「ブラック・ジャック (架空の人物)」の版間の差分
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{{Infobox character
| colour = #DEDEE2
| name = ブラック・ジャック/ 間 黒男
| series = 『[[ブラック・ジャック]]』
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| creator = [[手塚治虫]]
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}}
'''ブラック・ジャック'''は、[[手塚治虫]]の漫画『[[ブラック・ジャック]]』に登場する架空の人物・[[医師]]
== 人物像 ==
無免許の天才[[外科学|外科医]]。
作中を通し、ほぼ「'''ブラック・ジャック'''」と呼ばれているが、幼少時代、および医学生時代の回想シーンでは「クロちゃん」「クロオ」「間」と本名で呼ばれている。[[ABO式血液型|血液型]]はO型。
一人称は「私」もしくは「俺」。二人称は「おまえさん」、「あんた」{{efn|子供や学生の場合は「君」を使うことが多い。}}を多用し、本人自身、口癖であることを認めている<ref>第130話『霧』</ref>。また、語尾に「~ですぜ」と付ける口調も多用する傾向にある。老若男女を問わず、無遠慮な態度、言葉遣いで接するが、敬語もしばしば使用する。
シリーズ中、年齢について
[[手術]]の腕は、まさに天才そのもの。自らも「世界一」との自信を持つ。実際、ブラック・ジャックにしか治せない症例は多い。「医師が技術に見合う報酬を要求することは当然」というポリシーを持つことから、非常に高額の報酬を要求し、相手が怒り出したり払えないと言ったりすればすげなく断る。金持ちには容赦なく請求し、支払いが滞れば金融業者からも「手本にする」と皮肉られるほどしつこく取り立てを行うが、庶民には高額の手術料を突き付けるものの、それも「生きるためにはどんな苦労も惜しまない」患者と家族の覚悟を試すための行動であることが大半であり、結果的に安値や無料で手術を行うことも多い(詳細は[[#報酬・診療時の対応|後述]])。非常に義理堅い一面があり、いったん交わした約束は相手によらず、たとえその場しのぎのものであっても、あらゆる悪条件を克服して必ず守る。冤罪を着せられた自分を救ってくれた人物に対し、「もし怪我などをしたら自分が手術をして治す」と約束した際には、後にその人物が生命の危機にあることを知るや入院先の病院を平然と買い取ってまで手術に臨んだうえ、整形手術を施して彼を逃げ延びさせた。また、野生動物や自然に対する愛情も強く、身勝手な人間に傷つけられた動物を無償で救うことも多いほか、得た莫大な報酬であちこちの自然の美しい島を購入することにより、自然保護に勤しんでいる。
医学界では評判が悪いが
手を施しても無意味に終わる、他の治療手段の方が良いなどの事情があれば手術を行わないか、途中で止めてしまうことがある。
子供の頃から、後述の復讐のためにダーツの腕を磨いており、悪漢に襲われた時など[[投げナイフ|メスを投げる]]ことで応戦する描写がある<ref>『ご意見無用』では、漂流する木造船の上で、襲い掛かってきた[[サメ|鮫]]に対してメスを投げて応戦している。徒手格闘も非常に強く、拳銃を手にした相手に背後をとられた際も冷静に対処して危機を脱しており(『U-18は知っていた』)、精神的な強さも窺える。</ref>。だが、ダーツが原因で当時通っていた学校の友人・ゲラに重傷を負わせ、結果的に死なせてしまった時は激しく後悔している<ref>ゲラの家にサラ金の業者が上がりこんで彼に暴行し、それを止めるためにブラック・ジャックがダーツを投げて業者の腕に刺さり、逆上した業者がそのダーツを引き抜きゲラの喉に刺した(アニメでは業者がブラック・ジャックをダーツで刺し殺そうとした際にゲラがブラック・ジャックを庇って刺された)ため。ゲラはこの時の傷が元で後に重い病気に罹り、笑い声を上げることができなくなってしまった。ブラック・ジャックが手術を行うも二次感染により死亡。</ref>。▼
自らを「命を何よりも大切に思う男」と称しているが、それは生きようとする命を指す。第21話『その子を殺すな!』でも描かれているように[[無脳症|無頭児]]や[[脳死]]患者など、生きる意志が失われた命を救おうとはせず、むしろ命を絶っている。ただし、[[脳死#脳死判定基準|脳死判定]]の難しさについてのエピソードもある。▼
▲医学界では評判が悪いが、その一方で、同じ医大出身の手塚本人がモデルの医者をはじめ医者友達が複数おり、大学時代の先輩・竹中に[[競馬]]の掛け金をたびたび無心されても断ることなく合計3千万円も貸すなど、付き合いもいい<ref>その竹中が急死した際には、借金の回収と称して妻が経営する病院が軌道に乗るまでわざわざ住み込みで働いてやっている。</ref>。しかし、自分と同等の技術を持つ友人がいないことで孤独感を抱いており、そういう人物を求めてもいる。
=== 生い立ち ===
顔の皮膚の左半分は、治療の際に[[黒人]][[混血]]児(ハーフチルドレン)の親友・タカシの皮膚を貰ったものである。そのため、誌上ではわからないが、その部分は若干色が濃い<ref>単色印刷の場合。カラーにおいてははっきり色分けされているが、青白気味で黒人との混血にみられる褐色ではない。もっとも手塚治虫得意の[[スター・システム (小説・アニメ・漫画)|スター・システム]]によって、他作品に出演した際には肌の色の違いの無いブラック・ジャックが描かれる場合もある。</ref>。その後、別の皮膚と取り替えてはどうかと勧められても、皮膚をくれた親友への義理からそれはできないと拒んでいる(第99話『友よいずこ』)<ref>しかし、現実には皮膚は内臓など以上に拒絶反応が大きく、DNAが同一である一卵性双生児でない限り他人の皮膚が定着することはない。自家移植が困難なほど広範囲な患部へ応急処置として他人の皮膚を移植するケースもあるが、あくまで一時的な保護目的であるため、移植した他人の皮膚は数日で脱落し残ることはない。</ref>。▼
幼い頃、宅地造成業者らによるずさんな[[不発弾]]処理が原因で母と共に爆発事故に遭ったが、名医の[[本間丈太郎]]による大手術を経て奇跡的に助かった{{efn|アニメ版では、ブラック・ジャックの父を家族から引き離すために故意に引き起こしたものとされている。}}。後にブラック・ジャックは、医者を志した理由として本間に憧れたことを本人に打ち明けているほか、本間を侮辱した医師に激高したことがある。
▲手術時、顔
手術後は半身不随に近い状態であったが、必死のリハビリ{{efn|広島から大阪まで400キロメートルの距離を踏破するなど。このときの様子は恩師・本間丈太郎により、黒男の氏名を伏せたうえで記録され、出版された。ブラック・ジャックも「元の体に戻るために色々と無茶苦茶をやったもんだ」と語っている。}}によって負傷前と同様の身体能力を回復する。しかし母は言葉を交わすこともできなくなるほどの重傷を負い、父はそんな妻と息子を見捨てて愛人の蓮花と共に[[マカオ]]{{efn|『U-18は知っていた』・『笑い上戸』では[[香港]]と記載されているが、手塚が長期連載を予定していなかったため、設定の矛盾が発生している。こういった部分は他にも散見される。}}へ去る。その後、まもなく母は死亡し、天涯孤独の身となった黒男は母への強い思慕{{efn|後に、父から和解のきっかけも兼ねて新妻となった蓮花を「世界で最も美しい顔」に[[美容整形]]するよう依頼された際には、「今でも母を愛していますか?」との問いに父が「かつては母を愛していた、だが今は蓮花だけを愛している」と答えたため、和解を拒否したうえで「自分が世界で最も美しいと思う顔」として蓮花を母と同じ顔に整形した(「もし今でも母を愛していると答えれば違う顔にするつもりだった」とも発言していたが、真偽は不明)。それ以後、ブラック・ジャックは父が[[脳卒中]]で昏倒して死亡するまで、彼と顔を合わせることはなかった。}}と事故の責任者たちへの復讐心を胸に成長することとなった。
▲手を施しても無意味に終わる、他の治療手段の方が良いなどの事情があれば手術を行わないか、途中で止めてしまうことがある。作中、爆発物によって視力を失った女性について警察から「犯人を見つけるために眼球の移植手術で視力を回復させてほしい」と依頼された時は、BJの技術を用いても5分しか視力が戻らないため、二度も視力を失う苦しみを味わうことになるとして、手術を拒否している<ref>結果的に「事件の全捜査費用3,000万円を払う」という捜査官の言葉に応じて手術を行ったものの、事件解決後に「3,000万円は患者に渡して欲しい」と頼んでいる。</ref>(第44話『目撃者』)。また極めて成功率の低い手術を頼まれた際も一度は拒否したが、テレビの向こうで堂々と本間を見下した医者が同じ病気の患者を手術すると聞いた時は意地になり自分も手術を行っている(相手は失敗し、ブラック・ジャックは成功させたため、相手は自信を完全に打ち砕かれている)。
こうした生い立ちゆえに極度の[[マザコン]]でもあり、母を蔑ろにする人間に対しては「腹の虫が煮えくり返る」「母のためなら100億円でも安い」など手厳しい言動をとることが多い。逆に、母を大事にする人間に対してはかなり親切に接する。また、幼い子供に対しては優しく接することが多い。ただし、基本的には他人に対する態度は冷たく、不愛想で「ネクラ」と表現されたこともある。これは、手術の傷跡を気味悪がられて小学校に戻った後もほとんど友人ができなかったため、次第に周囲と打ち解けない頑固な性格になってしまったためである。
▲自らを「命を何よりも大切に思う男」と称しているが、それは生きようとする命を指す。第21話『その子を殺すな!』でも描かれているように[[無脳症|無頭児]]や[[脳死]]患者など、生きる意志が失われた命を救おうとはせず、むしろ命を絶っている。ただし、[[脳死#脳死判定基準|脳死判定]]の難しさについてのエピソードもある。
▲子供の頃から、
一緒に暮らしている[[ピノコ]]に対しては突き放したような言動を取ることも多いが、実際には彼女の無茶なワガママを聞いてやるなど、結構甘い。もっともブラック・ジャックの「おくたん(奥さん)」を自認するピノコは、自分を娘として扱うその態度に不満な様子。原作においてのブラック・ジャックはピノコ登場後、喜怒哀楽をよく見せるようになっている。。▼
▲助手として一緒に暮らしている[[ピノコ]]に
女性関係に対しては(ピノコは別として)、はっきり恋人関係であったことが語られているのは医局員時代の同僚の如月めぐみだけである(第50話『めぐり会い』)。自分が手術した患者などの女性に想いを寄せられることは多いが、いずれもクールに断ったり相手の前から姿を消したりと、恋仲にはなっていない。ただ一時如月めぐみ以外に、冷酷にメスを振るうことから「ブラック・クイーン」の異名を取る女医、桑田このみに想いを寄せたことはある。しかし恋人がいると知り、「ジャックからクイーンへ」と書かれた手紙を渡さず破り捨てるエピソードがあった(第57話『ブラック・クイーン」』)。その後のエピソードで、桑田このみは終電車でブラック・ジャックと再会している。彼女は既婚にもかかわらず、ブラック・ジャックに自分の想いを告白するが、ブラック・ジャックは「確かに、私はあなたが心に焼き付いたことがありますがね、それももう過ぎた話です」と無碍に突き放している(第199話『終電車』)。▼
▲女性関係に対しては(ピノコは別として)、はっきり恋人関係であったことが語られているのは医局員時代の同僚の如月めぐみだけである(第50話『めぐり会い』)。自分が手術した患者などの女性に想いを寄せられることは多いが、いずれもクールに断ったり相手の前から姿を消したりと、恋仲にはなっていない。ただ一時
▲年齢についてはシリーズ中ではっきりと示されたことは一度もなかった。ただ、爆弾事故にあって瀕死の重傷を負ったときの年齢が8歳であることは数回明示されている。爆弾事故については劇中で幾度か「○○年前」と言及されており、第202話『20年目の暗示』では、爆弾事故は「20年前」と語られている。よって、この時点ではブラック・ジャックの年齢は28歳と設定されていたと考えられる(手塚がブラック・ジャックの年齢を28歳と決めたのは、当時担当だった2代目の担当編集者の年齢にちなんだと言われる)<ref>秋田文庫BLACK JACK Treasure Book P137より</ref>。また、第233話『骨肉』では爆弾事故が「25年前」と語られており、この時点では年齢は33歳ということになる。
== 容姿・服装 ==
* 頭髪の色は黒色で、前髪と襟足が長めの髪型であるが、一部分は白く変色している。これは、幼少時に母の死を目の当たりにした恐怖から頭髪の半分が[[白髪]]になったものであるが、連載当初は手塚治虫曰く「髪の艶」だったそうで、
* 右眉の上から眉間を経て左頬にかけての縫合痕(傷痕)を境に、左側の顔の皮膚の色がタカシからの皮膚移植により異なっている。原作では
*
== 携行品など ==
* コートの内側にメスや鉗子などの簡易な医療器具、場合によっては医薬品が収納してあり、有名なナイフ投げならぬメス投げの際に使用するメスはここから取り出す。このメスは、鍛冶師・憑二斉の手によって鍛えられた逸品である。
* ポケットに大量の[[てるてる坊主]]を入れていて、雨の日の診察の際の患者全員に手渡しているというエピソードがあった<ref>ただしこの描写が見られるのは、第133話『てるてる坊主』の一話のみに限られ、常時入れているのかは不明。</ref>。▼
* どんな場所でも手術できるよう、膨らませて使用するビニール製の透明なテント状の[[クリーンルーム|無菌室]](無菌カプセル)を携行しており、実際にたびたび使用している。また、雷雨のなかでも使用できる、硬質ガラス製のメスを披露したこともある。▼
▲* 外出時はほぼいつも(当然のことだが)医療鞄を携行している。外国で反逆者として軍に連行された際には催涙ガスを噴出していた(第63話『オオカミ少女』)。
▲* ポケットに大量の[[てるてる坊主]]を入れていて、雨の日
▲* どんな場所でも手術できるよう、膨らませて使用するビニール製の透明なテント状の[[クリーンルーム|無菌室]](無菌カプセル)を携行している。
== 家族 ==
妻を自称するピノコと二人暮らし。ピノコは双子の姉の体内に内臓が一通り揃う形で存在する奇形嚢腫だったが、ブラック・ジャックの手術によって人間として再生され、誕生した少女である。ブラック・ジャックとの法的関係については、作中では明らかにされていない。ただしピノコを学校に入れるためにブラック・ジャックが尽力したこともあり、世間的には保護者と被保護者という関係のようである(第116話『ハッスル・ピノコ』)。野良犬を保護し、「ラルゴ」と名付けて飼ったことがある(テレビアニメ版ではラルゴはレギュラーキャラクターとなっている{{efn|原作では『万引き犬』に登場するが1話限りで死亡する。}})。
ブラック・ジャック
ブラック・ジャックにとって継母にあたる蓮花は、
他に父親と蓮花の娘である異母妹の小蓮がいるが、ブラック・ジャックは彼女の存在を知らなかった(第233話『骨肉』)。小蓮は美女でお嬢様育ち。気が強く異母兄ブラック・ジャックを遺産目当ての男と思って嫌っていたが、卑劣な手段をとっていたのが母親であることと、兄がマカオへやってきた本当の理由を知ると、態度を変え、第233話のラストでは、空港で母親が雇った暴漢の銃撃からブラック・ジャックを庇い死亡。死の寸前に彼のことを「兄さん」と呼ぼうとしたが、警察から「知り合いですか?」と問われたブラック・ジャックは「赤の他人だ」と言ったのみで立ち去った<ref>劇中で直接対面する機会がなく、ブラック・ジャック自身そもそも異母妹と知らずに終わったため。ただし、この段階で彼女の素性に気づかないままだったのかどうかは不明で、立ち去りながら肩越しに小蓮に目線を向けているため、気づきながらあえて黙っていたとも受け取れる。</ref>。[[宗美智子]]によるリメイク版では小蓮は暴漢の襲撃時に失明の危機に陥るが、ブラック・ジャックの手術で助かるという描写になっている。また、TVアニメ『[[ブラックジャック21]]』ではもう一人の異母妹「紅蜥蜴」がいる。▼
▲
▲蓮花は、片言の日本語を話す。[[チャイナドレス]]を着用している。病に侵され、顔の皮膚がただれたために、父がブラック・ジャックに[[美容整形]]手術を行わせた。その際に父は「世界一の美女にしてくれ」と依頼しているため、蓮花の元の容姿に対して愛情や執着はない模様だが、元妻でブラック・ジャックの母親は「もう愛していない」と語っていたため、薄情な態度への報復として前妻の顔に整形されてしまった(本人はこのことを知らない)。しかし、性根は身も心も美しかった母とは大違いで、ブラック・ジャックに美容整形をしてもらった恩があるにも関わらず、娘が父の遺産を全て相続出来るようにとゴロツキに依頼してブラック・ジャックを監禁させるという卑怯な一面を見せていた。上述の通り、結果的には実の娘の命を自ら差し向けたゴロツキに奪われるという皮肉な事態となった。<br>上記リメイク版では、「顔を前妻そっくりに整形され、そのせいで夫婦仲がおかしくなって[[略奪婚]]に失敗した」という理由で、蓮花の方が逆恨みでブラック・ジャックを憎んでいる。<!--ゴロツキに監禁された際負傷してしまい、蓮花に電話して「マカオに来たのは父親の遺体を引き取り母の隣に埋めたかったから」と語り、父親の身体の一部を自身に移植することで切断せずに手術を成功させた。言葉の通り遺産は受け取らなかったらしく術後は手ぶらであった。-->
2006年のTVアニメ『[[ブラックジャック21]]』では、もう一人の異母妹「紅蜥蜴」が登場している。
== 医師免許・技術 ==
無免許だが、地方大学の医
医師としての専門は[[外科学|外科]]だが、一般外科だけでなく特別な知識と技術の必要な[[心臓外科学|心臓外科]]や[[脳神経外科学|脳外科]]もこなせる。外科以外にも、[[内科学|内科]]や[[眼科学|眼科]]、[[薬学]]、果ては[[獣医学]]までも含めて医療全般に精通しているらしく、それら専門外の治療も行うことができる。[[美容外科学|美容整形]]にも通じており、[[ハンセン病|らい病]]に罹った父の後妻を治療と共に実母そっくりに整形したり、ある人気アイドル歌手の美貌も自分が整形で作りだした物である事を語っている。さらには、中国人医師からもらった本で[[鍼|針麻酔]]を勉強し(第55話『ストラディバリウス』)、自身の患者に対して[[催眠術]]までをも使っていた(第9話、第10話『ふたりの修二』)。また、コンピュータ(増刊号『U-18は知っていた』)や宇宙人、数千年前のミイラや幽霊など医者の仕事の範疇を超えた存在をも「治療」している
[[病理学]]に関しても関心があるようで、強く好奇心をそそられた珍しい症例に対しては無報酬で手術を引き受けることもある(第206話『山猫少年』)。また、手術で稼いだ報酬を投入して個人的な研究を行うこともあるようである。恩師の本間丈太郎を引退に追い込んだ謎の血腫「本間血腫」を治療するために7000万円もつぎ込んで研究を重ね、人間の心臓のサイズと変わらない精密な小型の人工心臓「ブラック・ジャック式人工心臓」を開発したり(第163話『本間血腫』)、本職の技師顔負けの見事な義手・義足を作り上げたこともあった(第142話『盗難』)。
== 報酬・診療時の対応 ==
ほとんどの場合、患者に
高額な治療費を請求するのは金持ちに限らず、患者が貧乏であってもほぼ同じである。その理由については、ある依頼主が「金額が高すぎて、私たち普通のサラリーマンじゃ払えない」と愚痴をこぼしたとき、「私は人の命を助けるための覚悟を確認しているんだよ。お前さんにはその覚悟はあるのか? 命が助かるならこんな金も安いもんだ」と発言している
患者の置かれた状況によっては周囲に冗談と思われるほど低額の手術料しか受け取らなかったり
無免許であることを理由に警察に捕まった場合、釈放を条件に無料で手術することが多い。これを逆手にとり、ブラック・ジャックに何度も無料で手術させている刑事もおり、その刑事の一言でブラック・ジャックは嫌々ながらも毎回動くので、彼だけはどうしようもないと思っているようである。
少年時代に苦労した経験から子供には優しく、手紙を送ってきた子供の相談に無償で応じたりもしている。その一方で悲鳴(声を失ったアイドル)、インベーダー(空からの侵略者)などのように治療や現実に真剣に向き合う意思が足りない患者に対しては敢えて突き放す態度をとったり事実よりも重い診断を下して発奮を促すこともある。また、非常に義理堅くもあり、世話になった人物や恩人、その肉親、ピノコと親しい人物などに対しては無償あるいは低額で治療する
基本的に[[自殺]]を嫌う傾向にあり、勤務先の経費を男に貢いだために自殺しようとした見ず知らずの女性から、自殺用の毒薬を騙し取られた金額と同じ3000万円(同じ場に居合わせた患者の治療費)で買い取ったり(第121話『曇りのち晴れ』)、愛着のある[[ケヤキ]]が切られることになった老人の自殺を察知して張り込み、自殺に踏み切ったところをすぐに助けて手術したり(第199話『老人と木』)、目の前で飛び降り自殺を図った少年を本人の意思に反して手術したり、作り話を使って何人も自殺を思いとどまらせたりと、かなり徹底している。中には自分の患者(金貸し)の取り立てによって自殺に追い込まれた家族を救った際、治療費をほとんど請求しないどころか、金貸しの治療費として受け取った一家の財産に関する書類を「予防薬」として一家に返還したうえ、自身の取り分も返還させられて
美容整形に関しては、有名アイドルの替え玉作りを頼まれた際、替え玉の方に「健康な人の顔をいじくるのは気が進まない」と諭すことが多いが、金さえもらえれば行うようである。また冤罪を着せられた看護婦の復讐のために、整形手術を本人の事前の承諾なしで行なった事もある(118話「きみのミスだ」)。
安楽死を商売とするドクター・キリコとはたびたび衝突している
以上のようにブラック・ジャックは膨大な金を稼いでいるように見え、ある闇組織は100億ドル稼いだと推測している。しかし、空き巣がブラック・ジャックの家に入った時は大量の現金や預金通帳を見つけられず、ある闇組織が金融機関口座を調べた時には1000万円程度しか確認されなかった。その一方、現金で20億円を即座に用意した場面もある(第211話「助け合い」)。金の使用方法は自然保護や老人ホームなどへの援助(第25話「灰とダイヤモンド」)、そして後述の不発弾処理の関係者に対する復讐用の資金などである。また、上記のように医療技術の研究についても使っているようでもある。作中に請求した最も多額の治療費は150億円であり、詐欺めいた方法ではあったが、話の流れからこれはしっかり受け取ったようである(第73話「こっぱみじん」)。
== ライバル ==
作中には、特にライバルと言える人物は
逆に、自分の地位や名声を鼻にかけるばかりで実力が伴わない医師に対しては容赦ない。海外から訪れた有名
== 趣味・嗜好 ==
作中ではブラック・ジャックが何らかの趣味に興ずる場面はいっさい描かれていない。「わたしゃ商売(医療)以外には関心がないんだ」という発言と合わせると、趣味はないようである。
食事に関しては庶民的でありグルメではない。海外出張も多く外食が多いので、お茶漬けが食べたいと言ったり、大金を持っているのにレストランでカレーライスを注文したりする場面がある。「[[ボンカレー]]はどう作ってもうまいのだ」とおふざけ調子で言ったことがあるが、その一方でピノコが作るカレーがいつまで経っても不味い事に嘆いていた。もっとも、美味しいという評判の寿司屋にわざわざ遠方から通い詰めた事もある(この時は[[寿司]]を食わせる事を条件に、高額の手術の報酬の代わりとしている)。また居酒屋での一ヶ月飲食無料を手術代の代わりとした事もある。
喫煙者{{efn|テレビアニメ版ではかつてはパイプを吸っていたが、火種が残っていた灰をネズミが倒したことからボヤが発生し、ピノコに恐怖を感じさせたことから禁煙した(Karte:44 ピノコ誕生)。}}。[[パイプ (たばこ)|パイプ]]を愛用しているが、通常の巻き煙草を吸っている場面もある。上記のとおり、酒を飲んでいる場面は多いが、酔っぱらった場面はない。酒の場面は、前述の桑田このみとの出会いの場や、殺人事件への関与を疑われた際の無実を証明するアリバイ、コレラ感染の疑いを持つきっかけになる
== 住居
人里離れた海を臨む崖の上に建てられた石造りのコロニアル調の一軒家(ただし外見は木造に見える)
かなり老朽化していて、あちこち壊れっぱなしのところがあり、また、リフォーム時に一部の施工が完了していない状態となっている。
ただし、一部のエピソードでは、台風や地震などで全壊したことがあり、その場合でも次回作では元の状態に戻っている。
== 復讐 ==
前述の不発弾爆発の原因であった土地の請負に関係した5人を探し出し、報復することを誓っていた。作中で登場したのはそのうちの2人で、1人目の井立原は大量の[[地雷]]
もう一人の男姥本はブラック・ジャックが見つけたときには末期の[[癌]]であった。復讐をするため(と別条件を付加して)低額で(とはいえ娘は自分の持ち家を処分して費用を捻出する必要があった)手術をし完治させたものの、姥本は復讐を実行する前に心臓発作で死亡してしまう。娘からは「父は満足して死んでいった」と聞かされ、ブラック・ジャックは復讐するつもりだったことを教える。娘からは終始「先生はそんな人ではない」と否定される [[OVA]]から続く[[テレビアニメ]]シリーズでは復讐にまつわるストーリーは一切映像化されなかった。しかし、アニメシリーズを締めくくる『[[ブラック・ジャック21]]』において初めてオムニバス形式ではない長大な一本のストーリーが展開され、設定変更を交えつつ不発弾事故や彼の家族に関わる
== ブラック・ジャックを演じた人物 ==
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| ブラック・ジャック |
* [[伊武雅刀|伊武雅之]] - 『[[100万年地球の旅 バンダーブック]]』(1978年)、『[[火の鳥2772 愛のコスモゾーン]]』(1980年)
* [[野沢那智]] - 『[[海底超特急マリンエクスプレス]]』(1979年)、『[[鉄腕アトム (アニメ第2作)|鉄腕アトム]]』(第2作)(1981年)『[[ブレーメン4 地獄の中の天使たち]]』(1981年
* [[大塚明夫]] - [[ブラック・ジャック (OVA)|OVA版]]以降のアニメ作品(1993年以降)、当初予定されていた[[内藤剛志]]が急病となり他の役でキャスティングされていた大塚が急遽演じることとなった<ref>[https://www.werde.com/movie/interview/kaze_shonen.html 『風を見た少年』 声優発表記者会見](WERDE OFFICE)</ref><ref>[https://www.asahi.co.jp/50th/ootsuka.html 12月7日 ゲスト:大塚明夫さん]([[Earth Dreaming〜ガラスの地球を救え!]])</ref>。
| 間黒男時代(若い頃) |
* [[関智一]](高校時代) - [[ブラック・ジャック (テレビアニメ)|テレビアニメ版]](2005年)
143 ⟶ 150行目:
=== その他の声優 ===
* [[岸田森]] - ラジオドラマ[[ラジオ劇画傑作シリーズ]]『ブラック・ジャック』(1977年)
* [[時任三郎]] - ラジオドラマ『ブラック・ジャック』(1993年)
* [[神谷浩史]] - ゲーム『アトム:時空の果て』(2017年)
* [[東山奈央]] - ゲーム『絵師神の絆』(2019年)<ref>{{Cite web|和書|url=https://twitter.com/eshigami_kizuna/status/1082471956795011073|title=【公式】絵師神の絆@ノルマー (2019年1月7日)|accessdate=2019/1/11|publisher=}}</ref>
=== 実写俳優 ===
153 ⟶ 160行目:
* [[加山雄三]] - テレビドラマ『加山雄三のブラック・ジャック』(1981年)
* [[隆大介]] - オリジナルビデオ版(1996年)
* [[本木雅弘]] - TBSスペシャルドラマ版
* [[岡田将生]] - 日本テレビスペシャルドラマ版(2011年)
* [[上田堪大]] - 舞台『漫劇!! 手塚治虫 第四巻 The Fusion of Comics & Theater』(2017年)
* 大塚明夫 - 舞台『漫劇!!手塚治虫 第5巻 The Fusion of Comics & Theater』(2024年)
* [[大迫一平]] - 舞台『漫劇!!手塚治虫 第5巻 The Fusion of Comics & Theater』(2024年)
* [[高橋一生]] - テレビ朝日単発ドラマ版(2024年)
* [[坂本昌行]] - 舞台版(2025年)<ref>{{Cite web|和書|url=https://natalie.mu/stage/news/620252|title=坂本昌行扮するブラック・ジャック、矢吹奈子扮するピノコらのソロビジュアル公開|website=ステージナタリー|publisher=ナターシャ|date=2025-04-16|accessdate=2025-04-19}}</ref>
=== 宝塚歌劇 ===
*[[安寿ミラ]]-『ブラック・ジャック 危険な賭け』(1994年)
*[[初風緑]]-『ブラック・ジャック 危険な賭け』(1994年)
*[[未涼亜希]]-『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』(2013年)<ref>[https://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/backnumber/13/snow_dc_bj/index.html 宝塚歌劇『ブラック・ジャック 許されざる者への挽歌』]</ref>
*[[月城かなと]]-『ブラック・ジャック 危険な賭け』(2022年)<ref>[https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/blackjack/cast.html 宝塚歌劇『ブラック・ジャック 危険な賭け』『『FULL SWING!』キャストほか』]</ref>
== 他作品での登場 ==
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: ブラック・ジャックとして登場。宇宙海賊という設定で主人公たちの行く手を阻む。
; 『[[海底超特急マリンエクスプレス]]』
: ブラック・ジャックとして登場。天才的な外科医であり、高額な手術代を吹っ
; 『[[ブレーメン4 地獄の中の天使たち]]』
: ブラック・ジャックとして登場。反体制レジスタンスのリーダーであり、終盤に正体が判明する。
172 ⟶ 191行目:
; 『[[ミッドナイト (漫画)|ミッドナイト]]』
: ブラック・ジャックとして登場。設定もそのままであり、天才的な外科医としてストーリーにかかわっていく。
; 『[[火の鳥_(漫画)#望郷編(マンガ少年版)|火の鳥(望郷編)]]』
: 「フォックス」という名の暴走族のリーダーとして登場。鬚を生やしており、髪も黒ベタ一色。
; 『四谷快談』
: 1コマのみ登場。
; 『[[ブッダ (漫画)|ブッダ]]』
: 登場人物、アマンダが病気で苦しんでいるとき、同行していた人物のアヒンサーが病気のせいでブラック・ジャックに見えたというシーンがある。また、ブッダがルリ王子に「つまり、私は医者だ」と発言するコマのブッダの顔には縫い目が走り髪型もブラック・ジャックのそれになっている。
184 ⟶ 203行目:
; 『[[RAY (漫画)|RAY]]』
: [[吉富昭仁]]の漫画作品。
: 劇中でブラック・ジャックとうかがえる謎の人物「B.J.」
: アニメ版では
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
; 『[[PLUTO]]』
: [[浦沢直樹]]の漫画作品。手塚治虫の漫画『[[鉄腕アトム]]』内の一エピソード「地上最大のロボット」が原作。
: 「日本人の医者」が登場する場面がある。顔は映らないものの、無免許、法外な値段、「正確にはもぐりの医者」という表記、確かな腕などから、ブラック・ジャックであることをうかがわせている。
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
; 『神は天にいまし 世はすべてことも ないわきゃあない』
: [[田中圭一 (漫画家)|田中圭一]]によるパロディ漫画。「[[COMIC CUE]]」手塚治虫トリビュート特集号(手塚プロダクション公認)の巻頭に掲載された後、『[[田中圭一最低漫画全集 神罰]]』に収録されている。
: 友人([[ロック・ホーム]])を「おまえさん」呼ばわりする。[[ギャルゲー]]をプレイするだけの内容なので、ブラック・ジャックの職業を匂わす描写は無い。
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
; 『[[ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-]]』
: [[
: ブラック・ジャック本人として登場。終盤でアトムの依頼により、ある人物が罹患している「ドルメヒカ症候群」の手術を行う。
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
; 『[[ヤング ブラック・ジャック (漫画)|ヤング ブラック・ジャック]]』
: 脚本:[[田畑由秋]] / 漫画:[[大熊ゆうご]]による漫画作品。
: 1960年代が舞台とされ、医科大学在学中の間黒男を主人公としている。高校時代のエピソードや、ボンカレーとの出会い(1968年に新発売)といった本編の設定を補完するようなエピソードもある。
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
; 『ブラック・ジャック 〜青き未来〜』
: 脚本:[[岩明均|山石日月]] / 漫画:[[中山昌亮]]による漫画作品。
: 本編のX年後を舞台とし、60歳くらいに老いて突然に昏睡状態になるという原因不明の難病を患っているブラック・ジャックを描く。
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
; 『[[深夜!天才バカボン|深夜!天才バカボン]]』
: 2018年放送のテレビアニメ。
: 第1話でゲスト出演し、『ブラック・ジャック』の原作で見られたような毒舌や[[テレビ東京|放送局]]への皮肉など[[メタフィクション|メタ]]台詞を交えながら、[[バカボンのパパ]]とバカボンの整形手術を行った。声は大塚明夫が担当。
:<!-- バグ回避。「Help:箇条書き」を参照。 -->
▲;『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』全2巻
; 『#こんなブラック・ジャックはイヤだ』全5巻
: 漫画:[[つのがい]]によるパロディ漫画。ブラック・ジャック、ロック、キリコ、[[ピノコ]]を中心としたギャグマンガである。登場キャラは手塚作品全般にわたるが、『ブラック·ジャック』やロックがらみで『バンパイヤ』、『ブッキラによろしく!』のキャラとも共演している。一応現在を舞台にし、患者もキリコ、ロックのみで貧しいという設定。他に[[七色いんこ]]の自宅に勝手に上がりこみ料理の解説したり(『ビンボーレシピ』、実はいんこに無断で動画配信していた)、学園編では全員学生として大人の姿のまま登場する。ギャグ漫画なので奇行が目だつキャラ崩壊や、原作の作られた時代にはなかった[[スマートフォン]]や[[Instagram]]を題材にした作品などがあり、作者曰く、これは「原作と間違われるのを防ぐため」である。
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
{{Notelist|30em}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em}}
{{ブラック・ジャック}}
{{関智一}}
{{神谷浩史}}
{{東山奈央}}
{{加山雄三}}
{{本木雅弘}}
{{坂本昌行}}
{{DEFAULTSORT:ふらつくしやつく}}
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