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{{Otheruses|エスティマ|派生車種のエスティマエミーナ/エスティマルシーダ|トヨタ・エスティマエミーナ}}
{{Infobox_自動車基本情報
| ロゴ=
| 画像=2016 Toyota Estima.jpg
| 画像説明=
| 車名=トヨタ・エスティマ
| 販売期間=[[1990年]] - [[2020年]]
| 製造国={{JPN}}
| ボディタイプ=4/5ドア[[ミニバン]]
| 駆動方式=
| 先代=
| 後継=[[トヨタ・アルファード|アルファード]]/[[トヨタ・ヴェルファイア|ヴェルファイア]]、および[[トヨタ・ノア|ノア]]/[[トヨタ・ヴォクシー|ヴォクシー]]/[[トヨタ・エスクァイア|エスクァイア]]に統合
| 別名=トヨタ・プレビア
}}
'''エスティマ'''(ESTIMA)は、[[トヨタ自動車]]が[[1990年]]から[[2019年]]まで生産し、[[2020年]]まで販売していた大型[[ミニバン]]である。
初代は、トヨタ自ら「'''天才タマゴ'''」というキャッチコピーを用い、印象的な丸みを帯びた外観を強調するプロモーションを行った。
{{-}}
== 初代(1990年-2000年)TCR10/11W/TCR20/21W型 ==
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 車名=トヨタ・エスティマ(初代)
| 車名補=
| 1枚目画像の説明=前期型(1990年5月 - 1994年7月)
| 1枚目画像名=1990 Toyota Estima 01.jpg
| 2枚目画像の説明=中期型(1994年8月 - 1997年12月)
| 2枚目画像名=Toyota estima tcr11w g 1 f.jpg
| 3枚目画像の説明=後期型(1998年1月 -
| 3枚目画像名=
| 販売期間=1990年5月 -
| 設計統括=植田豊
| デザイン=[[CALTY]]
| ボディタイプ=
| エンジン=[[トヨタ・TZエンジン#2TZ-FE|2TZ-FE型]] 2.4
| トランスミッション=コラム4速[[オートマチックトランスミッション|AT]]/フロア5速[[マニュアルトランスミッション|MT]]<ref group="注釈" name="TM">MTは海外仕様版のみで、日本国内は全てATのみの設定</ref>
| サスペンション=前:<br />後:
|
| 全長=4,
| 全幅=1,
| 全高=1,780 - 1,
| ホイールベース=2,
| 車両重量=1,680 - 1,
| 乗車定員=7
| 自由項目1(項目名)=別名
| 自由項目1(内容)=
| 自由項目2(項目名)= 販売終了前月までの新車登録台数の累計
| 自由項目2(内容)= 16万5977台<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第64号11ページより。</ref>
| 先代=[[トヨタ・マスターエース]](エミーナ)
| 後継=エスティマT(エミーナ)<br/>エスティマL(ルシーダ)
|製造国={{JPN}}([[愛知県]][[刈谷市]])|別名=欧州 : トヨタ・プレビア<br />オーストラリア:トヨタ・タラゴ(''TARAGO'')|サス前=[[ストラット式サスペンション|ストラット式]]|サス後=[[ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーン式]](TCR11/21W)<br/>[[リンク式サスペンション|4リンク式]](TCR10/20W)}}
{{Anchors|初代(1990年 - 2000年)}}[[1989年]]に[[幕張メッセ]]で初開催された第28回[[東京モーターショー]]にコンセプトモデルとして出展。「動くカットモデル」の展示は大きな話題となった。それから約半年後の[[1990年]][[5月12日]]に市販化され、[[卵]]をイメージさせる未来的なスタイルで「高性能ニューコンセプトサルーン」として注目を集めた。従来のワンボックスカーでは前輪前・運転席下に位置しているエンジンを、横に75°寝かせることにより平床化に成功、前輪も運転席の前方に置くことにより、当時は世界でも類を見ないアンダーフロア型[[ミッドシップ]]レイアウトが採用され、「ミッドシップは室内が狭く実用性に欠ける」<ref group="注釈">ただし、室内空間と引き換えに、点検整備の際は前席シートを外す必要があるという欠点が残ったため、交換する部品によってはエンジンやミッションを降ろす手間がかかる仕様であった。</ref>という常識を覆した。
元々のコンセプトは、当時トヨタが開発中であった[[2ストローク機関|2ストローク]]「S2」エンジンを搭載した新時代の
商用グレードを用意しない独立モデルであり、サスペンション
驚きを持って迎えられたエスティマではあったが、横幅が[[日本のナンバープレート|5ナンバー]](小型乗用車)サイズに収まるキャブオーバー型ミニバンが主流
[[1993年]]2月、廉価グレードとして「X」を追加。トップグレードの「エスティマ」
[[1993年]]に公開された、[[アーノルド・シュワルツェネッガー]]主演映画の『[[ラスト・アクション・ヒーロー]]』にギャングの愛車としてカーチェイスに登場する。
[[1994年]]8月、かねてからのパワー不足の解消のため、「エスティマ」に[[スーパーチャージャー]]搭載モデル(2TZ-FZE型、160馬力)が追加された。
[[1996年]]8月にグレード体系を刷新し、それまでの2グレード体制から、上から「G」「V」「X」となる。「V」は「X」のスーパーチャージャー付きモデルとして設定され、「G」は「エスティマ」と同様のものである。また、運転席・助手席SRSエアバッグ・ABSを全車に標準装備された。
[[1998年]]1月、マイナーチェンジを行い外装デザインを一新。また、新たにエアロパーツを装着したグレード「アエラス」を設定。全グレードでスーパーチャージャー付きとなった。しかし、1994年に登場し大ヒットを記録していた[[ホンダ・オデッセイ]]の台頭により、低下した売り上げの回復には至らなかった<ref group="注釈">オデッセイは高さ以外はエスティマとほぼ同じ大きさである。</ref>。この頃から街中の燃費は従来通りだが、高速走行などでは燃費の向上が図られており、10年排気ガス規制に伴って排ガス記号もE-からGF-に切り替わっている。
実際の販売状況は、エンジンルームの狭さゆえにエンジンの大型化に対応できず、オデッセイや[[日産・エルグランド]]をはじめとするライバルがV型6気筒の3.0 Lや3.5 Lへと移行する中で苦戦を強いられた。そもそも「コンパクトな2ストロークエンジンを搭載した新時代のMPV」というコンセプトの肝であるエンジンが完成しなかったために、エスティマは非常に不幸なモデルライフを送ることとなった。販売台数を稼いだエミーナ/ルシーダでは前席足元空間が狭く、その乗り味も本来の親エスティマが持っていた大らかな乗り味ではなく、開発陣が目指していたものとは違う方向となり、戦略の転換を余儀なくされた。
2代目、3代目にモデルチェンジされて以降も、その際立ったスタイルからカスタムカーのベースとなることが多い。特に[[トヨタ・セルシオ|セルシオ]] (2代目後期)のフロントを移植可能にした社外品が販売され、この顔面スワップを行った車両は通称「セルティマ」と呼ばれ、他にも多数のメーカーが同車用のエアロパーツやアフターパーツを販売するなどしたことも、カスタムベースとしての人気を博した要因と言える。さらにバランスのよいハンドリング、MRであるがゆえの安定性から一部の愛好家にはこの車を何台も乗り継ぐという例も多かった。
[[1999年]]12月<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.carsensor.net/catalog/toyota/estima/F001/|title=エスティマ(トヨタ)1990年5月~1999年12月生産モデルのカタログ|中古車ならカーセンサーnet|publisher=リクルート株式会社|accessdate=2020-12-01|date=2020-12-01}}</ref>、生産終了。在庫対応分のみの対応となる。
[[2000年]]1月、2代目と入れ替わる形で販売終了。北米での販売はこの代限りとなり、以降は[[トヨタ・カムリ|カムリ]]をベースとした大型ミニバンの'''[[トヨタ・シエナ|シエナ]]'''に移行した。
<gallery>
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{{-}}
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 車名=トヨタ・エスティマ(2代目)
| 車名補= ACR30W / ACR40W / MCR30W /<br />MCR40W / AHR10W型
| 1枚目画像の説明=前期型(2000年1月 - 2003年
| 1枚目画像名=Toyota Estima L X-Limited.jpg
| 2枚目画像の説明=前期型 リア(写真はエスティマL)
| 2枚目画像名=Toyota Estima L X-Limited rear.jpg
| 3枚目画像の説明=後期型(2003年
| 3枚目画像名=2003 Toyota Estima 01.jpg
| 販売期間=2000年1月 -
| 設計統括=奥田孝志
| 乗車定員=5/7/8人
| ボディタイプ=5ドアミニバン
| エンジン=[[トヨタ・AZエンジン#2AZ-FE|2AZ-FE型]]2.4
| トランスミッション=標準車: コラム4速AT/フロア5速MT<ref group="注釈" name="TM" /><br />ハイブリッド: [[無段変速機|CVT]](コラムシフト)
| 駆動方式=FF/4WD
| 全長=4,750 - 4,795mm
| 全幅=1,790mm
| 全高=1,770 - 1,785mm
| ホイールベース=2,900mm
| 車両重量=1,600 - 1,880kg
| プラットフォーム=[[トヨタ・Kプラットフォーム]]
| 自由項目1(項目名)=先代
| 自由項目1(内容)= エミーナ(T)<br/>ルシーダ(L)
| 自由項目2(項目名)= 販売終了前月までの新車登録台数の累計
| 自由項目2(内容)= 50万2880台<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第43号15ページより。</ref>
|製造国={{JPN}}([[愛知県]][[刈谷市]]、[[愛知県]][[豊田市]])
|別名=オーストラリア:トヨタ・タラゴ(''TARAGO'')|サス前=ストラット式|サス後=[[トーションビーム式サスペンション|トーションビーム式]]}}
{{Anchors|2代目(2000年 - 2006年)}}2代目は[[2000年]][[1月11日]]に発売された。目標月間販売台数はTとL合わせて6,000台。エミーナ/ルシーダは統合され廃止。後にヨーロッパ市場向け(プレビア)とオセアニア向け(プレヴィアもしくはタラゴ)も発売された。
卵型の丸みを帯びた車体を踏襲しつつも、ミッドシップエンジンを改め[[トヨタ・カムリ|カムリ]]をベースとしたFF([[前輪駆動]])に変更となり、更に乗用車のイメージが強くなった。駆動方式をFFに変えたため、エンジンの大型化が可能となり、エンジンラインナップはV型6気筒2,994ccが先に登場し、2ヶ月遅れで加わった直列4気筒2,362ccの2本立てとなる。[[2001年]]6月には[[ハイブリッドカー|ハイブリッドモデル]]が追加された。
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車体寸法は初代とほぼ同一であったが、駆動方式の変更による低床化により着座位置を下げヘッドクリアランスに余裕を持たせるなど室内スペース減少は最低限に抑えたと共に居住性を向上。また、このモデルより[[スライドドア|両側スライドドア]]、[[センターメーター]]を採用。スライドドアに関しては、一部グレードで電動化された。
初代
[[トヨタモデリスタインターナショナル]]が制作する[[特装車]]として、本来7-8人乗車であるエスティマを4人乗りに変更し、木目調カウンターや各種AV機器を装備、冷蔵庫やテーブル、[[ファクシミリ]]台等を装備した「'''エスティマ・モバイルオフィス'''」という名の[[社用車|商用]]モデルも発売されている。後にハイブリッドモデルも発売されたが、価格は700万円と高価であった。
取扱いは「エスティマT」がトヨタ店、「エスティマL」がトヨタカローラ店、「エスティマ・ハイブリッド」は両店での扱い。TとLの外観上の違いは、前期型はリアウインカーレンズ
[[タクシー]]にも用いられ、保安基準の都合上キャプテンシートの設定があるGグレードが多く、Xグレードの3列目シートを撤去し5人乗りとして使用する例もある。
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</gallery>
{{multiple image
| align = right | direction = vertical | width = 220
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| footer = エスティマハイブリッド(初代)
}}
エスティマハイブリッドは、
エスティマハイブリッドに搭載されているハイブリッドシステム'''[[
後輪への動力伝達には[[プロペラシャフト]]を用いず、ジェネレータを兼ねる
[[ブレーキ]]システムは、旋回時の横滑りを抑える[[横滑り防止装置|VSC]]、発進時などのタイヤの空転を抑える[[トラクションコントロールシステム|TRC]]、ブレーキ時の[[タイヤ]]のロックを抑える[[アンチロック・ブレーキ・システム|ABS]]、[[急ブレーキ]]などの際にブレーキ量を上げるブレーキアシストを統合制御する'''ECB'''(''Electronically Controlled Brake system''、電子制御ブレーキシステム)により四輪を独立して制御、油圧ブレーキと[[回生ブレーキ]]の比率を適切にコントロールして運動エネルギーの回収能力を上げているほか、各機構を統合制御により、従来の機構では車両の安定性が限界に来る直前に制御を始めるものを、車両がより安定しているうちから制御を始める
運転制御については、停車時にはエンジンを停止してガソリンの消費を抑え、発進時はバッテリ残容量が少ない時などを除いてモータのみで発進、全開加速など必要に応じて後輪も駆動させる。通常走行時はエンジンのみで走行する他、高負荷時はエンジンをモータがアシストする。バッテリ残容量減少時にはエンジン動力を走行とジェネレータの駆動に二分し、走行しながら充電することも可能である。また、上記のスタータージェネレータを併用することでさらに充電量を増やすことも可能である。エスティマハイブリッドはプリウスと比べモータよりもエンジンがメインとなっている。
減速時には前後のモーターを使った回生ブレーキにより[[運動エネルギー]]を電気エネルギーに変
グレード構成は、THS-C、E-Four、ECBなど装備する標準グレードと、標準グレードの装備の他にディスチャージヘッドライトや[[アルミホイール]]、クルーズコントロールを装備するGエディション、それぞれ
外装はプロジェクタータイプの[[前照灯|ヘッドライト]]を搭載するなど主に前後の灯火類、フロントバンパーやグリルが変更され、THS-Cを搭載しない通常のエスティマと差別化がされている。
2003年7月に行われたマイナーチェンジではTHS-Cを改良して10・15モード燃費を向上させたほか、エアコンコンプレッサをエンジンが作動時にはエンジン出力で、エンジンが停止時には[[圧縮機|コンプレッサ]]に内蔵されたモータで駆動する世界初の「2Wayコンプレッサー」を採用し、[[エア・コンディショナー|エアコン]]使用時の燃費を向上させている。
ハイブリッド化の欠点として、バッテリーを三列目シート下部に設置する
プリウスやエスティマのガソリンエンジン車が、初代から現行モデルにおいて日本国外でも発売されているのに対し、エスティマハイブリッドは日本国内のみの展開となっている。
[[2005年]]12月<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.carsensor.net/catalog/toyota/estima/F002/|title=エスティマ(トヨタ)2000年1月~2005年12月生産モデルのカタログ|中古車ならカーセンサーnet|publisher=リクルート株式会社|accessdate=2020-12-01|date=2020-12-01}}</ref>に生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
[[2006年]]1月に3代目への移行に伴い販売終了。
;共通のプラットフォームを採用する車種
*[[トヨタ・カムリ]]
*[[トヨタ・アルファード]]
{{-}}
{{Infobox 自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 車名=トヨタ・エスティマ(3代目)
| 車名補= ACR5#W / GSR5#W / AHR20W型
| 1枚目画像の説明=
| 1枚目画像名=
| 2枚目画像の説明=2代目
| 2枚目画像名=
| 3枚目画像の説明=
| 3枚目画像名=
| 販売期間=2006年1月 - 2020年3月<br/>(2019年10月生産終了)
| 設計統括=奥田孝志
| ボディタイプ=5ドアミニバン
| エンジン=2AZ-FE型2.4
| モーター=前: 2JM型<br />後: 2FM型<br />([[交流電動機|交流同期電動機]])
| トランスミッション= [[無段変速機|CVT]](2.4
| 駆動方式=FF / 4WD
| 全長=4,795 - 4,820mm
| 全
| 全
| ホイールベース=2,950mm
| 車両重量=1,700 - 1,970kg
| 乗車定員=7 - 8人
| 自由項目1(項目名)=ハイブリッド方式
| 自由項目1(内容)=[[ハイブリッドカー|スプリット方式]](THS II)
| 自由項目2(項目名)= 2014年末での新車登録台数の累計
| 自由項目2(内容)= 46万3190台<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第68号15ページより。</ref>
| 先代=
| 後継=[[トヨタ・アルファード|アルファード]]/[[トヨタ・ヴェルファイア|ヴェルファイア]]、および[[トヨタ・ノア|ノア]]/[[トヨタ・ヴォクシー|ヴォクシー]]/[[トヨタ・エスクァイア|エスクァイア]]に統合
| プラットフォーム=[[トヨタ・MCプラットフォーム|新MCプラットフォーム]]
|製造国={{JPN}}([[愛知県]][[刈谷市]]、[[愛知県]][[豊田市]])
|別名=オーストラリア:トヨタ・タラゴ(''TARAGO'')|サス前=ストラット式|サス後=トーションビーム式}}
[[2005年]]の[[東京モーターショー]]にて[[コンセプトモデル]]が発表され、市販仕様はこのコンセプトモデルに準じたデザインで[[2006年]][[1月16日]]より市販された。追ってオセアニア向け(現地名:タラゴ)やアジア向け(現地名:プレヴィア)にも展開されたが、欧州向け販売は今回から中止された。また、北米での投入もされなかった。
先代のような販売店による区別(カローラ店ではエスティマ'''L'''、トヨタ店ではエスティマ'''T''')がなくなり、車名が「'''エスティマ'''」に統一されたが、車両型式の末尾に付される車種グレードごとの細分記号は販売店で異なる。価格は376万円(税込)からと一般的なミニバンより割高であるが、[[VDIM]]を標準装備するなど安全面も充実している。
エクステリアデザインは2代目の正常進化型ではあるが、ヘッドランプは涙目風のデザインを採用し、より精悍な印象となった。また、[[三角窓]]を継続して採用したほか、全てのピラーをブラックアウトし、ルーフが浮いているようなイメージの「フローティングルーフ」となっている。また、[[尾灯|リアランプユニット]](テールランプ/ブレーキランプ)には[[発光ダイオード|LED]]が採用され、また[[ドアミラー]]にもLED式の[[方向指示器]](ドアミラーウインカー)が装備された。
インテリアデザインは[[センターメーター]]こそ継承したものの、2代目とはうって変わり、直線基調で広がり感のあるデザインとなっている。また、[[シーケンシャルシフトマチック]]も搭載された。
エンジンは新開発した3,456 ccの[[トヨタ・GRエンジン#2GR-FE - 3.5リットル|2GR-FE]]型V型6気筒DOHC、およびモデルチェンジを機に170PS・22.8kgmとパワーアップした2,362cc直列4気筒を搭載する。2GR-FEは280PSを発揮し、国産ミニバンおよび[[前輪駆動]]車で初の280PSを達成<ref group="注釈">同年[[12月21日]]に発表された[[ホンダ・エリシオン|ホンダ・エリシオン プレステージ]]は同じ3,456cc V型6気筒ではあるが300PSを達成した。</ref>。またハイブリッドの燃費は20km/Lに向上した。
プラットフォームは、フロントがRAV4などに採用の'''新MCプラットフォーム'''を使用し、リアは専用設計である。なお、このプラットフォームは2代目[[トヨタ・アルファード|アルファード]]/初代[[トヨタ・ヴェルファイア|ヴェルファイア]]と共通である。
シートタイプはこれまで通り7人乗りと8人乗りが設定されるが、3列目シートは2代目の前後スライド+チップアップ式とは異なり、スライド機能を廃した床下収納式となっている。また、7人乗りならスーパーリラックスモードが使える。
トランスミッションは3.5
装備では[[G-BOOK|G-BOOK ALPHA]]対応のHDDナビゲーション、インテリジェントパーキングアシスト、プリクラッシュセーフティシステム、[[スマートエントリー]]&スタートシステムなどの先進設備を充実させている。なお、クラウンでも採用されたスマートキー機能付き腕時計
ハイブリッド用バッテリーの搭載位置は、前モデルでは3列目下部だったが、前席左右間のコンソールボックス下に移された。このため前席から2列目以降へのウォークスルーはできないが、シートアレンジ制限については改善された。またハイブリッドカー特有の大容量エネルギーを活かし、1列目の「ハイブリッドコンソールボックス」後面に最大1,500Wの電源供給を可能にするAC100Vアクセサリーコンセントが標準装備されていた。2011年3月11日に発生した[[東日本大震災]]では、災害時の緊急用電源として被災者の携帯電話の充電や湯沸かしなどに活躍した。これは当時ミニバンにおいては初代[[トヨタ・アルファード|アルファードハイブリッド]]を除けばエスティマハイブリッドのみの機能であったが、これを契機として各社で電源供給機能を備えた車種が次々と登場した。
[[ベネッセコーポレーション]]が保有する、同社の教材である「[[こどもちゃれんじ]]」のキャラクター、[[しまじろうシリーズの登場キャラクター|しまじろう]]を模した「'''426'''(=しまじろう)'''GT しまじろうカー'''」は当モデルのハイブリッドをベースとしているが、構造変更を申請し、公認車検を受けているため、市販モデルと同様に公道走行が可能になっている<ref group="注釈">ただし、尻尾や目など一部アイテムは走行時に外すことになる。</ref>。
[[青森県]]の知事及び第1副知事の各公用車として導入されている。
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[[2007年]][[4月25日]]独立行政法人「[[自動車事故対策機構]]」より2006年度の[[自動車アセスメント (日本)|自動車アセスメント]]で自動車アセスメントグランプリを受賞した。
2008年12月24日、マイナーチェンジ
2代目ist以降、フルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、および新型車として発売される全てのトヨタ車にサイド・カーテンエアバッグが標準装備化されるとの発表があ 2009年8月3日、「アエラス」をベースに、上級グレード「G」で採用されているシート表皮(ダブルラッセル)やバーズアイメイプル木目調の内装を採用し高級感をもたせると共に、デュアルパワースライドドア(イージークローザー、挟み込み防止機能付)・ETCユニット・マルチインフォメーションディスプレイを特別装備し利便性も向上させた[[特別仕様車]]「アエラス"G-EDITION"」を発売。ボディカラーは専用色の「グレーメタリック」を含む4色を設定し、内装色も「ダークグレー」か「グレージュ」を選択できる。
2009年12月14日、一部改良。最新の排出ガス試験モード(JC08モード)において、2.4リットル車が冷間時の測定モードで、3.5
2010年9月30日、誕生20周年を記念し、初代のイメージカラーであったレッドを随所に施したほか、ハイグロス塗装の専用アルミホイールや20thロゴの専用エンブレムなどを装備した特別仕様車「2.4アエラス"20th Anniversary Edition"」を発売。ボディカラーは専用色のボルドーマイカメタリックやグレーメタリックを含む5色を設定した。
2012年5月8日、2度目のマイナーチェンジ
2013年5月7日、一部改良。クリーンエアフィルターに脱臭機能を追加して全車に標準装備したほか、運転席からの目視だけでは確認しにくい車両周辺の状況をシフト操作と連動して真上から車両を見下ろしたような映像としてナビゲーション画面に表示し、安全確認を支援するパノラミックビューモニターやクリアランスソナー&バックソナーをオプション設定に追加した。併せて、特別仕様車「アエラス "Premium Edition"」を発売。「アエラス」の2.4
2014年9月2日、一部改良<ref>{{Cite press release|和書|title=TOYOTA、エスティマ、エスティマハイブリッドを一部改良 -同時に、特別仕様車“VERY Edition”を新設定-|publisher=トヨタ自動車株式会社|date=2014-09-02|url=
2016年6月6日、3度目のマイナーチェンジ
装備面においては衝突回避支援パッケージ「[[Toyota Safety Sense|Toyota Safety Sense C]]」を全車に標準装備したほか、リアドア・リアクォーター・バックドアにスーパーUVカットプライバシーガラスを採用。これにより、既採用のフロントドアガラスとウインドシールドグリーンガラスと合わせ、トヨタ車で初となる360度全方位(三角窓を除く)にUVカットガラスの採用を実現した。
グレード体系は大幅に整理
2016年、第3回[[Yahoo! JAPAN#Yahoo!検索大賞|Yahoo!検索大賞]] プロダクトカテゴリ 車部門賞を受賞<ref>{{cite news|url=
2018年4月、衝突回避支援パッケージの名称を「Toyota Safety Sense C」から、「[[Toyota Safety Sense#Toyota Safety Sense C|Toyota Safety Sense]]」に変更(公式発表なし)<ref>「トヨタエスティマ/エスティマハイブリッド カタログ」、2018年4月発行。CT011301-1804</ref>。
2019年10月、2020年5月に予定されている販売チャネル制度の廃止を見据えた車種整理に伴い、生産終了<ref>{{Cite web|和書|title=トヨタ「エスティマ」10月生産終了で約30年の歴史に幕! ミニバン人気のなか定番車種が廃止される理由|publisher=くるまのニュース|date=2019-08-30|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190830-00172798-kurumans-bus_all|accessdate=2019-11-08}}</ref>。その後、2020年3月末までに流通在庫分の新車の登録を全て完了し販売終了。3代・約30年の歴史に幕を下ろした。トヨタ店では[[トヨタ・エスクァイア|エスクァイア]]、カローラ店では[[トヨタ・ノア|ノア]]が代替車種となった。なお、東京都以外では2020年5月より、それまで[[トヨペット店]]専売<ref group="注釈" name="tokyo">東京都では販売チャネル制度の廃止に伴い、2019年4月より全てのトヨタブランド販売店での取扱となっている。</ref>であった[[トヨタ・アルファード|アルファード]]と、[[ネッツ店]]専売<ref group="注釈" name="tokyo" />であった[[トヨタ・ヴェルファイア|ヴェルファイア]]、[[トヨタ・ヴォクシー|ヴォクシー]]のトヨタ店とカローラ店<ref group="注釈" >東京都の[[トヨタ西東京カローラ]]では2019年4月より取り扱いを開始</ref>における取り扱いを開始し、エスティマの代替車種となった。また、ノアはトヨタ店、エスクァイアはカローラ店でも取り扱いを開始した。
<gallery>
ファイル:
ファイル:Toyota Estima
ファイル:2008 Toyota Estima-hybrid 01.jpg|2代目ハイブリッド
ファイル:
ファイル:TOYOTA PREVIA (XR50) China (13) (cropped).jpg|alt=|3代目エスティマ輸出仕様 プレビア (2006年中国仕様)
</gallery>
<gallery>
ファイル:
ファイル:Toyota Estima (third generation) (rear), Serdang.jpg|3代目エスティマ
ファイル:2008 Toyota Estima Aeras.jpg|
ファイル:2008 Toyota Estima 02.jpg|3代目アエラス
ファイル:Toyota Estima
ファイル:2008 Toyota Estima-hybrid 02.jpg|2代目ハイブリッド
ファイル:TOYOTA PREVIA (XR50) China (10).jpg|3代目エスティマ輸出仕様 プレビア (2012年中国仕様 改良型)
</gallery>
<gallery widths="px" heights="px">
ファイル:3rdEstimainterior.jpg|内装
ファイル:2008 Toyota Estima-hybrid 03.jpg|内装
ファイル:ESTIMA AERAS 2012.JPG|3
ファイル:2013 Toyota Estima Aeras hybrid E-Four.jpg|3代目アエラス(2012年改良型・リア)
</gallery>
{{-}}
== 車名の由来 ==
* ESTIMA 英語で「尊敬すべき」という意味のESTIMABLE(エスティマブル)
** なお、ESTIMAの名称は日本のみで使用され、日本国外ではプレ
== CM ==
*初代
*2代目のCMソングは[[ナット・キング・コール]]の『L-O-V-E』の替え歌。マイナーチェンジ直後は[[バーズ (アメリカのバンド)|バーズ]]の『[[ミスター・タンブリン・マン]]』([[ボブ・ディラン]]のカバー曲)、後に[[ロッド・スチュワート]]の『
*エスティマハイブリッド(登場時)のCMソングは、[[スーザン・オズボーン]]の「
*3代目の販促キャンペーン(トヨタ店で実施)に[[ウォレスとグルミット]]を起用している。
*3代目のCMソングは[[ボビー・コールドウェル]]のカヴァーによる『[[ビヨンド・ザ・シー|Beyond The Sea]]』が使用された。2006年[[12月]]期から[[ダニエラ・エベレット]]のカヴァー版に切り替わった。その後、2009年に行われたマイナーチェンジでは、[[ビリー・ジョエル]]の『[[素顔のままで (ビリー・ジョエルの曲)|素顔のままで]]』が
*3代目
*3代目
== キャッチコピー ==
*初代
** 突然エスティマ(前期型)
** 誕生
** 新・家族の挑戦(エミーナ・ルシーダ
** TOYOTAの天才タマゴ(後期型)
*2代目
** Feel the Future.(前期型)
** SLOW LIFE(後期型)
*3代目
** 想像を超えて、カタチにしていく。(2006年)
** Link to tomorrow(2008年)
** 可能性のカタチ(2012年)
** Sense Of Wonder(2016年)
== 取り扱い販売店 ==
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初代はルシーダがトヨタカローラ店、エミーナがトヨタ店、親エスティマは両店で、2代目はTがトヨタ店、Lがトヨタカローラ店で販売されていたが、3代目は名称が「エスティマ」に統合され販売店による区分はなくなった。大阪地区では大阪トヨペットで販売されたが、同社の社名変更により2006年8月8日をもって[[大阪トヨタ自動車]]の取扱いとなった。
== 脚注
{{
=== 注釈 ===
{{Reflist|group=注釈}}
=== 出典 ===
==
* [[塩見正直]] - 開発責任者
==
{{commonscat|Toyota Previa|トヨタ・プレビア}}
{{commonscat|Toyota Estima}}
* [https://toyota.jp/carlineup/archive/estima/ トヨタ ラインアップ | 現在販売していないクルマ | エスティマ | トヨタ自動車WEBサイト]
{{トヨタ車種年表}}
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[[Category:トヨタのハイブリッドカー|えすていま]]
[[Category:四輪駆動車]]
[[Category:日本自動車殿堂カー・オブ・ザ・イヤー受賞車]]<!--2代目(エスティマハイブリッド)-->
[[Category:グッドデザイン金賞受賞車 (自動車)]]<!--初代(4WD)-->
[[Category:グッドデザイン賞受賞車 (自動車)]]<!--3代目-->
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