削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
 
(49人の利用者による、間の73版が非表示)
1行目:
小学校、中学校、高校などでいう'''原級留置'''(げんきゅうりゅうち)は、[[学校]]に在籍している[[児童]]・[[生徒]]・[[学生]](在学生)が、何らかの理由で[[進級]]しないで同じ[[学年]]を繰り返して[[履修]]すること。'''落第'''(らくだい)や'''留年'''(りゅうねん)に対する公式の表現でともいい学校長の権限よって生徒、学生に対しこうした処分をすることを原級留置処置落第いう。'''原級留め置き'''(げんきゅうとめおき)、又は'''留級'''(りゅうきゅう)と表記される場合もある。[[対義語]]は「及第」・「通常の進級」である
 
一方、[[大学]]では{{Ruby|'''留年'''|りゅうねん}}がむしろ正式用語である。大学では基本的に"原級留置"などという用語(小学〜高校用語)は基本的に使わない。
類似のケースに当たるものに、[[小学校]]就学を標準よりも遅らせる「[[就学猶予]]」、学校[[卒業]]後の上級学校への[[進学]]時に期間が空く「[[過年度生|過年度進学]]」がある。
 
日本の場合、高校までの原級留置(留年)と、大学における留年は意味がかなり異なっているので、区別して説明する。
== 原級留置の例 ==
また、国によって、課程主義(習得すべきものを習得した人だけを進級させる主義)と年齢主義(年齢がある年齢に達したら、習得すべきことを習得していなくても進級させてしまう主義)の違いがあり、主義が異なると、生徒・学生の留年する<u>割合が全く異なっており</u>、"留年"の意味も全然異なるので、そこを区別して解説する。
 
== 概要 ==
;国ごとの違い
初等教育や中等教育では、課程主義をとっていて留年率の高い国([[フランス]]、[[ドイツ]]、[[フィンランド]]など)もあれば、制度上・理論上は一応は留年と"なりうる"が実態上は留年がない国([[イギリス]]や[[日本]]など)もある<ref name="singi">{{Cite web|和書|date=2013-11-26 |url=https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai15/siryou1.pdf|title=学校制度(学制)-諸外国との比較|publisher=教育再生会議 |accessdate=2017-09-01}}</ref>。
 
[[フランス]]、[[ドイツ]]、[[フィンランド]]などでは、試験で習得度を確認し、習得すべき内容を習得していなければ、容赦なく留年とし、大人数の生徒が留年する。
 
大学などに至っては、フランスの国立大学などは、毎学年あるいは毎学期に厳しい習得度確認試験があり、毎年進級できる学生は学生全体の数割程度であり、そのような選別を大学1学年~4学年まで繰り返し、毎年のように留年する人が増えてゆき、その大部分は強制退学もしくは自主退学に至る。フランスの国立大学の場合、毎年の試験の修羅場をくぐりぬけて卒業までたどり着けるのは(学部や学科にもよるが)入学者のうちわずか3割~1割程度ということはザラである。逆に言うと、"フランスの国立大学を卒業した"という事実があれば、その人が優秀であり、その学科で"習得すべきことを本当に習得した人物だ"という証明になるのである。
 
;日本国内の、小学校から高校までと、大学の留年の意味の違い
原級留置とは、小学校から高校までの教育現場で、主に学校側や教師側で、使われる用語であり、在学生に対しこうした処分を課すことを原級留置処置、原級留め置き、といい、「留級」と表記される場合もある。[[対義語]]は、「及第」・「通常の進級」である。
 
類似のケースに当たるものに[[小学校]]就学を標準よりも遅らせる「[[就学猶予]]」、学校[[卒業]]後の上級学校への[[進学]]時に期間が空く「[[過年度生|過年度進学]]」がある。また、[[東京大学大学院総合文化研究科・教養学部|東京大学教養前期課程]]においては、[[東京大学の進学選択|進学選択]]で3年生からの所属先が決まらない場合に、学年の途中で2年生から1年生となる「降年」という制度が行われている。
 
特に日本の公立中学校では、実態としては"年齢主義"が基本で、習得すべきことを習得していなくても進級できてしまい、留年させられるケースはほとんどなく、自発的な希望以外で留年が決定することは無い<ref>{{Cite web|url=https://fskinoko.com/ibasyo/2023/03/26/system-2/|title=小学校、中学校の留年制度「原級留置」|publisher=子どもいばしょナビ|accessdate=2025-10-02}}</ref>。
 
ただし日本国内でも大学となると、多くの場合、実際に習得べきすべき内容を習得したかしなかったかの違いが重視され、年度末や期末の試験で必要な点数をとり単位を取得しなければ進級や卒業が全く認められない、という制度になっているほうが一般的である。つまり、日本では、公立高校までの教育の場と大学の場では、"留年"の意味はかなり異なっていると理解するのが正しい。
 
{{see|年齢主義と課程主義}}
 
== 課程主義の国々の場合 ==
まず、課程主義の国々では留年はどのようなものか解説してゆく。自国とは異なる国々の実態を知るほうが、人は学ぶものが多い{{Efn|自国のことを説明しても、たいていは学びの量が少ない。自国に関する節を読んでも、"そんなこと、もともと、周囲から聞いたことがあり、知っていた。その節を読んでもたいして知識は増えなかった"という結果になりがちである。全く異なる世界のことを知るほうが、"目からウロコ"となり、知識量が格段に増えることが多い。だから、日本とは主義が異なる国々から説明する。しかも、それらは先進諸国である。世界的には影響力が大きい国々である。}}ので、まずは日本とは根本原理が異なる国々における留年から説明する。
 
=== フランス ===
[[フランス]]の義務教育課程は課程主義で留年制度もあるが親は異議を申し立てることができる<ref name="singi" />。
 
2009年のOECDの調査では15歳生徒のうち初等教育で17.8%、前期中等教育で23.5%の生徒が留年したことがある<ref name="singi" />。
 
=== ドイツ ===
[[ドイツ]]の義務教育課程は課程主義で留年は親と学校が相談した上で決定する<ref name="singi" />。
 
2009年のOECDの調査では15歳生徒のうち初等教育で9.2%、前期中等教育で14.2%の生徒が留年したことがある<ref name="singi" />。
 
=== フィンランド ===
[[フィンランド]]の義務教育課程も課程主義で留年は親と学校による協議で決定する<ref name="singi" />。
 
2009年のOECDの調査では15歳生徒のうち初等教育で2.4%、前期中等教育で0.5%の生徒が留年したことがある<ref name="singi" />。
 
=== アメリカ合衆国 ===
[[アメリカ合衆国]]の学校制度では単位制がとられているため制度的に留年も存在する<ref name="singi" />。
 
2009年のOECDの調査では15歳生徒のうち初等教育で11.2%、前期中等教育で4.2%の生徒が留年したことがある<ref name="singi" />。ただし、能力に応じた学年に配置するという原則に基づき留年とともに飛び級も制度化されているため、実際には留年よりもドロップアウトが問題となる<ref name="singi" />。
 
アメリカ合衆国の高校では単位不足による卒業延期制度がある<ref name="singi" />。大半の州では高校卒業試験制度が導入されており、そこでは試験不合格者を卒業延期とする制度が採用されている<ref name="singi" />。
 
;アメリカの大学
アメリカ合衆国の大学では<u>4年間で卒業する学生は少数派であり</u>、入学者の3~4割である<ref name=Daigakujiten>{{Cite Kotobank|word=留年|encyclopedia=大学事典|accessdate=2025-10-02}}</ref>。
 
== 年齢主義の国々の場合 ==
=== 日本 ===
;用語
文部省や学校側の公式用語は「原級留置」である。「原級」は明治時代の等級制の名残であり、学年制では「原学年留置」となるが、慣例的に原級留置の語が使われている。しかし、「留置」という言葉は[[勾留]]施設でもある[[留置場]]を連想させるとして、戦前は「原級据え置き」と表記したり、現在でも「げんきゅうとめおき」「原級留め置き」と表記もする人もいる。
 
=== 原級留置にされるケース ===
原級留置の処置にされるケースには以下のような場合がある。
# 成績の不良
# 長期欠席([[不登校]]で出席日数が不足している場合)
# 私生活面においてだらしない(遅刻が多過ぎる、授業中寝ている、課題のレポート未提出など)
# その他生徒・学生としてふさわしくない行為があった場合
# 長期の病気療養(事故や病気による入院、加療の必要がある場合)
# 休学(海外留学等の場合)
# その他、本人が希望する場合(一部の大学では延長して在籍が認められている)
 
;当人の責めに帰すべき事由の場合
== 学校制度 ==
# [[不登校]]や当人の不祥事による[[謹慎]]・[[停学]]などにより、[[出席日数]]が不足した場合(謹慎や停学の日数は出席日数に含まれない)。
日本の[[学校制度]]では、[[飛び級]]経験者などの例外を除き、全ての留年経験者は通常に進級した児童・生徒・学生(就学猶予、原級留置、過年度進学などを経験しなかった人)より4月1日時点で1歳以上高年齢であるが、高年齢の在学生には過年度進学者なども存在するため、高年齢の在学生の全てが留年経験者であるとは限らない。
# 私生活面においてだらしない(遅刻が多過ぎる、授業中寝ている、課題のレポート未提出など)。
# その他児童・生徒・学生としてふさわしくない行為があった場合。
# 成績の不良(だが日本の公立中学などでは、実態としては、これで原級留置になることはほぼ無い。進級が黙認されてしまう。)
 
;当人の責めに帰さない事由の場合
[[幼稚園]]、[[小学校]]、[[中学校]]など、[[前期中等教育]]以下の学校では、実務上は下の[[学年]]を履修していなくても、所属できる最高学年(いわゆる年齢相当学年)に[[編入学]]できる。こういった、高年齢児童生徒の飛び級ができることが、学齢期(15歳以下)の学校に共通する特徴である。しかし、[[高等学校]]、[[高等専門学校]]、[[大学]]など、[[後期中等教育]]以降の学校では、年齢が高くても、以前に同等学校などで履修したことがない限り、1年生から履修しなければならない。
# 事故や病気、障害などにより長期の入院や加療を要する場合。
# 休学(海外留学などの場合)。
# その他、本人が希望する場合(一部の大学では延長して在籍が認められている)。
 
=== 日本の制度 ===
[[学校教育法]]などでは、諸学校の在学年齢/卒業年齢には上限は設けていないが、高等学校以上の課程において、留年できる回数の上限を設けている学校もある。日本では前期中等教育までは、就学猶予・原級留置・過年度進学などが数少ないため、外見上上限があるように見えるだけである。しかしながら、ほとんどの学齢児童が6歳から[[就学]]し、留年することなく15歳で中学校を卒業するということが常識の様になっており、学齢を過ぎた人の在学は通常の小中学校や関係機関などの現場ではほとんど想定されていない。
日本の大多数は6歳で[[就学]]し、15歳で中学校を卒業するということが常態になっているが{{Efn|日本では就学猶予・原級留置・過年度進学等を受ける者が数少なく、多くの場合、学齢を過ぎた場合の在学を想定されない}}、[[学校教育法]]は諸学校の在学年齢/卒業年齢に上限を設けないため、実務上は高年齢児童生徒の学年に飛び級ができる。
 
;編入との兼ね合い
高等学校以上の課程における留年の場合、学校と校則によって差異はあるが、極めて厳格な校則だと'''「一度たりとも留年を認めず、即退学とする」'''場合もあり(大学院修士課程に多い)、続いて'''「留年は一度だけ認めるが、二度目の留年が決定した場合は、即退学とする」'''(二度の留年がない)場合もある。
なお、[[認定こども園]]を含む[[幼稚園]]、[[義務教育]]期間の9年間を学修する[[小学校]]、[[中学校]]等の学齢期(15歳以下)の学校である[[前期中等教育]]では年齢相当の[[学年]]を履修しなくても所属しうる最高学年に[[編入学]]できるが、[[高等学校]]、[[高等専門学校]]、[[大学]]などの[[後期中等教育]]以降では同等の教育機関で履修したことがない限り、最初から履修する必要がある。
 
高等学校以上の課程では留年可能回数の上限や在学可能期限の上限を設ける場合もある。
なお[[体操着]]など学年毎に仕様が異なる[[学用品]]がある場合、留年しても買い替えは強制されないことが多い。2010年度から実施される公立の[[高校無償化]]に関しては、留年者の修了年限を越えた場合の適用については学校設置者([[地方公共団体]])の対応に委ねられる(国費ではなく学校設置者の負担となるため)。国立及び私立高校在学者対象の[[高校授業料無償化・就学支援金支給制度|高等学校等就学支援金制度]]は、修了年限を越えた者には適用されない。
 
;修士課程の場合
=== 公的な表記 ===
[[大学院]][[修士課程]](前期博士課程)は、大学ごとに規定が異なる。たとえば、標準を2年としている場合、私立の超一流大学の大学院の<u>文系学部などの場合</u>、「修士課程に最大で4年まで在籍できる」という規則が設けられていることがある。この場合、修士課程で4年学んだ場合でも、いわゆる"留年"というニュアンスにならないことも多い。たとえば毎年受講する科目で、講義での発表内容や出席日数の結果「オールA」(全て最優秀)をとり教授からも"優秀だ"と認められている学生が、"より多くの教授から、より多くの内容(科目)"を学びたいなどと考えて、2年...3年...4年と毎年新たに科目を選択しては学び続けて、4年目に[[修士論文]]を書き上げて修士課程(前期博士課程)を修了する、などということも起きる。このような学生の場合、毎年、成績が「オールA」であり、全ての科目で出席日数も満たしているので、いわゆる"留年"ではない。たとえ修士課程に4年在学しても、どの段階でも誰からも"留年"とレッテルを貼られるわけではなく、"ただただ、学ぶのが好きだから、自発的に4年、すなわち標準2年の 倍の量の内容を学びたかったら、4年間在学した"ということにすぎない。周囲の教授も学生もそれを理解している。その人の成績証明書には、(2年で修了した人と比べて)およそ2倍の科目名が並び、すべて「A」評価が並ぶことになる。このようにゆるやかな規則になっている大学院の場合、実態としては、修士課程の学生のほとんどは2年では修士課程を修了せず、学生の大半(過半数)が3年もしくは4年間在学する、という状態になっていて"常識化"している場合がある。
公式用語は「原級留置」であるが、「留置」という言葉は[[留置場]]を連想させるとして、「げんきゅうとめおき」と発音したり、表記も「原級留め置き」としたりする人もいる。戦前は「原級据え置き」ということも多かった。また、「原級」という言葉は明治時代の等級制の時代の名残であり、学年制の現在では「原学年留置」であるのだが、慣例的に原級留置の語が使われている。
 
また、途中で[[留学]]をはさむとさらに修了までの年数が伸びる。修士の文系で海外留学する場合など、途中で一旦[[休学]]手続きをとり、海外の一流大学の学部や修士課程などに1~2年ほど留学し、日本に帰国してから"復学"の手続きをとり、たとえば日本の修士課程には合計で3年在籍した形で日本側でも修士論文を書き修了するとなると、結果として、総計では(休学期間も含めて)4~6年ほどかけて日本の修士課程を修了した、ということになる。こういうやり方は、それなりの頻度で選ばれる方法で、途中の過程が多少複雑に見えるが、学ぶ意欲が高く、能力も十分に高いという証明になり、日本と海外の大学の両方の修了証明書(卒業証明書)を得ることができる。学んだ年数が増えたからといって、本人の評価が低くなるわけではない。むしろポジティブな評価となる。実際、こういう人は、その後その分野の大学教員などになっていったりする。
また、「留年」は[[学年制と単位制|単位制]]主体である学校、例えば[[大学]]などで使われる用語であり、「原級留置」、「落第」は[[学年制と単位制|学年制]]である学校、例えば小学校・中学校・学年制の高等学校などで使われる用語である。そのため、「原級留置」は「落第」と同じ意味であるが、「留年」とはやや意味が違う、という説もある。しかし一般的には三者は同じ意味で使われる。
 
一方、もう少し厳しく「留年は1度だけ認めるが、2度目の留年が決定した場合は即退学とする」場合もある。さらにもっと厳しい規則を設けている大学だと「一度たりとも留年を認めず、留学即退学とする」という規則を設けている大学もある。
なお、特別支援学校の高等部で知的障害者を対象とする課程においては、慣例として本人が希望しなければ原級留置を行っていない場合も多々ある。
 
=== 生活上の現役生実態の相違点統計 ===
日本では最低年齢の在学生が一般的であるが、原級留置者に代表される、最低年齢ではない在学生は、必ずしも一般の在学生と同様な学校生活、学校外生活を過ごせるわけではない。これについては、「[[過年度生#生活上の現役生との相違点]]」と「[[年齢主義と課程主義]]」で詳述。
 
==== 小学校・中学校 ====
== 実態と統計 ==
{{see also|義務教育#日本における義務教育}}
公立の小中学校においては、[[教育委員会規則]]で「校長は、児童又は生徒を原級留置したときは、速やかに教育長に報告しなければならない。」などと定められている場合が多いため、教育委員会は公立小学校の原級留置者数を把握しているものと思われる。しかし、小中学校での原級留置については、日本全体レベルでの統計が公表されていない。後期中等教育以降での原級留置数は公表されている。
後期中等教育(高等学校と中等教育学校後期課程以降)以降での原級留置数は公表されているが、小中学校については統計が公表されていない。
 
なお、[[国勢調査教育委員会規則]]ではにおいて公立小中学校の在学者と年齢「校長は、児童又は生徒区分原級留置した統計を出ときは、速やかに[[教育長]]に報告なければならな」と定められので場合があり、[[学齢]]超過の小中学生の人数を知ることができる。この統計については、「[[在学者と年齢主義と課程主義]]」で詳述を区分ている。だしこれは、[[国勢調査]]<ref>単なる年齢基準の学齢超過者統計なので、学齢期の原級留置者の正確な数を知ることができるものではない。</ref>で知ることができる(詳細は「[[年齢主義と課程主義]]」)
 
=== 小学校・中学校 ===
[[日本]]の[[学校制度]]では、大部分の公立小学校・中学校の[[学年]]は[[年齢主義と課程主義|年齢主義]]を取っており、[[就学猶予]]者、[[帰国子女]]などの特段な事情がある場合を除き、年齢によって所属する学年が決められる運用がされている。学校教育法施行規則では小中学校の各学年の修了や卒業は児童生徒の「平素の成績」を評価して認定するよう定めており、児童生徒の成績不良を理由に[[校長]]の判断で原級留置させることも可能であり<ref>学校教育法施行規則第57条・第79条</ref>、学年末には進級判定会議が存在する。しかし、実務上は公立小学校・中学校において成績不良であっても進級をさせている。
 
[[日本]]の[[学校制度]]では、大部分の公立小学校・中学校の[[学年]]は[[年齢主義と課程主義|年齢主義]]を取っており、[[就学猶予]]者、[[帰国子女]]などの特段な事情がある場合を除き、年齢によって所属する学年が決められる運用がされている。学校教育法施行規則では小中学校の各学年の修了や卒業は児童生徒の「平素の成績」を評価して認定するよう定めており、児童生徒の成績不良を理由に[[校長]]の判断で原級留置させることも可能であり<ref>学校教育法施行規則第57条・第79条</ref>、学年末には「進級判定会議」「卒業判定会議」が存在する。
かつては[[病気]]療養等を理由とする[[長期欠席]]による原級留置が公立小中学校における学校判断である程度見られた。これは[[1953年]]に[[兵庫県教育委員会]][[教育長]]の照会に対し、[[文部省]]初等中等教育局長が「一般的にいって、第三学年の総授業時数の半分以上も欠席した生徒については、特別の事情のない限り、卒業の認定が与えられないのが普通であろう」と回答しており([[s:課程の修了又は卒業の認定等について]])、この通知が公立中学校において出席日数を元に進級・[[卒業]]の判断をする根拠となっていた時期もあった。しかし、[[1990年代]]に入って[[長期欠席]]児童生徒が急増し、1990年代以降は児童生徒の保護者が強く希望した場合に原級留置が僅かに取られる程度となり、前述の通知は事実上効力を失いつつある(ただし、近年でも児童生徒の保護者の意思に反して原級留置にした例も極少数ながら存在する)。
 
かつては、[[病気]]療養等を理由とする[[長期欠席]]による原級留置が公立小中学校における学校判断である程度見られた。これは[[1953年]](昭和28年)に[[兵庫県教育委員会]][[教育長]]の照会に対し、[[文部省]]([[中央省庁再編]]後の[[文部科学省]])初等中等教育局長が「一般的にいって、第3学年の総授業時数の半分以上も欠席した生徒については、特別の事情のない限り、卒業の認定が与えられないのが普通であろう」と回答しており([[s:課程の修了又は卒業の認定等について]])、この通知が公立中学校において出席日数を元に進級・[[卒業]]の判断をする根拠となっていた時期もあった。
一方で保護者が望んでも年齢主義を理由に学校または[[教育委員会]]等の関係機関から拒否されるケースもあり、児童の親([[保護者]])が長期欠席を理由に積極的に留年を求めて拒否されて強制進級となったために裁判に訴えて、1993年8月30日に神戸地方裁判所で「進級は正当」との判決が下った[[神戸市立小学校強制進級事件]]の例がある。
 
一方、[[平成]]時代の[[1990年代]]に入って[[長期欠席]]児童生徒が急増し、1990年代以降は児童生徒の保護者が強く希望した場合に原級留置が僅かに取られる程度となり、前述の文部省通知は事実上効力を失いつつあり、公立小学校・中学校において成績不良や出席日数未達であっても進級・卒業をさせる運用をしている(その代わり、どんなに優秀な成績でも飛び級も行わない)。このように学校から進級・卒業を拒否されることは基本的にないが、特に中学校3年生の場合は上記理由で高校入試の受験資格を得られなくなることがあるので、単位を取り直すために生徒や親の希望で留年する場合はある。
近年では[[ひきこもり]]になった子供が数年に渡って通学しないにも拘わらず進級させており、その子供がのちに小中学校に通おうとしても、かなり困難なものとなってしまう。中には小学生でひきこもりになり、中学校に一日も通っていないのに、中学校を卒業させる事例すらある。
 
一方で児童や保護者が自主的な原級留置を希望しても、年齢主義を理由に学校または[[教育委員会]]などの関係機関から拒否されるケースもあり、児童の親([[保護者]])が長期欠席を理由に積極的に留年を求めて拒否されて強制進級となったために裁判に訴えて、[[1993年]](平成5年)[[8月30日]]に[[神戸地方裁判所]]で「進級は正当」との判決が下った[[神戸市立小学校強制進級事件]]の例がある。但し[[監禁]]など生徒が当人の責めに帰さない事由で長期間にわたり通学できなかった場合、自主的な原級留置を受け入れる、あるいは原級留置をするかどうかを選択できる場合もある。
なお、入試・進級試験制の私立の小学校・中学校では成績不良による留年例はある程度見られるといわれる(小学5年生以上で成績不良による原級留置があることを明言している[[玉川学園]]の例<ref>[http://www.tamagawa.ed.jp/admission/faq-7.html#07 成績によって学年をもう一度やり直すことがあるのですか?] 玉川学園HP</ref>など)。
 
近年では、[[ひきこもり]]になったり、怠学する児童生徒が数年に渡って通学しないにも拘わらず進級させており、その児童生徒がのちに小中学校に通学の意思を持っても、授業復帰はかなり困難なものとなってしまう。中には小学生でひきこもりになり、中学校に一日も通っていないのに、中学校を[[卒業#形式卒業|卒業]]させる事例すらある。
2004年9月、当時の[[文部科学大臣]][[河村建夫]]は[[朝日新聞]]のインタビューに応じ、これまでほとんど死文化していた義務教育期での留年を、対象を広げられるように研究すると話した。
 
なお、入試・進級試験制の私立の小学校・中学校では成績不良による留年例はある程度見られるといわれる(「(中学部以上で)学習到達度の不足による原級留置がある」ことを明言している[[学校法人玉川学園|玉川学園]]の例<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tamagawa.jp/academy/lower_upper_d/faq.html |title=Q&A|中学部・高等部 |publisher=玉川学園 |accessdate=2020-09-18}}</ref>など)。
自治体教育委員会は、各学校から報告される原級留置者数を取りまとめているため、内部記録としては情報がある場合がある。{{独自研究範囲|date=2011年10月|これについては、質問をすれば人数の回答が返ってくる場合もあれば、「公表していない」「記録自体がない」と回答される場合もある。たとえば[[札幌市]]の場合、2007年度は中学1年生1人、2008年度は小学1年生7人と小学2年生1人、2009年度は小学1年生2人と中学1年生2人と中学3年生2人であり、[[仙台市]]の場合、「ここ数年はいない」との回答である。このように政令指定都市レベルの人口でも、ゼロか数人程度と少ない。}}
 
2004年(平成16年)9月、当時の[[文部科学大臣]][[河村建夫]]は[[朝日新聞]]のインタビューに応じ、「これまでほとんど死文化していた義務教育期での留年を、対象を拡大できるように研究する」と話した。
=== 高等学校===
高等学校などの後期中等教育以降の学校では、成績不良や[[単位]]不足などの場合は原級留置の候補者となるが、[[クラブ活動]]、他の[[教科]]の成績等の学業態度を総合的に考慮し原級留置となるか否かが決められる。ただし、単純に登校日数が基準に達しなかった場合、成績優秀でも自動的に留年とする例もある。一部の教科に対しては単位不足ではあるが、他の教科で秀でた成績を残している場合など、才能の芽を伸ばすという意味で原級留置の対象から外されることが多い。
ただし、[[学年制と単位制|単位制]]の学校では、学年がないため、留年自体が存在しない(単位不足で卒業ができない例はある)。[[特別支援学校]]高等部は高等学校に準じる。
 
自治体教育委員会は、各学校から報告される原級留置者数を取りまとめているため、内部記録としては情報がある場合がある。
=== 高等専門学校 ===
 
==== 高等学校 ====
[[特別支援学校]]高等部を含む高等学校などの学年制の場合、成績優秀でも成績不良や修得[[単位]]数不足、登校日数や出席時間数が基準に達しない、または学校の判断によって異なるが評定の数値が著しく悪い場合などは原級留置の候補者となる。実際には[[クラブ活動]]、他[[教科]]等の学業態度を考慮して決定され、[[履修]]不認定で自動的に留年とするか、単位修得不認定ではあるが、原級留置の対象から外されること('''仮進級'''とも呼ばれる)が多い<ref>仮進級した場合は進級後の単位に加え、進級前に不足した単位の修得が必要となる。</ref>。なお、[[体操着]]など学年毎に仕様が異なる[[学用品]]がある場合、留年しても買い替えは強制されないことが多い。
 
[[学年制と単位制|単位制]]では卒業時までに単位を修得すればよいので留年という概念が存在しない(但し、修得単位数不足で卒業保留や卒業延期になり、ホームルーム活動のためにクラス編成を行う場合はある)。
 
修了年限を越えた者には国立及び私立高校在学者対象の[[高校授業料無償化・就学支援金支給制度|高等学校等就学支援金制度]]は適用されず、[[2010年]]度(平成22年)から実施された[[高校授業料無償化・就学支援金支給制度|公立高等学校の授業料無償化]]に関しては、学校設置者([[地方公共団体]]:各都道府県、特別区または市町村[[教育委員会]])の対応に委ねられる。
 
==== 高等専門学校 ====
高等専門学校(高専)では、大学と同様に一定の単位数以上をその学年で取得できなかった場合、留年となる。これは、一般の高等学校の修業年限に当たる1~3学年においても例外ではない。
 
多くの高専で、本科([[準学士]]課程)に10年を超えて在籍することは出来ず、また同一学年には2年を超えて在籍することは出来ないため、上の学年に二度続けて進級できなかった場合には、除籍となる。高専をストレートに5年間で卒業できる者は、全国平均でおよそ3/4である。{{要出典|date=2012年3月}}
 
==== 大学 ====
大学では通常、留年という。こちらがむしろ正式用語である。
 
日本の大学では、単位数が一定基準に満たない場合、留年となることが多い。高等学校までとは違い、すでに取得した単位は有効であり、不足している部分だけ翌年度に再履修し、進級要件を満たせば、進級できる。まれに、必修科目が廃止あるいは履修年次変更になった等で履修できる科目がない場合は1年間休学することで進級要件を満たすことができる。
 
通常の課程の場合、修業年限の2倍(例:4年制学部では8年、6年制学部では12年<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.phar.agu.ac.jp/jimu/teacher/promotion6nen4.html |title=愛知学院大学薬学部進級・卒業要領 |accessdate=2014-06-16}}</ref>)を超えて在籍することはできないことが多い。
 
大学回生制度(主に関西地方)を採用している場合は成績にかかわらず、1年おきに数字を増していくので入学5年目であれば5回生、6年目であれば6回生と表記されるため留年という制度はない。その場合でも8年(12年)を越えて在学することは不可能であることが多い。
 
ただし、[[大学通信教育]]の課程の場合は、4年制学部でも10年<ref>2014年度時点で放送大学に1年次入学し、かつ規修単位を用いた修業年限の通算を行わなかった場合は、在学年限は10年間となっている。</ref>程度在籍できる場合もあり、かつ、[[再入学]]も通学の課程に比べてしやすいことが多い。
=== 大学 ===
大学回生制度(主に関西地方)を採用している場合は成績にかかわらず、1年おきに数字を増していくので入学5年目であれば5回生、6年目であれば6回生と表記されるため留年という制度はない。この場合でも8年を越えて在学することは不可能である。
 
なお[[休学]]期間は在籍年数にカウントされないため、その場合は8年以上同じ大学に在籍している可能性がある(ゴダイゴの[[タケカワユキヒデ]]が音楽と学業を両立させるためこの制度を利用し、休学と復学を繰り返して12年間在籍した)。
 
大学生が留年する理由にはさまざまなものがあるが、留年者を出身高校別に分析してみると相当のばらつきがある。特に「管理型の進学校、全寮制」の留年率は高いと[[東京大学]]のミニコミ誌『恒河抄』は分析している<ref>小林哲夫 (2009)『東大合格高校盛衰史』光文社新書</ref>。
 
通常、留年は学生が進級・卒業要件を満たすことが出来なかった場合に起こることであるが、近年では就職が決まらなかったあるいは教職等の免許が取れなかった等の理由で、卒業要件を満たしながら意図的に卒業せず大学に学籍を残す例(就職留年)が急増している。そうしたことを背景に、「'''希望留年制度'''」を新たに設けた大学も存在する。
==== 就職留年 ====
通常、留年は学生が進級・卒業要件を満たすことが出来なかった場合に起こることであるが、近年では就職が決まらなかったなどの理由で、卒業要件を満たしながら意図的に卒業せず大学に学籍を残す例が急増している。そうしたことを背景に、「'''希望留年制度'''」を新たに設けた大学も存在する。
 
==== 日本の学校の原級留置の例や留年をめぐる事件 ====
*[[神戸市立小学校強制進級事件]]
===事件===
*[[神戸高専剣道実技拒否事件]]
*[[明治大学法学部大量留年事件]]
==== 日本の留年をテーマにした作品 ====
*[[神戸市立小学校強制進級事件]]
;漫画
* [[またぞろ。]](幌田、2019年-)
* [[留年!とどめ先輩]](川村拓、2019年-2021年)
<!--赤リンク
* [[王子は寮母と留年中 さっさと卒業してください]](権田原、2021年-)
-->
=== イギリス ===
日本と同様に、実態として[[年齢主義]]のイギリスの留年について、ここで説明する。
 
[[イギリス]]の義務教育課程では留年制度についての規定はないが理論的には可能とされている<ref name="singi" />。実態的には留年になることはほとんどなく、生徒は年齢とともに自動進級する<ref name="singi" />。
=== 創作上の描写 ===
====小・中学校====
[[小学校]]・[[中学校]]における留年はあまり一般的ではないため、[[漫画]]・[[アニメ]]などのフィクションにおいてはあまり登場しないが、全くないわけではない。ただし、留年と明言されなくても留年したことがあるキャラクターもいると見るのが自然である。また、[[サザエさん]]のように(制作の都合上)年を取らずに同じ学年を繰り返すのは、原級留置とは言わない。
 
2009年の[[経済協力開発機構|OECD]]の調査では15歳生徒のうち初等教育で1.6%、前期中等教育で0.8%の生徒が留年したことがある<ref name="singi" />。
; 足立花(あだち はな)
: [[吉河美希]]作の漫画「[[ヤンキー君とメガネちゃん]]」の主人公。中学時代に一度留年し、高校へ入学した経緯がある。
; 一堂零(いちどう れい)ほか「[[ハイスクール!奇面組|3年奇面組]]」の登場人物たち
: [[新沢基栄]]作のギャグ漫画「[[ハイスクール!奇面組|3年奇面組]]」の登場人物。数多くのキャラクターが中学3年生時に留年し、卒業できないというシーンがある。ただし、[[高校受験]]の不合格が理由とされており、現実にはこのケースでは卒業できるためありえない([[過年度生]]参照)。
; 海老原昌利(えびはら まさとし)
: [[森田まさのり]]作の漫画「[[ろくでなしBLUES]]」の登場人物。中学時代に[[留年]]を経験し、通っていた帝拳高校の教師に主人公の前田太尊以上と陰で言われる。
; 江本智恵(えもと ともえ)
: [[西尾維新]]作の[[ミステリー]]戯言シリーズの登場人物。中学校時代に重病で長期入院し、出席日数不足のため留年した。
; 川田章吾(かわだ しょうご)
: [[高見広春]]作の小説「[[バトル・ロワイアル]]」の登場人物。物語本編の前年に、全国の中学3年生を対象とした殺人ゲーム「プログラム」に巻き込まれており、生還したものの体中を負傷し長期入院、1年留年した。尚、この物語の舞台・大東亜共和国は日本に良く似た別の、いわゆる[[パラレルワールド]]的な国家であるが、学校の進級制度等は日本とほぼ同じものと考えられる。
; 坂口松太郎(さかぐち まつたろう)
: [[のたり松太郎]]の主人公。中学校で3年留年した。
; 佐原秀志(さはら ひでし)
: [[藤たまき]]作の漫画「[[私小説]]」の主人公。目の病気などのため、養護学校に入学したり留年したりしたあと、私立中原中学校に入学した時点で最低年齢よりも2歳年長。
; 志村ケン太(しむら けんた)
: [[竹村よしひこ]]作のギャグ漫画『[[わ〜お!ケンちゃん]]』の主人公。小学生だが進級試験があり、毎年不合格のため落第している(現実の日本ではあり得ない設定)。[[芸能人]]をモデルとした児童が多数登場するため、旬を過ぎたキャラはそのまま進級によって退場させ、主人公などのレギュラー陣のみを落第という形で固定していた。
; 薗田 優樹(そのだ ゆうき)
: [[すえのぶけいこ]]作の漫画「[[ライフ (漫画)|ライフ]]」及びそれを原作としたテレビドラマの登場人物。中学時代、クラスメイトの狩野アキラからいじめを受け続けて不登校になり、1年留年した。
; 橘柑子(たちばな かんこ)
: [[学研ホールディングス|学研]]の学年雑誌「学習」シリーズで90年代に連載していた漫画(タイトル求む)の主人公。病気療養のため小学生時代に留年し、1年下の弟の橘青葉(たちばなあおば)と同級生になった。
; 藤堂加奈(とうどう かな)
: [[ディーオー]]制作のゲームソフト「[[加奈 ~いもうと~]]」の登場人物。重い腎臓病を患っており、ゲーム中のエピソードで中学校までに2年留年して卒業し高校に進学したシーンがある。
; 長山こはる(ながやま こはる)
: [[フジテレビジョン|フジテレビ]]アニメ[[さくらももこ]]原作の「[[ちびまる子ちゃん]]」の登場人物で[[まる子]]と同じクラスだった、長山君の妹。小学校1年生。重い病気にかかって、小学校を[[長期欠席]]をし、[[入院]]をした。病気を克服し、[[退院]]した後に、もう1回、小学校1年生の留年となった。
; 七瀬香奈花(ななせ かなか)
: [[丸川トモヒロ]]作の漫画「[[成恵の世界]]」の登場人物。超光速の星船(いわゆる[[宇宙船]])での航行による[[時間の遅れ|ウラシマ効果]]のために中学1年生でありながら戸籍上は26歳となる。つまり書類の上では13~14留したことになる。
; 宮内英二(みやうち えいじ)
: [[日本テレビ放送網|日本テレビ]]のスペシャルドラマ「[[女王の教室|女王の教室エピソード2~悪魔降臨~]]」の登場人物。[[心臓病]]で1年留年した。なお、13歳の時に小学6年生であった。
; 毛利さやか(もうり さやか)
: [[大島永遠]]作の漫画「[[女子高生 (漫画)|女子高生]]」の登場人物。中学1年生の時に、重度の[[アトピー]]が原因で、1年留年した。
; 森村天真(もりむら てんま)
: [[コーエー]](ルビー・パーティ)の女性向け[[恋愛ゲーム (ゲームジャンル) |恋愛アドベンチャーゲーム]](キャラクターデザインは[[水野十子]])「[[遙かなる時空の中で]]」の登場人物。妹が行方不明になったため、探しに出て中学校を留年した。
; 柳沢真由那
: 「[[14才の母]]」、市ノ瀬未希のクラスメイト。作中では明言されていない理由で、中学校を1年留年している。冷酷な性格だったと考えられる。
 
[[保守党 (イギリス)|保守党]]政権下で初等学校最終学年での進級判定制度の導入が検討されたことがあるが見送られている<ref name="singi" />。
====高校====
一方、[[高等学校]]以上の課程における留年の場合は、ある程度認知されているために、創作上に出てくる場合もときたま見られる。しかしながら日本社会の一部では、高等学校以下の学校では最低年齢より1歳でも年長であるとそれが特徴的なものであるため、作中でも留年したことや他の同級生より年上であることを個性として強調されている場合も多い。
 
; 伊吹風子(いぶき ふうこ)
: [[Key]]制作のゲームソフト「[[CLANNAD (ゲーム)|CLANNAD]]」の登場人物。交通事故による昏睡のために登場時点で2年留年していた。
; 浦島景太郎(うらしま けいたろう)
: [[赤松健]]作の漫画「ラブひな」の主人公。[[東京大学|東大]]の入学式当日に[[日本武道館]]の[[擬宝珠|光る玉ねぎ]]に押しつぶされて足を骨折、その療養と、考古学の師の発掘旅行に付いていくために1年留年した。
; 戎崎裕一(えざき ゆういち)
: [[橋本紡]]著のライトノベル、およびリメイク版の小説「[[半分の月がのぼる空]]」の主人公。[[A型肝炎]]にかかってしまい、入院中にしばしば安静を保たなかったために入院期間が延び、留年の危機に。退院後、進級判定試験の当日に風邪をひいて高校2年生を留年した。
; [[草薙京]](くさなぎ きょう)
: [[SNKプレイモア]](旧[[SNK]])制作の[[格闘アクションゲーム]]「[[ザ・キング・オブ・ファイターズ]]」シリーズの(オロチ編の)初代主人公。95で前作94から1歳年をとった以降は歳をとらない。その為、高校を2年留年していつまでも高校生である。
; セイレイ・コーラス
: [[永野護]]作の漫画、「[[ファイブスター物語]]」に登場。コーラス王朝の王女だが、魔導大戦に参戦した事等で落第がほぼ確定している。ちなみに、彼女が通うウィンド学園は出席日数が足りなければ王族であっても落第にしてしまう学校で、歴代のコーラス王は(学業より公務を優先する為)'''全員'''落第している。この為、「落第こそコーラス筆頭の証」という奇妙な理論がまかり通っている。もっとも、彼女の場合は素行の悪さも原因と思われる。
; 大道寺(だいどうじ)
: [[マーベラスエンターテイメント]](現・[[マーベラスAQL]])のゲームソフト「[[閃乱カグラ -少女達の真影-]]」の登場人物。1年生時に最終試験に受かっているものの、強者との戦いを求めるため、3年生のままで意図的に留年し続けている。
; 古河渚(ふるかわ なぎさ)
: 伊吹風子と同じく、CLANNADの登場人物。主人公から見ると一歳年上だが、病気のため2度目の高校3年生で主人公と同級となり、2回の留年の末、20歳と3ヶ月弱で高校を卒業する。
; 吉川恵(よしかわ けい→よしかわ めぐみ)
: [[つだみきよ]]作の漫画「革命の日」「続革命の日」の主人公。[[半陰陽]]による[[性別]]変更のため、異性としての生活の訓練と療養をかねて高校生時代に留年した。
; 和歌山シンゴ(わかやま しんご)
: 「ヤンキー君とメガネちゃん」の登場人物。成績は特に優秀な方(学年で10位以内に入るほど)だが、ある約束を果たすため意図的に留年している。舞台である高校(紋白高校)の校則で、一学年につき一度だけ留年が認められているため、それを利用して1年生から3年生をそれぞれ2回ずつ経験している。
; 糸色望と2のへ組の生徒たち
: [[久米田康治]]作の漫画「[[さよなら絶望先生]]」の登場人物。落第を理由に「天下り」と称して(担任である糸色含め)全員で留年しているシーンがある。
; [[有閑倶楽部]]メンバー(ゆうかんくらぶ)
: 「[[有閑倶楽部]]」の主人公達。単行本第2巻で、高校生にもかかわらず[[ラスベガス]]で[[カジノ]]ツアーをしていた事がバレ、聖プレジデント学園の校長から留年を言い渡された。
 
== 脚注 ==
<references group="注釈"/>
 
<references/>
 
== 関連項目 ==
* [[年齢主義と課程主義]]
* [[過年度生]]
* [[学齢]]
* [[学校]]
* [[飛び級]]
* [[不登校]]
* [[就学猶予と就学免除|就学猶予]]
* [[卒業]]
* [[退学]]
* [[卒業]]
* {{ill2|At-risk students|en|At-risk students}} - 危険にさらされている生徒の意。情緒不安定な生徒、学業成績が悪い生徒、不登校生徒などを指すアメリカでの用語。at-promise(有望な)というような表現に変える動きもある。
 
{{Normdaten}}
{{リダイレクトの所属カテゴリ|redirect1=落第|1-1=春の季語}}
{{DEFAULTSORT:けんきゆうりゆうち}}
[[Category:教育制度]]
[[Category:学籍]]
[[category:在学年齢]]
 
{{education-stub}}