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{{Chinese
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|uig=شەرقىي ئاسىي
|rus=Восточная Азия
|rusr=Vostochnaja Azija}}
'''東アジア'''(ひがしアジア、{{lang-en|East Asia}})は、[[アジア]]の東部にあたる国々を指す地域区分である。[[東亜]]などとも呼ばれる。北西から[[モンゴル高原]]、[[中国大陸]]、[[朝鮮半島]]、[[台湾]]列島、[[日本列島]]などを含む<ref name=":0">{{Cite book|author=浦野 起央|title=地政学と国際戦略: 新しい安全保障の枠組みに向けて p214|date=|year=|accessdate=|publisher=三和書籍|author2=|author3=|author4=|author5=|author6=|author7=|author8=|author9=}}</ref>。
== 概要 ==
[[Image:Location-Asia-UNsubregions.png|thumb|225px|[[国際連合]]によるアジアの地域の分類
{{legend|#0000E0|[[北アジア]]}}
{{legend|#E000E0|[[中央アジア]]}}
{{legend|#00E000|[[西アジア]]}}
{{legend|#E00000|[[南アジア]]}}
{{legend|#FFFF20|
{{legend|#FFC000|[[東南アジア]]}}]]
東アジアは太平洋に接するユーラシア大陸東岸に位置し、約1176万[[平方キロメートル]]の面積を占める地域である。
[[地理学]]的な区分として、北は[[天山山脈]]から[[モンゴル高原]]、[[アムール川]](黒竜江)まで、南は[[雲貴高原]]の地域であり、東は[[日本列島]]や[[台湾]]、西は[[チベット高原]]や[[ヒマラヤ山脈]]までを含む地域である。東アジアの東端は[[日本海]]、[[黄海]]、[[東シナ海]]、[[南シナ海]]を経て西[[太平洋]]に繋がっている。北に[[ロシア]]の[[シベリア]]、南に[[東南アジア]]の[[インドシナ半島]]、西に[[中央アジア]]と[[南アジア]]、そして東に太平洋を経て[[北アメリカ大陸]]と隣接する地域である。
中[[緯度]]地帯に位置する広大な[[陸地]]で[[モンスーン]](季節風)の影響が大きい特徴がある。西から東にかけて徐々に低い[[地形]]であり、東西で[[環境]]が異なっている。西部の[[内陸]]は[[乾燥帯|乾燥気候]]で[[ゴビ砂漠]]や[[タクラマカン砂漠]]があり、また、[[崑崙山脈]]と[[ヒマラヤ山脈]]に囲まれた[[チベット高原]]や、天山山脈に並ぶ[[モンゴル高原]]がある。東部の沿岸では南は[[亜熱帯]]気候で[[長江]]が流れ、北は[[温帯]]気候で[[黄河]]が流れており、それぞれの河川[[流域]]では[[平地]]が開けている。東アジア沿岸部を囲むように位置する日本列島や朝鮮半島は[[山|山岳]]地帯が多く、沿岸部にわずかな[[平野]]が広がっている。
現在では[[日本]]、[[大韓民国]](韓国)、[[朝鮮民主主義人民共和国]](北朝鮮)、[[中華民国]](台湾)、[[モンゴル国|モンゴル]]、[[中華人民共和国]](中国)が[[国家]]として成立している<ref name=":0" />。温暖な気候と河川流域、モンスーンの影響によって[[農耕]]に適した豊かな[[稲作]]地域であること、住める土地が大きい事、太平洋や[[東シナ海]]から[[水産物]]が豊富に採れることから[[人口]]の規模も大きい。[[工業化]]が始まったのは[[19世紀]]後半からであるが、日本、台湾、韓国、中国に[[工業地帯]]が形成されており、他の地域との[[貿易]]取引も活発である。
東アジアでは古来より[[儒教]]や[[仏教]]の思想が各地に広まっており、それに伴って[[漢字]]、[[建築様式]]、[[料理]]や[[食事]]などの[[文化]]において類似性が認められる。
[[軍事]]情勢においては[[台湾海峡]]を挟んだ中国と台湾の緊張([[台湾海峡危機]]、[[台湾有事]])、中国の海洋進出([[中国の空母建造計画]])、[[朝鮮民主主義人民共和国]](北朝鮮)の挑発行動([[北朝鮮によるミサイル発射実験]]、[[北朝鮮核問題]])がある。
<gallery widths="200">
United Nations geographical subregions.png|[[国連による世界地理区分]]<ref>{{cite|title =Geographic Regions |url= http://unstats.un.org/unsd/methods/m49/m49regin.htm|publisher =[[United Nations]]| accessdate = 2020-05-19}}</ref>。
LocationEastAsia.PNG|東アジアの範囲
</gallery>
{{clear}}
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File:East_Asia_topographic_map.png|800px
poly 2031 651 2006 640 1981 654 1931 712 1916 744 1880 744 1869 777 1895 802 1920 798 1938 812 1934 830 1959 841 1999 805 [[渤海 (海域)|渤海]]
poly 2006 755 2056 697 2114 672 2157 687 2146 762 [[西朝鮮湾]]
poly 2002 798 2013 755 2232 759 2236 802 2254 830 2232 924 1974 949 1966 931 2038 841 2071 830 2074 812 [[黄海]]
120 ⟶ 126行目:
poly 2667 615 2667 590 2667 582 2678 593 2678 604 [[日本]]
poly 2175 1427 2179 1416 2222 1409 2218 1366 2200 1359 2218 1348 2218 1355 2222 1409 2243 1409 2294 1380 2340 1301 2416 1222 2423 1129 2459 1086 2477 1086 2473 1179 2416 1283 2534 1291 2545 1276 2570 1305 2531 1291 2423 1280 2398 1312 2312 1395 2236 1445 [[日本]]
poly 2117 1388 2146 1398 2121 1567 2103 1560 2107 1549 2078 1535 2060 1492 2096 1413 [[
poly 2294 971 2290 960 2261 960 2265 924 2344 881 2366 856 2366 805 2366 805 2344 755 2279 690 2279 715 2236 723 2225 759 2215 762 2200 777 2171 759 2153 780 2168 780 2197 766 2218 798 2243 845 2229 906 2236 931 2265 928 2268 956 2258 978 [[大韓民国|韓国]]
poly 2204 762 2222 744 2232 726 2279 708 2279 697 2247 672 2258 644 2301 564 2294 539 2304 489 2272 475 2268 496 2250 532 2225 536 2240 564 2200 564 2175 568 2161 618 2114 665 2110 672 2143 672 2161 676 2150 762 [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]
137 ⟶ 143行目:
<div style="position:absolute;top:40%;left:87%;">[[四国]]</div>
<div style="position:absolute;top:44%;left:83%;">[[九州]]</div>
<div style="position:absolute;top:
<div style="position:absolute;top:70%;left:72%;">{{ROC}}</div>
<div style="position:absolute;top:69%;left:69%;font-size:70%;">[[台湾海峡|台湾<br />海峡]]</div>
<div style="position:absolute;top:75%;left:72%;font-size:70%;">[[ルソン海峡|ルソン<br />海峡]]</div>
147 ⟶ 154行目:
<div style="position:absolute;top:42%;left:72%;">[[黄海]]</div>
<div style="position:absolute;top:34%;left:70%;font-size:70%;">[[西朝鮮湾]]</div>
<div style="position:absolute;top:36%;left:66%;font-size:70%;">[[渤海 (海域)|渤海]]</div>
<div style="position:absolute;top:42%;left:78%;font-size:70%;">[[対馬海峡]]</div>
<div style="position:absolute;top:25%;left:85%;">[[日本海]]</div>
<div style="position:absolute;top:75%;left:80%;">[[太平洋]]<small>([[フィリピン海]])</small></div>
<div style="position:absolute;top:43%;left:
<div style="position:absolute;top:5%;left:64%;">[[大興安嶺山脈|大<br />興<br />安<br />嶺<br />山<br />脈]]</div>
<div style="position:absolute;top:8%;left:67%;font-size:70%;">[[小興安嶺山脈]]</div>
189 ⟶ 196行目:
{{clear}}
=== 地形 ===
[[
東アジアの地形は概ね西高東低の地勢であり、それは二つの造山帯によって形成される内陸部の高原や盆地と、西太平洋の沿岸部に位置する平地、半島、島々に分けて説明することができる。まず内陸では新期造山帯と古期造山帯があり、新期造山帯によって[[パミール高原]]を起点としながら[[アルプス・ヒマラヤ造山帯]]に属するヒマラヤ山脈、[[カラコルム山脈]]、クンルン山脈、チベット高原、雲貴高原が形成され、これは南アジアや東南アジアとの
さらに古期造山帯は西部から天山山脈、[[アルタイ山脈]]、[[モンゴル高原]]、[[大興安嶺山脈]]が古い山脈として形成されている。これはロシア地域との境界線の一部ともなっている。さらにクンルン山脈と天山山脈を南北に挟まれて[[タリム盆地]]、そして[[タクラマカン砂漠]]があり、クンルン山脈の東北のふもとには[[ツァイダム盆地]]、モンゴル高原の南方には[[ゴビ砂漠]]がある。歴史的に知られる[[シルクロード]]はこの地域のオアシスや登山道を接続して開発された通商路である。
197 ⟶ 204行目:
また陸地から離れて東シナ海、南シナ海は中国大陸の[[大陸棚]]となり、その大陸棚に沿って日本列島や台湾などが[[環太平洋造山帯]]上に列島を構成している。そこは[[プレートテクトニクス]]の観点からは[[ユーラシアプレート]]と[[太平洋プレート]]・[[フィリピン海プレート]]の境界であり、比較的[[火山]]や[[地震]]の危険性が大きい特徴がある。
==
東アジアの[[気候]]
{{see also|{{仮リンク|アジアにおける気候変動|en|Climate change in Asia}}}}
== 歴史 ==
{{Main|東アジア史}}
=== 近代までの東アジア ===
古代の頃から東アジアには漢族、満洲族、モンゴル族、朝鮮族、大和民族など50以上の民族が存在していたが、最も広大で豊沃な地域であると同時に東アジア地域の中心地でもある黄河・長江流域を中心に東アジア世界の形成と動揺が見られた。特に6世紀末に南北朝を統合した[[隋]]はそれまで黄河を中心とする華北と長江を中心とする華南を大運河によって接続することに成功した。隋の次の王朝となった唐はその成果を受け継ぎながら[[三省六部]]の構築、[[律令制]]度の整備、[[均田制]]の施行など中央集権制の国家体制を確立した。唐は東アジア世界において周辺諸国からの[[朝貢]]を得ながら一極集中の[[中華秩序]]を構築し、漢字、儒教、律令などが日本や新羅など東アジア各地に伝播していった。この唐の時代に形成された東アジア文化圏は唐と周辺諸国の間の使節の交換を盛んなものとし、政治的影響だけでなく文化的影響も与えた。これは唐が滅んだ後にも明王朝や清王朝の時代に受け継がれ、東アジア地域における国際秩序の基礎をもたらしていた。
古代のユーラシア各地では河川流域を中心に[[灌漑農業]]が発達し、東アジアでは黄河流域で[[中華文明]]が成立した。鉄製農具の開発や農法の改善、それに伴う社会の複雑化により前17世紀には[[殷]]王朝が成立することで国家が形成される。この頃に長江流域にも勢力が及ぶようになる。前4世紀から3世紀にかけての[[戦国時代 (中国)|戦国時代]]では様々な思想家が活躍し、前3世紀で[[始皇帝]]の[[秦]]王朝により統合された。
紀元前1世紀までに[[漢]]王朝により再統一され、日本では弥生時代に入る。
3世紀から6世紀にかけて日本列島に[[ヤマト王権|大和王権]]が成立し、朝鮮半島に[[高句麗]]、[[新羅]]、[[百済]]、またモンゴルでも[[匈奴]]、[[柔然]]といった遊牧民族が盛んに活動した。
一方、中国大陸では[[晋 (王朝)|晋]]による短期間の統一を除いて、400年近くに渡って国家の分裂が続いた([[魏晋南北朝時代]])。
218 ⟶ 226行目:
17世紀に明が滅んで[[清]]が成立すると支配地域を東北地方、モンゴル高原、チベット高原にまで拡大していた。
=== 近代の東アジア ===
18世紀に東アジアの情勢に変化をもたらした要因の一つは16世紀から17世紀にかけて行われた[[ロシア帝国]]の勢力の拡大であり、18世紀には清と国境を接することになっていた。また18世紀には[[イギリス]]の貿易活動が東アジアにも及ぶようになっており、清は華南の[[広州]]に限定した上で通商を開始し、また日本でも従来の鎖国から開国へと転換するなど経済的、政治的な影響をもたらした。19世紀において清が[[アヘン戦争]]に敗北し、日本では欧米列強に対抗して清との連帯を説く[[興亜論]](後に[[アジア主義]]と呼ばれる)が起きるも朝鮮半島の権益をめぐって[[日清戦争]]
20世紀に入り、第一次世界大戦後に中国での排斥運動と[[日本]]の大陸政策は衝突し、[[満
その直後、中国大陸では国民党が共産党に敗れて台湾に渡り、共産党は[[中華人民共和国]]を建てて東北地方からチベット地方までの地域を領有することとなり、国民党は台湾で[[中華民国]]を再始動させた。
また日本の敗戦後に朝鮮半島は南北で分断され、北部には[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]、南部には[[大韓民国|韓国]]が建国された。この南北分断は[[アメリカ合衆国|アメリカ]]と[[ソビエト社会主義共和国連邦|ソ連]]の[[冷戦]]構造の下で[[朝鮮戦争]]の勃発を招くことになり、東アジアはアメリカの自由主義陣営に属する日本、韓国、
1960年代後半に中華人民共和国とソ連の関係が悪化したことで[[中ソ国境紛争]]が勃発しており、また1970年代後半には中華人民共和国は「[[四つの現代化]]」という路線変更を行った。
20世紀後半に入ると、東アジア諸国では急激な経済成長が始まった。日本は[[高度経済成長]]により、1968年には[[国民総生産|GNP]]世界第2位の経済大国となった。韓国、中華民国、香港は、1990年代には[[シンガポール]]と合わせて[[アジア四小龍]]と呼ばれるようになり、やがて[[先進国]]と見なされるようになった。中華人民共和国は[[改革開放]]によって1980年代から経済成長が進み、2010年には[[国内総生産|GDP]]で日本を上回って世界第2位の経済大国となった。
== 政治 ==
=== 国家・地域一覧 ===
東アジアに含まれる国
* {{
* {{PRC}}(中国大陸)
** {{
** {{MAC2}}
* {{ROC}}(台湾)
* {{DPRK}}(北朝鮮)
* {{JPN2}}
* {{Flagicon|MNG}} [[モンゴル国]]
以下の国々、地域を含む場合もある。
* {{VNM2}}
* {{RUS2}}([[極東ロシア]])
== 経済 ==
{{main|{{仮リンク|東アジアの経済|en|Economy of East Asia}}|東アジアの奇跡}}
=== 農業 ===
東アジアは東部の沿岸部に農業生産に適した米作・畑作地域を擁しており、西部の内陸部に[[牧畜]]に適した地域がある。米作に適した華南の長江領域は年間降水量が1000ミリを超え、気候も温暖であるために[[米]]が生産されている。米以外には[[麦]]、[[茶]]、[[桑]]、[[果物]]、[[サトウキビ]]などが季節に応じて生産されている。長江下流の平原には[[水田]]が開発されており、[[二毛作]]地帯として裏作として小麦、[[綿花]]が生産される。水田には適さない丘陵地域は茶や桑、[[養蚕]]の生産地域となっている。年間降水量が1000ミリに達しない華北地方では乾燥と冬の気温から畑作と家畜の飼育が行われる地域である。華北平原の特徴として黄土があり、これは微細な粒土から構成される黄褐色の土壌である。この地域の耕作地では灌漑を行って[[コムギ|小麦]]、[[アワ|粟]]、[[モロコシ|コーリャン]]、[[トウモロコシ]]、綿花、[[落花生]]、[[タバコ]]、[[大豆]]が生産されている。また家畜としては[[豚]]、[[鶏]]も生産されている。東北地方でも畑作が行われ、特に夏の高温を利用した米の栽培が盛んである。内陸部ではステップ地域で[[羊]]の遊牧が行われ、一部の灌漑が整備された地域では小麦やコーリャンも栽培されている。砂漠地帯ではオアシスが耕作地として開発されており、自給自足的な灌漑農業が行われている。小麦、綿花、[[ブドウ|葡萄]]などが主な生産物である。
=== 工業 ===
東アジアは[[鉱物]]資源も豊富であり、[[石炭]]、[[鉄鉱石]]、[[タングステン]]、[[マンガン]]、[[水銀]]、[[モリブデン]]、[[アンチモン]]、[[塩]]の生産が盛んである。さらに[[石油]]や[[天然ガス]]の生産も行われており、東アジア地域の工業化を促している。東アジア地域で本格的な工業化が進められたのは19世紀以後である。海外の資本流入があった当初は[[繊維産業]]や雑貨工業が立ち上げられた。日本でも繊維産業が国家の政策の下で立ち上げられる。第二次世界大戦後に共産主義政権が中国大陸で成立し、現地ではこれに絡む形で[[コンビナート (旧社会主義国の経営形態)|コンビナート]]の設立が開始されている。また日本や
===
[[2019年]]の[[国内総生産|GDP]]は以下の様になっている<ref>{{Cite web |url=https://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2019/02/weodata/index.aspx|title =World Economic Outlook Database, April 2020|publisher =[[国際通貨基金|IMF]] |date =2020-04-01 |accessdate =2020-05-19 }}</ref>。(単位: 百万ドル)注 この統計において中華人民共和国には香港、マカオは含まない。東アジア全体は、統計のある国・地域の合計。
{| class="wikitable sortable"
|-
!順位 !! 国・地域名 !!名目[[国内総生産|GDP]]
|-
!1
|{{
|-
!2
|{{JPN}}||style="text-align:right"|
|-
!3
|{{KOR}}||style="text-align:right"|
|-
!4
|{{TWN}}||style="text-align:right"|
|-
!5
|{{
|-
!6
|{{MNG}}||style="text-align:right"|43.695
|-
!7
|{{MAC}}||style="text-align:right"|該当データなし
|-
!8
|{{PRK}}||style="text-align:right"|該当データなし
|-
!合計
|東アジア全体|| style="text-align:right" |
|-
|}
== 軍事 ==
{{出典の明記|date=2020-05-19|section=1}}
東アジア諸国の軍事組織は以下の通り。
=== 韓国 ===
;[[大韓民国国軍]]
*{{army|KOR}}
*{{navy|KOR}}
*{{air force|KOR}}
=== 台湾 ===
;[[中華民国国軍]]
*{{army|ROC}}
*{{navy|ROC}}
*{{air force|ROC}}
=== モンゴル ===
;[[モンゴル国の軍事|モンゴル国軍]]
*{{army|MNG}}
*{{navy|MNG}}
*{{air force|MNG}}
=== 中華人民共和国 ===
;[[中国人民解放軍]]
*{{army|PRC}}
*{{navy|PRC}}
*{{air force|PRC}}
=== 日本 ===
;[[自衛隊|日本国自衛隊]]
*{{army|JPN}}
*{{navy|JPN}}
*{{air force|JPN}}
=== 北朝鮮 ===
;[[朝鮮人民軍]]
*{{army|PRK}}
*{{navy|PRK}}
*{{air force|PRK}}
== 文化 ==
[[コンピュータ]]や[[コンピュータネットワーク|ネットワーク]]の分野で(主に西洋からの視点で)「東アジア」という呼び方をするときは、[[漢字]]を用いて[[2バイト言語]]等の[[マルチバイト文字]]が一般的に使用される環境([[
=== 人種 ===
[[File:Haplogroup NO.png|thumb|220px|Y-DNA ハプログループ N and O]]
{{main|{{仮リンク|東アジアの人種|en|East Asian people}}|{{仮リンク|東アジアにおける人種の遺伝史|en|Genetic history of East Asians}}}}
典型的な東アジア人は[[モンゴロイド]]に属す。北方の[[新モンゴロイド]]は蒙古斑や蒙古ひだを持つ人間が多い。その肌は薄い褐色をおび、[[白人]]からみると全体的に「黄色」く見えるので[[有色人種]]に分類される。
{{also|アジア系民族}}
=== 言語 ===
東アジアの国々はそれぞれ独自の[[文化]]を持つが、いずれも古くは中国大陸の影響を受けている。
'''東アジアの言語区分'''
*[[日琉語族]]:[[日本語]]など
*[[アルタイ諸語]]
**[[モンゴル語族]]:[[モンゴル語]]など
**[[ツングース語族]]:[[満
**[[テュルク語族]]:[[ウイグル語]]など
*[[シナ・チベット語族]]:[[中国語]]、[[チベット語]]など
*[[オーストロネシア語族]]:[[台湾
*[[ミャオ・ヤオ語族]]:[[ミャオ語]]、[[ヤオ語]]など
*[[タイ・カダイ語族]]:[[チワン語]]など
*[[朝鮮語]]
=== 宗教 ===
{{出典の明記|date=2014年7月31日 (木) 06:30 (UTC)|section=1}}
{{See|東アジアの宗教}}
東アジアにおいては、[[神道]]や[[中国の民俗宗教
[[中国の民俗宗教]]<!-- 名称であることを明確にするため、ここでもリンクする -->(分類や名称については議論があり、「神教」と呼ばれることもある)は一般に中国大陸での最多数派とされる信仰である<!-- ソース未確認・未検討のため、具体数は記載していないが、東アジア全体でもおそらく最多数派である -->。[[道教]]の影響を受けており、習合も見られ、明確に区別できない場合もある。[[台湾の宗教]]統計での「道教」もおおむね同系統の信仰形態を指している。
[[仏教]]はおもに[[大乗仏教]]が信仰されている。大乗仏教のうち、中国系の仏教は日本では神道と並ぶ多数派であり、中華人民共和国、韓国にも一定の信者がいる(なお、<!-- 東アジアに区分される場合とされない場合がある -->ベトナムでは最多数派である)。また、同じく大乗仏教の一派である[[チベット仏教]]はチベット地域<!-- チベット自治区に限定されない -->やモンゴル<!-- モンゴル国に限定されない -->での最多数派である。
[[キリスト教]]は[[カトリック教会|カトリック]]と[[プロテスタント]]が中心だが、ロシアの影響が強かった地域を中心に[[正教会|正教]]も見られる。韓国では([[無宗教]]者を除けば)[[キリスト教徒]]が最多数派で、このうち約3分の2がプロテスタント、約3分の1がカトリックである。[[中国のキリスト教]]には政府の公認を受けないカトリックの地下教会が多数存在するとされ、正確な信者数は定かではない<!-- ソース未確認・未検討のため、具体数は記載していない -->。
[[イスラム教]]は日本や韓国では在留外国人を中心に[[ムスリム]]が一定数存在し、コミュニティを形成している。中華人民共和国では[[回族]]のほか、[[ウイグル]]など[[中央アジア]]系の一部の[[少数民族]]に見られ、ほとんどが[[スンナ派]]([[ハナフィー学派]])である。
[[儒教]]を宗教に分類するかどうかは議論があるが、東アジア全域、特に中華人民共和国・中華民国・韓国の[[社会]]に強い影響を及ぼしている。
== 教育 ==
東アジアの国々の[[教育]]は世界の中でも優れており、特に[[日本]]や[[大韓民国|韓国]]、[[中華民国|台湾]]など[[先進国]]の教育は多くの国々から賞賛されている。
例を挙げると、[[中華人民共和国]]では[[北京市|北京]]などの大都市の学校に進学するため、地方の戸籍を持つ者の間での[[受験]]競争が激しく、教育に熱心な家庭が多い。
また、韓国でも受験大国と呼ばれるほど受験競争が激しく、合格祈願する者が多く、教育熱心な家庭が多い。
また、東アジアの[[貧困]]国の一つである[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]でも、敵国語([[日本語]]、[[英語]]、など)及び友好国語([[中国語]]、[[ロシア語]]、など)を、学ぶことができる場合がある。
東アジアの識字率は、世界の中でも総合的に上位の方であり、特に日本、台湾、 北朝鮮、韓国の[[識字率]]が高い<ref>[[識字率による国順リスト]]を参照。</ref>。
==
東アジアの人間開発の質は[[アジア]]の中でも優れており、[[2018年]]のデータ<ref name="UNDP2019">{{cite web|url=http://hdr.undp.org/sites/default/files/hdr_2019_overview_-_english.pdf |title= Human Development Report 2019 – "Human Development Indices and Indicators"|publisher=[[Human Development Report|HDRO (Human Development Report Office)]] [[United Nations Development Programme]]|pages=22–25 |accessdate=9 December 2019}}</ref>によると、東アジアの全ての国の[[人間開発指数]]が「最高」または「高」の分類にある。
* 2018年の東アジアの人間開発指数の順位(国・地域名の右に書いてある数字はスコアを表し、1に近いほど上位の国・地域である)
** 1位=[[香港]]、0.939 (最高位)
** 2位=[[日本]]、0.915 (最高位)
** 3位=[[大韓民国|韓国]]、0.906 (最高位)
** 4位=[[中華人民共和国]]、0.758 (高位)
** 5位=[[モンゴル]]、0.735 (高位)
; 最新データから欠けている国
* 国際連合加盟国
** [[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]、[[2009年]]公表、0.733 (高位)
* 国際連合非加盟国
** [[中華民国]]、[[2019年]]公表、0.911 (最高位)
* 海外領土・自治領・その他の地域
** [[マカオ]]、[[2017年]]公表、0.905 (最高位)
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
{{ウィキポータルリンク|アジア}}
* [[東洋]]
* [[東亜]]
* [[極東]]
* [[
* [[漢字文化圏]]
* [[中華圏]] - [[中国内地]] - [[中国化]]
* [[東亜協同体論]] - [[東アジア共同体]] - [[RCEP]]
== 外部リンク ==
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* {{Kotobank}}
{{-}}
{{アジア}}
{{Normdaten}}
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