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'''キロ'''(kilo, 記号:[[k]])は[[国際単位系]] (SI) における[[SI接頭語]]の一つで、以下のように、基礎となる単位の10{{sup|3}} (=[[1000]]) 倍の量であることを示す。記号は'''[[小文字]]・[[立体活字|立体]]の「k」'''である。
* 1[[キログラム]] (kg) = 1000[[グラム]] (g)
* 1[[キロ
* 1
* 1キロ
* 1キロ
== 概要 ==
[[1795年]]の当初の[[メートル法]]で定められた6つの接頭語の一つである。
キロは、[[ギリシア語]]で[[1000]]を意味する '''χίλιοι''' ('''khilioi''') に由来する。
当時は、倍量の接頭語はギリシャ語から、分量の接頭語はラテン語から作成することとしていた。そこで、ギリシャ語の単語を[[フランス語]]風に変更して作られたのがキロ (kilo) である。
[[1960年]]の第11回[[国際度量衡総会]] (CGPM) でSIが制定される際に正式に承認された。
== 小文字を使う理由 ==
倍量のSI接頭語の記号のうち[[メガ]](記号: M、10{{sup|6}})以上の記号は[[大文字]]であるが、[[デカ]] (da)・[[ヘクト]] (h)・キロ (k) は小文字である。これは、倍量には大文字を使うという決まりができる前にすでにデカ・ヘクト・キロが定められ、また、小文字で定着していたためである。
しばしば “Kg” “KG”(キログラム)、“Km” “KM”(キロメートル)などと表記されることがあるが、これらは誤りで、正しくは “kg” “km” である{{efn2|[[産業技術総合研究所]] 計量標準総合センター発行のパンフレット「国際単位系 (SI) は世界共通のルールです<ref>{{cite web |url=https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/pamphlet/si/SIdata202004.pdf |archiveurl=https://web.archive.org/web/20210111070327/unit.aist.go.jp/nmij/public/report/pamphlet/si/SIdata202004.pdf |title=国際単位系 (SI) は世界共通のルールです |format=[[Portable Document Format|PDF]] |date=2020-04 |accessdate=2021-01-09 |archivedate=2021-01-11 }}</ref>」2ページ右下の「誤りやすい単位記号の例」として “10 Kg”(正しくは 10 kg)が示されている。}}。大文字の「[[K]]」は、[[熱力学温度]]の単位である[[ケルビン]]の記号であるため、“Kg” “Km” と記述した場合は、「ケルビン グラム」「ケルビン メートル」と誤読される可能性がある。なお、大文字「K」を用いることに[[計量法]]上の罰則が伴うものではない。SI単位等普及推進委員会と通商産業省(現:経済産業省)計量行政室は次の問答を作成している{{efn2|経済産業省ウェブサイト「計量単位のSI化に係るQ & A<ref>{{citation |和書 |url=http://www.meti.go.jp/topic/data/e90930aj.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20071209191037/meti.go.jp/topic/data/e90930aj.html |title=計量単位のSI化に係るQ & A |author1=SI単位等普及推進委員会 |author2=通商産業省 計量行政室 |accessdate=2013-08-13 |archivedate=2007-12-09 }}</ref>」のQ5とA5}}<ref>[https://www.ne.jp/asahi/office/okada/s_keiriou/s_keiriou.htm 新計量法とSI化の進め方] Q and A、6.単位記号について、Q29:A29</ref>。
{{Quotation|'''質問''':接頭語のキロに大文字のKを使用することは可能か。 <br />'''回答''':SIのルールでは、大文字のKは温度の計量単位であるケルビン (K) を表す記号ですので、誤解を生む要因となります。したがって、正しく小文字のkを使用すべきです。特に、欧州やISOなどでは、記号も含めて整合性を求められますので、正しい記号を使用することをお薦めします。 なお、計量法は、計量単位記号については、標準となるべきものを定めていますので、大文字のKを用いることに罰則が伴うものではありません。}}
日本の一般道路の[[日本の道路標識|道路標識]]では、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」<ref>{{Cite web|和書|url=https://laws.e-gov.go.jp/law/335M50004002003 |title=道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和三十五年総理府・建設省令第三号)|website=e-Gov法令検索 |publisher=総務省行政管理局 |date=2017-04-21 |quote=2017年7月1日施行分|accessdate=2020-01-09}}</ref>により、“Km”(頭文字を大文字)と標示するよう定めていたが、 [[2008年]]([[平成]]20年)[[8月1日]]以降、“km”(頭文字を小文字)と標示するように[[省令]]が改正された<ref>[https://www.mlit.go.jp/report/press/road04_hh_000006.html 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部改正について] [[国土交通省]]、距離を標示する「Km」標記の「km」への変更。2008年(平成20年)[[6月30日]]、[[内閣府]]国土交通省令第2号による改正内容の報道発表資料。</ref><ref>{{cite web |url=https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/annai/90directions.htm |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120420184313/mlit.go.jp/road/sign/sign/annai/90directions.htm |publisher=国土交通省道路局 |work=道路標識 |title=案内標識一覧 |accessdate=2012-06-08 |archivedate=2012-04-20 }}</ref>。なお、[[日本の高速道路|高速道路]]での案内標識は、新設当初から “km”(頭文字を小文字)と標示している<ref>[[1963年]]([[昭和]]38年)[[7月13日]]、総理府建設省令第2号。同年[[7月14日]][[施行]]。</ref>。
== 曖昧な使われ方 ==
日本において、単に「キロ」と言った場合には、キロメートル (km) またはキログラム (kg) 、ないしは[[キロメートル毎時]] (km/h) を指すことが多い。技術者は金額や人口などの1,000についても「キロ」を用いることがある(例えば20,000円を「20キロ円」と呼び、¥20kと略記する。「単位:千円」として100,000円を100(=100千円)と表記されるのと似ている。)。[[2000年問題]]は「Y2K問題」('''ワイツーケイもんだい'''、“Y” は年=year、“K” はキロ=kilo)とも呼称された。
=== 軍における klick ===
[[アメリカ軍]]およびアメリカ軍と共同作戦を行う国の軍では、{{en|klick}}(または、klik、click)をキロメートルの俗語として用いる。1960年代のベトナム戦争時代から使われ始めた<ref>The Random House Dictionary of the English Language, 2nd Edition, Unabridged, 1987, p.386</ref><ref>Oxford Dictionary of English([[オックスフォード英英辞典]])</ref>。
== 情報工学の分野における使用法 ==
情報工学の分野において、SI接頭語「キロ」は、国際単位系 (SI) の定めに従い'''1000''' (= 10{{sup|3}}) '''倍'''を示す場合と、[[国際規格]]などで定められていない俗習{{efn2|情報工学の分野において、接頭語「キロ」を、国際単位系 (SI) の定めに従わず、俗習として1024 (2{{sup|10}}) 倍を示す場合があるのは、[[コンピュータ]]が内部ですべての数値を[[二進法|2進数]]に置き換えて処理していることと、1024 (2{{sup|10}}) が概ね1000であること、及び、代表的な[[オペレーティングシステム|OS]]([[Microsoft Windows]]や過去の[[macOS]]など)にて[[電子媒体|記憶媒体]]の容量や[[ファイルサイズ]]の換算に用いていることが主な理由である。}}として'''1024''' (= 2<sup>10</sup>) '''倍'''を示す場合<ref name="Windows" group="注">[[Microsoft Windows]]や過去の[[macOS]]では、コンピュータの記憶容量やファイルサイズについて、俗習に従い1024[[バイト (情報)|バイト]]を1[[キロバイト]](記号もSI接頭語従わず、“KB”〈頭文字が大文字〉)と表している([[国際規格]] ([[IEC 80000-13]]) に従う場合、1,024バイトを1[[キビバイト]]と表すことができる)。</ref><ref name="ITEngineersExamination">[[国家試験]]である[[情報処理技術者試験]]にて、「1kバイト=1000バイト」として計算させる問題([[基本情報技術者]] 平成28年春期 午前 問12など)と、「1kバイト=1024バイト」として計算させる問題(基本情報技術者 平成25年秋期 午前 問11など)が出題されている。</ref>{{efn2|name="TextBook"|[[高等学校]]の[[教育課程]]「[[情報 (教科)|情報の科学]]」の教科書では、「[[キビバイト]]」など[[2進接頭辞]]を用いた単位の説明をせず、「キロ」を1024倍と説明するものが多い。<ref>{{cite web |author=安達順一 |url=https://seiai.ed.jp/sys/text/csd/cf13/c13b060.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200222075041/seiai.ed.jp/sys/text/csd/cf13/c13b060.html |title=各教科書のキロバイト |publisher=[[弘前学院聖愛中学高等学校]] |date=2013-03 |accessdate=2020-02-22 |archivedate=2020-02-22 }}</ref>}}がある。
この曖昧さを回避するため、'''1024''' (= 2<sup>10</sup>) '''倍'''を表す接頭語として、国際規格 ([[IEC 80000-13]]) にてSI接頭語と区別できる[[2進接頭辞]]「'''キビ'''」(kibi, 記号: Ki)が定められているが、[[キビバイト]](kibibyte, 記号: KiB)や[[キビビット]](kibibit, 記号: Kibit, Kib)などの単位は、あまり用いられていない{{r|Windows|TextBook|group="注"}}{{r|ITEngineersExamination}}。
また、国際単位系 (SI) 第8版(2006年)にて、キロやその他のSI接頭語を'''決して2の[[冪乗|べき乗]]を表すために用いてはならない'''と定めている<ref>[https://web.archive.org/web/20191008102417/https://unit.aist.go.jp/nmij/library/units/si/R8/SI8J.pdf 国際単位系 (SI) 第8版(2006)日本語版(原書:国際度量衡局 日本語訳:産業技術総合研究所 計量標準総合センター)] 3.SI 単位の10進の倍量及び分量 3.1 SI接頭語 p.33サイドノート<br />「これらのSI接頭語は10の整数乗を表す。それらを決して2のべき乗を表すために用いてはならない(例えば,1キロビットは1000ビットであり,1024ビットではない)。IEC 規格 60027-2:2005,第3版,電気用文字記号―第2部:電気通信及びエレクトロニクス(IEC 60027-2: 2005, third edition, Letter symbols to be used in electrical technology –Part 2: Telecommunications and electronics)では2{{sup|10}},2{{sup|20}},2{{sup|30}},2{{sup|40}},2{{sup|50}},及び2{{sup|60}}に対する接頭語がそれぞれ以下のように定義されている。
:名称 / 記号
*キビ (kibi) / Ki
*メビ (mebi) / Mi
*ギビ (gibi) / Gi
*テビ (tebi) / Ti
*ペビ (pebi) / Pi
*エクスビ (exbi) / Ei
例えば,1[[キビバイト]]は1KiB = 2{{sup|10}}B = 1024Bと書き表される。ここで,Bはバイトを表す。これらの接頭語はSIに属さないが,SI接頭語の誤用を避けるために,情報工学の分野では既に用いられている。」</ref>が、大手IT企業である[[マイクロソフト]]などが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず{{r|Windows|TextBook|group="注"}}{{r|ITEngineersExamination}}、'''2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない'''{{efn2|[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]で記憶媒体の詳細な空き容量を調べてみると、カタログスペックとして記載されている容量より、表示される容量のほうが少なくなることが多い。これは記憶媒体の容量を、メーカーが国際単位系 (SI) に従い10の整数乗で計算することが多いのに対し、主なパソコンの[[オペレーティングシステム]]([[Microsoft Windows]]・過去の[[macOS]])が俗習に従い2のべき乗で計算することに起因する。}}。なお、[[macOS]]では、[[Mac OS X Leopard]]以前は2のべき乗(1024倍)が用いられていたが、2009年公開の[[Mac OS X Snow Leopard]]以降は10の整数乗(1000倍)を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。<ref>{{Cite web|和書|url=https://support.apple.com/ja-jp/102119 |title=iOS および macOS でのストレージ容量の表示方法 |publisher=Apple Inc |date=2018-03-14 |access-date=2022-10-03 }}</ref>
== SI接頭語 ==
{{SI接頭語}}
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
'''注釈'''
{{Notelist2}}
'''出典'''
{{Reflist}}
{{DEFAULTSORT:きろ}}
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