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{{出典の明記|date=2015年5月}}
{{生物分類表
|色 = 植物界
|名称 = タマネギ
|画像 = [[ファイル:Onions.jpg|250px]]
|画像キャプション = タマネギ
|分類体系 = [[APG III]]
|
|
|綱階級なし = [[単子葉植物|単子葉類]] {{Sname||monocots}}
|亜綱階級なし =
|目 = [[キジカクシ目]] {{Sname||Asparagales}}
|科 = [[ヒガンバナ科]] {{Sname||Amaryllidaceae}}
|亜科 = [[ネギ亜科]] {{Sname||Allioideae}}
|
|種 = '''タマネギ {{Snamei||Allium cepa|A. cepa}}'''
|学名 = {{Snamei|Allium cepa}} {{AU|L.}} {{small|(1753)}}<ref name="YList">{{YList|id=3801|taxon= Allium cepa L. タマネギ(標準)|accessdate=2023-03-13}}</ref>
|和名 = タマネギ<!--(玉葱)生物名はカタカナ-->
|英名 = Onion
}}
'''タマネギ'''(玉葱、葱頭; [[学名]]: {{Snamei|Allium cepa}})は、[[ヒガンバナ科]]{{efn|最新の分類体系である[[APG体系]]では[[ヒガンバナ科]]に区分されるが、古い分類体系の[[クロンキスト体系]]や[[新エングラー体系]]では[[ユリ科]]に分類されている<ref name="YList"/>。}}[[ネギ属]]の[[多年生植物|多年草]]。[[園芸]]上では[[一年生植物|一年草]]もしくは[[二年生植物|二年草]]として扱われる。[[禁葷食|五葷]]・[[五辛]]の1つ。
[[ネギ属]]の中でも大きく肥大した[[地下茎#鱗茎|鱗茎]]を持つ種で{{sfn|ジェイ|2017|p=12}}、玉ねぎの品種によって色、形状、大きさは様々である。主に鱗茎が[[野菜]]として食用とされるほか、倒伏前に[[収穫]]した[[葉]](葉タマネギ)も[[ネギ]]と同様に[[調理]]できる<ref>こぐれひでこの食悦画帳/葉タマネギ 玉のままうどんに『[[読売新聞]]』夕刊2018年12月8日(2面)。</ref>。かつて[[クロンキスト体系]]による分類では[[ユリ科]]に属していた。
[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]の『[[植物の種]]』([[1753年]]) で[[記載]]された植物の一つである<ref>{{Cite book|last=Linnaeus|first=Carolus|year=1753|title=Species Plantarum|___location=Holmia[Stockholm]|publisher=Laurentius Salvius|page=300|url=https://www.biodiversitylibrary.org/page/358319|ref=harv|language=la}}</ref>。
== 名称 ==
[[和名]]である'''タマネギ'''の由来は、文字通り鱗茎が玉のように大きくなる[[葱]]のなかまという意味からきている{{sfn|田中孝治|1995|p=192}}。
[[英語|英名]]はオニオン(''onion'')、[[フランス語|仏名]]がオニョン(''oignon''、または ''ognon''<ref>{{Cite web|和書|url=https://bibliette.com/oignon|title=「玉ねぎ」はフランス語で?野菜に関するフランス語|publisher=Bibliette(ビブリエット)|accessdate=2020-07-09}}</ref>)、[[イタリア語|伊名]]ではチポッラ(''cipolla'')という{{sfn|講談社編|2013|p=158}}。英語名オニオンの由来は、[[古代ローマ]]時代にローマ国民がタマネギを ''bulbus'' あるいは ''unionem'' と呼んでいたことにちなむ{{sfn|ジェイ|2017|p=34}}。
学名のアリウム・ケーパ({{Snamei|Allium cepa}})は、[[ラテン語]]で「タマネギ」を意味し、[[スペイン語]]のセボーリャ(cebolla)などは、その[[派生語]]である{{sfn|ジェイ|2017|p=12}}。
[[中国語]]では洋蔥、[[朝鮮語]]では양파(ヤンパ)とそれぞれ呼ばれるが、いずれも「西洋ネギ」の意である。
== 特徴 ==
[[ファイル:Onion Flower Head.jpg|thumb|250px|花]]
[[ファイル:
越年生の[[草本]]{{sfn|田中孝治|1995|p=93}}。鱗茎は径10[[センチメートル]] (cm) 前後の球形、または扁球形をしており、特異な刺激性の臭気がある{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。[[茎]]は円筒形で直立し、高さは50 cmくらいまで成長して、下部に2 - 3の[[葉]]をつける{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。葉はネギよりも細く、濃緑色で中空になっている{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。秋には、茎頂部に[[花序]]が大きな球形となってつき、白色の[[花]]が密集する{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。
葉が伸びて70 cmくらいに育つと、地中の[[葉#単子葉類の葉|葉鞘]]が結球し始めて肥大化する{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。結球するには、一定の温度で適切な時間日光を浴びることによって葉で糖が生成されて、その養分が基部に蓄えられて鱗茎が形成される{{sfn|ジェイ|2017|p=13}}。鱗茎は鱗片葉が球状に重なったものでできており、多くの層を持っている{{sfn|ジェイ|2017|p=13}}。鱗茎がある程度肥大すると、地上部の葉鞘が葉を支えきれなくなって倒れ込む倒伏性がある{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。
[[染色体]]数は {{Math|1=2''n''=16}}。生育適温は {{Val|20|ul=degC}} 前後で、寒さには強く[[氷点下]]でも[[凍害]]はほとんど見られないが、{{Val|25|u=degC}} 以上の高温では生育障害が起こる。花芽分化に必要な条件は品種や系統によって大きく違うが、一定以上に成長した個体が {{Val|10|u=degC}} 前後またはそれ以下の低温下に一定の期間以上さらされると花芽が分化する。大きな[[苗木|苗]]を植えると分球や裂球や抽台しやすく、小さいまま低温に遭うと枯れやすい。タマネギは日長条件が大きく関与し、短日種・中日種・長日種それぞれに品種系統で分化している。鱗茎を形成するためには、長日種は1日に14時間の日照を必要とし、短日種は1日に12時間から14時間の日照を必要としている{{sfn|ジェイ|2017|p=13}}。大まかに、[[日本]]で栽培されているものは、春まきが14[[時間 (単位)|時間]]以上の長日条件下、秋まきの早生種で12時間程度の中日条件下で結球する。長日条件・温度上昇で肥大が促進される。玉が成熟すると葉が倒伏し、数か月の休眠に入る。[[ヨーロッパ]]などで栽培される品種の中には16時間以上の長日でなければ結球しない品種があり、それらは日本では[[収穫]]できない。
ネギの花は[[花冠|花弁]]が開くが、タマネギとは花弁が開かない点で区別できる。
日本の[[山口大学]]などによる研究チームが、[[ゲノム解読]]完了を2021年に発表した<ref>{{PDFlink|[http://www.yamaguchi-u.ac.jp/library/user_data/upload/Image/news/2021/21080307.pdf <このページは存在しません。> 国際連携で挑むタマネギゲノム解読‐経済的に重要な高等植物種の巨大なゲノムを読み解く]}} 山口大学(2021年8月20日)2021年9月17日閲覧 {{404|date=2024-03}}</ref>。
[[ヤグラネギ]]や野草の
== 歴史 ==
タマネギは、現存する最古の[[栽培植物]]の一つとされる。[[狩猟採集社会]]から[[農耕社会]]へ移行するに伴い、人類が野生のものを[[畑]]で栽培し、生長が早く鱗茎が大きい[[苗]]を[[交配]]するうちに、現在栽培されている大きくて甘い鱗茎を持つタマネギに近いものになっていったと考えられている{{sfn|ジェイ|2017|pp=11–12}}。
原産は[[中央アジア]]とされるが、[[野生種]]は発見されていない。原産地はペルシア([[イラン]])やベルチスタン([[バルーチスターン]])あたりともいわれるが、はっきりしていない{{sfn|田中孝治|1995|p=192}}。中央アジアから商人によって[[中東]]に持ち込まれ、そこから世界中に一気に広まっていった{{sfn|ジェイ|2017|p=12}}。
[[ファイル:An_onion,_woodcut,_1547_Wellcome_L0029214.jpg|サムネイル|1547年に描かれた玉ねぎの[[木版画]]。]]
栽培の歴史は古く、[[紀元前]]1600年ごろの古代[[メソポタミア]]・[[バビロン第1王朝]]時代に[[粘土板]]に[[楔形文字]]で書かれた古代[[レシピ]]の中に、タマネギが数多く登場する{{sfn|ジェイ|2017|pp=20–21}}。紀元前の[[古代エジプト]]王朝時代にもタマネギは食されており、紀元前5世紀ごろから[[パン]]や[[ビール]]とともにタマネギを食べる労働者が描かれている[[壁画]]や、紀元前3世紀ごろには[[エジプトのピラミッド]]建設に従事した労働者に配給されていたという記録が見つかっている{{sfn|ジェイ|2017|p=23}}。ヨーロッパの[[地中海]]沿岸に伝わったタマネギは、[[古代ギリシア]]人や[[古代ローマ]]人にも[[ニンニク]]とともに愛好されており、[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|大プリニウス]]は『[[博物誌]]』のなかで様々な種類のタマネギについて詳述している{{sfn|ジェイ|2017|p=26}}。ローマ人は、多くの料理の風味づけにタマネギを好んで使い、旅先にも持って行ったため、[[北ヨーロッパ]]にも広まっていった{{sfn|ジェイ|2017|p=34}}。[[中国の歴史#古代|古代中国]]で編纂された[[儒教]]の経典『[[礼記]]』には、当時の中国の配膳に欠かせない食材になっていたことを伺わせる記述が残されている{{sfn|ジェイ|2017|p=39}}。しかし、4世紀の[[道教]]では「においの強い野菜」の使用を禁じ、タマネギもその中の一種に含まれていた{{sfn|ジェイ|2017|p=40}}。古代中国においてタマネギは[[肺]]に極めて有害で、攻撃性や性衝動を増大させるとも考えられていたため、[[漢]]の時代には[[ニンニク]]とともに赤い紐で軒先に吊して虫除けとして使われていた{{sfn|ジェイ|2017|p=40}}。
[[ローマ帝国]]滅亡後の西暦800年ごろ、領土を拡大していた[[フランク王国]]の[[カール大帝]]は、帝国の庭園で90種類の野菜や[[果物|果樹]]を栽培するよう[[勅令]]を出した。この中にタマネギをはじめとするネギ属野菜が含まれており、[[修道院]]や[[寺院]]などの大きな菜園で栽培され、[[中世前期]]のこの時代にはヨーロッパに定着していたとみられている{{sfn|ジェイ|2017|p=47}}。[[中世ヨーロッパ]]で最も馴染みのある野菜の一つだったタマネギは、栽培が容易で冷蔵技術がない時代でも保存が効き、可食部も多くて、さらには[[霜]]や低温にかなり強く、[[南ヨーロッパ]]はもとより[[北ヨーロッパ]]や[[イギリス]]でも栽培可能であったために好都合で、庶民のあいだでも大変に愛好されていた{{sfn|ジェイ|2017|pp=47–49}}。しかし、中世ヨーロッパでは食材にも階級意識があり、安価で手に入りやすい野菜としてあらゆる階級の人々が利用したために、タマネギが卑しい食べ物とみなされることもあった{{sfn|ジェイ|2017|pp=51–52}}。
[[新世界]]には、1492年に[[クリストファー・コロンブス|コロンブス]]が栽培品種のタマネギを[[カリブ海]]の[[イスパニョーラ島]](現在の[[ハイチ]]と[[ドミニカ共和国]])に持ち込んだといわれている{{sfn|ジェイ|2017|p=68}}。16世紀には様々な外国産品種のタマネギがヨーロッパ中で売買されていて{{sfn|ジェイ|2017|pp=65–66}}、17世紀ごろのヨーロッパ人開拓者が、南北[[アメリカ大陸]]を植民地にして移住するときにも持ち込まれた{{sfn|ジェイ|2017|pp=66–68}}。
{{seealso|コロンブス交換|ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の植民地化}}
18世紀から19世紀にかけて、ヨーロッパではイギリスの[[農業革命]]を起点に農業が飛躍的発展を遂げた。品種改良の新たな科学的アプローチの結果、タマネギも原種より栽培しやすく、成長が早くて鱗茎が大きく、味もよく保存が効き、耐病性がある膨大な数の品種が開発された{{sfn|ジェイ|2017|pp=95–98}}。[[東ヨーロッパ]]([[バルカン半島]]諸国や[[ルーマニア]])では辛味の強い辛タマネギ群が、南ヨーロッパ([[フランス]]の一部地域、[[スペイン]]、[[イタリア]])では辛味の少ない甘タマネギ群が作られた。しかし、[[ヴィクトリア朝|ヴィクトリア時代]]のイギリスやフランスでは、タマネギは貧しい階級や農民の食べ物であり続け、[[ジャガイモ飢饉|アイルランド大飢饉]]の際には、貧困者救済のために供された[[スープ]]や[[シチュー]]などのかさ上げにタマネギが使われた{{sfn|ジェイ|2017|pp=105–111}}。[[アメリカ合衆国]]でも[[南北戦争]]を前後する時代に、安価な玉ねぎが普及している{{sfn|ジェイ|2017|pp=112–113}}。世界の相当な部分を自国の領土として植民地を広げていった[[イギリス帝国|大英帝国]]は、自国の伝統料理や[[カレー]]を持ち込み、タマネギを世界各地に広めることにも一役買った{{sfn|ジェイ|2017|p=120}}。
[[日本]]では[[江戸時代]]まで外国との交流を厳しく制限したことから、中央アジアとヨーロッパが品種のタマネギは、19世紀後半まで一般的な食材にはならなかった{{sfn|ジェイ|2017|p=114}}。江戸時代末期{{sfn|田中孝治|1995|p=192}}に[[長崎市|長崎]]に伝わったが、観賞用に留まった。食用としては、1871年([[明治]]4年)に[[北海道]]の[[札幌市|札幌]]で試験栽培されたのが最初とされ、1878年(明治11年)、[[札幌農学校]]教官の[[ウィリアム・ブルックス|ブルックス]]により本格的な栽培が始まった。その後の1880年(明治13年)に、札幌の中村磯吉が[[農家]]として初めて栽培を行った。1885年(明治18年)ごろから野菜として栽培されるようになったと考えられている{{sfn|田中孝治|1995|p=192}}。明治時代以降、西洋料理の人気の高まりを追い風に、日本の気候にも適していたタマネギは人気が出て生産高も増え、1900年代初頭までには昔から食べられていた[[サトイモ|里芋]]と同じくらいの値段に下がった{{sfn|ジェイ|2017|p=116}}。
== 種類 ==
大別すると、東欧系の辛味品種と南欧系の甘味品種があり、日本で栽培されるものはほとんど辛味品種である{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。甘味品種には、紫タマネギの[[湘南]]レッドがある{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。一方で、辛味品種には黄タマネギ、[[ペコロス]]などがある{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。
鱗茎の外側の薄皮の色は銅黄色、紅紫色、白色の3色があって{{sfn|講談社編|2013|p=161}}、それぞれ黄タマネギ、[[赤たまねぎ|赤タマネギ]]、白タマネギと分けている{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}。玉の形は、偏球形、球形、紡錘形などに分けられる{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。出荷時期や栽培地によって多くの栽培品種があるが、辛味を抑えて品種改良されたものなど、地方に適した系統のものが栽培されている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。
日本で栽培される品種の主流は「黄タマネギ」といわれる系統で{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}、アメリカ合衆国から導入された春まき栽培用の「イエロー・グローブ・ダンバース(Yellow globe danvers)」という品種が「[[札幌黄]]」という品種に、秋まき栽培用は1885年(明治18年)に[[大阪]]へ「イエロー・ダンバース(Yellow danvers)」という品種が導入されて「泉州黄」に、フランス系の「ブラン・アチーフ・ド・パリ」が「[[愛知県|愛知]]白」に名を変えて、それぞれ地域に定着化した。さらに農家や[[農業協同組合|農協]]単位で自家採種・選抜を行い、農家や地域ごとに特徴のある品種が作られた。
[[File:Seasonal onion.jpg|thumb|新タマネギ]]
いわゆる「新タマネギ」と呼ばれるものは、春に出回るもので、水分が多く肉質が柔らかい{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。
; 黄タマネギ
: 最もポピュラーで薄皮が赤茶色の品種。秋冬に収穫する'''秋冬タマネギ'''と、春に収穫する'''新タマネギ'''がある。秋冬玉ねぎは、保存性を高めるため収穫後に風干しして1か月ほど皮を乾燥して出荷しているため{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}、水分量は少なめで、肉厚で辛味がある{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。新タマネギは、皮が白っぽい黄タマネギの早採りもので{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}、水分量が多く軟らかい食感で辛味が少なく、生食にも向いている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}。また、干さずに出荷するため、保存性は悪い{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。
; サラダオニオン
: 辛タマネギで、早生種。一般に玉は偏平で、水分量が少なく貯蔵性は低い。柔らかくて辛味は少ないため、生食に向いている{{sfn|講談社編|2013|p=160}}。
; 白タマネギ
: 辛味を抑えて品種改良した早生種。早春から春にかけて出回り、日本の代表品種に愛知白がある。甘味が強く水分量が多く、貯蔵性は低い{{sfn|講談社編|2013|p=160}}。[[サラダ]]や[[和え物]]に向く{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。
; 紫タマネギ([[赤たまねぎ|赤タマネギ]]、レッドオニオン)
: [[File:Red onion cross section 03.jpg|thumb|赤タマネギの輪切り]]薄皮や表層が鮮やかな紅紫色の品種で、輪切りすると赤い縞の輪が出る{{sfn|講談社編|2013|p=160}}。複数の品種があり、日本では湘南レッドが代表種{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}。タマネギ特有の刺激臭は少なく、辛味が少ないのが特徴。サラダなどの生食に向いている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。
; [[エシャロット]]
: フランスの香味野菜。各国で様々な呼び名がある{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}{{efn|日本では、生食用に軟白栽培された[[ラッキョウ]]が「エシャ'''レ'''ット」や「エシャロット」の名で呼ばれている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。}}。
; [[ペコロス]](小タマネギ、プティオニオン)
: 黄タマネギを密植して直径3 - 4 cmほどに小さく育てた、小タマネギのこと。辛味は少なく煮崩れしにくいため{{sfn|講談社編|2013|p=160}}、丸ごと[[シチュー]]などの煮込み料理や、[[ピクルス]]に利用する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。色が赤い種類もある{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}。
; パールオニオン
: 直径1 - 2 cmほどの小粒の小タマネギの一種。収穫時期によって、小指大からピンポン球大まである{{sfn|講談社編|2013|p=160}}。皮が白くて辛味が強く、ピクルスや肉料理の付け合わせなどに使われる{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}。
; ルビーオニオン
: 皮が光沢があり鮮やかな赤色の小タマネギの一種。辛味は弱く、スライスしてサラダの彩りや、丸のままピクルスに使われる{{sfn|講談社編|2013|p=160}}。
; 葉タマネギ
: 極早生の白タマネギを土寄せして栽培して茎葉を太くしたもので{{sfn|講談社編|2013|p=160}}、葉が青い春のうちに、葉つきで収穫する。葉や鱗茎はともに軟らかく食用でき、葉はビタミンが豊富で、玉ねぎの部分も甘味がある{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}。葉の部分は青ネギの代用にできる{{sfn|講談社編|2013|p=160}}。
=== F1交配種 ===
タマネギは、[[トウモロコシ]]に次いで[[雑種第一代]](F1品種)が開発された作物である{{sfn|ジェイ|2017|p=135}}。大部分のタマネギの花には、雄の部分と雌の部分があるが、1924年にアメリカ合衆国[[カリフォルニア州]][[デイビス (カリフォルニア州)|デイビス]]にある育種場で、雄性不稔{{efn|遺伝子に欠損があるため、[[花粉]]ができない状態{{sfn|ジェイ|2017|p=135}}。}}のため自家[[受粉]]できないイタリアンレッドという品種の赤タマネギが発見された{{sfn|ジェイ|2017|p=135}}。
この品種は、様々なF1品種の親となり、別の雌株と交配して常に予想通りの結果を生み出すことから、良い種子が取れる株が選抜されて、品種改良が行われた{{sfn|ジェイ|2017|p=135}}。その結果、[[べと病]]、黒穂病、紅色根腐れ病、病[[害虫]]に対する耐性などに優れた商業的に価値がある雄株も開発され、[[DDT]]などの[[農薬]]の使用も減らすことができた{{sfn|ジェイ|2017|p=135}}。
1950年代は、安全で耐病性があり、収穫量が多いF1品種が初めて開発された時代であり、農業の未来を明るく照らすものと思われていた。だが現代においては、二代目ができないF1品種の使用は種の遺伝基礎を脅かし、栽培品種が1部だけの品種へと縮小して、単一栽培に進んでいくことにつながるのではという懸念が、科学者の間で広がっている{{sfn|ジェイ|2017|p=136}}。
実際に、商業目的で栽培されているアメリカの品種は大きく分けて、大きくて甘い鱗茎をつける品種と、乾燥が早くて色が白い加工用の品種、および長期保存ができる品種の3種類である{{sfn|ジェイ|2017|p=136}}。栽培品種が減少することによって、未知の新しい病気が発生して、広く栽培されている品種に耐性がなかったときに、世界のタマネギが壊滅しかねないことも懸念材料になっている{{sfn|ジェイ|2017|p=136}}。
== 栽培 ==
[[ファイル:Onion field.JPG|thumb|250px|タマネギ畑(北海道富良野市)]]
一般には9月から翌年6月が栽培適期で、秋に種をまき、苗を育てて晩秋に苗を定植する{{sfn|金子美登|2012|p=124}}。定植後はあまり手間がかからず、冬越しして晩春から初夏に収穫する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=60}}。栽培適温は15 - 20[[セルシウス度|℃]]とされ、[[連作]]も可能である{{sfn|主婦の友社編|2011|p=60}}。長日種は、多くは[[北半球]]で栽培されて、夏の間に生長して秋に収穫する{{sfn|ジェイ|2017|p=13}}。短日種は、長日種よりも気温の高い赤道地域などで栽培され、秋に植えて冬を越し、春に収穫する{{sfn|ジェイ|2017|p=13}}。収穫後の鱗茎は干して保存することで、一年中食べられる{{sfn|金子美登|2012|p=124}}。収穫まで栽培期間が長いため、[[マルチング]]などで雑草対策をすると良いといわれる{{sfn|金子美登|2012|p=124}}。冬の間に追肥してよい苗を育てると、実りある収穫が期待できる{{sfn|金子美登|2012|p=124}}。[[連作障害]]は出にくい{{sfn|金子美登|2012|p=124}}。家庭菜園向きのミニタマネギは、一般のタマネギよりも栽培期間が短く、植え替えせずに種子や種球から3 - 4か月ほどで収穫できる{{sfn|金子美登|2012|p=126}}。
=== 栽培体系 ===
大きく分けて春
==== 春
品種は7月以降に収穫できる晩生。2月末から3月に[[ビニールハウス]]内で[[播種]]し、育苗する{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。4月下旬から5月にかけて苗を[[畑]]に定植する{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。定植後1か月ほどは苗の活着に要する。6月から7月中旬にかけては葉の生育が盛んな時期で、その後7月下旬から鱗茎の肥大が始まる{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。鱗茎の肥大期以降は[[ボトリティス菌]]、[[軟腐病菌]]、[[アザミウマ|ネギアザミウマ]]による被害を受けやすいため、定期的に農薬による防除を行う。7月から8月にかけ、地上部が倒伏する。倒伏が揃った後、収穫の前には株を土から引き抜くか、根か根を切り離す「根切り」と呼ばれる作業をする{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。収穫直前に2週間ほど茎葉が枯死するまで畑でそのまま乾かしてから、収穫を行う{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。収穫後は茎葉が枯死した葉を切り落とし、[[容器]]に入れてそのまま乾燥させる{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。
==== セット栽培 ====
春播き栽培と秋播き栽培の中間的な栽培方法。品種は極早生。2月末から3月にビニールハウス内に播種しそのまま結球させ、直径が2[[センチメートル|cm]]程度の小タマネギ(種球根)を作る。
==== 秋
[[ファイル:Onions 002.jpg|thumb|250px|新タマネギ。例年日本では4月から5月頃に出回る。]]
[[ファイル:Onions hanging on drying racks in Fukudomi 01.jpg|thumb|250px|タマネギの乾燥小屋(佐賀県白石町)]]
9月に畑に直まきで播種し、葉が4 - 5枚になるころまで、[[間引き]]と土増しを行って[[育苗]]する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=60}}。2か月ほど経った11月ころに苗を約20 cm間隔で定植する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=61}}{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。植え付けする畑は、2週間以上前に堆肥などの元肥をすき込んで、よく耕しておく{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。草丈25 cmくらいに育った苗が、植え替えの目安となる{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。12月から[[追肥]]を行い、その後も生長を見て土がやせている場合は2月まで追肥を行う{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。生育期の後半に追肥を行うと、首の生育が悪くなるため追肥は控える{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。極早生から早生にかけては、マルチ栽培やトンネル被覆を行うところもある。マルチ栽培をするところでは、畝の外側に追肥する{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。
4月になると葉が生長し太くなってくる{{sfn|金子美登|2012|p=126}}。5 - 6月ころになって茎が十分太くなったり、葉が倒れてきたら収穫の適期で、約8割方の葉が倒れたら、天気のよい日に葉の付け根から引き抜いて収穫する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=61}}。早生や極早生では葉が倒伏する前に収穫し、葉タマネギとして葉付きで出荷することもある{{sfn|金子美登|2012|p=126}}。中生や晩生では、軒下など雨があたらず、風通しのよい日陰で乾燥させて貯蔵する{{sfn|金子美登|2012|p=126}}。数個のタマネギを葉のところで紐で縛り、吊るして貯蔵することもある{{sfn|主婦の友社編|2011|p=61}}{{sfn|金子美登|2012|p=126}}。貯蔵に向く品種であれば、そのまま2月まで保存できる{{sfn|金子美登|2012|p=126}}。
==== 固定種の採種栽培 ====
採種(種の収穫)を目的とした栽培は食用栽培と大きく異なる。主な工程は母本選抜と開花・採種である。採種したい品種を食用栽培と同様の方法で大量に栽培し、収穫と同時に最も理想的で優れた性質の個体を厳しく選抜する。9月頃に播種する。選抜した個体(母本と呼ぶ)を9月頃に定植する。ここまでに約1年かかる。日本においては開花・結実時期が[[梅雨]]にあたるため、ビニールハウスなどの雨を避けられる環境でなければ安定した収穫が得られないので、この事を考慮して植え付け場所を選定する。秋に定植した株は翌年の7月頃から開花・結実を始める。熟した実が弾けて種が落ちてしまうので、見回りを行って熟したものから順に[[ネギ坊主]]の塊ごと刈り取って乾燥する。種播きから始まり母本の選抜などを経て、採種に至るまでおよそ22か月かかる。
==== 交配種(F1品種)の採種栽培 ====
母本選抜の方法や注意点などは固定種と同様である。タマネギの交配種の採種には、雄性不稔という正常な[[花粉]]を作れない突然変異系統を用いる。不稔の性質は母から子へ伝わるため、不稔の個体に正常な個体の花粉を着けてやれば不稔個体の繁殖が行える。Aという品種の花粉を不稔個体に交配して採種し、その子世代にAを再度交配する。そこから得た孫世代に再度Aを交配する。同様の交配を繰り返すことで、Aにそっくりな不稔系統「a」を得られる。雄性不稔になったaと、正常な花粉を作れる品種B(花粉親)を並べて開花させれば、[[ミツバチ]]によってBの花粉がaに交配されて結実する。十分に交配が済んだら、交配用の品種Bは不要なので刈取り、または抜き取って処分させる。市販されている交配種は不稔であるが、正常な花粉を交配してやれば交配種からの自家採種も可能である。しかし、交配に用いた花粉親に近いものとなる。また、その子・孫世代も不稔であるため、採種のたびに花粉親に近づいていく。
=== 重要病虫害 ===
* [[乾腐病]] 病原菌:''Fusarium oxysporum'' f. sp. ''cepae''
* 軟腐病 病原菌:{{Sname|''Erwinia carotovora'' subsp. ''carotovora''}}
* ボトリティス菌による葉枯れ(白斑葉枯病):
* ボトリティス貯蔵腐敗:
* [[アザミウマ|ネギアザミウマ]]
* [[タマネギバエ]]
* [[タネバエ]]
* [[べと病]]<ref>三澤知央、[http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010834086 ネギ葉枯病の発生生態と防除に関する研究] 北海道立総合研究機構農業試験場報告 = Report of Hokkaido Research Organization Agricultural Experiment Station (132), 1-90, 2012-10, {{naid|120005332243}}</ref>
タマネギの株間にキク科ハーブの[[カモミール]]を[[コンパニオンプランツ]]として混植しておくと、土壌微生物相が豊かになり、タマネギの生育を助け、病害虫を減らす効果が期待できる{{sfn|金子美登|2012|p=125}}。
== 生産と流通 ==
種まきや収穫の時期、産地などによって一年中出荷されている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。世界のタマネギ生産量(2018年)は、最大の生産国である[[中華人民共和国|中国]]が約2470万[[トン]]、2位の[[インド]]が2207万トン、3位の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]が328万トンで、以下[[エジプト]]、[[イラン]]、[[パキスタン]]と続く<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.globalnote.jp/post-1099.html|title=世界のタマネギ 生産量 国別ランキング・推移|publisher=グローバルノート|accessdate=2020-07-12}}</ref>。
=== 日本における生産と流通 ===
日本での生産量(平成30年)は115万5000トン、作付面積は2万6200[[ヘクタール]] (ha) である。そのうち[[北海道]]([[北見市]]、[[富良野市]]、[[岩見沢市]]など<ref>{{Cite web|title=たまねぎ|language=ja|website=北海道の農産物食材カタログ p,27-28|publisher=北海道開発局|url=https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousa/foodscatalog_15.pdf|access-date=2025-08-13}}</ref>)が生産量約67万トン、作付面積1万4700 haと、全国生産量で約6割強、作付面積で6割弱を占める<ref name="APPRES">{{Cite web|和書|url=https://japancrops.com/crops/onion|title=玉ねぎ(玉葱,タマネギ,たまねぎ)|publisher=アプレス|accessdate=2020-07-12}}</ref>。生産量では北海道に次いで[[佐賀県]]が1割強、[[兵庫県]](主に[[淡路島]])が8%強を占め、以下[[長崎県]]、[[愛知県]]、[[静岡県]]、[[栃木県]]が1-2%となっている<ref name="APPRES"/>。北海道は春播き栽培、他府県では秋播き栽培が行われるため、季節ごとに産地の異なるものが小売される。
安価である外国産(中国、[[タイ王国|タイ]]、アメリカ、[[オーストラリア]]、[[ニュージーランド]])の輸入品も多い(輸入量約29万4000トン/2018年)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.yasainavi.com/graph/category/ca=6|title=玉ねぎのランキング|website=野菜情報サイト 野菜ナビ|publisher=Yasainavi.com|accessdate=2020-07-12}}</ref>。国産品は価格面の対策として生産・流通コストの低減化、端境期対策として[[マルチング]]・ビニールトンネル栽培による極早生の早期化や、収穫後の貯蔵技術の向上、極早生品種・高貯蔵性品種の開発、品質面の対策として、高機能性品種の開発を行っている。
== 食材としてのタマネギ ==
[[File:OnionRings.JPG|thumb|right|200px|[[オニオンリング]]]]
[[File:Hollandse Nieuwe 001.JPG|thumb|right|200px|[[ハーリング (料理)|ハーリング]]の付け合わせとして添えられたタマネギのみじん切り]]
主に鱗茎を食用とするが、生では強い辛味、加熱すると甘味がある。一年中出回っているが、食材としての[[旬]]は10 - 12月で、新タマネギは4 - 5月{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}。鱗茎の上部が締まっていて、ひげ根が延びておらず、切ったときに芽が上まで伸びていないものが良品とされる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}。
秋冬たまねぎは、皮がよく乾燥していてきれいなつやがあるものが良い{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}。一般的に食べられているタマネギは「イエローオニオン」(yellow onion)とも呼ばれる。日本では[[エシャロット]]の代用<ref>十時亨『フランス料理の基本』新星出版社 2005年</ref>とされる場合もある。
辛みの強さは、品種によって違いがある。一般に早生の方が辛みが少なく、晩生になるにつれ辛みが強くなる。また保存状態によっては辛味が強くなるため、晩生の貯蔵用品種であっても葉が青いうちに収穫してすぐに利用すれば比較的辛味が少ない。
タマネギを切ると涙が出るのは、鱗茎に含まれるチオアルデヒド(別名:[[チアール]])という成分の作用によるもので{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}、タマネギがスライスされた時に細胞が壊れ、放出された揮発性物質[[syn-プロパンチアール-S-オキシド]]が気化し、[[目]]・[[鼻]]の中の水分と結合して[[硫酸]]が生じて粘膜を刺激し、これを洗い流そうとして涙腺に涙が作られるためである<ref>{{cite book|author=Eric Block|title=Garlic and Other Alliums: The Lore and the Science|___location=Cambridge|publisher= Royal Society of Chemistry|year= 2009|chapter =Chapter 4. Chemistry in a sallad bowl: ''Allium'' chemistry and biochemistry |isbn=978-0854041909}} [https://books.google.co.jp/books?id=6AB89RHV9ucC Google ブックス]</ref>{{sfn|ジェイ|2017|pp=144–145}}。[[涙の出ないタマネギ]]も開発されてはいるが、[[遺伝子組み換え作物]]のため市場には出ていない。
加熱すると甘味が出るが、その理由は[[n-プロピルメルカプタン]]という成分が出来るからである{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。生のタマネギの辛味成分は、[[ジアリル・ジサルファイド]]などである{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。生のタマネギの匂いは、主に[[ジプロピルジスルフィド]]によるものである<ref>{{Cite book|和書|author1=長谷川香料|authorlink1=長谷川香料|author2=株式会社|authorlink2=株式会社 (日本)|year = 2013|title = 香料の科学|publisher = [[講談社]]|isbn = 978-4-06-154379-9|page = 93}}</ref>。
臭いや辛味の元になっている成分の[[硫化アリル]]は、タマネギを切るときに細胞が壊れて、[[アリシン]]という成分に変化する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}。アリシンは[[チアミン|ビタミンB1]]の吸収を助ける働きがあり、ビタミンB1を含む他の食品と一緒に摂取すると吸収率を高める効果があり{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}{{sfn|講談社編|2013|p=161}}、水溶性で加熱に弱いという性質がある{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}。
タマネギ外皮には、[[抗酸化物質]]である[[ケルセチン]]が含まれている<ref>{{Cite journal|和書|author=塩谷茂信, 鈴木貴則, 坂野太研, 柳内延也 |date=2022-02 |url=https://doi.org/10.3136/nskkk.69.45 |title=ケルセチン含有タマネギ外皮エキスの血小板凝集抑制作用 |journal=日本食品科学工学会誌 |ISSN=1341-027X |publisher=日本食品科学工学会 |volume=69 |issue=2 |pages=45-53 |doi=10.3136/nskkk.69.45 |CRID=1390009640045238016}}</ref>。
===
ジャンルは問わず多様な[[料理]]に幅広く使われ、世界中で親しまれている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}。スライスして[[サラダ]]や[[マリネ]]にするほか、煮込み料理では[[カレー]]、[[シチュー]]、[[肉じゃが]]など{{sfn|講談社編|2013|p=161}}、[[鶏卵|卵]]と共に料理する[[オムレツ]]や[[親子丼]]に用いるほか、[[ソース (調味料)|ソース]]などとして[[ドミグラスソース|デミグラスソース]]、[[トマトソース]]、[[タルタルソース]]、[[サルサ (料理)|サルサ]]などの素材としても欠かせない。刻んで炒めたものを[[ハンバーグ]]や[[コロッケ]]の具材に入れたり、炒め物、煮物、揚げ物、汁の実など幅広く利用できる{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。日持ちがするため、[[大航海時代]]には[[ニンジン]]や[[ジャガイモ]]と共によく食べられていた。
イギリスでは伝統的に[[レバー (食材)|レバー]]料理の臭い消しに、タマネギを合わせた料理が食べられている{{sfn|ジェイ|2017|p=50}}。[[インド]]風料理で今日カレーと呼んでいる煮込み料理は、通常タマネギを使い、他の香辛料と一緒に炒めてペースト状にしてから鍋に入れる{{sfn|ジェイ|2017|p=70}}。インド・デラバード地域の郷土料理[[ドピアザ]]は「タマネギを二度(使う)」という意味があり、タマネギを大量に使う香辛料が利いた料理で知られる{{sfn|ジェイ|2017|p=70}}。フランスの伝統料理フレンチ・[[オニオンスープ]]は、欧米人にとって最も有名な料理のひとつで、飴色に炒めたタマネギをビーフ[[ブイヨン]]で煮込んで、かりっと[[トースト]]した[[パン]]と、溶けた[[チーズ]]を載せた料理である{{sfn|ジェイ|2017|p=79}}。タマネギの酢付けは、発酵が一般的な貯蔵方法だった東欧地域でよく食べられる食品である{{sfn|ジェイ|2017|p=82}}。
新タマネギと呼ばれる極早生のタマネギなどは、生の薄切り(オニオンスライス)や、[[みじん切り]]([[ラーメン]]の[[トッピング]]用など)でも美味しく食べられる<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO14207520X10C17A3000000/ 【食べ物 新日本奇行 classic】ラーメンのネギは白か青か いや、タマネギだってある] [[日本経済新聞社]]NIKKEI STYLE(2017年4月1日)2018年12月18日閲覧</ref>。ペコロスのように小さなものは、切らずにそのまま煮物やグラッセにして、形も楽しむといった使い方をする{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。
タマネギの種は黒[[ゴマ|ごま]]に姿が似ており、インドやヨーロッパにおいて[[香辛料|スパイス]]の一種としてそのまま、あるいは他のスパイスと合わせて料理の香り付けなどに用いられる。
=== 調理法 ===
[[File:Zwiebel-geschnitten.jpg|thumb|タマネギのみじん切り]]
秋冬タマネギと春に出回る新タマネギでは、同じ調理法を行っても旨さを上手に引き出せないので、それぞれ特性に合わせて調理法を変える。秋冬タマネギでは、じっくり加熱調理することで甘味と深い旨味を引き出せるので、大きめに切って、煮込み料理に使う方が向いている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。一方、新タマネギは水っぽいため、煮込んでも旨さが引き出せない。このため、生食するか、軽く炒めて食感を活かした食べ方に向いている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。
タマネギには、辛味と甘味の両方の成分が含まれている。生のときは、辛味成分が強いため甘味を感じることが少ない{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。炒めるなどの加熱調理することによって、辛味成分は分解されて甘味成分だけが凝縮して残されるので、タマネギ特有の甘味が出てくる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=30}}。さらに、茶褐色になるまで炒めると、甘味に旨味が加わり、カレーやシチューなどのベースになる濃厚なコクが出てくる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。
生食の場合、切ってから水にさらすと辛味が和らぐ{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。タマネギを切る前に、あらかじめ冷蔵して冷やしておいたり、切れのよい[[包丁]]で手早く切ると、涙が出てしまうことを抑えることができる{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}{{sfn|ジェイ|2017|p=148}}。
=== 栄養価 ===
{{栄養価 | name=たまねぎ りん茎 生<ref name=mext7>[[文部科学省]]『[https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]』</ref>| kJ =155| water=89.7 g| protein=1.0 g| fat=0.1 g| satfat=0.01 g| polyfat =0.03 g| opt1n=[[コレステロール]] | opt1v=1 mg| carbs=8.8 g| opt2n=[[食物繊維|水溶性食物繊維]]| opt2v=0.6 g| opt3n=[[食物繊維|不溶性食物繊維]]| opt3v=1.0 g| fiber=1.6 g| sodium_mg=2| potassium_mg=150| calcium_mg=21| magnesium_mg=9| phosphorus_mg=33| iron_mg=0.2| zinc_mg=0.2| copper_mg=0.05| manganese_mg=0.15| selenium_ug =1| betacarotene_ug=1| vitE_mg =0.1| thiamin_mg=0.03| riboflavin_mg=0.01| niacin_mg=0.1| vitB6_mg=0.16| folate_ug=16| pantothenic_mg=0.19| opt4n=[[ビオチン|ビオチン(B<sub>7</sub>)]] | opt4v=0.6 μg| vitC_mg=8| opt5n=[[有機酸]]| opt5v=0.2 g| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]]『{{PDFlink|[https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]}}』</ref>。廃棄部位: 皮(保護葉)、底盤部及び頭部| right=1 }}
タマネギの鱗茎部には水分が約90%含まれていて、可食部100[[グラム]] (g) あたり、[[炭水化物]]8.8 g、[[タンパク質|たんぱく質]]1.0 g、[[ミネラル|灰分]]0.4 g、[[脂質]]0.1 gが含まれている{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。炭水化物が多めに含まれていて、野菜としては[[熱量]]が37キロ[[カロリー]] (kcal) と高めで、微量栄養素の[[ビタミン]]・[[ミネラル]]・[[食物繊維]]はそれほど多くはない{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。それでも、[[チアミン|ビタミンB1]]・[[リボフラビン|B2]]・[[ビタミンC|C]]や、[[カリウム]]、[[カルシウム]]などのミネラル、食物繊維がバランスよく含まれている{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}。タマネギの[[炭水化物|糖質]]にはブドウ糖([[グルコース]])、果糖([[フルクトース]])、蔗糖([[スクロース]])などが含まれ、低分子の糖として貯蔵する{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。
調理過程で水にさらすと、栄養成分が流れ出てしまうため、辛味成分が少ない新タマネギは水にさらさずにそのまま食べた方が栄養を効率よく摂取できる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=56}}。タマネギを加熱し、黄色、あめ色、茶色と褐変が進行するに従って[[2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル|DPPH]]ラジカル消去能が上昇するとの報告がある<ref name="naid">{{Cite journal|和書|author=下橋淳子 |date=2004-03 |url=https://komajo.repo.nii.ac.jp/records/644 |title=褐変物質のDPPHラジカル消去能 |journal=駒沢女子短期大学研究紀要 |ISSN=02884844 |publisher=駒沢女子短期大学 |volume=37 |pages=17-22 |doi=10.18998/00000638 |CRID=1390009224799178752}}</ref>。タマネギを炒めることによって[[メイラード反応]]が起こり、褐色物質の[[メラノイジン]]が生成する。メラノイジンは、[[in vitro]]では[[抗酸化物質|抗酸化作用]]、[[活性酸素]]消去活性、[[複素環式化合物|ヘテロ環]]アミノ化合物(発癌物質)に対する脱[[変異原]]活性などを有する可能性があるとして研究が続けられている<ref>[http://www.isc.meiji.ac.jp/~maillard/hayase/hayase.html 明治大学農学部農芸化学科食品機能科学研究室 研究の概要]</ref>{{信頼性要検証|date=2012年11月}}。
=== 保存 ===
タマネギは収穫後、表皮を乾燥させておけば長期保存が可能であり、常温でも数か月は保存が可能な食材である。生産者は、極早生や早生の種は保存性がないため、機械乾燥してからすぐに出荷するが、貯蔵性に優れる晩生の種は、秋に収穫して施設で乾燥させたあと、貯蔵庫で翌年春まで保存できる{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。CA(Controlled Atmosphere)冷蔵法{{efn|庫内の温度と空気成分の調整によって、青果物の呼吸を最小限に抑え、鮮度の低下を防止するシステム{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。}}の導入により、薬剤や放射線照射に頼らず、萌芽を同時に防ぐ保存法も確立されている{{sfn|講談社編|2013|p=159}}。
家庭などでは、湿気がこもらない、かつ乾燥しすぎない風通しのよい場所で、ネットや紙袋などに入れて、室温で保存できる{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}{{sfn|猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|2012|p=31}}。暑い季節は、冷気にあたらないようにする{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。調理で切って使い切れなかった玉ねぎは、切り口を[[食品用ラップフィルム]]などで包んで、乾燥しないように[[ポリ袋]]などに入れて冷蔵保存する{{sfn|主婦の友社編|2011|p=57}}。
== 薬用 ==
=== 漢方と民間療法 ===
タマネギの薬用の歴史は古く、紀元前15世紀頃に書かれたエジプトの医学書とされる『エーベルス・パピルス』に名称が登場する{{sfn|田中孝治|1995|p=192}}。古代ギリシアの本草書『ディオスコリデスの薬物誌』の中でも、タマネギの薬用について詳細に記述されている{{sfn|田中孝治|1995|p=192}}。伝統[[中国医学]]では[[咳嗽|咳]]、[[風邪]]、[[気管支喘息|喘息]]、[[気管支炎]]にタマネギを推奨している{{sfn|ジェイ|2017|p=152}}。
[[民間療法]]では、風邪の初期症状のとき就寝前に、タマネギの鱗茎を細かく刻んで湯飲みに入れて、すりおろした[[ショウガ|ヒネショウガ]]を少量加えて[[味噌]]で調味して、熱湯を注いでしばらく置いた後によくかき混ぜてから飲む方法が知られる{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。咳止めには、細かく刻んだタマネギをタオルのような布の中央に入れてその部分に熱湯をかけて軽く絞り、のどに当てて温湿布する方法が知られる{{sfn|田中孝治|1995|p=193}}。
=== 医学的知見 ===
タマネギには辛味成分にもなっている多様な種類の[[硫化アリル]]類が豊富に含まれている{{sfn|講談社編|2013|p=161}}。その代表ともいえる[[アリシン]]には「血小板凝集を抑制する」「血圧が下がる」「コレステロールを下げて[[動脈硬化症|動脈硬化]]を予防する」などの効果が期待できると言われているが、現時点では、人において信頼できる十分な根拠は示されていない<ref>{{Cite web|和書|url=https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail119.html |title=「健康食品」の安全性・有効性情報 |publisher =国立健康・栄養研究所 |accessdate=2021-07-07}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.healthnet.or.jp/column/2019/000070.html |title=健康サポート通信 Vol.1 新玉ねぎ |publisher = 一般財団法人 日本健康文化振興会 |accessdate=2021-07-07}}</ref>。
== 動物への影響 ==
[[イヌ]]や[[ネコ]]がタマネギを食べた場合には、[[アリルプロピルジスルフィド|アリルプロピルジスルファイド]]により血液中の[[赤血球]]が破壊され、血尿、下痢、嘔吐、発熱を引き起こす<ref name="full">{{PDFlink|[https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide/pdf/full.pdf 飼い主のためのペットフード・ガイドライン]}} 環境省(2020年4月29日閲覧)</ref>。タマネギの加工食品やエキスも、イヌやネコなどの動物に影響を与えることがある<ref name="full" />。
{{See|タマネギ中毒}}
== 文化 ==
=== 宗教による考え方の違い ===
インドの[[バラモン教]]や[[ヒンドゥー教]]の学問や祭司を司る[[バラモン]]は、情欲と怒りを増大させて瞑想を妨げる野菜だとして、ニンニクとともにタマネギの摂取を禁じている{{sfn|ジェイ|2017|p=73}}。ヒンドゥー教の分派スワミナラヤンの信者は、ニンニクもタマネギも食べない{{sfn|ジェイ|2017|p=73}}。[[カシミール]]に住む高位のヒンドゥー教徒であるカシミール・[[パンディット]]の人々も同様に食べない{{sfn|ジェイ|2017|p=72}}。[[ジャイナ教]]徒は、タマネギを含むネギ属の野菜は食べた人に悪影響を与え、収穫の際に土中の小さな生き物を傷つけると考えられているため、摂取を禁じている{{sfn|ジェイ|2017|p=73}}。
=== 絵画の題材 ===
フランス[[印象派]]の画家の多くは、都会を避けて田舎の[[プロヴァンス]]地方を仕事場に選び、質素で基本に立ち返った生活を表現する[[静物画]]を描いた。その題材にタマネギが描かれた作品が残されており、[[ポール・セザンヌ]]の『玉ねぎのある静物』(1896年 - 1898年)、[[ピエール=オーギュスト・ルノワール|ルノワール]]の『玉葱のある静物』(1881年)のほかに、[[フィンセント・ファン・ゴッホ|ファン・ゴッホ]]は『赤キャベツと玉ねぎのある静物』(1887年)から『生姜の瓶と玉ねぎ』(1885年)まで、何度もタマネギを描いている{{sfn|ジェイ|2017|pp=111–113}}。
=== 祝祭 ===
タマネギの[[祭|祝祭]]が世界各地で催されている。数は減少したものの、古くはイギリスでは13世紀からオニオン・フェアが行われており、[[ハワイ州|ハワイ]]の[[マウイ島]]、インドの[[ムンバイ]]などでもオニオン・フェアが開催されている{{sfn|ジェイ|2017|p=154}}。ドイツのエリスゲンでは、毎年8月にツヴィーベルフェスト(タマネギ祭り)が開催される{{sfn|ジェイ|2017|p=155}}。毎年10月には[[ヴァイマル]]で行われるタマネギ祭りが有名で、住民はタマネギの花輪で自宅を飾る{{sfn|ジェイ|2017|p=155}}。
== タマネギをモチーフにしたキャラクター ==
* たまちゃん<ref>{{Cite web|和書|title=たまちゃん {{!}} 赤塚不二夫公認サイトこれでいいのだ!! |url=https://www.koredeiinoda.net/manga/s_tamachan.html |access-date=2023-02-01 |language=ja |publisher=株式会社フジオ・プロダクション}}</ref> - [[赤塚不二夫]]作『[[たまねぎたまちゃん]]』<ref>{{Cite web|和書|title=『たまねぎたまちゃん』作品紹介 {{!}} 赤塚不二夫公認サイトこれでいいのだ!! |url=https://www.koredeiinoda.net/manga/tamachan.html |access-date=2023-02-01 |language=ja}}</ref>の主人公
* [[タマネギ部隊]]
* ユニオニオン<ref>{{Cite web|和書|title=ゆるキャラグランプリ公式サイト |url=https://www.yurugp.jp/jp/vote/detail.php?id=00003621 |website=www.yurugp.jp |access-date=2023-02-01}}</ref> - [[日本労働組合総連合会]](連合)の公式ゆるキャラ
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em}}
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書|author =マーサ・ジェイ|translator =服部千佳子|title =タマネギとニンニクの歴史|date=2017-04-24|publisher = [[原書房]]|series = 「食」の図書館|isbn=978-4-562-05400-8|page =|ref={{SfnRef|ジェイ|2017}} }}
* {{Cite book|和書|author =猪股慶子監修 成美堂出版編集部編|title = かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典|date=2012-07-10|publisher = [[成美堂出版]]|isbn=978-4-415-30997-2|pages =30-31|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =[[金子美登]]|title=有機・無農薬でできる野菜づくり大事典|date=2012-04-01|publisher = [[成美堂出版]]|isbn=978-4-415-30998-9|page =124|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =講談社編|title = からだにやさしい旬の食材 野菜の本|date=2013-05-13|publisher = [[講談社]]|isbn=978-4-06-218342-0|pages =158-161|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =主婦の友社編|title = 野菜まるごと大図鑑|date=2011-02-20|publisher = [[主婦の友社]]|isbn=978-4-07-273608-1|pages =56-61|ref=harv}}
* {{Cite |和書 |author=田中孝治 |title=効きめと使い方がひと目でわかる 薬草健康法 |date=1995-2-15 |publisher=[[講談社]] |series=ベストライフ |isbn=4-06-195372-9 |pages=192 - 193 |ref=harv }}
== 関連項目 ==
{{
{{Wikispecies|Allium cepa}}
* [[野菜の一覧]]
* [[涙の出ないタマネギ]]
* [[タマネギ中毒]]
* [[クリスティアン・ロドリゲス]] - 愛称がセボーリャ([[スペイン語]]でタマネギ)。
* [[タマネギ部隊]] - 漫画『[[パタリロ!]]』に登場するキャラクター群。
* [[血液サラサラ]]
* [[アリシン]]
== 外部リンク ==
* {{Hfnet|119|タマネギ}}
* [https://www.healthnet.or.jp/column/2019/000070.html 健康サポート通信 Vol.1 新玉ねぎ] - 一般財団法人 日本健康文化振興会
* {{Kotobank}}
* [https://delishkitchen.tv/articles/1201 葉タマネギ] - [https://delishkitchen.tv/ DELISH KITCHEN]
{{ネギ属}}
{{Taxonbar|from1=Q23485}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:たまねき}}
[[Category:タマネギ|*]]
[[Category:薬用植物]]
[[Category:1753年に記載された植物]]
[[Category:葉菜]]
[[Category:根菜]]
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