「大阪市交通局20系電車」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
Niiryoku2910 (会話 | 投稿記録) 編集の要約なし |
||
| (100人を超える利用者による、間の860版が非表示) | |||
1行目:
{{pp-vandalism|small=yes}}
{{Otheruses|1984年に製造を開始した2代目の20系電車および1990年に製造を開始した新20系電車|1973年に製造された初代20系電車|大阪市交通局10系電車}}
{{複数の問題
|出典の明記 = 2018年9月7日 (金) 12:46 (UTC)
|更新 = 2023年4月
|独自研究 = 2018年10月
}}
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局20系電車<br />(共通事項)
|
| 文字色 = #ffffff
| 画像 =
| 画像幅 =
| 画像説明 =
| 運用者 = [[大阪市交通局]] →<br />[[大阪市高速電気軌道]]
| 製造所 =
| 製造年 = [[1984年]] - [[1989年]]<br />(20系)<br />[[1990年]] - [[1998年]]<br />(新20系)
| 製造数 = 96両(20系)<br />572両(新20系)
| 運用開始 =
| 編成 = 4・6・10両(2020年現在)
| 軌間 = 1,435 mm([[標準軌]])
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]750 [[ボルト (単位)|V]]([[第三軌条方式]])
| 最高運転速度 = 70 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 =
| 常用減速度 = 3.5 km/h/s
| 非常減速度 = 4.5 km/h/s
| 編成定員 =
| 車両定員 = 130名(先頭車、座席39名)<br />140名(中間車、座席45名)
| 自重 =
| 編成重量 =
| 編成長 =
| 全長 = 18,900 mm(先頭車)<br />18,700 mm(中間車)
| 全幅 = 2,890 mm(先頭車)<br />2,880 mm(中間車)
| 全高 =
| 車体材質 = [[アルミニウム合金]]<br />(20系)<br />[[ステンレス鋼]]<br />(新20系)
| 台車 = インダイレクトマウント・ノースイングハンガー・軸バネ式台車<br />DS-20
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]]
| 主電動機出力 = 140 [[キロワット|kW]] × 4
| 駆動方式 = [[WN駆動方式|WNドライブ]]
| 歯車比 = 103:14(7.36)
| 編成出力 =
| 制御方式 = GTO素子・IGBT素子 [[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]](2020年現在)
| 制御装置 =
| 制動装置 =
| 保安装置 = WS-ATC
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
'''大阪市交通局20系電車'''(おおさかしこうつうきょく20けいでんしゃ)は、[[大阪市交通局]]が[[1984年]]より量産を開始した[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]である。[[2018年]](平成30年)4月の大阪市交通局民営化にともない、[[大阪市高速電気軌道]](愛称:Osaka Metro)に継承された。
[[電機子チョッパ制御]]車である[[大阪市交通局10系電車|10系]]の[[プロトタイプ#鉄道車両|試作車]]として[[1973年]]に製造された'''20系(初代)'''、[[1984年]]より量産が開始された[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]車の20系(2代)、[[1990年]]([[平成]]2年)に登場したステンレス車体の新20系(21 - 25系)の3グループがある。
本記事では'''20系(2代)'''および'''新20系'''ならびに[[大阪港トランスポートシステム]]が[[1997年]](平成9年)に導入した、新20系と同一設計の'''大阪港トランスポートシステムOTS系電車'''について記述する。
==
[[1985年]]の4号線(中央線)[[深江橋駅|深江橋]] - [[長田駅 (大阪府)|長田]] 間開業などに伴う所要車両数増加への対応や、老朽化や陳腐化が目立ち始めていた[[大阪市交通局5000形電車|50系]]・[[大阪市交通局30系電車|30系]]などの抵抗制御車の置換えとこれに伴う保守の合理化、それに冷房化率の向上による乗客サービスの改善を目的として開発・量産された18.7m級4扉車群である。
[[かご形三相誘導電動機|三相交流誘導電動機]]をインバータ制御器で制御・駆動する当時最新のVVVF制御システムを搭載しており、大阪市交通局の[[第三軌条方式|第3軌条集電方式]]を用いる[[地下鉄|高速電気軌道]]全線で使用可能である。
外観形状から、先行する10系を踏襲した[[アルミニウム合金製の鉄道車両|アルミ合金製車体]]の20系(2代:以降「20系」とのみ表記)と、[[ステンレス鋼|軽量ステンレス製車体]]の新20系の2グループに大別される。
== 車種構成 ==
本系列は20系、新20系共に以下の各形式で構成される。なお、形式の100の位の数字は先行する10系にならって付番されている。
*'''2000形'''
**両方の台車に[[集電装置]]を装備する[[電動車]](Ma)。
*'''2100形'''
**片方の台車に集電装置を装備する電動車(Mb)。
*'''2200形'''
**両方の台車に集電装置を装備する電動車(Ma)。
*'''2300形'''
**片方の台車に集電装置を装備する電動車(Mb)。
*'''2400形'''
**両方の台車に集電装置を装備する電動車(Ma)。
*'''2500形'''
**主要機器を搭載しない[[付随車]](T)。
*'''2600形'''
**[[空気圧縮機]]や補助電源装置などの補機を搭載する[[制御車]](Tec)。6両編成以下(御堂筋線21系以外)の場合は両方の台車に集電装置を装備する。
*'''2700形'''
**片方の台車に集電装置を装備し、空気圧縮機を搭載する付随車(Tbp)。
*'''2800形'''
**主要機器を搭載しない付随車(T)。
*'''2900形'''
**空気圧縮機や補助電源装置などの補機を搭載する制御車(Tec)。4両編成(千日前線25系)の場合に限り両方の台車に集電装置を装備する。
なお、投入線区より編成両数が異なるため、御堂筋線用21系以外の各グループは、それぞれ未製造の形式がある。
== 編成 ==
編成は両端に付随車あるいは制御車を、中央に電動車をそれぞれ配置した4両編成を2セット組み合わせた8両編成を基本に計画されており、以下のとおり各線の輸送状況に応じて車両数を加減している。
以下の例は20系・新20系の例である。編成の右側(2900形)は御堂筋線[[中百舌鳥駅|なかもず]]寄り・谷町線[[大日駅|大日]]寄り・四つ橋線[[住之江公園駅|住之江公園]]寄り・中央線[[長田駅 (大阪府) |長田]]([[学研奈良登美ヶ丘駅|学研奈良登美ヶ丘]])寄り・千日前線[[野田阪神駅|野田阪神]]寄り・各線共通で[[緑木検車場]]寄りである。
{| style="text-align:center; border-spacing:2em 0em; float:left;"
|-
226 ⟶ 231行目:
|}
|}
{{-}}なお、本系列は従来の30系や10系と同様に、車庫・工場内での入れ替え作業や保守の便を図り、編成を中間で分割可能なように設計されており、上記では簡易運転台付きの車両を''' ' '''記号で表記している(編成図の枠内部を緑色にした車両が該当)。
== 20系 ==
{{画像提供依頼|date=2021-11-16|谷町線所属編成の20系の写真|cat=鉄道車両}}
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局20系電車
| 背景色 = #019a66
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Osaka Subway 2607 at Kujo Station.JPG
| 画像説明 = 中央線20系電車(現行帯)
| 製造所 = [[近畿車輛]]<br />[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]<br />[[日立製作所]]<br />[[東急車輛製造]]{{#tag:ref|鉄道車両事業は2012年4月に[[総合車両製作所]](旧社名・新東急車輛)に継承。|group="注"|name="J-TREC"}}
| 製造年 = 1984年(試作車)<br />1985年・1989年(量産車)
| 製造数 = 16編成96両(中央線0番台7編成42両・谷町線30番台9編成54両)
| 運用開始 = 1984年12月24日
| 運用終了 = 2024年2月29日
| 廃車 = 2024年3月
| 投入先 = 中央線・谷町線<ref group="注">谷町線に投入された車両は最終的に全て中央線に転属した。</ref>
| 編成 = 6両編成([[MT比|3M3T]])
| 最高運転速度 = 70 km/h(地下鉄線内)<br /> 95 km/h(近鉄線内)
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.5 km/h/s(地下鉄線内)<br /> 3.0 km/h/s(近鉄線内)
| 編成定員 = 820名(座席258名)
| 車両定員 =
| 自重 = 31.0t(Tc車)<br /> 35.0t(M車)<br />23.5t(T車)
| 編成重量 = 190.5 t
| 編成長 = 112,600 mm
| 車体材質 = [[アルミニウム合金]]
| 編成出力 = 140[[ワット|kw]]×4基×3両=1,680kW
| 制御方式 = GTO素子VVVFインバータ制御(登場当初)<br />IGBT素子VVVFインバータ制御
| 制御装置 =
| 制動装置 = [[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ]] OEC-3([[抑速ブレーキ]]付き)
| 保安装置 = [[自動列車制御装置|WS-ATC]]
| 備考 = [[ワンマン運転|都市型ワンマン運転]]に対応
}}
[[1984年]]に中央線用2601F<ref group="注">FはFormationの略記号で、「編成」を示す。</ref>が、[[1985年]]末に中央線長田延伸用として2602F - 2605Fが、[[1989年]]には中央線用2606F - 2607Fと、谷町線用2631F - 2639Fが、いずれも6両編成で製造(計96両)された。両線初の冷房車で、谷町線用は30番台に区分され、近鉄線乗り入れ対応設備の有無以外は基本的に同一設計である<ref>石本隆一 「大阪市交通局 現有車両プロフィール」『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、164頁。</ref>。1989年製造車は、[[警笛]]の変更、行先表示器への英字表記追加とその設定器の変更<ref group="注">表示幕の設定器は第1 - 第5編成はダイヤル式、第6・第7編成と30番台車は押しボタン式である。</ref>、車内スピーカーの改良・増設などのマイナーチェンジが行われている。
車両価格は先行して製造した2601Fの場合、1編成(6両)で7億3,000万円であった<ref name="Journal1984-4">鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』1984年4月号 NEWS FILE「大阪市交通局にVVVF車登場」p.94。</ref>。
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
|-
!style="width:5em;"|編成番号
!style="width:8em;"|竣工年月
!style="width:8.5em;"|メーカー
!更新竣工
!改造所
!仕様
!廃車
!備考
|-style="border-top:solid 5px #019a66;"
|2601F
|1984年3月28日
|近畿車輛<br />川崎重工業
|2004年4月19日{{Sfn| 電気車研究会 |2005|p=227}}
| rowspan="8"|大阪車輌
|1次車
|2014年8月25日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|2602F
|1985年10月17日
|rowspan="9"|日立製作所
|2005年11月7日<ref name="私鉄車両編成表06_p181">ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表 '06年版』ジェー・アール・アール、2006年、180 - 181頁。</ref>
| rowspan="4" |2次車
|2022年9月20日<ref name="rf_202404">[[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』2024年4月号 Vol.64/通巻756号 石本隆一「2024年3月に引退する『日本初のVVVFインバータ電車』 大阪市高速電気軌道20系を振り返る」p.98 - p.103</ref>
|
|-
|2603F
|1985年11月5日
|2005年2月17日{{Sfn| 電気車研究会 |2005|p=227}}
|2023年1月10日<ref name="rf_202404" />
|
|-
|2604F
|1985年11月25日
|2004年8月27日{{Sfn| 電気車研究会 |2005|p=227}}
|2023年8月27日<ref name="rf_202404" />
|
|-
|2605F
|1985年12月16日
|2006年7月14日<ref name="私鉄車両編成表07_p181">ジェー・アール・アール『私鉄車両編成表 '07年版』ジェー・アール・アール、2007年、180 - 181頁。</ref>
|2023年12月26日<ref name="私鉄編成2024_p209">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2024』交通新聞社、2024年、p.209。</ref>
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|2606F
|1989年6月15日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2006年3月7日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
| rowspan="2" |3次車
|2024年3月13日<ref name="私鉄編成2024_p209" />
|
|-
|2607F
|1989年6月29日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2005年4月8日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
|2022年10月3日<ref name="rf_202404" />
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|2631F
|1989年5月25日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2006年8月2日<ref name="私鉄車両編成表07_p181" />
| rowspan="9" |4次車
|2022年8月1日<ref name="rf_202404" />
| rowspan="9" |元谷町線
|-
|2632F
|1989年5月26日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2005年10月20日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
| rowspan="8" |近畿車輛
|2024年3月21日<ref name="私鉄編成2024_p209" />
|-
|2633F
|1989年6月12日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2005年7月11日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
|2024年2月13日<ref name="私鉄編成2024_p209" />
|-
|2634F
|1989年6月8日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|rowspan="3"|川崎重工業
|2004年10月2日
|2022年12月8日<ref name="rf_202404" />
|-
|2635F
|1989年6月13日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2004年7月20日
|2022年12月19日<ref name="rf_202404" />
|-
|2636F
|1989年6月27日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2006年1月16日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
|2023年1月23日<ref name="rf_202404" />
|-
|2637F
|1989年6月20日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|rowspan="3"|東急車輛
|2005年5月11日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
|2023年7月26日<ref name="rf_202404" />
|-
|2638F
|1989年6月26日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2005年1月24日{{Sfn| 電気車研究会 |2005|p=227}}
|2023年6月1日<ref name="rf_202404" />
|-
|2639F
|1989年6月30日{{Sfn| 電気車研究会 |1990|p=293}}
|2006年2月14日<ref name="私鉄車両編成表06_p181" />
|2023年9月19日<ref name="rf_202404" />
|-
|}
=== 開発経緯 ===
本系列開発の基礎となった、大阪市交通局におけるVVVF制御の実用化研究は、[[オイルショック|石油ショック]]をきっかけとする建設費高騰に抗するべく、[[1979年]]3月に局内に設置された「地下鉄小型化調査委員会」における地下鉄車両の小型化研究を出発点としている。
後に[[Osaka Metro長堀鶴見緑地線|7号線(長堀鶴見緑地線)]]向け[[大阪市交通局70系電車|70系]]や[[Osaka Metro今里筋線|8号線(今里筋線)]]向け[[大阪市交通局80系電車|80系]]として結実することになるこの研究の過程では、建設費高騰の最大の要因であるトンネル断面の縮小を目的として、車輪径や床面高さの縮小が重要課題として取り上げられた。これらの課題については、折からの[[半導体素子|半導体]]技術の進歩、特にインバータ装置の心臓部となる主回路のスイッチング素子とそのパターン制御に必要となる[[マイクロプロセッサ]]の急速な進歩によって、解決の道が開かれた。
これらの技術革新により、従来は実用化が困難と見られていた、三相交流[[誘導電動機]]と小直径車輪を用いた駆動システムの実用化の目処が立った。
従来、三相交流誘導電動機は整流子を持たないため保守上問題となる摩耗部品が軸受に限られ、[[フラッシュオーバー]]の危険がなく軽量・コンパクトで高回転数化や大出力化が容易、しかも[[直流電動機]]を上回る再粘着特性が得られるという大きなメリットを備えていて、鉄道技術者からは「夢の電動機」とさえ呼ばれていた。
しかしその反面、三相交流誘導電動機には一定周波数・一定電圧の下で一定回転数を保とうとする性質があるため、起動トルクが小さいという課題があり、長らく高速電気鉄道での利用は困難視されていたが、当時実用段階に入りつつあった高速・高耐圧・大出力かつコンパクトなスイッチング素子と、これをプログラムに従って波形制御するマイクロプロセッサを組み合わせ、[[パルス幅変調|電圧型PWM制御]]によって可変電圧・可変周波数(Variable Voltage Variable Frequency:VVVF)制御を行うことにより、この課題を解決可能となったのである。さらにこの制御法により、[[直流整流子電動機]]に近い、あるいはそれを上回る優れた出力・粘着特性を得ることさえも可能となった。
こうした周辺技術の進歩・成熟を踏まえ、高速電車用VVVF制御システムの開発が[[日立製作所]]、[[三菱電機]]、それに[[東芝|東京芝浦電気]](当時)といった有力電機メーカー各社を交えて開始された。この制御システムについては大阪市交通局と同時期に[[日本国有鉄道]]や[[近畿日本鉄道]]と[[東京急行電鉄]]などが、それぞれの取引先である電機メーカー各社と共同で大規模な研究開発を実施していたが、[[直流電化|直流]]1500Vの下での高速電車への適用にフォーカスしていた各社とは異なり、大阪市交通局のプロジェクトは低床のミニ地下鉄での使用を前提としてコンパクトな機器開発を重視していた点で一線を画していた。
もっとも、ミニ地下鉄の技術的可能性を探るというその開発経緯ゆえに、大阪市ではVVVF制御そのものの開発とスイッチング素子の開発<ref group="注">そのため、スイッチング素子は他社が寸法よりも素子としての安定度や成熟度を買って、10系の電機子チョッパ制御器でも採用されていた逆導通サイリスタ素子を選択したのに対し、当時実用化に向けた開発が進みつつあった[[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]]が何よりそのコンパクトさを買われて当初より採用されていた。</ref>が同時進行するという異例の事態となった。この点では単純に大形高速電車への適用に特化して研究を進められた他社とは状況が異なっており、これは後にVVVF制御車の営業運転開始時期で近鉄や東急の後塵を拝する一因となった。
この全く新しい制御システムの開発過程では、漏洩ノイズ等によるATSの[[軌道回路]]や[[変電所]]などへの[[誘導障害]]を調べるため、営業線上での機器の車載運用試験を行う必要があった。そこで、当時3号線(四つ橋線)から5号線(千日前線)への転用の過程で余剰車が発生していた[[大阪市交通局1100形電車|100形(2代)]]がそのテストベッドに選ばれ<ref group="注">106・107の2両。このうち106がVVVF制御車に改造され、107は異常発生時の牽引役として抵抗制御車のままとされた。</ref>、ミニ地下鉄を想定した低い床面高さに設けられた支持架に装架する形で試作機器を搭載して試験運転が実施された<ref group="注">1981年7月より1982年3月にかけて実施。</ref>。
{{See also|大阪市交通局1100形電車#VVVFインバータ制御試験車}}
この試験運転では黎明期の低耐圧で動作の不安定なGTOサイリスタ[[半導体素子|素子]]を使用<ref group="注">この100系試験車で採用されたGTOサイリスタ使用のVVVFインバータは世界で初めてのものとなった(鉄道ファン 1988年11月号 特集「最新ハイテク電車のトレンド」記事)。</ref>していたこともあって素子破壊<ref name=brake_gto>{{cite book
|author = 大阪市交通局編
|year = 1993
|title = 大阪市高速電気軌道第7号線京橋〜鶴見緑地間リニアモータ地下鉄建設記録
|publisher = 大阪市交通局
}}
70系電車で利用されたVVVFインバータについての記述に加え、20系電車のVVVFインバータに関する情報も記載されている。</ref>が頻発しており、その開発は難航したという。もっとも、その後半は回路構成上の様々な対策や実装ノウハウの蓄積、それに何よりメーカー各社で量産がようやく軌道に乗り始めた2500V 2000A級GTOサイリスタ素子そのものの動作安定性および生産歩留まりの向上により、飛躍的に信頼性や動作安定性が向上して順調にテストメニューを消化しており、この一連の試験結果はミニ地下鉄実用化に当たっての技術的な裏付けとなり、また20系の搭載機器設計に貴重なデータを提供することともなった。
こうした技術開発の成果を受け、量産先行試作車としてメーカー各社が分担して製造した20系第1編成は[[1984年]]3月に竣工<ref group="注">営業運転開始は同年12月24日(運転開始日の出典:吉谷和典『【復刻版】私鉄の車両16 大阪市交通局』[[ネコ・パブリッシング]]、2002年、P8 ISBN 4-873-66299-0)で、9か月間に渡って入念な試験を繰り返し行って実用に必要なデータの収集が行われている。もっとも、これにより営業運転において後発の[[東急6000系電車 (初代)|東急6000系改造車]]と[[近鉄1420系電車|近鉄1250系(その後の1251系→現・1420系)]]に先を越される結果となった。</ref>した。これは日本初のVVVF制御による誘導電動機搭載鉄道車両となった[[熊本市交通局8200形電車]]<ref group="注">低出力かつ低速な[[路面電車]]であり、小出力であったことから[[サイリスタ|逆導通(RCT)サイリスタ]]が主回路のスイッチング素子として採用され、しかも軌道回路による保安システムが存在しなかったことから、[[誘導障害]]やノイズ漏洩による周囲への影響などの確認すべき項目が少なかったために実用化で先行した。</ref>に続くものであり、したがって高速電気鉄道用として完成したものとしては日本初のVVVF制御車となっている。
===
[[ファイル:Osaka Municipal Subway 21 series EMU 021.JPG|thumb|right|200px|冷房装置(新20系の同一品)]]
10系を踏襲した2段上昇式側窓を備える、切妻構造のアルミ合金製車体である。
アルミニウム合金の製作方法の発展によって、外板と骨組みが一体となった大形[[押出成形|押出形材]]を組み合わせて屋根や側構体を製作し、これらを自動溶接により接合することで省力化を実現している<ref name="JARi166">日本鉄道車輌工業会『車両技術』166号(1984年6月)「大阪市交通局20系電車 」pp.30 - 43。</ref>。床構体は[[ダブルスキン構造|中空構造]]のアルミ押出形材を組み合わせたもので、構体の横梁は省略され、中空形材に一体成形された[[カーテンレール]]状のつり溝に、特殊[[ボルト (部品)|ボルト]]を介して床下機器を吊り下げている<ref name="JARi166"/>。これにより、機器吊り用の梁に左右されることのない柔軟な機器配置を可能としつつ<ref name="JARi166"/>、中空形材内部を電線ダクトとして使用できる、合理的な構造となっている<ref name="JARi166"/>。
前面デザインは、10系と同様に[[繊維強化プラスチック|FRP]]製縁飾りが付いたいわゆる額縁スタイルであるが、窓枠をブラックに塗装して一体に見せる、当時流行のスタイルを取り入れている。また、窓枠上部を直線状とし、角形の[[前照灯]]と標識灯を一体化したユニットを配して、10系よりも四角くすっきりとした印象としながら、[[ガラス]]の角に丸みを持たせることで、柔らかさも併せ持ったスタイルとしている。
[[エア・コンディショナー|冷房装置]]は、10系での実績を基に開発された超薄型の三菱電機CU-74C<ref name="MITSUBISHI-EL1984-01">三菱電機『三菱電機技報』1984年1月号「{{PDFlink|[https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/backnumber/1984(vol58)/Vol58_01.pdf 集中形薄形車両用冷房装置」]}}」p.113。</ref>および東芝RPU-4410<ref group="注">冷凍能力はいずれも1基あたり20,000kcal/h(23.2kW)。</ref>を搭載する。開発当時の技術で極限に近い薄型化(厚さ405mm)を実現していた10系用冷房装置<ref group="注">三菱電機CU-74・74A、および東芝RPU-6001・6001A。</ref>であったが、その後の技術の進歩、特にスクロール型コンプレッサーの実用化によってより一層の薄型化が可能となり、20系開発に合わせて従来比約74%の厚さ300mmとして実用化が図られた<ref name="MITSUBISHI-EL1984-01"/><ref group="注">その後、長堀鶴見緑地線用70系のために開発された三菱電機CU-741および東芝RPU-3061が厚さ240mmを実現しているが、これは冷凍能力12,500kcal/hと車体サイズに合わせて能力も縮小されている。</ref>。屋根高さなど外観にほぼ変化はなく、薄型化の恩恵は全て客室内の天井高さ引き上げに振り向けられ、車端部冷房装置直下の天井の低さからくる圧迫感は大幅に低減されている。加えて、天井冷房吹き出し口の連続化・スリット化など、より洗練された内装となっている。なお、これら車体構造および冷房装置の改良点は、前面デザインを除いて10系増備車(2次量産車)にも反映されている。
===主要機器===
[[ファイル:大阪市交通局 23201 住之江公園方 集電靴.jpg|thumb|180px|right|集電装置付きDS-20形台車(新20系の同一品)]]
本系列は、日本の高速電車におけるVVVF制御技術開発の揺籃の一つとなった点で特筆される。
20系の段階では、GTOインバータの容量<ref group="注">前述の通り開発当時最新の2500V・2000A耐圧の素子が採用された。</ref>などの制約から、1台の制御装置で2基の主電動機を制御する1C2M構成のものを2セット搭載している。
制御装置は、東芝(BS-1408-A・-B)・日立製作所(同じ電動車にはVF-HR-103Aと103Bを合わせて「VF-HR-103」と呼ぶ)・三菱電機(第1編成の2301にはSIV-V564-M-1と-2、他不明)製。第1編成(2601F)には、3両の電動車の電装品を東芝(2101)・日立(2201)・三菱(2301)の3社がそれぞれ1両ずつ分担して担当するなど試作要素が多く見られ、各社が量産に必要なデータを収集するための量産先行試作車的な性質の強いものであった。なお、電装品のメーカーは、2601F以外については編成内で1社に統一されている<ref group="注">このうち制御装置については第2・第3編成と第37 - 第39編成が日立製作所、第4編成と第34 - 第36編成が三菱電機、第5 - 第7編成と第31 - 第33編成が東芝で統一された。</ref>。
主電動機は、VVVF制御のため、従来の10系までと比較して[[整流子]]が不要となり、主電動機容積に余裕が生まれて磁気回路の容量が増強され、10系の東芝SE-617Aと比較して10kW増の端子電圧550V時1時間定格出力140kW/1600rpmが実現された。また、製造メーカーはこれまで東芝の1社指名であったものが、制御器の製造に参加する3社全てから供給される<ref group="注">ただし、制御器と主電動機が同じメーカーであるとは限らず、編成単位で別メーカー製同士が組み合わされるケースが少なからずある。</ref>ように改められており、このため東芝SEA-309、日立HS-34529-02RB、三菱MB-5012-Aと3種の4極自己通風式三相かご形誘導電動機が採用されている。
台車は、10系用インダイレクトマウント・ノースイングハンガー・軸ばね式空気ばね台車であるDS-10<ref group="注">メーカー形式FS386・386AあるいはFS086・086A。全て住友金属工業製である。</ref>とほぼ同仕様のDS-20<ref group="注">メーカー形式FS386AあるいはFS086A。</ref>が採用されている。また、車輪内周部に異種金属による防音リングを圧入してきしり音の低減を図った、防音波打車輪を装着する。集電装置は10系と同様に離線等による回生失効を防止する目的で、隣接する2両の電動車の内一方(Ma車)の全台車ともう一方(Mb車)のMa車寄り台車の合計左右3カ所ずつに設置されている<ref group="注">2200形・2300形のユニットが該当</ref>。ただしMa車とユニットを組まないMb車は隣接する制御車寄りに設置するためその制御車も全台車が集電装置<ref group="注">2600形・2100形のユニットが該当</ref>を設置し、編成全体では左右各6か所となる。
ブレーキ装置は、10系に準じた全[[電気指令式ブレーキ|電気指令式]]であるが、小改良が施され形式に変更が生じた(OEC-3)。
===改造工事===
2000年からは[[車椅子スペース]]の設置が、2002年からは側面行先表示器と[[車内案内表示装置]]の設置が開始された<ref>石本隆一 「大阪市交通局 車歴表」『鉄道ピクトリアル2004年3月臨時増刊号』第744巻、電気車研究会、2004年、202頁。</ref>。
中央線用2601Fと2602Fには、車体側面全体に沿線の観光地である[[海遊館]]の[[ジンベエザメ]]などを描いたラッピングフィルムが施された。この2編成はラッピングフィルムが剥がされたあとに側面行先表示器が取り付けられた。
====ワンマン・高速化改造====
[[2006年]][[3月27日]]の[[近鉄けいはんな線]][[生駒駅]] - [[学研奈良登美ヶ丘駅]]間開業時の同線における最高速度の向上に合わせて、2004年に第1編成の制御素子がGTOサイリスタ素子から日立製[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT素子]]に[[ASSY]]交換され、他の編成も順次交換された<ref group="注">ただし、IGBT素子のものに交換された制御装置は1両に2台ある装置中、片側1台のみであり、残り1台は交換されずに使用停止のうえGTO素子時代のもののままで残されている。</ref>。
30番台車は、この近鉄けいはんな線延伸開業の際に、全編成が[[鉄道の車両番号|車両番号]]の変更を実施せずに谷町線から中央線に転用され、代わりに[[#24系(中央線)|24系]]9編成が谷町線へ転用された<ref group="注">20系だけでは所要数を充足できなかったため、不足分を補うべく24系も第1編成から第4編成までについて、主制御器などの設定を変更し、加速度と最高速度を引き上げて、改造後の20系と同等の走行性能としたうえで継続使用となった。また、この転用に伴う車両番号の変更はないが、0番台と30番台で運用路線や仕様の差はなくなった。</ref>。これは、20系がちょうど主要機器の更新時期を迎えていたため、近鉄線内での95km/h運転やワンマン運転への対応改造を同時に行うことにより効率化を図ったものである<ref>伊原 薫『大阪メトロ誕生』かや鉄BOOK</ref>。
2006年までに全編成の制御装置の改造工事が完了し、けいはんな線内での最高速度は70km/hから95km/h、[[起動加速度]]は2.5km/h/sから3.0km/h/sにそれぞれ変更された。また、けいはんな線延伸開業時に近鉄線内での[[ワンマン運転]]が開始され、それに対応した機器が設置されている。
=== 廃車 ===
第1編成の2601Fは2014年8月21日の朝[[ラッシュ時]]の運用を最後に営業運転を終了し、同月25日付けで廃車となった<ref>{{Cite book|和書 |author=ジェー・アール・アール |title=私鉄車両編成表 2015 |publisher=交通新聞社 |year=2015 |page=200}}</ref>。営業運転終了に際して、7月23日から「さよなら20-01編成 たくさんのご乗車ありがとうございました」と書かれた、20系のイラストの中に大阪城と海遊館も描かれたヘッドマークが掲出されていた<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2014/07/25/160000.html|title=大阪市営地下鉄中央線20系2601編成に「さようなら」ヘッドマーク|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2014-07-25|access-date=2019年1月18日|archive-date=2019年1月19日|archive-url=https://web.archive.org/web/20190119230854/https://railf.jp/news/2014/07/25/160000.html}}</ref><ref group="注">最終運用はコスモスクエア駅9時30分発、森ノ宮行きで、最終運用列車については事前に大阪市交通局の公式Facebookで告知されていた。なお、ヘッドマークは2601号車が青色、2901号車は緑色で、描かれた車番は掲出した車両に合わせられたほか、行先表示幕については2601号車が「大阪港」、2901号車が「森ノ宮」で、「さよなら20-01編成」のメッセージと車両イラストの位置関係も2601号車と2901号車でそれぞれ異なるものであった。</ref>。01編成と入れ替わる形で、四つ橋線23系06編成が中央線に転属し、24系第56編成となった(後述)。
残る15編成についても、2022年7月より導入の新型車両[[大阪市交通局30000系電車 #中央線仕様車(30000A系)|30000A系]]および2023年6月より導入の[[Osaka Metro400系電車|400系]]に順次置き換えられた<ref name="#1">{{Cite news|url=https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20211209_400kei_30000Akei_dounyu.php|title=新型車両400系と新造車両30000A系を中央線に導入します|publisher=Osaka Metro|date=2021-12-09|access-date=2021年12月9日|archive-date=2023年6月25日|archive-url=https://web.archive.org/web/20230625013247/https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20211209_400kei_30000Akei_dounyu.php}}</ref>。2023年9月には同年度中に定期運行から撤退する予定であることが公表<ref>{{Cite web |1= 和書 |url= https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20230905_himitsu_tunnel.php |title= 「特別列車で行く!秘密のトンネル体験」を開催します |publisher= Osaka Metro |accessdate= 2023-09-07 |archiveurl= https://web.archive.org/web/20230906232133/https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20230905_himitsu_tunnel.php |archivedate= 2023-09-07 }} {{Wayback|url=https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20230905_himitsu_tunnel.php |date=20230906121212 }}</ref>され、2024年3月21日付で廃車された第32編成<ref name="私鉄編成2024_p209" />をもって形式消滅となった。
また、2025年1月に大阪市城東区に開設の「e METRO MOBILITY TOWN」にて、本形式の2606Fを展示スペースとして活用されていた<ref>{{cite web|和書|url=https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20240830_morinomiya_taikenthemepark.php|title=未来の交通を体験!森之宮に期間限定で未来モビリティ体験型テーマパークを開設します~合わせて将来の自動運転レベル4走行を見据え森之宮エリアを周遊する自動運転バスを運行します~|publisher=[[大阪市高速電気軌道]]|accessdate=2024-09-01}}</ref>。
<gallery perrow="2" widths="190" style="font-size:90%;">
Oosakashiei2901.JPG|さよならヘッドマークを掲出した2601F
Mobility-20kei.jpg|e METRO MOBILITY TOWNの会場として使用された2606F
</gallery>
== 新20系(21 - 25系) ==
[[ファイル:Shin20.jpg|サムネイル|250ピクセル|新20系(手前から25系、24系、23系、22系、21系)]]
[[File:Osaka new20vvvf.jpg|thumb|新20系 VVVFインバータロゴ]]
[[ファイル:TanimachiLine-22-originalroom.jpg|サムネイル|新20系(未更新車)の車内]]
'''新20系'''(しん20けい)は基本設計の共通する'''21系'''・'''22系'''・'''23系'''・'''24系'''・'''25系'''の各系列の慣用的な総称である。5系列合計で87編成560両が製造されたほか、2005年には[[大阪市交通局20系電車#大阪港トランスポートシステムOTS系|大阪港トランスポートシステムOTS系]](後述)2編成12両が新20系に編入され、2017年現在は合計89編成572両が在籍する。
[[国際花と緑の博覧会]]が開催された1990年に登場し、最初に導入された谷町線用22系と四つ橋線用23系の第1編成は、ともに1990年4月に入籍し、同年中に順次営業運転に入った。
非冷房車である[[大阪市交通局30系電車|30系]]と[[大阪市交通局5000形電車|50系]]の老朽取り替えを目的として[[1990年]]から[[1998年]]にかけて製造され、それぞれ[[Osaka Metro御堂筋線|1号線(御堂筋線)]]、[[Osaka Metro谷町線|2号線(谷町線)]]、[[Osaka Metro四つ橋線|3号線(四つ橋線)]]、[[Osaka Metro中央線|4号線(中央線)]]、[[Osaka Metro千日前線|5号線(千日前線)]]に配置された。製造メーカーは[[日本車輌製造]](21・23・24系<ref group="注">23系は2800形を除く。</ref>)・川崎重工業(21・22・23系<ref group="注">21系は2500形増結中間車のみ。</ref>)・日立製作所(22・23・24系)・東急車輛製造(21・22・24・25系)・近畿車輛(21・22・25系<ref group="注">21系は2500形を除く。</ref>)・[[アルナ工機]]{{#tag:ref|鉄道車両事業は[[アルナ車両]]に継承された。|group="注"|name="ALNA-SHARYO"}}(22・24・25系)の各社である。
なお、[[架空電車線方式]]の[[Osaka Metro堺筋線|6号線(堺筋線)]]向けには、同じくステンレス車体、VVVFインバータ制御の[[大阪市交通局66系電車|66系]]が、川崎重工業・近畿車輛にて製造されている。
この新20系では[[鉄道の車両番号|車両番号]]が5桁となった。万の位の「2」は20系を表し、千の位は投入線区の路線番号、百の位は車両の形式、十と一の位は編成番号である。ただし、法規上の正式な形式称号は千の位の投入線区路線番号が省略された4桁となっており、いずれも20系の対応する形式と同一である(例、2X600=2600形)<ref group="注">30000系では法規上の正式な形式称号も5桁となっているが、千の位を0として届け出ており、実車では投入する路線の番号を入れて付番している。</ref>。
===共通事項===
====車体====
[[大阪市交通局30系電車|30系]]以来の[[オールステンレス車両|ステンレス車体]]が採用された。30系ではいわゆる[[セミステンレス車両|セミステンレス車体]]であったが、本系列では当時最新の有限要素法によってコンピュータ上で強度計算を行って設計された、高抗張力ステンレス鋼を全面的に用いる軽量構造[[ステンレス鋼|ステンレス]]車体<ref group="注">この車体構造は[[1985年]]に国鉄が[[国鉄205系電車|205系]]の開発を開始する際に、当時独自に有限要素法を用いた軽量構造ステンレス車体設計技術を開発・独占していた[[東急車輛製造]](鉄道車両事業は2012年4月に[[総合車両製作所]](旧社名・新東急車輛)に継承)に対してその技術を他社に対して公開することを量産設計への採用の条件として強く要求し、さらに公開しなかった場合に「大変なことになる」と何らかの制裁を科す姿勢をとったことから、同社が渋々ながらこれに応じたことで急速に普及した。公営企業の場合は原則的には資材調達を入札による必要があり、そのため大阪市交通局でも入札各社で同様に製造可能な設計でなければならず、その意味では製造コストが低廉でアルミ製車体に匹敵する軽量性も維持されるメリットのあるこの工法の公開は、高価なVVVF制御器を搭載し予算面の事情で定数充足が困難であった20系増備車の大量増備にあたって大きな追い風となった。</ref>に変更され、在来のアルミ車に匹敵するスペック<ref group="注">ただし、各車ともアルミ製の20系より約1tずつ重くなっている。また、必要に応じてスポット[[溶接]]と連続溶接を選択可能なアルミ合金製車体と比較した場合、ひずみの問題などからスポット溶接が必須であった(現在はレーザー溶接の実用化で連続溶接も可能となっている)ステンレス車体では、どうしても車体そのものの剛性で見劣りすることになった。</ref>をより低廉な製造コストで実現している。車体側面には外板のひずみを目立たなくするため、プレス加工によるビードが入れられた。
あわせて、エクステリアデザインが一新され、側窓にはバランサ内蔵の1段下降窓を採用して、すっきりしたイメージとしたほか、先頭車正面は緩やかな曲面を描く「く」の字状の流線型とし、いわゆる「額縁」内部をダークグレーでまとめ、前照灯2灯を前面下部中央に配し、FRP製外縁に[[発光ダイオード|LED]]標識灯を組み込んだ斬新なデザインとなり、視認性向上を図るとともに、冷房付き新型車両の一斉投入を市民に強く印象付けた。
さらにサービス向上のため、室内灯が増設され、50系以来久々となるグローブが取り付けられたほか、座席へのコイルばねによるクッションの追加、区分柄入りモケットの採用および袖仕切りの設置、車体側面への行先表示器の設置(後に他系列の更新車にも設置)、[[車内非常通報装置|非常通報装置]]の乗務員と通話可能なタイプへの変更などの改良が行われている。1996年製造車より、乗降扉上部に車内案内表示装置およびドア開閉チャイムが設置されるようになり、従来車にも追設された。
なお、保守に影響しない部分の設計や工法はある程度メーカー各社の裁量に任されており、近車と東急製は側構体と台枠の結合部がインダイレクトスポット溶接されているが、他社製は栓溶接のうえカバーが被せられているといった相違がある。
====主要機器====
新20系ではGTOサイリスタの容量増大<ref group="注">この段階では既に2500V 3300A耐圧の素子が量産されており、これが採用された。当時既に4500V耐圧の素子も実用段階にあったが、架線電圧750Vの大阪市交の第三軌条集電を行う各線では過剰装備であり、採用されていない。</ref>を受けて1台の制御器で4基の主電動機を制御する1C4M制御が実現しており、それぞれ東芝SVF-001-A0・-A1、日立VF-HR-129、三菱MAP-144-75V26に変更された。制御器が各メーカーでの競作となった20系に対し、新20系では日立製作所の主導の下、OEM方式で制御器の設計を3社で共通化したため、メーカーによる励磁音の違いはほとんどない。
主電動機は20系と互換性を持つが、東芝SEA-309B、日立HS-34529-04RB・-05RB、三菱MB-5012-A3・-A4に形式が変更された。
台車・集電装置は20系のものを踏襲した。ただし、新たに設定された4両編成では電動車が2両ともMb車であるため制御車2両が共に全台車集電装置付きとされ、9・10両編成には制御車2両が共に集電装置非装着となる一方でペアとなるMb車を持たないMa車(2400形)のために隣接する付随車(2700形)のMa車寄り台車に、それぞれ集電装置が設置されている。
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局21系電車
|
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Osaka_Midosuji_21601f.jpg
| 画像説明 = 御堂筋線21系(更新車) [[西中島南方駅]]
| 製造所 = 日本車輌製造<br />東急車輛製造<br />近畿車輛<small>(2500形を除く)</small><br />川崎重工業<small>(2500形増結中間車のみ)</small>
| 製造年 = 1991年 - 1998年
| 製造数 = 18編成180両
| 運用開始 =
| 投入先 = [[Osaka Metro御堂筋線|御堂筋線]]
| 編成 = 10両編成(5M5T)
| 最高運転速度 = 70 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 3.0 km/h/s
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 1380名(座席438名)
| 車両定員 =
| 自重 = 32.0 t(Tc車)<br /> 36.0 t(M車)<br /> 24.5 t(T車)
| 編成重量 = 317.5 t
| 編成長 = 187,400 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼]]
| 編成出力 = 140 kW × 4基 × 5両 = 2,800 kW
| 制御方式 = GTO素子VVVFインバータ制御(更新前)<br />IGBT素子VVVFインバータ制御(更新車)
| 制御装置 =
| 制動装置 = 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ<br />OEC-3<br />OEC-4M(更新車)
| 保安装置 = WS-ATC
| 備考 =
}}
御堂筋線用の車両は'''21系'''と
{| class="wikitable" style="font-size:
|-
!更新竣工
!仕様
!廃車
!備考
|-style="border-top:solid 5px #e5171f;"
|
|rowspan="3"|日本車輌製造
|rowspan="13"|9両
|2014年11月4日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
| rowspan="5" |1次車
|
|
|-
|
|2015年9月29日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
|
|
|-
|
|2015年3月6日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
|
|
|-
|
|rowspan="2"|東急車輛製造
|2016年3月16日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
|
|
|-
|
|2014年7月15日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|
|rowspan="2"|日本車輌製造
|2016年9月15日<ref name="私鉄車両編成表2017_p201">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2017』交通新聞社、2017年、201頁。</ref>
| rowspan="4" |2次車
|
|
|-
|
|2013年1月30日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
|
|
|-
|
|rowspan="2"|東急車輛製造
|2015年6月25日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
|
|
|-
|
|2017年3月17日<ref name="私鉄車両編成表2017_p201" />
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|
|rowspan="2"|近畿車輛
|2018年4月10日
| rowspan="4" |3次車
|
|
|-
|
|2017年9月14日
|
|
|-
|
|rowspan="
|2018年10月3日<ref name="私鉄車両編成表2019_p200">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2019』交通新聞社、2019年、200頁。</ref>
|
|
|-
|
|2019年4月8日
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|21614F||1995年9月25日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|rowspan="5"|10両
|2020年3月31日
| rowspan="2" |4次車
|
|
|-
|
|2019年9月18日
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|
|rowspan="2"|東急車輛製造
|2021年3月19日<ref name="私鉄車両編成表2021_p207">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2021』交通新聞社、2021年、207頁。</ref>
| rowspan="2" |5次車
|
|
|-
|
|2020年9月24日<ref name="私鉄車両編成表2021_p207" />
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|
|日本車輌製造
|2021年9月29日<ref name="私鉄車両編成表2022_p207">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2022』交通新聞社、2022年、207頁。</ref>
|6次車
|
|
|}
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
|-
|-style="border-top:solid 5px #e5171f;"
|21501,21510
|1996年1月{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|rowspan="2"|川崎重工業
|-
|21502 - 21504, 21511
|1996年2月{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|-
|21505 - 21507
|1996年2月{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|rowspan="2"|日本車輌製造
|-
|
|1996年3月{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|}
[[File:Osakacity21605.JPG|thumb|玉川衛材「フィッティ」のラッピング車(21605F)]]
[[File:Osaka Subway Series New 20 JPN.jpg|thumb|未更新車]]
この21系は10両編成での運行への対応のため、ブレーキ性能の確保を図って編成中央部の2700形に空気圧縮機が追加搭載され、さらに高密度運転線区への投入のため[[起動加速度]]が他の新20系各系列の2.5{{nbsp}}km/h/sに対して3.0{{nbsp}}km/h/sとされるなど、同時期製造の他線区向け新20系各系列とは一部仕様が異なる<ref group="注">制御器そのものは他線区用と共通品であり、ハードウェア面での質的な変更はほとんどない。</ref>。
上掲表のように1991年から[[1994年]]にかけて製造された第1編成から第13編成は9両編成で落成し、[[1995年]]12月9日より10両編成の運転開始に伴い、付随車である2500形21501 - 21513が川崎重工業・日本車輌製造で新造され、それぞれの編成に組み込まれた。
1994年3月製の21613Fのうち、1号車(21913)1番ドア山側のドアは内側の帯状の金具のない複層ガラスドアの試験ドアである。ドア取っ手位置は変わっていない。
残りの5本は10両編成で落成した。なお、第14・15編成に組み込まれている2500形(21514・21515)は、当初は2800形(21864・21865)という扱いになっていたが1995年12月に2両とも2500形に改められた。この2本は10両編成で落成していたが、落成してから1995年12月8日までは前述の21864・21865が外された9両編成で営業運用されていた。これ以降に製造された車両のドアは、複層ガラスドアで内側の帯状の金具がなくなり、ドア取っ手の位置も下部<ref group="注">22系と23系、[[大阪市交通局100系電車 (新交通) |ニュートラム100A系]]、OTS系の1996年以降の新製車もこのドアである。 </ref>に変更されている。
その後、[[1998年]]より開始された[[大阪市交通局10系電車|10系]]のリニューアル工事に伴う運用可能編成数の不足を補うため、第18編成10両が日本車輌製造で追加製造されている。また、同年12月より第12編成が連結面の[[転落防止幌]]の試験のために用いられ、その結果[[2000年]]より本格的に採用されることになり、全編成に設置されている。
[[1996年]]に製造された第16編成から、各扉の上部にLED式の車内案内表示器が設置された。その後[[1997年]]から[[2003年]]にかけて残りの15本に対して設置工事が施工されたが、第16・17編成が全ての扉の上部に設置されたのに対して千鳥(交互)配置とされ、1998年製造の第18編成でも千鳥配置となっている。
[[2012年]]より、第7編成<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2012/11/22/100000.html|title=御堂筋線用新20系のリフレッシュ第一号が出場|work=鉄道ニュース|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2012-11-22|access-date=2012年11月22日|archive-date=2012年11月27日|archive-url=https://web.archive.org/web/20121127191816/http://railf.jp/news/2012/11/22/100000.html}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2013/01/31/150000.html|title=大阪市交21系リニューアル車が出場|work=鉄道ニュース|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2013-01-31|access-date=2019年1月18日|archive-date=2019年1月19日|archive-url=https://web.archive.org/web/20190119230936/https://railf.jp/news/2013/01/31/150000.html}}</ref>を皮切りに中間更新が行われ、[[2021年]]の第18編成の更新工事をもって21系はすべての車両が更新を完了した。改造内容は[[#リニューアル|後述のリニューアルの欄]]を参照。
[[2022年]]より、御堂筋線及び[[直通運転|直通]]先の[[北大阪急行電鉄南北線]]の全駅に[[ホームドア|可動式ホーム柵]]の設置が完了したことから連結面の転落防止幌の撤去が進められているが、先頭車と次号車間の幌は撤去されていない編成が多い。
平日ダイヤの全列車で女性専用車となる6号車が、車体広告の[[ラッピング車両]]とされている編成もある。
Osaka Metroによると、2026年以降に低床化による段差解消を目的として新型車両へ置き換える予定としている<ref>{{Cite web |1=和書 |title=鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、バリアフリー化の促進に取り組みます~2025年度までに可動式ホーム柵(ホームドア)全駅設置、2026年度以降のエレベーター ルートの複線化促進~ |url=https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20220810_osakametro_barrierfree_fare.php?_gl=1*18juis9*_ga*NzY4MjI4MDI1LjE2NzY3Nzg5NDg.*_ga_LT5TV95QB9*MTY3Njc3ODk0OC4xLjEuMTY3Njc3OTAzNS40NS4wLjA. |publisher=Osaka Metro |date=2022-8-10 |accessdate=2023-02-19 }} {{Wayback|url=https://subway.osakametro.co.jp/news/news_release/20220810_osakametro_barrierfree_fare.php?_gl=1*18juis9*_ga*NzY4MjI4MDI1LjE2NzY3Nzg5NDg.*_ga_LT5TV95QB9*MTY3Njc3ODk0OC4xLjEuMTY3Njc3OTAzNS40NS4wLjA. |date=20230219041516 }}</ref>。
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局22系電車
|
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = New Series20.jpg
| 画像説明 = 谷町線22系(更新車)
| 製造所 = 近畿車輛<br />東急車輛製造<br />アルナ車両<br />日立製作所<br />川崎重工業
| 製造年 = 1990年 - 1996年
| 製造数 = 19編成114両
| 運用開始 =
| 投入先 = [[Osaka Metro谷町線|谷町線]]
| 編成 = 6両編成(3M3T)
| 最高運転速度 = 70 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.5 km/h/s
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 820名(座席258名)
| 車両定員 =
| 自重 = 32.0 t(Tc車)<br /> 36.0 t(M車)<br /> 24.5 t(T車)
| 編成重量 = 196.5 t
| 編成長 = 112,600 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼]]
| 編成出力 = 140 kW × 4基 × 3両 = 1,680kW
| 制御方式 = GTO素子VVVFインバータ制御<br />IGBT素子VVVFインバータ制御(更新車)
| 制御装置 =
| 制動装置 = 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ<br />OEC-3<br />OEC-4M(更新車)
| 保安装置 = [[自動列車制御装置|WS-ATC]]
| 備考 =
}}
[[File:Osaka Metro Series 22 22651F.jpg|thumb|2023年に転入した元24系の22651F]]
[[File:Osakasubway-22663F.JPG|thumb|元OTS系の22663F]]
[[File:Osaka Municipal Subway 22 series EMU 001.JPG|thumb|未更新車]]
谷町線用の車両は'''22系'''と称する。1990年から1996年にかけて6両編成19本(114両)が近畿車輛・東急車輛製造<ref group="注" name="J-TREC"/>・アルナ工機<ref group="注" name="ALNA-SHARYO"/>・[[日立製作所]]・[[川崎重工業]]の5社で製造された。1990年に製造された第1編成から第7編成までの42両は四つ橋線用23系の第1編成から第7編成までの35両<ref group="注">後に追加された2800形を除く。</ref>とともに初期車の部類に入り、前面の車両番号表示が他の車両に比べて大きい(20系の前面車番表示と同じ大きさ)。
[[1997年]]から[[2004年]]にかけて、
[[2006年]]
2018年には、第6編成がリフレッシュ改造と同時に[[#23系(四つ橋線)|23系]]23656Fとなって四つ橋線に転出、2023年2月1日付で24系第1編成が22系第51編成に改番の上転入している<ref name="私鉄車両編成表2023_p207">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2023』交通新聞社、2023年、207頁。</ref>。続けて2023年4月11日付で第52編成が、2023年11月18日付で第53編成が、2024年3月1日付で第54編成が、それぞれ中央線から転入している<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />。
[[2011年]]より、第3編成<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2011/09/01/085300.html|title=大阪市交通局谷町線用22系に更新改造車|work=鉄道ニュース|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2011-09-01|access-date=2011年9月2日|archive-date=2011年9月27日|archive-url=https://web.archive.org/web/20110927164309/http://railf.jp/news/2011/09/01/085300.html}}</ref>を皮切りに中間更新が行われている。改造内容は[[#リニューアル|後述のリニューアルの欄]]を参照。ただし、一部の車両は中間更新を行わずに廃車となっている。詳細は後述。
車両番号および編成番号の変遷は下表のとおりである。なお、※印をつけた編成は後に23系に編入された。
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
|-
! style="width:5em;" |編成番号
! style="width:6em;" |竣工年月
! style="width:8.5em;" |メーカー
!更新竣工
!仕様
!廃車
!備考
|- style="border-top:solid 5px #522886;"
|22601F
|1990年4月25日
| rowspan="4" |近畿車輛
|2015年7月2日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
| rowspan="7" |1次車
|
| rowspan="5" |前面車番文字サイズ大
|-
|22602F
|1990年5月28日
|2016年3月22日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
|
|-
|22603F
|1990年
|2011年8月31日
|
|-
|22604F
|1990年6月20日
|2013年12月4日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|-
|22605F
|1990年5月25日
| rowspan="3" |東急車輛製造
|2017年2月8日<ref name="私鉄車両編成表2017_p201" />
|
|-
|22606F
|1990年6月8日
|2018年1月17日
|
|前面車番文字サイズ大<br />※現 23656F
|-
|22607F
|1990年6月21日
|2012年7月23日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226 - 227}}
|
|前面車番文字サイズ大
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|22608F
|1991年6月17日
| rowspan="4" |アルナ工機
|2021年4月23日<ref>[https://rail.hobidas.com/rmnews/335216/ 鉄道投稿情報局 Osaka Metro22608F出場] {{Wayback|url=https://rail.hobidas.com/rmnews/335216/ |date=20210425013848 }}</ref>
| rowspan="2" |2次車
|
|
|-
|22609F
|1991年6月25日
|2021年12月29日<ref name="私鉄車両編成表2022_p207" />
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|22610F
|
|2022年5月9日<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />
|3次車
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|22611F
|1993年6月16日
|2022年9月13日<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />
| rowspan="2" |4次車
|
|
|-
|22612F
|1994年2月24日
| rowspan="3" |日立製作所
|
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|22613F
|1994年5月10日
|
| rowspan="2" |5次車
|
|
|-
|22614F
|1994年5月16日
|
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|22615F
|1995年4月3日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
| rowspan="5" |川崎重工業
|style="text-align:middle"| -
| rowspan="3" |6次車
|2024年1月19日<ref name="私鉄編成2024_p209" />
|警笛異音車
|-
|22616F
|1995年6月7日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
|
|
|-
|22617F
|1995年6月23日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|style="text-align:middle"| -
|2025年10月<ref name="railf251105">{{cite web|url=https://railf.jp/news/2025/11/05/073000.html |title=谷町線で30000A系が営業運転を開始|publisher=railf.jp|date=2025-11-05|accessdate=2025-11-05}}</ref>
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|22618F
|1996年4月24日{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|
| rowspan="2" |第7期
|
|
|-
|22619F
|1996年8月6日{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|
|
|
|-
! colspan="7" |転入車
|-
!編成番号
! colspan="6" |転入前の編成番号
|-
! colspan="7" |谷町線用20系とのトレードで転入
|-
|22655F
| colspan="6" |24605F
|-
|22656F
| colspan="6" |24606F
|-
|22657F
| colspan="6" |24607F
|-
|22658F
| colspan="6" |24608F
|-
|22659F
| colspan="6" |24609F
|-
|22660F
| colspan="6" |24610F
|-
|22661F
| colspan="6" |24611F
|-
|22662F
| colspan="6" |651F
|-
|22663F
| colspan="6" |652F
|-
! colspan="7" |30000A系・400系の投入による転入
|-
|22651F
| colspan="6" |24601F<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />
|-
|22652F
| colspan="6" |24602F<ref name="私鉄車両編成表2024_p213">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2024』交通新聞社、2024年、213頁。</ref>
|-
|22653F
| colspan="6" |24603F<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|-
|22654F
| colspan="6" |24604F<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|}
=== 23系(四つ橋線) ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局23系電車
|
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Series23 igbt renew.jpg
| 画像説明 = 四つ橋線23系(更新車)
| 製造所 = 日立製作所<br />川崎重工業<br />日本車輌製造<small>(2800形を除く)</small>
| 製造年 = 1990年 - 1997年
| 製造数 = 22編成132両
| 運用開始 =
| 投入先 = [[Osaka Metro四つ橋線|四つ橋線]]
| 編成 = 6両編成(3M3T)
| 最高運転速度 = 70 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.5 km/h/s
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 820名(座席258名)
| 車両定員 =
| 自重 = 32.0 t(Tc車)<br /> 36.0 t(M車)<br /> 24.5 t(T車)
| 編成重量 = 196.5 t
| 編成長 = 112,600 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼|ステンレス]]
| 編成出力 = 140 kW × 4基 × 3両 = 1,680 kW
| 制御方式 = GTO素子VVVFインバータ制御<br />IGBT素子VVVFインバータ制御(更新車)
| 制御装置 =
| 制動装置 = 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ<br />OEC-3<br />OEC-4M(更新車)
| 保安装置 = WS-ATC
| 備考 =
}}
[[ファイル:大阪市交通局・23613Fで試験中の台車(FS560).jpg|thumb|200px|right|試験中のFS560試作台車]]
[[ファイル:Osaka Metro series 23 23656F.jpg|thumb|200px|元22系の23656F]]
[[ファイル:Osaka Subway 23917F.jpg|thumb|200px|未更新車]]
四つ橋線用の車両は'''23系'''と称する。1990年から1996年にかけて5両編成18本(90両)と6両編成4本(24両)の計114両が日立製作所・川崎重工業・日本車輌製造の3社で製造された。また、四つ橋線の列車の6両編成化に伴い、1996年から[[1997年]]にかけて簡易運転台付きの付随車である2800形23801 - 23818が川崎重工業にて製造され、5両編成で製造された第1編成から第18編成に組み込まれた。なお、組み込みの際に2300形の簡易運転台が撤去されている。1996年には、23619F - 23622Fの導入により、[[大阪市交通局30系電車|新30系ステンレス車]]冷房化改造車を谷町線に転出・集約させている。
[[#22系(谷町線)|22系の節]]で前述したとおり、第1編成から第7編成は先頭車前面の車両番号が大きい。これは元22系の23656Fも同様である。なお、23613Fには一時期試作台車が装着されていた。
23系は[[1997年]]3月31日の6両編成化完了以降、[[2014年]]春までは6両編成22本(132両)が在籍していたが、[[2013年]]3月のダイヤ改正で朝ラッシュ時の列車減便によって余剰となっていた第6編成が更新工事も兼ねて中央線へ転出し、24系第56編成となった。その後、22系の節で前述のとおり、2018年に22系第6編成がリフレッシュ改造の際に23系第56編成<ref group="注">転属に際しては、帯色が紫帯から青帯に変更され、号車ドア番号が逆になり、2~5号車の[[優先席]]も旧4番ドア(転用後では新1番ドア)付近から新4番ドア付近に変更された。また、23系では唯一の東急車輛製であるほか、23856は23系の2800形で唯一側扉が内側に帯状の金具の付いた単板ガラスのドアである。</ref>となって四つ橋線に転入、24系第56編成も23系06編成に復帰のうえで2022年12月24日付で再転入している<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />。
各編成の詳細は以下のとおりである。
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
|+
|-
!更新竣工
!仕様
!廃車
!備考
|- style="border-top:solid 5px #0078ba;"
|23601F||1990年4月25日
| rowspan="4" |日立製作所
| rowspan="18" |5両
|2012年5月11日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
| rowspan="7" |1次車
|
| rowspan="7" |前面車番文字サイズ大
|-
|
|2014年3月25日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|-
|
|2017年8月22日
|
|-
|
|2013年11月18日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|-
|
| rowspan="3" |川崎重工業
| rowspan="1" |2021年6月24日<ref name="私鉄車両編成表2022_p207" />
|
|-
|
|2014年10月2日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
|
|-
|
| rowspan="1" |2018年7月19日<ref name="私鉄車両編成表2019_p200" />
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|23608F||1991年6月20日
| rowspan="
| rowspan="1" |2018年11月14日<ref name="私鉄車両編成表2019_p200" />
| rowspan="2" |2次車
|
|
|-
|
| rowspan="1" |2019年3月8日
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|23610F||1992年6月5日
| rowspan="1" |2022年3月2日<ref name="私鉄車両編成表2022_p207" />
|3次車
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|23611F||1993年5月26日
| rowspan="1" |2022年6月27日<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />
| rowspan="3" |4次車
|
|
|-
|
|2022年10月25日<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />
|
|
|-
|
|2023年6月8日<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|23614F||1994年4月20日
| rowspan="5" |日本車輌製造
|2023年10月27日<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|5次車
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|23615F||1995年4月3日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|2024年3月6日<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
| rowspan="4" |6次車
|
|
|-
|23616F||1995年4月4日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
|
|
|-
|23617F||1995年4月7日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
|
|
|-
|23618F||1995年4月10日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
|
|
|- style="border-top:solid 3px #999;"
|23619F||1996年8月29日{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
| rowspan="4" |
| rowspan="
|
| rowspan="4" |7次車
|
|
|-
|
|
|
|
|-
|
|
|
|
|-
|
|
|
|
|-
! colspan="8" |転入車
|-
!編成番号
! colspan="7" |転入前の編成番号
|-
|23656F
| colspan="7" |22606F
|}
{| class="wikitable" style="font-size:small;"
|-
|-style="border-top:solid 5px #0078ba;"
|23801,23802,23808
|1996年11月{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|rowspan="5"|川崎重工業
|-
|23803 - 23806
|1996年12月{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|-
|23807, 23810
|1997年1月{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|-
|23809, 23811 - 23813
|1997年2月{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|-
|23814 - 23818
|1997年3月{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|}
23601F - 23609Fには、[[2000年]]8月<ref group="注">この時点で他の新20系や[[大阪市交通局66系電車|新60系]]の1・2次車の改造は完了していた。</ref>から[[2004年]]にかけて車椅子スペース設置改造が行われた<ref group="注">1996年度下半期製造の2800形のみ製造時から設置済み。</ref>。最初に改造された編成は23608F 、最後は23606Fであった。また、2000年から2002年にかけて、全編成を対象に転落防止幌設置改造が行われた。
2006年には第11編成の乗降扉室内側上部に千鳥配置でLED式の車内案内表示器が設置され、2014年の第2編成の更新工事完了をもって全編成に車内案内表示器が設置された。
2012年に第1編成がリフレッシュ更新工事を受け<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2012/05/12/132800.html|title=四つ橋線用23系第1編成が試運転|work=鉄道ニュース|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2012-05-12|access-date=2012年5月12日|archive-date=2012年5月16日|archive-url=https://web.archive.org/web/20120516164121/http://railf.jp/news/2012/05/12/132800.html}}</ref>、営業運転を開始した。号車番号ステッカーを車体側面に貼付したほか、車内ではLED式車内案内表示器と千鳥配置で路線案内表示器の取り付け(第1・2・4編成)やロングシート中間部へのスタンションポールの設置、運転台では[[鉄道車両のモニタ装置|モニター]]の設置と速度計などの更新(アナログ化)などが行われている<ref group="注">なお、車体の高圧洗浄は実施されていない。また、2013年時点で全編成のドアガラスに貼られていた車椅子マークは、リニューアルに関係なく、すべて剥がされた。23656Fでは、2018年の転入(リニューアル)時に剥がされている。</ref>。
2022年6月現在、第1・4・2・3・7・8・9・5・10・11・12編成(施工順)、また谷町線より転入した第56編成でリフレッシュ工事が完了しており第3編成、第7編成、第56編成、第5編成、第10編成、第11編成は車内デザインが変更されている。2021年6月施工の第5編成を最後に、前面の車両番号の文字のサイズが大きい初期車のリニューアルが完了した。
Osaka Metroの第三軌条の車両の定期検査が四つ橋線の緑木検車場で行われているため、第三軌条の他線の車両が四つ橋線に入線することはあるが、23系が四つ橋線以外の路線を走ることはほとんどない。四つ橋線以外の路線を走行とした一例としては、2012年11月に第1編成が「おおさか市営交通フェスティバル2012」の一環として運行された臨時列車にて御堂筋線大国町―新金岡間を走行した実績がある。また第56編成の22系からの転属改造は中央線の森之宮検車場で実施されたため、試運転等では中央線を走行している<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2018/01/18/170000.html|title=四つ橋線用の23系23656編成が中央線で試運転|work=鉄道ニュース|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2018-01-18|access-date=2018年1月18日|archive-date=2018年1月19日|archive-url=https://web.archive.org/web/20180119034615/http://railf.jp/news/2018/01/18/170000.html}}</ref>。
前述のとおり、2014年に第6編成は[[大阪車輌工業]]で改造され、中央線に転属して24系に編入された<ref>{{Cite news|url=http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/110syunen/20140725_inmorinomiya.html|title=大阪市営交通110周年記念イベント「保存車両特別公開 in 森之宮検車場」を開催します。|publisher=大阪市交通局|date=2014-07-25|access-date=2014年8月26日|archive-date=2014年8月26日|archive-url=https://web.archive.org/web/20140826114643/http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/110syunen/20140725_inmorinomiya.html}}24系56編成の転属が説明されている。</ref>。なお、2014年に四つ橋線と中央線との連絡線が本町駅構内に完成し、翌2015年より使用開始したためこの転属が大阪市営地下鉄においてトレーラー輸送を伴う最後の転属となった。
=== 24系(中央線) ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局24系電車
|
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Osaka Subway 24604 at Kujo Station.jpg
| 画像説明 = 中央線24系(更新車)
| 製造所 = 日本車輌製造<br />日立製作所<br />アルナ工機<ref group="注" name="ALNA-SHARYO"/><br />東急車輛製造<ref group="注" name="J-TREC"/>
| 製造年 = 1991年 - 1995年
| 製造数 = 11編成66両
| 運用開始 =
| 消滅 = 2023年(22系に編入)
| 投入先 = <!--([[大阪市交通局]])-->[[Osaka Metro中央線|中央線]]<!-- <br />([[近畿日本鉄道]])[[近鉄けいはんな線|けいはんな線]]-->
| 編成 = 6両編成(3M3T)
| 最高運転速度 = 70 km/h(地下鉄線内)<br /> 95 km/h(近鉄線内)
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.5 km/h/s(地下鉄線内)<br /> 3.0 km/h/s(近鉄線内)
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 820名(座席258名)
| 車両定員 =
| 自重 = 32.0 t(Tc車)<br /> 36.0 t(M車)<br /> 24.5 t(T車)
| 編成重量 = 196.5 t
| 編成長 = 112,600 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼]]
| 編成出力 = 140 kW × 4基 × 3両 = 1,680 kW
| 制御方式 = GTO素子VVVFインバータ制御(製造当初)<br />IGBT素子VVVFインバータ制御(更新後)
| 制御装置 =
| 制動装置 = 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ(抑速ブレーキ付き)<br />OEC-3<br />OEC-4M(更新車)
| 保安装置 = WS-ATC
| 備考 = ワンマン・高速化改造後のデータ<br /> [[ワンマン運転|都市型ワンマン運転]]に対応
}}
中央線用の車両は'''24系'''と
{| class="wikitable" style="font-size:
|+製造担当メーカー
|-
!更新竣工
!仕様
!廃車
!転出後の編成番号
|-style="border-top:solid 5px #019a66;"
|24601F
|1991年6月11日
|日本車輌製造
|2015年4月13日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
|1次車
|
|22651F<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|24602F
|1992年6月11日
|rowspan="2"|日立製作所
|2015年12月21日{{Sfn| 電気車研究会 |2016|p=225}}
| rowspan="2" |2次車
|
|22652F<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|-
|24603F
|1992年6月25日
|2014年4月18日{{Sfn| 電気車研究会 |1997|p=178}}
|
|22653F<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|24604F
|1993年7月9日
|rowspan="2"|日本車輌製造
|2016年9月9日<ref name="私鉄車両編成表2017_p201" />
| rowspan="3" |3次車
|
|22654F<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />
|-
|24605F
|1993年7月22日
|style="text-align:middle"| -
|2023年8月22日<ref name="私鉄編成2024_p209" />
|22655F
|-
|24606F
|1994年3月1日
| rowspan="2" |アルナ工機
|
|
|22656F
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|24607F
|1994年5月26日
|
| rowspan="2" |4次車
|
|22657F
|-
|24608F
|1994年5月31日{{Sfn| 電気車研究会 |1995|p=188}}
| rowspan="4"|東急車輛製造
|
|
|22658F
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|24609F
|1995年4月4日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
| rowspan="3" |5次車
|
|22659F
|-
|24610F
|1995年5月11日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
|
|22660F
|-
|24611F
|1995年5月16日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|
|
|22661F
|-
! colspan="7" |転入車両
|-
!編成番号
! colspan="6" |転入前の編成番号等
|-
|651F
| colspan="6" |651F(谷町線への転出後は22662F)
|-
|652F
| colspan="6" |652F(谷町線への転出後は22663F)
|-
|24656F
| colspan="6" |23606F
|}
[[File:Osaka Metro 24 series 24956F.jpg|thumb|四つ橋線23系から転用改造された24656F]]
[[File:OsakaSubway Series 24 Chuo.jpg|thumb|未更新車]]
[[2005年]]7月1日に[[大阪港トランスポートシステム]]の[[鉄道事業法|第一種鉄道事業]]が大阪市交通局に編入されたことにあわせて、[[#大阪港トランスポートシステムOTS系|OTS系]]2編成が本系列に編入された。編入の際、LED式車内案内表示器の千鳥配置化や、OTSロゴの「VVVF 20 SERIES CAR」ロゴへの変更などが実施された。OTS系時代の詳細は後述する。
22系の節で前述の谷町線用20系と中央線24系のトレード後も、中央線に残った第01 - 04編成の4編成24両には、2006年のけいはんな線延長に備え、20系と同様に、近鉄線内での最高95km/h運転・[[ワンマン運転]]への対応、起動加速度の向上、行先表示幕の交換<ref group="注">英文字が大小混じりのものになったほか、[[学研奈良登美ヶ丘駅|学研奈良登美ヶ丘]]行き、[[谷町四丁目駅|谷町四丁目]]行き、[[阿波座駅|阿波座]]行きのコマが追加され、[[深江橋駅|深江橋]]行きのコマは廃止された。</ref>、冷房装置横への車外スピーカー設置、[[ワイパー]]の形状・位置の変更、車内乗降扉上部へのLED式車内案内表示器設置などの改造が行われている。
24系のリニューアル工事は、2014年の第3編成を皮切りに開始<ref>{{Cite news |url=http://railf.jp/news/2014/06/10/170000.html |title=大阪市交中央線24系にリフレッシュ車が登場 |work=鉄道ニュース |publisher=鉄道ファン・railf.jp |date=2014-06-10 |access-date=2014年6月10日 |archive-date=2014年6月20日 |archive-url=https://web.archive.org/web/20140620044403/http://railf.jp/news/2014/06/10/170000.html}}</ref>されたため、全編成にLCD車内案内表示器・LED車内照明が設置され、2016年の第4編成への施工をもって完了した<ref group="注">ドアガラスに貼られていた車椅子マークはリニューアル工事と同時、又はそれ以前に剥がされたのに対して、2014年にリニューアルされた24603Fについては2018年1月現在でも剥がされていない(前述の2017年3月にリニューアルされた、21系21609Fも同様)</ref>。第2・第4編成は車内デザインが変更されている<ref name="RJ593">{{Cite journal|和書|date=2016-03-01|title=RAILWAY TIPICS/大阪市交24系・30000系が車内デザイン変更|journal=[[鉄道ジャーナル]]|volume=50巻|issue=3号|serial=通巻593号|publisher=鉄道ジャーナル社|page=104|author=<!-- 記載なし -->}}</ref>。
前述のとおり、2014年に四つ橋線23系06編成にリニューアル工事を実施のうえ、24系56編成として編入し<ref>{{Cite news |url=http://railf.jp/news/2014/10/04/141000.html |title=大阪市交24系24656編成が試運転 |work=鉄道ニュース |publisher=鉄道ファン・railf.jp |date=2014-10-04 |access-date=2019年1月18日 |archive-date=2019年1月19日 |archive-url=https://web.archive.org/web/20190119230941/https://railf.jp/news/2014/10/04/141000.html}}</ref>、廃車となった20系2601Fの代替とした。中央線転属に際しては、ラインカラーの変更、近鉄けいはんな線乗り入れ対応、側窓カーテンの新設などが行われた<ref group="注">1990年製造車の特徴である正面の大きな車両番号は、編入・改番後も存置された。なお、23系時代のドアカット機能は撤去されたほか、2 - 5号車の[[優先席|優先座席]]を4番ドア付近から1番ドア付近へ変更している。</ref>。
2022年7月以降、中央線への[[大阪市交通局30000系電車 #中央線仕様車(30000A系)|30000A系]]および[[Osaka Metro400系電車|400系]]の導入により、谷町線と四つ橋線への転用が進んでいる<ref name="#1"/><ref>岸田法眼 デイリー新潮「独特なルックスに注目集まる「Osaka Metro」新型車両 見た目だけじゃない新しさ」(新潮社)[https://www.dailyshincho.jp/article/2022/01130559/?all=1] {{Wayback|url=https://www.dailyshincho.jp/article/2022/01130559/?all=1|date=20220409161858}}</ref>。2022年12月24日付で第56編成が四つ橋線へ<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />、2023年2月1日付で第1編成が谷町線へ転出した<ref name="私鉄車両編成表2023_p207" />。2023年度内に残る3編成も谷町線へ転出した<ref name="私鉄車両編成表2024_p213" />ことで、中央線から24系の配置がなくなった。
=== 25系(千日前線) ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪市交通局25系電車
|
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Osaka Subway 25 series 25613F 2014-02-15 (14025166359).jpg
| 画像説明 = 千日前線25系(更新車)
| 製造所 = 近畿車輛<br />東急車輛製造<ref group="注" name="J-TREC"/><br />アルナ工機<ref group="注" name="ALNA-SHARYO"/>
| 製造年 = 1991年 - 1995年
| 製造数 = 17編成68両
| 運用開始 =
| 投入先 = [[Osaka Metro千日前線|千日前線]]
| 編成 = 4両編成(2M2T)
| 最高運転速度 = 70 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.5 km/h/s(ツーマン車)<br />3.0 km/h/s(改造車)
| 常用減速度 =
| 非常減速度 =
| 編成定員 = 540名(座席168名)
| 車両定員 =
| 自重 = 32.0 t(Tc車)<br /> 36.0 t(M車)
| 編成重量 = 136 t
| 編成長 = 75,200 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼|ステンレス]]
| 編成出力 = 140 kW × 4基 × 2両 = 1,120 kW
| 制御方式 = GTO素子VVVFインバータ制御(製造当初)<br />IGBT素子VVVFインバータ制御(更新後)
| 制御装置 =
| 制動装置 = 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ <br />OEC-3<br />OEC-4M(更新車)
| 保安装置 = WS-ATC・CS-ATC [[自動列車運転装置|ATO]]
| 備考 =
}}
千日前線用の車両は'''25系'''と
[[File:Osaka municipal subway 25903 original style.jpg|thumb|未更新車]]
各編成の詳細は以下のとおりで、全編成が4両編成で竣工している。
{| class="wikitable" style="font-size:
|-
!更新竣工
!仕様
!廃車
!備考
|-style="border-top:solid 5px #e44d93;"
|25601F
|1991年4月30日
|rowspan="
|2014年3月27日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
| rowspan="2" |1次車
|
|
|-
|25602F
|1991年5月7日
|2014年5月1日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|25603F
|1992年5月29日
|2012年2月20日
| rowspan="2" |2次車
|
|
|-
|25604F
|1992年6月2日
|2013年12月10日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|25605F
|1993年6月21日
|rowspan="
|2013年11月5日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
| rowspan="2" |3次車
|
|
|-
|25606F
|1993年7月1日
|2013年4月23日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|25607F
|1994年4月15日
|2010年11月1日
| rowspan="5" |4次車
|
|
|-
|25608F
|1994年4月19日
|2014年9月8日{{Sfn| 電気車研究会 |2015|p=247}}
|
|
|-
|25609F
|1994年6月10日{{Sfn| 電気車研究会 |1995|p=188}}
|2011年4月19日
|
|
|-
|25610F
|1994年6月15日{{Sfn| 電気車研究会 |1995|p=188}}
|2013年7月18日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|
|-
|25611F
|1994年6月24日{{Sfn| 電気車研究会 |1995|p=188}}
|2011年12月15日
|
|
|-style="border-top:solid 3px #999;"
|25612F
|1995年4月3日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|rowspan="6"|アルナ工機
|2012年5月2日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
| rowspan="6" |5次車
|
|
|-
|25613F
|1995年4月4日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|2012年8月3日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
|
|
|-
|25614F
|1995年4月11日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|2012年11月26日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
|
|
|-
|25615F
|1995年6月1日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|2012年9月26日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
|
|
|-
|25616F
|1995年6月14日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|2013年3月15日{{Sfn| 電気車研究会 |2013|p=226-227}}
|
|
|-
|25617F
|1995年6月29日{{Sfn| 電気車研究会 |1996|p=186-187}}
|2013年8月14日{{Sfn| 電気車研究会 |2014|p=234}}
|
|
|}
千日前線で開業以来運用されてきた50系と1979年から運用された100形(2代目)は、ともに他線区からの転用車であり、これまで新車が直接投入されたことはなかった<ref group="注">本系列の投入直前まで千日前線には3世代前の50系が運用されており、2世代前の主力車である30系の投入開始は、御堂筋線への新21系投入で置き換えられた編成が中間車5両を抜き取られたうえで転用された1991年が最初で、本系列の第1陣の投入より後であった。</ref>。それゆえ本系列は同線初の直接新製投入で、かつ同線初の冷房車となった。
なお、全区間地下線のため、同様の使用条件にある23系と同様、日よけカーテンは設置されていない。
千日前線では[[自動列車制御装置|ATC]]にCS-ATCが採用されているため、本系列には工場への出入庫に必要となる従来型のWS-ATCに加え、CS-ATC対応機器が別途搭載されている。
また、2008年に第10編成の
さらに、同年の第8編成の更新工事をもって25系
===
新20系についても
更新工事の主な内容は次の通りである。
1,110 ⟶ 1,454行目:
==== 外装 ====
*車体外板の洗浄
*車体屋根部分の洗浄、塗装
*側面前後
*前照灯のLED化<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2018/05/24/173000.html|title=大阪メトロ御堂筋線用21系21602編成の前照灯がLEDに|publisher=交友社|work=鉄道ファン・railf.jp|date=2018-05-24|access-date=2019年1月18日|archive-date=2019年1月19日|archive-url=https://web.archive.org/web/20190119174529/https://railf.jp/news/2018/05/24/173000.html}}</ref>(2018年度施工車から)
*行先表示幕の更新(英文字は頭のみ大文字・2文字目以降は小文字化したものにそれぞれ変更、2018年度施工車からは側面幕のみ、字体を[[ゴシック体]]に変更、併せて行先に駅ナンバリング記号も記載)
*ワイパーの形状、位置変更(21系・25系のみ)
*冷房機横の車外スピーカー設置(22系第3・4・7編成、23系第1・2・4編成は除く)
:なお、下3つの改造内容は、24系ではけいはんな線乗り入れ対応工事の際に既に実施されている内容である。また、リニューアル改造とは別で、側面の駅ナンバリング記号が記載された幕に交換された車両もあり、中にはリニューアル改造を受けていない車両で交換されている車両もある。また、20系は全編成で交換された。
==== 内装 ====
[[File:Osaka Metro 22 Series station indicator.jpg|thumb|22604FのLED式車内案内表示器]]
[[File:Osakacity24603shanai.JPG|thumb|24603FのLED照明とLCD案内表示器]]
[[File:Midosuji Line 21 21611.jpg|thumb|21611FのLCD案内表示器]]
*座席の[[モケット]]交換、[[バケットシート]]化
*床材の更新(ブラウン系 → グレー系)
*座席中央部に[[スタンションポール]]を設置
*[[つり革|吊り革]]の増設、改良
*乗降扉床面に注意喚起用黄色ラインを追加
*車内照明を拡散カバー一体型LED照明に変更<ref name="#2">{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2014/06/10/170000.html|title=大阪市交中央線24系にリフレッシュ車が登場|publisher=交友社|work=鉄道ファン・railf.jp|date=2014-06-10|access-date=2014年6月10日|archive-date=2014年6月20日|archive-url=https://web.archive.org/web/20140620044403/http://railf.jp/news/2014/06/10/170000.html}}</ref>(2014年度 - 2023年度施工車)
** 2024年度以降の施工車はカバーのない直管蛍光灯型LED照明に変更。
*運客仕切戸をガラスの大きいものに交換(2013年度施工車から)
*扉開閉予告灯の設置
*路線案内表示器、LED式車内案内表示器の設置
**21系では路線案内表示器が千里中央駅までしか対応しておらず、北大阪急行南北線の延伸区間(箕面船場阪大前駅、箕面萱野駅)は点滅させることができないためシールのみで対応。
*LCD式車内案内表示器の設置<ref name="#2"/>。21系(第5編成以降の改造施工車)、22系(第1編成以降の改造施工車)、23系(第3編成以降の改造施工車)、24系(2014年度施工車から)
**21系は第11編成以降の2017年度施工車より、[[阪急1000系電車 (2代)|阪急1000系]]などと同サイズの32インチハーフLCDを採用<ref>{{Cite news|url=http://railf.jp/news/2017/10/26/120000.html|title=大阪市交21系21611編成がリフレッシュ改造を終える|publisher=交友社|work=鉄道ファン・railf.jp|date=2017-10-26|access-date=2019年1月18日|archive-date=2019年1月19日|archive-url=https://web.archive.org/web/20190119230939/https://railf.jp/news/2017/10/26/120000.html}}</ref><ref>{{Cite web|1=和書|title=御堂筋線21系車両リフレッシュのご案内|url=http://subway.osakametro.co.jp/news/news/subway/r1_21kei_reflesh.php|publisher=Osaka Metro|date=2017-10-18|accessdate=2019-01-03}} {{Wayback|url=http://subway.osakametro.co.jp/news/news/subway/r1_21kei_reflesh.php |date=20190104021417 }}</ref>。
*開扉時の盲動鈴鳴動機能追加<ref name="#2"/>(2014年度施工車から。音色は[[大阪市交通局30000系電車|30000系]]や[[新幹線700系電車]]後期車、[[新幹線N700系電車]]と同じ)
*扉横の手すりを下方向へ拡大(21系は第4編成以降の改造車、22系は第1編成以降の改造車、23系は第3編成以降の改造車、24系は第2・4編成に施工)
*荷棚の更新(21系の2015年度施工車(第8編成以降の改造施工車)から)
*女性専用車両の荷棚と吊り手の高さを変更<ref>{{Cite web|1=和書|title=御堂筋線21系女性専用車両 荷棚&吊り手高さ変更のご案内|url=http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h28_all/20160926_turikawa.html|publisher=大阪市交通局|date=2016-09-26|accessdate=2017-07-13}} {{Wayback|url=http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h28_all/20160926_turikawa.html |date=20161010110758 }}</ref>(21系の2016年度施工車(第6編成以降の改造施工車)から)
* 御堂筋線用30000系第10編成以降と同様の防犯カメラの設置(21系の2020年度施工車(第17編成以降の改造施工車)から) <ref>{{Cite news|url=https://railf.jp/news/2020/09/30/180000.html|title=御堂筋線用の21系21617編成がリフレッシュ車に|work=鉄道ニュース|publisher=鉄道ファン・railf.jp|date=2020-09-30|access-date=2020年10月1日|archive-date=2020年10月28日|archive-url=https://web.archive.org/web/20201028103847/https://railf.jp/news/2020/09/30/180000.html}}</ref>
==== 内装デザインの変更 ====
通勤型電車としてはハイグレードな内装を持つ新20系のリニューアルでは、上述のような細かい改良点が多く、[[大阪市交通局30系電車|30系]]や10系のように新デザインの化粧板への交換が行われなかったこともあり、利用者の視点からは大きく変わり映えしないものであった。
そこで新たな発想として、 「明るさ・親しみ・楽しみのある車内」をコンセプトに、2015年度より、リニューアルの際に「路線の特徴」「沿線の魅力」「路線ごとのカラーイメージ」を車内デザインに取り入れることとなった<ref>{{Cite web|1=和書|url=http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h27_all/20150625_chukankoshin.html|title=地下鉄の車内デザインを「お客さまに楽しんでもらえる車内」に一新します! ~「明るさ・親しみ・楽しみのある車内」でおもてなし~|publisher=大阪市交通局|date=2015-06-25|accessdate=2016-01-29}} {{Wayback|url=http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h27_all/20150625_chukankoshin.html |date=20160222180409 }}</ref>。このデザイン変更は、御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線用新20系のほか、堺筋線用66系、長堀鶴見緑地線用70系でも行われている。
21系<ref name="21seriesF" group="注">第4・6・9・11・10編成に施工。なお第11編成以降に施工された車両は第9編成以前と比較してドアの緑の色が薄くなっている。</ref>は、御堂筋線の路線カラーでもあり、「大阪市営地下鉄の大動脈」を表す赤色を連結面扉に取り入れ、出入口扉を[[御堂筋]]の伸び行く新緑のイチョウ並木を表現したデザインに、座席の袖仕切りを木目柄に変更した<ref>{{Cite web|和書|title=御堂筋線 21系車両 車内デザイン変更のご紹介|url=https://web.archive.org/web/20160620000147/http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h27_all/20160316_21kei_design.html|publisher=大阪市交通局|date=2016-03-16|accessdate=2017-07-13}}</ref>。2018年10月以降にリニューアルされた第12 - 18編成では、床材を石目模様とストライプを組み合わせたものに、出入口扉と袖仕切りを木目柄に、アクセントとして出入口扉周辺と連結面扉を赤色に変更し、「穏やかな御堂筋」をイメージした、落ち着いた上質感あるデザインとなった<ref>{{Cite web|1=和書|title=御堂筋線21系車両車内デザイン変更のご紹介 ~新たなるステージへ~|url=http://subway.osakametro.co.jp/news/news/20181008_21kei_design.php|publisher=Osaka Metro|date=2016-03-16|accessdate=2019-01-03}} {{Wayback|url=http://subway.osakametro.co.jp/news/news/20181008_21kei_design.php |date=20181125162605 }}(インターネットアーカイブ)。</ref>。
22系<ref group="注">第2・5・8 - 10編成に施工。</ref>は、路線カラーのパープルを取り入れ、歴史的な史跡や神社・寺院が立ち並ぶ「歴史薫る」谷町線沿線で開催される、[[天神祭]]の壮大な「花火」と[[谷町筋]]ゆかりの「梅の華」で、華やかさと伝統を融合した車両空間を表現したデザインとなった<ref>{{Cite web|和書|title=谷町線 22系車両 車内デザイン変更のご紹介|url=https://web.archive.org/web/20160629232427/http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h27_all/20160325_22kei_design.html|publisher=大阪市交通局|date=2016-05-10|accessdate=2017-07-13}}(インターネットアーカイブ)。</ref>。
23系<ref group="注">第3・7 - 11・56編成に施工。</ref>は、「水巡る路線」をコンセプトに、上繋橋、下繋橋、炭屋橋、吉野家橋の四つの橋をモチーフにした「[[四ツ橋]]柄」と、四つ橋線の路線カラーと水をイメージした「ブルー」を取り入れたデザインとなった<ref>{{Cite web|1=和書|title=四つ橋線23系車両車内デザイン変更のご紹介|url=http://subway.osakametro.co.jp/news/news/subway/20170713_23kei.php|publisher=Osaka Metro|date=2017-07-13|accessdate=2019-01-03}} {{Wayback|url=http://subway.osakametro.co.jp/news/news/subway/20170713_23kei.php |date=20190104021420 }}</ref>。
24系<ref group="注">第2・4編成に施工。谷町線転用後もデザインは変更なし</ref>は、地下鉄・ニュートラム全路線に「つながる路線」をコンセプトに、「朝日の昇る[[生駒山]]」から「夕日の沈む大阪港」へ、中央線の路線カラーである「グリーンベルト」でつなぎ、大阪市交通局の路線図をもとにデザインした「さかな」が各路線色で彩られた泡の中を泳ぎ回る、「明るく・かわいい」車内を表現したデザインとなった{{R|RJ593}}<ref>{{Cite web|和書|title=中央線 24系車両リフレッシュのご案内|url=https://web.archive.org/web/20160629232427/http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/w_new_info/w_new/list_h27_all/20150204_r424keirefresh.html|publisher=大阪市交通局|date=2015-12-28|accessdate=2017-07-13}}(インターネットアーカイブ)。</ref>。
25系は2014年度までにリニューアル工事が完了したため、内装デザイン変更の対象外となっている。
<gallery widths="190" style="font-size:90%;">
御堂筋線21系 新デザイン.jpg|21系更新車車内(2018年以前施工)<ref name="21seriesF" group="注"/>
Osaka Metro series 21 second renewal interior.jpg|21系内装更新車車内(2018年以降施工)<ref group="注">第12編成以降に施工</ref>
ファイル:Osaka Metro series 22 renewal interior 2.jpg|22系更新車車内
Osaka-Metro Series23-23315 Inside.jpg|23系更新車車内
Osaka Metro Series 24 renewal interior.jpg|24系更新車車内
</gallery>
====その他====
*[[自動列車運転装置|自動運転装置]]、[[ホームドア|可動式ホーム柵]]関連機器の設置
*
*各種計器類(速度計や圧力計など)のアナログ化
*制御装置・ブレーキ装置などの交換・補助電源(MG)のメーカー整備
*ATO出発ボタンの追加(25系のみ)
=== 廃車 ===
新20系は登場から30年以上にわたり廃車は出なかったが、前述の中央線への新車投入に伴う中央線からの更新車(24系)転入により、2023年8月に谷町線22系22655F(元24605F)がリニューアルを受けずに新20系では初の廃車となり、さらに2024年1月には22系22615Fが廃車となっている<ref name="私鉄編成2024_p209" />。2025年10月には[[大阪市交通局30000系電車#中央線・谷町線仕様車(30000A系)|30000A系]]の谷町線転属に伴い、22系22617Fが廃車となっている<ref name="railf251105"/>。
=== 大阪港トランスポートシステムOTS系 ===
{{鉄道車両
| 車両名 = 大阪港トランスポートシステム<br />OTS系電車
| 背景色 = #00bcff
| 文字色 = #ffffff
| 画像 = Osaka Port Transport System OTS 20020726.jpg
| 画像説明 = OTS系電車
| 運用者 = [[大阪港トランスポートシステム]]
| 製造所 = 日立製作所
| 製造年 = 1997年
| 製造数 = 2編成12両
| 運用開始 =
| 消滅 = 2005年7月1日<br />(大阪市営24系に系列変更の後に22系に編入)
| 投入先 =
| 編成 = 6両編成(3M3T)
| 軌間 = 1,435 mm([[標準軌]])
| 電気方式 = 直流750 V・第三軌条方式
| 最高運転速度 = 70 km/h
| 設計最高速度 =
| 起動加速度 = 2.5 km/h/s
| 常用減速度 = 3.5 km/h/s
| 非常減速度 = 4.5 km/h/s
| 編成定員 = 820名(座席258名)
| 車両定員 = 130名(先頭車、座席39名)<br />140名(中間車、座席45名)
| 自重 = 32.0 t(Tc車)<br /> 36.0 t(M車)<br /> 24.5 t(T車)
| 編成重量 = 196.5 t
| 編成長 = 112,600 mm
| 全長 =
| 全幅 = 2,890 mm(先頭車)<br /> 2,880 mm(中間車)
| 全高 = 3,745 mm
| 車体材質 = [[ステンレス鋼]]
| 台車 = インダイレクトマウント・ノースイングハンガー・軸バネ式台車<br />FS-386A・FS-086A
| 主電動機 =
| 主電動機出力 = 140 kW
| 駆動方式 = WN駆動方式
| 歯車比 = 103:14
| 編成出力 = 140 kW × 4基 × 3両 = 1,680 kW
| 制御方式 = 三菱電機製GTO素子VVVFインバータ制御
| 制御装置 =
| 制動装置 = 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ OEC-3(抑速ブレーキ付き)
| 保安装置 = WS-ATC
| 備考 =
| 備考全幅 =
}}
[[File:Osaka Metro 22 series 22663F interior.jpg|thumb|元OTS系(652F→22663F)の車内(座席モケット変更後)]]
'''OTS系'''は、かつて[[大阪港トランスポートシステム]]が保有していた通勤形電車で、前述したように中央線用の[[#24系(中央線)|24系]]に系列・形式称号変更された後、谷町線への転属にあたり、22系22662F、22663Fとなった。
ここではOTS時代について記述する。
この車両は[[1997年]][[12月18日]]のOTSテクノポート線開業に際し、日立製作所で6両編成2本(12両)が落成した{{Sfn| 電気車研究会 |1998|p=200}}。車体や主要機器は乗り入れ先の中央線24系と同一仕様であるが、車内案内表示器は全扉<ref group="注">先述の通り、谷町線転属の際に千鳥配置に変更されている。</ref>に設置された。
{| class="wikitable" style="font-size:
|-
!更新竣工
!仕様
!廃車
!備考
|-style="border-top:solid 5px #00bcff;"
|651F
|1997年7月29日{{Sfn| 電気車研究会 |1998|p=200}}
|rowspan="2"|日立製作所
|
| rowspan="2" |1次車
|
|警笛異音車<br />現 22662F
|-
|652F
|1997年8月1日{{Sfn| 電気車研究会 |1998|p=200}}
|
|
|現 22663F
|}
また、落成時の編成は以下のとおりである<ref group="注">百の位は新20系と同車種を示し、表記上はOTSを省略してあった。なお、下二桁の車番が各車種で51・52と付番されたのは大阪市交通局在籍車との編成番号の干渉を防ぐためであり、これは大阪市交通局籍編入後も継承されている。</ref>。
{| style="text-align:center; border-spacing:2em 0em;"
1,214 ⟶ 1,618行目:
|}
|}
なお、OTSテクノポート線の開業時には
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注|2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
1,226 ⟶ 1,632行目:
*「VVVFインバータ制御 20系電車」1985年 大阪市交通局作成
* [[鉄道ピクトリアル]] 1993年12月臨時増刊号、2004年3月臨時増刊号 特集「大阪市交通局」 電気車研究会
* 伊原薫『大阪メトロ誕生』かや鉄BOOK
* [[電気車研究会]]『鉄道ピクトリアル』通巻534号(1990年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=1990|month=10|title=II 民鉄車両 II-3 1989年度 (1)新造車|journal= |issue= |pages= 293 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻612号(1995年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=1995|month=10|title=II 民鉄車両 II-2 1994年度 車両動向|journal= |issue= |pages= 188 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻628号(1996年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=1996|month=10|title=II 民鉄車両 II-2 1995年度 車両動向|journal= |issue= |pages= 186-187|publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻644号(1997年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=1997|month=10|title=II民鉄車両 II-2 1996年度 車両動向|journal= |issue= |pages= 178 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻660号(1998年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=1998|month=10|title=民鉄車両 II-2 1997年度 車両動向|journal= |issue= |pages= 200 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻767号(2005年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=2005|month=10|title=民鉄車両 III-2 民鉄車両 各社別新造・改造・廃車一覧|journal= |issue= |pages= 227 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻881号(2013年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=2013|month=10|title=III-2 民鉄車両III 車両データ2012年度 |journal= |issue= |pages= 226-227 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻896号(2014年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=2014|month=10|title=III-2 民鉄車両III 車両データ2013年度|journal= |issue= |pages= 234 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻909号(2015年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=2015|month=10|title=III-2 民鉄車両 各社別新造・改造・廃車一覧(2014年度) |journal= |issue= |pages= 247 |publisher= | ref=harv}}
* 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』通巻923号(2016年10月臨時増刊号)
** {{Cite journal|和書|author= 電気車研究会|year=2016|month=10|title=III-2 民鉄車両 各社別新造・改造・廃車一覧(2015年度) |journal= |issue= |pages= 225 |publisher= | ref=harv}}
== 外部リンク ==
{{Commons category|Osaka Subway 20 series|20系}}
{{Commons category|Osaka Subway 20 series (New)|新20系}}
* [http://www.n-sharyo.co.jp/business/tetsudo/pages/osaka21.htm 大阪市交通局21・24系] - 日本車輌製造
{{-}}
{{大阪市高速電気軌道の鉄道車両}}
{{大阪市交通局の鉄道車両}}
{{リダイレクトの所属カテゴリ
|redirect1=大阪市交通局新20系電車
1,242 ⟶ 1,670行目:
|2-2=1997年製の鉄道車両
}}
{{デフォルトソート:おおさかしこうつうきよく20けいてんしや2}}
[[Category:大阪市
[[Category:大阪市高速電気軌道の電車|20_2]]
[[Category:1984年製の鉄道車両]]
[[Category:東急車輛製造製の電車]]
1,249 ⟶ 1,678行目:
[[Category:近畿車輛製の電車]]
[[Category:日立製作所製の電車]]
[[Category:鉄道車両関連]]
| |||