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m category:有毒植物
 
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{{Otheruseslist|'''[[ウリ科]]の[[植物]]'''|[[ヒルガオ科]]の植物|ヨルガオ}}
'''ユウガオ'''
*[[ウリ科]]の植物(学名:''Lagenaria siceraria'' var. ''hispida'')。本項で詳述。
*[[ヒルガオ科]]の植物、[[ヨルガオ]](学名:''Ipomoea alba'')の別名(俗称)。
 
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{{生物分類表
|名称 = ユウガオ
|色 = lightgreen
|画像 = [[画像:Yougao.jpg|220px]]
|画像キャプション = ユウガオの果実
|界 = [[植物界]] [[:w:Plantae{{Sname||Plantae]]}}
|門階級なし = [[被子植物]] [[:w:Magnoliophyta{{Sname|Magnoliophyta]]|angiosperms}}
|綱階級なし = [[真正双子葉植物綱]] [[:w:Magnoliopsida{{Sname|Magnoliopsida]]|eudicots}}
|目 = [[スミレウリ目]] [[:w:Violales{{Sname|Violales]]|Cucurbitales}}
|科 = [[ウリ科]] [[:w:Cucurbitaceae{{Sname||Cucurbitaceae]]}}
|属 = [[ユウガオ属]] ''[[:w:Lagenaria{{Snamei||Lagenaria]]''}}
|種 = ''L. siceraria''
|変種 = '''ユウガオ''' ''L. siceraria'' var. ''hispida''
|学名 = {{Snamei||Lagenaria siceraria}} ({{AU|Molina}}) {{AU|Standl.}} var. {{Snamei|hispida}} ({{AU|Thunb.}}) {{AU|H.Hara}} {{small|([[1948年|1948]])}}<ref name="YList">{{YList|id=6836|taxon=Lagenaria siceraria (Molina) Standl. var. hispida (Thunb.) H.Hara ユウガオ(標準)|accessdate=2023-07-29}}</ref>
|学名 = ''Lagenaria siceraria'' var. ''hispida''
|シノニム =
* {{Snamei|Lagenaria leucantha}} ({{AU|Duchesne}}) {{AU|Rusby}} var. {{Snamei|hispida}} ({{AU|Thunb.}}) {{AU|Nakai}} {{small|([[1942年|1942]])}}<ref name="YList_47958">{{YList|id=47958|taxon=Lagenaria leucantha (Duchesne) Rusby var. hispida (Thunb.) Nakai ユウガオ(シノニム)|accessdate=2023-07-29}}</ref>
|和名 = ユウガオ(夕顔)
|英名 = bottle gourd{{sfn|講談社編|2013|p=101}}<br />(ヒョウタンの訳語でもある)calabash cucumber{{sfn|講談社編|2013|p=101}}
}}
'''ユウガオ'''(夕顔、学名:''Lagenaria siceraria'' var. ''hispida'')は、[[ウリ科]][[ユウガオ属]]の植物で、蔓性[[一年生植物|一年草]]。[[果実|実]]の形によって細長くなった「ナガユウガオ」と、丸みを帯びた[[球|球状]]の「マルユウガオ」とに大別する<ref name="syo">{{Cite web|和書|url=http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/223891/m0u/%E3%83%A6%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%82%AA/|title=ゆうがお〔ゆふがほ〕(夕顔):デジタル大辞泉|publisher=小学館|accessdate=2015-01-10}}</ref>。
 
== 名称 ==
[[和名]]「ユウガオ」の由来は、[[夏]]の[[夕|夕方]]に開いた白い[[花]]が翌日の[[午前中]]にしぼんでしまうことからに由来する<ref name="iwaki">{{Cite web|和書|url= http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000000754/simple/yuugao.pdf |title=ユウガオ |publisher=いわき市 |accessdate=2019-10-19}}</ref>。[[アサガオ]]・[[ヒルガオ]]・[[ヨルガオ]]に対して命名された名であるが、アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオはいずれも[[ヒルガオ科]]の植物であり、ウリ科のユウガオとは直接の類縁関係はない。ヨルガオがユウガオと呼ばれる事もある。[[白花夕顔]]はウリ科ユウガオではなくヒルガオ科ヨルガオのことである。
 
== 特徴 ==
原産地は[[北アフリカ]]または[[インド]]、古くから[[日本]]でも栽培されていたとされるが、何時どの様に伝来したかは分かっていない<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0804/03.html|title=かんぴょうはどのように作るのですか。:消費者相談 - 平成20年4月|publisher=農林水産省|accessdate=2015-01-10}}</ref>。
 
大きな[[果実]]を実らせることが特徴。果実は長楕円形、洋なし形、球形がある{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。同じく大きな実を実らせるウリ科の植物に[[ヒョウタン]]があるが、ヒョウタンとユウガオは同一種であり、ヒョウタンが[[インド]]に伝わって栽培されるうち、苦味の少ない品種が食用のものとして分化、選別されたと考えられている。現在では栽培は廃食用にさてい傾向にあり果実は、[[新潟県]]や[[栃木県ウリ]]特有の香りがあり、[[山梨県トウガン]]に近い風味がある{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。天日で乾燥させた[[富士北麓かんぴょう]]地域)は、ほのかどで栽培甘み行われてい{{sfn|講談社編|2013|p=101}}
 
『[[源氏物語]]』をはじめ古くから説話や民間伝承にも登場するなど口承文芸のモチーフになっているほか、民俗的には[[ハレとケ|ハレの日]]に食し、陽気や作物の豊凶を予兆する年占作物としても認識され、[[作物禁忌]]も存在した。
 
[[季語]]は花は[[夏]]、果実は[[秋]]。
 
==栽培==
ユウガオの実は[[かんぴょう]](干瓢)の原料となる<ref name="iwaki" />。生育は極めて旺盛でつるの長さは20mにも達する<ref name="iwaki" />。日本国内では、栽培は斜陽の傾向にあるものの、新潟県、栃木県、山形県、山梨県、岩手県などで栽培が行われている。
 
== 利用 ==
'''ユウガオ'''(夕顔、学名:''Lagenaria siceraria'' var. ''hispida'')は、[[ウリ科]]の植物で、蔓性[[一年生植物|一年草]]。
ユウガオの実自体を食べる機会はあまりないが、ほとんどは[[かんぴょう]]に加工されたものが食用されている{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。
 
==概要=台木===
[[スイカ]]の連作障害を防止するため、スイカ接ぎ木苗の台木として利用される事がある<ref>李鎔一、「[https://doi.org/10.4200/jjhg1948.51.494 野菜産地の形成と維持機構]」 『人文地理』 1999年 51巻 5号 p.494-510, {{doi|10.4200/jjhg1948.51.494}}, 人文地理学会</ref>。
[[夏]]の[[夕|夕方]]に開いた白い[[花]]が翌日の[[午前中]]にしぼんでしまうことから[[アサガオ]]・[[ヒルガオ]]・[[ヨルガオ]]に対して命名された名であるが、アサガオ・ヒルガオ・ヨルガオはいずれも[[ヒルガオ科]]の植物であり、直接の類縁関係はない。ヨルガオがユウガオと呼ばれる事もある。
 
===食用===
原産は北[[アフリカ]]。日本には[[平安時代]]に[[中国]]から伝わった古い[[栽培植物]]。
[[File:Kampyo.JPG|thumb|240px|left|ユウガオから作られたかんぴょう]]
未熟果食用の[[かんぴょう]](干瓢)に加工されるほか容器、[[トウガン]]同じように調理してもられる{{sfn|講談社編|2013|p=101}}かんぴょうはユウガオの実を細長い帯状に剥いて加工したものは[[かんぴょう]](干瓢)と呼ばれ、[[寿司|巻き寿司]]や[[汁物]]などに使われ食用にされる。[[沖縄県主にマルユウガオからかんぴょう(干瓢)は作る<ref name="syo"/>。かんぴょうは、水の中でよくもみほぐしてやわらかくしてから調理される{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。沖縄]]においては'''チブル'''(頭の意)と呼ばれ、かんぴょうにするよりも[[トウガン|冬瓜]]と同じように[[煮物]]、汁物にしたり、[[炒め物]]、または生のまま[[胡麻和え]]などにして食べるほうが一般的。山形県および新潟県の郷土料理「[[クジラ]]」の具材。[[秋田県]][[由利本荘市]]で食用ユウガオを味噌汁の具にすほか容器としても用いられ([http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/OR24.HTML 出典 夕顔を食べる])
 
乾物であるかんぴょうに加工したときの[[食物繊維]]は、可食部100[[グラム]]あたり30グラムほどとかなり多い{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。実際に食べるときは茹でられてからになるので、特に[[ビタミン]]類はほぼゼロに近くなるほど栄養量もかなり落ちるが、食物繊維は100グラム中に5.3グラムほど含まれ、[[ミネラル]]類も[[カリウム]]が少し残る程度である{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。そのほかは、取り立てて特筆すべき栄養素は数値的にみても見当たらないほど低下する{{sfn|講談社編|2013|p=101}}。
大きな[[果実]]を実らせることが特徴。同じく大きな実を実らせるウリ科の植物に[[ヒョウタン]]があるが、ヒョウタンとユウガオは同一種であり、ヒョウタンが[[インド]]に伝わって栽培されるうち、苦味の少ない品種が食用のものとして分化、選別されたと考えられている。現在では栽培は廃れている傾向にあり、[[新潟県]]や[[栃木県]]、[[山梨県]]([[富士北麓]]地域)などで栽培が行われている。
 
なお、ユウガオは、同一種のヒョウタンの中から、食用にするため、苦みを持つ[[ククルビタシン]]の少ない品種を選別した変種である<ref name="mhlw">{{Cite web|和書|url=http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/higher_det_20.html|title=自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ユウガオ|publisher=厚生労働省|accessdate=2013-05-16}}</ref>。そのため、接ぎ木栽培用の台木用の品種など、食用外の品種にはククルビタシンの多い実を付けるものがある。また、まれに食用品種の一部の株でもククルビタシンを非常に多く産生するものが混じって流通することがあり<ref name="okinawa">{{Cite web|和書|url=https://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/news/documents/20page4.pdf|title=ゴーヤーより苦いヘチマやユウガオにご注意!|publisher=沖縄県衛生環境研究所|accessdate=2020-05-25}}</ref>、自家栽培したものなどを苦味を我慢して食べたことによる[[食中毒]]事例(嘔吐や下痢等)もある<ref name="okinawa"/>。そのため、[[ツルレイシ|ゴーヤー]](ニガウリ)に比べて苦味の強いものには注意する必要がある<ref name="mhlw"/><ref name="okinawa"/>。
==利用==
実は食用のほか容器としても用いられる。ユウガオの実を細長い帯状に剥いて加工したものは[[かんぴょう]](干瓢)と呼ばれ、[[寿司|巻き寿司]]や[[汁物]]などに使われ食用にされる。[[沖縄県|沖縄]]においては'''チブル'''(頭の意)と呼ばれ、かんぴょうにするよりも[[トウガン|冬瓜]]と同じように[[煮物]]、汁物にしたり、[[炒め物]]、または生のまま胡麻和えなどにして食べるほうが一般的。新潟県の郷土料理「[[クジラ]]汁」の具材。[[秋田県]][[由利本荘市]]では生のユウガオを味噌汁の具にする([http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/OR24.HTML 出典 夕顔を食べる])。
 
イタリアには葉食用の品種があり、[[シチリア料理]]で使用される<ref>[https://iris.unipa.it/handle/10447/492973 Che cos’è una minestra? Il sistema delle minestre siciliane]</ref>。
また、[[スイカ]]の栽培において、ユウガオは連作や病気に強いため[[接ぎ木]]栽培用の台木として利用される。
 
==毒性 脚注 ==
{{Reflist}}
ユウガオは、同一種の[[ヒョウタン]]の中から、食用として苦みを持つ有毒成分[[ククルビタシン]]の少ない品種を選別した変種である。
そのため、
接ぎ木栽培用の台木用の品種など、食用外の品種には有毒成分の多い実を付けるものがあったり、
まれに食用品種でも有毒成分の多い苦味の強い実を付けることがある。
このような苦味の強いユウガオの果実を食べると、唇の[[痺れ|しびれ]]、[[吐き気]]、[[嘔吐]]、[[腹痛]]、[[下痢]]などの中毒症状の原因となる場合があるため、注意が必要である。
 
== 参考化への影響==
* {{Cite book|和書|author =講談社編|title = からだにやさしい旬の食材 野菜の本|date=2013-05-13|publisher = [[講談社]]|isbn=978-4-06-218342-0|page =101|ref=harv}}
『[[源氏物語]]』をはじめ古くから説話や民間伝承にも登場するなど口承文芸のモチーフになっているほか、民俗的にはハレの日に食し、陽気や作物の豊凶を予兆する年占作物としても認識され、[[作物禁忌]]も存在した。
 
== 関連項目 ==
* [[夕顔 (源氏物語)]]
* [[かんぴょう]]
* [[ひょうたん]]
 
== 外部リンク ==
* [httphttps://www.fukushihokenhokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/dokusou/dokuf28.html 有毒植物(ユウガオ]「食品衛生の窓」東京都福祉保健局健康安全室)]{{ja icon}}
* [httphttps://www.mhlw.go.jp/topicsstf/syokuchuseisakunitsuite/poisonbunya/higher_det_200000079844.html 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ユウガオ(厚生労働省)] {{ja icon}}
 
{{Taxonbar|from1=Q21711036}}
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[[Category:ウリ科]]
[[Category:果菜]]
[[categoryCategory:有毒植物]]
[[Category:夜に咲く植物]]
 
[[en:calabashCalabash]]
[[ko:박]]