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{{出典の明記|date=2016年7月23日 (土) 01:32 (UTC)}}
'''価格'''(かかく)とは、有形・無形の各種の[[商品]]([[サービス]]を含む)の[[取引]]に際して提示される金額をいう。基本的には[[需要と供給]]のバランスによって決定される。一般には、'''値段'''(ねだん)とも呼ばれ、サービスについては'''料金'''(りょうきん)ということもある。
'''価格'''(かかく、{{Lang-en-short|price}})とは、有形・無形の各種の[[商品]]([[サービス]]を含む)の[[取引]]に際して提示される金額をいう。'''値段'''(ねだん)とも呼ばれ、サービスについては'''料金'''(りょうきん)ということもある。
 
== 価格の種類 ==
価格は、基本的に商品の需要と供給によってそれが決まる物であるが、価格に決定の仕方によっていくつかの種類があに分類されている。
 
;市場価格
=== 市場価格 ===
:[[市場]]で現実に成立する価格で、需要と供給の変動によって上下するが、長期的には生産価格に一致する傾向がある。例として、株式市場における株価などがある。
[[市場価格]]とは市場で現実に成立する価格で、基本的には[[需要と供給]]の変動によって上下する<ref group="注">自由な市場では、基本的には[[需要と供給]]のバランスによって決定される。が、市場に政治的な介入がある場合は、そうならない。</ref>。例えば、自由な「せり」が行われている野菜市場での野菜の価格である。
::;生産価格
:::平均;生産額に平均利潤を加えた価格
:原価などの生産コストに生産者の利潤を加えた価格。
::;競争価格
;生産者価格
:::完全競争市場で成立する価格で、[[技術]]の進歩と[[生産]]の向上によって低下する。独占価格に対比して使用される用語である。
:生産者が流通業者に生産物を販売する際の価格、および政府が生産者から生産物を買い入れる際の価格<ref>{{Kotobank|生産者価格|2=デジタル大辞泉・大辞林(第三版)}}</ref>。
;独占価格
;競争価格
:狭義には1社[[独占]]の市場での価格をいうが、広義では[[寡占]]価格や管理価格のことも指す。
:完全競争市場で成立する価格で、[[技術]]の進歩と[[生産]]の向上によって低下する。独占価格に対比して使用される用語である。
::;寡占価格
 
:::少数の[[企業]]が協定などを結んで市場を支配している場合の価格で、生産費が下がっても価格が維持されやすい。
::;管理=== 独占価格 ===
[[独占価格]]とは狭義には一社独占の市場での価格をいうが、広義では[[寡占]]価格や管理価格のことも指す。
:::市場支配力をもつ最も有力な企業がプライス・リーダーとして一定の[[利潤]]が確保できるよう価格を設定し、その他の企業がそれに追随する場合の価格。
;統制[[寡占価格]]
:少数の[[企業]]が市場を支配している場合の価格で、生産費が下がっても価格が維持されやすい。
:政策上の必要から国家によって統制される価格で、公共料金などがこれにあたる。例としては、交通機関の[[運賃]]などがあげられる。
;[[管理価格]]
:市場支配力をもつ最も有力な企業が[[プライス・リーダー]]として一定の[[利潤]]が確保できるよう価格を設定し、その他の企業がそれに追随する場合の価格。
 
=== 統制価格 ===
統制価格とは政策上の必要から国家によって統制される価格である。例えば、[[公共料金]]や[[公共交通機関]]の[[運賃]]など。
 
=== 消費者の購買心理に関する価格 ===
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:[[消費者]]は特定の商品において一定の価格の範囲内であれば、あまり価格の上下を気にせず購入する価格帯のこと。
;習慣価格
:特定の商品に対して[[消費者]]が習慣的に認めている価格のこと。自動販売機における飲料などが含まれる。
;端数価格
:値段を「198円」のように端数にすることによって、価格を下げたという印象を消費者に与える価格。日本では一般に「8」や「9」という端数が多く用いられることから[[イチキュッパ]]ともいわれている。
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:バッグや時計など主に[[奢侈品]](ぜいたく品、高級品)に用いられることが多い価格。高価格のほうが品質がいいと判断されることが多いためあえて高価格に設定されている。
 
=== 積算価格と物価 ===
[[公共事業]]において作成される[[予定価格]]は、[[競争入札]]に付される業務の[[仕様書]]等と、[[設計書]]を組む。そしてこれに基づき、各[[工種]]の細部まで厳密に[[積算]]されている。この段階の価格が積算価格 (設計書金額) である。
[[ミクロ経済学]]におけるP(価格)と[[マクロ経済学]]におけるP(物価)は、前者は財の相対価格を表すものであるのに対し、後者は単に物価水準を表しており、根本的に別の概念である。
 
予定価格の前提となる積算価格は、[[公共工事]]であれば、契約の目的である公共工事の施工上必要な労働者、建設資材等の取引の実例価格、需給の状況、数量の多寡、履行の離易、履行期間等を考慮して適正に定めなければならないとしている (予決会計令八十の2)。
つまり、「[[マクドナルド]]の[[ハンバーガー]]が値下がりした」というのはミクロ経済学において価格の下落として認識されるが、「現在経済はデフレの傾向にある」という時には、財の相対価格は変化していないので、ミクロ経済学においてPの値は変わっていない。
 
具体的な積算価格の算出は公共工事発往者が公表している[[積算基準]]に基づき行われるが、工事に必要な[[原材料|材料]]の価格は、原則として入札時における[[市場価格]]で、また、労務質金の基本給は[[公共工事設計労務単価]]等を使用することとしており、したがって、適正に価格を算定するためには、入札直前の[[実勢価格]]を的確に把握することが極めて重要である。
物価の上下はミクロ経済学においては純粋に貨幣的な問題であるので、財市場とは何の関係もないのである。<!--以上需要と供給の項より移動-->
 
一部の地方公共団体では予定価格の公表に代えて、この設計書金額を公表しているところもある。
 
== 相対価格と一般物価 ==
[[経済学者]]の[[クヌート・ヴィクセル]]は、名目価格('''一般物価''')の変動が、'''相対価格'''の変動とは根本的に異質な現象であることを発見した<ref>日本経済新聞社編著『経済学の巨人 危機と闘う-達人が読み解く先人の知恵』日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2012年、35頁。</ref>。
 
[[ミクロ経済学]]におけるP(価格)と[[マクロ経済学]]におけるP([[物価]])は、前者は財の相対価格(個別価格)を表すものであるのに対し、後者は単に物価水準を表しており、根本的に別の概念である。
 
つまり、「ハンバーガーが値上がりした」という場合でも、牛丼などその他のモノの価格はほぼ変わらず物価水準が変化していない場合、ミクロ経済学的な(たとえば牛丼などとの)相対価格の変化を表しているが、マクロ経済学的な一般物価(総合物価)の変化である「[[インフレーション]]」ということは表していない。全体(一般物価)は個(相対価格)の単なる足し合わせではなく、すべての市場の相対価格が同時に上昇することは算術的にありえない<ref>日本経済新聞社編著『経済学の巨人 危機と闘う-達人が読み解く先人の知恵』日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2012年、34頁。</ref>。
 
物価の上下は純粋に貨幣的な問題であるので、ミクロ経済学における財市場とは何の関係もない。
 
価格と物価には次のような違いがある。
;価格
:価格は、購入される個々の財貨・サービスなど1単位に支払われる貨幣の量のことを指す。広義には、[[賃金]]、[[利子]]、[[為替レート]]、[[地代]]も含まれる。
;物価
:物価とは、一定の範囲(工業製品、消費財、小売商品等)に属する数多くの商品の価格の状態を、他の時点での価格と比較して総合的に表したものである。通常'''物価指数'''として示される。概念的には貨幣の価値が変化することによってのみ変動する。
 
{{see also|デフレーション#定義}}
 
== 価格と効用 ==
<!--{{誰|date=2015年5月}}「{{要出典範囲|ある財が[[希少性]](使いたい量に比べて使える量の少ないこと)を有しているとき、それに見合っただけの[[価格]]を、その財は有することになる(希少性のない[[自由財]]は価格をもたない)|date=2015年5月}}。とはいえ、」-->

ある財の[[価格]]が、全ての人、ひとりひとりの人にとってそれに見合っただけの[[効用]](その人にとっての益、あるいは、主観的な満足)を示していると考えることはできない。たとえばダイヤモンドと水を比べた場合、前者は希少であり価格が高いが、しかし効用はありふれた後者のほうが高いことがある。このことを、[[アダム・スミス]]に由来する[[価値]]のパラドックス]]」という。
 
経済学者の[[スティーヴン・ランズバーグ]]は「価格低下によって消費者が得た利益は、生産者の同額の損失によって相殺される。消費者と生産者の双方の利益を勘定に入れれば、価格下落自体はは費用と便益の関係に影響を与えない。しかし、喜ぶ消費者が増えるという事実は、一般に社会的利益であり、便益として計上するべきである。政策分析の重要な仕事は、消費量の増加から生じる[[消費者余剰]]の増加分を推計することである」と指摘している<ref>スティーヴン・ランズバーグ『ランチタイムの経済学-日常生活の謎をやさしく解き明かす』日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2004年、161頁。</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
<references />
 
== 関連項目 ==
*[[物価]]
*[[アダム・スミス]]
*[[需要と供給]]
*[[一物一の法則格競争]]
*[[価格戦略]]
*[[一物一価の法則]]、[[一物多価]]
*[[オープン価格]]
*[[希望小売価格]]
*[[参考小売価格]]
*[[オープン定価]]・[[時]]
*[[時価]]
*[[再販売価格維持]]
*[[地価]]
*[[貨幣原油価格]]
*[[:en:Pricing]]
 
*{{ill2|スライディングスケール料金|en|Sliding scale fees}} ‐ 年収に応じた料金。[[価格差別]]
== 外部リンク ==
*[[望むだけ支払う方式]] - 言い値で買う方式。
*[http://www.nikkei.co.jp/news/kakaku/ NIKKEI NET(日経ネット):商品ニュース-産業資材から消費財・サービスの価格情報まで]
*[http://www.unexpectedprices.com/index.php 意外な物の意外な値段](掲示板)
 
{{Economy-stub}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:かかく}}
[[Category:マーケティング]]
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[[Category:市場]]
[[Category:料金システム]]
 
[[ar:سعر]]
[[bat-smg:Kaina]]
[[be-x-old:Цана]]
[[bg:Цена]]
[[bn:মূল্য]]
[[br:Priz]]
[[bs:Cijena]]
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[[de:Preis (Wirtschaft)]]
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[[sr:Цена]]
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[[vi:Giá cả]]
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