時の合図は後述。
* [[環状交差点]]を出る時
** 日本の[[環状交差点]]では、環状交差点を出る際にだけ合図が必要である。具体的には、出ようとする出口の1つ手前の出口を通過したら(入口のすぐ次の出口で出ようとする場合には、環状交差点に入るときに)、左折の合図を開始する事が定められている。入口でも左に曲がることになるが、それが左折にはあたらないので、その意図で左折の合図は行わない事に注意が必要である<ref group="注釈">入口で左折合図を出すと、そのすぐ次の出口で左折する意思表示となるため、その出口側で待っている車両が徐行により進入を開始するおそれがある。</ref>。
** 日本の環状交差点に入る時はその前段階として、あらかじめ道路の左側端に寄るため、進路変更を伴う。ただし、通常の交差点と異なり、左側端に寄って進路変更が終わったらいったん合図を止めなければならない(前述のとおり、そのすぐ次の出口で左折する意思表示になるため)。進路変更時の合図は後述。
* 進路変更時
** 進路変更する(車線を跨ぐか否かにかかわらず進路を左側もしくは右側に寄せる)際の合図である。日本の道路交通法第53条各項および道路交通法施行令第21条には、進路変更動作の3秒前に合図することが定められている<ref name=shikourei21/>。
* 駐停車時および発進時
** 路肩などに駐停車しようとし、または駐停車中に、左側(右側)に駐車する場合には左(右)方向指示器によって合図を行う。日本の法定合図としては、駐停車のために左に進路変更しようとしてから進路変更を終わるまでの間には左方向指示器の合図が必要だが、完全に停止し駐停車状態となった場合には合図義務はない。
** 駐停車中に左など片側の方向指示器だけの合図を継続するのは、厳密には日本の道路交通法の法定合図ではないが、例えば日本の路線バスが停留所で停車しようとし、またはしている時には常態として行われている。
** また、駐停車のあと発進しようとする時も、例えば左側(右側)から発進する場合には右(左)方向指示器を出す。この合図は、発進時に進路変更を伴うのであれば進路変更の合図となる。しかし進路変更を伴わない場合には、厳密には日本の道路交通法の法定ではないが、発進する時には路線バスに限らず常態として行われている。
* 後退時の方向指示
** 日本の道路交通法では、左折、右折、転回は前進時を想定して規定されており、また後退時には転回時と同様に、他の車両や歩行者の交通の妨げとなる時は停止しなければならない(最も優先度が低い)。以上から、後退時には後退にともない右左折、転回する時も後退灯の合図だけで適法である。またアメリカにおいては、後退しながら進路を変えるときには、後退灯および方向指示器により合図をしなければならない州がある。
* 低速車の警告表示
** 後述のハザードランプにおける用法も参照。通常四輪車ではハザードランプにより表示するが、道路の左側端によって左方向指示器で示すこともある。オートバイのうちハザードランプ機構の無いものは左方向指示器(右側通行では右方向指示器)により提示する。いずれも法定外の用法である。
* パッシングの代用
** 前車に道を譲ってほしい場合、本来の合図は[[前照灯]]のハイビームを点滅させる[[パッシング]]を用いるが、不必要に威圧的な印象を相手に与える場合があるため、最も右の車線において右の方向指示器(右側通行の国では最も左の車線において左の方向指示器)にて代用することがある。法定外の用法である。
* 排気ブレーキ使用時
** かつては[[排気ブレーキ]]とブレーキランプを連動させることができなかったため、主に大型貨物自動車において、強力な排気ブレーキを使用する際に後続車への合図として方向指示器を使用することがあった。現在の日本においては[[1993年]]の法改正により排気ブレーキ使用時にブレーキランプを点灯させることができるようになったため、この用法はほとんどみられない。
 
==== ハザードランプの用法 ====
日本においては、夜間や高速道路上の駐停車時を除いて法定外の用法が多い一方で、使用を明確に禁止されている(違反行為に該当する)わけではない場合も多い。
==== リバースハザード ====
日本独特の用法である。大型車が転回、あるいは[[車庫]]入れなどの大きな方向変更する際に周りにバックの意志を明確にする目的でリバースの間ハザードランプを点滅させるもの。ただし、後方に車両などが居る場合は、バック(リバース)を行う前に「ハザードランプ」を点滅させるのが望ましい。こうすれば、「バック(リバース)を行うこと」が伝わるだろう。本用法は[[バス (車両)|バス]]の方向転換時に使用され始め、徐々に他の大型車にも普及している、現在ではギアをリバースポジションに入れると自動的にハザードランプを点滅させる後付回路が販売されている。しかし、現在の法律ではリバースポジションに入れたときに自動的に点灯(点滅でも)する灯火は後退灯とみなされる為、そのような後付回路を取り付けた場合は保安基準に抵触するので注意が必要である。
 
*後退時
また乗用車でも、駐車場等で後退して駐車しようとする際、タクシー等が枝道に後退して方向転換しようとする際などにもこうした用法が見られる。
** 商業施設等の駐車場で、目標の駐車枠を一旦通過してからバックで入庫したい場合など、予めハザードランプを点滅させることで、後続車に対して「車庫入れの体勢に入るので接近しないように」という意志を伝える意味で使われる<ref name="Honda ワンポイントアドバイス">{{Cite web|和書|title=ハザードランプの合図の意味|url=http://www.honda.co.jp/afterservice/advice/hazard-lamp/index.html|accessdate=2018-10-31|work=ワンポイントアドバイス|publisher=本田技研工業}}</ref>。
* 低速車の警告表示
** 車両の故障や他車による牽引、あるいは荒天などの理由により[[最高速度|制限速度]]を大幅に下回る速度で走行する場合や、道路維持作業車や除雪車などが低速走行する場合に、周囲の車両に注意を促す意味でハザードランプを点滅させる用法である。非常事態告知に準ずる用法としてアメリカのSAEスタンダードでは推奨されている<ref>SAE Standards 890688 The Interaction of Tun,Hazard and Stop Signals</ref>。高速道路など危険な場合には、リアフォグランプがあれば代用もしくは併用できる<ref group="注釈">ただし、対面通行でない高速自動車国道の本線車道では、故障車(ガス欠を含む)を牽引(ロープ牽引、レッカー車とも)して通行することは[[最低速度]]違反となるため、原則として禁止されている。よって、独自に故障車を引き出す場合は自動車積載車(キャリアカー)等が必要となる。クレーンやロープ牽引、レッカー車が導入されるのは、警察隊や各高速道路公社等により通行止めまたは車線規制が行われた場合に限る。キャリアカー他の処置費用は警察および公社等の出動費用を除き、故障車の運転者等の負担となる。</ref>。なお、日本の徐行の合図としては制動灯の点灯が法定となっている。
* 渋滞最後尾警告
** 高速道路などで渋滞の最後尾についた際、後続車が追突しないよう注意を促すためにハザードランプを点滅させる用法がある<ref name="Honda ワンポイントアドバイス" />。本用法も危険状態を周囲に通知するという意味で使用される。[[日本自動車連盟|JAF]]では会員向け機関誌「JAFMATE」でこの使用法について触れており、欧州などでもこの使用法が見られる。また、[[NEXCO]]3社では「前方の渋滞を見つけたらハザードを焚きましょう」という広報物を出し、本用法を推奨している。日本では法定外の用法である。
* 駐停車時(夜間および高速道路上を除く)
** 路上に駐停車する際に、夜間や緊急時でない場合にもハザードランプを点滅させる用法である。左側が他の路上駐車車両などにより物陰になる場合には右ウインカーと区別がつかず、発進の合図と混同させるので好ましくないという意見もある<ref>朝日新聞、1993年10月10日、朝刊第5面。</ref>。一方[[ヤマト運輸]]では、駐停車時にハザードランプを点けるようドライバーに指導している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kuronekoyamato.co.jp/kankyou/page/05/2005/pdf/2005.pdf |title=CSR報告書2005 |accessdate=2007-09-25 |format=PDF |publisher=ヤマト運輸株式会社 |page=12 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20071022085933/http://www.kuronekoyamato.co.jp/kankyou/page/05/2005/pdf/2005.pdf |archivedate=2007-10-22 |url-status=dead|url-status-date=2018-11-19}}</ref>。日本では法定外用法である。
** 日本やアメリカにおいて、通学通園バス([[スクールバス]])が児童や生徒の乗降のために停車している最中はハザードランプを点滅させることが法令<ref>道路交通法施行令第26条の3 第2項</ref>で義務付けられている。特にアメリカでは児童などの飛び出し事故防止のため、ハザードランプを点滅させて停車しているスクールバスの側方を一般車は通過してはならず、スクールバスが発車するまで待たなければならないことが定められている。日本の場合は、その側方を通過する際に徐行または一時停止して安全を確認することが定められている<ref group="注釈">後方から追い抜く場合だけでなく、反対車線でハザードランプを点灯させて停車しているスクールバスとすれ違う場合も含まれる。</ref>。
* 駐停車時(夜間および高速道路上)
**一般道路においては、夜間に車道の両側幅員が5.5&nbsp;m以上(おおむね2車線以上の道路)に自動車<ref group="注釈">[[自動二輪車]]、[[原動機付自転車]]、[[小型特殊自動車]]は対象外。</ref>が駐停車するときは、ハザードランプを点滅させるか、尾灯か車幅灯を点灯させることが法令<ref>道路交通法施行令第18条 第2項</ref>で義務付けられている<ref group="注釈">ただし、一般道路において視程50&nbsp;mが確保される程度に非常に明るい照明がある場合や、夜間用[[三角表示板|停止表示器材]]を後方に置いている場合はこの限りではない。</ref>。
**高速道路(高速自動車国道・自動車専用道路)においては、本線車道、加速車線、減速車線、登坂車線およびこれらの路肩で故障等のためやむを得ず駐停車する場合は、昼夜を問わず適宜発炎筒を使用した上で、おおむね100&nbsp;m以上後方に予告として昼夜兼用の停止表示器材を置くとともに、ハザードランプを点灯させることが強く推奨されている{{Efn|[[交通の教則]]、「高速道路マナーガイド([[NEXCO中日本]])」<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.c-nexco.co.jp/safety/safety_drive/manner/14.html |title=高速道路 マナーガイド みんなで守ってハッピードライブ♪ |accessdate=2014-10-13 |publisher=中日本高速道路}}</ref>等。またこのうちの一部が法令により義務づけられているが、詳細は該当法令を参照。}}。
* 濃霧走行時
** 濃霧の中を走行する際に、前照灯等の使用とあわせてハザードランプも点滅させ、周囲に自車の位置を知らせる意味で使われている例もある<ref>{{Cite web|和書|url=http://faq.sompo-japan.dga.jp/trouble/faq_detail.html?id=500311 |title=「濃霧注意報」が発令された時の対処方法 |accessdate=2014-06-02 |work=トラブルCh |publisher=損保ジャパン |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160315025725/http://faq.sjnk.jp/trouble/faq_detail.html?id=500311 |archivedate=2016-03-15 |url-status=dead|url-status-date=2018-11-19}}</ref>。日本では法定外用法である。
* サンキューハザード(ありがとうハザード)
** 合流や車線変更時に進路を譲られた際、相手の運転手に感謝を表現する目的でハザードランプを2 - 3回点滅させる用例がある<ref name="Honda ワンポイントアドバイス" />。しかし、本来の使用法とは異なる上、地域や状況によって意味合いが異なる場合があることから、会釈や手であいさつをすることを推奨する見解もある<ref name="Honda ワンポイントアドバイス" />。日本では法定外用法。
 
==== 低速車の警告表示アメリカ合衆国 ====
アメリカ合衆国では方向指示器(ウィンカー)は、turn indicators、turn signal、または単にsignalといい、もっぱら緊急時や危険時に注意喚起のために用いる<ref name="junglecity">{{Cite web|和書|url=https://www.junglecity.com/enjoy/travel-during-your-stay/15-traffic-rules-japanese-should-know/|title=日本人が迷いやすい・間違えやすいアメリカの交通ルールを15個まとめてみた|accessdate=2019-01-23|publisher=junglecity.com}}</ref>。[[ラウンドアバウト]]では環状道路を走っている車が優先とされており、[[ワシントン州]]などではラウンドアバウトを出る時にだけ左ウィンカーを出す運用となっている<ref name="junglecity" />。
車両の故障、他車による牽引、もしくは荒天などにより[[制限速度]]を大幅に下回る速度や道路維持作業車・除雪車などが低速走行する場合に、周囲の車両に注意を促す意味でハザードランプを点滅させる用法がある。これは危険を周囲に伝えるという意味で、非常事態告知に準ずる用法として推奨されており、アメリカのSAEスタンダードのように明文化<ref>SAE Standards 890688 The Interaction of Tun,Hazard and Stop Signals</ref>されている場合もある。
<!---後述の駐停車時のハザードと本質的に同一
 
ハザードランプには「ありがとう」という意味はなく緊急時や危険時以外の状況でちかちか点滅させると挑発していると取られかねない<ref name="junglecity" />。
==== 緊急自動車の警告表示 ====
消防車やパトカー、捜査車両などの緊急自動車が路上など現場に停止し、職務質問などを行う際、ハザードランプを点灯する。
--->
 
==== 渋滞最後尾警告 ====
高速道路などの渋滞最後尾についた場合などに、後続車に追突などの注意を促すためハザードランプを点滅させる用法がある。本用法も危険状態を周囲に通知するという意味で使用される。[[日本自動車連盟|JAF]]は会員向け機関誌「JAFMATE」でこの使用法について触れており、欧州などでもこの使用法が見られる。点灯時期は、渋滞最後尾につく以前、渋滞発見時点の走行中から点滅を開始することが望ましい。また、NEXCOの一部の支社では「前方の渋滞を見つけたらハザードを焚きましょう」という垂れ幕を出し、本用法を推奨しているところもある。
 
==== 駐停車時のハザード ====
路上に駐停車する際に、夜間や緊急時でない場合にもハザードランプを点滅させるもの。<!--日本国外では稀な用法である。アメリカにおいても見られるため、不適切--><!--大韓民国でもこの用法があります-->左側が他の路上駐車車両等により物陰になる場合には右ウインカーと区別がつかず、発進の合図と混同させるので好ましくないという意見もある<ref>朝日新聞、[[1993年]][[10月10日]]、朝刊第5面。</ref>。一方[[ヤマト運輸]]では、運転手に駐車時にハザードランプを点けるよう指導している<ref>ヤマト運輸株式会社、[http://www.kuronekoyamato.co.jp/kankyou/page/05/2005/pdf/2005.pdf CSR報告書2005]、12頁、2007年9月25日参照。</ref>。なお、日本やアメリカにおいて、通学通園バス(スクールバス)は、児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときにハザードランプを点滅させることが法令<ref>:道路交通法施行令第26条の3第二項</ref>により義務付けられている。沖縄県の在日米軍基地保有スクールバスではこの慣習が残っていることがある(逆に、一般乗合バスでは「乗降にしばらく時間が掛かるので追い越してもよい」の意思表示の場合もある)。特にアメリカでは、ハザードランプを点滅させて停車しているスクールバスの側方を一般車は通過してはならない(スクールバスが発車するまで待たなければならない)ことになっている(“STOP”と書かれた看板を運転席側から大きく呈示する車両もある)。日本では、右ウインカーを出している<!--スクール-->バスの追い越しが禁止されているほか、スクールバスが乗降のためにハザードランプを点滅させて停車しているときにはその側方を通過する際に徐行する義務が課せられている(後方から追い抜く場合だけでなく、反対車線で停車しているスクールバスとすれ違う場合も含む。)。
 
==== 濃霧走行時の警告表示 ====
山岳部、海岸付近を通る高速道路、一般道を走行中に濃霧にあってしまった場合、「渋滞最後尾警告」と同じく後続車の追突注意を促すためハザードランプを点滅させる用法がある。碓氷峠付近や酷い濃霧状態にある山岳道路ではこの用法がしばしばみられる(視認性確保のため)。
 
==== サンキューハザード ====
通常の走行状態では使用頻度の低いハザードランプを、儀礼の手段として用いるもの。[[アイコンタクト]]や[[ジェスチャー]]による運転手間の[[コミュニケーション]]が好まれず、[[警笛|クラクション]]を控えめにする日本ではこの用法が特に用いられる。大韓民国でも車線合流で譲られた場合に同様のハザードランプ使用がある。しかしこの用法は世界では特殊であり、非一般的である。
 
この用法は、他車から進路を譲られた場合などに、感謝する意味で使用する用法が長距離大型車ドライバーなどから普及した。1990年代には自動車会社のテレビCMにて肯定的に紹介されていた時期もある。現在でもプロドライバーが用いることが多い。典型的用法は、[[渋滞]]中の本線合流などで、列に入れてもらった車両が、譲ってくれた後方の車両にハザードランプを数回点滅させる。また、右折しようとしている車にパッシングをして、感謝の意でサンキューハザードをされることもある。これが、感謝の合図という意味で'''サンキューハザード'''と称される。現在ではかなり普及しているものの、この行為を拡大解釈したドライバーにより、無理な割り込み行為の直前・直後に「免罪符」的に使用する、譲り合いのたびにサンキューハザードをいわば「必死」になって履行する初心者ドライバーが存在する、本来の意味として使用したにかかわらず追突した(された)、などの事例から根強い批判がある。もともとハザードランプは、語意の通り何らかの理由で停車する(している)ことを後続の交通に知らせるための合図であり、非常に重要な意味があるのであって、これを他の目的に使用すると、目的外使用に慣れたドライバーが肝心のときに事態を的確に認識できなくなり、深刻な事態を招くおそれがある、という批判である。なお、「JAF MATE(前述)」誌によれば、この用法は地域によって浸透していないことがあり、他地域の車のサンキューハザードを緊急停車と勘違いして急ブレーキを踏み、事故につながった事例もあるとのことである。サンキューハザード向けの商品として、操作性向上を目的とするハザードスイッチ内蔵のシフトノブや、一定回数(2回や3回)点滅後に自動復帰するスイッチと後付回路が市販されたことがある。
 
自動車教習所などでも道路状況などを予測することに対して便宜的に「このような使用法もある」程度に教えられるものの、「JAF MATE」と同じく「一つの合図に二つの意味を持たせてはいけない」として本来の使用法である「最後尾警告」もしくは「自車の停止」の意味とドライバーが勘違いして追突事故に至る危険性を指摘しており、本来は推奨されるものではないとしている。
 
==== 交差点での注意励起 ====
日本以外では、交差点進入の際、単に自車の存在をアピールする目的でハザードランプを点滅させる用法が見られる、この用法は[[タイ王国|タイ]]、[[インドネシア]]他の東南アジアにおいて[[信号機]]などの交通制御インフラが未整備の地域で見られる。当然本来の方向指示器の意味と矛盾するため危険な行為であるが、本用法が使用される地域では方向指示器の使用頻度が低いために重大な混乱を招かないという事情がある。
 
== 特記項目 ==
=== クリアレンズウインカー ===
クリアレンズウインカーとは、ターンシグナルに透明なレンズカバー(ランプカバー)を使用するものである。
 
初期において、フロントに装着されるターンシグナルは白色灯であった。アメリカにおいては、1963年から[[橙色]]のターンシグナルの使用が始まり、1968年には法制化された。前述のように、日本においても方向指示器の色は橙色と規定されている。このためフロントのターンシグナルには橙に着色した[[樹脂]]レンズカバーを使用するのが一般的であるが、橙色の着色球を使用する代わりに樹脂カバーを無着色のものとする手法である。
 
法令上の方向指示器は発光時の色を規定するもので「消灯時の色は問われない」とする解釈で成り立っているとされる。デザイン上の選択として広く採用されるようになっているが、明光下での視認性では着色した樹脂カバーに劣るという指摘もある。
 
リア側のクリアレンズウインカーは、[[ブレーキランプ]]と一体化させたものが多いが、この場合はブレーキランプも保安基準に適合した赤色に点灯させることが必要である。なお、反射板の設計にもよるが着色球の色が若干レンズを通して見える場合が多く、これを嫌う向きもあり、以下の画像のようにクリアレンズと[[発光ダイオード|LED]]を組み合わせると無灯火状態ではほぼ無色となることから人気となっている。
 
ちなみに、同様にデザイン面から一部の間でリアコンビネーションランプを全面赤くする改造も広まった([[スポーツコンパクト|スポコン]]、[[東北地方]]の[[ドリ車]]など)。この場合、電球を緑色に発光するタイプに取り替えることでオレンジ色の光を得られる。
 
=== 補助方向指示器 ===
==== ドアミラーウインカー ====
[[画像:Door_mirror_winker1.jpg|thumb|right|ドアミラーウインカー。写真右が点灯時。]]
[[画像:Door_mirror_winker2.jpg|thumb|right|ドアミラーウインカー。写真右が点灯時、6個のLED光源が見える。]]
'''ドアミラーウインカー'''は[[自動車]]の[[ドアミラー]]に方向指示器を内蔵したものであり、安全性の向上に寄与し得る可能性があるとの調査結果がある[http://www.sae.org/technical/papers/2005-01-0449]。日本では、道路運送車両の保安基準の第四十一条の二に規定された補助方向指示器の扱いとなる。車体側面へのウインカーランプ装着義務のないアメリカ(前述)では、後側方からの被視認性を高める目的から[[アフターマーケット]]を中心にドアミラーの主として鏡面に装着するシグナルが広まっていた。
 
市販車での世界初採用は、1998年に登場した[[メルセデス・ベンツ W220]]である。これ以降、ヨーロッパや日本の市販車にもドアミラーウインカーを採用するモデルが増加した。
 
形状が似ているオートバイ用のミラーウィンカーはフロントウィンカーあり車両前方から視認できるよう車両進行方向へ配光されているため、側面方向指示器ではない。
<!--
 
===== 搭載車種の例(日本車) =====
* [[トヨタ自動車|トヨタ]]
** [[トヨタ・アイシス|アイシス]](標準)、[[トヨタ・アベンシス|アベンシスセダン・ワゴン]](標準)、[[トヨタ・アリオン|アリオン]](標準)、[[トヨタ・アルファード|アルファード・アルファードハイブリッド]](オプション)、[[トヨタ・イスト|イスト]](標準)、[[トヨタ・イプサム|イプサム]](オプション)、[[トヨタ・ヴァンガード|ヴァンガード]](標準)、[[トヨタ・ウィッシュ|ウィッシュ]](オプション)、[[トヨタ・ヴィッツ|ヴィッツ]](標準)、[[トヨタ・ヴォクシー|ヴォクシー]](標準)、[[トヨタ・エスティマ|エスティマ]](標準)、[[トヨタ・エスティマ#エスティマハイブリッド(2代目 ハイブリッドとしては初代)|エスティマハイブリッド]](標準)、[[トヨタ・オーリス|オーリス]](オプション)、[[トヨタ・カムリ|カムリ]](オプション)、[[トヨタ・カローラ#10代目(NZE140/ZRE140系、2006年-)|カローラアクシオ]](一部標準、一部オプション)、[[トヨタ・カローラフィールダー|カローラフィールダー]](標準)、[[トヨタ・カローラルミオン|カローラルミオン]](標準)、[[トヨタ・クラウン|クラウン]](オプション)、[[トヨタ・クラウンマジェスタ|クラウンマジェスタ]](オプション)、[[トヨタ・シエンタ|シエンタ]](標準)、[[トヨタ・ノア|ノア]](標準)、[[トヨタ・パッソ|パッソ]](一部標準、一部オプション)、[[トヨタ・ハリアー|ハリアー・ハリアーハイブリッド]](オプション)、[[トヨタ・bB|bB]](標準)、[[トヨタ・プリウス|プリウス]](オプション)、[[トヨタ・ブレイド|ブレイド]](標準)、[[トヨタ・プレミオ|プレミオ]](標準)、[[トヨタ・ベルタ|ベルタ]](オプション)、[[トヨタ・ポルテ|ポルテ]](一部標準)、[[トヨタ・マークX|マークX]](標準)、[[トヨタ・ラウム|ラウム]](オプション)、[[トヨタ・ラクティス|ラクティス]](標準)、[[トヨタ・ラッシュ|ラッシュ]](標準)、[[トヨタ・RAV4|RAV4]](オプション)
* [[日産自動車|日産]]
** [[日産・プレジデント|プレジデント]](ドアミラー装着車)、[[日産・シーマ|シーマ]](標準)、[[日産・エルグランド|エルグランド]](標準)、[[日産・セレナ|セレナ]](標準)、[[日産・マーチ|マーチ]](グレード別)、[[日産・スカイライン|スカイラインクーペ]],[[日産・マーチ|マイクラC+C]],[[日産・ピノ|ピノ]],[[日産・クリッパー|クリッパーリオ]],[[日産・ムラーノ|ムラーノ]]を除く全普通乗用車(オプション)
 
* [[本田技研工業|ホンダ]]
** [[ホンダ・アコード|アコード]](標準)、[[ホンダ・インスパイア|インスパイア]](標準)、[[ホンダ・エディックス|エディックス]](標準)、[[ホンダ・エリシオン|エリシオン]](標準)、[[ホンダ・オデッセイ|オデッセイ]](標準)、[[ホンダ・クロスロード|クロスロード]](一部グレード)、[[ホンダ・シビック|シビック]](一部グレード)、[[ホンダ・ステップワゴン|ステップワゴン]](一部グレード)、[[ホンダ・フィット|フィット]](一部グレード)、[[ホンダ・レジェンド|レジェンド]](標準)、[[ホンダ・CR-V|CR-V]](標準)、[[ホンダ・ライフ|ライフ]](一部グレード)
* [[マツダ]]
** [[マツダ・アテンザ|アテンザ]]、[[マツダ・アクセラ|アクセラ]]、[[マツダ・デミオ|デミオ]](オプション)、[[マツダ・MPV|MPV]](23T、23Cスポ-ティ-パッケ-ジに標準、その他のグレ-ドにオプション))、[[マツダ・プレマシー|プレマシー]](一部グレード)
* [[三菱自動車工業|三菱]]
** [[三菱・グランディス|グランディス]](標準)
* [[富士重工業|スバル]]
** [[スバル・レガシィ|レガシィ]](B4、ツーリングワゴン、アウトバックのいずれも標準)、[[スバル・インプレッサ|インプレッサ]](一部グレード)、[[スバル・ステラ|ステラ・カスタム]]
* [[ダイハツ工業|ダイハツ]]
** [[ダイハツ・ビーゴ|ビーゴ]](標準)、[[ダイハツ・ブーン|ブーン]](一部グレード)、[[ダイハツ・ムーヴ|ムーヴラテ]](標準)、[[ダイハツ・ムーヴ|ムーヴ]](4代目より標準)、[[ダイハツ・タント|タントカスタム]](標準)、[[ダイハツ・ミラカスタム|ミラカスタム]](一部グレード)、[[ダイハツ・ミラジーノ|ミラジーノ]](一部グレード)、[[ダイハツ・エッセ|エッセ]](一部グレード)、[[ダイハツ・ソニカ|ソニカ]](一部グレード)、[[ダイハツ・テリオスキッド|テリオスキッド]](一部グレード)、[[ダイハツ・アトレーワゴン|アトレーワゴン]](一部グレード)
* [[スズキ (自動車メーカー)|スズキ]]
** [[スズキ・ワゴンR|ワゴンR]]、[[スズキ・アルト|アルト]]、[[スズキ・MRワゴン|MRワゴン]]、[[スズキ・エスクード|エスクード]]、[[スズキ・スイフト|スイフト]]、[[スズキ・SX4|SX4]](いずれもオプション)、[[スズキ・スイフト|スイフト]]、[[スズキ・ワゴンRスティングレー|ワゴンRスティングレー]](一部グレード)
-->
 
==== ルーフ(タクシー)ウインカー ====
[[Image:Turning Lights on Roof of Taxi.jpg|thumb|タクシーウィンカー]]
タクシーは、急停止や方向転換、乗客の乗降車などでのウインカーやハザードランプの点灯を周囲に認知させる必要性が高い。[[東京]]や[[仙台]]など、地域によっては屋根の上、[[あんどん]]両脇への補助ウインカーの装備が標準化されている。これは日本国外でもしばしばみられ、[[ニューヨーク市]]の[[イエローキャブ (タクシー)|イエローキャブ]]でも同様である。また、後部の窓にウインカーと連動して「注意」という文字を点滅させる装置を装備した車両もある。
 
== 車内ウインカー ==
[[Image:Turning Lights in Buses in Japan.jpg|thumb|路線バスの車内ウィンカー]]
一部の[[路線バス]]では車内に「右折」または「左折」あるいは「急ブレーキにご注意」と、ウインカーやブレーキランプと連動して表示する装置を装備して乗客に注意を促している。これらは乗客向けのインジケーターであると解釈することができる。
 
== 自動車・オートバイ以外の方向指示器 ==
{{出典の明記|date=2014年9月|section=1}}
自動車、オートバイ装備以外の方向指示器としては以下のものがある。
 
=== 自転車の方向指示器 ===
[[自転車]]の一部車種にフラッシャーとも呼ばれる方向指示器が装備されている、使用目的は自動車・オートバイ用のものと同様であるが法律などによる規定が存在しないために、その形状・動作は様々さまざまである。かつては自動車のように無色球と橙色のランプカバーを併用したものも少なくなかったが、多くのものは横一列に並べた赤色ランプを発光パターンによって光が流れるように見えるフラッーケンシャルアクションを電気制御によって行う。また自転車は搭載電源を持たないために、[[乾電池]]を用いる。
 
自転車の方向指示器は1960年後半から子供[[少年自転車スポーツサイクル]]に多く採用されたが、ギミック的な要素が多く実用性に疑問があったこと、また自転車の重量が増加することなどから1990年代にはほとんどが姿を消している。
 
=== 戦車の方向指示器 ===
[[戦車]]に代表される[[装甲戦闘車両]]は、多くの国で一般車両の法令、規定適用の例外として扱われており、方向指示器を装備する義務はない。しかしながら近年では、一般道路を走行する場合の周囲への安全を考慮して方向指示器を装備している車両が多い。しかし、これらは法令、規定に沿ったものではなく、あくまで自主的な判断として装備しているもので、一般車両の方向指示器とは異なった実装がされている。一例として、日本の[[90式戦車]]の全長であれば、方向指示器は前後のみではなく側面に補助方向指示器が必要とされるが、実際には装備されていない。これらの事情は[[欧州連合|EU]]圏の戦車においても同様である。
<gallery>
ファイル:JGSDF_Type74_Tank_20120108-03.JPG|[[前照灯]]部に方向指示器を備える[[74式戦車]]
ファイル:Standardpanzer_Vorserie.JPG|バックミラー基部に方向指示器を備える[[レオパルト1]]
ファイル:Italian Army - 4th Tank Regiment - Ariete tanks during an exercise at Capo Teulada October 2022.jpg|[[前照灯]]部に方向指示器を備える[[アリエテ (戦車)|アリエテ]]
ファイル:LeClerc_army_licence_registration_6064_0028_photo-3.JPG|[[前照灯]]部に方向指示器を備える[[ルクレール]]
ファイル:Challenger_2,_Tankfest_2009.jpg|[[フェンダー]]基部に方向指示器を備える[[チャレンジャー2]]
ファイル:Panzermuseum_Munster_2010_0760.JPG|[[フェンダー]]上に方向指示器を備える[[レオパルト2]]
ファイル:JGSDF_Type90_tank_20120527-08.JPG|[[フェンダー]]基部に方向指示器を備える[[90式戦車]]
</gallery>
 
=== 路面電車の方向指示器 ===
<!-- 文献等で確認できるまでコメントアウト
鉄道は他の乗り物と違って決められた線路の上しか走行しないため、これから曲がる方向を予告する必要がない。しかし、かつての鉄道では[[分岐器|ポイント]]の切り替え操作が手動であったことから、接近してくる車両に応じてポイントを切り替える必要があり、特に[[路面電車]]では道路上に自動車や他の電車が錯綜する中、通常の鉄道より不規則なダイヤで接近してくる電車に対し、転轍(てんてつ)手が手際よくポイントを切り替えなければならなかった。こうした転轍手の常駐する場所を'''操車塔'''(そうしゃとう)と呼び、道路から一段上がった小屋か、一段下がった[[トーチカ]]のような形をしていた。
 
通常の天候であれば、操車塔の窓から電車の[[方向幕]]や系統板を見て正確なポイント操作ができるが、悪天候や夜間の場合、転轍手が方向幕や系統板の表示を見落としてしまい、誤ったポイント操作によって異線進入を起こすことがあった。こうしたことから、ポイントに接近する路面電車から操車塔へ、どちらに曲がるかの合図をより正確に知らせる必要が生じ、一部の都市や鉄道会社の路面電車では方向指示器を使用することとなった。法令で義務づけられたものではないため、事業者によって様々な形状や色が存在した。
=== 列車踏切の方向指示器 ===
鉄道の[[踏切]]において、通過する列車の進行方向を表して点灯する矢印型のランプを方向指示器、正式には列車進行方向指示器と呼ぶ。-->
 
早い時期に方向指示器を取り付けた路面電車車両としては、1950年から1953年にかけて[[東急玉川線]]に投入された[[東急デハ80形電車|デハ80形]]がある。当時の玉川線は、[[三軒茶屋駅|三軒茶屋]]交差点において[[二子玉川駅|二子玉川園]]方面と[[下高井戸駅|下高井戸]]方面(現在の[[東急世田谷線|世田谷線]])が分岐しており、ポイント切り替えの正確を期すことが求められたため、デハ80形は新造時から正面窓上部両側に方向指示器を備えている。その後製造された[[東急デハ200形電車|デハ200形]]や[[東急デハ150形電車|デハ150形]]にも方向指示器が取り付けられたが、先に登場していた[[東急デハ70形電車|デハ70形]]以前の車両には取り付けられなかった。
=== 路面電車の方向指示器 ===
鉄道は他の乗り物と違って線路の上を走るため、これから曲る方向を予告する必要がない。だがかつての鉄道では、[[分岐器|ポイント]]の切り替え操作が手動であったことから、接近してくる車両を見てポイントを切り替える必要があり、特に[[路面電車]]では道路上に自動車や他の電車が錯綜する中、通常の鉄道より不規則なダイヤでやって来るところを、転轍(てんてつ)手がポイントを切り替えねばならなかった<ref>こうした転轍手の常駐する場所を操車塔と呼び、道路から一段上がった小屋か、一段下がった[[トーチカ]]のような型をしていた</ref>。
 
東急玉川線に次いで方向指示器を導入したのは[[横浜市電]]で、1953年製造の[[横浜市交通局1150形電車|1150形]]が方向指示器を取り付けて登場、1958年製造の[[横浜市交通局1600形電車|1600形]]も当初から方向指示器が取り付けられていた。ただ、この時期にはこの2形式以外に方向指示器は取り付けられなかった。
通常の天候であれば、操車塔の窓から電車の[[方向幕]]や系統板を見て正確なポイント操作ができるが、悪天候や夜間の場合、転轍手が方向幕や系統板の表示を見落としてしまい、誤ったポイント操作によって異線進入事故を起こすことがあった。こうしたことから、ポイントに接近する路面電車から操車塔へ、どちらに曲がるかの合図をより正確に知らせる必要が生じ、一部の都市・鉄道会社の路面電車では方向指示器を使用することとなった。これはここまでの話でわかる通り、法規で義務付けられているものではないため、各社によって様々な形状や色が存在した。
 
一方、[[神戸市電]]では既存車への方向指示器取り付けが行われた。[[神戸市交通局500形電車|500形]]以降の[[ボギー台車|ボギー]]車全車に方向指示器の取り付け改造を実施して、1958年8月1日から使用を開始した。横浜市電、神戸市電の双方とも中央に[[プレス加工]]で矢印を打ち抜いた楕円形のカバーを取り付けた方向指示器(バス用部品)を使用していたが、神戸市電ではカバーにクロムメッキを施していたのに対し、横浜市電では車体色と同一に塗りつぶしていたほか<ref group="注釈">横浜市電でも、1600形の方向指示器カバーは、登場当初はクロムメッキが施されていた。</ref>、取り付け位置も横浜市電では前面窓下、神戸市電では前面裾部と異なっていた<ref group="注釈">神戸市電でも、1150形の一部車両では、前面窓下に方向指示器が取り付けられていた。</ref>。その後、横浜市電では1967年の[[横浜市交通局1100形電車|1100形]]と[[横浜市交通局1500形電車|1500形]]のワンマン改造時に方向指示器を取り付けたが、神戸市電とは異なり、[[横浜市交通局1300形電車|1300形]]や[[横浜市交通局1400形電車|1400形]]などの[[ツーマン]]運行のボギー車には最後まで方向指示器の取付工事は実施されなかった。また、横浜・神戸両市電とも多数在籍していた単車は方向指示器の取付対象外であったほか、神戸市電で[[神戸市交通局300形電車|300]]・[[神戸市交通局400形電車|400形]]といった単車の代替に[[大阪市電]]の[[大阪市交通局801形電車|801]]・[[大阪市交通局901形電車|901形]]を購入した[[神戸市交通局100形電車|100]]・[[神戸市交通局200形電車|200形]]も方向指示器を取り付けられなかった。これらの事業者以外に方向指示器を使用していた路面電車としては、[[呉市電]]が存在した。
早い時期に方向指示器を取り付けた路面電車車両としては、[[1950年]]から[[1953年]]にかけて[[東急玉川線]]に投入された[[東急デハ80形電車|80形]]がある。当時の玉川線は、[[三軒茶屋駅|三軒茶屋]]交差点において渋谷方面から頻繁にやってくる[[二子玉川駅|二子玉川園]]行き電車と[[下高井戸駅|下高井戸]]行き電車のポイント操作の正確を期すために、80形新造時に正面窓上部両側に方向指示器を取り付けた。その後製造された「タルゴ」こと[[東急デハ200形電車|200形]]や[[東急デハ150形電車|150形]]には方向指示器が取り付けられたが、先に登場していた[[東急デハ70形電車|70形]]以前の車両には取り付けられなかった。
 
しかしその後、1950年ごろに大阪市電で開発された、ポイント前方の架線上に[[トロリーコンタクター]]という接点を設けて通過・停車位置によってポイントを転換する方式や、[[京都市電]]が特許を取得した、[[軌道回路]]を利用してポイントの前で電車が通過するタイミングを利用してポイントを転換する方式<ref>{{Cite web |url=http://kyoto.trolley.net/ |title=Kyoto City Trams in Memory |accessdate=2008-09-10}}</ref>が開発され、路面電車のポイント操作は無人化された。これにより操車塔は役目を終えて全廃され<ref group="注釈">操車塔そのものはしばらくバックアップ用として残されていた。また、現在でも車庫内では有人操作が残っている。</ref>、それとともに方向指示器の役目も終わりを告げた。
東急玉川線に次いで方向指示器を導入したのは[[横浜市電]]で、1953年製造の[[横浜市交通局1150形電車|1150形]]が方向指示器を取り付けて登場、[[1958年]]製造の[[横浜市交通局1600形電車|1600形]]も当初から方向指示器が取り付けられていた。ただ、この時期にはこの2形式以外に方向指示器の取り付けがなされなかった。
 
神戸市電の廃止後、[[広島電鉄]]に譲渡された[[広島電鉄570形電車|500形]]や[[広島電鉄1100形電車|1100形]]、[[広島電鉄1150形電車|1150形]]には方向指示器が残っていたが、車体色と同一に塗りつぶされて最終的には撤去された。方向指示器を残したまま営業運転に使われていた最後の路面電車は、前述の東急デハ150形であったが、玉川線から世田谷線に転じた後も、車体更新によって撤去されるまでの間は、前照灯の点灯とともに方向指示器が点灯された状態であった。世田谷線の車両が全て[[東急300系電車|300系]]に置き換えられると、日本の営業線上で方向指示器を装備した路面電車は全廃された。
一方、[[神戸市電]]ではこれらの事業者とは異なり、[[神戸市交通局500形電車|500形]]以降のボギー車全車に方向指示器の取り付け改造を実施して、1958年8月1日から使用を開始した。横浜市電、神戸市電の双方とも中央に矢印を打ち抜いた楕円形のプレス板のカバーを取り付けた方向指示器を使用していたが、神戸市電ではカバーにクロムメッキを施していたのに対し、横浜市電では車体色と同一に塗りつぶしていたほか<ref>横浜市電でも、1600形の方向指示器カバーは、登場当初はクロムメッキが施されていた</ref>、取り付け位置も横浜市電では前面窓下、神戸市電では前面裾部と異なっていた<ref>神戸市電でも、1150形の一部車両では、前面窓下に方向指示器が取り付けられていた</ref>。その後、横浜市電では1967年の[[横浜市交通局1100形電車|1100形]]と[[横浜市交通局1500形電車|1500形]]のワンマン改造時に方向指示器を取り付けたが、神戸市電とは異なり、[[横浜市交通局1300形電車|1300形]]や[[横浜市交通局1400形電車|1400形]]などのツーマン運行のボギー車には最後まで方向指示器の取付工事は実施されなかった。また、横浜・神戸両市電とも多数在籍していた単車は方向指示器の取付対象外であったほか、神戸市電で[[神戸市交通局300形電車|300]]・[[神戸市交通局400形電車|400形]]といった単車の代替に[[大阪市電]]の[[大阪市交通局801形電車|801]]・[[大阪市交通局901形電車|901形]]を購入した[[神戸市交通局100形電車|100]]・[[神戸市交通局200形電車|200形]]も方向指示器を取り付けられなかった。これらの事業者以外に方向指示器を使用していた路面電車としては、[[呉市電]]が存在した。
 
なお似て非なるものとして、路面電車の正面下部左右に、テールランプ以外の灯火を装備している車両が存在する<ref group="注釈">[[熊本市電]]の旧型車両には、旧型の[[バス (交通機関)|バス]]に多く装着されている[[日本バス協会]]標準仕様のテールランプ(通称:バス協テール)を装備しているものがある。</ref>。これは[[大型自動車]]のように、道路上における大型通行物の接触注意を喚起しているものであって、方向指示器とは全く関係ない。
しかしその後、1950年ごろに大阪市電で開発された、ポイント前方の架線上に[[トロリーコンタクター]]という接点を設けて、通過及び停車位置によってポイントを転換する方式や、[[京都市電]]において特許を取得した、軌道回路を利用してポイントの前で電車が通過するタイミングを利用してポイントを転換する方式<ref>詳細については[http://kyoto.trolley.net/ こちらのサイト]を参照</ref>が開発されたことにより、路面電車のポイント操作も無人化に成功、日本の路面電車からは操車塔が全廃された<ref>操車塔そのものはしばらくバックアップ用として残されていた。現在でも車庫ではさすがに有人操作が残っている</ref>。こうして方向指示器の役目も終わりを告げた。
<gallery>
呉市電 2001号.jpg|[[呉市交通局2000形電車]]。窓上が方向指示器で窓下が尾灯。
Kobe_760.JPG|[[神戸市交通局750形電車]]。[[名谷車両基地]]に現存するカットボディ。
Kuraki_park_Yokohama_city_streetcar_1156_20180421.jpg|[[横浜市交通局1150型電車]]。神戸市電と同じ形状であることが判る。
Series 200 of Tokyo Kyuko Kabushikigaisha.jpg|[[東急デハ200形電車]]。窓上が方向指示器で窓下が尾灯。
</gallery>
 
=== 飛行機・船舶の「方向指示器」 ===
神戸市電の廃止後、[[広島電鉄]]に譲渡された[[広島電鉄570形電車|500形]]や[[広島電鉄1100形電車|1100形]]、[[広島電鉄1150形電車|1150形]]には方向指示器が残っていたが、車体色と同一に塗りつぶされて、やがて撤去されてしまった。方向指示器を残したまま営業運転に使われていた最後の路面電車は、[[東急世田谷線]]<ref>[[東急玉川線]]が一部廃止後、世田谷線と名を変えた</ref>の150形だったが、玉川線廃止→世田谷線内のみの運行となった後も、車体更新によって撤去されるまでの間は、前照灯の点灯とともに方向指示器が点灯された状態であった。世田谷線の車両が全て[[東急300系電車|300系]]に交換されると、営業線上で方向指示器を装備した路面電車は全廃された。
[[ファイル:Jet-liner's lights 1 N.PNG|thumb|300px|1. 航空灯 - 翼端灯 (Navigation Lights L/R)<br />2. 航空灯 - 尾灯 (Navigation Lights Tail)]]
飛行機、船舶の場合は方向指示器と言う名称ではないが俗にこう呼ばれる場合がある。
 
[[飛行機]]の場合、自機の進行方向を機外に表示する装置として[[航空灯]](ナビゲーション・ライト、Navigation Light 、Position Light )を持つ機体がある。航空灯は右翼端が緑色で左翼端が赤色の前方から左または右に110度、尾部が白色で左右に70度ずつ140度方向に常時点灯させる。航空灯により、他機から進行方向が判別できる。
なお似て非なるものとして、路面電車の正面下部左右に、[[尾灯]]以外の灯火を装備している車両が存在する<ref>特に[[熊本市電]]の古い車両は尾灯と一体化され、いかにもウインカーのようなデザインである</ref>。これは[[大型自動車]]のように、道路上における大型通行物の接触注意を喚起しているものであって、方向指示器とは全く関係ない。
 
船舶の[[航海灯]]も、色と方向について同様である。
=== 飛行機の方向指示器 ===
[[飛行機]]の場合、自機の進行方向を機外に表示する装置は、空港の誘導路等を考慮しても存在意義はほとんどないが、操縦席に装備される[[計器]]の一つとして、機体の進行方向を地上平面方向360°単位で指示する方向指示器(Directional Gyro)がある。空中を飛行する飛行機は地上走行車両と異なり、進行方向を把握するための目印となるものが著しく少ない(特に高高度飛行時)ため、自機がどちらの方向を向いているのかを把握する計器が必要とされる。飛行機の方向指示器は[[ジャイロ]]機構を用い、[[慣性]]により一方向を指す回転心を内蔵しており、指示器ケース(自機)の回転との差分を北を0°とする360°の角度で表示する。ただし、長時間経過すると誤差が蓄積するため磁気コンパスによる補正機構を備えるものが多い。
 
海洋・航空では世界共通で右方優先の原則の為、道路における信号機の色と同じと考えれば理解しやすい。
なお[[宇宙船]]にも同様の計器が添わるが、こちらは地上平面という概念が通用しないため三次元の二軸方向指示器が必要となり、二軸を自由保持する機構の名称から[[ジンバル]]と呼ばれる事が多い。
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== 出典・脚注 ==
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=== 注釈 ===
{{reflist|group="注釈"}}
 
=== 出典 ===
{{reflist}}
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book |和書 |author=荒井久治 |title=自動車の発達史〈下〉―ルーツから現代まで |year=1995 |month=7 |publisher=[[山海堂 (出版社)|山海堂]] |ISBN=4-3811-0068-9 |ref=harv}}
* {{Cite book |和書 |author=国土交通省自動車交通局技術安全部(監修) |authorlink=自動車局 |title=道路運送車両法の解説 |year=2003 |month=3 |publisher=交通総合センター |ISBN=4-8749-7001-X |ref=harv}}
* {{Cite book |和書 |author=林順信 |title=玉電が走った街今昔 |year=1998 |month=9 |publisher=[[JTBパブリッシング|JTB]] |ISBN=4-5330-3305-9 |ref=harv}}
* {{Cite book |和書 |author=長谷川弘和 |title=横浜市電の時代 |year=1998 |month=3 |publisher=[[大正出版]] |ISBN=4-8117-0626-9 |ref=harv}}
* {{Cite journal |和書 |author=河村かずふさ |year=1999 |title=神戸日記 |journal=レイル |issue=38 |publisher=[[エリエイ|プレス・アイゼンバーン]] |ref=harv}}
 
== 関連項目 ==
* [[自動車の電球の規格一覧]]
* [[電気回路]]
* [[電子回路]]
* [[ユーロテール]]
 
== 参考文献 ==
* 荒井 久治 『自動車の発達史〈下〉―ルーツから現代まで』山海堂、1995年、ISBN 4381100689
* 国土交通省自動車交通局技術安全部監修『道路運送車両法の解説』交通総合センター、2003年、ISBN 487497001X
* 林 順信 『玉電が走った街今昔』JTB、1998年
* 長谷川 弘和 『横浜市電の時代』大正出版、1998年
* 河村 かずふさ 「神戸日記」 レイルNo.38 プレス・アイゼンバーン、1999年
 
== 外部リンク ==
{{commonscat|Automobile turning lights}}
* [http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=4&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S26HO185&H_RYAKU=1&H_CTG=37&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1 道路運送車両法 総務省法令データ提供システム]
* {{Egov law|326AC0000000185|道路運送車両法}}
* [http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=1&H_NAME=%93%b9%98%48%8c%f0%92%ca%96%40&H_NAME_YOMI=%82%a0&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=S35HO105&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1 道路交通法 総務省法令データ提供システム]
* {{Egov law|335AC0000000105|道路交通法}}
* {{Cite web|和書|date=2020-11-11 |url=https://trafficnews.jp/post/101727? |title=ウインカーなぜ出さない? 右左折時など 「早すぎはカッコ悪い」と考えるのは誰か |publisher=乗りものニュース |accessdate=2020-11-11}}
 
{{自動車部品}}
{{オートバイ部品と関連技術}}
{{Notice|'''[[Wikipedia:画像提供依頼#画像改訂|画像提供依頼]]:タクシーウインカーと路線バス車内の乗客向けウインカー、ブレーキランプ表示装置の画像をお願いします。'''}}
 
{{DEFAULTSORT:ほうこうししき}}
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[[Category:照明器具]]
 
{{Featured_article}}
 
[[de:Fahrtrichtungsanzeiger]]
[[en:Automotive lighting#Turn signals]]
[[nl:Richtingaanwijzer]]
[[pl:Kierunkowskaz]]
[[zh:转向灯]]