「コンテンポラリー・ダンス」の版間の差分
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{{Portal|舞台芸術}}
'''コンテンポラリー・ダンス'''({{
== 概要 ==
[[ファイル:20th-century-concert-dance-vectorise (2).svg|none|thumb|400px|sketch showing lineage of 20th century concert dance © Ohka-<br>''Note: this sketch is provided for illustrative purposes only'']]
コンテンポラリー・ダンスにはアフリカン・ダンスや日本の舞踏などの、非西洋の要素が含まれる場合がある<ref>{{cite web|title=Origins of Contemporary Dance|url=http://dance.lovetoknow.com/Origins_of_Contemporary_Dance| access-date=1 December 2021}}</ref><ref>{{cite web|title=Contemporary Dance History|url=http://www.contemporary-dance.org/contemporary-dance-history.html|access-date=1 December 2021}}</ref>。行われている[[ダンス]]のうち”非古典的かつ前衛的で、時代の先端を体現している”ダンス作品およびダンステクニックを指す概念である。
[[イサドラ・ダンカン]]、[[マーサ・グラハム]]の[[モダンダンス]]や、[[マース・カニンガム]]らがつくりあげた「[[ポスト・モダンダンス]]」以降のダンスをさしていたが、ドイツの表現主義ダンス[[タンツテアター]]([[:de:Tanztheater|de]])や[[コンタクト・インプロビゼーション]]、[[暗黒舞踏]]、[[ストリートダンス]]、[[ヌーボーシルク]]([[:en:Contemporary circus|en]])(現代サーカス)、各国の[[フォークダンス|エスニック・ダンス]]、映像をつかった実験的パフォーマンスなど、考えうる限りのあらゆるパフォーマンスが取り込まれる状態が進行している。
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この現状をもって、定義づけできないことがコンテンポラリー・ダンスの本質であるかのような言説がなされることもあるが、むしろ定義づけが積極的に試みられること自体があまりなく、静観されている
-->
過去に[[バレエ]]や[[モダンダンス]]、[[ポスト・モダンダンス]]などの舞踊芸術を経験してきたダンサーのうち、クラシック・ダンスの伝統を解体し、創造的なダンスを目指しているダンサーやダンス・カンパニーに、コンテンポラリー・ダンスを標榜する傾向が見られる。ダンスの定義そのものを問いかける作品が増加する傾向もある。著名なダンサーには、[[ピナ・バウシュ]]や、勅使河原三郎らがいる<ref>[https://www.st-karas.com/profile_jp/ KARAS] KARAS 2022年11月26日閲覧</ref>。
== 詳細 ==
1970年代後半、フランスでは国策として文化の地方化(デサントラリザシオン)([[:fr:Déconcentration|fr]])が図られ、大きな文化予算が組まれるようになった。その一環として舞踊部門にも積極的に資金が投下されるようになり、皮切りとして1978年にアンジェの国立フランス現代バレエ団 (CNDC) が設置された。これは文化省のイゴール・エイスナーというダンス担当役人の働きによるもので、エイスナーは各地に地方振付センターを作って上からダンスのネットワーク形成を図った。首都パリの[[パリ国立オペラ|オペラ座]]にも現代舞踊部門が設置され、その指導者としてフィンランド系アメリカ人ダンサー、{{仮リンク|カロリン・カールソン|en|Carolyn Carlson (artist)}}が招聘された。このカールソンがコンテンポラリー・ダンスの母だとされている<ref group="注">カロリン・カールソンは1943年生まれの、フランス系アメリカ人の女性ダンサー。</ref>。
折りしもフランスにアメリカのモダンダンスやポスト・モダンダンスが紹介された時期と重なっていたこともあり、カールソンの新しい振り付けは斬新なものとして受け入れられた。ほどなくしてフランス発の前衛舞踊が振付けられるようになったが、当初は「コンテンポラリー・ダンス」ではなく「ヌーヴェル・ダンス」とよばれた。{{仮リンク|ヌーヴェル・ダンス|fr|Nouvelle danse française}}は反バレエ、あるいは脱バレエ的な試みであった。その形成には[[マース・カニンガム]]や[[ピナ・バウシュ]]、フランスで「グループMA」をつくって活動した{{仮リンク|矢野英征|fr|Hideyuki Yano}}(1943年 - 1988年)らの影響があると考えられている。
1990年代に入ると、新しい表現方法の追求にこだわる振付家が増え、映像、音響、照明、美術、ITを大規模かつ複合的に導入する事例がみられるようになった。同時に[[ストリートダンス]]や日本の[[舞踏]]、ヌーボーシルク、タンツ・テアター的手法が取り入れられるに至り、名称もコンテンポラリー・ダンス<ref>{{lang-fr-short|danse contemporaine}}</ref>へと変化した。CINRA Netは音楽とダンスを融合したイベントを開催したりしており、ダンサー康本雅子が出演したイベントもあった<ref>[https://www.cinra.net/article/column-201804-yasumotomasako CINRA Net] 2022年12月1日閲覧</ref>。
== 世界の地域別ダンス==
=== ヨーロッパ ===
21世紀のヨーロッパのコンテンポラリーダンスは2つの現象が見られ、第一には見る人に想像力をはたらかせる現象、もう一つは歴史と記憶を呼び起こさせる現象で、これらの二つにその傾向を大別することが可能である<ref>[https://www.jstor.org/stable/25598226 Memory, History, Euro C dance] 2022年12月2日閲覧</ref>。<!-- 検索で該当文発見できませんでした= 前者は公立劇場のバレエ団や、モダンダンスカンパニー、コンテンポラリーダンスカンパニーなどを母体として、これまでのダンスと同じコンテクスト、身体の躍動性を観客に訴えかけることを主たる目的(あるいは作品において欠かすことのできない基盤)として有する。上演される場所も歌劇場など、伝統的劇場施設において主に発表される。後者は、テクスト、ビデオ、ファッションなど、様々なメディアを用いて、観客とユーモアや知性を共有することを目的としていて、特殊な身体特性(訓練されたダンサーの身体による躍動性)は必要ではない。また、個人作家による作品のため、ソロやデュオなど、少人数による作品が目立つ。上演場所もより小規模な劇場や、ギャラリー、あるいはしばしば屋外など、オルタナティヴなスペースで積極的に発表されている。この分け方は絶対的ではなく、例えばジェローム・ベルのように、両者の特徴を持った作品に関わるアーティストやダンサーも少なくない。--> 特にフランス、オランダ、イギリス、ギリシャ、ポルトガル、オーストリア、ドイツ、ベルギーなどにおいては、作品群が盛んに上演されている。
=== 南アメリカ ===
ブラジルはCダンスがさかんであり、ブラジルのカンパニーが日本公演をおこなった。ヨーロッパの、モノトーンでスリムなダンサーが踊るといったイメージとは異なり、カラフルで肉感的なダンサーも多い。
=== 中近東 ===
イスラエルがダンスの中心地であるバットシェバ、[[インバル・ピント&アブシャロム・ポラック]]・ダンスカンパニーの両カンパニーがその優れた身体能力を駆使した振り付けによって、国際的にも高い評価を受けている。
宗教的事情から、中東のコンテンポラリーダンスは決して盛んとはいえない。例えば[[イラン]]ではダンスそのものが非合法で、アーティストはこれをあくまでも演劇として呼称することで、存在を確保しようとしている。
=== 日本 ===
1990年代,「[[モダンダンス|現代舞踊]]」「[[舞踏]]([[:en:butoh|butoh]])」出身でありながら 枠におさまらない独自の活動をするダンサーの活動が活発になり、その総称として「日本のコンテンポラリーダンス」の語が使われ始めた。特に、JCDN(NPO法人 Japan Contemporary Dance Network 代表:佐東 範一)が、本来のContemporary Dance(≒Nouvelle Danse)とは関係が薄いが、この名称を使うことで、日本でもコンテンポラリーダンスという名称が普及した。
<!-- === アジア ===
概してアジアではコンテンポラリーダンスを西洋舞踊の新しい型(テクニック及び方向性)として受け止めている傾向がある。したがってヨーロッパにみられるような実験的作品よりも、それまでのコンテクストにしたがい、身体的な躍動性を作品の主軸に置いていることが多い。ただし上演作品は、決して西洋舞踊をフォローしていると一概に言えるものではなく、作品のモチーフは各国独自の文化の影響を受けたものとみることができる。例えば、伝統舞踊を母体としたコンテンポラリーダンスの表現も試みられている。-->
== 著名な人物・集団 ==
[[ダンサー]]、[[振付家]]、[[カンパニー]]など、個人や集団のうち特筆性の高い者の一覧。
=== ダンサー ===
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* [[アンジュラン・プレルジョカージュ]]({{仮リンク|バレエ・プレルジョカージュ|fr|Ballet Preljocaj}})
* [[アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル]](ローザス)
* [[イリ・キリアン]]([[ネザーランド・ダンス・シアター]])
* [[ウィリアム・フォーサイス (バレエダンサー)|ウィリアム・フォーサイス]]({{仮リンク|フランクフルト・バレエ|de|Ballett Frankfurt}}、{{仮リンク|フォーサイス・カンパニー|en|The Forsythe Company}})
* {{仮リンク|エマニュエル・ユエン|fr|Emmanuelle Huynh}}
* [[スーエン]]([[スエン舞踏カンパニー]])
* [[ジョン・ノイマイヤー]]({{仮リンク|ハンブルク・バレエ|en|Hamburg Ballet}})
* [[ピナ・バウシュ]]({{仮リンク|ヴッパタール舞踊団|de|Tanztheater Wuppertal Pina Bausch}})
* {{仮リンク|ダニエル・ラリュー|fr|Daniel Larrieu}}
* [[マギー・マラン]](カンパニー・マギー・マラン)
* {{仮リンク|ドミニク・バグエ|en|Batsheva Dance Company}}
* [[ナチョ・ドゥアト]](スペイン国立ダンスカンパニー)
* [[マイケル・クラーク]]
* [[フィリップ・ドゥクフレ]]
* [[オハッド・ナハリン]]({{仮リンク|バットシェバ舞踊団|en|Batsheva Dance Company}})
* {{仮リンク|ジョセフ・ナジ|fr|Josef Nadj}}
* {{仮リンク|エルヴェ・ロブ|fr|Hervé Robbe}}
* [[エドゥアール・ロック]]({{仮リンク|ラララ・ヒューマン・ステップス|en|La La La Human Steps}})
* {{仮リンク|サシャ・ヴァルツ|en|Sasha Waltz}}
* [[マース・カニンガム]](マース・カニンガム舞踊団)
* {{仮リンク|マリー・シュイナール|fr|Marie Chouinard}}({{仮リンク|カンパニー・マリー・シュイナール|fr|Compagnie Marie Chouinard}})
* {{仮リンク|ユーリ・ン|zh|伍宇烈}}
* {{仮リンク|メグ・スチュワート|en|Meg Stuart}}
* {{仮リンク|マチルダ・モニエ|fr|Mathilde Monnier}}
* {{仮リンク|ヴェラ・モンテロ|en|Vera Mantero}}
* {{仮リンク|マイケル・シューマッハ|de|Michael Schumacher (danser)}}
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* 別所るみ子
* 白井沙
* 鈴木アイリ
* [[佐東利穂子]]
* [[矢内原美邦]] Nibroll(カンパニー)
* [[白河直子]]([[H・アール・カオス]])
* [[伊藤直子]]([[マドモアゼル・シネマ]])
* [[康本雅子]]
* [[安藤洋子]]
* [[勅使川原三郎]]
* [[森山開次]]
* [[伊藤キム]]([[輝く未来]])
* [[金森穣]]([[Noism]])
* [[近藤良平]]([[コンドルズ]])
* [[富野幸緒]]
* [[辻本知彦]]([[シルク・ドゥ・ソレイユ|CIRQUE DU SOLEIL]])
* [[鈴木ユキオ]]([[金魚X10]])
* [[JOU]]([[Odorujou]])
* [[山本裕]]([[Honey-B]])
* [[浅井信好]]([[PIERREMIROIR]])
* [[平原慎太郎]]([[OrganWorks]])
* {{仮リンク|バレエ・プレルジョカージュ|fr|Ballet Preljocaj}}
* {{仮リンク|DV8フィジカル・シアター|en|DV8 Physical Theatre}}
* [[Noism]]
* [[DAZZLE]]
* [[the Bambiest]]
* [[M-laboratory]]
* [[パパ・タラフマラ]]
* [[ダムタイプ]]
* [[マドモアゼル・シネマ]]
* [[珍しいキノコ舞踊団]]
* [[んまつーポス]]
* [[OrganWorks]]
{{Col-end}}
== イベント ==
* 現代舞踊展
==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist|refs=}}
== 関連項目 ==
* [[
* [[
* [[
* [[
* [[
* [[パフォーマンス・アート]]
* [[シルヴィ・ギエム]]
* [[
== 外部リンク ==
*
* {{CRD|2000027188|舞踊・ダンスについて調べる コンテンポラリーダンスを例にして 埼玉県立久喜図書館 Milestone no.60}}
{{DEFAULTSORT:こんてんほらりいたんす}}
[[Category:コンテンポラリー・ダンス]]
[[Category:競技ダンス]]
[[Category:ダンス]]
[[Category:ダンスのジャンル]]
[[Category:バレエ]]
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