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{{Otheruses|ベル[[1872年]]に[[イリス]]の[[ウィのフランース(フランドル)を舞台に]]が発表した小説[[児童文学]]|その他の項目|フランダースの犬 (曖昧さ回避)}}
{{基礎情報 書籍
{{Portal|文学}}
[[image:Nello & Patrasche.JPG|thumb|250px|『title=フランダースの犬』の挿絵]]
|orig_title=A Dog of Flanders and Other stories
『'''フランダースの犬'''』(フランダースのいぬ、{{Lang-en-short|''A Dog of Flanders''}})は、[[イギリス]]の作家[[ウィーダ]]が19世紀に書いた[[児童文学]]であり、美術をテーマとした少年の悲劇として知られる。
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|author=[[ウィーダ]] ({{Lang|fr|Marie Louise de la Ramée}})
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|published=1872年
|publisher={{仮リンク|チャンプマン・アンド・ホール|en|Chapman & Hall}}
|genre=[[児童文学]]{{*}}[[悲劇]]
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『'''フランダースの犬'''』(フランダースのいぬ、{{Lang-en-short|''A Dog of Flanders''}})は、[[1872年]]に[[イギリス]]の作家・[[ウィーダ]]が発表した[[児童文学]]である。
 
[[ベルギー]]を舞台に、貧しい少年・ネロと犬・パトラッシュの友情を軸に展開される[[悲劇]]を描く。
 
== 概要 ==
本作の初出は[[1872年]]、[[イギリス]]の "{{Lang|en|Lippincot's Magazine}}" で発表され、後に 『'''{{Lang|en|A Dog of Flanders and Other stories}}'''』のタイトルで初めて書籍化されたとされる。
『フランダースの犬』の舞台は[[19世紀]]の[[ベルギー]]北部の[[フランダース|フラーンデーレン]](フランドル)地方。現在では[[アントウェルペン|アントワープ(蘭語・アントウェルペン)]]に隣接するホーボケン (Hoboken) が舞台となった村のモデルと考えられている。ウィーダはこの作品を執筆する前年にアントワープを旅行で訪れてホーボケンにもやって来ており、寒村のこの村にまだ当時の領主、オレンジ公ウィリアムの風車小屋が存在していた事が1985年にアントワープ市観光局のヤン・コルテールによって突き止められ、以来この発見から物語に登場する風車小屋はこれをもとに描写されたものと見られている。さらに物語に登場するアロアのモデルと思しき12歳の娘が領主にいた事も確認されている。また、お爺さんが半世紀以上昔の[[ナポレオン戦争]]で兵士として戦い片足に障碍を得ていたり、金の巻き毛に血色の良い黒目がちなアロアの容姿に[[南ネーデルラント#スペイン領ネーデルラント|スペイン統治時代]]の混血の面影があったりと、当地の複雑な歴史的社会背景を根底に忍ばせている。
 
[[19世紀]]、[[ベルギー]]北部の[[フランドル]]地方[[アントウェルペン]]([[英語|英]]:'''フランダース地方アントワープ''')を舞台とし、この近隣に暮らす15歳の少年・'''ネロ'''は、祖父・ジェハンと老犬・'''パトラッシュ'''と共に暮らしていた。貧しい生活の中、唯一の親友と引き裂かれ、祖父を亡くすなど、人生に絶望していくありようを描く。
原作が書かれたのは[[1872年]]。英国の "{{Lang|en|Lippincot's Magazine}}" に発表され、後に "{{Lang|en|A Dog of Flanders and Other stories}}" の一冊にまとめられたものが初出とされる。日本語版は{{和暦|1908}}に初めて『フランダースの犬』(日高善一 訳)として内外出版協会から出版された。西洋人の固有[[名詞]]が受容されにくいと考えられた為か、ネロは清(きよし)、パトラッシュは斑(ぶち)、アロアは綾子(あやこ)、ステファン・キースリンガーは木蔦捨次郎(きつた・すてじろう)などと訳された。さらに昭和初期には、{{和暦|1929}}の『[[黒馬物語]]・フランダースの犬』(興文社、[[菊池寛]] 訳)、{{和暦|1931}}の『フランダースの犬』(玉川学園出版部、関猛 訳)など他の訳者によって出版された。これら旧訳は[[パブリックドメイン]]としてウェブ上で読むことができる(→[[フランダースの犬#外部リンク]])。
 
舞台となったフランドルを内在する[[南ネーデルラント]]は、[[フランス第一共和制]]・[[フランス第一帝政]]・[[ネーデルラント連合王国]](1792年 - 1839年)と続いた、[[フランス]]と[[オランダ]]間における抗争の時期にあった。作中でも、ネロの祖父は物語開始時期から半世紀以前に勃発した[[ナポレオン戦争]]の兵士として戦ったことで片足が不自由であるなど、当地の歴史的社会背景が窺える。また、ネロの住む村のモデル地は、アントウェルペンの近隣に所在するホーボケンと考えられている(後述の「[[#モデル地と後世における影響]]」を参照)。
{{和暦|1950}}以降は、童話文庫・児童向け世界名作集の作品として多くの出版社から出版されている。
 
[[日本]]では、[[明治]]期に刊行された『フランダースの犬』(内外出版協会、[[1908年]]、訳:[[日高善一]])を初の[[日本語]]訳版とされるが{{Efn|内外出版協会を立ち上げた[[山縣悌三郎]]宛てに、1908年春、ニューヨーク滞在中の[[本田増次郎]]から、1月にウィーダが死去したという情報と原本が届いた。同年11月に翻訳書の刊行となる{{Sfn|佐藤宗子|1999|p=132}}<ref>{{Cite web|和書|author=本誌編集部|url=https://www.japanjournals.com/feature/great-britons/15384-ouida-a-dog-of-flanders.html |title=「フランダースの犬」の作者 ウィーダ 知られざる数奇な人生 |website=Onlineジャーニー |quote=週刊ジャーニー No.1168(2020年12月17日)掲載 |accessdate=2024-04-29}}</ref>。}}、登場人物の名前を[[日本人]]名とするなどの改変があった。ただし、後世における[[翻訳]]では、原語版に準拠した舞台設定・人物名による出版も多く見られる(後述の「[[#海外での出版]]」を参照)。
活字以外にも{{和暦|1975}}に日本でテレビアニメシリーズが製作された。詳細は「[[フランダースの犬 (アニメ)]]」を参照のこと。
 
本作を原作・原案とした派生作品も複数発表されており、これまでに、[[アメリカ合衆国]]や日本でのメディア作品も複数発表されている。(後述の「[[#映画]]」・「[[#アニメ・漫画]]」を参照)。なお、日本国内においては、特に「[[世界名作劇場]]」シリーズ版([[1975年]])の原作として広く認知され、当テレビアニメ版最終回の台詞は特に有名である。{{See also|フランダースの犬 (アニメ)#概要}}
 
== あらすじ ==
[[ファイル:Antwerpen, Liebfrauenkathedrale.jpg|サムネイル|「フランダースの犬」の舞台になったアントワープの[[聖母大聖堂 (アントウェルペン)|聖母大聖堂]]。]]
{{ネタバレ}}
[[ファイル:Peter Paul Rubens - De kruisoprichting.JPG|thumb|作中に登場する[[ピーテル・パウル・ルーベンス|ルーベンス]]の絵画「[[キリスト昇架|キリストの昇架]]」。]]
[[image:Antwerp Cathedral at dusk.jpg|left|200px]]
[[ファイル:Peter Paul Rubens 068Peter_Paul_Rubens_-_Descent_from_the_Cross_-_WGA20212.jpg|thumb|作中に登場する同じく「[[ピーテル・パウル・ルーベンキリト降架|ルーベンス]]の絵画「キリストの]]」。]]
[[フランダース]]地方の都市[[アントワープ]]郊外の小さな農村の、さらに外れに住む[[アルデンヌ|アルデネン]]地方出身の15歳の少年・'''ネロ'''{{Efn|製作会社が[[平田ファンタジー]]の本ではネルロと表記されてある。}}は、正直な寝たきりの祖父・'''ジェバン'''と忠実な老犬・'''パトラッシュ'''{{Efn|パトラッシェやパトラシエなどと表記されている訳書もある。}} とともに暮らす。ネロは貧しい[[牛乳]]運搬業で糊口をしのぎながらも、いつか画家になることを夢見ており、アントワープの[[聖母大聖堂 (アントウェルペン)|聖母大聖堂]]の二つの祭壇画を見たいと心に望んでいた。それはアントワープはもとよりベルギーが世界に誇る17世紀の画家[[ピーテル・パウル・ルーベンス|ルーベンス]]の筆によるもので、見るためには高価な観覧料を必要とするため、貧乏人のネロには叶わぬものであった。
[[ファイル:Rubens Kreuzabnahme1.JPG|thumb|同じく「キリストの降架」。]]
アントワープ(フラーンデーレン地方アントウェルペン)郊外の小さな農村の外れに住む[[アルデンヌ|アルデネン]]地方出身の15歳の少年ネロ(Nello)<ref>製作会社が[[平田ファンタジー]]の本ではネルロと表記されてある。なお Nello は[[愛称]]で、本名は[[ニコラス|ニコラースあるいはニコラ]](蘭:Nicolaas, Nicolaes 、英・仏:Nicolas)。作中では血色良く豊かな髪の黒目がちな美しい少年(a little rosy, fairly hair, dark-eyed child)と描写されている</ref>は、正直な寝たきりの祖父イェーハン・ダース老人(Jehan Daas)、忠実な老犬パトラッシュ(Patrasche<ref>オランダ語での発音は「パトラスヘ」</ref> 、黄色の毛並み、立ち耳の大型犬)との3人暮らし。ネロは貧しいミルク運搬業で糊口をしのぎながらも、いつか画家になることを夢見ており、アントワープの中央の大聖堂の二つの祭壇画を見たいと心に望んでいた。それはアントワープはもとよりベルギーが世界に誇るルーベンスの筆によるもので、見るためには高価な観覧料を必要とするため、貧しいネロには叶わぬものとなっていた。
 
ネロの唯一の親友は[[風車]]小屋の一人娘である12歳の少女・'''アロア(Alois)<ref>アロアの姓コジェ(Cogez)は北部フランス系の出自を示す(同音異形:Cogé, Coger, Coget 。ある種の魚にちなむあだ名、もしくは舟を意味するオランダ系の姓コヘ(Cogge)から。参考:[http://pagesperso-orange.fr/gm.beghin/etymologie.htm Origines principales : Nord / Pas-de-Calais, Vendée - ÉTYMOLOGIE DES PATRONYMES] 、[http://www.geneanet.org/nom-de-famille/index.php3?lang=fr&lexique=m%25C3%25A9tonymie&nom=Batelier Nom de famille Batelier - GeneaNet])が、[[フランス語]]で [[:fr:Alois|Alois]] といえばドイツ系の男性名[[アロイス|アーロイス]]であって、アロアという女性名として用いられることは通例無い。しかし、フランス語化したアロイース([[:fr:Aloïs|Aloïs]])もしくはアロイーズ([[:fr:Aloïse|Aloïse]])ならば男女両性の名として用いられることはある(語形上、後者の方が女性的な印象が強い)。現に、1999年の実写映画版での彼女の名はアロイーズ(Aloise)である。また、1997年のアニメ映画版の英語吹き替えでは、アロア、コゼツなど人名の幾つかが日本語版に準拠した発音になっている。</ref>'''であったが、アロアの父であるバース・コジェ(Baas Cogez)ゼツは家柄の低いネロのことを快く思わず、遠ざけようとする。さらに冬になったある日、ネロは新しく街から通いはじめたミルク買い取り業者に仕事を奪われた上、風車小屋の外縁部と穀物倉庫を全焼する火事(風車と居住区は無事)の放火犯の濡れ衣着せられた上、新しく街から通い始めた牛乳買い取り業者に仕事を奪われ、そして[[クリスマス]]を数日後に控えた日に優しかった祖父亡くなり、楽しいはずのクリスマスの前日に家賃を滞納していた小屋からも追い出されることになってしまった。
 
クリスマス前日は、街で開かれている絵画コンクールの結果発表日でもあった。倒木に腰掛ける木こりのミシェル老人(Michel)を白墨で描いた渾身の力作で応募していたネロは、優勝すればきっと皆に認めてもらえるようになるとコンクールに全ての望みを賭けていたが、結果は落選だった。
 
傷心のネロは厳しい吹雪の中、村へ向かう道でパトラッシュが見けた財布を持ち主の風車小屋に届けるが、それは風車小屋一家の全財産であった。ネロはパトラッシュを一家に託すと再び雪夜の闇の中に飛び出して行ってしまう。財布が見つからずに絶望して帰宅したバース・コジェ今までネロに向けて行ってきた数々のひどい仕打ちを悔やみ、翌日ネロの身元を引き受けに行くと決心する{{Efn|一家はネロが無宿であるになった事実を知らなかった。}}。さらに翌日には、コンクールでネロの才能を認めた著名な画家が彼を引き取って養育しようとやって来た。だが、何もかもが既に手遅れだった。
 
だが、何もかもが手遅れだった。全て大事な未来失っ無くしたことで自分の生にも絶望したネロは極寒の吹雪によってその命を奪われ続ける中、最期の力を振り絞って大聖堂へ向かい、パトラッシュもネロを追って風車小屋から大聖堂へ駆けつける。するとこの時、雲間から射した一筋の月光が祭壇画を照らし出し、ネロの念願は果たされるとともにネロは神に感謝の祈りを捧げた。かくてクリスマスを迎えた翌朝、アントワープ大聖堂(聖母大聖堂)([[:nl:Onze-Lieve-Vrouwekathedraal (Antwerpen)|Onze-Lieve-Vrouwekathedraal]])に飾られた憧れのルーベンスの絵の前で愛犬を固く抱きしめたまま共に冷たくなっ凍死している少年が発見される。両者は誰の手でも引きはがす事が出来ず、村人たちは悔いつつも教会の特別はかな計らいの下に犬と共に少年を共に祖父の墓に葬ったのだった。
 
== 各国での評価登場人物 ==
; ネロ(Nello)
*『フランダースの犬』は[[ベルギー]]でも出版されているがあまり有名ではなく、日本での評価とは対照的に地元での評価はさほど高くはない<ref>[http://www.excite.co.jp/News/bit/00091178537634.html フランダースの犬は地元では不人気?] - エキサイトニュース 2007年5月10日</ref>。2007年には、ベルギー人監督により、なぜベルギーでは無名の物語が日本で非常に有名になったかを検証するドキュメンタリー映画(''A Dog of Flanders -made in Japan-'' A Documentary by Didier Volckaert & An van. Dienderen)が制作され、不人気である理由について「(ヨーロッパの価値観では)物語は「負け犬の死」としか映らない」という説を監督が述べている<ref>[http://web.archive.org/web/20080117005409/http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20071225i302.htm 「フランダースの犬」日本人だけ共感…ベルギーで検証映画] - [[読売新聞|YOMIURI ONLINE]] 2007年12月25日([[インターネット・アーカイブ]]のキャッシュ)</ref>。
: 主人公。Nello は[[人名の短縮形|愛称]]で、本名は[[ニコラス|ニコラース]](二コラとも表記、蘭:Nicolaas, Nicolaes 、英・仏:Nicolas)。15歳。
*[[司馬遼太郎]]は『[[街道をゆく]]』の『オランダ紀行』の中で本作について触れ、「[[19世紀]]末頃から年少者に自立をうながす気分が出てきた、その中で『十五にもなってただうちひしがれて死んでいくとはなにごとか、なぜ雄々しく自分の人生を切り開こうとしなかったか』という批判が強くなった」「貧しい子どもが死ぬ物語は当時珍しいものではなかった」という[[大阪府立国際児童文学館]]の研究員の見解を引用して、現地では無名である理由を書いている。
: 作中では血色良く豊かな髪の黒目がちな美しい少年 (a little rosy, fairly hair, dark-eyed child) と描写されている。新潮文庫版では、寒さが体力を著しく奪い、飢えと衰弱により死亡(68頁)。
*日本人観光客からの問い合わせが多かったこともあり[[1986年]]にホーボーケンにネロとパトラッシュの[[銅像]]が建てられた<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110004622749/ 日本人の『フランダースの犬』]</ref>。また、[[2003年]]には[[ノートルダム聖堂|アントワープ・ノートルダム大聖堂]]前の広場に記念碑が設置された。
; パトラッシュ (Patrasche)
*日本人観光客の多さに[[フランダースの犬 (アニメ)|本作のテレビアニメ]]の放映権をオランダの国営放送が獲得し放送したところ、80%を超える視聴率を持つ人気作品となった{{要出典|date=2009年7月}}。
: 黄色の毛並み、立ち耳の大型犬の{{仮リンク|ドラフトドッグ|en|Drafting dog}}で {{仮リンク|ドッグカート (荷車)|label=ドッグカート|en|Dogcart (dog-drawn)}}等を引っ張ったりする犬。
*[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で出版されている『フランダースの犬』は、「'''こんな結末では、主人公たちが可哀想過ぎる'''」という出版関係者の意向により<ref name="A">「[[トリビアの泉]]」より</ref>、[[ハッピーエンド]]を迎えるように改変が加えられている。具体的には「'''ネロとパトラッシュは聖堂で死なない'''」「'''ネロの父親が名乗り出る'''」などがある。
: {{See also|#パトラッシュの犬種}}
: ネロが2歳のころ、金物屋にこき使われたあげく捨てられていたところを、ジェバンと幼少のネロに保護され、以来飼育されている。新潮文庫版では、ネロの祖父・ジェハンが「自分といっしょに墓場で休むことになるだろう」(49頁)とネロの将来を心配する描写もあるほどの老犬で、老衰により死亡(68頁)。
; ジェバン・ダース老人 (Jehan Daas)
: ネロの祖父。娘の死亡を機に、幼かったネロを引き取る。
: 80歳のころ、孫のネロと共にパトラッシュを保護。足に戦傷を受けた帰還兵の傷痍軍人で、足を引きずるようにしか歩けず、さらに[[リウマチ]]を患っている。長い間の寝たきり状態の果てに、ネロがコンクールへ絵を出品したのち、クリスマスの1週間前に死亡。
; アロア (Alois){{Efn|アロアの姓コゼツ (Cogez) は北部[[フランス]]系の出自を示す(同音異形:Cogé, Coger, Coget 。ある種の魚にちなむあだ名、もしくは舟を意味する[[オランダ]]系の姓コヘ (Cogge) から<ref>[http://pagesperso-orange.fr/gm.beghin/etymologie.htm Origines principales:Nord / Pas-de-Calais, Vendée - ÉTYMOLOGIE DES PATRONYMES]</ref><ref>[http://www.geneanet.org/nom-de-famille/index.php3?lang=fr&lexique=m%25C3%25A9tonymie&nom=Batelier Nom de famille Batelier - GeneaNet]</ref>)が、[[フランス語]]で [[:fr:Alois|Alois]] といえばドイツ系の男性名[[アロイス|アーロイス]]であって、アロアという女性名として用いられることは通例ない。しかし、フランス語化したアロイース ([[:fr:Aloïs|Aloïs]]) もしくはアロイーズ ([[:fr:Aloïse|Aloïse]]) ならば男女両性の名として用いられることはある(語形上、後者の方が女性的な印象が強い)。1999年の実写映画版ではアロイーズ (Aloise) だが、1997年のアニメ映画版の英語吹き替えでは、「アロア」や「コゼツ」など人名が日本語版に準拠した発音になっている。}}
: ネロの幼馴染の少女。12歳。
; バース・コゼツ (Baas Cogez)
: アロアの父。
: コゼツがネロを嫌っているのは、「(未だに)画家になろうなどと馬鹿げた夢ばかり見ている乞食」{{Efn|作中においても、当時[[フランダース]]地方では[[ピーテル・パウル・ルーベンス|ルーベンス]]の偉業が広く知れ渡り、[[画業]]で身を立てることはルーベンスと肩を並べることと同義であることから、ネロのような貧乏で学もない者には不可能と思われていた。ネロの年齢も含めて、こうした背景に起因した発言である。|name="kirai"}}とネロを評しており、その一方で美男子でもあり<ref>新潮文庫版、21頁。</ref>、万が一、アロアと間違いを起こされては困るからとした<ref>新潮文庫版、35 - 36頁。</ref>。
; ミシェル老人 (Michel)
: ジェバンの知人である木こり。
: ネロがコンクールに出品した絵のモデル。
; 靴屋
: ネロの家の大家としてコゼツの家に週一で通う「欲の深い冷酷な金好き(新潮文庫55ページより引用)」の靴屋が登場している。この靴屋はジェハンの葬儀の翌日に家賃を滞納したネロから家財道具一切を取り上げて追い出すなど、情のない人物である。
: [[テレビアニメ]]「[[世界名作劇場]]」版([[1975年]])では、オリジナルキャラクターのハンスがこの役回りを負う。
 
== 派生作品海外での出版 ==
本作は、原作が出版された[[イギリス]]以外の各国でも出版されている。
=== アニメ ===
*{{和暦|1975}}[[1月5日]]から同年[[12月28日]]までに[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系列の『[[世界名作劇場]]』枠で放送された。詳細は「[[フランダースの犬 (アニメ)]]」を参照。
*{{和暦|1976}}[[12月9日]]に、『[[まんが世界昔ばなし]]』枠で放送された。
*{{和暦|1992}}に、[[東京ムービー]]によってリメイクされ全24話が日本テレビ系列で放送された。詳細は「[[フランダースの犬 ぼくのパトラッシュ]]」を参照。
*{{和暦|1997}}に、日本アニメーションによってリメイクされ[[松竹]]配給により全国公開された。「世界名作劇場を劇場映画としてリメイクする」と銘打った。キャストはテレビ版とは異なる。
 
=== 実写映画版日本 ===
初の[[日本語]]訳は、[[明治]]期に刊行された『フランダースの犬』(内外出版協会、[[1908年]]、訳:[[日高善一]])とされる。この日高善一版は、西洋人の固有名詞が受容されにくいと考えられたためか、ネロは清(きよし)、パトラッシュは斑(ぶち)<ref>{{Cite book|和書 |author=フジテレビトリビア普及委員会 |year=2004 |title=トリビアの泉〜へぇの本〜 5 |publisher=講談社}}</ref>、アロアは綾子(あやこ)、ジョハン(ヨハン)・ダースは徳爺さん{{Sfn|佐藤宗子|1999|p=132}}、ステファン・キースリンガーは木蔦捨次郎(きつた・すてじろう)などと改変された。
アメリカで過去4度ほど実写化された。なお、香港映画「フランダースの犬」はウィーダ原作ではない。
 
小説としての長さは短編ともいえ、文庫本などで出版される場合は著者・[[ウィーダ]]の他作品と併録されることもある。特に[[昭和]]期以降、名作集や子ども向けの再話など、絵本も含めて多くの出版社から出版されている。出版年順に以下の通り。
*[[1914年]]版 - 監督:ハウエル・ハンセル、主演:マーガレット・スノー
* 訳者:日高善一(名義:日高柿軒)
*[[1935年]]版 - 監督:シャルル・スローマン、主演:フランキー・トーマス
** 『フランダースの犬』<ref>[{{国立国会図書館デジタルコレクション|875928}} フランダースの犬 - 国立国会図書館デジタルコレクション]</ref> - 内外出版協会、1908年11月
*[[1960年]]版 - 監督:ジェームズ・B・クラーク、主演:デイヴィッド・ラッド、配給:[[20世紀FOX]]
*** 原作者名を「ウイダ(本名:ルイス、デ、ラ、レミイ)」と記載。
*[[1999年]]版 - 監督:ケビン・ブロディ、主演:ジェレミー・ジェームズ・キスナー、製作:[[ワーナー・ブラザーズ]]、配給:[[ギャガ・コミュニケーションズ]]
* 訳者:[[菊池寛]]
アメリカでは[[#各国での評価|上述]]の通り、原作が「ネロは大聖堂で救われるハッピーエンド」と改訂されているため、いずれの映画にも死亡シーンは無い。ただし、日本公開版ではネロとパトラッシュは原作通り死んでしまう。また、1999年版ではパトラッシュ役にブーヴィエ・デ・フランドル種の犬(後述)が使われた事も話題となった。
** 『小学生全集 26 [[黒馬物語]]・フランダースの犬』 - 興文社・[[文芸春秋社]]、[[1929年]]5月、<ref>{{Cite web |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/1717289 |title=黒馬物語・フランダースの犬 (小学生全集 ; 26) |access-date=2025-03-13 |year=1929 |publisher=© 2011- National Diet Library. |website=国立国会図書館デジタルコレクション}}</ref><ref name=":0">{{Cite web |url=https://www.library.pref.osaka.jp/site/jibunkan/furandasu3.html |title=【資料展示】フランダースの犬 ―ネロとパトラッシュのさまざまな姿― 展示資料一覧 |access-date=2025-03-13 |date=2019-07-05 |publisher=© 大阪府立図書館 |website=大阪府立図書館}}</ref>
*** 「[[青空文庫]]」掲載の菊池寛訳版の底本でもある<ref>{{青空文庫|001044|4880|新字新仮名|フランダースの犬}}</ref>。
* 訳者:[[関猛]]
** 『フランダースの犬』 - [[玉川学園]]出版部、[[1931年]]4月<ref>{{Cite web |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/1741935/ |title=フランダースの犬 (児童図書館叢書) |access-date=2025-03-13 |publisher=© 2011- National Diet Library. |year=1931 |month=4 |website=国立国会図書館デジタルコレクション}}</ref><ref name=":0" />
* 訳者:[[林芙美子]]
** 『フランダースの犬』 - [[新潮社]]、[[1950年]]7月<ref name=":0" />
* 訳者:[[堀寿子]]
** 『世界名作物語 28 フランダースの犬』 - 黎明社、[[1953年]]10月<ref name=":0" />
* 訳者:[[村岡花子]]
** 『[[新潮文庫]] 636 フランダースの犬』 - 新潮社、[[1954年]]4月、{{ISBN2|978-4102054017}}<ref>[https://1000ya.isis.ne.jp/0426.html 0426夜『フランダースの犬』ウィーダ] [[松岡正剛]]の千夜千冊</ref><ref name=":0" />
** 『世界名作童話全集 5 [[ふしぎの国のアリス]] / フランダースの犬』 - [[講談社]]、[[1962年]]10月<ref name=":0" />
** 『カラー版世界の幼年文学 22 フランダースの犬』 - [[偕成社]]、[[1968年]]9月<ref name=":0" />
* 訳者:[[畠中尚志]]
** 『[[岩波少年文庫]] 114 フランダースの犬』 - [[岩波書店]]、[[1957年]]8月<ref>{{Cite web |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/1631070 |title=フランダースの犬 (岩波少年文庫 ; 144) |access-date=2025-03-13 |publisher=© 2011- National Diet Library. |year=1957 |website=国立国会図書館デジタルコレクション}}</ref><ref name=":0" />
* 訳者:[[倉石龍太郎]]
** 『少年少女世界名作選集』 - 小出書房、[[1959年]]9月<ref>{{Cite web |url=https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000136-I1130282272261254656 |title=トム・ソーヤの冒険 . フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=© 2024- National Diet Library, Japan. |year=1959 |website=国立国会図書館サーチ}}</ref>
* 訳者:[[矢崎源九郎]]
** [[角川文庫]]、[[1961年]]1月 {{ISBN2|978-4042211013}}
* 訳者:[[前田三恵子]]
** 『旺文社ジュニア図書館4 フランダースの犬』 - [[旺文社]]、[[1967年]]12月<ref name=":0" />
* 訳者:[[岡上鈴江]]
** 『文研児童読書館 フランダースの犬』 - 文研出版、1970年
* 訳者:[[松村達雄 (英文学者)|松村達雄]]
** 玉川大学出版部、[[1976年]]8月
** 『国際児童版 世界の名作 4 フランダースの犬』 - [[講談社]]、[[1983年]]1月<ref name=":0" />
** 『[[講談社青い鳥文庫]] フランダースの犬』 - 講談社、[[1992年]]5月、{{ISBN2|9784061473621}}<ref>{{Cite web |url=https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000145289 |title=フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=©1997-2025 Kodansha Ltd. |website=講談社 BOOK 倶楽部}}</ref>
** 『講談社青い鳥文庫 フランダースの犬(新装版)』 - 講談社、[[2009年]]10月、 {{ISBN2|9784062851220}}<ref>{{Cite web |url=https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000209208 |title=フランダースの犬(新装版) |access-date=2025-03-13 |publisher=©1997-2025 Kodansha Ltd. |website=講談社 BOOK 俱楽部}}</ref><ref name=":0" />
* 訳者:[[榊原晃三]]
** 『子どものための世界文学の森12 フランダースの犬』 - [[集英社]]、[[1994年]]3月 {{ISBN2|978-4082740122}}<ref>{{Cite web |url=https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=4-08-274012-0 |title=子どものための 世界文学の森 (12)フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=©SHUEISHA inc. |website=集英社}}</ref>
* 訳者:[[野坂悦子]]
** 『岩波少年文庫 114 フランダースの犬』 - 岩波書店、[[2003年]]11月、{{ISBN2|978-4001141146}}<ref>{{Cite web |url=https://www.iwanami.co.jp/book/b269589.html |title=フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=© 2025 Iwanami Shoten, |website=岩波書店}}</ref><ref name=":0" />
* 訳者:[[雨沢泰]]
** 『[[偕成社文庫]] 3270 フランダースの犬 完訳版』 - [[偕成社]]、[[2011年]]4月、{{ISBN2|978-4036527007}}<ref>{{Cite web |url=https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784036527007 |title=偕成社文庫3270 フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=偕成社 |website=偕成社}}</ref><ref name=":0" />
* 訳者:高橋由美子
** 『[[ポプラポケット文庫]] 世界の名作46 フランダースの犬』 - [[ポプラ社]]、2011年11月、{{ISBN2| 978-4591126646}}<ref>{{Cite web |url=https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8031046.html |title=ポプラポケット文庫 世界の名作(46) (428−1)フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=© POPLAR Publishing Co.,Ltd |website=ポプラ社}}</ref>
* 訳者:和田今日子
** 『フランダースの犬』- [[ゴマブックス]]、[[2013年]]11月<ref>[http://www.goma-books.com/archives/9944 フランダースの犬 / ルイズ・ド・ラ・ラメー] GOMA BOOKS ゴマブックス</ref>
* 訳者:[[中村凪子]]
* 『[[角川つばさ文庫]] 新訳 フランダースの犬』- [[KADOKAWA]]、[[2014年]]11月、{{ISBN2|978-4046314536}}<ref name=":0" />
* 訳者:[[那須田淳]]
** 『10歳までに読みたい世界名作 フランダースの犬』- 横山洋子監修、[[学研ホールディングス|学研]]、[[2015年]]12月、{{ISBN2|978-4052043116}}<ref>{{Cite web |url=https://gakken-mall.jp/ec/pro/disp/1/1020431100 |title=10歳までに読みたい世界名作 フランダースの犬 |access-date=2025-03-13 |publisher=Gakken Mall |website=ショップ学研+}}</ref>
 
=== ベルギー ===
*[[スノープリンス 禁じられた恋のメロディ]]
本作の舞台となった[[ベルギー]]でも出版されているが、[[イギリス人]][[作家]]による[[イギリス文学]]であるため、あまり有名ではなく、地元での評価もさほど高くはない<ref name=":1">[https://www.excite.co.jp/news/article/00091178537634/ フランダースの犬は地元では不人気?] - エキサイトニュース 2007年5月10日</ref>。
:純粋な映画化ではないが、本作をモチーフにしており<ref>[http://www.snowprince.jp/news/index.html スノープリンス公式サイトのニュース]</ref><ref>[http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK200912130019.html 森本慎太郎初主演映画25カ国からオファー]([[Asahi.com|asahi.com]]、2009年12月13日)</ref>、ポスターでは「日本版『フランダースの犬』」とのキャッチコピーが使われた。舞台は昭和初期の日本で登場人物も日本人であり、登場する犬は[[秋田犬]]。
 
=== アメリカ合衆国 ===
== パトラッシュの犬種 ==
[[アメリカ合衆国]]でも出版されているが、[[ハッピーエンド]]を迎えるように「'''ネロが息を吹き返す'''」・「'''ネロの父親が名乗り出る'''」といった結末へと改変されている<ref name="trivia" />。
パトラッシュは原作では次のように描写されている。全体に黄色(yellow)もしくは褐色(tawn(e)y)の、がっしりとした立ち耳の大型犬である。
{{Quotation|{{Lang|en|Patrasche was a '''big Fleming'''.</br>(中略)</br>A dog of Flanders--'''yellow of hide, large of head and limb, with wolf-like ears that stood erect, and legs bowed and feet widened in the muscular''' development wrought in his breed by many generations of hard service.<br />(中略)<br />the green cart with the brass flagons of Teniers and Mieris and Van Tal, and the '''great tawny-colored, massive dog''', with his belled harness that chimed cheerily as he went,<br />(中略)<br />until the doors closed and the child perforce came forth again, and winding his arms about the dog's neck would kiss him on '''his broad, tawney-colored forehead''', and murmur always the same words: "If I could only see them, Patrasche!—if I could only see them!"<br />(中略)<br />and felt many and many a time the tears of a strange, nameless pain and joy, mingled together, fall hotly from the bright young eyes upon '''his own wrinkled yellow forehead'''.<br />(中略)<br />In answer, Patrasche crept closer yet, and laid his head upon the young boy's breast. The great tears stood in '''his brown, sad eyes''': not for himself—for himself he was happy.}}|<ref>[http://www.gutenberg.org/dirs/etext05/8dgfl10.txt 使用テキストサイト]</ref>}}
 
== モデル地と後世における影響 ==
東京ムービー版アニメ・実写映画版・ホーボーケンに建てられた銅像には、フランドル原産の[[:nl:Vlaamse koehond|ブーヴィエ・デ・フランドル]]という黒い毛むくじゃらの犬がモデルとして採用されている<ref>[[トリビアの泉]]2003年09月10日放送</ref>。 さらに[[トリビアの泉]]によれば、原作のパトラッシュは、この犬種であるとしている<ref name="A"/>。
[[File:Nello en Patrasche, Antwerp, Belgium.JPG|thumb|[[アントウェルペン]]ホーボーケンのカペル通りにあるネロとパトラッシュの像([https://www.google.com/maps/@51.1754838,4.3499893,3a,75y,166.79h,74.35t/data=!3m6!1e1!3m4!1ssYvoTPrJPZRsb79ap5q2SA!2e0!7i13312!8i6656 googleストリートビュー])]][[File:A Dog of Flanders (35123639363).jpg|thumb|新しい石像]]
[[イギリス文学]]である本作は、舞台となった[[ベルギー]]でも出版されているものの、知名度は低く<ref name=":12">[https://www.excite.co.jp/news/article/00091178537634/ フランダースの犬は地元では不人気?] - エキサイトニュース 2007年5月10日</ref>、[[2007年]]には、[[ベルギー人]]監督により「なぜベルギーでは無名の物語が日本で非常に有名になったか」を検証するドキュメンタリー映画 (''A Dog of Flanders -made in Japan-'' A Documentary by [[フランダースの犬#ディディエ・ヴォルカールト|Didier Volckaert]] & [[フランダースの犬#アン・ヴァン・ディーンデレン|An van. Dienderen]]) が制作されている。
 
また、主人公・ネロの住む村のモデル地については、[[1985年]]、舞台となった[[ベルギー]]の[[アントウェルペン]]市観光局のヤン・コルテールによって、著者である[[ウィーダ]]が、執筆の前年にアントウェルペン周辺を旅行で訪れており、隣村のホーボケン (Hoboken) がモデルと考えられる。寒村のこの村には、当時の領主・[[オラニエ=ナッサウ家|オラニエ公ウィレム]]の風車小屋が存在しており、領主にはアロアのモデルと思しき12歳の娘がいたことや、ネロが葬られた[[教会]]も現存することが確認された{{Efn|1985年([[昭和]]60年)3月22日、『[[朝日新聞]]』夕刊にて、風車小屋の写真とともに報道された。}}。
世界名作劇場版アニメでは、立ち耳の白い斑犬に改変されている。
 
このモデルとされた現地では、[[日本]]における[[世界名作劇場]]版([[1975年]])人気による[[日本人]]観光客からの問い合わせが多く、[[1986年]]には、ホーボケン{{Efn|{{ウィキ座標|51|10|31.656|N|4|21|0.198|E|scale:10000|ネロとパトラッシュの銅像}}は、カペル通りの歩道に設置されている。}}にネロとパトラッシュの銅像が建てられた<ref>{{Cite journal|和書|author=[[井上英明]]|date=2005-03-25|title=日本人の『フランダースの犬』|journal=明星大学研究紀要|volume=13|issue=|pages=|publisher=[[明星大学 ]]|naid=110004622749}}</ref>。更に、[[2003年]]には、作中にも登場する[[聖母大聖堂 (アントウェルペン)|聖母大聖堂]]前の広場にて、日本とアントウェルペンとの友好の象徴として、[[トヨタ]]から寄贈された記念碑も設置していた。しかし、碑文が[[日本語]]表記であり、本作の知名度の低さからも地元民からの関心は寄せられず、腰掛けとして使われていたという。なお、現在は撤去されており、中国資本から寄贈された石像に置き換わっている<ref>[https://web.archive.org/web/20150719012055/https://news.livedoor.com/article/detail/10342693/ 「フランダースの犬」舞台となった聖地の惨状 出演者も呆れた声]ライブドアニュース 2015年7月13日</ref><ref>{{Cite web|和書 |url=https://mainichi.jp/articles/20190419/k00/00m/030/272000c |title=フランダースの人々が知らない「フランダースの犬」 |website=[[毎日新聞]] |publisher=[[毎日新聞社]] |accessdate=2022-07-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20190420031803/https://mainichi.jp/articles/20190419/k00/00m/030/272000c |archivedate=2019-04-20}}</ref>。
また「皺だらけの(wrinkled)黄色い額」などの表現から、同地方原産の、現在の[[ベルジアン・シェパード・ドッグ]]、特にその中の[[ベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノア|マリノア]]に近い犬種と言う説もある。この作品が執筆された当時は、まだ犬種として完全に固定されていなかったが、同地方では一般に使役目的で同様の犬が飼われていた。ただし、ブーヴィエ・デ・フランドル種にも明るい褐色の毛並みを持つ個体が存在する為、一概に断じることはできない。
 
<gallery>
==パトラッシュの犬種==
原文におけるパトラッシュの描写は以下の通りである。容貌は、全体に黄色 (yellow) もしくは褐色 (tawn (e) y) で、「一体に頭も四本の脚も大きく、耳は狼のようにぴんと立っていて、何代も何代も親ゆずりの荒い労働で鍛え上げたがっしりしたその足は、何れも外側にひらいてふんばっていて、見るからに異常な筋肉の発達を示しています」<ref>[https://www.aozora.gr.jp/cards/001044/files/4880_13769.html 青空文庫]から引用。原文では『A dog of Flanders--yellow of hide, large of head and limb, with wolf- like ears that stood erect, and legs bowed and feet widened in the muscular development wrought in his breed by many generations of hard service.』[http://www.classicreader.com/book/1373/1/ classicreader.com]から引用。</ref>と描写される。
{{Quotation|{{Lang|en|Patrasche was a '''big Fleming'''.(中略)A dog of Flanders--'''yellow of hide, large of head and limb, with wolf-like ears that stood erect, and legs bowed and feet widened in the muscular''' development wrought in his breed by many generations of hard service.<br />(中略)<br />the green cart with the brass flagons of Teniers and Mieris and Van Tal, and the '''great tawny-colored, massive dog''', with his belled harness that chimed cheerily as he went,<br />(中略)<br />until the doors closed and the child perforce came forth again, and winding his arms about the dog's neck would kiss him on '''his broad, tawney-colored forehead''', and murmur always the same words:"If I could only see them, Patrasche!—if I could only see them!"<br />(中略)<br />and felt many and many a time the tears of a strange, nameless pain and joy, mingled together, fall hotly from the bright young eyes upon '''his own wrinkled yellow forehead'''.<br />(中略)<br />In answer, Patrasche crept closer yet, and laid his head upon the young boy's breast. The great tears stood in '''his brown, sad eyes''':not for himself—for himself he was happy.}}|<ref>{{wayback|url=http://www.gutenberg.org/dirs/etext05/8dgfl10.txt |title=使用テキストサイト |date=20090926151743}}</ref>}}
 
映像化されるにあたり、[[アメリカ合衆国]]で製作された実写映画・東京ムービー版([[1992年]])およびに、ホーボケンに建てられていた銅像は、フランドル原産の{{仮リンク|ブーヴィエ・デ・フランドル|nl|Vlaamse koehond|en|Bouvier des Flandres}}を採用している。黒い毛むくじゃらが特徴的であり、原作のパトラッシュもこの犬種であると考えられる<ref name="trivia">{{Cite book|和書 |author=フジテレビトリビア普及委員会 |year=2003 |title=トリビアの泉〜へぇの本〜 4 |publisher=講談社}}</ref>。ただし、この種にも明るい褐色の毛並みを持つ個体も存在する。
 
また、この他の説に、本作執筆当時に犬種として完全に固定されていなかったが、同地方の一般的な使役目的で飼育される犬種として、「皺だらけの (wrinkled) 黄色い額」などの表現にも注目すると、同地方原産の[[ベルジアン・シェパード・ドッグ]]の中でも特に[[ベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノア|マリノア]]に近い犬種も挙げられる。
 
なお、[[日本]]において、本作を印象付けたであろう[[世界名作劇場]]版([[1975年]])では、立ち耳の白い斑犬に改変されており、原作である本作の描写とは異なる。{{See also|フランダースの犬 (アニメ)#主要キャラクター}}<gallery>
image:Nello & Patrasche.JPG|原書の挿絵
image:Bouvier.JPG|ブーヴィエ・デ・フランドル
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</gallery>
 
== 物語研究・関連書籍 ==
== 脚註 ==
 
* {{Cite journal|和書|author=[[佐藤宗子]] |url=https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900024587/ |volume=47 |title=結末の意味 :『フランダースの犬』の再話にみる |page=1-12 |journal=千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 |publisher=[[千葉大学]]教育学部 |date=1999-02-28 |ref={{harvid|佐藤宗子|1999}}}}
* 『フランダースの犬:その愛と涙―ネロとパトラッシュが歩いたアントワープとホーボーケン村』「フランダースの犬」を愛する会編、[[JTBパブリッシング]]、 2004年1月。
* {{Cite journal|和書|author=[[井上英明]] |url=https://meisei.repo.nii.ac.jp/records/1168 |issue=13 |title=日本人の『フランダースの犬』|page=73-84 |journal=明星大学研究紀要. 日本文化学部・言語文化学科 |publisher=[[明星大学]] |date=2005-03-25}}
* 『誰がネロとパトラッシュを殺すのか:日本人が知らないフランダースの犬』{{Vanc|ディディエ・ヴォルカールト}}、{{Vanc|アン・ヴァン・ディーンデレン}}編著・[[塩崎香織]]訳、岩波書店、2015年11月26日。<ref>[https://www.iwanami.co.jp/book/b264616.html 内容・目次・著者略歴] 岩波書店. 2024年4月26日閲覧。</ref>
* {{Cite journal|和書|author=[[井川恵理]] |url=https://ohka.repo.nii.ac.jp/records/144 |issue=10 |title=ネロとパトラッシュー「フランダースの犬」における二つのベルギーの融合 |page=131-140 |journal=桜花学園大学学芸学部研究紀要 |publisher=[[桜花学園大学]]学芸学部 |date=2019-02-28 |ref=harv}}
 
== 映画 ==
[[アメリカ合衆国]]にて、過去に5度の実写映画化。アメリカ出版の書籍では、ネロが大聖堂で救われるハッピーエンドへと改変されていることから、映画化にあたって、いずれも死亡する結末ではないが、日本公開版で原作通り死亡する。また、[[1999年]]版では、パトラッシュ役にブーヴィエ・デ・フランドル種(前述の「[[#パトラッシュの犬種]]」を参照)が使われたことも話題となった。
* 『フランダースの犬』 - [[1914年]]、監督:ハウエル・ハンセル
* 『フランダースの少年』 - [[1924年]]、監督:ヴィクター・シャーツィンガー
* 『フランダースの犬』 - [[1935年]]、監督:エドワード・スローマン
* 『フランダースの犬』 - [[1960年]]、監督:ジェームズ・B・クラーク、配給:[[20世紀FOX]]
* 『[[フランダースの犬 (アニメ)#劇場映画版|THE DOG OF FLANDERS 劇場版 フランダースの犬]]』 - [[1997年]]、監督:[[黒田昌郎]]、制作:[[日本アニメーション]]、配給:[[松竹]]
** 『[[フランダースの犬 (アニメ)|フランダースの犬]]』 ([[1975年]]版)のリメイクとして映画化。
* 『フランダースの犬』 - [[1999年]]、監督:[[ケビン・ブロディ]]、製作:[[ワーナー・ブラザース]]、配給:[[ギャガ・コミュニケーションズ]]
 
== アニメ・漫画 ==
=== テレビアニメ ===
* 『[[フランダースの犬 (アニメ)|フランダースの犬]]』 - 制作:[[ズイヨー]](20話まで)・日本アニメーション(21話以降)、1975年放送
* 『[[まんが世界昔ばなし]]』
** [[1976年]]12月9日放送、第10話「フランダースのいぬ」。
* 『[[フランダースの犬 ぼくのパトラッシュ]]』 - 制作:[[東京ムービー]]、[[1992年]]放送
 
=== 漫画 ===
*『フランダースの犬』 - [[原田千代子]]、ユニコン出版、[[世界名作コミック]]、[[1976年]]
 
== パロディ・オマージュ ==
* [[テレビアニメ]]『[[元祖天才バカボン]]』
** [[1977年]]9月5日放送、第100話「フラダンスの犬なのだ」。
* テレビアニメ『[[クレヨンしんちゃん (アニメ)|クレヨンしんちゃん]]』
** [[1996年]]5月17日、第187話「世界迷作?フラダンスの犬だゾ」。
*[[映画]]『[[スノープリンス 禁じられた恋のメロディ]]』 - [[2009年]]、監督:[[松岡錠司]]、制作:セディックインターナショナル、配給:[[松竹]]
**本作から着想を得たオマージュ・モチーフとして、[[日本]]で制作<ref>[http://www.snowprince.jp/news/index.html スノープリンス公式サイトのニュース]{{リンク切れ|date=2019年6月}}</ref><ref>{{Cite news |url=https://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/news/p-et-tp1-20091213-575374.html |title=森本慎太郎初主演映画25カ国からオファー |newspaper=nikkansports.com |publisher=日刊スポーツ新聞社 |date=2009-12-13 |accessdate=2019-06-08}}</ref>。[[昭和]]初期の日本を舞台とする日本人の物語であり、登場する犬は[[秋田犬]]。
**ポスターのキャッチコピーは、「日本版『'''フランダースの犬'''』」。
*[[漫画]]『[[ネロ〜Noir〜]]』 - [[宮脇明子]]、[[Bbmfマガジン]]、[[2012年]]、ISBN 978-4766335781
** 原作の結末から生存・成長したネロが自分らを死に追いつめた人物らに復讐する。全1巻。番外編と読切作品あり。
*テレビアニメ『[[超ゼンマイロボ パトラッシュ]]』 - 2013年~2014年。
**日本アニメーションによるセルフパロディ。[[東京メトロポリタンテレビジョン|TOKYO MX]]、[[アニマックス]]で放送。
*映画『[[天才バカヴォン〜蘇るフランダースの犬〜]]』 - 2015年
**[[ディー・エル・イー|DLE]]の[[FROGMAN]]による[[天才バカボン]]と[[世界名作劇場]]のキャラを使ったアニメ映画。東映配給により全国公開。
 
== 関連項目 ==
* [[アントウェルペン]] - 本作の舞台となった[[ベルギー]]の都市。英語では「'''アントワープ'''」と発音される。
** [[聖母大聖堂 (アントウェルペン)]] - 作中に登場した実在の大聖堂。
* [[ピーテル・パウル・ルーベンス]] - 作中でネロが憧れた実在する[[フランス人]][[画家]]。
** [[聖母被昇天 (ルーベンス)]] - 上記の聖母大聖堂に所蔵される絵画。作中でも登場人物が祈りを捧げる。
** [[キリスト降架]] - 作中でネロが見たがった絵画。上記と同様にルーベンスの作。
** [[キリスト昇架]] - 作中でネロが見たがった絵画。上記と同様にルーベンスの作。
 
* {{要出典範囲|香港映画『フランダースの犬』はウィーダ原作ではなく|date=2012年1月}}<!-- 2006/8(UTC)からずっと放置されてますけど、そんな香港映画ありますか?それが原題なのか簡体字向けタイトル(だとしたら弗兰德斯的狗?)なのか海外のどこかでのタイトルなのかわかりませんが、imdbみてもhttp://movie.douban.com/みてもその他いくつかみてもそれっぽいの全然見つけられなかったんですけど。ありえないとまではいわないけど、あるとしても日本のTVアニメよりは時期が後だと思うので、探してそんな見つからないとかあんまり思えないんですけど。それとも実験系短編とかそんな範囲?あるならどの作品かせめて明示を(いつの誰の作品)。ちなみに、個人的には香港でも上映された『ほえる犬は噛まない』(2001年、韓国)との勘違いを大いに疑ってます -->、『[[ほえる犬は噛まない]]』(2001年、韓国)は原題が『フランダースの犬』の意であるが、本作からタイトルだけ取ったものでウィーダ原作ではなく内容も全く関係ない。
 
==脚註==
===注釈===
<references group="注釈"/>
===出典===
<references />
 
== 外部リンク参考文献 ==
*[http://www.gutenberg.org/etext/7766 Project Gutenberg eBook]
*[http://www.aozora.gr.jp/cards/001044/card4880.html 『フランダースの犬』菊池 寛訳:新字新仮名]([[青空文庫]])
*[http://www.patrasche.net/nello/ PATRASCHE.NET]
*[http://opac.ndl.go.jp/Redirect_to_Kindai?tpl_wid=WBPL110&tpl_wish_page_no=1&tpl_select_row_no=1&tpl_hit_num=1&tpl_bef_keyword=&tpl_action=&tpl_search_kind=1&tpl_keyword=&tpl_s_title=&tpl_s_title_mode=BI&tpl_s_title_oper=AND&tpl_s_author=&tpl_s_author_mode=BI&tpl_s_author_oper=AND&tpl_s_published_place=&tpl_s_published_place_mode=ZI&tpl_s_published_place_oper=AND&tpl_s_publisher=&tpl_s_publisher_mode=ZI&tpl_s_publisher_oper=AND&tpl_s_nengou=AD&tpl_s_published_year_from=&tpl_s_published_year_to=&tpl_s_ndc=&tpl_s_ndc_mode=ZI&tpl_s_heading=&tpl_s_heading_mode=ZI&tpl_s_heading_oper=AND&tpl_s_jp_num=41002991&tpl_s_toc=&tpl_s_toc_oper=AND&tpl_item_oper=AND&tpl_sort_key=TITLE&tpl_sort_order=ASC&tpl_list_num=20&tpl_end_of_data= 『フランダースの犬』ウイダ(ルイス・デ・レミイ)著,日高善一(柿軒)訳,内外出版協会,{{和暦|1908}}11月]([[近代デジタルライブラリー]])
*[http://www.dogfan.jp/zukan/herding/Bouvier_des_Flandres/index.html ワールドドッグ図鑑 ブービエ・デ・フランダース]
*[http://www.animal-planet.jp/dogguide/directory/dir03300.html アニマルプラネット 犬種図鑑 ブーヴィエ・デ・フランドル]
*[http://www.visitflanders.jp/ ベルギー・フランダース政府観光局]
*[http://www.a-dog-of-Flanders.org/ 《フランダースの犬》情報センター]
 
* {{Cite journal|和書|author=[[井上英明]] |url=https://meisei.repo.nii.ac.jp/records/1168 |issue=13 |title=日本人の『フランダースの犬』|page=73-84 |journal=明星大学研究紀要. 日本文化学部・言語文化学科 |publisher=[[明星大学]] |date=2005-03-25}}
{{DEFAULTSORT:ふらんたすのいぬ}}
* {{Cite journal|和書|author=[[佐藤宗子]] |url=https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900024587/ |volume=47 |title=結末の意味 :『フランダースの犬』の再話にみる |page=1-12 |journal=千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 |publisher=[[千葉大学]]教育学部 |date=1999-02-28 |ref={{harvid|佐藤宗子|1999}}}}
 
==外部リンク==
* [https://www.gutenberg.org/ebooks/7766 Project Gutenberg eBook] {{en icon}} 
* [https://www.aozora.gr.jp/cards/001044/files/4880_13769.html フランダースの犬] - [[青空文庫]]掲載の[[翻訳]]版。訳:[[菊池寛]]。
* [https://www.aozora.gr.jp/cards/001044/files/57302_56650.html フランダースの犬] - 青空文庫掲載の翻訳版。訳:荒木光二郎。
* [http://www.patrasche.net/nello/ PATRASCHE.NET]{{リンク切れ|date=2024年4月}}
* [https://dogfan.jp/zukan/herding/Bouvier_des_Flandres/ ワールドドッグ図鑑 ブービェ・デ・フランダース]
* [https://archive.md/ckH79 アニマルプラネット 犬種図鑑 ブーヴィエ・デ・フランドル]
* [https://www.visitflanders.com/en ベルギー・フランダース政府観光局]{{リンク切れ|date=2025年3月}}{{en icon}}
* [http://www.a-dog-of-Flanders.org/ 《フランダースの犬》情報センター]{{リンク切れ|date=2025年3月}}
 
{{DEFAULTSORT:ふらんたあすのいぬ}}
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[[it:A Dog of Flanders]]
[[nl:Een hond van Vlaanderen]]
[[ru:Фландрийский пес]]
[[zh:弗兰德斯的狗]]