「草枕」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
~2025-27121-78 (会話 | 投稿記録) 記事がリダイレクト化されたため タグ: 取り消し モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
||
| (41人の利用者による、間の50版が非表示) | |||
1行目:
{{基礎情報 文学
|題名 = 草枕
『'''草枕'''』(くさまくら)は[[夏目漱石]]の[[小説]]。[[1906年]]に「[[新小説]]」に発表。熊本[[小天温泉]]を舞台にして、著者のいう「非人情」の世界を描いた作品である。▼
|訳題 = Kusamakura
|画像 =
|画像サイズ =
|キャプション =
|作者 = [[夏目漱石|夏目金之助(漱石)]]
|国 = {{JPN}}
|言語 = [[日本語]]
|ジャンル = [[短編小説]]
|シリーズ =
|発表形態 = 雑誌掲載
|初出 =『[[新小説]]』[[1906年]]9月
|刊行 = 『草枕』[[春陽堂]]・[[1914年]]12月<ref>表紙のみ「艸枕」の表記を使用している。</ref>
|収録 = 『鶉籠』[[春陽堂]] [[1907年]]1月
|装幀 =
|受賞 =
|id =
|訳者 =
|前作 =
|次作 =
|portal1 = 文学
}}
[[File:John Everett Millais - Ophelia - Google Art Project.jpg|thumb|本作の中で言及された[[ジョン・エヴァレット・ミレー]]の『[[オフィーリア (絵画)|オフィーリア]]』]]
▲『'''草枕'''』(くさまくら)は、[[夏目漱石]]の[[小説]]。[[1906年]]([[明治]]39年)に
「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。」という一文に始まり、「智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情
==あらすじ==
[[日露戦争]]のころ、
==芸術論==
「西洋の詩になると、人事が根本になるからいわゆる詩歌の純粋なるものもこの境を解脱する事を知らぬ。どこまでも同情だとか、愛だとか、正義だとか、自由だとか、浮世の勧工場(かんこうば)にあるものだけで用を弁じている。いくら詩的になっても地面の上を馳けてあるいて、銭の勘定を忘れるひまがない。」
「
"''The Three-Cornered World''" は、[[アラン・ターニー]] (Alan Turney) が草枕の英訳に付けた題名である。ターニーは序文で「直訳すると ''The Grass Pillow'' になるがそれでは意味をなさない為この作品のテーマと考えられる一部分を題名にした」といった意味の事を書いている。これは「三」にある「して見ると四角な世界から常識と名のつく、一角を磨滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう」を踏まえたものである。
==日本の近代化(西洋文明の摂取)について==
「二十世紀に睡眠が必要ならば、二十世紀にこの出世間的の詩味は大切である。惜しい事に今の詩を作る人も、詩を読む人もみんな、西洋人にかぶれているから、わざわざ呑気
== 制作時期に関して ==
関係者への書簡から、詳しい制作時期が判明している。1906年(明治39年)[[7月26日]]に執筆開始。同年[[8月9日]]脱稿。「[[吾輩は猫である]]」の脱稿から10日後に執筆を開始し、完成したのはその2週間後であった。
熊本で英語教師をしていた漱石は、[[1897年]](明治30年)の[[大晦日]]に、友人であった山川信次郎とともに熊本の小天温泉に出かけ、そのときの体験をもとに『草枕』を執筆した{{sfn|ロム・インターナショナル(編)|2005|pp=124–125}}。作品の中で登場する「峠の茶屋」は、熊本市街から小天温泉に至る途中の道にあったと考えられており、この当時にあった「鳥越(とりごえ)の峠」もしくは、「野出(のいで)の峠」にあった茶屋が、そのモデルであるとされる{{sfn|ロム・インターナショナル(編)|2005|pp=124–125}}。現在の鳥越の峠には[[1989年]]([[平成]]元年)に当時あった茶屋を復元したものが建てられており、園内に漱石の句碑が建てられている{{sfn|ロム・インターナショナル(編)|2005|pp=124–125}}。また、当時の茶屋は現存していないが、野出の峠のほうにも茶屋跡の碑と漱石の句碑がある{{sfn|ロム・インターナショナル(編)|2005|pp=124–125}}。
== 書誌情報 ==
1906年に『[[新小説]]』に発表され、1907年に『鶉籠(うずらかご)』に収録された。のちの1914年に、春陽堂から単独の単行本が出版された。これは読者からの希望に応じて、単独の書籍とする許諾を漱石から得て刊行されたと扉に記載がある<ref>[https://dl.ndl.go.jp/pid/917015/1/5 草枕] - [[国立国会図書館]]デジタルコレクション(5スライド目)</ref>。また、1917年に漱石全集の第2巻にも収録された。
*{{Cite book|和書|author=夏目金之助|authorlink=夏目漱石|date=1907-01-01|title=鶉籠|publisher=[[春陽堂]]|id={{近代デジタルライブラリー|885509}}|ref=夏目1907}}
*{{Cite book|和書|author=夏目金之助|authorlink=夏目漱石|date=1914-12-18|title=草枕|publisher=[[春陽堂]]|page=250|id={{近代デジタルライブラリー|917015}}|ref=夏目1914}}
*{{Cite book|和書|author=夏目漱石|authorlink=夏目漱石|date=1917-12-06|title=短篇小説集|series=漱石全集 第2巻|publisher=漱石全集刊行会|page=890|id={{近代デジタルライブラリー|957304}}|ref=夏目1917}}
== 脚注 ==
{{Reflist}}
== 参考文献 ==
* {{Cite book |和書 |author=ロム・インターナショナル(編) |date=2005-02-01 |title=道路地図 びっくり!博学知識 |publisher=[[河出書房新社]] |series=KAWADE夢文庫|isbn=4-309-49566-4|ref=harv}}
== 関連項目 ==
* [[前田卓]] - 那美のモデルとなった女性。
* [[前田案山子]] - 卓の父で、「志保田の隠居(那美の父)」のモデル。[[自由民権運動]]家、第1回[[衆議院議員]]。
* [[オフィーリア (絵画)]] - ジョン・エヴァレット・ミレー の絵画。本作の中で言及がある
* [[Adobe Illustrator]] - CC 2017以降のテキストツールのサンプルテキストとして本作の冒頭部が使用されている。
* [[グレン・グールド]](ピアニスト)は、 漱石の「草枕」がお気に入りで、自身が編集したものをラジオ番組でみずから朗読し、これを20世紀の最高小説のひとつであると語った。異なる訳者のものを4冊持っていて、死の床には、枕もとに書き込みだらけの「草枕」があったという。
== 外部リンク ==
*[
*{{青空文庫|000148|776|新字新仮名|草枕}}
*{{近代デジタルライブラリー書誌情報|42011312|草枕}}
*[http://www.kusamakura.jp/web/kouryukan/kusamakura-tabi 草枕の旅【漱石・草枕の里】]
{{夏目漱石}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:くさまくら}}
[[Category:夏目漱石の小説]]
[[Category:熊本県を舞台とした
[[Category:1906年の小説]]
{{Lit-stub}}
| |||