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あらすじ: タッタグリア→タッタリア Ttragliaのgliはイタリア語での発音は「リ」であり「グリ」ではない 映画でも同じくタッタリアと発音
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{{基礎情報 書籍
'''ゴッドファーザー'''( The Godfather )は、[[アメリカ]]の作家[[マリオ・プーゾ]]による犯罪[[小説]]である。
| title = ゴッドファーザー
初版は1969年3月10日、[[:en:G. P. Putnam's Sons|G. P. Putnam's Sons]]社による。
| orig_title = The Godfather
[[ニューヨーク]]と[[ロングビーチ]]に本拠地を置く、架空の[[シシリア|シシリアン]]・[[マフィア]]の[[コーサ・ノストラ|ファミリー]]を描く。
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ファミリーを率いるのは[[ドン]]・[[ヴィトー・コルレオーネ]]で、イタリアン・マフィアを象徴する男である。
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小説には、1945年から1955年にかけてのファミリーの様相と、幼年期から青年期にかけてのヴィトー・コルレオーネを回想する場面とが、交互に描かれる。
| image_caption =
| author = [[マリオ・プーゾ]]
| translator =
| illustrator =
| published = [[1969年]][[3月10日]]
| publisher = G. P. パットナムズ・サンズ
| genre = 長編小説
| country = {{USA}}
| language = [[英語]]
| type =
| pages = 446
| preceded_by =
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| website =
| id =
| portal1 = 文学
}}
 
『'''ゴッドファーザー'''』({{en|The Godfather}})は、[[アメリカ]]の作家[[マリオ・プーゾ]]による犯罪[[小説]]である。初版は1969年3月10日、発行は[[:en:G. P. Putnam's Sons|G. P. Putnam's Sons]]社。[[ニューヨーク]]と[[ロングビーチ (ニューヨーク州)|ロングビーチ]]に本拠地を置く、架空の[[シシリア|シシリアン]]・[[マフィア]]の[[コーサ・ノストラ|ファミリー]]を描く。ファミリーを率いるのは[[ドン (尊称)|ドン]]・[[ヴィトー・コルレオーネ]]で、イタリアン・マフィアを象徴する男である。小説には、1945年から1955年にかけてのファミリーの様相と、幼年期から青年期にかけてのヴィトー・コルレオーネを回想する場面とが、交互に描かれる。
 
小説のヒットにより、「コンシリエーレ consigliere = 相談役」「カポレジーム caporegime = 幹部」「[[コーサ・ノストラ]] Cosa Nostra = シシリアン・マフィア」「オメルタ omertà = [[血の掟]]」といった言葉が、英語圏の人々にも知られるようになった。
 
1972年にはこの小説を基に、[[ゴッドファーザー (映画)|同名の映画]]が作られた。プーゾ自身も出資した続編が2本、1974年と1990年に制作された。
プーゾ自身も出資した続編が2本、1974年と1990年に作製された。
映画の[[ゴッドファーザー (映画)|PART Ⅰ]]、[[ゴッドファーザーPARTII|PART Ⅱ]]は、優れた映画として現在も広く認められている
<ref>http://www.rottentomatoes.com/top/bestofrt_year.php</ref><ref>http://www.imdb.com/chart/top</ref>。
 
==タイトル==
「ゴッドファーザー」とは、[[マフィア]]の[[ボス]]または[[マフィア#組織構成|ファミリー]]のトップへの敬称であるが、本来は[[カトリック教会|カトリック]]での[[洗礼]]時の[[代父母|代父]](名付け親)という意味である。イタリアなどの伝統的なカトリック世界では洗礼時の代父・代母は第二の父母であり、後見人的な存在として生涯にわたり関わりが続いたことに由来している。
 
アメリカにおけるイタリア人移民社会でも本国同様に代父母とのかかわりが重視されていたため、場合によってはイタリア系アメリカ人社会の実力者であるマフィアのボスに代父を頼み、協力を惜しまない代わりに庇護を求めていたという歴史的背景がある。
 
闇社会を暗示する小説のタイトルについて、多くの論争が起こった。広く言われていることだがプーゾは、マフィアのボスを指す語として「ゴッドファーザー = 名付け親」を使うことを、取材経験から思いついたという
広く言われていることだがプーゾは、マフィアのボスを指す語として「ゴッドファーザー = [[代父母|名付け親]]」を使うことを、取材経験から思いついたという。
「ゴッドファーザー」の語が初めてマフィアと関連付けて使用されたのは、1963年に[[ジョゼフ・ヴァラキ]]が[[ジョン・マクレラン|マクレラン]][[公聴会]]で、[[組織犯罪]]について証言したときである。{{Fact|date=2007年6月}}
 
==登場人物・組織==
 
コルレオーネ・ファミリーを立ち上げたのは、[[ドン (尊称)|ドン]]・[[ヴィトー・コルレオーネ]]である。ヴィトーの姓「コルレオーネ」は、[[イタリア]]の故郷[[コルレオーネ]]から採ったもので、[[イタリア語]]では「勇敢な人」を意味する。
ヴィトーの姓「コルレオーネ」は、[[イタリア]]の故郷[[コルレオーネ]]から採ったもので、[[イタリア語]]では「勇敢な人」を意味する。
 
同様に、コルレオーネの母の旧姓コリリアーノは、[[カラブリア州]]の[[コムーネ]]、[[コリリアーノ・カーラブロ]]にちなんでつけられたようである。この地域は、[[ンドランゲタ]]の活動でよく知られているが、プーゾは小説の中で、コリリアーノの名の由来には触れていない
この地域は、[[ンドランゲタ]]の活動でよく知られているが、プーゾは小説の中で、コリリアーノの名の由来には触れていない。
 
ヴィトーには、ソニー、フレド、[[マイケル・コルレオーネ|マイケル]]、コニーの、4人の子供がある。また非公式ながらトム・ヘイゲンを養子にし、コンシリエーレに据えている。ヴィトー・コルレオーネはまた、有名な歌手で映画俳優のジョニー・フォンテーンの、[[代父母|ゴッドファーザー]]でもある。タイトルのゴッドファーザーは通常ヴィトーを指すとみなされるが、実際には物語の主人公はマイケルであり、意に反して父の跡を継ぎファミリーを率いてゆくマイケルの運命を、小説のテーマとしている。
ヴィトーには、ソニー、フレド、[[マイケル・コルレオーネ|マイケル]]、コニーの、4人の子供がある。
また非公式ながらトム・ヘイゲンを養子にし、コンシリエーレに据えている。
ヴィトー・コルレオーネはまた、有名な歌手で映画俳優のジョニー・フォンテーンの、[[代父母|ゴッドファーザー]]でもある。
タイトルのゴッドファーザーは通常ヴィトーを指すとみなされるが、実際には物語の主人公はマイケルであり、意に反して父の跡を継ぎファミリーを率いてゆくマイケルの運命を、小説のテーマとしている。
 
コルレオーネ・ファミリーは犯罪組織であり、[[みかじめ料]]、[[恐喝]]、[[ギャンブル]]、[[組合]]監視など、さまざまな犯罪に手を染めている。ドンの下には、「カットアウト」役を果たすコンシリエーレがおり、ドンの連座を防いでいる。小説でも、コンシリエーレのポジションは、ドンの最も信頼するアドバイザーでありカウンセラーであると説明されている。
ドンの下には、「カットアウト」役を果たすコンシリエーレがおり、ドンの連座を防いでいる。
小説でも、コンシリエーレのポジションは、ドンの最も信頼するアドバイザーでありカウンセラーであると説明されている。
 
組織の活動部隊は、2人のカポレジーム(カポ、もしくはキャプテンとも)、ピーター・クレメンザとサルバトーレ・テッシオに率いられている。彼らは組織内では高い地位にあり、表向きは、ドン、副ボス、コンシリエーレに次いで4番目に権力を持つ
彼らは組織内では高い地位にあり、表向きは、ドン、副ボス、コンシリエーレに次いで4番目に権力を持つ。
 
== プロット ==
 
== あらすじ ==
小説は、コルレオーネ・ファミリーと、それ以外の[[ニューヨーク]]5大ファミリーとの[[抗争]]を描いている。
 
ドン・ヴィトー・コルレオーネが[[麻薬]]ディーラーのソロッツォの手の者に狙撃された後、ヴィトーの息子ソニーとマイケルはファミリーのビジネスを取り仕切っている。彼らを補佐するのは、コンシリエーレのトム・ヘイゲン、カポのクレメンザやテッシオであった。
ドン・ヴィトー・コルレオーネが[[麻薬]]ディーラーのソロッツォの手の者に狙撃された後、ヴィトーの息子ソニーとマイケルがファミリーのビジネスを取り仕切っている。彼らを補佐するのは、コンシリエーレのトム・ヘイゲン、カポのクレメンザやテッシオであった。ソロッツォとアイルランド人の警察署長をマイケルが殺害し、対立は全面戦争へと拡大する。その結果ソニーは死に、マイケルは、不本意ながらファミリーのトップに立つ。彼は次第に父よりも冷酷になり、ソニーの殺害に関わった義理の弟カルロ・リッジをも殺害する。
ソロッツォとアイルランド人の警察署長をマイケルが殺害し、対立は全面戦争へと拡大する。
 
その結果ソニーは死に、マイケルは、不本意ながらファミリーのトップに立つ。
物語が進むにつれ多彩な脇役が登場し、ドンの名づけ子ジョニー・フォンテーンとその友人のニノ・ヴァレンティ、ソニーの元恋人ルーシー・マンチーニ、マイケルのボディガードのアル・ネリなど、それぞれのサブ・プロットも詳しく描かれる。これらのサブ・プロットのほとんどは、映画では省略されている。
彼は次第に父よりも冷酷になり、ソニーの殺害に関わった義理の弟カルロ・リッジをも殺害する。
 
物語が進むにつれ多彩な脇役が登場し、ドンの名づけ子ジョニー・フォンテーンとその友人のニノ・ヴァレンティ、ソニーの元恋人ルーシー・マンチーニ、マイケルのボディガードのアル・ネリなど、それぞれのサブ・プロットも詳しく描かれる。
小説はクライマックスに達し、マイケルは2大敵対勢力のエミリオ・バルジーニとフィリップ・タッタリアを暗殺させる。タッタリア・ファミリーとバルジーニ・ファミリーを壊滅させた後、マイケルは[[ニューヨーク]]におけるビジネスをすべて売り払って、[[ラスベガス]]で合法的なファミリー・ビジネスに取り組もうと考える。
これらのサブ・プロットのほとんどは、映画では省略されている。
小説はクライマックスに達し、マイケルは2大敵対勢力のエミリオ・バルジーニとフィリップ・タッタグリアを暗殺させる。
タッタグリア・ファミリーとバルジーニ・ファミリーを壊滅させた後、マイケルは[[ニューヨーク]]におけるビジネスをすべて売り払って、[[ラスベガス]]で合法的なファミリー・ビジネスに取り組もうと考える。
 
==ファミリー==
ニューヨーク5大ファミリーとは、ストラッチ、タッタリア、コルレオーネ、クネオス、バルジーニのファミリーである。他のファミリーにも触れられており、ニューヨークのボッチッチオは[[ネゴシエーター]]や人質の役を果たし、ニューオーリンズのトラモンティやシカゴのカポネなども登場する。
他のファミリーにも触れられており、ニューヨークのボッチッチオは[[ネゴシエーター]]や人質の役を果たし、ニューオーリンズのトラモンティやシカゴのカポネなども登場する。
 
==映画化==
{{main|ゴッドファーザー (映画)|ゴッドファーザーPARTII PART II|ゴッドファーザーPARTIII PART III}}
 
[[1972年の映画|1972年]]、小説が映画化された。配役は[[マーロン・ブランド]](ドン・[[ヴィトー・コルレオーネ]])、[[アル・パチーノ]](マイケル・コルレオーネ)、監督は[[フランシス・フォード・コッポラ]]であった。[[マリオ・プーゾ]]は、[[脚本]]その他に参加している。映画は全世界でおよそ2億6900万ドルの総収益をあげ、3つの[[アカデミー賞]]、15の[[ゴールデン・グローブ]]、16の[[グラミー賞]]を始めさまざまな賞を受賞。続編の「[[ゴッドファーザー PART II]] 」もまた6つのアカデミー賞を受賞、続編が[[アカデミー作品賞|作品賞]]のオスカーを受賞した初めての映画となった。
[[1972年の映画|1972年]]、小説が映画化された。
配役は[[マーロン・ブランド]](ドン・[[ヴィトー・コルレオーネ]])、[[アル・パチーノ]](マイケル・コルレオーネ)、監督は[[フランシス・フォード・コッポラ]]であった。
[[マリオ・プーゾ]]は、[[脚本]]その他に参加している。
映画は全世界でおよそ2億6900万ドルの総収益をあげ、3つの[[アカデミー賞]]、15の[[ゴールデン・グローブ]]、16の[[グラミー賞]]を始めさまざまな賞を受賞し、古今もっとも偉大な映画の1つに数えられる。
続編の「[[ゴッドファーザーPARTII]] 」もまた6つのアカデミー賞を受賞、続編が[[アカデミー作品賞|作品賞]]のオスカーを受賞した初めての映画となった。
 
映画はほぼ原作に沿っているが、何人かの登場人物のサブ・プロットなど、若干の省略がある。こういったサブ・プロットも撮影されてはおり、のちの作品「[[ゴッドファーザー テレビ完全版|ゴッドファーザー・サガ]]」に取り入れられた。ハリウッドのジョニー・フォンテーンについては、サブ・プロットが撮影されなかった。もっとも大きな違いは、映画のエンディングの方が小説よりも暗いということである。小説では、ケイ・コルレオーネは、父の後を継ぐというマイケルの決意をおだやかに認める道を選ぶ。しかし映画では対照的に、マイケルのした恐ろしい出来事や彼の冷酷さ、これからさらにひどくなってゆくであろうことを理解したケイの絶望で終わる。マイケルの残虐性は[[ゴッドファーザー PART II|PART II]]、[[ゴッドファーザー PART III|PART III]]でも増してゆくが、これは小説には描かれなかった部分である。
映画はほぼ原作に沿っているが、何人かの登場人物のサブ・プロットなど、若干の省略がある。
こういったサブ・プロットも撮影されてはおり、のちの作品「ゴッドファーザー・サガ」に取り入れられた。
ハリウッドのジョニー・フォンテーンについては、サブ・プロットが撮影されなかった。
もっとも大きな違いは、映画のエンディングの方が小説よりも暗いということである。
小説では、ケイ・コルレオーネは、父の後を継ぐというマイケルの決意をおだやかに認める道を選ぶ。
しかし映画では対照的に、マイケルのした恐ろしい出来事や彼の冷酷さ、これからさらにひどくなってゆくであろうことを理解したケイの絶望で終わる。
マイケルの残虐性は[[ゴッドファーザーPARTII|PART Ⅱ]]、[[ゴッドファーザーPARTIII|PART Ⅲ]]でも増してゆくが、これは小説には描かれなかった部分である。
 
PART IIIでも、ヴィンセント・マンーニのような「手に負えない」人物が登場し、小説の中での出来事矛盾が生じは異なっている。
 
==TVゲーム化==
{{main|ゴッドファーザー# (TVゲーム)}}
 
テレビゲーム会社の[[エレクトロニック・アーツ]]が、2006年3月21日、[[テレビゲーム]]『 The Godfather The Game 』を発売した。プレイヤーは、コルレオーネ・ファミリーの「兵隊」役になる。[[マーロン・ブランド]]は生前ヴィトーの声を少し[[アテレコ]]したが、結局使用不可の判断がなされ、ブランドの物まねタレントによって再度吹きこまれた。[[フランシス・フォード・コッポラ]]監督は2005年4月、パラマウントのゲーム化承認を知らされていなかったこと、自身はゲーム化に賛成しないことを表明した<ref>''[http://www.gamespot.com/news/6121958.html Godfather film director whacks Godfather game]'' - by Tor Thorsen, GameSpot, April 8, 2005, retrieved April 8, 2005.</ref>。
テレビゲーム会社の[[エレクトロニック・アーツ]]が、2006年3月21日、[[テレビゲーム]]『 The Godfather The Game 』を発売した。
プレイヤーは、コルレオーネ・ファミリーの「兵隊」役になる。
[[マーロン・ブランド]]は生前ヴィトーの声を少し[[アテレコ]]したが、結局使用不可の判断がなされ、ブランドの物まねタレントによって再度吹きこまれた。
[[フランシス・フォード・コッポラ]]監督は2005年4月、パラマウントのゲーム化承認を知らされていなかったこと、自身はゲーム化に賛成しないことを表明した<ref>''[http://www.gamespot.com/news/6121958.html Godfather film director whacks Godfather game]'' - by Tor Thorsen, GameSpot, April 8, 2005, retrieved April 8, 2005.</ref>。
[[アル・パチーノ]]も作製に参加せず、マイケル・コルレオーネ役は似た人物に置き換えられた。
 
==続編==
2004年[[:en:Random House|Random House]]社から、プーゾによる「ゴッドファーザー」の続編、「[[:en:The Godfather Returns|The Godfather Returns]]」が[[:en:Mark Winegardner|ワインガードナー]]の著で出版された。2006年には更に、ワインガードナーの続編「[[:en:The Godfather's Revenge|The Godfather's Revenge]]」が出版された。続編の小説は、プーゾの小説の続きを描き出している
2006年には更に、ワインガードナーの続編「[[:en:The Godfather's Revenge|The Godfather's Revenge]]」が出版された。
続編の小説は、プーゾの小説の続きを描き出している。
 
「 The Godfather Returns 」は、プーゾの「ゴッドファーザー」ラストシーンの直後から始まる。小説は1995年から1962年までの様相とともに、プーゾの小説以前のマイケル・コルレオーネの過去を描いている。映画「[[ゴッドファーザー PART II]]」に描かれた出来事はすべて、この小説の設定期間内に生じた事柄であるが、バックグラウンドで触れられるだけである。小説には、映画の内容と関連付けられた出来事が描かれ、小説と映画がうまくリンクするように作られている。
「 The Godfather Returns 」は、プーゾの「ゴッドファーザー」ラストシーンの直後から始まる。
小説は1995年から1962年までの様相とともに、プーゾの小説以前のマイケル・コルレオーネの過去を描いている。
映画「[[ゴッドファーザーPARTII]]」に描かれた出来事はすべて、この小説の設定期間内に生じた事柄であるが、バックグラウンドで触れられるだけである。
小説には、映画の内容と関連付けられた出来事が描かれ、小説と映画がうまくリンクするように作られている。
 
「 The Godfather's Revenge 」は、1963年から1964年を描く。「ゴッドファーザー」でプーゾは[[フランク・シナトラ]]という実在の人物をモデルにジョニー・フォンテーンを描いた。ワインガードナーはこの手法を真似て、[[ジョセフ・P・ケネディ|ジョセフ]]、[[ジョン・F・ケネディ|ジョン]]、[[ロバート・ケネディ|ロバート]]・ケネディ一族をモデルにシェア一族を、[[カルロス・マルセロ]]をモデルにカルロ・トラモンティを創作した。「 The Godfather Returns 」では、ワインガードナーは、1957年ニューヨーク州[[アパラチン会議|アパラチン]]で起きた犯罪組織一掃事件を小説に取り入れている。
「 The Godfather's Revenge 」は、1963年から1964年を描く。
「ゴッドファーザー」でプーゾは[[フランク・シナトラ]]という実在の人物をモデルにジョニー・フォンテーンを描いた。
ワインガードナーはこの手法を真似て、[[ジョセフ・P・ケネディ|ジョセフ]]、[[ジョン・F・ケネディ|ジョン]]、[[ロバート・ケネディ|ロバート]]・ケネディ一族をモデルにシェア一族を、[[カルロス・マルセロ]]をモデルにカルロ・トラモンティを創作した。
「 The Godfather Returns 」では、ワインガードナーは、1957年ニューヨーク州[[アパラチン会議|アパラチン]]で起きた犯罪組織一掃事件を小説に取り入れている。
 
ワインガードナーは、プーゾの小説の登場人物をそのまま流用し、オリジナルのキャラクターは少しだけ創造した。特に重要なのは、コルレオーネの兵隊で、2つの続編で主要な役割を果たすニック・ゲラチである。ワインガードナーは、フレド・コルレオーネ、トム・ヘイゲン、ジョニー・フォンテーンといったプーゾ作の登場人物を、さらに掘り下げて描いた。
特に重要なのは、コルレオーネの兵隊で、2つの続編で主要な役割を果たすニック・ゲラチである。
ワインガードナーは、フレド・コルレオーネ、トム・ヘイゲン、ジョニー・フォンテーンといったプーゾ作の登場人物を、さらに掘り下げて描いた。
 
後にプーゾによって書かれた小説「[[ザ・シシリアン]]」は、「ゴッドファーザー」とリンクした番外編的作品である。マイケルがシチリア島に逃亡中の物語であり、彼はヴィトーによって義賊[[サルヴァトーレ・ジュリアーノ]]をアメリカに逃す役目を与えられる。ただし、[[マイケル・チミノ]]によって映画化された「[[シシリアン (1987年の映画)|シシリアン]]」にはマイケルは一切出てこない
ただし、マイケル・チミノによって映画化された「シシリアン」にはマイケルは一切出てこない。
 
==コルレオーネ・ファミリーの構成==
 
コルレオーネ・ファミリーを率いるのは、[[ドン (尊称)|ドン]]・[[ヴィトー・コルレオーネ]]である。ヴィトーの長男サンティノ・コルレオーネは殺されるまではアンダーボスだった。養子のトム・ヘイゲンは、ファミリーのコンシリエーレである。小説冒頭のカポレジームはピーター・クレメンザとサルバトーレ・テッシオであったが、のちにはロッコ・ランポーンとアルベルト・ネリがその任に就く。ファミリーの殺し屋は最初ルカ・ブラーシで、のちには冷酷であっても凶暴ではないアルベルト・ネリがその役に就く。パウリ・ガットー、ロッコ・ランポーン、アル・ネリは兵隊だったが、ガットーはランポーンに粛清され、小説の終わりごろには、ランポーンとネリがカポレジームに就く。
コルレオーネ・ファミリーを率いるのは、[[ドン]]・[[ヴィトー・コルレオーネ]]である。
ヴィトーの長男サンティノ・コルレオーネは殺されるまではアンダーボスだった。
養子のトム・ヘイゲンは、ファミリーのコンシリエーレである。
小説冒頭のカポレジームはピーター・クレメンザとサルバトーレ・テッシオであったが、のちにはロッコ・ランポーンとアルベルト・ネリがその任に就く。
ファミリーの殺し屋は最初ルカ・ブラーシで、のちには冷酷であっても凶暴ではないアルベルト・ネリがその役に就く。
パウリ・ガットー、ロッコ・ランポーン、アル・ネリは兵隊だったが、ガットーはランポーンに粛清され、小説の終わりごろには、ランポーンとネリがカポレジームに就く。
 
==現実との類似性==
 
小説のかなりの部分が、現実世界、特にいわゆる「[[五大ファミリー]]」、[[ニューヨーク]]近辺の[[マフィア]]組織の歴史に基づいて書かれている。実在のギャングやその仲間を暗示する登場人物も多い。ジョニー・フォンテーンは[[フランク・シナトラ]]<ref>
実在のギャングやその仲間を暗示する登場人物も多い。
ジョニー・フォンテーンは[[フランク・シナトラ]]<ref>
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== 翻訳 ==
* {{Cite |和書
|author = マリオ・プーヅォ
|authorlink =
|others = [[一ノ瀬直二]] 訳
|title = ゴッドファーザー
|date = 1972-9-10
|edition =
|publisher = [[早川書房]]
|isbn =
}}新版・[[ハヤカワ文庫]](上下)、2005年
 
==参照項目==
143 ⟶ 129行目:
 
{{ゴッドファーザー}}
{{DEFAULTSORT:ことふあさ}}
[[Category:マフィアリオ・プーゾ]]
[[Category:ゴッドファーザー|*]]
[[Category:アメリカ合衆国の小説]]
[[Category:一族を題材とした小説]]
 
[[ar:العراب (رواية)]]
[[bg:Кръстникът (книга)]]
[[cs:Kmotr (román)]]
[[de:Der Pate]]
[[en:The Godfather (novel)]]
[[es:El Padrino (novela)]]
[[fa:پدرخوانده (رمان)]]
[[fi:Kummisetä]]
[[fr:Le Parrain (roman)]]
[[hu:A keresztapa]]
[[hy:Կնքահայրը (վեպ)]]
[[it:Il padrino (romanzo)]]
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[[pt:The Godfather (livro)]]
[[ru:Крёстный отец (роман)]]
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