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| 題名= 建築基準法|
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| ウィキソース= 建築基準法
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'''建築基準法'''(けんちくきじゅんほう、昭和25年5月24日法律第201号)は、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についての最低基準を定めたに関する日本の法律である。前身は'''[[市街地建築物法]]'''(大正8年法律第37号)である。
 
[[国土交通省]](旧・[[建設省]])[[国土交通省住宅局|住宅局]]市街地建築課が所管し、[[国土交通省都市局|同省都市局]]都市計画課・市街地整備課、[[不動産・建設経済局]]建設業課、[[厚生労働省]][[健康・生活衛生局]]生活衛生課ならびに[[環境省]][[環境再生・資源循環局]]廃棄物適正処理推進課と連携して執行にあたる。
{{日本の法令|
題名=建築基準法|
通称=基準法・建基法|
番号=昭和25年法律第201号|
効力=現行法|
種類=[[行政法]]|
内容=建築物に対する基準など|
関連=[[都市計画法]]、[[消防法]]ほか|
リンク= [http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO201.html 総務省法令データ提供システム]
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== 概要 ==
'''建築基準法'''(けんちくきじゅんほう、昭和25年5月24日法律第201号)は、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた法律。前身は'''市街地建築物法'''(大正8年法律第37号)である。
 
==構成==
{{日本の都市計画}}
建築基準法は、建築法規の根幹を成す法律である。この法律の下には、建築基準法施行令・建築基準法施行規則・建築基準法関係告示が定められており、建築物を建設する際や建築物を安全に維持するための技術的基準などの具体的な内容が示される。建築基準法が日本国民の生命・健康・財産保護の最低基準を指し示す方針を掲げているのに比して
 
* 建築基準法施行令では建築基準法の規定を受けて、規定を実現するための具体的な方法や方策を定めている。
* 建築基準法施行規則では建築基準法と建築基準法施行令を実施する際に必要とされる設計図書や事務書式を定めている。
* 建築基準法関係告示は監督官庁から公示され、複数分野の技術革新により日々変化していく事物へ追従するために建築基準法・建築基準法施行令・建築基準法施行規則を補完する役割を担う。{{see also|都市計画 (都市計画法)#都市計画の内容|地域地区}}
 
建設関連法令分野における通称として建築基準法は「法」、建築基準法施行令は「令」、建築基準法施行規則は「規則」、建築基準法関係告示は「告示」と略される。
 
都道府県や市町村等の地方公共団体はそれぞれの地域の特殊性を加味して建築基準法第40条に基づき所轄、条例により必要な制限を附加することができ、また市町村は土地の状況から必要な場合は建設基準法第41条に基づき、国土交通大臣の承認を得た上で条例として緩和を制定することができる。一般的にこれらは建築条例や建築基準条例と呼ばれる。、多くの地方公共団体(市町村を含む)では、細目まで定めた代表的なものとして東京都では東京都建築安全条例が制定されている。
都道府県や市町村等の地方公共団体はそれぞれの地域の特殊性を加味して建築基準法第40条に基づき所轄大臣の承認を得た上で条例として緩和を制定することができ、一般的には建築条例や建築基準条例と呼ばれる。細目まで定めた代表的なものとして東京都では東京都建築安全条例がある。
 
 
行政手続き上の効力や拘束力を持たないものとして「建築指導要綱」といった内規が建築指導課や指導係等の所管課で定められている場合があり、行政指導の名目で建築行為の制限を受けることがある。
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* その方針には複数の目的があり、財政上の理由から公共事業の立ち遅れや上下水道の未整備等の地域を改善する目的、建築基準法上では規制されていないものの地域住民の安寧を乱す可能性のあるものに対して一定の基準を明示する目的、建設事業が周辺住民へ及ぼす影響の周知徹底、関係地権者や権利権限者との相互手続きや関係諸官庁に対する申請の進め方を図示したフローチャートなどである。
 
建築物を企画・設計し、建設して実際に利用者が建築物を使用する場合には、建築基準法のほかに、建築物への消防活動と連携するための[[消防法]]、建築物が連なった街区や広域な見地から連携する[[都市計画法]]、自然の地形を切り土や盛り土で造成することで宅地化する際に連携する[[宅地造成及び特定盛土等規制法]]、代表的な都市インフラと連携する[[水道法]]や[[下水道法]]、建築物の利用によって排水される汚水と連携する[[浄化槽法]]、建築物を利用する上で弱者救済と連携する[[高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律]](バリアフリー]]、建築物を利用する上で建築材料の品質を一定の基準内に定めるための[[住宅の保の促進等に関する]](品確法)、地震国の日本において耐震性を維持するための[[建築物の耐震改修促進に関する]](耐震改修促進法)、建築物を設計する際に求められる職能の規定する[[建築士法]]、建築物を施工する事業所の業態を規定する[[建設業法]]などのさまざまな建築関連法規の規制を受ける。
 
建築物を企画・設計し、建設して実際に利用者が建築物を使用する場合には、建築基準法のほかに、建築物への消防活動と連携するための[[消防法]]、建築物が連なった街区や広域な見地から連携する[[都市計画法]]、自然の地形を切り土や盛り土で造成することで宅地化する際に連携する[[宅地造成等規制法]]、代表的な都市インフラと連携する[[水道法]]や[[下水道法]]、建築物の利用によって排水される汚水と連携する[[浄化槽法]]、建築物を利用する上で弱者救済と連携する[[バリアフリー法]]、建築物を利用する上で建築材料の品質を一定の基準内に定めるための[[品確法]]、地震国の日本において耐震性を維持するための[[耐震改修促進法]]、建築物を設計する際に求められる職能の規定する[[建築士法]]、建築物を施工する事業所の業態を規定する[[建設業法]]などのさまざまな建築関連法規の規制を受ける。
<br>
建築基準法はそれらと密接な関連性を持ちながら機能する法律である。建設する地域の特殊性に応じて[[文化財保護法]]・[[行政手続法]]・[[景観法]]などとも関連する。
 
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:* 安全に関しては、大別して建築物とその利用者の二つに分けて規定されており、建築物にあっては自然災害の地震・雷・台風等々の建築物への外部応力から人命や財産を守るために必要な構造耐力や構造仕様の規定、利用者にあっては安全に避難するための避難経路や避難階段等の構造が規定されている。建築物の規模や建物用途に応じては、火災や災害時に発生する煙の吸引を出来る限り低くしたり、煙による避難路への視界を確保するための排煙設備、出火時に同一建物内部への類焼を防ぐ防火区画、高層化の進む建築物にあっては利用者の避難と消防活動に用いる非常用[[エレベーター]]ほかの防災救助用設備等についての規定がある。
:* 建築物の利用者の健康を維持する快適に関しては、採光・[[換気設備]]において継続的に利用する居室の窓の大きさを建物用途ごとに規定しており、伝染病の防止や予防の観点から便所の規定がある。
:
 
; 集団規定
: 第3章にあり、都市計画法の規定と連携している。都市計画法では日本国内を[[都市計画区域]]の内外に定め、そのうちで建築基準法では都市計画区域内に建つ建築物を対象としている。都市計画区域内は日本国内の地域ごとに用途地域として利用目的を定めており、建築物が健全な都市環境の一要素として機能するための規定している。
 
単体規定の対象が建築物と建築物が定着している敷地であり、それらを取り巻く周囲が集団規定であるために、単体規定と集団規定が接している[[接道義務]]は重要な規定であり、敷地と建築物の延べ面積の割合を規定する[[容積率]]や[[斜線制限]]等と密接な関係をもつ。
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==「最低の基準」の意味==
* 建築基準法は同法第一条に謳われている通り'''最低の基準を定めて'''いる技術法令である。第一条の「目的」に最低限と謳われている理由はいくつかある。ひとつは、建築基準法というものは自由に建築を行う私人の権利を公権力によって制限しまたは規制して社会の秩序を保とうとする性格を持つ法律であるから、その制限については[[日本国憲法第13条|憲法13条]]に基づき、必要最小限のものでなければならないという理念からである。なお、この建築基準法第1条(目的)は、当時のUBC(Uniform Building Code)の直訳とされる。
 
* 次にこの法律で制限するレベルはあくまでも最低限であるから、この法令による技術的基準を守っていれば建物の安全が保証され、私達の生命・健康・財産の保護が完全に保証されるというものでもないということである。さらに、この法律は最低限に過ぎないので、その地域や周囲の環境等の状況に適した建築物の在り方を制定するために、各種条例や建築協定などの規定を別途に組むことも可能であることを示唆している。ただし、実際は非常に細かなところにまで規制が及んでおり、最低限の規定になっているとはいいがたい。
 
{{Quotation|この法にいう基準は最低の基準である。従って法律上は建築主、設計者、施工者にとつては、この最低の基準に適合すれば差支えなく、建築主事その他法を施行する者にとつては、この最低の基準を確保することに努めなければならない理のものである。
然しながら建築基準法の名称の示すように、あくまでも基準である。従って建築主、設計者、施行者にとっては、この基準が確保されることは勿論、可能の範囲において基準以上に建築物の質の向上が図られることが望ましいし、また、建築主事その他法を施行する者によっては一分一厘の枝葉末節にこだわることなく法が運用されることが望まれるのである。|[[日本建築学会]]|『[http://news-sv.aij.or.jp/da1/sekeishiryou/jyouki.html 建築基準法令解説]』昭和25年11月(1950年)}}
 
==目次==
[[画像:建築基準法・認可告示掲示板.jpg|thumb|200px|建築基準法により義務化されている建築確認告示掲示板の一例。([[携帯電話]][[基地局]]建設現場)]]
 
*第1章 - 総則(第1条~第18条)
*第21-総則(第1条~第18条)
*第2章 建築物の敷地、構造及び建築設備(第19条~第41条)
*第3章 - [[都市計画区域]]内の建築物の敷地、構造及び建築設備(第41条の2~第68条の9)
**第1節  総則(第41条の2・第42条)
**第2節  建築物又はその敷地と道路又は壁面線との関係等(第43条~第47条)
**第3節  建築物の用途(第48条~第51条)
**第4節  建築物の敷地及び構造(第52条~第60条)
**第4節の2  都市再生特別地区(第60条の2)
**第5節  [[防火地域]](第61条~第67条)
**第5節の2  特定防災街区整備地区(第67条の2)
**第6節  [[景観地区]](第68条)
**第7節  地区計画等の区域(第68条の2~第68条の8)
**第8節  都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造(第68条の9)
*第4章 - [[建築協定]](第68条の10~第68条の26)
*第5章 - 建築審査会(第69条~第77条)
*第6章 - 雑則(第84条~第97条の6)
*第7章 - 罰則(第98条~第103条)
*附則
*別表
**別表第1
**別表第2
**別表第3
**別表第4
 
==特定行政庁==
98行目:
* [[建築士法]] - [[建築士]]
* [[消防法]]
* [[高齢者、身体障害者等の移動等の円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律]](バリアフリー法)
* [[建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律]](建築物省エネ法)
 
== 国家資格 ==
*[[建築監視員]]
;国家資格
*[[特殊建築物等調査資格者]]
*[[昇降機検査資格者]]
108 ⟶ 107行目:
*[[建築基準適合判定資格者]]
 
==関連項目 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
*[[建築確認申請]]
{{Reflist}}
*[[構造計算書偽造問題]]
 
*[[耐震基準]]
== 関連項目 ==
*[[東横イン不法改造問題]]
* [[建築監視員確認申請]]
*[[懸垂物安全指針・同解説]]
* [[建築基準関係規定]]
* [[建築基準法内未定義用語]]
* [[耐震基準]]
* [[構造計算書偽造問題]]
* [[東横イン不法改造問題]]
* [[懸垂物安全指針・同解説]]
* [[シックハウス症候群]]
* [[既存不適格]]
 
==外部リンク==
{{Wikibooks|コンメンタール建築基準法|建築基準法}}
* [httphttps://lawlaws.e-gov.go.jp/htmldatalaw/S25/S25F04201000040.html325M50004000040 総務省建築基準令データ提供システム施行規則] - e-Gov施行規則令検索
* [httphttps://lawlaws.e-gov.go.jp/htmldata/S25law/S25SE338.html325CO0000000338 総務省建築基準施行データ提供システム] - e-Gov施行検索
* [https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/Detail_F0000000000000025736 国立公文書館デジタルアーカイブ] -市街地建築物法
* {{Kotobank}}
 
{{建築}}
 
{{DEFAULTSORT:けんちくきしゆんほう}}
[[categoryCategory:建築関連法]]
[[Category:基準|法]]
[[Category:日本の住宅]]
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[[Category:1950年の法]]
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