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'''グフ''' ''(GOUF)'' は、「[[ガンダムシリーズ一覧|ガンダムシリーズ]]」のうち[[宇宙世紀]]を舞台とする作品に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型機動兵器「'''[[モビルスーツ]] '''(MS)」のひとつ。初出は、1979年放送の[[テレビアニメ]]『[[機動戦士ガンダム]]』。
{{物語世界内の観点|date=2014年3月}}
'''グフ'''(''GOUF'')は、「[[ガンダムシリーズ一覧|ガンダムシリーズ]]」に登場する架空の兵器。[[架空のロボット兵器の一覧|有人操縦式の人型ロボット兵器]]「'''[[モビルスーツ]] '''」(MS)の一つ。初出は、1979年放送の[[テレビアニメ]]『[[機動戦士ガンダム]]』。
 
作中の敵側勢力である[[ジオン公国]]軍の量産機で、[[ザクII]]([[陸戦型ザクII|陸戦型仕様]])の格闘能力を強化した改良型後継機<ref>{{Cite web|url=http://www.gundam.jp/tv/world/mecha/ze01.html|title=WORLD 機動戦士ガンダムWeb|publisher=[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]|accessdate=2025-04-14}}</ref>劇中青い機体色と、両肩の[[ウシ|牛]]の[[角]]のように反り返ったスパイクが特徴はジオン軍大尉「、電磁ムチの[[#ヒート・ロッド|ヒート・ロッド]]や左手指の機関砲といった武器が内蔵されている。[[ランバ・ラル]]大尉が搭乗する試作1機が先行して登場し、「ザクとは違う」性能をもって主人公[[アムロ・レイ]]が搭乗する[[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]を苦しめる。ラル機はパーソナルカラーである濃淡の青に塗装され、これはのちに、量産型も複数登場する量産機の制式カラーにもなった
 
本記事では、外伝作品などに登場するバリエーション機などについても解説する。
メカニックデザインは[[大河原邦男]]。
 
== デザイン ==
[[プラモデル]]([[ガンプラ]])の商品展開に端を発する『[[モビルスーツバリエーション]]』(MSV)、およびその他[[メディアミックス]]企画においても、「[[#グフ飛行試験型|飛行試験型]]」といったさまざまなバリエーションが生み出されている。当記事では、それらバリエーション機の解説も併記する。
[[メカニックデザイン]]は[[大河原邦男]]による。ヒート・ロッドを武器にすることが前提とされたが、それ以外は自由にデザインできたという。ザクよりは高貴な感じをもたせたとのこと{{Sfn|アイアンワークス|1989|p=84}}。
 
== 機体設定解説 ==
{{機動兵器
|名称=グフ<br />GOUF
|型式番号=MSYMS-07B (YMS/ MS-07B)
|所属=[[ジオン公国|ジオン公国軍]]
|開発=[[宇宙世紀の企業#ジオニック|ジオニック]]
|生産形態=試作機 / 量産機
|頭頂高=18.2m{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=54-55}} / 18.5m{{Sfn|ロボット大全集|1981|p=114-117}}
|頭頂高=18.2m
|全高=18.7m{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=54-55}}
|重量=58.5t{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=54-55}} / 58.2t{{Sfn|MSVコレクション地球編|2000|p=No. 96}}
|重量=58.5t
|全備重量=75.4t{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=54-55}} / 80t{{Sfn|ロボット大全集|1981|p=114-117}}
|全備重量=75.4t
|出力=1,034kW{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=54-55}}(60000馬力{{Sfn|ロボット大全集|1981|p=114-117}})
|出力=1,034kw
|推力=40,700kg{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=54-55}}
|センサー=3,600m{{Sfn|ガンダムRPG|1997|p=56}}
|最高速度=99km/h<ref>講談社ポケット百科シリーズ『{{Sfn|ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』115ページ。</ref>(地上最大走行速度)|1981|p=114-117}}
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 96}}
|武装=75mm5連装フィンガーバルカン<br/>ヒート・サーベル(グフサーベル)ロッド<br />[[ヒートロッド|ヒート・ロッド]]5連装75mm機関砲<br />[[ヒートホーク|ヒート・ク]]ベル<br />グフ・シールド<br/>MMP!--78 ザク・マシンガン<br/>360mm、ヒート・ホーク、ジャイアント・バズ(弾数10)は標準兵装ではないのでスペック表に記載されない-->
|搭乗者=[[ランバ・ラル]] (YMS-07B)<br />[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (た行-わ行)#ヘイブ|ヘイブ]]<br />[[機動戦士ガンダム外伝の登場人物 コロニーの落ちた地で…#ジオン公国軍 (た行-わ行)#マーチ|ヴィッシュ・ドナヒュ]]<br />ジオン公国軍一般兵他([[#グフ(量産型)|グフ(量産型)]]を参照)
}}
ジオン公国軍は、[[一年戦争|独立戦争]]における地球侵攻作戦用に[[ザクII]]([[ザクII#量産型ザクII(F型)|F型]])の改修型である陸戦型([[陸戦型ザクII#設定解説|J型]])を開発するが{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}、汎用型である[[ザクII]]には基本設計に削除不能な部分が多く{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}、性能に限界があった{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 32}}。[[宇宙世紀の企業#ジオニック|ジオニック]]社ではJ型の生産と並行して{{Sfn|ガンダムメカニクス1|1998}}、J型を全面改修した{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}新型陸戦用MSの開発が進められる{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}}。また、[[ジオン軍]]は連邦軍もMSを開発することを予測しており、対MS戦も視野に入れて開発されている{{Sfn|EB一年戦争編|1989|p=120}}。
==== 開発経緯 ====
[[一年戦争]]時、ジオン公国軍は地球侵攻用の主力機として「MS-06F ザクII」の陸戦仕様である「MS-06J 陸戦型ザクII」を投入した。しかし、本来宇宙用に開発された機体の改修には限界があったため、[[宇宙世紀の企業#ジオニック社|ジオニック社]]は新たに純陸戦用の機体である「グフ」を開発した。さらに、重[[爆撃機]]兼輸送機である「[[ドダイYS]]」に積載されての移動や空中戦を考慮し、ザクでは指揮官機用だった頭部通信アンテナ(ブレードアンテナ)を標準装備とすることで、ドダイとの連携能力を強化している。
 
ザクIIの基本設計をもとに、陸戦用MSという目的を徹底的に追求した構造となっており{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 32}}、新造パーツは60パーセント以上におよぶ{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。地上での冷却効率の悪さからラジエーターを大型化{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 32}}、ロケット燃料タンクの容量は減らされ、無重力区域での走行用マグネットは省略されている{{Sfn|センチュリー|1981|p=38}}。また南極条約の締結を受け、対放射線能力が低い代わりに強化された装甲を採用{{Sfn|センチュリー|1981|p=38}}、格闘戦用に部分的な強化もおこなわれるが{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}、過度の重装甲は避けてシールドはオプションとなっている{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 32}}。
開発は地球降下後に制圧した北米[[宇宙世紀の施設と地名#キャリフォルニアベース|キャリフォルニア基地]]で行われ、やがてMS-06JをベースとしたYMS-07 [[#プロトタイプグフ|プロトタイプグフ]]が完成した。当初はMS-07 グフとMS-08の二つのプランが並行して進められたが、MS-08プランはYMS-08A 高機動型試験機の5機をもってYMS-07A グフのプランへ統合された。ただし、のちにMS-08の型式番号を継承したMS-08TX [[イフリート (ガンダムシリーズ)|イフリート]]が製作されている。
 
試作1号機([[#プロトタイプグフ|YMS-07A]])から特徴的な両肩のスパイク・アーマーと頭頂部のブレード・アンテナが装備されているが、試作3号機 ([[#グフ (YMS-07B)|YMS-07B]]) で両腕への固定武装の装備{{Efn2|『MSV』の初期の資料では1, 2号機から固定武装が装備されたとしている{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。}}と外装の整理がおこなわれ{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}}、一般的に知られるグフの外観となっている。[[ランバ・ラル]]が搭乗したのもこのYMS-07Bである{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。
YMS-07Bは対MS戦用の固定武装を追加装備したYMS-07の3号機以降の機体を実戦投入したもので、この機体の仕様が本格量産型の基となった。ランバ・ラルが搭乗したのはこのタイプである。ラル機はチューンナップが施されており、のちの量産型よりも高い性能を誇ったという。ラル機のほかには1機がMS-07Hの開発母体として流用されたことが記録されている。ラルのパーソナルカラーである青の機体色は、その後の一般量産機にも採用されている。
 
開戦間もない[[宇宙世紀]]0079年初頭に制式採用され{{Sfn|ガンダムメカニクス1|1998}}、[[#グフ(量産型)|MS-07B]]として量産化される。量産には月面のグラナダと北米のキャリフォルニアベースにあったザクII J型の生産ラインがそのまま転用されている{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=76-79}}。実戦配備は3月18日の{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=157-158}}第3次地球降下作戦から開始され{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}}、おもに北米やアジア方面に配備されている{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。しかし、近接戦闘に特化した兵装や機体特性で操縦難度が高く熟練パイロット以外は十分に使いこなせないことや運用コストの高騰といった問題から、オデッサ戦以降の生産ラインは縮小を余儀なくされ、[[ドム]]の登場もそれに拍車をかけている{{Sfn|HGUCグフRevive|2016}}。生産機数は不明であるが、それほど多くないという{{Sfn|ガンダムメカニクス1|1998}}。一年戦争後期には、来たるべき月面での決戦に備え宇宙用としての改造プランがあったとする説もある{{Sfn|ガンダムエース2107|2021|p=144-145}}{{Efn2|漫画『[[機動戦士ムーンガンダム]]』に登場する[[アッガイ#アッグジン|アッグジン]]の設定解説による。}}。
実際の開発にあたっては連邦軍のMS開発を考慮して格闘戦を想定している<ref>OVA『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO|機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-]]』第2話に登場した特殊部隊「[[機動戦士ガンダム MS IGLOOの登場人物#セモベンテ隊|セモベンテ隊]]」は、鹵獲した陸戦型ザクIIを装備してジオン軍を悩ませ、5月8日にはザク同士の戦闘も発生した。</ref>。胸部装甲の強化、ザクIIでは右肩に固定されていたシールドを取り回しの良い左腕部に設置、機体本体への固定武装の追加、両肩に大型化したスパイクアーマーを備えるなどの改良がなされた。ザクIIで問題となっていた装甲強度や運動性の向上もあわせ、'''ザクとは違う'''機体となった。特に胴体装甲は強靭で、ラル機はホワイトベース隊の[[ガンキャノン]]の砲撃を盾越しに直撃しながらも問題なく戦闘を継続した<ref>テレビ版第16話および『[[機動戦士ガンダム|機動戦士ガンダムII 哀・戦士編]]』。</ref>。量産型でも、ガンダムの60mmバルカン砲の直撃に十分耐える装甲を持つ<ref>テレビ版第22話。ガンキャノンを援護するためにガンダムがバルカン砲でグフを攻撃した。</ref>。ラジエターの大型化とともに機体の軽量化が図られ、YMS-08A 高機動型試験機を基に製作された新型バックパックによって機動性も向上している。これによってグフはザクIIより20パーセント以上の性能向上を果たした<ref>テレビ版第17話冒頭、アムロは鹵獲した[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (あ行-さ行)#コズン・グラハム|コズン・グラハム]]のザクIIを元に、20パーセント性能増しでグフのシミュレーションデータを作った。しかし実際のグフの機動性はアムロの想定を上回っていた。</ref>。
 
 なお、汎用性の低さと癖の強さから本機が主力となることはなくザクに替わる主力機の座はより扱いやすく移動速度も高いドムが担ったがジャンプ性能などの縦方向の機動性能の高さを好むエースパイロットはドム登場後も本機を愛用したとされる。
量産化にあたり[[#プロトタイプグフ|試作型]]からの主な変更点はモノアイスリットを前方のみとしたこと、脚部の動力パイプを内装式としたこと、脛部にスラスターを追加したことなどである。本体は予定されていた固定武装の開発よりも先行して製造されたため、通常のマニピュレーターを装備した試験型[[#プロトタイプグフ|テストタイプ]] (YMS-07A) がドダイYSとの連動テストや局地での可動データ収集をおこなった。この機体のテストデータを基に[[#グフ(初期量産型)|初期生産型]] (MS-07A) 32機が先行生産されている。両腕の固定武装は[[#グフ(ランバ・ラル専用機)|試作型]] (YMS-07B) で標準化され、その後に[[#グフ(後期生産型)|標準装備型]] (MS-07B) として本格的に量産化されている。試作型は標準装備型と基本的に同一の仕様だが、ファインチューニングを施されていたため好成績を挙げている。
 
陸戦用ザクIIの生産ラインに替わって量産化されたグフは、ザクの後継機として量産が進められ<ref> [http://www.gundam.jp/ 機動戦士ガンダム公式Web]「メカ-ジオン軍-グフ」</ref>、オデッサや[[ジャブロー]]での戦闘に大量に投入された。白兵戦を重視した本機は高性能で、熟練パイロットに特に好まれたが、一般パイロットには扱いづらく、操縦性に難点があった。また、接近戦用に特化しすぎた内蔵式の武装は汎用性に欠けたため<ref> [http://www.08ms-team.net/ 機動戦士ガンダム第08MS小隊WEB]、「MS-ジオン軍編-グフカスタム」</ref>、改良型のMS-07B-3では通常型マニピュレーターに戻されている。
 
=== 機体構造 ===
本機を母体にMSを飛行させる計画が進められていたが、計画は芳しい結果を出さずに終わった。しかし、副産物としてMSのホバー走行にめどが立ち、[[宇宙世紀の企業#ツィマッド社|ツィマッド社]]の[[ドム]]で「MSの行動半径拡大」という目的は達成されることになる。以後陸戦用MSの生産の主体はドムに移ったが、一部の熟練パイロットはその後も、垂直方向への機動力の高いグフを好んでいたようである。
; 頭部
: [[#プロトタイプグフ|プロトタイプ]]の各種機能や構造をさらにブラッシュアップし、生産性も向上している{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。ザクでは指揮官機にのみ装備されていたブレード・アンテナがグフでは標準装備となっているが、これは開発当初から[[爆撃機]]兼輸送機である[[ドダイYS|ド・ダイYS]]との連携や{{Sfn|MGグフ|2000|p=2}}[[#グフ飛行試験型|飛行試験型]]のテストベッドとしての運用が想定されていたからとも{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}、エース・パイロット用の機体と目されていたからとも{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}、地上では電波が伝わりにくいからともいわれる{{Sfn|ガンダムの常識|2008|p=44-45}}。
; 胴体部
: [[ザクII]]と比較して、[[操縦席|コックピット]]の配置や冷却装置の外装など構造的にかなり変更されている{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。これは本機の開発が、ジオニック社のみならず[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社や[[宇宙世紀の企業#MIP|MIP]]社も本格的にMS開発に参画し始めた時期であり、各社が切磋琢磨を繰り返すことにより各種部品の品質向上および小型高性能化を実現したためである{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。特にザクII J型で深刻な問題であった機体冷却技術は{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}、[[宇宙世紀の企業#M&Y公社|M&Y公社]]と[[宇宙世紀の企業#ZAS|ZAS]]社の合同プロジェクトによって基礎技術を確立した[[デバイスドライバ|ドライバ]]の採用により、[[潜熱]]を拡散する効率とジェネレーターの安定稼働の保証時間が格段に延長されている{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=3}}。また、補助デバイスをエネルギー供給端末に分散配置することで{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}伝達経路の負担が軽減され{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=3}}、運動性の向上に成功している{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。制御系の保護回路も複数の[[フェイルセーフ]]を実装可能とし{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=3}}、コックピット周辺が損壊しても駆動系や操縦系統に致命的なダメージを受けることなく戦闘を継続したという事例も報告されている{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。
: コックピット・ハッチは2重装甲となっており、パイロットの保護を優先した構造となっている{{Sfn|HGUCグフRevive|2016}}。コックピットの操作系は機種転換の際にパイロットの混乱を防ぐため、基本的にザクII系のものが流用されている{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}。
: 背部ランドセルは、並行して開発されていた[[#高機動型試作機|高機動型試作機]]の計画が統合されたことにより、短距離ジャンプ飛行が可能となっている{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=76-79}}。
; 腕部
: 流体内パルス・システムのトルク対容積比の改善により、四肢を中心として内部容積に余裕が生まれたため{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}、開発段階で設計されていた固定装備を{{Sfn|HGUCグフ|2000}}試験的に内装して標準装備としている。これは、オプションなしでの戦闘力を大幅に向上させるための処置である{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。使いこなせれば、携行式のオプションより使い勝手がよい場合もあったという{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。
: スパイク・アーマー(ショルダー・アーマー{{Sfn|MGグフ|2000|p=4}}またはショルダー・スパイク{{Sfn|HGUCグフ|2000}}とも)は格闘戦能力向上のため両肩に装備されている{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=11}}。中央部のスパイクが延長されて反り返った形状となっており、相手のふところに潜り込んで突き上げる戦法が想定されているとともに{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}、敵パイロットへの視覚的威圧も意図されている{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=11}}。
; 脚部
: 腕部と同様に内部容積に余裕が生まれたため、補助推進システムが装備され、機動時の初期加速や悪路での走破性も向上し、より地上戦に適した機体となっている{{Sfn|MGグフ|2000|p=11}}。足部にもこれらを考慮したシリンダー機構が組み込まれている{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=11}}。足底のスラスターにも改良がほどこされている{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}。ザクII系でウィークポイントとなっていた動力パイプはふたたび内装され、膝関節部にはその保護カバーも追加されている{{Sfn|MGグフ|2000|p=11}}。膝アーマーはインナーフレームと連動するスライド機構が組み込まれ、スムーズな可動を確保している{{Sfn|MGグフVer2|2009|p=11}}。
 
==== 武装 ====
; {{Anchors|ヒート・ロッド}}[[ヒート・ロッド]]
両腕に専用の固定兵装を持つが、基本的にはザクなどの武装をおおむね流用することができる。
: 伸縮式の電磁鞭。全長17.5メートルで{{Sfn|メカ大百科|1982|p=157}}、摂氏400度まで放熱可能{{Sfn|メカ大百科|1982|p=157}}。微細な圧電[[アクチュエータ|アクチュエーター]]を含む特殊構造の[[デンドリマー]]と、それを覆う導電率の高い[[重合体]]からなる{{Sfn|HGUCグフ|2000}}。この重合体は互いに絶妙な粘度で融着し、テンションを調整することで対象に巻き付けることも可能である{{Sfn|HGUCグフ|2000}}。重合体は位相を変えることで分子量を制御しており、ロッド自体の[[ストローク]]や容積すべてが腕部に内装されているわけではない{{Sfn|MGグフ|2000|p=7}}。射出は腕部のモーメントと重合体そのものの反発力によっておこなう{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。
; ヒート・ロッド
: 対MS戦闘においては[[ヒート・ホーク]]よりも効果があるとされる{{Sfn|FCMグフ|1988}}。敵機の武器を絡め取ったり、腕や足に組み付かせて電流を流し、パイロットと機体双方にダメージを与えることも可能。そのままムチとして使用してもガンダムの爪先を切断したり、胴体に盾ごと巻きつけた部分を黒焦げにして曲げてしまうほどの威力も保有している。
: 先行試作型(YMS-07B)と標準装備型(MS-07B)に固定武装として右腕部に内蔵されている伸縮式の電磁鞭。最長で17.5mまで伸び、特殊デンドリマーを積層することにより幾層からなる圧電アクチュエーターを構成し、各層に独立して電荷を与えることにより自在に動かすことができる。それにより敵MSに絡みつき大電流を流すことで、電子回路を損傷させるとともにパイロットを感電させること<ref>劇中の設定であり、実際には例えば車や航空機に落雷してもこのようなことは起こりえない。</ref>や、電流とともに熱を発生し敵装甲を溶断することも可能である。劇中でも、ラル機がこの武器を用いてセイラ・マスが操縦するガンダムの爪先を切断する。この兵装は後年の[[ティターンズの機動兵器#ハンブラビ|ハンブラビ]]の海ヘビ、[[ゾロアット]]のビームストリングスなどの基礎となった。ちなみに[[ビームサーベル|ビーム・サーベル]]などで切られても残った部分で使用可能である<ref>テレビ版第19話では、ガンキャノンにまきついていたヒートロッドを、ガンダムがビーム・ライフルで切断した。その後もグフはヒートロッドでガンダムを感電させている。</ref>。
; 5連装75ミリ機関砲{{Sfn|センチュリー|1981|p=38}}
; 5連装75mmマシンガン(グフマシンガン、フィンガーバルカン、フィンガーランチャー)
: 「グフ・マシンガン{{Sfn|ロボット大全集|1981|p=114-117}}」、「フィンガー・バルカン(砲){{Sfn|ガンダムマニュアル|1981|loc=No. 15}}」、「フィンガー・マシンガン{{Sfn|FCMグフ|1988}}」、「フィンガー・ランチャー{{要出典|date=2018年6月}}」とも呼ばれる。
: 左手の五指すべてがマシンガンの砲口となっている。この砲口は通常の指と同じように関節を持ち、ある程度の保持力を持っている。しかし、純粋なマニピュレーターとしての機能は低く、汎用性は通常の機体より劣っている。
: 左手の五指すべてがマシンガンの砲口となっている。内部の銃身はフレキシブルに可動するものの、細かい動作は不可能である{{Sfn|FCMグフ|1988}}。弾倉は左腕全体の余剰スペースに設けられ、ベルトを介して給弾される{{Sfn|FCMグフ|1988}}。破壊力は低いが、白兵戦時の牽制用装備としては効果的{{Sfn|FCMグフ|1988}}。
; グフシールド
: 曲射砲身を採用していることから実験部隊においては柔軟な戦闘が出来る装備とされたが、外装式の武装に慣れていたパイロットにとっては扱い辛く、使いこなせたのは一部の技量が高いパイロットのみであった。そのため、多くの部隊では本装備を取り外している{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 96}}。
: ザクとは異なるオプションの兵装。設定画では手持ち用のグリップが存在し、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』第12話、第19話では明確にグリップを握っている。だが第16話出撃時にはグリップに左腕を通しており、第22話にてザクマシンガンを両手で構えた機体も左腕にマウントしているように描写されるなど、携行方法は一定していない。
; グフサーベル/ヒート・サーベル
: 型式番号:'''Type-βIV'''{{Sfn|MGグフ|2000|p=11}}
: シールド裏に装備されている格闘武器。収納時は柄のみの状態だが、形成された刀身により相手を溶断することが可能。ラル機以外はザク同様ヒート・ホークを使用している。放映終了後の1980年8月に日本サンライズが発刊した『機動戦士ガンダム記録全集 4』掲載の「ガンダムとグフがサーベルを構えて相対するシーン」の写真説明として「ガンダムとグフのビームサーベル」と記載されている<ref>日本サンライズ『機動戦士ガンダム記録全集 4』196ページより。</ref>。また1981年4月20日発行の『講談社ポケット百科シリーズ ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』でも「ビームサーベル」と記されている<ref>『講談社ポケット百科シリーズ ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』116ページより。</ref>。しかし、1981年3月1日発行の『アニメック第16号 機動戦士ガンダム大辞典』(ラポート)では「ヒート剣<ref>『アニメック第16号 機動戦士ガンダム大辞典』106ページより。</ref>」や「ヒート・サーベル<ref>『アニメック第16号 機動戦士ガンダム大辞典』123ページより。</ref>」と記述され、さらにその後の資料でも「グフサーベルと呼ばれるヒートサーベル<ref>『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 1 ザク編』(1984年発行)80頁。</ref>」や「ヒート・サーベル」「ヒート剣」、「ヒート・ナイフ<ref>[[皆河有伽|皆川ゆか]]『[[機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS]]』 講談社、209頁。</ref>」や「ヒートナイフ<ref>『機動戦士ガンダム エピソードガイド vol.1』(1999年発行)100頁。</ref>」のように記載されて、「ビーム・サーベル」とした資料は見られない。柄から形成された刀身については「形状記憶型の高分子化合物の発熱体」とした資料がある<ref>プラモデル『MG MS-07B グフ』(2000年10月発売)JANコード 4902425-77633-0 取扱説明書より。本資料では「Type-βIV」と付記されている。</ref>。
: 「ヒート剣{{Sfn|ガンダム大事典|1981|p=123}}」、「グフ・サーベル{{Sfn|テレマガ8202付録|1982}}」、「ヒート・ナイフ{{Sfn|エピソードガイド1|1999|p=100}}」とも呼ばれる。シールド裏に装備されている格闘武器。収納時は[[柄]]のみの状態だが、柄に充填されている形状記憶処理済みの{{Sfn|MGグフ|2000|p=11}}セラミックス系の微粒子を主成分とする高分子化合物によって瞬時に刀身を形成し、灼熱化した巨大な剣となる{{Sfn|HGUCグフ|2000}}。加熱には本体の熱核反応炉の電力を利用し、[[マニピュレーター]]を伝わって供給される{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}。刀身の材質は電荷に対する反応も早いため加熱を待つ必要はなく、瞬時に使用可能となる{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}。打突よりは斬撃に向いており、1回の戦闘で十数回使用できるが{{Sfn|HGUCグフ|2000}}、基本的には使い捨てである{{Sfn|MGグフ|2000|p=11}}。
; その他の武装
: テレビ版放送当時および終了直後の資料では「ビーム・サーベル」とするものもあった{{Sfn|記録全集4|1980|p=196}}{{Sfn|ロボット大全集|1981|p=114-117}}。実際にサーベルが唯一使用される19話において、この剣はガンダムのビームサーベルと同じくオレンジ色の光線をグリップから放射する兵器のように描かれており、この演出は劇場版でも改められていない。
: テレビ版第22話で登場したグフは、ザクIIと共通の武装を装備している。冒頭の第86ボーキサイト基地戦で登場したグフはヒートホークを装備。ホワイトベースを罠に追い込む役で登場したグフたちは、ザクマシンガンを装備してガンダムと交戦した。また劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のジャブロー編では、ドムのジャイアント・バズーカを装備したグフが[[ジャブロー]]に降り立った。
; グフ・シールド
: 専用の盾で、[[マニピュレーター]]としてほとんど機能しない左手のために開発される{{Sfn|HGUCグフ|2000}}。遠距離よりも、近接戦闘における防御を重視した構造となっている{{Sfn|MGグフ|2000|p=11}}。裏側にはヒート・サーベル用のマウント・ラッチを備える{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}。
: 設定画では手持ち用のグリップが存在し、テレビ版第12話、第19話では明確にグリップを握っている。だが第16話出撃時にはグリップに左腕を通しており、第22話でザク・マシンガンを両手で構える機体も左腕にマウントしているように描写されるなど、携行方法は一定していない。
; その他
: 劇中ではザク・マシンガンや[[ヒート・ホーク]]、[[ドム]]のジャイアント・バズを携行する機体もみられる([[#劇中での活躍]]を参照)。
 
=== 劇中での活躍 ===
テレビ版第12話で初登場。それまでの公国軍のMSはザク([[ザクII#ザクII(S型)|シャア専用ザク]]および[[ザクI|旧ザク]]を含む)以外は登場しておらず、ガンダムで本機と交戦したアムロから「新型」と認識されている。アムロは戦闘の中で装甲も出力もザクとは違うことを体感し、搭乗者のラルも「'''ザクとは違うのだよ、ザクとは'''」という台詞を発している。
初登場はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』第12話。それまで登場していたザクとは、塗装のみならず外形や武装も異なっている。これ以前のザクとは違う機体は、[[ザクI|旧ザク]]とシャア専用ザク(ザクIIS型)しかなかったが、前者は1回限りの登場であり、後者はツノと塗装以外の外見はザクと同じであった。
 
第12話では「グフ」という名称は呼ばれておらず、2度目の登場となる第16話でラルが「モビルスーツのグフ」と呼んでいる(なお、第15話終了後の次回予告で、これに先行して「グフ」の名が呼ばれている)。第17話にも登場した後、第19話では唯一ヒート・サーベルを使用してガンダムと剣技による一騎討ちとなる。迫り来るガンダムの構えたシールドを両断するが、その隙にガンダムは上方に跳躍しており、本機は口吻部からコックピット・ハッチにかけて斬りつけられる(操縦系統は無事)。反撃でガンダムのコックピット・ハッチを斬り裂いて互いに目視となり、2度目は本機から仕掛けるが、本機が両手で横なぎに振るったヒート・サーベルをガンダムは屈んでかわしつつ、そのままビーム・サーベルを振り上げて本機の両腕を切断する。お互いの搭乗者を認識した後、本機はタックルを仕掛けたところで背中にビーム・サーベルを突き立てられ、撃破される。しかし、爆発前にラルは後退するガンダムにワイヤーを投げて引っ掛け、脱出に成功している。
第12話では、「グフ」という名前が使用されていない(ただし、搭乗者のラル自身が「ザクとは違う」という、例の有名なセリフを口にしている。また、アムロ・レイも「ザクと違う」と認識していた)。「グフ」という名称が劇中で初使用されたのは、2度目の登場となる第16話であり、Bパートでラル本人が「モビルスーツのグフ」と口にしている<ref>テレビアニメ『機動戦士ガンダム』第16話。OP冒頭から数えて15分頃。</ref>(これに先行し、第15話の終了時に流れる次回予告で、「ギャロップとグフ」とナレーションで明言している)。機体の武装や能力、さらにランバ・ラルの操縦技能をもってアムロの乗るガンダムを苦しめる。第17話で3度目の登場をし、4度目となる第19話(サーベルを使用した唯一の例)で撃破される。なお、のちにランバ・ラルの乗った機体は「YMS-07B 先行量産型グフ」と設定されている。
 
第22話冒頭には再びグフ、ヒート・ホークを携行する第86ボーキサイト基地所属の1機が登場し、ザクと同様ガンダムこの機体も量産さビーム・サーベルでコックピットを貫かてい兵器であることが明示された。同話後半には、グフが[[マ・クベ]]配下の計8機登場し(うち6機はザクマシンガンとグフシールド持つだけでなく携行)ヒートロッドとヒートホーと同様に本機使用した。量産されているのグフ部隊はとが明示される。うち半数ガンダムと[[ハヤト・コバヤシ]]の[[ガンキャノン]]に撃破される両機体を弾薬およびエネルギー切れに追い込み、マ・クベの計画どおホワイトベースに、両機は撤退させ。これらは劇場版には登場しない
 
第23話では、前話でのマ・クベの策略による損傷を経て不時した[[ホワイトベース]]に対する[[レビル]]による補給を阻止するため[[マ・クベ]]が3のグフ重爆撃機[[ダイYS]] 3機ずつによる戦隊出撃を命じるドダイYSはグフを上部に搭載し、[[ドップ]]の編隊ともに[[マチルダ・アジャン]]率いる[[ミデア]]輸送隊を襲撃。当初するが救援に駆け付けたアムロの[[コア・ファイターでマチルダ隊救出に向かった。この交#機動で、グ士ガンダム|コア・1機がァイター]]のミサイルの集中攻撃で連射により、1機が撃破される。続いてその後、空中換装したガンダムと[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (た行-わ行)#ヘイブ|ヘイブ]]機が地上で交戦し、ヒート・ロッドを巻き付けてガンダムの腹部装甲およびシールドに損傷を与えるが、そのまま近付いてきたガンダムに左脚を切断され、倒れた拍子に爆発する。脚部の回路までダメージがおよび歩行もままならなくなったガンダムに、ド・ダイに乗る[[機動戦士ガンダムの登場人物 ジオン公国軍 (た行-わ行)#マーチ|マーチ]]の操縦するグフ換装したガンダムと交戦。ヒート・ロッドでガンダムの電子回路に損傷砲火与え浴びせるが、最終的には輸送隊が運んできた[[Gファイター]]にハヤトが搭乗して協同作戦、ガンダム展開す乗せことで空中戦となる。最後はガンダムがシールドを投擲したことより、地上に落下したところをコックピットにビーム・サーベルを突き立てられ、撃破される。これらも劇場版には登場しない
 
その後は[[ドム]]や[[水陸両用モビルスーツ|水陸両用MS]]の登場、さらに舞台が地上から宇宙へ移行するにしたがって出番はなくなり、第29話の[[ジャブロー]]攻略戦で[[ガウ]]攻撃空母から降下する3機の小隊と、地上に降り立つ1機が確認できるのみである。劇場版『[[機動戦士ガンダム#機動戦士ガンダムII 哀・戦士編|機動戦士ガンダムII 哀・戦士編]]』では、さらに[[ザクII]]とともに降り立ち、ドムのジャイアント・バズを発射する1機が新たに描かれた。
この後、第29話のジャブロー攻防戦で[[ガウ (ガンダムシリーズ)|ガウ攻撃空母]]より降下するグフ数機が描写されるが、活躍シーンは描かれていない。
 
テレビ版当初の全52話構想を監督の[[富野由悠季|富野喜幸]]が記した「トミノメモ」と呼ばれるシノプシスにおいてでは、[[ザビ家#キシリア・ザビ|キシリア]]艦隊の偵察部隊の中に[[ペズン計画#ガッシャ|ガッシャ]]の随伴機として宇宙での登場が想定されていた<ref>日本サンライズ『機動戦士ガンダム{{Sfn|記録全集 5|1980|p=188頁。</ref>}}
 
テレビ版放送終了直後に[[朝日ソノラマ]]から出版された児童向けのアニメ絵本『主題歌のソノシート付き絵本 機動戦士ガンダム』第2集では、[[シャア・アズナブル]]がジャブロー攻略戦で赤い本機に搭乗する場面が描かれていた{{Sfn|GUNDAM.INFO0719|2007}}。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ランバ・ラル機は、ヒート・ロッドを収納する右腕が太く丸い形状になり、バルカン砲を装備している左腕は角ばった形状になるなど、アニメ版以上に左右非対称が強調された腕部に変更されている。武装に関してはヒート・ロッドの先端に展開式のアンカーロックが付けられ、左胸に三門の小型バルカン砲(本編未使用)を装備している以外は基本性能は同じである。その他に形状記憶型(ビーム)サーベルを多用し、[[ガンタンク]]を一刀で切り裂くなど接近戦において高い性能を発揮している。「オデッサ編」では、マ・クベのギャンに率いられ集団で登場した。その中の大半が角の付いていないタイプだったが、性能的に差があるのかどうかは不明。なお、実剣タイプのサーベルを装備していた。
 
== 試作機・先行量産機 ==
テレビ版『機動戦士ガンダム』の放送終了直後に[[朝日ソノラマ]]から出版された児童向けのアニメ絵本『主題歌のソノシート付き絵本 機動戦士ガンダム』第2集では、[[シャア・アズナブル]]がジャブロー攻略戦に際して赤いグフに搭乗する場面も描かれていた<ref>{{Cite web
=== プロトタイプグフ ===
|author=五十嵐浩司
|date=2007-07-19
|url=http://www.gundam.info/content/12
|title=ビブリオグラフィー・イン・チルドレン 第1回 朝日ソノラマ編
|work=GUNDAM.INFO
|publisher=[[サンライズ (アニメ制作会社)|サンライズ]]
|accessdate=2014-04-27
}}</ref><ref name="電撃ホビーマガジン200907">{{Cite journal|和書
|date=2009-07
|journal=電撃ホビーマガジン
|volume=11
|issue=10
|publisher=アスキー・メディアワークス
|id=JAN 4910164650798 雑誌16465-7
|title=グフにもシャア専用機が存在したのだ!!
|page=71
}}</ref>。
 
=== ザクIIとの外観上の違い ===
全体的なフォルムはザクIIとの共通点が多いが、アニメの設定でも模型でも、面構成はかなり異なる。外見的な主な違いは以下のとおり。
* 隊長機マーク(いわゆるツノ)が全機についている。隊長であるランバ・ラルが用いた機体のみならず、ラルの死後に登場したグフも隊長機マークが全機についている。資料によってはこれを通信用アンテナとし、電波の伝わりづらい地上では、一般兵にも高出力アンテナが必要とされたとの説明がなされている<ref>『機動戦士ガンダムの常識 一年戦争編』([[双葉社]] ISBN 978-4-575-30034-5 2008年5月30日 第1刷発行)44-45項。</ref>。
* モノアイ(頭部カメラ)の溝の上下幅、特に中央部が細い。初代ガンダムでは、ここがザクIIと同じ高さになっていたという作画ミスがあった。
* 頭部の動力パイプが顔の横(人間で言えば耳の位置)でせり上がっているため、モノアイの端の短い溝がない。
* 肩のアーマーが両肩とも丸型で、スパイクの1本が内側に反り返っている。
* 固定武装(ヒート・ロッドとフィンガーバルカン)の追加。
* 腹部コクピット部ハッチとランドセル(背面ブースター)の形状が異なる。設定書ではコクピット部は窓付きの直接視認型のようにも見えるが、劇中や模型では窓部分の色違いは、単なるパネルラインとして処理される傾向にあったが、例外も出始めている<ref>大河原邦男による『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』ポスターなどでは、該当部分が発光しているように描写されている。これを受けてか、「[[マスターグレード]] グフ」以降のプラモデルでは、クリアオレンジの部品による窓部分の再現がされているものもある。</ref>。
* 脚部は動力パイプが外部に露出しておらず、脛にブースターとおぼしき膨らみがある。
 
=== 備考 ===
現在のデザインに至る前に、[[大河原邦男]]はザクの後継機案をもうひとつ描いている。口のダクトが長く伸び、ドムのそれと似たヒート・サーベルを肩から斜めに装着、ゲルググのそれに似たシールドを装備、ギャンのように肩アーマーを廃した肩を露出させているという、その後のデザインに活かされた特徴を持つ機体である。結果的にもう一案の方が採用され、グフと名づけられるに至ったことは、MSのバリエーションを広げることに一役買っている。
 
== プロトタイプグフ ==
{{機動兵器
|名称=プロトタイプグフ<br />PROTOTYPE GOUF
|型式番号=YMS-07 / YMS-07A
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=試作機
|頭頂高=1718.7m2m{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|本体重量=58.2t{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|重量=55.7t
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 95}}
|武装=ザク・マシンガン<br />ヒート・ホーク<br />[[シールド]]
|武装=ザク・マシンガン{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}<br />[[ヒート・ホーク]]{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=13}}<br />シールド
}}
画稿の初出は『MSV』の企画以前に発行されたムック『TV版ストーリーブック2』で、グフの準備稿(2つあるうちの2番目){{Sfn|記録全集2|1979|p=210}}をリファインしたものだが{{Sfn|ガンプラジェネレーション|1999|p=122}}、「青い塗装ではないグフ」という旨のキャプションが添えられるのみであった{{Sfn|TV版ストーリーブック2|1981|p=2-5}}。その後の『講談社のポケットカード8 モビルスーツコレクション』では「グフ試作タイプ」の名称で掲載された{{Sfn|ポケットカード8|1982|loc=No. 12}}。『MSV』から「プロトタイプグフ」とされ、詳細な設定が掲載されるとともに、背面画稿が新たに描かれた{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}}。型式番号は、『MSV』初期の設定では "YMS-07" とされており{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=11}}、のちに "YMS-07A" に改められるが{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 32}}、開発系統図ではYMS-07からYMS-07AとYMS-07Bに枝分かれしている資料もある{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}}。
 
公国軍の「第1期陸戦用MS開発計画」において、ジオニック社が提案した機体{{Sfn|パーフェクトファイル14|2012|p=9-10}}。地上用の[[陸戦型ザクII|MS-06J ザクII]]を原型としており、試作は3か月でおこなわれ{{Sfn|センチュリー|1981|p=38}}、占領したキャリフォルニアベースで完成している{{Sfn|パーフェクトファイル14|2012|p=9-10}}。グフの試作1, 2号機の仕様で、細部はのちの[[#グフ(量産型)|量産型]]と異なる。モノアイは360度の全周型になっており、背部ランドセルはメイン・スラスター3発、コックピット・ハッチは3面式で、ザクII同様脚部の動力パイプが露出している。
陸戦用ザクIIをベースに開発された試作機。初出はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』用に大河原邦男が描いた準備稿。
 
本機から脚部に補助推進機が装備されたとされるが{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=76-79}}、外観上確認できるのは[[#グフ (YMS-07B)|YMS-07B]]からである。塗装は[[カーキ色]]を基調に、一部黒と白で塗られており、腹部、左足、シールドに "2" の番号が記された機体が有名である。[[#グフ飛行試験型|グフ飛行試験型]]の開発には、3機がベース機として使用されている{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。
一般的に公開されている画稿ではカーキ色・黒・白の3色で塗られており、腹部・シールド・左足には「2」のナンバーが入っていることから試作2号機と推測できる。モノアイレールはMS-07Bでは前方のみだが、YMS-07Aは後方にもあり、全周型になっている。背部のメインスラスターノズルは3基搭載されている。両手が通常のマニュピレーターとなっており、ザク・マシンガンとヒートホーク、シールドを使用できる。コクピットブロックは角ばった形状で、ザクと同じく両脚の動力パイプが露出している。
{{clear}}
 
=== グフ (YMS-07B) ===
複数が完成しており、3号機以降の機体は5連装マシンガン、ヒートロッドなどの固定装備が増設された。この時点で外観の整理が行われ、すでに量産型と外観上の差異もない。
型式番号は『MSV』で設定された。詳細は[[#設定解説|設定解説]]を参照。
 
グフの試作3号機の仕様{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=76-79}}。のちの[[#グフ(量産型)|量産型]]とまったく同じだが、チューニングは慎重におこなわれているため、実戦ではかなりの好成績をおさめている{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。[[ランバ・ラル]]が搭乗した機体のほか、1機が[[#グフ飛行試験型|グフ飛行試験型]]のベースとなっている{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。
2号機までの仕様をYMS-07A、3号機以降はYMS-07Bとされるが、3号機以降も1〜2号機に加えYMS-07A仕様の機体は少なくとも1機以上が増産されている(後述するMS-07H [[#グフ飛行試験型|グフ飛行試験型]]の設定から)。
{{clear}}
 
=== グフ(先行量産型) ===
これらの機体は量産化前のテスト運用を終えると共に、次なる開発プランの母体として使用されたり、実戦装備が施され前線に投入されていった。
『MSV』の文字設定が初出(型式番号:'''MS-07A'''{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}})。「先行量産型」の名称は『[[ガシャポン戦士]]』のおまけシールにより{{Sfn|ガシャポン戦士アルバム|1989}}、「初期生産型」とも呼ばれる{{Sfn|GUNDAM GAMES|1988|p=53}}。
 
YMS-07Bの開発後{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}、固定武装の生産に先行して製造された機体{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。両腕が通常の[[マニピュレーター]]となっており、機体の特色に乏しい仕様となっている{{Sfn|FCMグフ|1988}}。32機が生産されている{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。
MS-07Hの開発には3機のYMS-07Aと1機のYMS-07Bがベース機として流用された。実戦投入された例としては、ゲーム『[[ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079]]』に登場した闇夜のフェンリル小隊(MS-07Aとも表記されるが、各部の外観的特徴が示す通り、YMS-07Aに実戦装備を施したものである)などがある。
 
テレビ版『機動戦士ガンダム』第22話後半に登場する、両手でザク・マシンガンを構え左前腕にシールドをマウントする数機のグフがこれに当たるとする見解もあるが、明言した資料はない。また、うち1機は右腕にヒート・ロッドを装備しているのが劇中で確認できる。『ガシャポン戦士』のおまけシールでは、量産型と同様の外観でザク・マシンガンとシールドを携行している。
; 備考
: 一部の資料では、末尾にAもBもつかない「YMS-07」としてこの機体を紹介しているものもあるが、そちらも間違いではない。[[講談社]]ポケット百科シリーズ33「MSV ジオン軍MS・MA編」(昭和59年初版)もそのような資料のひとつだが、そこに掲載された陸戦MS開発系統図には、「YMS-07A」と「YMS-07B」の前段階として「YMS-07」が存在し、それぞれに枝分かれしていったともとれる表が掲載されている。この中で「YMS-07A」そのものについての詳細な言及はなされていないが、一方でほぼ同時期に発売された講談社ポケットカード9「MSVコレクション」では本機プロトタイプグフを明確に「YMS-07A」と定義した上で詳細な解説を行っている。これについての解釈は様々であるが、本項ではポケット百科シリーズとポケットカードの内容を両者尊重し、YMS-07ことプロトタイプグフに3号機における固定武装と外観の整理が行われて以降、その仕様を「YMS-07B」とし、便宜上それ以前の仕様を「YMS-07A」と定義したものとして紹介した。
: ゲーム『[[機動戦士ガンダム0079カードビルダー]]』では、プロトタイプグフの開発ナンバーはYMS-07Aとして表記されている。
 
ゲーム『[[機動戦士ガンダム ギレンの野望]]』シリーズでは、量産型と同様の外観ながら頭部アンテナがなく、ドダイYSへの搭載が不可能となっている。武装は120ミリマシンガンと[[ヒート・ホーク]]。
==== プロトタイプグフ 機動実証機 ====
{{機動兵器
|名称=プロトタイプグフ 機動実証機<br/>PROTOTYPE GOUF [MOBILITY DEMONSTRATOR]
|型式番号=YMS-07A-0
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=試作機
|全高=
|武装=マシンガン<br />ヒート・ホーク<br />シールド
|搭乗者=
}}
 
ゲーム『[[ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079]]』では、量産型を基本に腹部、膝部、股間部、ランドセルが[[#プロトタイプグフ|プロトタイプグフ]]と同様の外観になっている。塗装は濃淡グリーンを基調とする。武装は120ミリマシンガンと120ミリアサルトライフル、およびヒート・サーベル。
オリジン版MSVである『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN#機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery|機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery]] 』(MSD)に登場。デザインは[[カトキハジメ]]。
 
==== グフ降下猟兵 ====
オリジン版グフのプロトタイプ。駆動部・動力系のテストのために試作された機体。両腕がザクIIと同型のマニピュレーターになっており、独自形状のマシンガンと、ヒート・ホークを収納したシールドを装備する<ref>『月刊ガンダムエース2015年8月号』21ページ。</ref>。ダーク・コロニーでの試験後、重力下での最終試験のために地球に降ろされた<ref name="hgto4">プラモデル『HG GUNDAM THE ORIGIN プロトタイプグフ 戦術実証機』取扱説明書より。</ref>。
ムック『GUNDAM GAMES』に登場(型式番号:'''MS-07A''')。
 
低速で飛行するガウ攻撃空母が連邦軍の高射砲に対して無防備であるため、砲弾の到達高度よりも上空から降下するための仕様。先行量産型の背部にパラシュートを内蔵したバックパックを、両脚部にバーニアを追加装備しており、これらは着地後に切り離される。背面しか確認できないが、機体はグレー地に緑の迷彩塗装がほどこされている。マ・クベ大佐麾下の空軍第6航空団第4MS[[降下猟兵]]旅団に配備されている{{Sfn|GUNDAM GAMES|1988|p=53}}。
カラーリングはMSV版と同様のカーキ系のサンドカラータイプと、青・白に塗り分けられた機体の2種類が存在する。
 
; 武装
; 名称の変遷
:; 120ミリコマンド・ライフル
: 2015年5月に開催された第54回静岡ホビーショーでは「YMS-07」として発表された。『月刊[[ガンダムエース]]』2015年8月号掲載時にYMS-07A-0という型番と「プロトタイプグフ '''稼働'''実証機」という名称が発表された。その後、gundaminfoやプレミアムバンダイでのプラモデルの記事、および2015年9月に発売された『HG GUNDAM THE ORIGIN プロトタイプグフ 戦術実証機』の解説文では「'''機動'''実証機」となっている。
:: ザク・マシンガンの短銃身モデル。バレルには大型のマズル・ブレーキが装着され、折り畳み式のストックを装備。予備のマガジンを右腰に2基重ねて携行する{{Sfn|GUNDAM GAMES|1988|p=53}}。
: ほかに、[[ヒート・ホーク]]の装備が確認できる{{Sfn|GUNDAM GAMES|1988|p=53}}。
 
==== プロトタイプグフ 戦術実証高機動型試作====
{{機動兵器
|名称=高機動型試作機<br />HIGH MANEUVER PROTO MODEL{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 102}}<br />HIGH MOBILITY TEST TYPE{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=102}}
|名称=プロトタイプグフ 戦術実証機<br/>PROTOTYPE GOUF [TACTICAL DEMONSTRATOR]
|型式番号=YMS-07B-008A
|開発=[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=試作機
|全高=1817.3m7m{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|重量=55.7t{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}{{Efn2|一部資料の重量のスペックは[[#グフ飛行試験型|グフ飛行試験型]]および[[#グフ飛行型|飛行型]]の数値が誤記されている{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=13}}{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=244-245}}。}}
|武装=三連装マシンガン<br />試作型ヒート・ロッド<BR />ヒート・ホーク<br />シールド
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 102}}
|搭乗者=ランバ・ラル(推測)
|武装=120mmマシンガン{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}<br />[[ヒート・ホーク]]{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}<br />シールド
}}
画稿の初出は『TV版ストーリーブック2』で、「ザクからグフへの改良過程の試作MS」とのキャプションが添えられていた{{Sfn|TV版ストーリーブック2|1981|p=2-5}}。その後『講談社のポケットカード8』で「ザク→グフ発展型」の名称で掲載され、解説では頭頂部メイン・カメラや腰部の冷却器より、ガンダムの影響下にあることが指摘されている{{Sfn|ポケットカード8|1982|loc=No. 11}}。『MSV』で「高機動型試作機」とされ、詳細な設定が掲載されるとともに、背面画稿が新たに描かれた{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=88-89}}。「高機動型試験機」とも呼ばれる{{Sfn|パーフェクトファイル14|2012|p=9-10}}。なお、テレビ版『[[機動戦士Ζガンダム]]』に登場が予定され、ほかの『MSV』の機体とともに[[ときた洸一]]によってクリーンアップ画稿(カラー、MSV版と同じ塗装)が描かれたが、劇中には登場しなかった{{Sfn|ガンプラジェネレーション|1999|p=136}}。
 
公国軍の「第1期陸戦用MS開発計画」において提案され{{Sfn|パーフェクトファイル14|2012|p=9-10}}、[[#プロトタイプグフ|プロトタイプグフ]]と競作の形で開発が進められた新型陸戦用MS{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=11}}。開発はのちの[[ドム]]によって一躍名をはせる[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社によるもので{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 102}}、[[ザクII#量産型ザクII(F型)|ザクII F型]]の基本設計を流用し{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=88-89}}、おもに接近戦やゲリラ戦を主眼に置いている{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 38}}。ラジエーターや装甲の強化、および機体の軽量化がなされ{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=88-89}}、背部と脚部には新開発の推進エンジンを装備し{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=88-89}}、短距離のジャンプ飛行も可能な設計となっている{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。胴体部は、のちの[[ペズン計画#ペズン・ドワッジ|ペズン・ドワッジ]]に近い構造が採用されている{{Sfn|パーフェクトファイル14|2012|p=9-10}}。
『MSD』に登場。『MSV』にて文書設定のみ存在していた3号機以降の機体と考えられている<ref>『月刊ガンダムエース2015年8月号』19ページ。</ref>。
 
しかし、総合的には[[陸戦型ザクII|ザクII J型]]と大差ない性能であり{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 38}}、「ザクのリファイン版に過ぎない」ともいわれる{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=88-89}}。また、推進エンジンの出力不足で十分なジャンプができずに終わる{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=88-89}}。[[コストパフォーマンス]]も悪く{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=11}}、ツィマット社上層部と軍部の判断によって{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 102}}試作段階で計画中止となり{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 38}}、プロトタイプグフに計画が統合されたため、5機の生産に留まっている{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。しかし、本機で培われた技術はドムで結実する{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 102}}。なお、のちに連邦軍の[[ガンダム (架空の兵器)|ガンダム]]のデータをもとに高機動化が図られるが、性能は期待されたほど向上せずに終わっている{{Sfn|ボンボン06|1983|p=424-428|loc=「モビルスーツヒストリー5」}}。塗装は黒を基調に、一部白とグレーで塗り分けられている。
機動実証機のテストと並行して行われていた「試作型ヒート・ロッド」と、「フィンガーバルカン」の試作型にあたる「三連装マシンガン」を装備した試験機。カラーリングは青と紺で、頭部アンテナや肩部スパイクなどに白いラインが入っている。完成機では右腕にマニピュレーターとヒート・ロッドを両方搭載しているが、本機の場合はマニピュレーターがなく、腕部先端がヒート・ロッドの射出口となっている。左腕のマシンガンも完成機は五連装だが、本機は親指部分がセンサーとなった三連装式を採用しており、関節がないため指を曲げることができない。前腕部は「モビルワーカー MW-01 01式後期型」と同規格のアタッチメント式になっていて、通常のマニピュレーターに換装することも可能である<ref>『月刊ガンダムエース2015年8月号』20ページ。</ref>。
 
ゲーム『[[SDガンダム GGENERATION#SDガンダム GGENERATION-ZERO|SDガンダム GGENERATION-ZERO]]』を初登場とする同シリーズでは、『MSV』の設定とは逆に宇宙適性の高い機体とされている。同シリーズの攻略本の中には、[[ザクII]]に替わる宇宙空間での機動性を強化した機体のための試作機であり、並行して開発されたグフと同型のフレームなどが用いられるが、同時期に開発されていた[[高機動型ザクII]]とコンセプトが被るため早期に開発が中断されたとするものもある{{Sfn|GジェネFデータブック2|2000|p=34}}。
ランバ・ラルがテストパイロットだったとされているが、その理由はラルが搭乗していたMW-01後期型の青い塗装と識別番号「31」が戦術実証機と同一なことと、ジオニック社でグフの開発を行っていた技師の証言からである。その説によると、ラルは[[ガンタンク#RTX-65 ガンタンク初期型|ガンタンク初期型]]と模擬戦を行い、ヒート・ロッドで行動不能にしたといわれる<ref name="hgto4"/>。<br style="clear:both;"/>
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== バリエーション ==
== グフ(初期量産型) ==
=== グフ(量産型) ===
{{機動兵器
[[#グフ (YMS-07B)|YMS-07B]]の量産型(型式番号:'''MS-07B''')。型式番号は『MSV』で設定された。『ガシャポン戦士』のおまけシールの解説では「後期生産型」とも呼ばれる{{Sfn|ガシャポン戦士アルバム|1989}}。詳細は「[[#設定解説|設定解説]]」を参照。
|名称=グフ 初期量産型
|型式番号=MS-07A
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=量産機
|武装=120mmマシンガン<br />ヒート・ホーク<br />シールド
|搭乗者=不明
}}
 
下記の個人専用機のほかにも、「グフレディ」のイラストを胸部に描いた東南アジア戦線の[[モビルスーツバリエーションの登場人物#サイラス・ロック|サイラス・ロック]]中尉{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 56}}、機体をダーク・ブラウンで塗装し「チャイナレディ」のイラストを描いた[[モビルスーツバリエーションの登場人物#マルロ・ガイム|マルロ・ガイム]]中尉{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 54}}など、エースパイロットの愛機として名をはせている。
先行量産型。5連装マシンガンやヒート・ロッドの装備生産が間に合わず、両腕を通常のマニピュレーターとした機体。生産数は32機<ref>『MSバリエーション・ハンドブック 復刻版』16頁。</ref>。
 
; 個人専用機
初出はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。第22話「マ・クベ包囲網を破れ!」に登場したものの一部を指す。本放送当時は特にランバ・ラル機との区分は明確にされていなかったが、のちに『MSV』において本編中の描写(両腕が通常のマニピュレーターであり、ザクの装備を使用している)を肯定するかたちで、このような解釈が加えられた。肝心の劇中での登場シーンは短い。デザインは大河原邦男。
:; マ・クベ専用機
:: 『MSV』で設定されたマ・クベ大佐の専用機で、当初の名称は「グフカスタムタイプ」とされた{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 14}}。公国軍のカスタムタイプの中でもっとも異様なものとされ{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 14}}、アンテナとしての機能はもたない{{Sfn|MSVコレクション地球編|2000|loc=No. 97}}スピアヘッド状の装飾(のちに大佐が搭乗する[[ギャン]]に似ている)をもち{{Efn2|そのためか、本体重量を通常型と同じ58.5tとする資料のほか{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=102}}、58.8tとする資料もある{{Sfn|MSVコレクション地球編|2000|loc=No. 97}}。}}、機体各部に[[エングレービング]]がほどこされている{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 14}}。また、コックピットのシートの素材なども吟味されている{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=244-245}}。戦闘用というより、一種の[[ステータスシンボル|ステータス・シンボル]]{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=81}}および[[儀仗]]用としての意味合いが強かったとされる{{Sfn|MSVコレクション地球編|2000|loc=No. 97}}。カラーリングは、濃淡グレーを基調に、一部黒とブラウンで塗り分けられているものと{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 14}}、標準塗装と異なる濃淡ブルーを基調に、一部黄色(金色)と赤で塗り分けられているものが確認できる{{Sfn|MS大全集|1988|p=15}}。
:; トーマス・クルツ専用機
:: ゲーム『[[機動戦士ガンダム ギレンの野望#機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記|機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記]]』に登場。[[モビルスーツバリエーションの登場人物#トーマス・クルツ|トーマス・クルツ]]がグフに搭乗していたというのは『MSV』の文字設定が初出であるが{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=189}}、カスタム機であるとは明言されていなかった。緑と[[カーキ色]]を基調に、一部黒で塗り分けられている。
:; ヴィッシュ・ドナヒュー専用機
:: ゲーム『[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…]]』に登場。「荒野の迅雷」と呼ばれた[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…#ヴィッシュ・ドナヒュー|ヴィッシュ・ドナヒュー]]中尉の専用機。[[#グフ・カスタム|グフ・カスタム]]が入手困難であることから、着脱式に変更された同機のオプション装備のみを入手して組み込み、汎用性を回復させた現地改修機のひとつで主にオーストラリア戦線で運用された。{{Sfn|バトオペ公式サイトグフ(VD)|2022}}{{Sfn|バトオペ2公式サイトグフ(VD)|2023}}。ゲーム『[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…]]』においてはドナヒュー専用機以外のオーストラリア戦線の一般機のグフも同様の現地改修が施されており左手を[[マニピュレーター]]に換装し、グフ・カスタムのヒート・ロッドと3連装35ミリガトリング砲を装備。カラーリングは通常のグフと同じ青色の標準塗装だがブレード・アンテナと両肩のスパイクに白いラインが入っている。ドナヒュー専用機とオーストラリア戦線一般機との外見の差異としてはドナヒュー中尉専用機にはシールドに隻眼のドクロと稲妻をモチーフとするパーソナル・エンブレムが描かれている。
:: ゲーム『[[機動戦士ガンダム バトルオペレーション]]』シリーズでは「'''グフ(VD)'''」と表示される{{Sfn|バトオペ公式サイトグフ(VD)|2022}}{{Sfn|バトオペ2公式サイトグフ(VD)|2023}}。[[ドム]]のジャイアント・バズを携行しており、また、入手していれば[[ドム#ドム・トローペン|ドム・トローペン]]のラケーテン・バズにも換装可能。
:: リメイク漫画版『[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…#機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で|機動戦士ガンダム GROND ZERO コロニーの落ちた地で]]』では、肩部スパイク・アーマーの装甲が2重になりスパイクの形状も原典とは異なる。また、装甲の一部には「戦争を楽しもう 平和が怖い」と記されている。
 
==== グフ・カスタム ====
初期量産型の名称はSDガンダムシールおよび「SDクラブ」機体解説記事より。
 
ゲーム『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』に登場するA型は、プロトタイプグフとB型グフの中間的なデザインをしている。ゲーム『[[機動戦士ガンダム ギレンの野望]]』に登場するA型は120mmマシンガンとヒート・ホークを携帯し、ブレードアンテナとヒート・ロッドを持たない。また、ゲーム中ではドダイへの搭載ができない。
 
=== グフ降下猟兵 ===
(型式番号:MS-07A)
 
[[ホビージャパン]]刊行の書籍『GUNDAM GAMES TACTICS別冊』に登場するジオン公国軍のMS。
 
連邦軍の対空火器の射程を越える高高度からの[[エアボーン|空挺降下]]を目的とした仕様で、背部にパラシュートを内蔵したバックパックを、両脚部にバーニアを追加装備しており、これらは降下後に切り離される。[[マ・クベ]]指揮下の第四MS[[降下猟兵]]旅団などに配備されていた。
 
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== グフ(後期生産型) ==
(型式番号:MS-07B)
 
YMS-07Bの量産仕様。ジャブロー攻略戦等各地の戦線に参加。
 
有名な「グフレディ」をパーソナルエンブレムとした東南アジア戦線の猛者[[モビルスーツバリエーションの登場人物#サイラス・ロック|サイラス・ロック]]中尉のほか、パーソナルカラーで彩られた[[モビルスーツバリエーションの登場人物#マルロ・ガイム|マルロ・ガイム]]中尉、[[モビルスーツバリエーションの登場人物#トーマス・クルツ|トーマス・クルツ]]中尉らエースパイロットの愛機として名を馳せた。
 
初出はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。デザインは大河原邦男。
 
後期生産型の名称はSDガンダムシールおよび「SDクラブ」機体解説記事より。
 
=== マ・クベ専用機===
[[マ・クベ]]専用の儀仗用カスタム機。[[ギャン]]に似た頭部形状とカラーリング、各部に施された金色のエングレーブ風の装飾が特徴。なお、マ・クベ本人はこの機体に乗らなかったらしい。
 
初出は『MSV』。デザインは大河原邦男。
 
=== トーマス・クルツ機 ===
茶色と緑の迷彩塗装がされている。
 
=== ヴィッシュ・ドナヒュー機 ===
『[[機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…]]』に登場。「荒野の迅雷」と呼ばれたヴィッシュ・ドナヒュー中尉の専用機。右腕をマニュピレーターに換装し、グフカスタムのヒートロッドと3連装35mmガトリング砲を搭載した現地改修機。カラーリングは青で、ブレードアンテナと両肩のスパイクに白いラインが入っている。また、シールドには隻眼のドクロのエンブレムがマーキングされている。
 
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== グフカスタム ==
{{機動兵器
|名称=グフ・カスタム{{Sfn|08小隊公式サイト|2023}}{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=225}}<br />グフカスタム{{Efn2|name="gundam-08"|『第08MS小隊』公式サイトにて[[中黒]](・)が入らない表記で紹介されていた{{Sfn|08小隊公式サイト2019-06-19|2023}}が、2019年7月頃から中黒が入る表記に改訂された{{Sfn|08小隊公式サイト2019-07-21|2023}}。}}<br />GOUF CUSTOM
|名称=グフカスタム<br/>GOUF CUSTOM
|型式番号=MS-07B-3{{Sfn|08小隊公式サイト|2023}}{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=85}}<br />MS-07B3{{Sfn|MS大全集98|1998|p=219}}
|型式番号=MS-07B-3
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=量産機
|全高=18.7m{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|頭頂高=18.2m
|頭頂高=18.2m{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}
|全高=18.7m
|重量=58.5t{{Sfn|MS大全集98|1998|p=103}}
|全備重量=77.6t{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}
|出力=1,034kw034kW{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}
|推力=40,700kg{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}
|センサー=3,600m{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=32-33}}
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|HGUCグフカスタム|2010}}{{Sfn|08小隊映画フィルムコミック|1999|p=163}}<br />ルナ・チタニウム合金{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}
|装甲=超硬スチール合金
|武装=3連装35mmガトリング砲<br />ガトリング・シールド<br />ヒート・ロッド(アンカータイプ)<br />ヒート・サーベル<br/>シールド<br/>75mm[[ガトリング砲]]
|搭乗者=[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#ノリス・パッカード|ノリス・パッカード]]<br />[[機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画#登場人物ランス・ガーフィールド|ランス・ガーフィールド]]<br />[[機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-#ナランソロンゴ・ボルドバヤル<br/>ジオ|ナラ公国軍一般兵<ref>OVA『MS IGLOO2 重力戦線』第3話</ref>ソロンゴ・ボルドバヤル]]
}}
OVA『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]』に登場。[[メカニックデザイン]]は[[カトキハジメ]]。OVA『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY]]』に登場した[[ザクII#ザクII(F2型)|F2型ザク]]の系譜に沿ったデザインとなっている。名称は、OVA発売当初の文献では[[#設定解説|通常型]]同様の「MS-07B グフ」とされていた{{Sfn|MS大全集98|1998|p=103}}。当初の予定では「グフ=青」のイメージを崩したく、頭部アンテナのみ赤く全身は黒(映像ではわかりづらいのでグレーで表現)とされていたが、スタッフの反発を受けて変更された{{Sfn|電撃ホビー06|1999|p=52}}。監督の[[飯田馬之介]]によれば、決定稿のカラーリングは青に見えるグリーンとのこと{{Sfn|電撃ホビー06|1999|p=52}}。また、全身グレーの塗装は[[#グフ・フライトタイプ|グフ・フライトタイプ]]に受け継がれている{{Sfn|電撃ホビー06|1999|p=52}}。
初出はOVA『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]』。
 
固定武装化により失われたグフの汎用性を、左手を通常の[[マニピュレーター]]に戻し内装火器を外付けにすることによって確保し{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}、遠距離戦闘への対応も主眼に入れた仕様で{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=32-33}}、07B系のうち最後期に生産されたもののひとつ{{Sfn|HGUCグフカスタム|2010}}。飛行タイプの試作のためにジオン本国で再設計・生産されたパーツを多用しているといわれており{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=2}}、一説には08系の技術導入を良しとしないジオニック社の技官により同社の純正品のみで建造されたハイエンドな機体であるともいわれる{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=2}}。運動性・機動性ともにキャリフォルニアベース純正のグフとは一線を画することから、「グフカスタム」と呼称されることが多い{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=2}}。
型式番号から設定資料によっては'''B3グフ'''と呼称することもある。著名な搭乗者は[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#ノリス・パッカード|ノリス・パッカード]]。名称表記は公式HPでは「グフカスタム」とある<ref name="08hpmsz">[http://www.08ms-team.net/ms/zeon.html 機動戦士ガンダム第08MS小隊WEB]より。</ref>が、「グフ・カスタム」と中黒が入る表記がされる書籍も多数ある。
 
内部構造は従来機から大きく変更されていないが、[[統合整備計画]]の影響が濃厚であり技術の熟成が反映されている{{Sfn|ファクトファイル61|2005|p=1-2}}。頭部にはジオン本国で生産されたパーツやデバイスが多く実装され、空間把握能力に優れているといわれ、高所から俯瞰しての索敵能力は偵察機並みであるとも噂される{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。コックピットは、共通規格の第2期生産型を採用している{{Sfn|ファクトファイル61|2005|p=1-2}}。脚部は、従来型より多少跳躍高度が改善されている程度である{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。
従来のグフの欠点であった両腕の固定武装による汎用性の低さを見直し、装備のオプション化と中近距離射撃能力を向上させた再設計機。飛行型のMS-07H-8 [[#グフフライトタイプ|グフフライトタイプ]]と同じパーツを用いて行われたとも言われ<ref>プラモデル『マスターグレード グフカスタム』取扱説明書より。</ref>、外観にも共通点が多く見られる。
 
一年戦争末期に投入されているため、配備数は多くない{{Sfn|宇宙世紀ボックス一年戦争外伝|2005|p=134-135}}。しかし、幾人ものエース・パイロットの愛機として赫々たる戦果を挙げており、07系MSの最高傑作であると評価するものも多い{{Sfn|HGUCグフカスタム|2010}}。
左手のフィンガーバルカンを通常のマニピュレーターに戻し、前腕に3連装35mmガトリング砲を外付けすることで汎用性を維持している。ガトリング砲上部にはシールドを装備可能で、そのシールドに6銃身75mm[[ガトリング砲]]<ref>劇中の十数年後を描くOVA版『機動戦士ガンダムUC』5話において、袖付きの[[機動戦士ガンダムUCの登場兵器#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]がこのガトリングガンを使用している。</ref>を追加することで中距離の射撃能力を強化するとともに、近接戦時には排除することで白兵能力の低下を補った。右腕のヒート・ロッドは、材質強化と小径化を図ったワイヤー型とすることで射程距離を最長17.5mに延長。この変更により「ヒート・ワイヤー」とも呼ばれる。溶断機能を廃し放電のみとしたことで直接的な打撃力は低下したが、先端を鈎爪(アンカー)状とすることで敵機の捕縛や自機の懸架・牽引が容易となっている。シールド裏にはラル機と同じくサーベル<ref>プラモデル『マスターグレード グフカスタム』取扱説明書では「Type-D III」のヒート・サーベルとされている。</ref>を収納しているが、本機に装備されているのは明確な実体剣であり、発熱させずとも斬撃使用が可能である。
 
; 武装
:; ヒート・ロッド
:: 従来型のヒート・ロッドを構成する高分子重合物が当初の予想ほどコストが下がらず、また前線ではメインテナンスが対応しきれないという報告もあり、本機では仕様が変更される{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。ロッド自体をワイヤー状のものに変更して{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}小径化することで有効射程も延長され、扱いやすくなったといわれる{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。材質は変更によって強化され{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}、耐荷重は機体を懸架できるほどにまで向上している{{Sfn|HGUCグフカスタム|2010}}。また、従来型では体勢によっては使用できないことが指摘されていたため{{Sfn|解体新書|2007|p=64-68}}、ロッド・シューターに射出装置を内装し{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}、先端にマグネット{{Sfn|ファクトファイル61|2005|p=1-2}}と展開式の{{Sfn|08小隊フィルムコミック10|1999|p=102-105}}爪が付いた{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}アンカー・ヘッドを装着している{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。これによりロッドの軌道やロック機構がコントロールしやすくなっている{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。電磁加熱による乗員へのダメージより、ショック・パルスによる電装系の無効化が優先されている{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。「ヒート・ワイヤー{{Sfn|08小隊映画フィルムコミック|1999|p=163}}」や「アンカー・ワイヤー{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=2}}」、「アンカー・タイプ{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=9}}」とも呼ばれる。
:: 飯田監督は従来のミミズ状のデザインを希望したものの、カトキはワイヤー状にリファインすることを主張して大いに揉めたという。結局カトキがコマ漫画風のプレゼンパネルを用意して持論を通し、ワイヤー状のデザインとなった<ref>月刊ニュータイプ掲載「第08MS小隊設定資料集 スペシャルコメント付き!」参照。</ref>{{信頼性要検証|date=2018-06}}。
:; ヒート・サーベル
:: 型式番号:'''Type-D III'''{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=9}}
:: 瞬時にブレード(刀身)を形成するタイプではなく、最初から刀身を含めた実体剣として製造されている。ヒート兵器特有の問題として溶断のために赤熱化させると赤熱化した発熱構造体部分がその高熱によって徐々に劣化するため耐用能力が低下する欠点がある、発熱構造体そのもので刀身を形成し溶断のみを目的とした従来のヒート・サーベルはある程度の使用で再使用ができない使い捨ての武器であった、そのため赤熱化させずとも状況に応じて単純に巨大な剣や鉈としても使用可能{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=9}}にし質量武器としても繰り返し使用できるよう運用の柔軟化が図られたタイプ。不使用時はシールド裏に収納する。
:; 3連装35ミリガトリング砲
:: 従来型のフィンガー・バルカンは、火力はあるものの汎用性が損なわれ、また弾倉が腕部に内蔵されているため装弾数が少なく、戦闘中の給弾も不可能であるという欠点も指摘され、通常の[[マニピュレーター]]に戻されたことから{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}、代替装備となる拡張兵装{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=7}}。左前腕部甲に外付けで装備され{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}、コンパクトな形状ながら照準用センサーを備える{{Sfn|ファクトファイル61|2005|p=1-2}}。
:: プラモデル『HG 1/144 MS-07B3 グフカスタム』では、左腕[[マニピュレーター]]と交換式の従来型フィンガー・バルカンが付属した。
:; ガトリング・シールド
:: 連邦軍MSの標準装備であるビーム・サーベルは公国軍MSにとって脅威であり、格闘戦を前提に作られたグフといえども迂闊に接近する訳にはいかなくなり、射撃戦により{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}近接戦闘時の「間合い」を確保するために開発されたのが本兵装である{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=9}}。
:: 従来型より小型化された{{Sfn|ファクトファイル61|2005|p=1-2}}グフシールドと、中・近距離で威力を発揮する{{Sfn|HGUCグフカスタム|2010}}75ミリガトリング砲{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}を組み合わせた武装{{Sfn|HGUCグフカスタム|2010}}。ガトリング砲はドラム・マガジンを備え{{Sfn|ファクトファイル61|2005|p=1-2}}装弾数も多く的確に斉射できれば大ダメージを与えられる{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=9}}。格闘戦移行時には容易にガトリング砲の着脱が可能で{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}、デッドウェイトとなることなく速やかに3連装ガトリング砲やヒート・サーベルに武装を換装でき{{Sfn|MGグフカスタム|2001|p=9}}、本機はオールラウンドの戦闘特性を獲得するに至っている{{Sfn|HGグフカスタム|1998}}。
; 劇中での活躍
: 劇中『08小隊』第10話では、ジオン東南アジア方面軍[[アプサラス計画 (ガンダムシリーズ)|アプサラス]]開発基地所属のノリス・パッカード大佐が搭乗して奮戦し、ヒート・ワイヤーロッドを用いることで[[コア・ブースター#ジェット・コア・ブースター|ジェット・コア・ブースター]]と空中戦を演じる。その後[[ザンジバル (ガンダムシリーズ)#ザンジバル級|ザンジバル級]]の病院船ケルゲレンの脱出を支援するため、本機を駆って再度出撃。[[陸戦型ガンダム]]と[[ガンタンク#量産型ガンタンク|量産型ガンタンク]]3機ずつを護衛する第08MS小隊の[[陸戦型ガンダム]]2機と[[陸戦型ガンダム#ガンダムEz8|ガンダムEz8]]とを単機で相手にするという不利な戦いであったが、建造物を利用した戦法で翻弄し、量産型ガンタンク2機を撃破。第08MS小隊を手玉に取ったする。最終的に[[陸戦型ガンダム#ガンダムEz8|ガンダムEz8]]との白兵戦での[[一騎]]に敗れて撃破されるが、胴体を両断されながらもなお3連装35mmガトリング砲を放ち、最後残りの量産型ガンタンクを破壊し、作戦を成功させる。
: OVA『[[機動戦士ガンダム MS IGLOO#機動戦士ガンダム MS IGLOO イグルー2 重力戦線|機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線]]』第3話では、オデッサに配備されていた機体が登場する。[[ガンタンク#陸戦強襲型ガンタンク|陸戦強襲型ガンタンク]]小隊に対して突撃を敢行するが、ガンタンク小隊と[[陸戦型ジム]]小隊の挟撃を受け<ref>陸戦強襲ガンタンクの砲撃をシールドでガードする中、左から陸戦型ジム小隊に撃たれる。</ref>撃破される。
: OVA『[[機動戦士ガンダムUC]]』ep5では、宇宙世紀0096年に本機のガトリング・シールドを「[[ネオ・ジオン#ネオ・ジオン残党(袖付き)|袖付き]]」の[[機動戦士ガンダムUCの登場兵器#ギラ・ズール|ギラ・ズール]]が使用している。漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』によれば、これはジオン残党軍カークス隊のクイント中尉が一年戦争時に撃破された仲間の機体から回収したもので、[[グリプス戦役]]時には[[ジオン公国の艦船およびその他の兵器#スキウレ|スキウレ]]に乗った彼女の[[ザクII]]に装備され、宇宙でも使用されている。
: 漫画『[[機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画]]』では、ランス・ガーフィールド中佐専用機が登場する。右腕が欠損しているランスに合わせ、片手でも操縦できるようにコクピットが改修されている。また当機は「ヴァイス・ローゼ(白薔薇)」の愛称が付けられており、機体も白に塗装されている。首都防衛大隊の大隊旗機であり、宇宙世紀0079年12月31日にサイド3において首都防衛大隊が挙兵した際には戦力として投入される。親衛隊所属の手だれのリック・ドム2機を撃破したのち、親衛隊所属のフィーリウス・ストリームが搭乗する[[ガルバルディ]]と長時間に渡る戦闘の末、半ば勝利を譲るようにして撃破される。
; 個人専用機
: 漫画『[[機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-]]』では、ナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉専用機が登場する。ヒート金剛棒や右腕に内蔵されたヒート・ナックルなど独自の改造が施されている。また当機は「モンゴルの銀狼」の異名を持つ大尉にちなみ、機体は黒と両肩は銀色に塗装されている。
:; ランス・ガーフィールド専用機
:
:: 漫画『[[機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画]]』に登場。サイド3首都防衛大隊所属の[[機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画#ランス・ガーフィールド|ランス・ガーフィールド]]中佐が搭乗、右腕が欠損しているランスに合わせ、片手でも操縦できるようにコックピットが改修されている。大隊旗機として「ヴァイス・ローゼ(白薔薇)」の愛称が付けられており、機体も白とライト・ブルーを基調に塗装され、左肩にバラのパーソナル・エンブレムが描かれている。
; 備考
:: 宇宙世紀0079年12月31日に[[サイド (ガンダムシリーズ)#サイド3(ムンゾ)|サイド3]]コロニー「ズム・シティ」内部において首都防衛大隊が蜂起した際には戦力として投入される。親衛隊所属の手だれのリック・ドム2機を撃破したのち、親衛隊の[[機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画#フィーリウス・ストリーム|フィーリウス・ストリーム]]少尉が搭乗する[[ガルバルディ#ガルバルディα|ガルバルディα]]との長き死闘の末、ほぼ相討ちではあるものの勝利を譲るようにしてコックピットを貫かれる。なお、シールドの75ミリガトリング砲は装備せず、ヒート・サーベルを2本装備し、ときには[[二刀流]]で闘う。
: デザインは、カトキハジメ。ファーストガンダムでの大河原邦男のMS-07B グフに、MS-06F ザクII→MS-06F-2 [[ザクII#後期量産型ザクII|後期量産型ザクII]]に準ずるリファインを加えてデザインされた。のちにプラモデルのHGUCシリーズにおいてMS-07B グフが発表された際は、このB3グフのデザイン画より逆算し、胸部や固定武装などの形状をより大河原版に差し戻したデザインが描き起こされた。なお、再解釈がなされたヒートロッドだが、監督・[[飯田馬之介]]は従来のミミズ状のデザインを希望したものの、カトキはワイヤー状にリファインすることを主張して大いに揉めたという。結局カトキがコマ漫画風のプレゼンパネルを用意して持論を通し、ワイヤー状のデザインとなった<ref>月刊ニュータイプ掲載「第08MS小隊設定資料集 スペシャルコメント付き!」参照。</ref>。
:; ナランソロンゴ・ボルドバヤル専用機
: 当初の予定では「グフ=青」のイメージを崩したく、頭部アンテナのみ赤く全身は黒(映像ではわかりづらいのでグレーで表現)と設定されていたが、スタッフの反発を受け現在のカラーになった。監督の飯田馬之介によれば、グフカスタムのカラーリングは青に見えるグリーンなのだという。また、全身グレーの塗装はグフフライトタイプに受け継がれている<ref>『電撃ホビーマガジン』 1999年6月号 飯田馬之介監督インタビュー 52頁。</ref>。<br style="clear:both;"/>
:: 漫画『[[機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-]]』に登場。「モンゴルの銀狼」の異名をもつ地球攻撃軍第22MS特務遊撃隊隊長の[[機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-#ナランソロンゴ・ボルドバヤル|ナランソロンゴ・ボルドバヤル]]大尉が搭乗する。大尉の以前の機体である[[陸戦型ザクII#陸戦用高機動型ザク改|陸戦用高機動型ザク改]]と同様のカスタマイズがほどこされ、塗装は黒(単行本第1巻表紙では濃淡グレー)を基調に両肩のみ銀に塗られ、ヒート・ナックルやヒート金剛棒を装備する。なお、シールドの75ミリガトリング砲は装備しない。
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:: コーカサス地方で連邦軍MSを鹵獲・回収し、調査のため「技研」に送る任務に従事する。宇宙世紀0079年11月、アジトである渓谷の村が襲撃された際に、渓谷を崩して敵MSを巻き添えにするため自爆する。
{{clear}}
 
=== グフ(後期改修型) ===
『MSV』の文字設定が初出(型式番号:'''MS-07C-1'''{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}})。「後期改修型」の名称は『ガシャポン戦士』のおまけシールによる{{Sfn|ガシャポン戦士アルバム|1989}}。
(型式番号:MS-07C-1)
 
固定武装を主兵装とするグフは、局地的な戦況に対応しきれないことが判明したため、固定武装のバリエーションを増やし、状況に応じた機種を配備するというコンセプトのCシリーズが開発される{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=68-71}}。C-1型は、両腕ともマシンガン装備とした機体であるが{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}、ヒート・ロッドの有無については明らかにされていない。
右腕のヒートロッドを廃し、両腕ともにマシンガン装備とした機体。
 
テレビ版第23話に登場する、両腕マシンガン装備(右腕にヒート・ロッドも装備){{Efn2|作画ミスではなく、むしろ右手が[[マニピュレーター]]となっている「ミス」は1カットのみで、ほかの右手を開いているシーンでは明らかにマシンガンであることが確認できる。}}で[[ドダイYS|ド・ダイYS]]に乗る3機がこれに当たるとする見解もあるが、明言した資料はない。『ガシャポン戦士』のおまけシールではヒート・ロッドはなく、また動力パイプが薄い水色で塗られている。
本来はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』第23話における描写ミス(マシンガンとヒートロッドの両方が右腕に描かれている)が元ネタだが、のちに『MSV』で設定に組み込まれた。重装型 (MS-07C-3) の前段階として位置づけられる。一部の資料では誤植なのか、「後期回復型」と記しているものもある。
 
なお、07C系列Cシリーズ局地戦用と位置づけられており、投入される状況に応じて固定武装の仕様を各個変更したものとされる。本機や後述するCの[[#グフ重装型|重装型]](MS-307C-3)C[[#グフ試作実験機|試作実験機]](MS-07C-55)のほかにC、'''MS-07C-2'''C'''MS-07C-4が設定上'''の存在したということになっも確認されている<ref>『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 2 {{Sfn|MSVジオン軍MS・MA』69頁。</ref>|1984|p=68-71}}。C-4に関して文字設定上において脚部補助推進器に機を大幅な改修を施に変更したとされているが{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}、C-2関しついては型式番号以観はおろか、どのような仕様であったのか等の詳細も不明である。
 
==== グフ重装型 ====
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== グフ重装型 ==
{{機動兵器
|名称=グフ重装型<br />GOUF HeavyHEAVY ArmsARMS TypeTYPE
|型式番号=MS-07C-3
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=量産機
|頭頂高=17.7m{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|重量=64.2t{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|出力=不明{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 98}}
|出力=
|推力=不明{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 98}}
|推力=
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 98}}
|武装=5連装85mm機関砲×2<br />30mmマシンガン×1
|武装=5連装85mmマシンガン<br>(フィンガーバルカン)×2<ref name="msv2zeon7">『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 2 ジオン軍MS・MA編』7頁。</ref>
|搭乗者=
}}
『MSV』で設定され、アニメ『[[機動戦士ガンダムUC]]』にも登場した。ヨーロッパ戦線で運用されたことから{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}}「'''ヨーロッパ戦線用グフ'''」とも呼ばれる{{Sfn|チョコスナックおまけ|1984}}。また、「グフ重装改 ''(GOUF HEAVY ARMED CUSTOM)''」とする資料もある{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=102}}。
C-1型をベース<ref name="greatms4p44">『グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集(4) MS-07/09 グフ&ドムBOOK』44頁。</ref>に火力と装甲を増強したタイプ。火力の増強は歩兵支援任務のためであり、「機動力を持つ装甲砲」という従来の機動兵器と違うコンセプトで開発された<ref>『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[地球編]』098 グフ重装型 より。</ref>。主にヨーロッパ戦線に投入されたため、'''ヨーロッパ戦線用グフ'''として紹介されることも多いが、ジャブロー侵攻の際にも2機が確認されたという情報も残っている<ref>『[[機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑]]』99頁。</ref>。
 
C-1型をベースに<ref name="gms4-44">『グレートメカニック・スペシャル モビルスーツ全集(4) MS-07/09 グフ&ドムBOOK』双葉社、2011年10月、44頁。ISBN:978-4-575-46461-0</ref>、両腕の5連装機関砲の口径を75ミリから85ミリに拡大{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}}、給弾は前腕部装甲の弾倉からおこなわれるようになり、両腰に予備弾倉を装備する{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}}。右腕のヒート・ロッドは廃止されており{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}}、両肩のスパイク・アーマーは[[ザクII]]と同様のものに換装されている。頭頂部には30ミリ砲{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}}(30ミリマシンガン<ref>『ヒストリー・オブ・モビルスーツ』バンダイ、発行年月記載なし、14頁。</ref>)とサブ・カメラ{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}}(狙撃用センサー{{Sfn|パーフェクトファイル4|2011|p=11-12}})が装備されており、そのためブレード・アンテナはなく、左側頭部にロッド・アンテナが設置されている。装甲も強化されており、シールドはほとんど必要がなかったとされる{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=82}}。また、本機は歩兵支援のための「機動力を持つ装甲砲」という、従来のMSとは異なるコンセプトで開発されたともいわれる{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 98}}。
C-1型と同様に右腕のヒートロッドを廃し、両手にフィンガーバルカンを装備しているのが特徴で、このマシンガンは従来の75mmから85mmに換装されている<ref name="msv2zeon7"/>。また、前腕部に箱型[[弾倉]]が外付けされて交換可能となっており、腰部左右に1基ずつ予備弾倉を備えている<ref>『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 2 ジオン軍MS・MA編』82頁。</ref>。頭部とアンテナの形状も変更され、左側頭部にロッドアンテナを装備している。この変更は火器管制能力向上のためとも言われているが、生産性向上のためとの説もあり、詳細は不明<ref name="greatms4p44"/>。肩のスパイクアーマー形状は、ザクⅡと同様のスパイクに反りのないものが採用されている。グフ用のシールドも使用可能であったが、全体の装甲強度が増していることから、実際に使用されることはなかった<ref name="greatms4p44"/>。
 
ヨーロッパ戦線をはじめとして各地で運用されており{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=7}}、ジャブロー攻略戦でも2機が確認されている<ref>『[[機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑]]』99頁。</ref>。もっとも有名な、ダーク・グリーン(グレーともいわれる{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 37}})を基調とした機体番号 "53" の機体は、左上腕にフランス南部に配属された第29機甲中隊(通称「ブリッツ」中隊)のエンブレムである「狐と三日月」が描かれている{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=61}}。北米への配備も知られている{{Sfn|パーフェクトファイル4|2011|p=11-12}}。
画稿の機体の上腕部には第29機甲中隊(ブリッツ中隊)のキツネをモチーフとしたエンブレム<ref>『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 2 ジオン軍MS・MA編』61頁。</ref><ref>第29機甲中隊のエンブレムとしては「ザクレディ」もある。</ref>が描かれている。
 
背面画稿は発表されていないが、1984年に[[森永製菓]]から発売された『森永チョコスナック』のおまけプラモデルでは、頭頂部ユニットから後頭部へ動力パイプが伸びており(『UC』では確認できない)、左肘前部にあるユニットが左肘後部にも付いている。ランドセルは通常のグフと同型{{Sfn|チョコスナックおまけ|1984}}。
OVA『[[機動戦士ガンダムUC]]』では、ジオン残党軍機として登場。中世ヨーロッパを思わせる古城の壁を擬装して内部に秘匿されていたが、カークス隊からの要請に応じて擬装城壁を破壊し、出撃した。しかし、トリントン湾岸基地襲撃時には存在が確認されていない。劇場公開時に配布された[[ガンダムトライエイジ]]のプロモーションカード裏書きによると、パイロットがトリントン基地の場所を間違えて迷子になってしまったため、襲撃に参加できなかったとされている。その後、復讐心を失ったパイロットが立ち寄ったある町の復興に活用するものの、実はその町こそがトリントンだった<ref>[http://www.gundam.info/topic/11504 遊び心たっぷりのカードフレーバーの魅力に迫る!「ガンダムトライエイジ BUILD G1弾」特集【第2回】]GUNDAM.INFO</ref>。
 
; 劇中での活躍
初出は『MSV』。デザインは大河原邦男。
: 『UC』では、ジオン軍残党の機体として登場。塗装は紫がかった青を基調としており、『[[SDガンダム GGENERATION]]』シリーズに登場する機体と共通する。中世[[宇宙世紀の施設と地名#ヨーロッパ|ヨーロッパ]]を思わせる古城の入口に壁を作り内部に秘匿されているが、宇宙世紀0096年にカークス隊からの要請に応じて壁を破壊し出撃する。しかし、[[宇宙世紀の施設と地名#トリントン基地|トリントン基地]]襲撃時の戦闘記録にはない<ref>『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep4-6』双葉社、2013年5月、81頁。</ref>。
: 『UC』ep5-7のイベント上映時に配布された[[トレーディングカードアーケードゲーム|TCAG]]『[[ガンダムトライエイジ]]』のプロモーションカード裏面には、パイロットがトリントン基地の場所が分からず迷子になっている様子が記されている。迷いながら上空の巨大な飛行機の周辺での赤い光を帯びたMSの戦闘や{{Sfn|トライエイジPR-105|2012}}、シャトル発射場での黒いMSの打ち上げの場面に遭遇{{Sfn|トライエイジZPR-025|2013}}、そして空に虹色の光を見て復讐心を失い、偶然立ち寄った街の復興に手を貸すものの、実はその街こそがトリントンであった{{Sfn|トライエイジBPR-044|2014}}。また、『[[機動戦士ガンダムNT]]』上映記念のキービジュアルカード裏面では、復興後息抜きに旅に出て、ある晩の夜空に青い光とそれを追いかける光を見るが、帰り道でまた迷子になってしまう{{Sfn|トライエイジOPR-037|2018}}。
{{clear}}
 
==== グフ試作実験機 ====
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== グフ試作実験機 ==
{{機動兵器
|名称=グフ試作実験機<br />GOUF EXPERIMENT MODEL{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}<br />GOUF TEST TYPE{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=102}}<br />GOUF EXPERIMENT PROTOTYPE{{Sfn|パーフェクトファイル4|2011|p=11-12}}<br />GOUF TEST PROTOTYPE{{Sfn|ROBOT魂グフ試作実験機|2017}}
|名称=グフ試作実験機<br/>GOUF Test Prototype
|型式番号=MS-07C-5
|開発=[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社
|所属=ジオン公国軍
|生産形態=試作機
|頭頂高=18.7m{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|重量=57.4t{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|出力=不明{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}
|出力=
|推力=不明{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}
|推力=
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}
|武装=ヒート・サーベル<br />シールド
|搭乗者=
}}
画稿の初出は『TV版ストーリーブック2』で、キャプションには「グフの発展型」と記されていた{{Sfn|TV版ストーリーブック2|1981|p=2-5}}。『講談社のポケットカード8』では「ドム試作タイプ」の名称で掲載された(なお、隣に掲載された(のちの)[[ドム#プロトタイプドム|プロトタイプドム]]の名称は「試作タイプドム」){{Sfn|ポケットカード8|1982|loc=No. 16}}。『MSV』で「グフ試作実験機」とされ、詳細な設定が掲載されるとともに、背面画稿が新たに描かれた{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=83-84}}。
『MSV』に登場。頭部のモノアイを十文字型に換装した<ref>『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 2 ジオン軍MS・MA編』8、83頁。</ref>、グフと[[ドム]]の中間的な外見の試作機。実験データはドムに生かされている。
 
グフシリーズ中、もっとも異色の機体とされる{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}。[[ドム#プロトタイプドム|プロトタイプドム]]のデータ収集用に造られた機体で{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 33}}、グフのライセンス生産をおこなっていた[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社がB型をもとに改修し{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}、軍によって便宜的に型式番号が与えられている{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}。固定武装が廃され{{Sfn|ポケットカードMSV|1984|loc=No. 33}}、モノアイレールは十文字型となり、ヒート・サーベル(この時点で完成している{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=83-84}})が装備される{{Sfn|MSVハンドブック1|1983|p=13}}など、グフと[[ドム]]の中間的な外観をもつ。また、背部バーニアも強化され、脚部に補助推進エンジンも装備されている{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=83-84}}。腹部には、動力パイプを収納するウェスト・ジョイント・アーマーが設置されている{{Sfn|パーフェクトファイル4|2011|p=11-12}}。1機のみが製造され{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=8}}、北米の試験場でテストがおこなわれたのみで{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 99}}実戦参加記録はない{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=8}}。塗装は黒と濃淡グレーを基調に、一部赤と青で塗られている。
[[宇宙世紀の企業#ツィマッド社|ツィマッド社]]がライセンス生産したグフをベースとして開発された機体で、型式番号の「C-5」も軍による便宜的なものとされる<ref name="msv099">『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[地球編]』099 グフ試作実験機 より。</ref>。
 
『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]』の『MSV』的企画『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN#THE ORIGIN MSD|Mobile Suit Discovery]] (MSD)』では、本機の頭部などのデザインを流用した[[高機動型ザクII#ドム試作実験機|ドム試作実験機]]が設定された。
C-1〜4までの機体とは一線を画す異色の機体であり、1機が建造されたのみである。運用も北米の試験場でのテストのみ<ref name="msv099"/>で、実戦には参加していない。
{{clear}}
 
=== グフ・ハンター ===
初出は1981年6月30日発行の講談社『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック(2)』掲載の大河原邦男によるイラスト。1982年1月発行の『講談社のポケットカード(8) 機動戦士ガンダム モビルスーツカード』には「ドム試作タイプ」の名称で収録。デザインされた当時はジオニック社やツィマッド社といったMSを開発した企業の設定が(二次創作のムックである『ガンダムセンチュリー』の記事のみで、公式には)存在しなかったため、メーカーの開発系統を意識しない外見となった。
[[メカニックデザイン]]企画『F.M.S.』(福地モビルスーツステーション)に登場(型式番号:'''MS-07F''')。メカニックデザインは[[福地仁]]。
 
ジャングルにおけるゲリラ戦を目的として開発されたグフのバリエーション機で、フィンガーバルカンやヒート・サーベルといった従来の武装のほか、ゲル弾や[[トリモチランチャー|トリモチ]]を発射可能なハンドガンやグレネードなどを装備している。アジア方面の部隊に配備されており、宇宙世紀0079年12月2日に[[ボルネオ島]]で連邦軍第17機甲海兵師団第2特務小隊と交戦しているのが確認されている。
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=== グフ・ヴィジャンタ ===
(型式番号:MS-07F)
 
メカニックデザイン企画『F.M.S.』([[福地仁|福地]]モビルスーツステーション)に登場するジオン公国軍のMS。
 
ジャングルにおけるゲリラ戦を目的として開発されたグフのバリエーション機で、フィンガーバルカンやヒート・サーベルといった従来の武装のほか、ゲル弾や[[トリモチランチャー|トリモチ]]を発射可能なハンドガンやグレネードなどを装備している。アジア方面の部隊に配備されており、[[ボルネオ島]]などで戦闘に参加した。
 
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== グフ・ヴィジャンタ ==
{{機動兵器
|名称=グフ・ヴィジャンタ<br />GOUF VIJAYANTA{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|型式番号=MS-07G-1
|頭頂高=18.2m{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=62-63}}
|所属=ジオン公国軍
|重量=61.4t{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=62-63}}
|頭頂高=18.2m
|出力=不明{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|重量=61.4t
|推力=不明{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|出力=
|推力=
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|武装=シザー・ワイヤー<br/>マインズ・ロッド<br/>リムーヴァル・メイス
|武装=シザー・ワイヤー<br />マインズ・ロッド<br />リムーバル・メイス<br />ザク・マシンガン{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|搭乗者=
|搭乗者=ベルマ
}}
[[メカニックデザイン]]企画『[[MSV-R]]』に登場するジオン公国軍のMS<ref>{{Efn2|設定画稿は『ガンダムエース2013年1月号が初出だが、「グフ・ヴィジャンタ」の名称と機体後部の一部を描いたイラストは[[#グフ戦術強攻型|グフ戦術強攻型]]の初出である『ガンダムエース同誌2012年6月号に掲載されている。</ref>}}。メカニックデザインは[[大河原邦男]]
 
連邦軍が圧倒的な兵力で地球侵攻を阻む現状を打破するために開発陣が提示し、開発が承認されたプラン{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。グフの特性はそのままに{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=62-63}}機動性と火力を向上、単独行動で[[陸戦型ザクII|ザクII J型]]の3-4倍の移動能力をもつ機体というプランであるが、設計は難航し開発は大幅に遅れる。再考の結果、機動性と火力のそれぞれを向上した2種類の機体を開発して2機セットで運用する形に落ち着き、開発は順調に進みB型をベースに改良試作機がそれぞれ製作されるとともに、開発陣は並行してオプション装備の開発にも着手する{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
グフのさらなる機動性向上を図った機体。当初は機動性と火力の双方を向上した機体の開発を意図していた<ref>『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』126頁。</ref>が、設計段階で躓き、機動性能を向上した機体と火力を向上した機体の2機をセットとして運用する形となり<ref name="msvrz128">『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』128頁。</ref>、前者がグフ・ヴィジャンタ、後者が後述の[[#グフ戦術強攻型|グフ戦術強攻型]]となった。試作機には開発ナンバー「YMS-07G-1」が与えられている<ref name="msvrz128"/>。
 
完成した試作機はおおむね良好な仕上がりを見せるが、どちらも予定の機動性能に達しておらず、エンジン周辺の見直しや機体の軽量化が図られることとなる。このころには、機動性向上型に'''YMS-07BG-1'''、火力向上型に'''YMS-07BG-2'''の型式番号が与えられている。各種テスト後、細部の修正を経て当初の予定より2か月遅れて完成。キャリフォルニアベースで量産が開始され、すべてが実戦部隊(おもに強行偵察部隊など{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=64-65}}の特務部隊)に配備され、夜襲やゲリラ戦で多大な戦果を挙げたことが記録されている。生産と同時に、それぞれMS-07G-1 / G-2の型式番号が与えられるが、開発陣が付けた「戦闘工兵 ''(Combat Engineer)''」が前線でも定着していたようだとされる{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
高い崖などの登坂を目的としたシザー・ワイヤー射出機を右腕に装備。複数の高性能炸薬を鞭状に繋いだマインズ・ロッドを左腕に装備。先端にカートリッジ式の高性能炸薬を装備したリムーヴァル・メイスという特殊棍棒を対MS戦や障害物除去に用いている。22機生産され、全機が前線に送られたが、MS部隊に受領されないまま終戦を迎えた機体もあった。
 
機動性向上型であるG-1型はヒート・ロッドと5連装マシンガンが撤去され、4種類のオプション装備が用意されている{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
<br style="clear:both;"/>
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; 武装・装備
== グフ戦術強攻型 ==
:; シザー・ワイヤー
:: 「グラップル・ワイヤー」とも呼ばれる{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=62-63}}。先端に展開式のフックが付いた全長85メートルの特殊ワイヤーで、右前腕部甲に射出器を装備{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=118-119}}。自重を超える120トンに耐える強度をもち、高い崖の登坂などを目的とするが{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=118-119}}、対MS戦闘で武器としても使用可能であり{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=62-63}}、敵機を捕らえることも可能{{Sfn|ガンダムエース07|2024|p=262-265|loc=「MSV-R SEASON 2 / U.C.0079-0091」Vol.10}}。
:; マインズ・ロッド
:: 先端にロケットが付いた全長80メートルの[[導爆線|爆裂索]]で、左前腕部甲に射出器を装備。末尾は射出器に連結されておらず、有効射程は350メートル程度。戦闘はもとより進路上の障害物の除去を容易にし、長距離単独行には有用な装備である{{Sfn|MSV-R AG編2|2015|p=47-58}}。1射ごとに弾倉を交換、予備弾倉はランドセル上部に4基装備する。なお、ランドセル両側面にはザク・マシンガンの予備弾倉を装備する{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
:; リムーバル・メイス
:: 「リムーヴァル・メイス」とも表記される{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=62-63}}。特殊[[棍棒]]で、先端にカートリッジ式の高性能炸薬を装着して使用する{{Sfn|ガンダムエース1301|2013|p=684-685}}。障害物破壊を目的とするが{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=118-119}}、白兵戦でも威力を発揮する{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。ランドセルにホルダーを取り付けて、予備炸薬1基を装備可能{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
 
; 劇中での活躍
: 『MSV-R』では、宇宙世紀0079年10月に北米で連邦軍の高高度偵察機から報告を受けて迎撃に当たる[[ジム (ガンダムシリーズ)|ジム]]の小隊と渓谷で交戦し、戦術強攻型とともに6機を全滅、うち1機はほぼ全壊状態と記録されている。その3日後、180キロ離れた連邦軍補給基地が夜襲を受けて施設の40パーセントを喪失するが、同機らによるものと思われている{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=80}}。
: 漫画『[[機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY#漫画|ザ・ブルー・ディスティニー]]』では、連邦政府の回収対象である絵画『フューチャー・ワールド』護衛部隊の1人、ベルマ中尉の機体として登場。拠点である廃墟でステルス装備を搭載したモルモット隊と激戦を繰り広げる。
: 『[[MSV-R#SEASON 2|MSV-R SEASON 2]]』では、カラカル隊仕様機が登場。濃淡のサンド・カラーを基調に、一部がダーク・グレーと白で塗り分けられている。2機が配備され運用された記録が発見されるものの、調査中とされる{{Sfn|ガンダムエース07|2024|p=262-265|loc=「MSV-R SEASON 2 / U.C.0079-0091」Vol.10}}。
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==== グフ戦術強攻型 ====
{{機動兵器
|名称=グフ戦術強攻型<br />GOUF TACTICAL ASSOULT TYPE{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|型式番号=MS-07G-2
|頭頂高=18.0m{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=64-65}}
|所属=ジオン公国軍
|重量=64.6t{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=64-65}}
|頭頂高=18.0m
|出力=不明{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|重量=64.6t
|推力=不明{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|出力=
|推力=
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|武装=四連装ガンパック<br/>120mmガトリング砲<br/>ヒート・ロッド<br/>ヒート・サーベル<br/>シールド
|武装=4連装ガンパック<br />120mmガトリング砲<br />ヒート・ロッド<br />ヒート・サーベル{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=19}}<br />グフ・シールド{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=19}}
|搭乗者=
}}
『MSV-R』に登場。[[メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場するジオン公国軍のMS]]は[[大河原邦男]]
 
[[#グフ・ヴィジャンタ|グフ・ヴィジャンタ]]と同時に開発された火力向上型。兵装類の増加による重量増を軽減するため、機体構造材の再設計や脚部スラスターの追加がおこなわれ、B型と同等の機動性の維持に成功している。再設計に手間取ったこともあり、生産数は38機で終了している{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=120-121}}。
グフの機動性を生かしつつ、火力向上を図った機体。2機建造された試作機には開発ナンバー「YMS-07G-2」が与えられ<ref name="msvrz128"/>、そのデータを元に量産機が生産されている<ref>『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』130頁。</ref>。
 
; 武装
ランドセル側面に長砲身のガトリング砲(120mm機銃×6門)を装備。左腕をマシンガン、中距離射程ランチャー、火炎放射器、小型ロケット砲の4種をまとめた大型ガンパックに換装。脚部へのスラスターの追加によって、兵装追加による機動性能の低下を防いでいる。右腕のヒート・ロッドはそのまま残され、グフ・シールド、ヒート・サーベルも使用可能となっている。36機生産され、全機が実戦配備されている。
: ヒート・ロッドはB型と同様に装備。ヒート・サーベルやグフ・シールドも標準装備とされる{{Sfn|ガンダムエース1206|2012|p=544-545}}。
:; 4連装ガンパック
:: 左前腕部を丸ごと換装し、4種類の火器(マシンガン、中射程ライフル、火炎放射器、有線誘導ロケット砲弾)を装備{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
:; 120ミリガトリング砲
:: 120ミリマシンガンを束ねた対地・対空用の中距離射程のガトリング砲で、ランドセル右側面に装備{{Sfn|ガンダムエース1206|2012|p=544-545}}。下部にマガジンがあり、装弾数は300発{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。不使用時はトラベリング・ロックで砲身を横向きに固定する{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=126-131}}。
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=== グフ飛行試験型 ===
<br style="clear:both;"/>
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== グフ飛行試験型 ==
{{機動兵器
|名称=グフ飛行試験型<br />GOUF FlightFLYING TestTEST TypeTYPE
|型式番号=MS-07H
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=試作機
|全高=19.3m{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|頭頂高=18.8m
|頭頂高=18.8m{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|全高=19.3m
|重量=63.9t{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|全備重量=76.6t{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|出力=1,034kW{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|出力=1,034kw
|推力=50,875kg{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|センサー=3600m3,600m{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 100}}
|武装=75mm5連装フィンガーバルカン機関砲×2<br/>ジャイアント・バズ
|搭乗者=[[モビルスーツバリエーションの登場人物#ビリー・ウォン・ダイク|ビリー・ウォン・ダイク]]
}}
『MSV』で設定された。その後発行された初期の『MS大全集』シリーズなどでは「グフ飛行型」とするものもある{{Sfn|MS大全集|1988|p=15}}。
地球上におけるMSの航続距離の短さを克服するため、機体そのものに飛行能力を持たせるべく開発された試験機。飛行とはいっても、のちの[[可変モビルスーツ|可変MS]]などのように航空機的な形態をとるわけではなく、脚部に強力な熱核ロケット・エンジンを搭載し、大推力により飛翔させるという半ば強引ともいえる手段であった。
 
3機地球上におけるMSYMS-07A航続距離の短さを克服するため1体そYMS-07Bものに飛行能力持たせるべく開発母体にサイド3で改装が施され、[[宇宙世紀の施設と地名#キャリフォルニアベース|キャリフォルニアベース]]に移送後た試験機。開発担当は[[モビルスーツバリエーションの登場人物#ビリーアイザック・ウォン・ダーミヤック|アザッ|ビリー・ウォン・ダイーミヤック]]大佐を中心としたチームで、サイド3指揮の下でテスト第29工業コロニーに試験場繰り返さ構えらる{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}
 
すでにMS-07Aの生産配備が開始していたことから、開発ベースにはYMS-07AとYMS-07Bが用いられる{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。複数候補に挙がった飛行プランのうち、簡易型ロケットバーニアの強化と熱核ロケットの脚部集中措置が採用され、両腕部には接近戦用として75mm5連装フィンガーバルカンを装備{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。完成した試作機4機は[[ムサイ]]によって地球へ運ばれ、キャリフォルニアベースのシャトルベースやテストセンターを経た後、アリゾナのフラットネイル空軍基地へ送られる{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。
YMS-07AがH型1〜3号機、YMS-07Bが4号機として生まれ変わった。コクピットハッチの形状にはYMS-07A、B型それぞれの特徴がそのまま残っている。中でも3号機が比較的好調を示し、テスト開始後まもなく、燃料増加のため背部にドロップタンクを取り付けた07H-2型に再改修、その後も数回の改良と試行錯誤が繰り返されている。
 
同地では4週間のうちに38回の飛行試験が実施されるが、高度での試験に至るまでに10数回のトラブルが発生し、一定の巡航速度を保つことができないうえ{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}、重量増加の影響で離陸後に実用的な航続距離を得ることもできなかった{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=85-87}}。また、エンジンを全開することで作戦行動を取ることも可能ではあったが、これでは燃料搭載量の問題が発生し、[[増槽|ドロップタンク]]を増設(この増設型は、MS-07H-2とされる)したとしても若干の向上が見られるのみであった{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}{{Efn2|一方、試験飛行はキャリフォルニアベースで行われたとする資料もみられる{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=85-87}}。}}。
固定武装としてMS-07C-1型と同じく両腕にマシンガンを装備し、[[グフ#グフ重装型|グフ重装型]]と類似した箱型弾倉を外付けするシステムとなっているが、あくまで試験機であるため実戦を想定した武装ではなく、C型系列の展開を見越した試験的な採用と考えられる。
 
計画期間を終えた機体は縮小する形で研究続行を承認され、アリゾナ基地にはYMS-07Aから改装された3号機とYMS-07Bから改装された4号機のみが残された。このうち、4号機は[[#グフ飛行型|MS-07H-4]]に改装されている{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。MS-07H-4の空中爆発事故を受けて本機の開発計画は中止され{{Sfn|MSVジオン軍編|1984|p=85-87}}、最終的にMS-07には代行措置として[[ドダイYS]]が配備されている{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。
しかし、総重量80tを越す自重が災いしたことと、加えて構造の複雑な新型エンジンのコントロール系統の動作不調、搭載燃料の限界により航続距離が短いなど問題点が多い。結局はドダイGA爆撃機を利用した[[ドダイYS]]プランに譲る事となったが、後に飛行を諦め熱核ジェットホバーによる滑走を行うことで実用化され、結果的にドムの開発へと繋がることとなる。
 
; 武装
初出は『MSV』。デザインは大河原邦男。プラモデル化もされた一般的に知られるタイプは、コクピット周辺の形状からYMS-07Aを母体とした個体であると判別できる。
: 固定武装として両腕にマシンガンを装備する。これは格闘戦に至らない接近戦闘を踏まえたものだが、本機を在来MSの特殊任務用として位置付けられたことにも起因する{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。
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==== グフ飛行試験型(地球連邦軍仕様) ====
; 劇中での活躍
テレビアニメ『[[機動戦士Ζガンダム]]』に登場(型式番号:'''MS-07H''')。
: 漫画『[[機動戦士ガンダム バニシングマシン]]』では[[義勇兵]]部隊ヤーコブ隊の隊長機として登場。ホバー用エンジンをドム用のものに換装したり、盾としても使える超大型ヒートサーベル『エクスカリバー』を装備するなどして連邦軍の渡河作戦を阻止し続ける。酷使されたエクスカリバーが破損した後は、地面に突き刺した無数のヒートサーベル(全て故障しており、発熱が不可能な状態)を次々と取り替えながら鬼神の如く奮戦したが、最期は[[ジム・スナイパー]]にコックピットを狙撃され、街道に立ち往生した亡骸を晒した。
 
H型は一年戦争後に連邦軍に接収され、少数が連邦軍によって生産されている<ref name="zg10">プラモデル『機動戦士Ζガンダムシリーズ No.10 グフ飛行試験型』取扱説明書より。</ref>。脚部は熱核ジェット・エンジンに換装され<ref name="go213">[[皆河有伽|皆川ゆか]]『[[機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS]]』 講談社、213頁。</ref>、コクピットはリニアシート方式に改められ、ジャイアント・バズで武装している。宇宙世紀0087年5月、[[グリプス戦役#ジャブロー降下作戦|エゥーゴによるジャブロー攻撃]]に対してダークブルーのカラーリングの4機が防衛の任に就いている姿が目撃されている。ジャブロー基地上の湿地帯やアマゾン川の水上をホバー移動するなど、[[ドム]]のように運用されていた。
=== グフ飛行試験型(地球連邦軍仕様) ===
一年戦争後は地球連邦軍に接収され、少数が連邦軍によって生産されている<ref name="zg10">プラモデル『機動戦士Ζガンダムシリーズ No.10 グフ飛行試験型』取扱説明書より。</ref>。脚部は熱核ジェット・エンジンに換装され<ref name="go213">[[皆河有伽|皆川ゆか]]『[[機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS]]』 講談社、213頁。</ref>、コクピットはリニアシート方式に改められて、ジャイアント・バズで武装している。U.C.0087年5月にエゥーゴによるジャブロー攻撃に対して4機が防衛の任に就いている姿が目撃されている。カラーリングはダークブルー。ジャブロー基地上の湿地帯やアマゾン川の水上をホバー走行しており、ドム的な運用がなされていた。
 
; 劇中での活躍
: テレビアニメ『[[機動戦士Ζガンダム]]』第12話「ジャブローの風」に4機が登場する。そのうちの1機は[[ジムII]]と[[ネモ (ガンダムシリーズ)|ネモ]]に撃墜される。別の3機は小隊を組んでエゥーゴのモビルスーツMS部隊の[[百式 (ガンダムシリーズ)|百式]]や[[リック・ディアス]]などと交戦し、ジムIIを2機、ネモを1機撃墜する。[[シャア・アズナブル|クワトロ・バジーナ]]の乗による百式の攻撃をホバー移動で回避するなど機動性は高い。[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の[[ガンダムMk-II]]と交戦した結果、1機は[[フライングアーマー]]の体当たりで脚部を損傷、残る2機も[[ビームライフル]]で撃破された。
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==== グフ飛行型 ====
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=== グフ飛行型 ===
{{機動兵器
|名称=グフ飛行型<br />GOUF FlightFLIGHT TypeTYPE
|型式番号=MS-07H-4
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=試作機
|頭頂高=18.8m{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}}
|重量=65.2t{{Sfn|MS大全集98|1998|p=23}} / 63.9t{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 101}}
|重量=65.2t
|出力=
|推力=
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVコレクションファイル地球編|2000|loc=No. 101}}
|武装=75mm5連装フィンガーバルカン機関砲×2
|搭乗者=[[モビルスーツバリエーションの登場人物#フランク・ベルナール|フランク・ベルナール]]
}}
『MSV』で設定された。名称は1988年発行の『MS大全集』により{{Sfn|MS大全集|1988|p=15}}、同名とされていた[[#グフ飛行試験型|MS-07H]]が2013年版で「グフ飛行試験型」に改称された後も本機の名称は変更されなかった{{Sfn|MS大全集2013|2012|p=13}}。
YMS-07Bをベースに建造されたH型の4号機に通算4度目の改装を施した機体。脚部エンジンを換装、フィンの大型化が図られた。肩アーマーは肉弾戦用スパイクが廃されて直線的デザインとなっている。一部の資料では「空戦型」とも記されているが、あくまでも飛行試験を目的に開発されたものである為、武装も両腕のフィンガーバルカンのみとなっている。
 
YMS-07Bをベースに建造された[[#グフ飛行試験型|H型]]の4号機に改装を施した機体。脚部エンジンの換装や腰部にベントラルフィンが設置され、両肩部は有翼状に変更された。この仕様変更がなされた機体はMS-07H-4とされ、滞空時間の延長と良好な運動性を示したが、エンジンの調整は複雑さをきわめた。最終的には、テスト10日目に空中爆発で機体は失われている{{Sfn|1/144グフ飛行試験型|1983}}。
[[モビルスーツバリエーションの登場人物#フランク・ベルナール|フランク・ベルナール]]少尉がパイロットを務め飛行試験にて優秀な成績を収めたが、エンジンの調整は難航し、最終テスト中に空中爆発を起こしてパイロットのフランクも死亡している。
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==== グフ・ホバータイプ ====
しかし、貴重なデータが取れたのは事実であり、それを元にした事で、グフ・フライトタイプの開発に大きく役立っている。
スマートフォンゲームアプリ『[[機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE]]』に登場するゲームオリジナルMS(型式番号:'''MS-07H-6''')。
 
ジオン本国にて[[#グフ・カスタム|グフ・カスタム]]をベースに改修された機体。[[宇宙世紀の企業#ツィマット|ツィマット]]社から提供された[[ミノフスキー粒子#熱核ジェット・エンジン|熱核ジェット・エンジン]]のデータにより、1G環境下で[[ドム]]・タイプ並みの高速機動を実現。加えて原型機がもち得る白兵戦性能を引き上げるため、左前腕部甲にはスラスター搭載の打突兵器「ブースト・ナックル」を装備、ホバー走行と併せて一撃離脱戦法を可能としている。しかしデータ調整などで開発は難航し、完成を迎える最中にキャリフォルニアベースが陥落、地球に送られることなく終戦を迎えている{{Sfn|UC ENGAGE公式サイトMS|2023}}。
初出は『MSV』。デザインは大河原邦男。
 
==== グフ・フライトタイプ ====
<br style="clear:both;"/>
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=== グフフライトタイプ ===
{{機動兵器
|名称=グフフライトタイプ{{Sfn|08小隊公式サイト|2023}}{{Sfn|MS大全集2003|2003|p=86}}<br />グフフライトタイプ{{Efn2|name="gundam-08"}}<br />GOUF FlightFLIGHT Type (H-8)TYPE
|型式番号=MS-07H-8{{Sfn|08小隊公式サイト|2023}}<br />MS-07H8{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|型式番号=MS-07H-8
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=量産試作
|頭頂高=18.2m{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|全高=18.7m{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}
|重量=61.5t{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|全備重量=77.6t{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|出力=1,130kW{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|出力=1,130kw
|推力=108,400kg{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|センサー=3,600m{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|08小隊映画フィルムコミック|1999|p=165}}<br />ルナ・チタニウム合金{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}
|装甲=超硬スチール合金
|武装=3連装35mmガトリング砲<br />シールド<br/>75mmガトリング・シールド<br />ヒート・サーベル
|搭乗者=[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#ジューコフ|ジューコフ]]<br />ノリス・パッカード<br/>(小説版『第08MS小隊』
}}
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。[[メカニックデザイン]]は[[カトキハジメ]]。[[#グフ・カスタム|グフ・カスタム]]をベースに実質的に[[#グフ飛行型|H-4型]]をリファインしたデザインでありながら、コクピット・ハッチは[[#プロトタイプグフ|プロトタイプA型]]をベースにしたとされる[[#グフ飛行試験型|H型]]3号機までの特徴が残っている。その理由については、グフ・カスタムとの差別化を強調したいというアニメスタッフ側の意向が反映されたものだという{{Sfn|アプルーブドガンダム|2003|p=77}}。従来の設定とのつじつまが合わないことと、模型化した際にパーツの流用への不便さを理由にカトキは反対したが、バンダイ側の模型設計スタッフによる「模型化に支障なし」との声もあり、アニメスタッフの意向を優先させる結果となった{{Sfn|アプルーブドガンダム|2003|p=77}}。
MS-07B-3 [[#グフカスタム|グフカスタム]]の部材や施設を利用し、MS-07H-4を再設計した機体で、H型シリーズの完成型として少数が量産された。H-4型と同じく肩アーマーのスパイクがなく、武器はグフカスタムに準じガトリング砲付きシールドを使用する。名称表記は公式HPでは「グフフライトタイプ」とある<ref name="08hpmsz"/>が、「グフ・フライトタイプ」と中黒が入る表記の書籍も多数ある。
 
飛行試験型の8番目の改良型で{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}、事故で失われたものの比較的良好な結果を残した{{Sfn|ガンダムメカニクス2|1998}}H-4型の設計思想を継承しつつ{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}細部に改良がほどこされている{{Sfn|HGグフフライトタイプ|1998}}。ランドセルと臀部のスラスターはより強力なものに換装され、脚部の熱核ジェット・エンジンも出力が高いものを使用している{{Sfn|HGグフフライトタイプ|1998}}。H-4型から採用された整流効果を考慮したショルダー・アーマーと{{Sfn|HGグフフライトタイプ|1998}}、ランドセルとスカート・アーマーの可動式の安定翼(H-4より翼面積は広くなっている{{Sfn|ファクトファイル56|2005|p=5-6}})によって、空中での姿勢制御を安定させている{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}。[[#グフ・カスタム|グフ・カスタム]]と同じ兵装(ヒート・ロッドを除く)を装備するが、これは本体重量の軽減を図り、かつ状況に応じた兵装の取捨選択を可能とするためである{{Sfn|ファクトファイル56|2005|p=5-6}}。
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』第11話に2機が登場し、[[アプサラス計画#アプサラスIII|アプサラスIII]]の護衛として出撃する。アプサラスIIIの稼動を見届けてザンジバル級機動巡洋艦「[[ザンジバル (ガンダムシリーズ)|ケルゲレン]]」に帰投した。だが大気圏離脱中のケルゲレンが[[ジム・スナイパー]]に狙撃され、その際1機がケルゲレンと共に爆散。脱出した1機も中破しており、ジム・スナイパーに撃墜された。また、小説版では、ノリス・パッカードがグフカスタムではなく当機に搭乗。フライトタイプ2機を率いて連邦軍司令部を奇襲するも、[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#シロー・アマダ|シロー・アマダ]]のガンダムEz8に撃破された。その際、ヒート・サーベルを[[地球連邦軍の艦船及びその他の兵器#ビッグトレー|ビッグトレー]]に投げつけ、旗艦の撃破には成功した(なお、[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#イーサン・ライヤー|イーサン・ライヤー]]司令官は、交戦中にビッグ・トレーを脱出していた)。
 
アジアのジオン新兵器開発秘密基地で、[[アプサラス (ガンダムシリーズ)|アプサラス]]の護衛用として[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#ギニアス・サハリン|ギニアス・サハリン]]技術少将が[[サイド (ガンダムシリーズ)#サイド3(ムンゾ)|サイド3]]から運び込んだパーツから組み上げた数機によって試験がおこなわれる{{Sfn|HGグフフライトタイプ|1998}}。本機によって飛行性能が確立されるが{{Sfn|ファクトファイル56|2005|p=5-6}}、[[プロペラント]]や熱核ジェット・エンジンの冷却問題は解消されておらず、高速で高々度の飛行をおこなうと滞空時間は極端に短くなってしまう{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=62}}。結局は試作機の域を越えられず、量産には至っていない{{Sfn|DC一年戦争外伝2|1998|p=36-37}}。
; 備考
: 初出はOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。デザインは[[カトキハジメ]]。
: 実質的に07H-4型のリファインデザインであり、設定上もYMS-07A型ベースではなく07B-3型ベースでありながら、コクピットまわりにYMS-07A型の特徴が残っている。その理由については07B-3型との差別化を強調したいというアニメスタッフ側の意向が反映されたものだという<ref name="kdp77">『カトキハジメ デザインズ&プロダクツ アプルーブドガンダム』角川書店、77頁。</ref>。従来の設定とのつじつまが合わないことと、模型化した際にパーツの流用への不便さを理由にカトキは反対したが、バンダイ側の模型設計スタッフによる「模型化に支障なし」との声もあり、結局アニメスタッフの意向を優先させる結果となった<ref name="kdp77"/>。
 
; 劇中での活躍
<br style="clear:both;"/>
: 『08小隊』第11話に2機が登場し、[[アプサラス (ガンダムシリーズ)#アプサラスIII|アプサラスIII]]の護衛として出撃する。アプサラスIIIの稼動を見届けて[[ザンジバル (ガンダムシリーズ)|ザンジバル級]]機動巡洋艦「ケルゲレン」に帰投するが、大気圏離脱中のケルゲレンが[[ジム・スナイパー#ジム・スナイパー|ジム・スナイパー]]に狙撃され、その爆発に1機が巻き込まれ爆散する。脱出した1機も中破しており、ジム・スナイパーに撃墜される。
[[#toc|目次へ移動する]]
: 小説版では、ノリスがグフ・カスタムではなく本機に搭乗し、僚機2機を率いて連邦軍司令部を奇襲するが、[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#シロー・アマダ|シロー・アマダ]]の[[陸戦型ガンダム#ガンダムEz8|ガンダムEz8]]に撃破される。その際、ヒート・サーベルを[[地球連邦軍の艦船およびその他の兵器#ビッグ・トレー|ビッグ・トレー]]に投げつけ、旗艦の撃破には成功する(なお、[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#イーサン・ライヤー|イーサン・ライヤー]]司令官は、交戦中にビッグ・トレーを脱出している)。
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: ショートフィルム『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊#ショートフィルム|三次元との戦い]]』にも1機登場。パイロットはジューコフ。最終決戦の地に向かう為、川に架かる橋を渡ろうとする08小隊を橋の先でマゼラトップ砲を装備したザクIIと共に待ち伏せ、襲撃する。橋の下の水上をホバーで滑走し、橋の上を飛び越えるように滑空しながらガトリング砲で攻撃し、シローのEz8を翻弄するもガトリング弾はEz8の装甲に阻まれ、互いに決定打を与えられない。戦況を打開すべく、[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#ミケル・ニノリッチ|ミケル・ニノリッチ]]が[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物#テリー・サンダースJr.|テリー・サンダースjr.]]協力のもと、橋の上から飛び降り宙吊りになりながら橋の下にいるフライトタイプの動きをシローに伝えることで動きを見切られ、橋の下から飛び出した際にマシンガンの砲撃を受け、ガトリング砲を破壊される。その後、ヒート・サーベルで接近戦を挑んでEz8の右肩を破壊するが、ビーム・サーベルでコクピットを貫かれ、撃破される。
 
==== グフ飛行試験型(ヤーコブ機) ====
漫画『[[機動戦士ガンダム バニシングマシン]]』に登場(型式番号:'''MS-07HX''')。[[メカニックデザイン]]は[[近藤和久]]。他作品のグフよりも細身に描かれている。
 
[[#グフ飛行試験型|07H型]]のバリエーションの一つで、[[義勇兵|義勇軍]]部隊「ヤーコブ隊」の隊長であるヤーコブ大尉の乗機。名称はH型と同一だが、両腕が[[マニピュレーター]]となっている点や機体形状などは[[#グフ・フライトタイプ|H-8型]]や[[#グフ・カスタム|B-3型]]と類似している。作中では飛行は行わず、もっぱら[[ドム]]同様のホバリングを行うに止まっていた。戦闘の中で現地改造が行われており、ホバリング用エンジンがドム用のTM901に換装されたため、機体重量に対してエンジンのパワーが大きすぎるピーキーな機体となっている。また、盾としても使用できる通常の2倍サイズの試作型ヒートサーベル「エクスキャリバー」を新たに装備している。
 
; 劇中での活躍
: 連邦軍のオデッサ進軍を受け、後退する本隊を援護するための捨て石とされたヤーコブ隊の隊長機として、上述の現地改造を加えられながら連邦軍の渡河作戦を阻止し続ける。酷使されたエクスキャリバーが破損した後は、地面に突き刺した一個大隊分のヒートサーベル(すべて故障しており、発熱が不可能な状態)を次々と取り替えながら奮戦したが、最後は[[ジム・スナイパー#ジム・スナイパー|ジム・スナイパ―]]にコックピットを狙撃され、街道に立ち往生して亡骸を晒した。
{{clear}}
 
=== グフ複合試験型 ===
{{機動兵器
|名称=グフ複合試験型<br />GOUF CompoundCOMPOUND examinationEXTRAMINATION typeTYPE<ref>『[[機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還]]』2巻107頁。</ref>
|型式番号=MS-07W
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=実験機
|頭頂高=18.5m{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=66-67}}
|重量=67.4t{{Sfn|MSV-Rザク編|2013|p=66-67}}
|出力=不明{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|出力=
|推力=不明{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|推力=
|センサー=
|装甲=超硬スチール合金{{Sfn|MSVスタンダード|2018|p=102}}
|武装=75mm5連装フィンガーバルカン×2<br />シールド×2<br />ヒート剣×2<br />ジャイアント・バス×2<br />630mm6連装30㎜機関砲×2(リトル・ドップ)<br />対空ミサイルランチャー×2(リトル・ドップ)
|搭乗者=
}}
『MSV-R』に登場。[[メカニックデザイン]]は「[[ガンダムエース]]」誌上から一般公募されたうちの大賞作である「[[ザビ家#ガルマ・ザビ|ガルマ]]専用グフ」をもとに、[[大河原邦男]]がクリンアップしたもの。そのためカラーリングはガルマ専用機を思わせるものとなっている。
一年戦争後期、キャルフォルニアベースにて連邦軍に発見されたMS。胸部に専用の[[ドップ]](リトル・ドップ)を収納可能となっており、このリトル・ドップがコックピット兼[[脱出ポッド]]となっている。そのためRXシリーズのコア・ブロック・システムの模倣機といわれているが、グフからの離脱はできても、その逆は不可能であり、リトル・ドップ自体はあくまでも脱出ポットである。
 
一年戦争後期、キャルフォルニアベースにて連邦軍に発見されたMS。胸部に専用の[[ドップ]](リトル・ドップ)を収納可能となっており、このリトル・ドップがコックピット兼[[脱出ポッド]]となっている。そのためRXシリーズのコア・ブロック・システムの模倣機といわれているが、グフからの離脱はできても、その逆は不可能であり、リトル・ドップ自体はあくまでも[[脱出ポッド]]である。
 
その他、腕部のシールドにバーニアが搭載されており、オリジナルより機動力は大きく向上しており、なんらかのテストベッド機であるのは確かなようであるが、いずれにせよ実戦投入が確認されていないことから、本機はパイロットの生還率向上のための実験機であったと思われる。
 
本機が発見された時に、リトル・ドップとは別に、MSのコックピット機能を持った[[ジオン公国の艦船およびその他の兵器#シーランス|シーランス]]に似た小型潜水艇が製作途中で発見されている<ref name="msvrz124">『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』124頁。</ref>。これらから、本機はコックピットの換装によって水陸両用MSとしても運用可能にしたと推定されている<ref name="msvrz124"/>。
 
漫画『[[機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還]]』において、「ニューヤーク市解放10周年記念展」に[[ザクII#ザクII FSII(FS|ザクIIFS型]]と共に展示されている。
 
; リトル・ドップ
: 07Wの胸部に収容されているドップ。オリジナルのドップをそのまま一回り小さくしたもので、機首を180度回転することで収納が可能となる。
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== 後継機 ==
初出はメカニックデザイン企画『[[MSV-R]]』。デザインは「[[ガンダムエース]]」誌上から一般公募され、大賞作である「ガルマ専用グフ」を大河原邦男がクリンアップしたものである。そのためカラーリングはガルマ専用機を思わせるものとなっている。
=== RFグフ ===
 
<br style="clear:both;"/>
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== 高機動型試作機 ==
{{機動兵器
|名称=高機動型試作機RFグフ<br />High Mobility TestRF TypeGOUF
|型式番号=YMSOMS-08A07RF
|所属=ン公国軍ールズモビル
|生産形態=試作量産
|全高=1718.7m
|重量=5526.7t3t
|全備重量=65.2t
|武装=ザク・マシンガン<br/>ヒート・ホーク<br/>シールド
|装甲=[[ガンダリウム合金]]セラミック複合材
|出力=2,750kW
|推力=64,800kg
|センサー=18,300m
|武装=5連装フィンガーバルカン<br />ヒート・ロッド<br />ビーム・ライフル<br />ビーム・ソード<br />ビーム・ランチャー
|搭乗者=
}}
漫画『[[機動戦士ガンダムF90]]』およびゲーム『[[機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122]]』に登場。
『MSV』に登場。陸戦型ザクIIの後継機として開発された試作機。競合機であるYMS-07 グフが陸戦型MSとしての完成度を主眼に開発されたのとは対照的に、重力下での機動性を主眼に開発され、軽量化や動力系の強化を図っている。機動性はYMS-07を上回っていたが、推進系の欠陥が発覚し不採用となり開発計画はグフに統合された。
 
オールズモビル(火星独立ジオン軍)が開発した陸戦用量産機。一年戦争時のグフを模しているが、内部は宇宙世紀0110年代以降の技術でリファインされている<ref name="soujiten_312">講談社『総解説 ガンダム辞典ver1.5』312頁</ref>。陸戦型であるが宇宙空間での運用も可能。[[ザクシリーズのバリエーション#RFザク|RFザク]]よりも格闘戦能力に優れているものの、RFザクと共通のユニットを使用しており、兵装・パーツの共有率が高く整備性に優れている<ref name="soujiten_312" />。
厳密に言えばグフのバリエーションではないが、開発データなどがグフに反映されているため、グフの原型機の1つと位置付けられている。
 
武装はビーム兵器を主体に運用している。ヒート・ロッドの先端にビームを発生させることもでき、その攻撃力は以前のグフの2倍以上とされている<ref name="soujiten_312" />。一年戦争時の機体と比べると性能差は著しいが、機体性能は[[モビルスーツ#第1世代モビルスーツ|第二世代]]の水準にとどまっており、機体サイズは宇宙世紀0120年代の小型機である[[ガンダムF90 (架空の兵器)|ガンダムF90]]に比べると大型となっている。
当初は製造元が設定されていなかったが、後に[[宇宙世紀の企業#ツィマッド社|ツィマッド]]社製と設定された。コンセプト的には「[[ヅダ]]」の陸戦バージョンというべきMSであり、不採用の経緯もヅダと同じ轍を踏んだ形となっている。しかしながら「高機動陸戦MS」というコンセプトは最終的に名機[[ドム]]に昇華されることになる。
 
『F90』劇中では火星に配備された機体が登場。オールズモビルの襲撃を受け、火星に強行着陸を行ったF90の降下シャトルを調査するが、ナヴィの仕掛けたトラップに巻き込まれ撃破されたほか、F90奪還部隊の[[ジェガン]]と交戦していた。『フォーミュラー戦記0122』では火星の残党部隊の戦力として、RFザクとともに劇中序盤から中盤にかけて登場している。
生産数は5機といわれているが詳細は不明。後に改良された機体がゲリラ討伐戦に投入されたといわれている。MS-08TX [[イフリート (ガンダムシリーズ)|イフリート]]がそれに相当するのではないかという説があるが、関連は不明。
{{-}}
 
== グフ(サンダーボルト版) ==
画稿の初出は1981年6月30日発行の講談社『TV版 機動戦士ガンダム ストーリーブック(2)』で、「ザクからグフへの改良過程の試作機」と記載され、1982年1月発行の『講談社のポケットカード(8) 機動戦士ガンダム モビルスーツカード』にも「ザク→グフ発展型」の名称で収録されていた。
漫画・OVA『[[機動戦士ガンダム サンダーボルト]]』に登場(型式番号:'''MS-07B'''<ref name="gundam-tb">{{Cite web|url=http://gundam-tb.net/mechanical/second-nanyo.html|title=MECHANICAL 南洋同盟|website=『機動戦士ガンダム サンダーボルト』|publisher=サンライズ|accessdate=2021-03-27}}</ref>)。
 
一年戦争終結後に地球連邦軍の軍閥である「[[南洋同盟]]」が改修・運用する機体<ref name="rotb2-74">『機動戦士ガンダム サンダーボルト RECORD of THUNDERBOLT 2』ホビージャパン、2017年12月、74-75頁。</ref>。背部に2基の大型ファンを有するフライト・ユニットを装備しているのが特徴で、ホバリングが可能であるうえ、ジャンプ機動時の自由度も向上しており、当時のMSとしては優れた空中戦能力を誇る<ref name="rotb2-74" />。フライト・ユニット中央上部には兵員輸送用のコンテナをもつ。
『[[機動戦士Ζガンダム]]』にも登場が予定されていたが見送られ、替わりに[[ペズン計画#アクト・ザク|アクト・ザク]]が登場している。
 
グフ・カスタムとの共通点も多く<ref name="rotb2-74" />、右腕にワイヤー式のヒート・ロッドを内蔵、左手は通常の[[マニピュレーター]]で、外付けの3連装ガトリング砲を装備する。また、ヒート・サーベルやシールドのほか、ザク・マシンガンやザク・バズーカ、ジャイアント・バズも携行する。
なお、ゲーム『[[SDガンダム GGENERATION]]』シリーズでは、宇宙適正の高いMSとして設定されている。
 
南洋同盟の支配地域へ進軍する[[地球連邦軍の艦船およびその他の兵器#ペガサス級強襲揚陸艦|ペガサス級強襲揚陸艦]][[地球連邦軍の艦船およびその他の兵器#スパルタン|「スパルタン」]]に対し、本機12機がド・ダイとの連携攻撃をかける。[[機動戦士ガンダム サンダーボルト#チャウ・ミン|チャウ・ミン]]の搭乗機がスパルタンに取り付き、コンテナに乗せた決死隊を侵入させたのちに撤退するが、同機以外は全滅する。
<br style="clear:both;"/>
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外伝「砂鼠ショーン」では、一年戦争後に傭兵となった[[機動戦士ガンダム サンダーボルト#ショーン・ミタデラ|ショーン・ミタデラ]]の搭乗機「グフ・ショーン・カスタム」が登場する<ref>{{Cite news|url=https://www.gundam.info/news/publications/news_publications_20190930_28.html|title=砂鼠ショーンが超絶カラーで一挙掲載!「機動戦士ガンダム サンダーボルト 外伝」第3巻、本日発売!|newspaper=GUNDAM.INFO|publisher=サンライズ|date=2019-09-30|accessdate=2021-03-27}}</ref>。上記の機体とほぼ同じ仕様であるが、コンテナは装備されていない。肩アーマーのスパイクもないが、ヒート・ロッドの電撃使用時にはスパイクのあった箇所から円筒形のユニットが突出し、ガンタンク2機を一度に破壊するほどの電流を放っている。
== RFグフ ==
 
OVA版では膝下の形状など、原典に寄せたデザインアレンジが施されている{{R|gundam-tb}}。
 
== 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるグフ ==
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、[[ランバ・ラル]]機は、ヒート・ロッドを収納する右腕が太く丸い形状になり、バルカン砲を装備している左腕は角ばった形状になるなど、アニメ版以上に左右非対称が強調された腕部に変更されている。武装に関してはヒート・ロッドの先端に展開式のアンカーロックが付けられ、左胸に三門の小型バルカン砲(本編未使用)を装備している以外は基本性能は同じである。その他に形状記憶型(ビーム)サーベルを多用し、[[ガンタンク]]を一刀で切り裂くなど接近戦において高い性能を発揮している。「オデッサ編」では、マ・クベのギャンに率いられ集団で登場した。その中の大半が角の付いていないタイプだったが、性能的に差があるのかどうかは不明。なお、実剣タイプのサーベルを装備していた。
 
=== プロトタイプグフ 機動実証機 ===
{{機動兵器
|名称=RFプロトタイプグフ 機動実証機<br />RFPROTOTYPE GOUF (MOBILITY DEMONSTRATOR)
|型式番号=OMSYMS-07RF07A-0
|所属=ールズモビルン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=量産機
|生産形態=試作機
|全高=18.7m
|全高=
|重量=26.3t
|武装=マシンガン<br />[[ヒート・ホーク]]<br />シールド
|全備重量=65.2t
|出力=2,750kw
|推力=64,800kg
|センサー=
|装甲=
|武装=5連装フィンガーバルカン<br/>ヒート・ロッド<br/>ビームライフル<br/>ビーム・ソード<br/>ビーム・ランチャー
|搭乗者=
}}
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版MSVである[[メカニックデザイン]]企画『[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN#THE ORIGIN MSD|機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery]]』 (MSD) 用に、一部設定の追加・改変が行われた機体。メカニックデザインは[[カトキハジメ]]。
オールズモビルが開発した、宇宙世紀0120年代の技術でリファインされたグフ。
 
駆動部・動力系のテストのために試作された機体。両腕がザクIIと同型の[[マニピュレーター]]になっており、独自形状のマシンガンと、[[ヒート・ホーク]]を収納したシールドを装備する<ref>『月刊ガンダムエース』2015年8月号、角川書店、21頁。</ref>。ダーク・コロニーでの試験後、重力下での最終試験のために地球に降ろされた<ref name="hgto4">プラモデル『HG GUNDAM THE ORIGIN プロトタイプグフ 戦術実証機』バンダイ、2015年9月、取扱説明書。</ref>。
ヒートロッドの先端にビームを発生させることもできるとされている。小型機である[[ガンダムF90 (架空の兵器)|ガンダムF90]]に比べると大型だった。
 
カラーリングはMSV版と同様のカーキ系のサンドカラータイプと、青・白に塗り分けられた機体の2種類が存在する。前者に関しては、デザインも塗装もMSV版とほぼ同様の外見となっている。
ゲーム『[[機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122]]』に登場。
 
; 名称の変遷
<br style="clear:both;"/>
: 2015年5月に開催された第54回静岡ホビーショーでは「YMS-07」として発表された。『月刊[[ガンダムエース]]』2015年8月号掲載時にYMS-07A-0という型番と「プロトタイプグフ '''稼働'''実証機」という名称が発表された。その後、gundaminfoやプレミアムバンダイでのプラモデルの記事、および2015年9月に発売された『HG GUNDAM THE ORIGIN プロトタイプグフ 戦術実証機』の解説文では「'''機動'''実証機」となっている。
[[#toc|目次へ移動する]]
{{clear}}
 
=== プロトタイプグフ 戦術実証機 ===
{{機動兵器
|名称=プロトタイプグフ 戦術実証機<br />PROTOTYPE GOUF (TACTICAL DEMONSTRATOR)
|型式番号=YMS-07B-0
|所属=ジオン公国軍
|開発=ジオニック社
|生産形態=試作機
|全高=18.3m
|武装=三連装マシンガン<br />試作型ヒート・ロッド<BR />[[ヒート・ホーク]]<br />シールド
|搭乗者=[[ランバ・ラル]](推測)
}}
『MSD』に登場。『MSV』にて文字設定のみ存在していた3号機以降の機体と考えられている<ref>『月刊ガンダムエース』2015年8月号、角川書店、19頁。</ref>。
 
機動実証機のテストと並行して行われていた「試作型ヒート・ロッド」と、「フィンガーバルカン」の試作型にあたる「三連装マシンガン」を装備した試験機。カラーリングは青と紺で、頭部アンテナや肩部スパイクなどに白いラインが入っている。完成機では右腕に[[マニピュレーター]]とヒート・ロッドを両方搭載しているが、本機の場合はマニピュレーターがなく、腕部先端がヒート・ロッドの射出口となっている。左腕のマシンガンも完成機は五連装であるが、本機は親指部分がセンサーとなった三連装式を採用しており、関節がなく指を伸ばしたままの形状となっている。前腕部は「モビルワーカー MW-01 01式後期型」と同規格のアタッチメント式になっており、通常のマニピュレーターに換装することも可能である<ref>『月刊ガンダムエース』2015年8月号、角川書店、20頁。</ref>。
 
[[ランバ・ラル]]がテストパイロットだったとされているが、その理由はラルが搭乗していたMW-01後期型の青い塗装と識別番号「31」が戦術実証機と同一であることと、ジオニック社でグフの開発を行っていた技師の証言からである。その説によると、ラルは[[ガンタンク#ガンタンク初期型|ガンタンク初期型]]と模擬戦を行い、ヒート・ロッドで行動不能にしたという<ref name="hgto4"/>。
{{clear}}
 
== グフの日 ==
現実世界では2016年以降、'''9月2日'''が9(グ)2(フ)の語呂合わせで'''グフの日'''とも称されている<ref>{{Cite news|url=https://hobby.dengeki.com/news/255282/|title=【9月2日はグフの日!】ザクとは違うのだよ!ザクとは!|newspaper=電撃ホビーウェブ|publisher=KADOKAWA|date=2016-09-02|accessdate=2023-09-25}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://hobby.dengeki.com/news/1064723/|title=9月2日は「グフの日」!ガンプラ「HG グフ・フライトタイプ(21stCENTURY REAL TYPE Ver.)」、「機動戦士ガンダム カレンダー 2021年」などの話題を振り返り!|newspaper=電撃ホビーウェブ|publisher=KADOKAWA|date=2020-09-02|accessdate=2023-09-25}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://mantan-web.jp/article/20220902dog00m200003000c.html|title=ガンダム:9月2日は“グフの日” グフ、グフカスタムのアパレル、雑貨続々|newspaper=MANTANWEB|publisher=MANTAN|date=2022-09-02|accessdate=2023-09-25}}</ref>。
 
== 脚注 ==
{{Reflist脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|22em}}
 
== 参考文献 ==
* 書籍
** {{Cite book|和書 |date=1979-05-01 |title=機動戦士ガンダム・記録全集2 |publisher=日本サンライズ |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|記録全集2|1979}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1980-08-16 |title=機動戦士ガンダム・記録全集4 |publisher=日本サンライズ |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|記録全集4|1980}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1980-10-24 |title=機動戦士ガンダム・記録全集5 |publisher=日本サンライズ |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|記録全集5|1980}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-03-30 |title=ファンタスティックコレクション・スペシャル 機動戦士ガンダム・マニュアル |publisher=朝日ソノラマ |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ガンダムマニュアル|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-04-20 |title=講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集 機動戦士ガンダム |publisher=講談社 isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ロボット大全集|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1982-01-02 |title=講談社のポケットカード8 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション |publisher=講談社 |isbn=4-06-172378-2 |ref={{SfnRef|ポケットカード8|1982}} }}
** {{Cite book|和書|date =1982 |title=機動戦士ガンダム メカ大百科 |publisher=勁文社 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|メカ大百科|1982}}}}
** {{Cite book|和書 |date=1984-02-25 |title=講談社のポケットカード9 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーションコレクション |publisher=講談社 |isbn=4-06-172379-0 |ref={{SfnRef|ポケットカードMSV|1984}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1984-04-30 |title=講談社ポケット百科シリーズ33 機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション2 ジオン軍MS・MA編 |publisher=講談社 |isbn=4-06-107783-X |ref={{SfnRef|MSVジオン軍編|1984}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-02-20 |title=ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 1年戦争編】 |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-006-1 |ref={{SfnRef|EB一年戦争編|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-06-01 |title=ガシャポン戦士新型シールアルバム |publisher=バンダイ |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ガシャポン戦士アルバム|1989}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1997-03-01 |title=機動戦士ガンダムRPG |publisher=ホビージャパン |isbn=4-89425-151-5 |ref={{SfnRef|ガンダムRPG|1997}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-05-15 |title=ガンダムメカニクス1 |publisher=ホビージャパン |isbn=4-89425-178-7 |ref={{SfnRef|ガンダムメカニクス1|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-05-25 |title=Dセレクション 機動戦士ガンダム MS大全集98 |publisher=メディアワークス |isbn=4-07-308519-0 |ref={{SfnRef|MS大全集98|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-06-15 |title=データコレクション9 機動戦士ガンダム 一年戦争外伝2 |publisher=メディアワークス |isbn=4-8402-1220-1 |ref={{SfnRef|DC一年戦争外伝2|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1998-12-01 |title=ガンダムメカニクス2 |publisher=ホビージャパン |isbn=4-89425-188-4 |ref={{SfnRef|ガンダムメカニクス2|1998}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-04-14 |title=ガンプラ・ジェネレーション |publisher=講談社 |isbn=4-06-330074-9 |ref={{SfnRef|ガンプラジェネレーション|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-06-26 |title=機動戦士ガンダム エピソードガイド vol.1 一年戦争編(前) |publisher=角川書店 |isbn=4-04-853068-2 |ref={{SfnRef|エピソードガイド1|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2000-06-21 |title=機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[地球編] |publisher=講談社 |isbn=978-4063465518 |ref={{SfnRef|MSVコレクション地球編|2000}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2000-09-11 |title=SDガンダム GGENERATION-F データブック2 MSコレクション |publisher=ソニー・マガジンズ |isbn=4-7897-1604-X |ref={{SfnRef|GジェネFデータブック2|2000}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2003-04-10 |title=Dセレクション 機動戦士ガンダム MS大全集2003 |publisher=メディアワークス |isbn=4-8402-2339-4 |ref={{SfnRef|MS大全集2003|2003}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2003-09-30 |title=カトキハジメ デザインズ&プロダクツ アプルーブドガンダム |publisher=角川書店 |isbn=978-4-04-853674-5 |ref={{SfnRef|アプルーブドガンダム|2003}} }}
* {{Cite book|和書 |date=2005-03-20 |title=宇宙世紀ボックス 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.11【一年戦争外伝】 |publisher=メディアワークス |isbn=4-8402-2944-9 |ref={{SfnRef|宇宙世紀ボックス一年戦争外伝|2005}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2007-02-02 |title=ガンダム解体新書 一年戦争編 |publisher=講談社 |isbn=978-4-06-364683-2 |ref={{SfnRef|解体新書|2007}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2008-05-27 |title=機動戦士ガンダムの常識 一年戦争編 |publisher=双葉社 |isbn=978-4-575-30034-5 |ref={{SfnRef|ガンダムの常識|2008}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2012-12-25 |title=機動戦士ガンダムMS大全集2013[+原画設定集] |publisher=アスキー・メディアワークス |isbn=978-4-04-891215-0 |ref={{SfnRef|MS大全集2013|2012}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2013-02-26 |title=機動戦士ガンダム MSV-R ザク編 |publisher=KADOKAWA |isbn=978-4-04-120592-1 |ref={{SfnRef|MSV-Rザク編|2013}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2018-02-26 |title=大河原邦男画集 機動戦士ガンダム MSVスタンダード |publisher=KADOKAWA |isbn=978-4-04-106701-7 |ref={{SfnRef|MSVスタンダード|2018}} }}
* ムック
** {{Cite book|和書 |date=1981-03-01 |title=機動戦士ガンダム大事典(アニメック第19号) |publisher=ラポート |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|ガンダム大事典|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-06-30 |title=テレビマガジンデラックス5 機動戦士ガンダム TV版ストーリーブック2 |publisher=講談社 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|TV版ストーリーブック2|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1981-09-22 |title=月刊OUT9月号増刊 宇宙翔ける戦士達 GUNDAM CENTURY |publisher=みのり書房 |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|センチュリー|1981}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1983-03-30 |title=模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック1 |publisher=バンダイ |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|MSVハンドブック1|1983}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1988-05-01 |title=月刊タクテクス5月号別冊 Perfect Manual Series 1 GUNDAM GAMES |publisher=ホビージャパン |isbn=<!--なし--> |ref={{SfnRef|GUNDAM GAMES|1988}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1988-02-10 |title=B-CLUB SPECIAL15 機動戦士ガンダム MS大全集 |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-336-2 |ref={{SfnRef|MS大全集|1988}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1989-11-20 |title=B-CLUB SPECIAL 大河原邦男アイアンワークス |publisher=バンダイ |isbn=4-89189-462-8 |ref={{SfnRef|アイアンワークス|1989}} }}
* 分冊百科
** {{Cite book|和書 |date=2005-10-25 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=デアゴスティーニ |issue=第56号 |ref={{SfnRef|ファクトファイル56|2005}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2005-11-29 |title=週刊ガンダム・ファクトファイル |publisher=デアゴスティーニ |issue=第61号 |ref={{SfnRef|ファクトファイル61|2005}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2011-11-01 |title=週刊ガンダム・パーフェクトファイル |publisher=デアゴスティーニ |issue=第4号 |ref={{SfnRef|パーフェクトファイル4|2011}} }}
** {{Cite book|和書 |date=2012-01-10 |title=週刊ガンダム・パーフェクトファイル |publisher=デアゴスティーニ |issue=第14号 |ref={{SfnRef|パーフェクトファイル14|2012}} }}
* 雑誌
** {{Cite journal|和書 |journal=コミックボンボン |issue=1983年6月号 |publisher=講談社 |ref={{SfnRef|ボンボン06|1983}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=電撃ホビーマガジン |issue=1999年6月号 |publisher=メディアワークス |ref={{SfnRef|電撃ホビー06|1999}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=ガンダムエース |issue=2012年6月号 |publisher=角川書店 |ref={{SfnRef|ガンダムエース1206|2012}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=ガンダムエース |issue=2013年1月号 |publisher=角川書店 |ref={{SfnRef|ガンダムエース1301|2013}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=ガンダムエース |issue=2021年7月号 |publisher=KADOKAWA |ref={{SfnRef|ガンダムエース2107|2021}} }}
** {{Cite journal|和書 |journal=ガンダムエース |issue=2024年7月号 |publisher=KADOKAWA |ref={{SfnRef|ガンダムエース07|2024}} }}
* 雑誌付録
** {{Cite journal|和書 |title=機動戦士ガンダム大事典 上巻 |journal=テレビマガジン |issue=1982年2月号 |publisher=講談社 |ref={{SfnRef|テレマガ8202付録|1982}} }}
* 漫画・フィルムコミック
** {{Cite book|和書 |date=1999-01-20 |title=NEO COMICS 機動戦士ガンダム 第08MS小隊フィルムコミック10 震える山(前編) |isbn=4-88641-363-3 |ref={{SfnRef|08小隊フィルムコミック10|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |date=1999-09-09 |title=旭屋出版コミックス 「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」映画「ミラーズ・リポート」フィルムコミック& OVAシリーズ・ストーリーブック |isbn=4-7511-0176-5 |ref={{SfnRef|08小隊映画フィルムコミック|1999}} }}
** {{Cite book|和書 |author=兼房光 |date=2015-02-26 |title=機動戦士ガンダム MSV-R アクショングラフィック編 |publisher=KADOKAWA |volume=第2巻 |isbn=978-4-04-102796-7 |ref={{SfnRef|MSV-R AG編2|2015}} }}
* プラモデル付属説明書
** {{Citation|和書 |date=1983-07 |title=1/144 MS-07H グフ飛行試験型 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|1/144グフ飛行試験型|1983}} }}
** {{Citation|和書 |date=1988-10 |title=1/144 フルカラーモデル MS-07B グフ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|FCMグフ|1988}} }}
** {{Citation|和書 |date=1998-06 |title=HG 1/144 MS-07B3 グフカスタム |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGグフカスタム|1998}} }}
** {{Citation|和書 |date=1998-07 |title=HG 1/144 MS-07H8 グフフライトタイプ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGグフフライトタイプ|1998}} }}
** {{Citation|和書 |date=2000-04 |title=[[ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー|HGUC]] 1/144 MS-07B グフ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCグフ|2000}} }}
** {{Citation|和書 |date=2000-10 |title=[[マスターグレード|MG]] 1/100 MS-07B グフ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MGグフ|2000}} }}
** {{Citation|和書 |date=2001-02 |title=MG 1/100 MS-07B-3 グフカスタム |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MGグフカスタム|2001}} }}
** {{Citation|和書 |date=2009-05 |title=MG 1/100 MS-07B グフ Ver.2.0 |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|MGグフVer2|2009}} }}
** {{Citation|和書 |date=2010-11 |title=HGUC 1/144 MS-07B-3 グフカスタム |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCグフカスタム|2010}} }}
** {{Citation|和書 |date=2016-04 |title=HGUC 1/144 MS-07B グフ (Revive) |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|HGUCグフRevive|2016}} }}
* 菓子付属ミニプラモデル
** {{Cite journal|和書 |date=1984 |title=ヨーロッパ戦線用グフ |journal=森永チョコスナック 機動戦士ガンダム |publisher=森永製菓 |ref={{SfnRef|チョコスナックおまけ|1984}} }}
* アクションフィギュア付属パッケージ
** {{Citation|和書 |date=2017-02 |title=[[ROBOT魂]]〈SIDE MS〉MS-07C-5 グフ試作実験機 ver. A.N.I.M.E. |publisher=プレミアムバンダイ |ref={{SfnRef|ROBOT魂グフ試作実験機|2017}} }}
* トレーディングカード
** {{Cite journal|和書 |date=2012-05-19 |title=PR-105 ユニコーンガンダム(デストロイモード) |journal=ガンダムトライエイジ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|トライエイジPR-105|2012}} }}
** {{Cite journal|和書 |date=2013-03-02 |title=ZPR-025 バンシィ・ノルン(ユニコーンモード) |journal=ガンダムトライエイジ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|トライエイジZPR-025|2013}} }}
** {{Cite journal|和書 |date=2014-06-05 |title=BPR-044 ユニコーンガンダム(覚醒) |journal=ガンダムトライエイジ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|トライエイジBPR-044|2014}} }}
** {{Cite journal|和書 |date=2018-11-29 |title=OPR-037 ナラティブガンダム(A装備) |journal=ガンダムトライエイジ |publisher=バンダイ |ref={{SfnRef|トライエイジOPR-037|2018}} }}
* ウェブサイト
** {{Cite web |url=http://www.08ms-team.net/ms/zeon.html |title=ジオン軍 __ Mobile Suit __ 機動戦士ガンダム 第08MS小隊.html |website=機動戦士ガンダム 第08MS小隊 公式サイト |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|08小隊公式サイト|2023}} }}
** {{Cite web |url=http://www.08ms-team.net/ms/zeon.html |title=ジオン軍 __ Mobile Suit __ 機動戦士ガンダム 第08MS小隊.html |website=機動戦士ガンダム 第08MS小隊 公式サイト |archiveurl=https://web.archive.org/web/20190619231722/http://www.08ms-team.net:80/ms/zeon.html |archivedate=2019-06-19 |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|08小隊公式サイト2019-06-19|2023}} }}
** {{Cite web |url=http://www.08ms-team.net/ms/zeon.html |title=ジオン軍 __ Mobile Suit __ 機動戦士ガンダム 第08MS小隊.html |website=機動戦士ガンダム 第08MS小隊 公式サイト |archiveurl=https://web.archive.org/web/20190721103614/http://www.08ms-team.net:80/ms/zeon.html |archivedate=2019-07-21 |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|08小隊公式サイト2019-07-21|2019}} }}
** {{Cite web |author=五十嵐浩司 |url=http://www.gundam.info/content/12 |title=ビブリオグラフィー・イン・チルドレン 第1回 朝日ソノラマ編 |website=GUNDAM.INFO |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|GUNDAM.INFO0719|2023}} }}
** {{Cite web |url=https://bo.ggame.jp/about/ms_list.php?ms=66&side=zeon |title=機動戦士ガンダム バトルオペレーション _ バンダイナムコエンターテインメント公式サイト.html |archiveurl=https://web.archive.org/web/20220305003814/https://bo.ggame.jp/about/ms_list.php?ms=66&side=zeon#msDetail |archivedate=2022-03-05 |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|バトオペ公式サイトグフ(VD)|2022}} }}
** {{Cite web |url=https://bo2.ggame.jp/jp/ms_stage/ms_detail.php?ms=r7ydwivj |title=MS_ステージ _ 【PS5_PS4】機動戦士ガンダム バトルオペレーション2 _ バンダイナムコエンターテインメント公式サイト.html |website=機動戦士ガンダム バトルオペレーション2|バンダイナムコエンターテインメント公式サイト |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|バトオペ2公式サイトグフ(VD)|2023}} }}
** {{Cite web |url=https://gundam-uce.ggame.jp/mobile-suit/ |title=MOBILE SUIT|機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE 公式サイト.html |website=機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE 公式サイト |publisher=創通・サンライズ |accessdate=2023-07-28 |ref={{SfnRef|UC ENGAGE公式サイトMS|2023}} }}
 
== 関連項目 ==
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