「必殺仕事人V・風雲竜虎編」の版間の差分

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| 企画 =
| 製作総指揮 = [[山内久司]](朝日放送)
| 監督 = [[工藤栄一]]<br />[[原田雄一 (TVドラマ監督)|原田雄一]]<br />[[松野宏軌]]
| 演出 =
| 原作 =
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| データ放送 =
| OPテーマ = 作曲:[[平尾昌晃]]「我巷にて仕置せん」
| EDテーマ = [[川中美幸]]「愛は別離」<ref> 前作の[[必殺仕事人V・旋風編]]と同じ主題歌である。</ref>
| 時代設定 = 江戸時代・[[天保]]年間 <ref> 第2話で死去する[[徳川家斉]](クレジットは「大御所家斉」)の史実上の没年は[[1841年]](天保12年)である。</ref>
| 外部リンク =
| 外部リンク名 =
| 特記事項 =
}}
『'''必殺仕事人V・風雲竜虎編'''』<ref> 放送タイトルはこの作品のみ『必殺仕事人V 「風雲竜虎編」』と副題にカギカッコが付く。</ref>(ひっさつしごとにんファイブ ふううんりゅうこへん)は、[[1987年]][[3月13日]]から[[7月31日]]まで、[[テレビ朝日]]系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、[[朝日放送テレビ|朝日放送]]と[[松竹]](京都映画撮影所、現・[[松竹撮影所]])共同製作のテレビ[[時代劇]]。全19話。主演は[[藤田まこと]]。
 
[[必殺シリーズ]]の第28作、[[必殺仕事人]]シリーズの第8作、[[中村主水]]シリーズの第14作である。
 
== 概要 ==
前作『[[必殺仕事人V・旋風編]]』が、[[出門英]]のスケジュールによる降板と視聴率の低迷で打ち切りとなった直後の作品で、旋風編。前作正当な続編であり、レギュラー出演者や主題歌など、いくつか一部の要素はそのまま引き継がれている。
 
旋風編で降板した出門と[[ひかる一平]]の代わりに後を受け継ぐ形で当時[[大河ドラマ]]『[[独眼竜政宗 (NHK大河ドラマ)|独眼竜政宗]]』に出演していた[[三浦友和]]と『[[テレビ三面記事 ウィークエンダー]]』に出演していた桂朝丸(現・[[桂ざこば (2代目)|2代目桂ざこば]])を起用した。
 
視聴率はやや持ち直したが、次作『[[必殺剣劇人]]』を以て、『[[必殺仕掛人]]』以来、15年続いた必殺シリーズのレギュラー放送を休止させることが決定した。
 
== あらすじ ==
仲間の夜鶴の銀平、[[西順之助]]を失う結果となった百軒長屋での大仕事から1年後。中村主水は焼失した百軒長屋の番所から、富岡八幡宮へ続く橋の番所勤めに配置換えとなり、橋の通行料の接収係なっていた。
 
ある日のこと、主水の目の前で仕事人の元締 柳島の茂兵衛が殺害され、茂兵衛の持っていた仕事人の名簿が奉行所に流れたことで、大規模な仕事人狩りが行われる。鍛冶屋の政を含め、江戸の仕事人たちは功績が欲しい主水が裏切ったと考え、茂兵衛の妻のお絹が絵馬坊主の蝶丸に主水の殺しを依頼したことから、主水は仕事人たちから命を狙われることとなる。
 
大道芸人の影太郎を相棒として江戸に戻って来たお玉は蝶丸から主水殺しの依頼を受け、主水に真相を問いただすが主水は身の潔白証明できない。しかし、影太郎は主水の嫌疑を否定し、白であることを直感する。
 
黒幕は裏稼業界を支配し中村主水を仲間に引き込みたいと考えていた松平葵のの殿様とお絹だと分かり、主水、政、影太郎、お玉は協力して、彼らを葬る。新たな仕事人グループが結成され、仕事を行っていく。
 
=== 概説 ===
本作では元締ではないが、裏の仕事を請け負い斡旋する人物として、絵馬坊主の蝶丸がいる。位置付けとしては仕事の仲介役である仕置屋のおこうに近い<ref>蝶丸とおこうは上方出身という共通点がある。</ref>
 
頼み人は蝶丸が住む夜叉堂を訪れ、そこで恨みを晴らしたい人物と頼み人自身の名を「ご神水」と称する見えない墨([[硝石|煙硝]]を水で溶いたもの)で赤絵馬の裏に書く<ref>頼み人が読み書きできない者である場合は蝶丸が代筆するが、字が書ける者であれば瀕死の重傷を負っていても本人に書かせる。</ref>。その際に有り金の全てを賽銭という形で、蝶丸に支払う。そして、その絵馬を仕事を請け負う仕事人に渡し、それを炙ると相手の名前が浮かぶという趣向である。依頼の仕組みは仕事人の木更津のお助け地蔵に似ている。また、他の作品と違って、依頼も全話を通して前半で行っている。第2話以降は依頼人に対して「嘘偽りがあれば天罰ただちに我が身に返る」という忠告がされる
 
その絵馬を仕事を請け負う仕事人に渡し、それを炙ると相手の名前が浮かぶという趣向である。依頼の仕組みは仕事人の木更津のお助け地蔵に似ている。他の作品と違い、依頼も全話を通して前半で行っている。第2話以降は依頼人に対して「嘘偽りがあれば天罰ただちに我が身に返る」という忠告がされるが誤解による依頼と判明した場合は特に咎めることはせず、真相を知った頼み人による依頼の取り消しにも応じる。表向きは神頼みの形を取っているため、亡霊退治という、本来なら仕事人が受けるものではない依頼も受けなければならないことがあった<ref>事態の進展により、最終的には殺しの仕事になった。</ref>。
前作と仕事人V~新仕事人、商売人、仕業人以前と違い、主水らが依頼人から直接金を受け取って仕事をすることができないが(というよりしていない。)、元締の制度自体は別に存在し、第1話の柳島の茂兵衛、最終回の旅芸人一座の座長 雲龍が存在し、雲龍は主水に仕事の斡旋をしている。
 
前作と仕事人V~新仕事人、商売人、仕業人以前と違い、主水らが依頼人から直接金を直接受け取って仕事をすることできないが(というよりしていない。)、元締の制度自体は別に存在している。第1話の柳島の茂兵衛最終回の旅芸人一座の座長 雲龍が存在し、雲龍は主水に仕事の斡旋をしている。
 
== 登場人物 ==
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; [[中村主水]]
: 演 - 藤田まこと
: 南町奉行所の定廻り同心。本作では前作最終話での百軒長屋の火災の責任を取らされ、富岡八幡宮へ続く橋の番所勤めへ異動となり、以前にも増して左遷された状態にある。
: 第8話では3カ月の勤務予定だったはずが評判がいいらしく、さらに3カ月 延長となる。
: 第7話では、15年もの間刀を研いでいたというと研師の存在も明らかになったが、同話で殺害された。
; [[政 (必殺シリーズ)|鍛冶屋の政]]
: 演 - [[村上弘明]]
: 前作の銀平の死を受け、裏稼業から足を洗っていたが主水が裏切りを働いたとの誤解から仕事人に復帰する。主水の潔白が証明された後は彼と組み、仕事を行う。
: 鍛冶屋としての腕前を上げており、第17話では依頼に応じ、筋力増強のための[[ブルワーカー]]を連想させる運動器具を作り上げた。
: 最終回で捕り方に捕まった影太郎を助けたことで足が付き、仲間たちに別れを告げ、江戸を旅立つ。
: 政を演じた村上は、第4話の次回予告も担当していた<ref>それ以外の回では、影太郎役の三浦が担当している。</ref>。
; かげろうの影太郎
: 演 - [[三浦友和]]<ref>クレジットは起こし(かつての[[ロート製薬#オープニングキャッチ|ロート製薬のオープニングキャッチ]]と同じ形)</ref>
: お玉とコンビを組んでの大道芸([[南京玉すだれ]])を表稼業としている。暢気な性格の色男で女性からの人気は高いが世間知らずな一面を持つ。冷静沈着で頭の回転早く、軽率な行動を取ること少ない。直情的な政の抑え役になっている。
: その素性は不明で、お玉知らなかったが正体は高遠藩の跡取りの双子の弟 本多忠次であるという事実が明かされる。双子は不吉として子供の頃は寺に預けられていたため、家族への羨望を持つ。第18話で、高遠藩の内紛を治めるために兄の身代わりを務め、仕事を行う。
: 最終回で現場に残った玉すだれの残骸から足が付き、奉行所に捕縛されかけたところを政の助けで事無きを得る<ref>事態を知った主水が家に先回りして「凶」の文字を書き残しており、それに気づいたと同時に踏み込まれた。</ref>。その後仲間たちに別れを告げ、江戸を旅立つ。
: 演じた三浦は次回予告担当している<ref>但し第4話のみ、三浦ではなく鍛冶屋の政役の村上が担当している。</ref>
; お玉
: 演 - [[かとうかず子|かとうかずこ]]
: 仕事人の密偵。百軒長屋の大火事騒動の後、便利屋を廃業し、今。本作では大道芸人となり、影太郎の相棒を務める。主に情報収集と蝶丸から依頼を受けるのは彼女の役割となっている。尚、12話は前作と髪型が変わってい。3話からは前作の髪型を小さくした髪型になっている。
: 金粉を使い、影太郎の殺しをサポートするが前作で見せた跳躍は行わない。仕事以外では、影太郎の身の回りの世話や傷の手当、玉すだれの修復も手伝うなど献身的である
: 最終回で仕事料の残りの半金を取りに雲龍に会ってた所を奉行所に見つかり、さらに懐に持っていた金粉から足が付いてしまうが、主水の機転で助けられる事なきを得た。その後は主水、政、影太郎と別れ、江戸を旅立つ。
: 影太郎と別れる際、彼について行きたいような素振りを見せることから気があったことがうかがえる。
; 絵馬坊主の蝶丸
: 演 - [[桂ざこば (2代目)|桂朝丸]]
: 夜叉堂を拠点とする上方出身の坊主で、頼み人より仕事を請け負う。
: 女好きのお調子者で、お玉に毎回[[セクシャルハラスメント|セクハラ]]をする毎回 行うが、全く相手にされていない。後半作中では、お仙と後に一緒に暮らすようになるが、あっけらかんとしている彼女に対しては女好きの彼も扱いに困っていた。
: お玉に対し、紙芝居仕立てで頼み人の依頼理由を解説する。これは蝶丸役の桂朝丸が出演していた『[[テレビ三面記事 ウィークエンダー]]』のパロディーである。
: 第15話では親友の不覚の恨みを晴らすべく自ら頼み人となる。
: 最終回で、に愛想を尽かされた挙句、最終回でお仙に逃げられてしまい、主水たちよりも一足早く、江戸から逃げ出てしまう
 
=== その他 ===
; [[中村せん・りつ#中村せん|中村せん]]
: 演 - [[菅井きん]]
: 主水の姑。相変あいかわらず婿養子の主水をいびる。
; [[中村せん・りつ#中村りつ|中村りつ]]
: 演 - [[白木万理]]
: 主水の妻。せんとともに、相変わらず婿養子の主水をいびる。主水が左遷中のため、隣近所に肩身の狭い思いをしている。
; [[田中熊五郎|筆頭同心 田中]]
: 演 - [[山内としお]]
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: 演 - [[西田健]]
: 南町奉行所の与力で、田中の上司。前作同様、田中と一緒に登場することが多い。
: 成果を上げない部下を叱咤し、昼行灯の主水を大声で叱り飛ばすなど、名前通りの厳しさである。
; お仙
: 演 - [[小林千絵]]<ref>第13 - 15、17 - 19話</ref>
: 第13話から登場した素性の知れない少女で、自称「フーテンのお仙」。
: 突然、夜叉堂に突然現れ、蝶丸から金を貰って住み着き、絵馬が仕事人への連絡とは知らずに手伝いをするようになる。女好きの蝶丸を無邪気に翻弄して悶々とさせたりもする。
: 最終回で、蝶丸に愛想を尽かし、何処へ旅立ってしまった。
; 六平
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== 殺し技 ==
; 中村主水
: 悪人を油断させながら一瞬の隙を付いて、脇差を相手の急所に刺す。本作は大刀で悪人を斬り倒すこともある。
; 鍛冶屋の政
: 手槍で、悪人の首筋を突き刺す。激闘編と違って旅先等で殺しをする時も、わざわざ着替えて殺しをしている
; かげろうの影太郎
: お玉が金粉を悪人の顔に吹き掛けた所を尖端に針を仕込んだ南京玉すだれで、相手の額を刺す。鞭のように応用することも可能。
: 玉すだれがバラバラになったときのために予備の玉すだれを携帯しており(第7話)、第13、19話はバラバラになった玉すだれの一部で悪人の額を刺した(第13、19話)
: 一本のすだれで並んで座っていた相手2人の首を貫いたこともある(第16話)。
 
== スタッフ ==
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* 脚本 - [[吉田剛 (脚本家)|吉田剛]]、保利吉紀、[[篠崎好]]、鶉野昭彦、中原朗
* 音楽 - [[平尾昌晃]]
* オープニングナレーター - [[中村梅之助 (4代目)|中村梅之助]]
* 協力 - [[エクラン社|エクラン演技集団]]、新演技座
* 監督 - [[工藤栄一]]、[[原田雄一 (TVドラマ監督)|原田雄一]]、[[松野宏軌]]、水川淳三、[[山根成之]]
* 製作協力 - 京都映画撮影所(現・松竹撮影所)
* 制作 - 朝日放送、松竹
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* 挿入歌 - テン・リー「ついて行きたい」([[リバスター音産|リバスターレコード]])
*: 作詞・作曲:[[たきのえいじ]]、編曲:桜庭伸幸
*: 第4話から。劇場[[映画]]『[[必殺4 恨みはらします]]』、次作『[[必殺剣劇人]]』の主題歌としても使用された。
 
== 放送日程 ==
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!話数!!放送日!!サブタイトル!!脚本!!監督
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|第1話||1987年3月13日||謎の二枚目殺し屋登場!||rowspan="2"|吉田剛||[[工藤栄一]]
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|第2話||1987年3月20日||将軍の初恋騒動!||rowspan="2"|[[原田雄一 (TVドラマ監督)|原田雄一]]
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|第3話||1987年3月27日||返り討ち悲話||保利吉紀
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|第4話||1987年4月17日||政と女スリ、危機一髪||吉田剛||rowspan="2"|[[松野宏軌]]
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|第5話||1987年4月24日||一夫多妻家族 悲しき暴走||保利吉紀
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|第13話||1987年6月19日||剣豪の妻、悲願の御前試合||鶉野昭彦
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|第14話||1987年6月26日||お化け縁切り哀話||吉田剛||[[山根成之]]
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|第15話||1987年7月{{0}}3日||江戸大仏からくり開眼||中原朗||原田雄一
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|[[広域放送|近畿広域圏]]
|[[朝日放送テレビ|朝日放送]]
|rowspan="3"|[[All-nippon News Networkオールニッポン・ニュースネットワーク|テレビ朝日系列]]
|'''制作局'''
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|[[山梨県]]
|[[テレビ山梨]]
|[[ジャパン・ニュース・ネットワーク|TBS系列]]
|TBS系列
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