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{{基礎情報 テレビ番組
| 番組名 = ''MIAMI VICE''<br />特捜刑事マイアミ・バイス|
|| 画像説明 =
| 放送時間 =
| 放送期間 = [[1984年]][[9月16日]] - [[1989年]][[5月21日]]
| 放送回数 = 111
| ジャンル = [[テレビドラマ]]
| 放送国 = {{USA}}
| 制作局 = [[NBC]]
| 製作総指揮 = [[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]<br />[[アンソニー・ヤーコヴィック]]ほか<br />[[ディック・ウルフ]]
| 製作 = [[リーアム・オブライエン]]<br />[[リチャード・ブラムス]]<br />[[ジョン・ニコレラ]]
|製作 =
| 出演者 = [[ドン・ジョンソン]]<br />[[フィリップ・マイケル・トーマス]]<br />[[エドワード・ジェームズ・オルモス]]<br />[[サンドラ・サンティアゴ]]<br />[[マイケル・タルボット]]<br />[[ジョン・ディール]]<br />[[オリビア・ブラウン]]<br />[[グレゴリー・シエラ]]
| 音楽 = [[ヤン・ハマー]]
| 外部リンク =
| 画像 = Miami Vice.svg
}}
'''『特捜刑事マイアミ・バイス』'''(とくそうけいじマイアミ・バイス、原題:'''''Miami Vice''''')は、1984年から1989年までアメリカで放映され大ヒットした刑事ドラマ。NBC制作。
 
 
'''『特捜刑事マイアミ・バイス』'''(とくそうけいじマイアミ・バイス、原題:'''''Miami Vice''''')は、1984年から1989年までアメリカで放映された大ヒット刑事ドラマ。NBC製作。
 
== 概要 ==
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主演は[[ドン・ジョンソン]]と[[フィリップ・マイケル・トーマス]]。メトロ・デイド警察(現在の{{仮リンク|マイアミ・デイド警察|en|Miami-Dade_Police_Department}}の風俗取締班(風俗取締班をvice squadという。オフィスは「ゴールドコースト海運」という貿易会社に偽装)と、二人の潜入捜査官クロケットとタブス他、仲間達の活動を描く。
 
[[マイアミ]]を舞台に、[[ヴェルサーチ]]や[[アルマーニ]]のスーツを着て[[フェラーリ]]・[[フェラーリ・テスタロッサ|テスタロッサ]]に乗り回し、毎回[[ビルボード]]上位にランクされるようなメジャーなナンバーが流れるというスタイリッシュな刑事ドラマとして話題になった。こと劇中に挿入される楽曲については、もともと企画段階において、音楽番組(放送していたCATVの局名でもある)「[[MTV]]」をヒントに“MTV Cops”といった側面も取り入れたいといったプロデューサーの意向もあったとのことで、ドラマに大きな方向性と彩りを与えている。テーマソングは[[ヤン・ハマー]]。劇中挿入曲を集めたサントラも発売されヒットした。
 
著名な者から後に有名になった者まで多くの俳優やミュージシャン著名人が出演した。俳優では[[グレジョン・フラレグザモ]]、[[ブルース・ウィリス]]、[[マイケル・マドセン]]、[[ベニチオ・デル・トロ]]、[[ブルアムウィリスニーソン]]、[[マイアモンド・フリップス]]、[[ジェレンス・ブラウフィッシュバーン]]、[[フラザッールマン]]、[[コリモーテンセ]]、[[メラニシモンズ (ミグリフィス]]、[[ジリア・ロバジシャン)|ジーンツ]]、[[メリッサシモンズレオ]]、[[ケイリーアム=ヒロユキニーソンタガワ]]、[[スタリー・トゥッチ]]他多数、ミュージックの大御所シャンでは[[ウィリー・ネルソグレ・フライ]]、フィオナ、[[マイアモンド・フリップス]]、[[ヴィゴフランクモーテンセンザッパ]]、[[ジュフィル・コア・ロバーツンズ]]、[[フィッモンズ (ミジシャ]]、[[ロザリ)|ジーチャオシモンズ]]、[[ウィッサレオネルソン]]、[[ケイリー=ヒロユフランタガワヴァリ]]、[[ロンパワーステーション (バンド)|ルマ・ステーション]]、[[スタンリジェムストゥッチブラウン]]などがゲスト出演した。その他の有名人としては[[NBA]]プレーヤーの[[ビル・ラッセル]][[バーナード・キング]]、カーレーサーの[[ダニー・サリバン]]、[[ウォーターゲート事件]]で有名なに関わった[[ジョージ・ゴードン・リディ]]、[[フォード・モーター|フォード社]]の社長を経て[[クライスラー|クライスラー社]]の会長を務めた[[リー・アイアコッカ]]など出演した。
 
製作にあたった[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]は本質的に細部にわたって「リアリティ」に拘る映像作家であり、過去に自身が監督した映画『[[ザ・キープ]]』などでは劇中で登場する軍装品の時代考証などかなりのものであった。それは当然TVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』においても徹底されている。一例としてあげるならば、シチュエーションに対する銃器の選択、実際の銃器の取り扱いなどについて、IPSCマッチシューター([[ジム・ズビアナ]])や現役オフィサーがアドバイス、演技指導を行うなど、アクション面においてもドラマが荒唐無稽な話とならないようにされている。なおジム・ズビアナは劇中に暗殺者役でも登場している。クイックドローで銃を構えている相手にトリプルタップ(ボディショット2発、ヘッドショット1発)で倒すシーンは見所の一つである。
 
更に、このドラマがひとつのムーブメントとなりえたのは、脚本においてもしっかりと「リアリティ」にこだわったからである。『マイアミ・バイス』以前の刑事ドラマは、おおよその作品が犯人逮捕こそが解決という予定調和のもとに物語が成立していた。しかし本作では逮捕しても、何でもないような手続き上のミスを「[[デュー・プロセス・オブ・ロー]]に反する」と弁護士に突かれて不当逮捕として釈放されたり、苦労して立件したにもかかわらず[[証人保護プログラム]]適用者で[[連邦捜査局]](フロリダ支局)からの申し入れにより放免となるなど、“事件が解決して次の話へ”といった流れではない。事件への「捜査」を物語の起点として、そこからはじまる、新たなストーリーを大事にしている。解決しない事件もあるということ、捜査のプロセス、つまり主人公たちの「俺達何のためにこんなことをやってるんだろう」といったある種閉塞感を抱きながらも決して萎えることなく、それぞれの信義のもとに行動する刑事達を描いている。刑事ドラマでありながら当時ではめずらしく離婚や再婚といった人間関係や日常の生活にもしっかりと焦点を当てている。一話完結という形式をとりながらもそれらをサイドストーリーとして織り交ぜながら、きちんと時系列の中で関連性を持たせて描いている。
 
なお、オリジナルのスタッフが関わったのは第3シーズンまでであり、視聴率の低下もあり第4シーズンからはほぼ別のスタッフ(後に[[ロー&オーダー]]を製作する[[ディック・ウルフ]]が中心となった)によって製作された。そのため、第4、5シーズンはそれまでの作風とは異なりより暗く、陰鬱な話が中心となった。そしてそれが従来のファンから反発を招き、さらに視聴率が低下し第5シーズンで打ち切りとなった。
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オープニングのフイルムにはいくつかのバリエーションが存在しており、ヤン・ハマーの音楽と映像のみで構成された初期バージョンそして登場人物のワイプとキャステロ警部の声をあてた[[青野武]]によるナレーションが入っているものがある。更に映像が異なるバージョンまである。
 
== 製作概要 ==
1990年代にサンフランシスコ市警察を舞台にした[[刑事ナッシュ・ブリッジス]]でドン・ジョンソンとフィリップ・マイケル・トーマスが共演するエピソードがある。2人の再会のシーンでは「マイアミ・バイス」の主題曲のイントロ部分が使われている。
 
=== 企画・製作構想 ===
=== 構想~製作 ===
 
1982年の[[ウォール・ストリート・ジャーナル]]に『全米における税金の申告漏れの20%が[[マイアミ・デイド郡]]に集中している』という記事が掲載された。その記事を読んだ脚本家・プロデューサーの[[アンソニー・ヤーコヴィック]]は数字の誤植かと思いながらも計算し電卓を叩いてみると、[[マイアミ]]だけでアメリカの平均的な都市の40倍の収入をもたらしているという結果が出た。となり、この数字は麻薬に関わる犯罪組織の暗躍を意味するものと理解した<ref>{{Cite web|title=Miami Vice: Influencing an Era|url=https://medium.com/@hgvaughn/miami-vice-influencing-an-era-df25ccc0f433|website=Medium|date=2015-12-03|accessdate=2021-05-12|language=en|first=Hunter|last=Vaughn}}</ref>。
 
ヤーコヴィックはマイアミについて調査を始め、マイアミを舞台にした ”'''''Gold Coast'''''” という警察ドラマの脚本を書き始めた。実際にマイアミを訪れて[[おとり捜査]]をする刑事にヒアリングをすると、捜査には犯罪者から押収した品を使用していることを知った。[[アメリカ法|アメリカ連邦法]]によれば警察は犯罪に関わった個人の財産を押収でき、また犯罪防止の目的ならその押収品を使用できるとあり、ロレックスやアルマーニを身に付けフェラーリを乗り回す潜入捜査官刑事のコンセプトに繋がった。
 
「マイアミ・バイス」が生まれた経緯としては、『[[ヒルストリート・ブルース]]の会議中、出席していた[[NBC]]の社長がふと思い付いた"'''''MTV Cops'''''"という2つの単語を紙ナプキンに走り書きして、そのメモをた。近くにいたヤーコヴィックがそれを受け取り「マイアミ・バイス」のアイデアが生まれた…』という逸話が有名である。この「NBCの社長」とは、当時NBCエンターテインメント部門の社長だった[[ブランドン・タルティコフ]]と思われるが、ヤーコビックによれば ''“Gold Coast”'' の執筆を始めた頃はまだタルティコフと面識がなく、どこかの芸能記者が自分の記事に注目を集めようと考えた作り話だろうとのことである<ref>{{Cite web|title=How Miami Vice launched the ’80s on TV, then died with its decade|url=https://tv.avclub.com/how-miami-vice-launched-the-80s-on-tv-then-died-with-1798232906|website=TV Club|accessdate=2020-02-18|language=en-us}}</ref>
 
ブランドン・タルティコフは32歳若さでNBCの社長」とは、当時NBCエンターテインメント部門の責者に就いていたされるやヒット作([[:en:Brandon_Tartikoff|ヒルストリート・ランドン・タティコフース]]と思われるが[[ファミリタイズ]]、[[ー・ショー]]、[[チアーズ (テレビドラマ)|チアーズ]]、[[ナイトライダー]]、[[ロー&オーダー]]、[[特攻野郎Aチーム]]、[[となりのサインフェルド]]、他多数)を次々に送り出し、低迷していたNBCを全米ネトワーのトップよればのし上げた実力者であった<ref>{{Cite ''“Goldnews|title=Brandon Coast”'Tartikoff, Former NBC Executive Who Transformed TV in the 80's, の執筆を始めた頃Dies at 48|url=https://www.nytimes.com/1997/08/28/arts/brandon-tartikoff-former-nbc-executive-who-transformed-tv-in-the-80-s-dies-at-48.html|work=The New York Times|date=1997-08-28|accessdate=2020-02-23|issn=0362-4331|language=en-US|first=Bill|last=Carter}}</ref>。MTVに対してまだタ、単なる音楽番組がゴーティコフと面識デンタイムのドラマに敵うわけがないとしながらもどこかテレビドラマとミュージックビデオ芸能記者が自分の記事に注目[[コラボレーション]]集め示唆するようと考えな発言をしてい作り話だろうから、MTVを強く意識していたことであが窺える<ref>{{Cite web |title=How Miami Vice launched the ’80s on TV, then died with its decade |url=https://tvwww.avclub.com/how-miami-vice-launched-the-80s-on-tv-then-died-with-1798232906 |website=TVThe A.V. Club |accessdate=20202022-0204-1805 |language=en-us}}</ref>''。”MTV Cops”'' の逸話はまったく的外れではないと言えよう
 
=== 製作 ===
ブランドン・タルティコフは32歳の若さでNBCのエンターテインメント部門を任されるやヒット作([[ヒルストリート・ブルース]]、[[ファミリータイズ]]、[[コスビー・ショー]]、[[チアーズ (テレビドラマ)|チアーズ]]、[[ナイトライダー]]、[[ロー&オーダー]]、[[特攻野郎Aチーム]]、他多数)を次々に送り出し、低迷していたNBCを全米ネットワークのトップにのし上げた実力者であった<ref>{{Cite news|title=Brandon Tartikoff, Former NBC Executive Who Transformed TV in the 80's, Dies at 48|url=https://www.nytimes.com/1997/08/28/arts/brandon-tartikoff-former-nbc-executive-who-transformed-tv-in-the-80-s-dies-at-48.html|work=The New York Times|date=1997-08-28|accessdate=2020-02-23|issn=0362-4331|language=en-US|first=Bill|last=Carter}}</ref>。MTVについては、単なる音楽番組をゴールデンタイムに流してもドラマには対抗出来ないだろうと発言すると同時に、そのミュージックビデオとドラマのコラボレーションを示唆するような意見を発していたことから、MTVを強く意識していたことが窺える<ref>{{Cite web|title=How Miami Vice launched the ’80s on TV, then died with its decade|url=https://tv.avclub.com/how-miami-vice-launched-the-80s-on-tv-then-died-with-1798232906|website=TV Club|accessdate=2020-03-04|language=en-us}}</ref>。また「マイアミ・バイス」にもミュージックビデオのような映像を作るのに要する多額の製作費を許可していることからも、“MTV Cops” の逸話はまったく的外れではないと言えよう。
ヤーコヴィックが書いた"''Gold Coast''" はその後 "'''''Miami Vice'''''" に改名されパイロットフィルムの製作が決まった。企画時の仮題はバイスの拠点であり隠れ蓑でもある『ゴールドコースト海運』として残された。
 
エグゼクティブ・プロデューサーには当時40歳の[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]が抜擢された。ヤーコヴィックとは「[[刑事スタスキー&ハッチ]]」で共に脚本に参加した仲であり、これまでの映画やテレビドラマにおける優れた演出や脚本、中でも「[[ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー]]」(1981)、「[[ザ・キープ]]」(1983)で見せた映像表現やシンセサイザーを多用した音楽、リアリティを重視する銃撃やアクションシーンなど、彼独特のセンスを取り入れたい意向があった。
 
マンはテレビ映画「[[ジェリコ・マイル/獄中のランナー]]」(1979)が高い評価を得たおかげで、映画監督のオファーが数多く入っていたため再びテレビシリーズに戻るとは考えにくかった。が、直前の「ザ・キープ」が興行的に失敗していたこともあり、台本を受け取ったマネージャーのジェフ・バーグは「とにかく読んでみろ」とマンに台本を手渡した。マンはその当時を回想し、実に素晴らしい台本で直感的に成功を確信したと語っている。また、自分で監督すると作品に対する疑念でいっぱいになるものだが、プロデューサーなら常に客観的な立場にいられるので自分の思い通りの作品が作れるだろうと考えたという<ref>{{Cite news|title=Of Vice and Mann|url=https://www.washingtonpost.com/archive/lifestyle/1985/10/16/of-vice-and-mann/7aeb6989-30bf-420f-8063-7f09b22f52d1/|work=Washington Post|date=1985-10-16|accessdate=2020-03-28|issn=0190-8286|language=en-US|first=Art|last=Harris}}</ref>。
ヤーコヴィックが書いた"''Gold Coast''" はその後 "'''''Miami Vice'''''" と改名されパイロットフィルムの製作が決まった。企画時の仮題はバイスの拠点であり隠れ蓑でもある『ゴールドコースト海運』として残された。
 
アンソニー・ヤーコヴィックもエグゼクティブ・プロデューサーとしての役割を担ったが、映画製作に取り掛かるため第6話までで退いた。その後はマイケル・マンが引き継いだが、2年後には「[[刑事グラハム/凍りついた欲望]]」(1986)やテレビシリーズの「[[クライム・ストーリー]]」に移行してしまい、マンが直接関わったのはシーズン2までだったという<ref>{{Cite web|title=Behind the scenes of ''Miami Vice''|url=https://ew.com/article/2006/07/21/behind-scenes-miami-vice/|website=EW.com|accessdate=2020-03-23|language=EN}}</ref>。
エグゼクティブ・プロデューサーには当時40歳の[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]が抜擢された。これまでの映画やテレビドラマにおける優れた演出や脚本、中でも「[[ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー]]」(1981)、「[[ザ・キープ]]」(1983)で見せた映像表現、シンセサイザーを多用した音楽、リアリティを重視する銃撃やアクションシーンなど、彼独特のセンスを取り入れたい意向があった。マイケル・マンはテレビ映画「[[ジェリコ・マイル/獄中のランナー]]」(1979)で高い評価を得たおかげで映画監督のオファーが数多く入っていたため、再びテレビシリーズに戻るとは考えにくかった。が、「ザ・キープ」が興行的に失敗していたこともあり、彼のマネージャーのジェフ・バーグは「とにかく読んでみろ」と台本をマンに手渡した。マンはその当時を回想し、実に素晴らしい台本で直感的に成功すると思ったと語る。また、自分で監督すると作品に対する疑念でいっぱいになるが、プロデューサーなら常に客観的な立場にいられるので自分の思い通りの作品が作れるだろうと考えた、とも言っている<ref>{{Cite news|title=Of Vice and Mann|url=https://www.washingtonpost.com/archive/lifestyle/1985/10/16/of-vice-and-mann/7aeb6989-30bf-420f-8063-7f09b22f52d1/|work=Washington Post|date=1985-10-16|accessdate=2020-03-28|issn=0190-8286|language=en-US|first=Art|last=Harris}}</ref>。
 
当初はアンソニー・ヤーコヴィックもエグゼクティブ・プロデューサーとしての役割を担っていたが、次作の映画製作に取り掛かるため第6話までで退き、その後はマイケル・マンに任された。しかしその2年後には「[[刑事グラハム/凍りついた欲望]]」(1986)の監督と「[[クライム・ストーリー]]」の製作に移ってしまいマイケル・マンが実質的に取り組んでいたのはシーズン2までだったという<ref>{{Cite web|title=Behind the scenes of ''Miami Vice''|url=https://ew.com/article/2006/07/21/behind-scenes-miami-vice/|website=EW.com|accessdate=2020-03-23|language=EN}}</ref>。
 
シーズン3からは「ヒルストリート・ブルース」の脚本に参加したことがある[[ディック・ウルフ]]を招き入れ、シーズン4ではウルフがエグゼクティブプロデューサーとして番組を仕切った。
 
=== キャスティング製作費 ===
'''ソニー・クロケット'''刑事の候補には映画俳優の[[ジェフ・ブリッジス]]、[[ゲイリー・コール]]、[[ニック・ノルティ]]、[[ミッキー・ローク]]、[[トム・ベレンジャー]]などの名前が挙げられたが、当時は映画俳優とテレビ俳優には明確な格差があったためこの案はすぐに却下された<ref>{{Cite web|title=15 Things You Didn’t Know About Miami Vice|url=https://screenrant.com/miami-vice-tv-show-movie-trivia-facts/|website=ScreenRant|date=2016-07-22|accessdate=2021-08-18|language=en-US}}</ref>。
 
製作費はパイロットフィルム(第1話)で400万ドル、その後も1エピソードあたり約130万ドルと言われている。当時のテレビドラマ史上最高の額で、1エピソードだけでマイアミデイド警察・風俗取締班(Vice Squad)の年間予算を上回る額であった<ref>{{Cite web |title=Miami Vice / Trivia |url=https://tvtropes.org/pmwiki/pmwiki.php/Trivia/MiamiVice |website=TV Tropes |accessdate=2020-03-19}}</ref>。
最終的に「[[白バイ野郎ジョン&パンチ]]」のジョン役を降ろされたばかりのラリー・ウィルコックスと[[ドン・ジョンソン]]の2名が残った。[https://www.reddit.com/r/MiamiVice/comments/514i4n/larry_wilcox_chips_auditions_as_sonny_crockett/ ウィルコックスのオーディション]は好評だったが彼には白バイ警官のイメージが定着しているため適切ではないと判断された。
 
一般に警察ドラマは屋外ロケが多いため製作費が高めだが、マイケル・マンは映像に写り込む車や建物などもドラマのキャラクターの一部と考え、ロケ地の背景にまで手を加えた。彼は撮影現場から[[アースカラー]]を排除し、[[パステルカラー]]を多用するよう指示を出す。使用可・使用不可に分類されたカラーチャートを作らせて、現場に使用出来ない色があれば撮影スタッフは直ちに移動や撤去、再塗装、またはカモフラージュするなどの作業に徹した。公衆電話や建物まで塗装してしまうほど大掛かりなものだった。マンは赤色や茶色を特に嫌っており、「フェラーリ([[マイアミ・バイスのフェラーリ|クロケット刑事のフェラーリ・デイトナ]]のこと)なのになぜ赤じゃないのか?」と問われるたびに「赤い車は嫌いだ」と答えていたという。当時[[マイアミ・バイスのフェラーリ#マイケル・マンのフェラーリ|所有していたフェラーリ308GTB]]も黒だった。
一方ドン・ジョンソンは前年のNBC製作のテレビドラマ”''Six Pack''"(ジョンソンの息子役は当時5歳の[[ホアキン・フェニックス]])の主役を務めたことでNBCのブランドン・タルティコフの目に留まり再び本作のオーディションに呼び出された<ref>{{Cite web|title=Google 翻訳|url=https://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=auto&tl=ja&u=https://www.rollingstone.com/tv/tv-news/the-sky-started-raining-panties-don-johnson-on-30-years-of-miami-vice-65016/|website=translate.google.com|accessdate=2021-05-08}}</ref>。彼には麻薬所持容疑で有罪判決を受けそれが原因でベトナム戦争の兵役を拒否された経歴があることや、”''Six pack''”を含む4作品のテレビドラマがシリーズ化に至らなかったためプロデューサーらは彼を使うことに懐疑的だったという。しかしこのドラマによって80年代を象徴するスターに躍進し「マイアミ・バイス」の代名詞とも言える存在となった。
 
多額の製作費は音楽にも表れている。企画時から音楽性を重視したドラマ制作を目指しており、ステレオ収録を行うためにも多額の予算が必要だった。
シーズン3が始まる前、ジョンソンは出演料の値上げを要求したせいで番組を降ろされそうになっている。代役として[[マーク・ハーモン]]が選ばれマスコミもシーズン3からハーモンに替わると報道したが、それまで1話あたり3万ドルの出演料を10万ドルに引き上げる条件でジョンソンの続投が決まった<ref>{{Cite web|title=20 Things You Probably Didn't Know About Miami Vice|url=https://www.eightieskids.com/fascinating-facts-you-probably-didnt-know-about-miami-vice/|website=Eighties Kids|date=2018-10-19|accessdate=2021-08-18|language=en}}</ref>。
 
パイロットフィルムを含め13エピソードで4トラックステレオ録音を実現しているが<ref>{{Cite news |title=TV SERIES TO BE BROADCAST IN STERO |url=https://www.nytimes.com/1984/07/09/arts/tv-series-to-be-broadcast-in-stero.html |work=The New York Times |date=1984-07-09 |accessdate=2021-08-18 |issn=0362-4331 |language=en-US |first=Stephen |last=Farber}}</ref>、当時のテレビはモノラル放送だったのでそこまでする必要があるのか疑問視する声もあった。しかし[[VHS|VHSビデオ]]リリースや、2年以内には実施されるであろうステレオ放送を前にして、地方局等に販売する際には必ず価値が上がるとマイケル・マンは予見していた<ref>{{Cite news |title=TV SERIES TO BE BROADCAST IN STERO |url=https://www.nytimes.com/1984/07/09/arts/tv-series-to-be-broadcast-in-stero.html |work=The New York Times |date=1984-07-09 |accessdate=2021-08-18 |issn=0362-4331 |language=en-US |first=Stephen |last=Farber}}</ref>。
『ソニー・クロケット』という名前はヤーコヴィックのお気に入りなのか「ヒルストリート・ブルース」にも同じ名前の人物が4エピソードに登場する<ref>{{Cite web|title=15 Things You Didn’t Know About Miami Vice|url=https://screenrant.com/miami-vice-tv-show-movie-trivia-facts/|website=ScreenRant|date=2016-07-22|accessdate=2021-08-18|language=en-US}}</ref>。双方のソニー・クロケットを演じる[[:en:Dennis_Burkley|デニス・バークレー]]とドン・ジョンソンは奇しくも「[[ティン・カップ]]」(1996)で共演している。
 
また、ドラマの中で新旧様々なヒット曲を使用し、エピソード毎に1万ドル以上、最高で4万ドル(シーズン2・第1話のニューヨーク編)もの使用料が支払われたほか、数分間に渡って曲だけでセリフが入らないミュージックビデオのような演出はテレビドラマとしては初の試みであった。翌日の朝刊に劇中で流れた曲のタイトルとアーティスト名を掲載する新聞もあり、新曲だけでなく過去にヒット作を送り出したミュージシャンやレコード会社にとっても格好の宣伝の場となった。
'''リカルド・タブス'''刑事には10人ほどの候補者があり、その中にはまだ無名だった[[デンゼル・ワシントン]]や[[アンディ・ガルシア]]の名前があったという<ref>{{Cite web|title='Miami Vice': How Andy Garcia Lost Out on the Ricardo Tubbs Role|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/miami-vice-how-andy-garcia-lost-out-on-the-ricardo-tubbs-role.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-10|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。ドン・ジョンソンがオーディションに呼ばれたとき相棒のタブス刑事役は2〜3名までに絞られており、ジョンソンとぴったり息の合う演技をした[[フィリップ・マイケル・トーマス]]が採用された。{{要出典範囲|第1話に出演している[[ジミー・スミッツ]]も最終段階まで残っておりテストフィルムではゲイリー・コールとジミー・スミッツがそれぞれクロケットとタブスを演じていたが、本編撮影になってスミッツにはエディ・リヴェラ刑事役が与えられた。第1話の冒頭のみの出演ではあるがこれが彼のデビュー作品となった。|date=2021-8}}
 
1980年代といえば「[[フラッシュダンス]]」や「[[フットルース (1984年の映画)|フットルース]]」のように、有名ミュージシャンを使って専用の挿入歌を作る映画が流行したが、この手法をテレビドラマに取り込んだのも「マイアミ・バイス」からである。番組のために作られた曲を集めた[[オリジナルサウンドトラック]]も発売された。
 
== キャスティング ==
'''ルー・ロドリゲス'''主任役の[[グレゴリー・シエラ]]は治安の悪いマイアミでの滞在に耐えられなくなり、殉職という形をとって4話で降板した<ref>{{Cite web|title=Gregory Sierra - Acteur Casting principal - Deux Flics à Miami - L'encyclopédie francophone sur la série Miami Vice|url=https://www.deuxflicsamiami.fr/Acteurs/Casting-principal/Gregory-Sierra.html|website=DeuxFlicsAMiami.fr|accessdate=2021-08-18}}</ref>。
クロケットとタブスの刑事コンビのアイデアは「[[ヒルストリート・ブルース]]」の[[スピンオフ]]企画が基になっている。NBCは「ヒルストリート・ブルース」で特に人気があるアンドリュー・レンコ(南部出身の白人警官)と相棒のロバート・ヒル(ニューヨーク出身の黒人警官)を主人公とする警察ドラマを企画したのだが実現されず、そのアイデアが採用された<ref>{{Citation|title=Miami Vice (TV Series 1984–1989) - IMDb|url=https://www.imdb.com/title/tt0086759/trivia/|language=en|access-date=2022-11-05}}</ref>。
 
=== ソニー・クロケット ===
後任の'''マーティン・キャステロ'''主任役として急遽[[エドワード・ジェームズ・オルモス]]に声がかかった。推薦したのはマイケル・マン本人だったという。しかし彼はレギュラー番組を持つことに乗り気ではなくゲスト出演ならば出演したいと断り続けたのだが、ようやく5回目のオファーで承諾した<ref>{{Cite web|title=Edward James Olmos Created an Amazing Amount of Tension His 1st Day on 'Miami Vice'|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/edward-james-olmos-created-an-amazing-amount-of-tension-his-1st-day-on-miami-vice.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-04|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。
[[ソニー・クロケット (架空の人物)|ソニー・クロケット]]刑事の候補には映画俳優の[[ジェフ・ブリッジス]]、[[ゲイリー・コール]]、[[ニック・ノルティ]]、[[ミッキー・ローク]]、[[トム・ベレンジャー]]などの名前が挙げられたが、当時は映画俳優とテレビ俳優には明確な格差があったためすぐに却下された<ref>{{Cite web|title=15 Things You Didn’t Know About Miami Vice|url=https://screenrant.com/miami-vice-tv-show-movie-trivia-facts/|website=ScreenRant|date=2016-07-22|accessdate=2021-08-18|language=en-US}}</ref>。
 
最終的に「[[白バイ野郎ジョン&パンチ]]」のジョン役を降りたばかりの[[ラリー・ウィルコックス]]と[[ドン・ジョンソン]]の2名が残った。[https://www.reddit.com/r/MiamiVice/comments/514i4n/larry_wilcox_chips_auditions_as_sonny_crockett/ ウィルコックスのオーディション]はNBC社長のブランドン・タルティコフほか幹部たちからの高い評価を得た<ref>{{Cite web |title=20 Fashionable Facts About Miami Vice |url=https://www.mentalfloss.com/article/77272/20-fashionable-facts-about-miami-vice |website=www.mentalfloss.com |date=2017-06-13 |accessdate=2022-02-03 |language=en}}</ref>。しかし彼には白バイ警官のイメージが強く染み付いているため、製作総指揮のヤーコビックは彼を使うことに反対したという<ref>{{Cite web |title=Five Facts You Likely Never Knew About 'Miami Vice' |url=https://www.lifezette.com/2019/03/five-facts-you-likely-never-know-about-miami-vice/ |website=LifeZette |date=2019-03-18 |accessdate=2022-02-03 |language=en |first=Zachary |last=Leeman}}</ref>。
台本を読んだ彼はノーブランドの黒のスーツと薄っぺらな黒のネクタイを衣装係に用意させた。そのスーツは洗濯してアイロンをかけず、足元には動きやすい黒のレスリングシューズ、という風変りなスタイルを提案した<ref>{{Cite web|title='Miami Vice': Edward James Olmos Insisted on 'Wash-and-Wear' Suits for Lt. Castillo|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/miami-vice-edward-james-olmos-insisted-on-wash-and-wear-suits-for-lt-castillo.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-13|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。また主任のオフィスから生活感をなくすためデスクや棚に置いてある物品を全て取り除くよう指示をし、残ったのは電話と私物のアスピリンのボトルのみとなった。
 
一方ドン・ジョンソンは前年のNBC製作のテレビドラマ、”''Six Pack''"(息子役は当時5歳の[[ホアキン・フェニックス]])の演技がタルティコフの目に留まり呼び出された<ref>{{Cite web|title=Google 翻訳|url=https://translate.google.com/translate?hl=ja&sl=auto&tl=ja&u=https://www.rollingstone.com/tv/tv-news/the-sky-started-raining-panties-don-johnson-on-30-years-of-miami-vice-65016/|website=translate.google.com|accessdate=2021-05-08}}</ref>。彼には麻薬所持容疑で有罪判決を受けそれが原因でベトナム戦争の兵役を拒否された経歴があることや、”''Six pack''”を含む4つのテレビドラマがシリーズ化に至らなかったためプロデューサーらは彼を使うことに懐疑的だったという。しかしこのドラマに抜擢されたおかげで1980年代を象徴するスターに躍進し、「マイアミ・バイス」の代名詞とも言える存在となった。
ドン・ジョンソンとオルモスはテレビシリーズ「[[ポリス・ストーリー (テレビドラマ)|ポリス・ストーリー]]」のシーズン5・第1話”''[[imdbtitle:0676334|Trigger Point]]”''(1977)で共に制服警官の役で既に共演したことがあった。しかし本作でオルモスが撮影現場に参加して早々、考え方の違いでジョンソンと衝突してしまう<ref>{{Cite web|title=The Truth Behind Miami Vice's Long Lasting Legacy|url=https://www.brain-sharper.com/entertainment/miami-vice-secrets-ob/|website=BrainSharper|date=2019-10-04|accessdate=2021-08-18|language=en}}</ref>。オルモスはオフィスのドアは閉めておくのが自然と考えたがジョンソンは開けておくべきだと主張したのだった<ref>{{Cite web|title=Edward James Olmos Created an Amazing Amount of Tension His 1st Day on 'Miami Vice'|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/edward-james-olmos-created-an-amazing-amount-of-tension-his-1st-day-on-miami-vice.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-04|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。互いに譲ろうとせず撮影が中断してしまったのだが、プロデューサーの[[ジョン・ニコレラ]]はこの現場の緊張感こそフィルムに収めておくべきだと考え彼らを説得して数時間後に撮影を再開した。その後10エピソードほど2人は目を合わすことすらなかったという。
 
ドン・ジョンソンはシーズン2が終わった頃、1話あたり3万ドルだった出演料を10万ドルに上げるよう要求した。「[[私立探偵マグナム]]」の[[トム・セレック]]は25万ドルだった。
=== 製作費 ===
 
NBCは3万8,500ドルを提示したが、不満を募らせたジョンソンはアルバム『ハートビート』のレコーディングがあると言ってロサンゼルスに移ってしまった。撮影が停滞したためNBCは契約違反だとして2千万ドルの賠償請求をし、さらに[[マーク・ハーモン]]を用意した<ref>{{Citation|title=Miami Vice (TV Series 1984–1989) - IMDb|url=https://www.imdb.com/title/tt0086759/trivia/|language=en|access-date=2022-11-05}}</ref>。と言ってもNBCはハーモンを代役ではなく新しいキャラクターとして考えており、ドン・ジョンソンがいつでも戻れるように考えていた。最終的には金額非公開のままジョンソンの続投が決まった<ref>{{Cite web |title=1986 Don Johnson Holdout |url=https://miamivice.fandom.com/wiki/1986_Don_Johnson_Holdout |website=Miami Vice Wiki |access-date=2024-02-03 |language=en}}</ref>。
製作費はパイロットフィルム(第1話)で400万ドル、その後も1エピソードあたり約130万ドルと言われている。当時のテレビドラマ史上最高の額で、1エピソードだけでマイアミデイド警察・風俗取締班(Vice Squad)の年間予算を上回る額であった<ref>{{Cite web|title=Miami Vice / Trivia|url=https://tvtropes.org/pmwiki/pmwiki.php/Trivia/MiamiVice|website=TV Tropes|accessdate=2020-03-19}}</ref>。
 
『ソニー・クロケット』という名前はアンソニー・ヤーコヴィックのお気に入りなのか「ヒルストリート・ブルース」にも同じ名前の人物が4エピソードに登場する<ref>{{Cite web|title=15 Things You Didn’t Know About Miami Vice|url=https://screenrant.com/miami-vice-tv-show-movie-trivia-facts/|website=ScreenRant|date=2016-07-22|accessdate=2021-08-18|language=en-US}}</ref>。双方のソニー・クロケットを演じる[[:en:Dennis_Burkley|デニス・バークレー]]とドン・ジョンソンは奇しくも「[[ティン・カップ]]」(1996)で共演している。
一般に警察ドラマは屋外ロケが多いため製作費が高めになるものだが、マイケル・マンは映像に写り込む車や建物などもドラマのキャラクターの一部と考え、ロケ地の背景にまで手を加えた。彼は撮影現場からアースカラーを排除し、パステルカラーを多用するよう指示を出す。使用可・使用不可に分類されたカラーチャートを作らせて、撮影スタッフは使用出来ない色があれば直ちに移動や撤去、再塗装、またはカモフラージュするなどの作業に徹した。公衆電話や建物まで塗装してしまうほど大掛かりなものだった。マンは赤色や茶色を特に嫌っており、「フェラーリ([[マイアミ・バイスのフェラーリ#%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC%EF%BC%88%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%EF%BC%91%EF%BD%9E2)|クロケット刑事のフェラーリ・デイトナ]]のこと)なのになぜ赤じゃないのか?」と問われるたびに「赤い車は嫌いだ」と答えていたという。当時、[[マイアミ・バイスのフェラーリ#マイケル・マンのフェラーリ|趣味で所有していたフェラーリ308GTB]]も黒だった。
 
=== リカルド・タブス ===
多額の製作費は音楽にも表れている。企画時から音楽性を重視したドラマ制作を目指しており、ステレオ収録を行うためにも多額の予算が必要だった。
リカルド・タブス刑事には10人ほどの候補者があり、その中にはまだ無名だった[[デンゼル・ワシントン]]や[[アンディ・ガルシア]]の名前があったという<ref>{{Cite web|title='Miami Vice': How Andy Garcia Lost Out on the Ricardo Tubbs Role|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/miami-vice-how-andy-garcia-lost-out-on-the-ricardo-tubbs-role.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-10|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。ドン・ジョンソンがオーディションに呼ばれたとき相棒のタブス刑事役は2〜3名までに絞られており、ジョンソンとぴったり息の合う演技をした[[フィリップ・マイケル・トーマス]]が採用された。
 
{{要出典範囲|[[ジミー・スミッツ]]も最終段階まで残っていたが、第1話(パイロット)の冒頭でクロケットの相棒役で出演することになり、これが彼のデビュー作品となった。|date=2021-8}}
 
=== ルー・ロドリゲス ===
ルー・ロドリゲス主任役の[[グレゴリー・シエラ]]は治安の悪いマイアミでの生活に耐えられなくなり、殉職という形で4話までで降板した<ref>{{Cite web|title=Gregory Sierra - Acteur Casting principal - Deux Flics à Miami - L'encyclopédie francophone sur la série Miami Vice|url=https://www.deuxflicsamiami.fr/Acteurs/Casting-principal/Gregory-Sierra.html|website=DeuxFlicsAMiami.fr|accessdate=2021-08-18}}</ref>。
 
=== マーティン・キャステロ ===
後任のマーティン・キャステロ主任役として、急きょ[[エドワード・ジェームズ・オルモス]]に声がかかった。推薦したのはマイケル・マン本人だった。しかし複数のキャラクターを同時に演じることを嫌うオルモスはレギュラー番組を持つことに乗り気ではなく、ゲストでなら出演しても良いと断り続けていたのだが、5回目のオファーで最高の金額を提示されようやく承諾した<ref>{{Cite web|title=Edward James Olmos Created an Amazing Amount of Tension His 1st Day on 'Miami Vice'|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/edward-james-olmos-created-an-amazing-amount-of-tension-his-1st-day-on-miami-vice.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-04|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。この契約額は「父親が生涯働いて得た給料を上回っていた」と話している。
 
台本を読んだオルモスは、ノーブランドの黒のスーツと薄っぺらな黒のネクタイを衣装係に用意させた。そのスーツは洗濯してアイロンをかけず、足元には動きやすい黒のレスリングシューズ、という風変りなスタイルを提案した<ref>{{Cite web|title='Miami Vice': Edward James Olmos Insisted on 'Wash-and-Wear' Suits for Lt. Castillo|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/miami-vice-edward-james-olmos-insisted-on-wash-and-wear-suits-for-lt-castillo.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-13|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。また主任のオフィスから生活感をなくすためデスクや棚に置いてある物品を全て取り除くよう指示をし、残ったのは電話と私物のアスピリンのボトルのみとなった。
 
ドン・ジョンソンとオルモスはテレビシリーズ「[[ポリス・ストーリー (テレビドラマ)|ポリス・ストーリー]]」のシーズン5・1話”''[[imdbtitle:0676334|Trigger Point]]”''(1977)で共に制服警官の役で共演したことがあった。(ちなみに「ポリス・ストーリー」シーズン6ではオルモスとグレゴリー・シェラが共演している)
 
しかしオルモスが初登場する[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第6話「切り札」|第6話「切り札」]]の撮影が始まって早々、2人は考え方の違いから対立してしまう<ref>{{Cite web|title=The Truth Behind Miami Vice's Long Lasting Legacy|url=https://www.brain-sharper.com/entertainment/miami-vice-secrets-ob/|website=BrainSharper|date=2019-10-04|accessdate=2021-08-18|language=en}}</ref>。オルモスはオフィスのドアを閉めておくのが自然と考えたのだが、ジョンソンは開けておくべきだと主張したのがきっかけだった<ref>{{Cite web|title=Edward James Olmos Created an Amazing Amount of Tension His 1st Day on 'Miami Vice'|url=https://www.cheatsheet.com/entertainment/edward-james-olmos-created-an-amazing-amount-of-tension-his-1st-day-on-miami-vice.html/|website=Showbiz Cheat Sheet|date=2021-02-04|accessdate=2021-08-18|language=en-US|first=Eric Schaal Twitter|last=Twitter}}</ref>。互いに譲ろうとせず撮影が中断してしまったのだが、プロデューサーの[[ジョン・ニコレラ]]はこの緊張感こそフィルムに収めておくべきだと考え、彼らを説得して数時間後に撮影を再開した。しかしその後10エピソードほど2人は目を合わすことすらなかったという。
パイロットフィルムを含め13エピソードで4トラックステレオ録音を実現しているが<ref>{{Cite news|title=TV SERIES TO BE BROADCAST IN STERO|url=https://www.nytimes.com/1984/07/09/arts/tv-series-to-be-broadcast-in-stero.html|work=The New York Times|date=1984-07-09|accessdate=2021-08-18|issn=0362-4331|language=en-US|first=Stephen|last=Farber}}</ref>、当時のテレビはモノラル放送だったのでそこまでする必要があるのか疑問視する声もあった。しかしVHSビデオリリースや、2年以内に実施されると考えられているステレオ放送を踏まえ、地方局等に販売する際には必ず価値が上がるとマイケル・マンは予見していた<ref>{{Cite news|title=TV SERIES TO BE BROADCAST IN STERO|url=https://www.nytimes.com/1984/07/09/arts/tv-series-to-be-broadcast-in-stero.html|work=The New York Times|date=1984-07-09|accessdate=2021-08-18|issn=0362-4331|language=en-US|first=Stephen|last=Farber}}</ref>。
 
[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第15話「娼婦連続殺人事件の謎」|シーズン3・15話「娼婦連続殺人事件の謎」]]では[[ハイン・S・ニョール|ハイン・ニョール]]が演じる元CIA捜査官のキャラクターが気に入り、その後も準レギュラーとしてシリーズに登場させるよう希望したが製作側は無視した。失望したオルモスは本シリーズの監督や脚本に携わろうとする意欲を失ったという<ref name=":1">{{Cite web |title=Calderone's Return (Part II) |url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Calderone%27s_Return_(Part_II) |website=Miami Vice Wiki |access-date=2024-01-30 |language=en}}</ref>。
また、ドラマの中で流れる新旧の様々なヒット曲の使用料にエピソード毎に1万ドル以上、最高で4万ドル(シーズン2第1話)も支払われたほか、数分間に渡ってセリフが入らない映像と音楽だけが流れるミュージックビデオのような演出はテレビドラマとしては初の試みであった。翌日の朝刊に劇中で流れた曲のタイトルとアーティスト名を掲載する新聞もあり、新曲だけでなく過去にヒット作を送り出したミュージシャンやレコード会社にとっても格好の宣伝の場となった。
 
== ファッション ==
1980年代といえば「[[フラッシュダンス]]」や「[[フットルース (1984年の映画)|フットルース]]」に代表されるような有名ミュージシャンを呼んで専用の曲を作る映画が流行したが、この手法をテレビドラマに取り込んだのも「マイアミ・バイス」からである。番組のために作られた曲を集めた[[オリジナルサウンドトラック]]も発売された。
 
=== ファッショセプト ===
[[アンソニー・ヤーコヴィック]]が創造したのは犯罪者から押収した高級ブランド品を普段着のように着こなすこれまでに例のないファッショナブルな潜入捜査官であった。[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]も「テレビドラマのファッションや映像のセンスは未だに60‘60年代のままだから停滞している」と発言し、古臭くて見るに耐えないドラマの一例として当時の人気番組の「[[爆発!デューク|爆発!デューク]]」を挙げている。2人はテレビドラマ界に変革をもたらそうとアイデアを模索した。
 
それまで女性キャラクターが主体だったコスチュームデザインを男性にも応用しようと、衣装デザインの担当班をミラノ、パリ、ロンドンに派遣して未だアメリカに上陸していないヨーロッパの最新ファッションを調査させるとともに、[[ヴェルサーチ]]、[[アルマーニ]]、[[ヒューゴ・ボス]]、ヴィットリオ・リッチ(Vittorio Ricci)などの有名ブランドにも協力を依頼した。
 
「マイアミバイス」の登場はファッション界にも影響を与えた。シリーズは1989年に終了したが流行はすぐに廃れることはなく1990年代中頃まで続いた。
第1話の冒頭、主人公ソニー・クロケットは肩パッドが入った白の麻ジャケットにパステルブルーのTシャツ、麻のパンツにはベルトを付けずソックスを履かないエスパドリーユ、というスタイルで登場する。ドン・ジョンソンはクロケット役のオファーを受けたとき、ジーンズに茶色の牛革ブーツというような典型的なウェスタンスタイルの主人公を思い描いていたそうで、この衣装を渡されたときは「パジャマに見えた」という<ref>{{Citation|title=Miami Vice (TV Series 1984–1989) - IMDb|url=http://www.imdb.com/title/tt0086759/trivia|accessdate=2021-05-14}}</ref>。
 
=== シーズン1~2 ===
麻のジャケットは特に珍しい物ではなかったがクルーネックの鮮やかな色のTシャツとの組合せが斬新であり、以後クロケットの定番スタイルとなった。サングラスは第1話では[[レイバン]]・アビエイター、その後は主にレイバン・ウェイファーラー、腕時計はゴールドの[[ロレックス]]・デイデイト・プレジデント、シーズン2では[[エベル]]と契約しエベル111クロノグラフを着けている姿も見られる。
第1話の冒頭、主人公ソニー・クロケットは肩パッドが入った白の麻ジャケットにパステルブルーのTシャツ、麻のパンツにはベルトを付けずソックスを履かない[[エスパドリーユ]]のスタイルで登場する。ドン・ジョンソンは、ジーンズに茶色の牛革ブーツという典型的なウェスタンスタイルの刑事を思い描いていたそうで、これらの衣装を渡されたときは「パジャマだと思った」という<ref>{{Citation|title=Miami Vice (TV Series 1984–1989) - IMDb|url=http://www.imdb.com/title/tt0086759/trivia|accessdate=2021-05-14}}</ref>。鮮やかなTシャツに麻ジャケットの組合せが斬新であり以後クロケットの定番スタイルとなった。初期の頃はジャケットの袖を捲り上げているシーンが多いが、本人曰く「イタリア人のモデルが着ていた物で、袖が長すぎてああするしかなかった」とのこと。
 
サングラスは第1話では[[レイバン]]・アビエイター、その後は主にレイバン・ウェイファーラー、腕時計はゴールドの[[ロレックス]]・デイデイト・プレジデントを着用。スタントシーンではコピー品を使用した。シーズン2では[[エベル]]と契約しエベル111クロノグラフを着けている姿が見られる。
遊び人風のクロケットに対して相棒のリカルド・タブスは、カジュアルかつ紳士的な出立ちで主にアルマーニのスーツを着用した。グレーを基調としたスーツにパステルカラーの襟付きシャツとネクタイ、または胸元を大きく広げて金のネックレス、足元は白のローファーといったスマートなスタイルを基本とする。
 
遊び人風のクロケットに対して相棒のリカルド・タブスは、カジュアルかつ紳士的な出立ちで主にアルマーニのスーツを着用した。グレーを基調としたスーツにパステルカラーの襟付きシャツとネクタイ、または胸元を大きく広げて金のネックレス、足元は白のローファーといったスマートなスタイルを基本とする。アルマーニは「[[アメリカン・ジゴロ]]」(1980)衣装デザインを担当したことで流行に敏感な一部のアメリカ人に注目されていたが<ref>{{Cite web|和書|title=『アメリカン・ジゴロ』、アルマーニ人気の火付け役に。【スーツ姿に見惚れる映画】 (VOGUE JAPAN)|url=https://news.line.me/articles/oa-rp39638/dcee7e3a396c|website=LINE NEWS|accessdate=2021-05-14}}</ref>、「マイアミバイス」のヒットと共に全米の富裕層に広まった。ハリウッドスターたちもこぞって着るようになり1980年代に”成功者の証”というイメージが定着した。
 
またドイツの老舗ブランドのヒューゴ・ボスはドン・ジョンソンとフィリップ・マイケル・トーマスの衣装を担当することになり、全シーズンに渡りエンドクレジットに記されることになった。
 
ヴェルサーチの創始者[[ジャンニ・ヴェルサーチ]]はこのドラマをきっかけにドン・ジョンソンと友人になった。1992年にヴェルサーチはサウスビーチに別荘を購入しジョンソンを度々招待した。1997年、ヴェルサーチはこの別荘の前で射殺された<ref>{{Cite web|和書|title=1997年、ヴェルサーチ殺害後に撮影された、心を揺さぶる50枚の写真|url=https://www.buzzfeed.com/jp/keelyflaherty/aftermath-of-gianni-versaces|website=BuzzFeed|accessdate=2021-05-14|language=ja|first=Keely|last=Flaherty}}</ref>。この建物は第1話では殺し屋のレオンの住処として使用されたこともあり、現在は{{仮リンク|カーサ・カジュアリーナ|en|Casa Casuarina}}という[[ブティックホテル]]になっており、別名「ヴェルサーチマンション」とも呼ばれている<ref>{{Cite web |title=The Villa Casa Casuarina {{!}} Luxury Hotel {{!}} Events {{!}} Gianni's Restaurant |url=https://vmmiamibeach.com/ |website=The Villa Casa Casuarina |accessdate=2022-02-15 |language=en-US}}</ref>。第1話(パイロット)で殺し屋レオンが住むアパートもこの建物である。
 
マイケル・マンは使用可・使用不可のカラーチャートを作ったことで知られるが背景と衣服と背景の配色にも徹底していた。例えば光沢のあるブラックにはアシッドイエローまたはコバルトブルー、ホワイトには明るいパステルカラー、ピンクの壁にはミントグリーン、といったある程度のカラースキームが設けてあり指示に従わなかった3名の衣装係が担当を外されたという。ドン・ジョンソンとフィリップ・マイケル・トーマスには毎回それぞれに7~8着の衣装が用意されたといい、1話あたり7千ドル前後の衣装代があてがわれた。
 
=== シーズン3 ===
シーズン3はカナダの[https://encyclomodeqc.musee-mccord.qc.ca/en/entry/parachute/ パラシュート]がクロケットの衣装を担当し大きなイメージチェンジを図る。ゆったりとしたジャケットとパンツの袖や裾を極端に絞った特徴的なデザインで1980年代の欧米アジア諸国で大ヒットした。特に有名ミュージシャンの間で大人気だった。エンドクレジットの衣装協力にはヒューゴ・ボスとパラシュートが名を連ねた<ref>{{Cite web|title=Parachute World - Background|url=http://parachuteworld.com/background.html|website=parachuteworld.com|accessdate=2021-05-16}}</ref>。
シーズン3ではカナダの[https://encyclomodeqc.musee-mccord.qc.ca/en/entry/parachute/ パラシュート]が担当し大きなイメージチェンジを図る。ゆったりとしたジャケットとパンツの袖や裾を極端に絞った特徴的なデザイン<ref>{{Cite web|title=「miami vice parachute wikimedia fashion」の検索結果 - Yahoo!検索(画像)|url=https://search.yahoo.co.jp/image/search?p=miami%20vice%20%20parachute%20%20%20wikimedia%20fashion&ei=UTF-8&qid=ec|website=search.yahoo.co.jp|access-date=2025-09-18|language=ja}}</ref>は1980年代の欧米アジア諸国で大ヒットし、特に有名ミュージシャンの間で大人気だった。エンドクレジットの衣装協力にはヒューゴ・ボスとパラシュートが名を連ねた<ref>{{Cite web|title=Parachute World - Background|url=http://parachuteworld.com/background.html|website=parachuteworld.com|accessdate=2021-05-16}}</ref>。
 
=== シーズン4~5 ===
シーズン4、5になるとシーズン1〜2を再現するかのようなファッションに戻ったが、マイケル・マンが監修から退いたうえますます陰鬱さを増す脚本に合わせるためパステルトーンは全体的に地味な落ち着いた配色になっている<ref>{{Cite web|title=Season 4|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Season_4|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2021-05-15|language=en}}</ref>。シーズン5になるとクロケットがストーンウォッシュのデニムジャケットやジーンズを着用することもあった<ref>{{Cite web|title=Season 5|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Season_5|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2021-05-15|language=en}}</ref>。
シーズン4~5になるとシーズン1〜2を再現するかのようなファッションに戻ったが、全体的に落ち着いたパステルトーンに変化している<ref>{{Cite web|title=Season 4|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Season_4|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2021-05-15|language=en}}</ref>。シーズン5になるとクロケットがストーンウォッシュのデニムジャケットやジーンズを着用するに至った<ref>{{Cite web|title=Season 5|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Season_5|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2021-05-15|language=en}}</ref>。
 
== マイアミに与えた影響 ==
マイアミバイスはファッションの流行にも影響をもたらした。シリーズは1989年に終了したが流行はすぐに廃れることはなく1990年代中頃まで続いた。
 
=== 大衆への影響 ===
1980年代のはじめ、マイアミで発生する殺人事件は全米最多を記録し、全米平均の4倍を超えていた<ref>{{Cite web|title=The Miami Vice Effect {{!}} The Rake|url=https://therake.com/stories/icons/the-miami-vice-effect/|website=therake.com|accessdate=2020-03-23|language=en}}</ref>。国内に流通する違法薬物の40%がフロリダ半島を経由して密輸されており、密輸業者や密売組織の抗争が頻発する。またキューバを始めとする中南米からの不法入国や不法滞在者で溢れ、コカインを中心とする違法薬物が蔓延し、若者街を去り高齢化が進んだ。シリーズ初期の屋外ロケのシーンで劇中に数多く登場するたくさんの高齢者たち実際のマイアミの風景を写したものだったである。1981年11月の[[タイム (雑誌)|タイム誌]]も"Paradise Lost?"<ref>{{Cite web|title=Thirty Years Later, Miami Vice&#039;s Impact Still Resonates|url=https://www.wlrn.org/post/thirty-years-later-miami-vices-impact-still-resonates|website=www.wlrn.org|accessdate=2020-02-28|language=en|first=Karen|last=Rundlet}}</ref>という表紙でマイアミの実情特集報じる組むほどで、かつて栄えた高級リゾート地の面影は完全に失われていた<ref>{{Cite web|title=The Miami Vice Effect {{!}} The Rake|url=https://therake.com/stories/icons/the-miami-vice-effect/|website=therake.com|accessdate=2020-02-28|language=en}}</ref>。
 
地元の有力者たちはドライアミバイス放映による更なる打撃イメージダウンを恐れ、タイトルの”''VICE''”(悪徳、非合法、欠陥など悪い意味)という単語使わないで変更して欲しいと要求してきた。一部の市民からも、犯罪を助長するのではないかという不安、住民の半数以上を占めるヒスパニック系への人種偏見を懸念する声などがかれた。人々が警戒したのは「マイアミ・バイス」が始まる前年の1983年に公開された「[[スカーフェイス (映画)|スカーフェイス]]」の影響も大きい。「スカーフェイス」はコカインの密売で成功して破滅するまでのキューバ移民の男の物語で、マイアミは血の抗争の舞台として描かれた。
 
しかし、製作者側はこれらの批判的な意見を番組製作サイドはあり気とも留め聞き入れなかった。わかりやすいストーリーと見映えがするカーチェイスや銃撃戦が見られれば、ほとんどの視聴者(特にテレビの視聴時間が長い男性を対象とする)は満足すると知っていたからである。この件についてはマイケル・マンも[[刑事コジャック]]のせいでニューヨークの人口が減るようなものだインタビューで明言している。またヒスパニックが多い街が舞台となれば、それだけ正しく生きる人々も描かれるということであり、人種偏見どころかかえって多くのファンを獲得する結果となり、放映が始まって1年足らずでマイアミでの視聴率は一位を記録した。
 
番組の影響は商品の売れ行きにも顕著に表れた。特に[[ドン・ジョンソン]]演じるクロケット刑事が使用するサングラス、ジャケット、シューズ、煙草、車、ボートなどあらゆるものが売れた。百貨店の[[メイシーズ]]は主人公と似たファッションを安価に揃えられる「マイアミバイス セクション」という特設コーナーを開設し、多数の[[コーチビルダー]]が[[マイアミ・バイスのフェラーリ#フェラーリ・デイトナ・スパイダー(シーズン1~2)|フェラーリ・デイトナのレプリカ]]を販売し、ボートメーカーのWellcraft社はドラマに登場するパワーボートと同じカラーリングを施した”Miami Vice Edition”を販売する<ref>{{Cite web|title=World’s coolest boats: Miami Vice Wellcraft Scarab is the definitive 80s muscleboat|url=https://www.mby.com/specials/worlds-coolest-boats-miami-vice-wellcraft-scarab-is-the-definitive-80s-muscleboat-121093|website=Motor Boat & Yachting|date=2022-06-10|access-date=2025-09-18|language=en}}</ref>。ドン・ジョンソンの無精髭が注目されれば[[:en:Wahl_Clipper|Wahl]]社は似たような剃り残しを再現できる電気シェーバー"Miami De Vice" を開発。発売時には訴訟を恐れ商品名を"Stubble Device"に変更し29.95ドルで発売したが<ref>{{Cite web|title=20 Things You Probably Didn't Know About Miami Vice|url=https://www.eightieskids.com/fascinating-facts-you-probably-didnt-know-about-miami-vice/|website=Eighties Kids|date=2018-10-19|accessdate=2021-08-18|language=en}}</ref>、こちらの売上げはあまり伸びなかった<ref>{{Cite web|title=The Miami Vice Effect {{!}} The Rake|url=https://therake.com/stories/icons/the-miami-vice-effect/|website=therake.com|accessdate=2020-03-04|language=en}}</ref><ref>{{Cite web|title=Influence of Miami Vice|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Influence_of_Miami_Vice|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2020-03-04|language=en}}</ref>。
 
ドラマがヒットすると同時にマイアミは再び脚光を浴び始め。1980年代にキューバやハイチなど中南米からの移民規制が緩和されたことマイアミが注目され始めた要因の一つではあるが、多くの人々がこのドラマを見て刺激を受けたことは紛れもない事実であった。旅行会社にはマイアミの観光パンフレットが並ぶようになりヨーロッパからの観光ツアー客も急増した。中でも「マイアミ・バイス」のロケ地を巡る現地ツアーは人気があり、中でもたびたび撮影に使われた[[マイアミビーチ|サウスビーチ]]のアールデコ建築群は観光名所になった。
 
マイアミは再び富裕層が集まる都市に発展活気を取り戻ていき、五つ星ホテルや別荘、ナイトクラブやバー、ブランドものを扱うブティック、高級車ディーラーなど市内に続々と展開するが、経済の活性化に最も貢献したのは皮肉にも違法薬物の流通に関わっているマフィアであった。
 
=== サウスビーチの復興 ===
アンソニー・ヤーコヴィックは脚本執筆のためマイアミを訪れた際、サウスビーチに並ぶ[[アール・デコ|アール・デコ様式]]の建築に強く惹き付けられた。サウスビーチの開発は1910年代に始まり、その後半世紀以上も[[フロリダ半島]]最大のリゾート地として繁栄したものの、徐々に衰退かしやがて活気がなくなっていき1970年代頃になると治安の悪い薄汚れた街に変わり果ててしまっていた。
 
ビーチに沿って南北に縦断するオーシャンドライブとコリンズアベニュー界隈には1920~1940年代に建設されたアールデコ建築([http://www.sjsu.edu/faculty/wooda/miami/index.html マイアミ・デコ]とも呼ばれる)が数多く残っており、荒廃した街にノスタルジックな建物が建ち並ぶギャップにヤーコヴィックは魅了されたのだった。
 
マイアミのアールデコ建築は960棟に上る。1970代になると老朽化のため取り壊される建物が増えつつあったが、これらを保存しようと1976年に非営利組織の'''MDPL'''("Miami Design Preservation League" <ref>{{Cite web|title=Home|url=https://www.mdpl.org/|website=Miami Design Preservation League|accessdate=2020-02-23|language=en-US}}</ref>)が発足。彼らの活動のおかげで1979年には「アールデコ歴史地区」に指定され、保存が決まった。
ビーチに沿って南北に縦断するオーシャンドライブとコリンズアベニュー界隈には1920~1940年代に建設されたアールデコ建築([http://www.sjsu.edu/faculty/wooda/miami/index.html マイアミ・デコ]とも呼ばれる)が数多く残っており、荒廃した街に美しくノスタルジックな建物が建ち並ぶギャップにヤーコヴィックは魅了されたのだった。
 
歴史地区とはいえ放置されたままの空き家が数多くあり、通りを通行する車や人通りもほとんどなく、ドラマのロケーションとして最適だった。
マイアミのアールデコ建築は960棟に上る。1970代になると老朽化のため取り壊される建物が増えつつあったが、これらを保存しようと1976年に非営利組織のMDPL("Miami Design Preservation League" <ref>{{Cite web|title=Home|url=https://www.mdpl.org/|website=Miami Design Preservation League|accessdate=2020-02-23|language=en-US}}</ref>)が発足。彼らの活動のおかげで1979年には「アールデコ歴史地区」に指定され、保存が決まった。
 
歴史地区とはいえ、放置されたままの空き家が数多くあり、通りを通行する車や人通りもほとんどなく、ドラマのロケーションとして最適だった。もともと建物にはカラフルな塗装はされておらず白っぽい単色の外壁だったが、マイケル・マンはそれらを「蒸し暑さの表現」として[[パステルカラー]]に塗るよう指示した。このパステルカラーで街を彩る案をマイケル・マンが考え出したように言われることが多いが、実際にはドラマが始まる2年前の1982年、ニューヨーク出身の一人のあるデザイナーによって提案されたものだった。このアがサウスビルデコとチをパステルカラーで彩るアイデアを発案した。こ融合はサウスビーチの復興を望む人々にすぐに受け入れられ少しずつ広がりつつあっが、ドライケル・マンも「蒸し暑さ撮影が始まったこ表現」して支持し、カラフルな街並みが急速に進んだ広がることになった<ref>{{Cite web|和書|title=フロリダ(2):マイアミビーチのMiMoデザインとパステルカラーパレット|url=https://medium.com/@katsura/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%80-%EF%BC%92-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%81%E3%81%AEmimo%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-96472c20b4bb|website=Medium|date=2019-05-13| accessdate=20202024-02-2305 |language=enja |first=Katsura|last=Onoe}}</ref>。
 
またMDPLと協力し合うことで「マイアミ・バイス」はサウスビーチの美化と歴史的建築物の保存に貢献する功績を残した。
 
== 出演 ==
; [[ソニー・クロケット (架空の人物)|ジェームズ・ソニー・クロケット]]刑事
: 演 - [[ドン・ジョンソン]] / [[声優|声]] - [[隆大介]]
: 本作の主人公。階級は[[サージェント]](Sergeant・巡査部長)。
: ヨットに居を構え、ワニのエルビスとともに住んでいる。ヴェルサーチ(シーズン4頃からアーストンボラージュもしくはコウシンサトウ等のジャパニーズDCブランド)を着こなし、ロレックスの腕時計(シーズン2以降[[エベル]]の[[クロノグラフ]]をつけていることが多い) をつけ、ズボンにベルトは通さず、無精ひげを生やし、靴(パチョッティのスリップオン)は素足でというのがお約束。シーズン1の前半では妻子と別居中であったが後に離婚。その後、事件で出会った歌手のケイトリン・デービスと再婚するが、後に殺されてしまう。元[[アメリカンフットボール]]選手(ワイドレシーバー、背番号は88)。[[海兵隊]]に所属していた事もある。ビリヤードの名人でもある。潜入捜査時にはソニー・バーネットと名乗る。シーズン1とシーズン2では度々喫煙シーンがあるが、シーズン3では喫煙シーンが無くなり、シーズン4の第3話「Death and the Lady」で『タバコはやめた』というセリフがある。
:愛車は黒の[[フェラーリ・365GTB/4|フェラーリ365 デイトナ・スパイダー]](シーズン1〜3。[[スティンガーミサイル|スティンガー]]試射の標的となり破壊された)と白の[[フェラーリ・テスタロッサ]](前期型。デイトナスパイダーに代わって登場、シーズン3〜5)。自慢のパワーボートは[[ウェルクラフト]]社 [[スカラブ38]]。使用銃は[[SIG SAUER P220]](パイロット版)、[[ブレン・テン]](シーズン1〜2)、[[S&W M39#主なバリエーション|S&W M645]](シーズン3〜4)、[[S&W M39#主なバリエーション|M4506]](シーズン5)、[[コルトガバメント|デトニクス・コンバットマスター]](シーズン1〜4 バックアップ用)、[[S&W M39#主なバリエーション|S&W M6906]](シーズン5 バックアップ用)
: フェラーリ、パワーボート、高級ブランドの服、装飾品の類は潜入捜査の為に貸与された押収品で、ソニー個人の私物ではない。
:1953年7月29日生まれ。
:
:
; リカルド“リコ“・タブス刑事
: 演 - [[フィリップ・マイケル・トーマス]] / 声 - [[尾藤イサオ]]
: ソニー・クロケット刑事の相棒。
: ニューヨークスタイルでがっちり決めたタフでクールなアフリカ系の男。ベジタリアンギャンブルを好まない。スーツはアルマーニが多い。以前は[[ニューヨーク市警察]]本部盗犯捜査課の刑事だったが、同じく刑事だった兄のラファエルをカルデロンに殺されたため、復讐目的で兄の名前を使い捜査と偽ってマイアミへやって来た。その後はニューヨークに戻らずメトロ・デイド警察に移籍、ソニーの相棒となり潜入捜査官としてマイアミで暮らす。
: シーズン1前半ではマイアミの暮らしに慣れない事もあり、ソニー達ともたびたび衝突することがあった。しかし、シーズン5でソニーが記憶喪失になった時は一番に助けようと奮闘した。
: 潜入捜査時はシーズン1ではリチャード・テーラーと名乗る事もあったがその後“リコ”(リカルド)・クーパーと名乗る事が多い。愛車はメタリックブルーの1964年型[[キャデラック]] エルドラゥビル・コンバーチブル。
: 主な使用銃は[[S&W M49]](全シーズン)、イサカ・オート・アンド・バーグラーモデルB([[:en:Ithaca Auto & Burglar]]、シーズン1)、フォアグリップをカスタマイズした[[イサカM37]]ステイクアウト(シーズン2〜3)、ウィルソンアームズエグセクティブプロテクション[[レミントンM870]](ウィルソンアームズ製の、銃身を弾倉と同じ長さまで詰め、ピストルグリップに変えた超短銃身機種。シーズン4〜5)、[[SIG SAUER P220]](シーズン5最終話のみ使用)
:1949年5月26日生まれ。
168 ⟶ 184行目:
: マイアミバイスの刑事。常にジート刑事とコンビを組んでマフィアやギャングの監視・盗聴などの捜査にあたる。ビッグボディの持ち主であるがフットワークはとても軽快。ジート刑事と仲が良く二人で捜査する事が多いが、漫才コンビのようにおふざけが過ぎてしまう事も・・・。
: シーズン1『爆発コンビ大奮戦!おもしろ刑事危機一髪』では2人のコミカルな場面が多く観る事ができる。シーズン3でジートが殉職した時は一番彼の死を悲しんだ。ギャンブルが好きで借金をすることがあったため、それが原因でゆすられた事もあった。盗聴や監視などの仕事をするが、ソニーまたはタブスが不在の時は潜入捜査をする事がある。
: 無類の[[エルビス・プレスリー]]マニア。使用銃は[[FN ブローニング・ハイパワー|FNブローニング・ハイパワー]]。銃器の扱いに精通している。愛車はメタリックブルーの3代目[[フォード・サンダーバード]]。仕事中は相棒のジートと共に緑色のダッジ・ラム・バンを使用することが多い。
:1955年生まれ。
:
174 ⟶ 190行目:
: 演 - [[ジョン・ディール]] / 声 - [[大塚芳忠]]
: スワイテク刑事の相棒。
: 捜査の時はアロハシャツを愛用。家ではペットの金魚を可愛がり、スノードームをコレクションしている。スワイテクと同じで人が良い。シーズン1で家がガス爆発しスワイテクの家に居候していた事がある。5年以上前のことだが、アルコール依存症から立ち直った過去がある。
: シーズン3の12話「Down for the Count Part 1」(字幕版のみ)で[[殉職]]するが、このエピソードは日本未放送だったため日本では突然いなくなる形になった。
: 使用銃は[[S&W M39|S&W M659]]。
190 ⟶ 206行目:
: ジーナの相棒。子供に優しく、度胸がありとても有能な刑事。使用拳銃は[[S&W M36]]
:1960年生まれ。
 
; ルー・ロドリゲス主任
: 演 - [[グレゴリー・シエラ]] / 声 - [[加藤精三 (声優)|加藤精三]]
199 ⟶ 216行目:
: 演 - [[エドワード・ジェームズ・オルモス]] / 声 - [[青野武]]
: 殉職したロドリゲス主任の後任。劇中の呼称はLieutenant(ルテナン・警部補)であり、“警部”の呼称は日本語版で意訳された可能性が大。
: シーズン1の7話「切り札」"One-Eyed Jack"から登場。寡黙な印象に加え常に規律に厳格たろうとする態度から、当初はバイスの捜査官たちに煙たがれる傾向があったものの、その指揮の手腕からソニーをはじめ部下たちの絶対的な信頼を得るに至る。
: 元[[麻薬取締局]]捜査官で[[黄金の三角地帯]]のタイ領地区に赴任していたこともある。そのため自ら捜査に出ることもある。武士道を嗜んでいる為、[[剣術]]の心得があり刀も扱える、建物内に押し入って来た殺し屋達を音も立てずに返り討ちに出来るほどの剣の達人。口ひげと上下黒のスーツに白のシャツ、細めで黒色のネクタイを愛用している。
:使用拳銃は[[コルト・トルーパー|コルト・ピースキーパー]]等。
214 ⟶ 231行目:
:シーズン1 第3話でソニーたちの捜査に協力してからソニーたちの情報屋になる。序盤は度々出ていたが、後半は登場回数が少ない。
:1954年生まれ。
:
; キャロライン・クロケット(バラード)
: 演 - [[ベリンダ・モンゴメリー]] / 声 - [[高島雅羅]]
: ソニーの妻。シリーズが始まった時点でソニーと別居しており第3〜4話で離婚訴訟に発展する。彼女は潜入刑事にのめり込む夫に我慢出来なくなっていた。なんとか離婚を食い止めたものの、自宅を殺し屋に襲われキャロラインと息子のビリーにまで危険が及んだためアトランタの実家に帰ってしまった。
: シーズン4・第5話でボブ・バラードと婚約しており、その後結婚して2人目の子供を妊娠した。1953年生まれ。
:
; ケイトリン・デービス(クロケット)
: 演 - [[シーナ・イーストン]] / 声 - [[榊原良子]]
: 劇中ではシンガー役。ソニーの恋人として登場
: シーズン4第8話「''Like a Hurricane''」でソニーと知り合いが彼女の警護をするうちに恋仲になり結婚をする。しかし、シーズン4第21話でソニーの因縁のある敵に殺害されてしまう。ソニーとの子供を身籠っていた。
 
== エピソード ==
{{See also|特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧}}
 
=== シーズン1 ===
{| class="wikitable" style="font-size:small"
226 ⟶ 251行目:
!  ゲスト出演   !!監督!!脚本
|-
|#1||''Pilot: Brother's Keeper''||兄弟の絆||血闘サブマシンガン!巨大組織を叩きつぶせ!
|[[ジミー・スミッツ]]<br />[[ミケルティ・ウィリアムソン]] <br />[[ビル・スミトロヴィッチ]]<br />[[ミゲル・ピニェロ]]
|トーマス・カーター||[[アンソニー・ヤーコヴィック]]
|-
|#2||''Heart of Darkness''||闇の奥<br />([[コンラッド]]の[[闇の奥|同名小説]]からの引用)||暗闇の魂
|[[エド・オニール]]<br />[[スージー・エイミス]]
|ジョン・ルーエリン・モキシー||A・J・エディソン
|-
|#3||''Cool Runnin'''||良い旅を||クールな配達屋
|ラリー・ライリー
|リー・H・カッツィン||[[ジョエル・サーノウ]]
|-
|#4||''Calderone's Return (Part I)<br />The Hit List''||カルデロンの帰還 前編<br />(旧題:暗殺リスト)||宿敵カルデロン PART I
|[[ジム・ズビアナ]] <br />[[ティート・ゴヤ]] <br />ロン・テイラー
|リチャード・A・コーラ||ジョエル・サーノウ
|-
|#5||''Calderone's Return (Part II)<br />Calderone's Demise''||カルデロンの帰還 後編<br />(旧題:カルデロンの終焉)||宿敵カルデロン PART II
|[[ミゲル・ピニェロ]] <br />ファニー・ナポリ
|[[ポール・マイケル・グレイザー]]||ジョエル・サーノウ<br />アルフォンセ・ルジェロ・Jr
|-
|#6||''One-Eyed Jack''||片目のジャック<br />(スペードもしくはハートの11を意味する隠語)||切り札
|[[デニス・ファリーナ]]<br />[[ジョー・ダレッサンドロ]]<br />[[ダン・ヘダヤ]]
|リー・H・カッツィン||アルフォンセ・ルジェロ・Jr
|-
|#7||''No Exit''||出口なし||地対空ミサイル強奪!武器密輸ルートを追え
|[[ブルース・ウィリス]]<br />トム・マーデロシアン<br />コーティ・マンディ||[[デヴィッド・ソウル]]||チャールズ・R・レイネンウェバー<br />モーリス・ハーレイ
|-
|#8||''The Great McCarthy''||偉大なマッカーシー||ボートレースに隠された麻薬密輸ルート
|[[マーティン・フェレロ]]
|ジョージ・スタンフォード・ブラウン||フィリップ・リード<br />ジョエル・サーノウ
|-
|#9||''Glades''||湿原||フロリダ大湿原人質救出作戦
|[[キース・ザラバッカ]]<br />[[マーガレット・ホイットン]]<br />[[ジョン・パンコウ]]
|スタン・レイサン||レックス・ウェイナー<br />アラン・ウイズバーガー
|-
|#10||''Give A Little, Take A Little''||与えるものが少なければ得るものは少ない||潜入!売春組織 女刑事ジーナの危機
|[[バート・ヤング]]<br />[[マイケル・マドセン]]<br />[[テリー・オクィン]]
|ボビー・ロス||[[チャック・アダムソン]]
|-
|#11||''Little Prince''||小さな王子<br />([[サンテグジュペリ]]の「[[星の王子さま]]」からの引用)||麻薬汚染を暴け!虚飾の上流階級
|[[ジャンカルロ・エスポジート]]<br />ミッチェル・リキテンシュタイン
|A・J・エディソン||ジョエル・サーナウ<br />ウェンディ・カズン
|-
|#12||''Milk Run''||巡回配送||明日なき暴走!チンピラ運び屋を追い詰めろ
|[[エヴァン・ハンドラー]]<br />[[エリック・ボゴシアン]]
|[[ジョン・ニコレラ]]||アリソン・ホック
|-
|#13||''Golden Triangle, part 1''||黄金の三角地帯 前編||ドラゴン・マフィア上陸!地獄の三角地帯から来た闇将軍
|ジョン・シュナイダー
|ジョージ・スタンフォード・ブラウン||ジョセフ・ガン<br />モーリス・ハーレイ
|-
|#14||''Golden Triangle, part 2''||黄金の三角地帯 後編||宿命の闘い!地獄の三角地帯から来た闇将軍
|[[ジョアン・チェン]]<br />[[ケイ・ルーク]]<br />[[ジョン・サントゥッチ]]
|ジョージ・スタンフォード・ブラウン||モーリス・ハーレイ<br />[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]
|-
|#15||''Smuggler's Blues''||密輸業者のブルース||運び屋のブルース
|[[グレン・フライ]]<br />[[リチャード・ジェンキンス]]<br />ハイメ・サンチェス
|ポール・マイケル・グレイザー||[[ミゲル・ピニェロ]]
|-
|#16||''Rites of Passage''||通過儀礼||美少女売春!危ない復讐ゲーム
|[[パム・グリア]]<br />[[デヴィッド・ソージョ・タゥーロ]]<br />[[ジョンデヴィッドタトゥントン]]
|デヴィッド・アンスポー||ダニエル・パイン
|-
|#17||''The Maze''||迷宮||恐怖の24時間!大乱射マシンガンパニック
|[[ジョー・モートン]] <br />[[ヴィング・レイムス]]<br />[[ジェイ・O・サンダース]]
|ティム・ジンネマン||マイケル・エリック・スタイン
|-
|#18||''Made For Each Other''||お似合いの2人||爆発コンビ大奮戦!おもしろ刑事危機一髪
|[[エレン・グリーン]]<br />マーク・リン・ベイカー
|[[ロブ・コーエン]]||アラン・ワイズベッカー<br />デニス・クーパー
|-
|#19||''The Home Invaders''||住居侵入||暴行!強奪!人妻をおそう恐怖の侵入者
|[[イーサイ・モラレス]]<br />[[デヴィッド・パトリック・ケリー]]<br />シルビア・マイルズ
|アベル・フェラーラ||[[チャック・アダムソン]]
|-
|#20||''Nobody Lives Forever''||誰も永遠には生きられない||無差別殺人!戦慄のショットガン
|[[キム・グライスト]]<br />[[ジャンカルロ・エスポジート]]<br />[[マイケル・カーマイン]]
|ジム・ジョンストン||エドワード・ディ・ロレンツォ
|-
|#21||''Evan''||エヴァン||高性能サブマシンガン大量密輸!楽園に迫る死の商人の影
|[[ウィリアム・ラス]]<br />アル・イスラエル||ロブ・コーエン||ポール・ダイヤモンド
|-
|#22||''Lombard''||ンバド||血の抗争!マフィア非情の暗殺指令
|[[デニス・ファリーナ]]<br />ヴィト・ルギニス<br />[[ジョン・サントゥッチ]]<br />[[ネッド・アイゼンバーグ]]<br />||ジョン・ニコレラ||デビッド・アセール<br />ジョエル・サーノウ
|-
320 ⟶ 345行目:
|-
|#1||Prodigal Son||放蕩息子||マンハッタン大銃撃戦!摩天楼を駆けぬけるフロリダの熱い風
|[[パム・グリア]]<br />[[ジーン・シモンズ (ュージシャン)|ジーンゲルシモンズピニェロ]]<br />[[ルイス・ガスマン]]<br />[[アンソニー・ヒールド]]<br />[[ジェームズ・ルッソ]]<br />[[ジーン・シモンズ (ミュージシャン)|ジーン・シモンズ]]
|[[ポール・マイケル・グレイザー]]||ダニエル・パイン
|-
|#2||Whatever Works||何でもあり||謎の教団・血の復讐!警官連続殺人事件|謎の教団・血の復讐!警官連続殺人事件
|[[アーサー・キット]]<br />[[パワー・ステーション (バンド)|パワー・ステーション]]<br />[[アーサー・キット]]
|[[ジョン・ニコレラ]]||モーリス・ハーレイ
|-
336 ⟶ 361行目:
|-
|#5||Buddies||仲間||極秘文章奪回!若妻を狙う殺し屋の銃口
|[[ジェームズ・レマー]]<br />[[フランキエスター・ヴァント]]<br />[[ネイサン・レイン]]<br />[[エスタフランキー・ヴァント]]
|ダン・マストロジョージ||フランク・ミリタリー
|-
344 ⟶ 369行目:
|-
|#7||Tale of the Goat||ヤギの物語||蘇った悪魔の教祖!美女誘拐事件にひそむゾンビの呪い!!
|[[ミケルティクラレンス・ウィリアムソンズ3世]]<br />[[クラレンスミケルティ・ウィリアムズ3世ソン]]<br />[[レイ・シャーキー]]<br />[[ピーター・セラーズ (演出家)|ピーター・セラーズ]]
|マイケル・オハーリヒー||ジム・トロンベッタ
|-
|#8||Bushido||武士道||二重スパイ抹殺指令!暗躍・フロリダ国際諜報戦!!
|[[ジェリー・ハーディ・ストックウェル]]<br />[[ジェリー・ハーディ・ストックウェル]]<br />[[デヴィッド・ラッシュ]]
|[[エドワード・ジェームズ・オルモス]]||ジェイムズ・リークレイ
|-
364 ⟶ 389行目:
|-
|#12||Definitely Miami||まさしくマイアミ||真夏のセクシーレディ!灼けた肌にひそむ魔性の罠!!
|[[テッドアリエルニュージェバール]]<br />[[アリエル・テッンバ・ニュジェント]]
|[[ロブ・コーエン]]||マイケル・アーネマン<br />ダニエル・パイン
|-
406 ⟶ 431行目:
|ファニー・ナポリ<br />[[ジョン・レグイザモ]]<br />J・C・クィン<br />[[リー・アイアコッカ]]
|ジョン・ニコレラ||デニス・クーパー
|-
|}
 
418 ⟶ 442行目:
|#1||When Irish Eyes Are Crying||アイルランド人の眼に涙が浮かぶとき<br />([[:en:When Irish Eyes Are Smiling|When Irish Eyes Are Smiling]]からの隠喩)||無差別テロリストの恐怖!
|[[リーアム・ニーソン]]<br />[[ポール・グリーソン]]<br />[[ウォルター・ゴテル]]<br />[[ジェフ・フェイヒー]]
|Mario Di Leoマリオ・ディレオ||原案: John Leekley<br />脚本: John Leekley & [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]
|-
|#2||Stone's War||ストーンの戦争<br />(「帰還」の続編)||衝撃のスクープ!美人キャスター惨殺事件!!
|[[ボブ・バラバン]]<br />[[ジョージ・ゴードン・リディ]]
|David Jacksonデヴィッド・ジャクソン||David Jackson
|-
|#3||Kill Shot||一撃必殺||仕組まれた娼婦惨殺事件
| カルロス・セステロ
| ||レオン・イチャソ||原案: Manuael Arce & Leon Ichaso & Marvin Kupfer<br />脚本: Marvin Kupfer
マリア・デュバル
|レオン・イチャソ||原案: Manuael Arce & Leon Ichaso & Marvin Kupfer<br />脚本: Marvin Kupfer
|-
|#4||Walk-Alone||単独行動||潜入指令!地獄の刑務所
|[[ローレケヴィフィッシュバー]]<brウェイ />[[ロ(俳優)|ケヴィン・パールマ]]<br />[[Run-D.M.C.ウェイ]]
[[ローレンス・フィッシュバーン]]<br />[[ロン・パールマン]]<br />[[Run-D.M.C.]]
|David Jackson||W.K. Scott Meyer
|デヴィッド・ジャクソン||W.K. Scott Meyer
|-
|#5||The Good Collar||善良な学生||暗黒街の新帝王は15歳!冷血・残忍・少年犯罪組織の恐怖!!
|[[ジョン・スペンサー (俳優)|ジョン・スペンサー]]<br />[[チャールズ・S・ダットン]]
|マリオ・ディレオ||デニス・クーパー
|Mario Di Leo||Dennis Cooper
|-
|#6||Shadow in the Dark||闇の中の影||真夜中のサイコキラーを追え!
|[[エド・ローター]]<br />[[ジャック・ティボー]]||Christopher Croweクリストファー・クロウ||[[チャック・アダムソン]]
|-
|#7||El Viejo||老人||復讐のガンマン・最後の決闘!
|[[ウィリー・ネルソン]]<br />[[スティーヴ・ブシェミ]]
|Aaron Lipstadtアーロン・リップシュタット||Alan Moskowitz
|-
|#8||Better Living Through Chemistry||化学が築く、より良い生活||暴走族ディスコ大銃撃戦!
465 ⟶ 492行目:
|#14||Cuba Libre||キューバ解放<br />([[キューバ・リブレ|同名のカクテル]]もあり)||非情テロリスト軍団を叩け!
|ウィリー・コロン<br />ビーソン・キャロル
|Virgil バージル・W. Vogel・ヴォーゲル||Michael Berlin & Eric Estrin
|-
|#15||Duty and Honor/The Savage||義務と名誉<br />(この2つの語が組み合わさると軍関係のことを意味する)旧題:残忍な者||娼婦連続殺人事件の謎
473 ⟶ 500行目:
|#16||Theresa||テレサ||女医テレサ・引き裂かれた白衣
|[[ヘレナ・ボナム=カーター]]<br />[[ザック・グルニエ]]<br />[[ブラッド・ドゥーリフ]]
|Virgil バージル・W. Vogel・ヴォーゲル||Pamela Norris
|-
|#17||The Afternoon Plane||午後の飛行機||灼熱の死闘・宿敵カルデロンを撃て!!
487 ⟶ 514行目:
|Gabrielle Beaumont||原案: Dennis Cooper<br />脚本: Jonathan Polansky
|-
|#20||By Hooker By Crook||<売春婦と悪党||危険なマドンナ・超高級コールガール組織の謀略
|[[メラニー・グリフィス]]<br />[[ヴェロニカ・カートライト]]<br />[[ジョージ・タケイ]]<br />[[ルー・アルバーノ]]
|[[ドン・ジョンソン]]||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: John Schulian
|-
|#21||Knock Knock… Who's There?||コンコン、誰かいますか?<‘||疑惑の女!美人捜査官決別の銃口
|エリザベス・アシュレイ<br />[[イアン・マクシェーン]]
|Tony Wharmby||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: John Schulian
505 ⟶ 532行目:
|[[ジェローン・クラッベ]]
|Gabrielle Beaumont||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: John Schulian
|-
|}
 
511 ⟶ 537行目:
{| class="wikitable" style="font-size:small"
|-
!話数!!原
!訳題!!日本版サブタイトル
!   ゲスト出演   !!監督!!脚本
|-
|#1||Contempt of Court
|法廷侮辱罪||非情のコネクション 密告者を消せ!!
|[[スタンリー・トゥッチ]]<br />[[メグ・フォスター]]<br />[[フィリップ・ベイカー・ホール]]
|Jan Eliasberg||Peter McCabe
|-
|#2||Amen... Send Money
|アーメン...金を送れ||偽りのバイブル
|[[ブライアン・デネヒー]]<br />[[ベン・スティラー]]<br />[[ジェームズ・トールカン]]<br />[[アニタ・モリス]]
|James J. Quinn||John Schulian
|-
|#3||Death and the Lady
|死と貴婦人||ポルノ女優失踪事件の謎を追え!
|[[ペネロープ・アン・ミラー]]<br />[[ポール・ギルフォイル]]<br />[[ケリー・リンチ]]<br />[[ミゲル・フェラー]]
|Colin Bucksey||David Black
|-
|#4||The Big Thaw
|大きな解凍||緊急手配! 消えた死体カプセルを奪還せよ!!
|[[アルフレッド・モリーナ]]
|Richard Compton||Joseph DeBlasi
|-
|#5||Child's Play
|子供の遊び||硝煙のマイアミ 武器密売組織の罠を暴け!!
|[[ヴィング・レイムス]]<br />[[アイザック・ヘイズ]]
|Vern Gillum||原案: Priscilla Turner<br />脚本: [[マイケル・ピラー]]
|-
|#6||God's Work
|神の仕業||血の惨劇!! 巨大犯罪ファミリーの崩壊
|[[イーサイ・モラレス]]<br />[[フランチェスコ・クイン]]<br />[[アルフォンソ・アラウ]]
|Jan Eliasberg||Edward Tivnan
|-
|#7||Missing Hours
|失われた時間||未知からのメロディ 恐怖の国家機密に迫れ!!
|[[ジェームス・ブラウン]]<br />[[クリス・ロック]]
|Ate de Jong||[[トマス・M・ディッシュ]]
|-
|#8||Like A Hurricane
|ハリケーンのように||危険な証言台 美しきロック・シンガーに迫る凶弾
|[[シーナ・イーストン]]<br />[[ザンダー・バークレー]]
|Colin Bucksey||Robert Palm
|-
|#9||Rising Sun of Death{{Ref label|note_1|1}}
|死の旭日||マイアミ任侠伝 血塗られたライジングサン
|[[R・リー・アーメイ]]<br />[[ケイリー=ヒロユキ・タガワ]]<br />[[ジェームズ・ホン]]
|レオン・イチャソ||[[:en:Peter Lance|Peter Lance]]
|-
|#10||Love at First Sight
|一目惚れ||猟奇殺人! 血に染まるビデオ・デートクラブ
|[[シーナ・イーストン]]<br />[[イマン・アブドゥルマジド|イマン]]<br />[[ロリ・ペティ]]
|[[ドン・ジョンソン]]||Peter McCabe
|-
|#11||Rock and a Hard Place
|岩と硬い場所||殺人スキャンダル 悪徳音楽プロデューサーの野望
|[[シーナ・イーストン]]||Colin Buckse||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: Robert Palm
|-
|#12||The Cows of October
|10月の牛||東西情報戦 最新バイオ技術・争奪のテクニック
|[[ゲリット・グレアム]]
|Vern Gillum||Ed Zuckerman
|-
|#13||Vote of Confidence
|信任投票||狙われた娼婦 政界に暗躍する獣たち
|[[ラリー・パイン]]
|Randy Roberts||John Schulian
|-
|#14||Baseballs of Death
|死の野球ボール||冷血の殺人兵器密輸機関を叩け
|[[オリヴァー・プラット]]<br />[[リサ・マリー]]
|[[ビル・デューク]]||[[:en:Peter Lance|Peter Lance]]
|-
|#15||Indian Wars{{Ref label|note_1|1}}
|インディアン戦争||潜入!謎の先住民部隊を追え!!
|[[ジョー・ターケル]]||レオン・イチャソ||原案: Frank Coffey & Carl Waldman<br />脚本: Frank Coffey & Michael Duggan & [[:en:Peter Lance|Peter Lance]]<br />   & Robert Palm & Carl Waldman
|-
|#16||Honor Among Thieves?{{Ref label|note_1|1}}
|盗人にも仁義あり||麻薬シンジケートの制裁! 殺人犯を救出せよ!!
|[[ディラン・ベイカー]]
|Jim Johnston||Jack Richardson
|-
|#17||Hell Hath No Fury{{Ref label|note_1|1}}
|地獄の沙汰も金次第||女教師vs.レイプ犯 過熱するマスコミ合戦
|[[ドン・ハーヴェイ]]<br />[[ジョン・フィン]]
|Virgil バージル・W. Vogel・ヴォーゲル||原案: David Black<br />脚本: Michael Duggan
|-
|#18||Badge of Dishonor{{Ref label|note_1|1}}
|不名誉のバッジ||不名誉の死! 悪に屈した警官
|[[バーブラ・ストライサンド]]<br />[[レニ・サントーニ]]<br />[[ジュリオ・オスカー・メチョソ]]
|Richard Compton||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: Michael Duggan & [[:en:Peter Lance|Peter Lance]]
|-
|#19||Blood and Roses{{Ref label|note_1|1}}
|血とバラ||禁断の果実! 女捜査官を誘う甘い罠!
|[[スタンリー・トゥッチ]]<br />[[フランク・スタローン]]<br />[[マイケル・ウィンコット]]<br />[[メグ・フォスター]]
|George Mendeluk||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: Robert Palm
|-
|#20||A Bullet for Crockett{{Ref label|note_1|1}}
|クロケットへの弾丸||ソニー絶体絶命!! ヒーローを襲った銃弾!
|[[リサ・ヴィダル]]
|Donald L. Gold||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: Michael Duggan & [[:en:Peter Lance|Peter Lance]]
|-
|#21||Deliver Us From Evil: Part 1{{Ref label|note_1|1}}
|悪より救い出し給え||十字架の誓い! 愛しき者に神のご加護を
|[[シーナ・イーストン]]||George Mendelu||原案: [[:en:Dick Wolf|Dick Wolf]]<br />脚本: David Black, Michael Duggan & Robert Palm
|-
|#22||Mirror Image: Part 2{{Ref label|note_1|1}}
|鏡像||消えた記憶! 裏切りのギャングサミット!
|[[ジュリア・ロバーツ]]<br />[[クリス・クーパー]]<br />[[アントニオ・ファーガス]]
|Richard Compton||原案: [[ダニエル・サックハイム]] & Nelson Oramas<br />脚本: Robert Palm & [[ダニエル・サックハイム]]
|-
|}
 
620 ⟶ 668行目:
|#4||Bad Timing{{Ref label|note_1|1}}||危険な休暇 脱獄した凶悪犯を追え!!
|[[メリッサ・レオ]]<br />[[プルイット・テイラー・ヴィンス]]
|Virgil バージル・W. Vogel・ヴォーゲル||Scott Shepherd
|-
|#5||>Borrasca{{Ref label|note_1|1}}||暗躍!闇から迫る手 巨大取引を阻止せよ!!
|[[ブライオン・ジェームズ]]<br />[[ファン・フェルナンデス]]
|Vern Gillum||[[ロバート・クレイス|Elvis Cole]] & Vladislavo Stepankutza
667 ⟶ 715行目:
|-
|#17||Freefall{{Ref label|note_1|1}}<br />(米国本放送時の最終話)||巨大な罠!正義をかけた最後の任務
|[[イアン・マクシェーン]]<br />[[ロバート・ベルトラン]]<br />[[グレッグ・ジャーマン]]<br />[[エルピディア・カリロ]]
|Russ Mayberry||原案: Frank Holman & Scott Shepherd & Ken Solarz<br />脚本: William Conway & Ken Solarz
|-
691 ⟶ 739行目:
*{{Note|note_4}}4 このエピソードは児童の性的虐待が描かれていたため[[NBC]]の本放送時に放送されず、シリーズ終了から半年後に[[USA Network|ケーブル局]]での再放送時に放送された。
 
== 使用する車 ==
== ソニーのフェラーリ・デイトナ・スパイダー ==
[[マイアミ・バイスのフェラーリ|※詳細は「'''マイアミバイスのフェラーリ'''」を参照。]]
 
=== フェラーリ・デイトナ・スパイダー ===
ソニーが乗る[[フェラーリ・365GTB/4]] デイトナ・スパイダーは本物ではなく、アメリカのマクバーニー(Mcburney)社が制作したレプリカ。[[シボレー・コルベット]](C3)を土台に制作されており、外観が微妙に異なる複数の車両が撮影に使用された。このドラマのヒットと共にデイトナのレプリカモデルは飛ぶように売れ、雨後の筍の様にデイトナのレプリカを制作する会社がカリフォルニアに乱立。一方で増え続けるバックオーダーに対処する為、量産体制に入った本家マクバーニー社のレプリカは台数を重ねるごとに段々粗悪な作りになる。
:[[マイアミ・バイスのフェラーリ#フェラーリ・デイトナ・スパイダー(シーズン1~2)|※詳細は「'''マイアミバイスのフェラーリ'''」を参照。]]
 
:クロケットが乗る[[フェラーリ・365GTB/4|フェラーリ365GTS/4]] デイトナ・スパイダーは本物ではなく、アメリカのマクバーニー(Mcburney)社が制作したレプリカ。[[シボレー・コルベット]](C3)をベースに製作されており、外観が微妙に異なる複数の車両が撮影に使用された。このドラマのヒットと共にデイトナのレプリカモデルは飛ぶように売れ、雨後の筍の様にデイトナのレプリカを制作する会社がカリフォルニアに乱立。一方で増え続けるバックオーダーに対処する為、量産体制に入った本家マクバーニー社のレプリカは台数を重ねるごとに段々粗悪な作りになる。その後マクバーニー社は本家のフェラーリ社より提訴され敗訴した。
その後マクバーニー社は本家のフェラーリ社より提訴され、敗訴した。
:シーズン3の第1話でスティンガーの試射の標的にされて爆破され、ソニーはフェラーリ・テスタロッサに乗り換えているのだが、[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第7話「復讐のガンマン・最後の決闘!」|S3・7話「復讐のガンマン 最後の決闘!」]]ではなぜかデイトナに戻っている。これは当初「復讐のガンマン 最後の決闘!」がシーズン3の第1話になる予定だったものを、デイトナ爆破エピソードこそ第1話にふさわしいと判断されオンエアの順番が入れ替えられた事が原因である。
 
=== フェラーリ・テスタロッサ ===
シーズン3の第1話でスティンガーの試射の標的にされて爆破され、ソニーはフェラーリ・テスタロッサに乗り換えているのだが、シーズン3第7話「復讐のガンマン 最後の決闘!」ではなぜかデイトナに戻っている。これは当初「復讐のガンマン 最後の決闘!」がシーズン3の第1話になる予定だったものを、デイトナ爆破エピソードこそ第1話にふさわしいと判断されオンエアの順番が入れ替えられた事が原因である。
:[[マイアミ・バイスのフェラーリ#フェラーリ・テスタロッサ(シーズン3~5)|※詳細は「'''マイアミバイスのフェラーリ'''」を参照。]]
 
:番組にテスタロッサが登場した最初はボディーカラーは黒であったが、破壊されたデイトナ・スパイダーの後継として貸与される時から、夜の街中で映えるようにとボディカラーが白に変わった。S3・1話「無差別テロリストの恐怖!」で使用された黒色のテスタロッサを白に再塗装したものである。
== ソニーのフェラーリ・テスタロッサ ==
:このテスタロッサも撮影用に本物とレプリカを使い分けていることが分かる。ハードな走行シーン(急発進のシーンなども含む)や、車の近くで建物などの爆破などがある場合はレプリカが使われ、静かに走行するシーンなどでは本物のテスタロッサが使われている。劇中でソニーがレプリカに乗って急発進するシーンがあるが、その時のテールランプを見るとレプリカがATであることを確認できるし、ホイールの形状を見てもわかるシーンがある。この作品ではフェラーリ・テスタロッサのレプリカとして有名なポンティアック・フィエロをベースにしたレプリカではなく、[[デ・トマソ・パンテーラ]]のシャシーと事故車から取り出した本物のフェラーリ・テスタロッサのボディを合体させた特製のレプリカを製作して使用している。
[[マイアミ・バイスのフェラーリ|※詳細は「'''マイアミバイスのフェラーリ'''」を参照。]]
 
=== [[キャデラック・ドゥビル]] [[クーペ]] [[コンバーチブル]] 1964年型 Cadillac Coupe DeVille Convertible ===
番組にテスタロッサが登場した最初はボディーカラーは黒であったが、破壊されたデイトナ・スパイダーの後継として貸与される時から、夜の街中で映えるようにとボディカラーが白に変わった。シーズン3 第1話「無差別テロリストの恐怖!」で使用された黒色のテスタロッサを白に再塗装したものである。ただしドラマの中では押収した車体を白く塗装したという言及はない。
:タブスが愛用するブルーメタリックのキャデラックは、[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第10話「潜入!売春組織 女刑事ジーナの危機」|S1・10話「潜入!売春組織 女刑事ジーナの危機」]]で初登場した。
:撮影用に2台が用意された。1台はグレーがかったライトブルーメタリックのボディに黒いステアリングホイール。もう1台は若干グリーンが混じったライトブルーメタリックで白のステアリングホイールが装備されている<ref>{{Cite web |title=Tubbs' Coupe de Ville |url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Tubbs%27_Coupe_de_Ville |website=Miami Vice Wiki |access-date=2023-02-22 |language=en}}</ref>。S3・1話「無差別テロリストの恐怖!」ではシーンが切り替わる度に2台のキャデラックが入れ替わっている。
:黒のステアリングホイールの車体は2007年にベルギーのコレクターが購入し、オリジナルカラーに再塗装され1968年型のエンジンに載せ替えられたという情報がある<ref>{{Cite web |title=Cadillac DeVille Convertible - Les véhicules - Deux Flics à Miami - L'encyclopédie francophone sur la série Miami Vice |url=https://www.deuxflicsamiami.fr/Accessoires/Les-vehicules/Cadillac-DeVille-Convertible-1964.html |website=DeuxFlicsAMiami.fr |access-date=2023-02-22}}</ref>。もう1台は不明。
:
:1963年型、または同じボディパネルを使用するエルドラドと混同されることが多いが、1964年型は1963年型のマイナーチェンジモデルでありテールライトの形状で判別できる。また、エルドラドとの違いは後部タイヤカバーの有無で、タブスのキャデラックにはタイヤカバーが付いていることからエルドラドでないことがわかる。
:幌(コンバーチブル)が閉じた状態が見られるのは[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第15話「運び屋のブルース」|S1・15話「運び屋のブルース」]]のみ。[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第20話「VIP暗殺計画!楽園を襲うテロの嵐」|S2・20話「VIP暗殺計画!楽園を襲うテロの嵐」]]では電動で幌が閉じるシーンがある。
 
=== [[ダッジ・ラムバン|ダッジ・ラム バン]] B-250 Dodge Ram Van ===
このテスタロッサも撮影用に本物とレプリカを使い分けていることが分かる。ハードな走行シーン(急発進のシーンなども含む)や、車の近くで建物などの爆破などがある場合はレプリカが使われ、静かに走行するシーンなどでは本物のテスタロッサが使われている。劇中でソニーがレプリカに乗って急発進するシーンがあるが、その時のテールランプを見るとレプリカがATであることを確認できるし、ホイールの形状を見てもわかるシーンがある。この作品ではフェラーリ・テスタロッサのレプリカとして有名なポンティアック・フィエロをベースにしたレプリカではなく、[[デ・トマソ・パンテーラ]]のシャシーと事故車から取り出した本物のフェラーリ・テスタロッサのボディを合体させた特製のレプリカを製作して使用している。
:スワイテクとジートが乗るバン。
:"BUG BUSTERS"という害虫駆除の業者を装い監視やおとり捜査に使用する車両。S2・9話「レイプ犯を追いつめろ!女刑事ジーナ怒りの銃弾」で情報屋モレノによってバンが盗まれ、転売を企てるモレノに向かってジートが「おれのバンを返せ」と迫ることからジートに貸与されている車両と思われる。
:シーズン1〜2でスワイテクとジートがバンを使用するシーンはコミカルな演出ばかりだったが、シーズン3からシリアスなストーリーが多くなるのに合わせて単色グリーンの地味なバンに変わった。
:シーズン2の1979年型はスワイテク刑事を演じた[[マイケル・タルボット]]が引き取り、生まれ故郷のアイオア州ウェイバリーでしばらく乗り回していたと自身のフェイスブックに書いている。ルーフの羽アリも一緒に持ち帰った。
 
*'''第1話:1981年型 ホワイト'''
== ソニーのパワーボート ==
:両側にスライドドア。大雑把な作りの巨大な蜘蛛がルーフ上に載せられ、側面に"BUG BUSTERS"という架空の害虫駆除業者のロゴが描かれている。電話番号は999-9999とある。
*'''[[:en:Chris-Craft_Boats|クリスクラフト]] 390 スティンガー '''(第1話のみ)
*'''第2話以降のシーズン1:1981年型 ホワイト'''
*'''390X スティンガー '''(シーズン1の第2話以降)<br />'''Chriscraft 390X Stinger'''
:貨物室側面に両開きのドア(ダブルサイドドア)が付くタイプになる。
:ボディサイドの電話番号は478-1357 。ルーフの蜘蛛はパイロット版と同じだが、車内から脚を揺らすギミックが見られる。シーズン1の途中で蜘蛛から羽アリに載せ替えられ、羽根を電動でゆっくりと動かすことが出来る。
*'''シーズン2〜5:1979年型 グリーン'''
:明るいグリーンのボディにオレンジ色のBUG BUSTERSのロゴがある。ルーフ上の羽アリは少々リアルさを増し、ボディ全面に多数のシロアリのシルエットが描かれるなど、より人目を惹く外観に変わった。
:シーズン3以降はボディのデコレーションが全て取り払われ、地味な単色グリーンになった。
 
== 使用する船舶 ==
全長39フィート、420馬力の[[:en:Mercury_Marine|マーキュリー・マークルーザー]]製エンジン×2基、最高速度は時速約100キロ。
クロケットはマリーナのヨットで生活し、ヨットの隣にはパワーボートが係留されている。2隻の係留場所は[https://www.miamiandbeaches.world/thing-to-do/water-activities/miamarina-at-bayside/2915 マイアマリーナ]の[https://www.google.co.jp/maps/@25.7787528,-80.1846866,400m/data=!3m1!1e3?hl=ja&shorturl=1 北側の桟橋]だが、シーズン2の中頃から背後で[https://www.baysidemarketplace.com/ ベイサイドマーケットプレース]の建設が始まったせいか撮影場所が転々と変わる<ref>{{Cite web |title=St. Vitus Dance |url=https://miamiviceonline.com/index.php?/topic/603-st-vitus-dance/ |website=The Miami Vice Community |accessdate=2021-05-11 |language=en-US}}</ref>。シーズン4の中盤頃から再び元の場所に戻された。
 
=== パワーボート ===
パイロット版は390スティンガー、第2話以降のシーズン1は390Xスティンガーを使用する。
*'''クリスクラフト 390スティンガー/390Xスティンガー Chriscraft 390X Stinger'''
:シーズン1で使用。
:全長39フィート。420馬力の[[:en:Mercury_Marine|マーキュリー・マークルーザー]]製エンジン×2基を搭載し、最高速度は時速約100キロ。
:[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第1話「決闘サブマシンガン!巨大組織を叩き潰せ!」|第1話(パイロット)]]のみ[[:en:Chris-Craft_Boats|クリスクラフト]]社のスティンガー390を使用。低い鉄橋をくぐったりクロケットがボートに飛び降りるシーンの撮影に支障があるため、ウィングの形を模したレーダーマウントアーチが付いていない<ref>{{Cite web|title=Chris Craft 390 Stinger|url=https://miamiviceonline.com/index.php?/topic/10380-chris-craft-390-stinger/|website=The Miami Vice Community|accessdate=2019-11-07|language=en-US}}</ref>。
:第2話からスティンガー390Xを使用。[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第8話「ボートレースに隠された麻薬密輸ルート」|S1・8話「ボートレースに隠された麻薬密輸ルート」]]のレースではターボチャージャーを追加し、中央座席を増設してジートがスロットルマンとして搭乗した。
:ドラマがヒットするにつれ優美な外観のパワーボートが望まれたため、シーズン2からウェルクラフト・スカラベに替えられてしまう。クリスクラフト社はシーズン2以降のリース契約の継続、またはボートを買い取るようユニバーサルTVに申し出たが拒否されてしまった。<ref>{{Cite web|title=Crockett's SCARAB|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Crockett%27s_SCARAB|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2019-11-07|language=en}}</ref>
 
*'''ウェルクラフト KV38 スカラベ Wellcraft KV38 Scarab'''
第1話「血闘サブマシンガン!巨大組織を叩きつぶせ!」で使われる390スティンガーは、冒頭でタブス刑事がボートを奪って逃げるシークエンスで低い鉄橋をくぐったりクロケット刑事がボートに飛び降りるシーンの撮影に支障があるため、ウィングの形を模したレーダーマウントアーチが付いていない<ref>{{Cite web|title=Chris Craft 390 Stinger|url=https://miamiviceonline.com/index.php?/topic/10380-chris-craft-390-stinger/|website=The Miami Vice Community|accessdate=2019-11-07|language=en-US}}</ref>。
:シーズン2〜5で使用。
:全長38.8フィート。575馬力のマークルーザー製エンジン×2基を搭載し、最高速度は時速約100キロ。
:モデル名の38KVは全長と船体のケブラー素材を表す。[[スカラベ]]とは直訳すると「フンコロガシ」だが、古代エジプトで太陽を司る神の遣いと考えられた甲虫のこと。
:撮影には4ないし5種類のスカラベが使われている。それぞれの違いはカラーリング、エンジンフードの形状、キャビン入口のドアの形状、マウントアーチに取り付けられた2つの前照灯の有無など。主演の[[ドン・ジョンソン]]が所有するスカラベも数回登場しているという。[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第14話「冷血の殺人兵器密輸機関を叩け」|S4・14話「冷血の殺人兵器密輸機関を叩け」]]のチェイスシーンでは、フィルムの使いまわしによりシーズン1のスティンガー390Xも散見される<ref>{{Cite web|title=Wellcraft Scarab 38 KV|url=https://miamiviceonline.com/index.php?/topic/10384-wellcraft-scarab-38-kv/|website=The Miami Vice Community|accessdate=2019-11-07|language=en-US}}</ref>。
:[[:en:Wellcraft|ウェルクラフト]]社には注文が殺到し、ドラマと同じカラーリングを施した「KV38マイアミバイス エディション」を発売した。100艇ほどが販売されそのうちの1艇がドン・ジョンソンに進呈された。こちらのKVという名は、ウェルクラフトの社長でスカラベの設計者でもあるラリー・スミス氏率いる"'''K'''AAMA Racing"と"'''V'''ice"の頭文字も意味している<ref>{{Cite web|title=Miami Vice Boat – ICONIC PREMIER|url=http://www.iconicpremier.world/miami-vice-boat/|accessdate=2019-11-07|language=en}}</ref>。
:
 
=== ヨット ===
第8話「ボートレースに隠された麻薬密輸ルート」のレースシーンでは3座に改造され、中央にジートがスロットルマンとして搭乗した。
クロケットは[[マリーナ]]に係留する'''セント・ヴィトゥス・ダンス号'''(St.Vitus Dance=[[ルカニアのヴィトゥス|聖ヴィトゥス]]の踊り)というヨットに寝泊まりし、周囲からは釣りガイドのソニー・バーネットで通っている。ビスケーン湾に建つ邸宅の監視にも度々使われる。「ヨット暮らしは素性が知られにくいから潜入捜査には最適だ」とクロケットは話しているが、暗殺者や犯罪組織、政府要人に場所を突き止められ襲われたことが幾度かあった。また妻キャロラインとの別居生活にも好都合だった。
 
撮影には[https://sailboatdata.com/sailboat/cabo-rico-38 カボ・リコ38]、[https://sailboatdata.com/sailboat/endeavour-40 エンデヴァー40]、[https://sailboatdata.com/sailboat/endeavour-42 エンデヴァー42]の3種類を使用しているが、船名が同じなので設定上は同一の船と思われる。
ドラマがヒットするにつれ、番組制作サイドはより優美な外観のパワーボートを望んだためシーズン2からウェルクラフト・スカラベに替えられてしまう。これにはクリスクラフト社は不満を呈し、シーズン2以降のリース契約の継続、またはボートを買い取るようユニバーサルTVに申し出たが拒否されてしまった。<ref>{{Cite web|title=Crockett's SCARAB|url=https://miamivice.fandom.com/wiki/Crockett%27s_SCARAB|website=Miami Vice Wiki|accessdate=2019-11-07|language=en}}</ref>
 
*'''カボ・リコ38 Cabo Rico38'''
*'''ウェルクラフト KV38 スカラベ'''<br />'''[[:en:Wellcraft|Wellcraft]] KV38 Scarab'''
:第1話(パイロット)で使用。
:1972年に中米[[コスタリカ]]で創業して以来、順調にセールスを続けるカボ・リコ社製38フィートのセイルボート。
:アメリカに進出しようと1983年に[[フォートローダーデール]]にカボリコUSAをオープンしたところ、第1話の撮影に貸し出されることになった。
 
*'''エンデヴァー40CC Endeavor40CC'''
シーズン2〜5で使用。
:第1話(パイロット)を除くシーズン1で使用。
:エンデヴァー・ヨット・コーポレーションのヒット商品で、1977年から4年間で185隻を販売した。
:CCは「センターコクピット」(操舵席が甲板中央にある)の略で、これにより操縦が容易になっただけでなく、機関室の真上に操舵席を置いたため広々とした船内を実現した。このレイアウトはエンデヴァー社の独占だった。
:船の先端と船尾の2つのキャビンにダブルベッドがあり、中央ギャレーのソファーもダブルベッドに変身する。トイレ兼用のシャワールームが2基、ミニキッチン、冷蔵庫、640リットルの水タンクなどを備え、6名で3日間程度の航海が出来る<ref>{{Cite web|title=1981 Endeavour 40 Sloop Sailboat|url=https://www.endeavourowners.com/dscsn/forsale/e40sale21.html|website=www.endeavourowners.com|accessdate=2021-05-11}}</ref>。
:50馬力のディーゼルエンジンと280リットルの燃料タンクにより、風力を利用しなくても約300マイル(480キロ)の航行が可能である。
*'''エンデヴァー42CC Endeavor42CC'''
:シーズン2〜5で使用。
:エンデヴァー40よりも全長0.6m、全幅0.4m拡張され船内が広くなった。1970年代に[[キーラーゴ島|キーラーゴ]]で創業したエンデヴァー社は年間200隻以上を販売したが、1980年代の不況で売上げが落ち込み1986年に買収された<ref>{{Cite web|title=The History of the Endeavour Yacht Corporation and Endeavour Sailboats|url=http://www.endeavourowners.com/hist.html|website=www.endeavourowners.com|accessdate=2021-05-11}}</ref>。が、評判の良いエンデヴァー42は買収されたあとも生産が続けられた。
:創業者のジョン・ブルックスはエンデヴァー号の技術顧問に携わっていたが、1996年に[[フロリダ州]][[セントピーターズバーグ (フロリダ州)|セントピーターズバーグ]]の自宅で強盗に殺害され<ref>{{Cite web|title=The History of the Endeavour Yacht Corporation and Endeavour Sailboats|url=http://www.endeavourowners.com/hist.html|website=www.endeavourowners.com|accessdate=2021-05-06}}</ref>同時にエンデヴァー号のブランドは幕を閉じた。
:撮影に使用した3代目セント・ヴィトス・ダンス号(42cc)は2020年から[[キーウェスト]]の[https://keywestsailingadventure.com/ キーウェストセイリングアドベンチャー]が所有し、レンタルすることが出来る(2024年現在)。
 
=== (ワニのエルヴィス) ===
全長38.8フィート、575馬力のマークルーザー製エンジン×2基、最高速度は時速約100キロ。モデル名のKVはケブラー製の船体を、38は全長を表す。[[スカラベ]]とは直訳すると「フンコロガシ」だが、古代エジプトで太陽を司る神の遣いと考えられた甲虫のこと。
:「エルヴィス」はセント・ヴィトゥス・ダンス号で飼われているワニの名前である。
:クロケットが学生時代に所属していたフットボールチームの[https://americanfootball.fandom.com/wiki/Florida_Gators フロリダゲイターズ]のマスコットだったが、飼育できなくなったのでクロケットが引き取った。船から逃げ出して騒ぎになったりクロケットが大事にしている[[レコード|レコード盤]]を食べるなど面倒ばかり起こすが、余所者を驚かす程度の役にはおおい立っている。オレンジ色の毛布がお気に入り。
:
:[[アリゲーター科]]、推定年齢は15〜18歳。クロコダイルと比べると比較的大人しい性格とされている。
:エルヴィスはフロリダ州[[デイビー (フロリダ州)|デイビー]]の{{仮リンク|フラミンゴガーデン|en|Flamingo Gardens}}内にあった「ゲイターワールド」で飼育されていた。ワニは慣らすどころか飼うことすら困難な生き物だが、選ばれた理由は体長2.6メートル・140キロという巨体にあったのだろうと担当飼育員のジョージ・ハーウェルは語っている<ref>{{Cite web|title=DAVIE ALLIGATOR MAKES GOOD IN ROLE AS SONNY'S SCALY PAL IN 'MIAMI VICE'|url=https://www.sun-sentinel.com/news/fl-xpm-1985-10-02-8502110501-story.html|website=Sun-Sentinel.com|accessdate=2021-05-07|language=en-US|first=Kevin Davis, Staff|last=Writer}}</ref>。
:エルヴィスと一緒に代役の「プレスリー」も用意された。出演要請があるとハーウェルらは2頭の口に粘着テープを巻き付けてトラックで運搬した<ref>{{Cite web|title=DAVIE ALLIGATOR MAKES GOOD IN ROLE AS SONNY'S SCALY PAL IN 'MIAMI VICE'|url=https://www.sun-sentinel.com/news/fl-xpm-1985-10-02-8502110501-story.html|website=Sun-Sentinel.com|accessdate=2021-05-07|language=en-US|first=Kevin Davis, Staff|last=Writer}}</ref>。ストレスを与えないよう休憩を多く取るため、数分程度の出番でも撮影現場にいる時間は十数時間にも及んだという。2匹で時給250ドルを稼いだ<ref>{{Cite web|title=ELVIS LIVES ... IN SAURIAN SPLENDOR|url=https://www.sun-sentinel.com/news/fl-xpm-1988-09-01-8802200353-story.html|website=Sun-Sentinel.com|accessdate=2021-05-12|language=en-US|first=Amy Wilson, Staff|last=Writer}}</ref>。
:シーズン1では実際にマリーナに停泊する船上で撮影したが、シーズン2の始め頃からヨットを汚損しないよう船を模したセットで撮影するか、船上でワニのモックアップを使用するケースが増えた。
:
:[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]は刑事がワニを飼うという非現実的なシナリオが最初から気に入らなかったそうで、シーズン2の途中から徐々に出番が減っていく。シーズン3に入ると予算削減とシリアスなストーリーに合わないという理由からその姿が見られるのは第2話までとなり、その後は会話の中に出てくる程度になった。
:出演を終えた後、正確な時期は不明だが1986〜1990年頃にゲイターワールドにいる他のワニに噛み殺され、園内に埋葬された。
 
== 使用する銃器 ==
シーズン2~5で使用。撮影には4種類ないし5種類のスカラベが使われている。それぞれの違いはカラーリング、エンジンフードの形状、キャビン入口のドアの形状、マウントアーチに取り付けられた2つの前照灯の有無など。主演の[[ドン・ジョンソン]]が所有するスカラベも数回登場している。
シーズン4・第14話「冷血の殺人兵器密輸機関を叩け」”''Baseballs of Death''”のチェイスシーンでは、フィルムの使いまわしによりシーズン1のスティンガー390Xも散見される<ref>{{Cite web|title=Wellcraft Scarab 38 KV|url=https://miamiviceonline.com/index.php?/topic/10384-wellcraft-scarab-38-kv/|website=The Miami Vice Community|accessdate=2019-11-07|language=en-US}}</ref>。
 
=== クロケットの銃 ===
ドラマのおかげでウェルクラフト社には注文が殺到し、同社はドラマと同じカラーリングを施した「KV38マイアミバイス エディション」を発売した。100艇ほどが販売されそのうちの1艇がドン・ジョンソンに進呈された。ドラマにも数回登場している。こちらのKVという名は、ウェルクラフトの社長でスカラベの設計者でもあるラリー・スミス氏率いる"KAAMA Racing"と"Vice"の頭文字から取っている<ref>{{Cite web|title=Miami Vice Boat – ICONIC PREMIER|url=http://www.iconicpremier.world/miami-vice-boat/|accessdate=2019-11-07|language=en}}</ref>。
 
*'''ブローニングBDA.45ACP Browning BDA'''
== ソニーのヨット ==
: 第1話(パイロット)で使用。[[SIG SAUER P220]]の[[.45ACP弾|.45口径]]バージョンで、当時は[[ブローニング・アームズ|ブローニング社]]が輸入販売していた。P220とはグリップとスライド右側のマーキングが異なる。
ソニー・クロケットは[[マリーナ]]に係留するヨットで暮らしている。船名はセント・ヴィトス・ダンス号(St.Vitus Dance、「[[ルカニアのヴィトゥス|聖ヴィトゥス]]の踊り」の意)。
 
*'''ドーナウス&ディクソン ブレン・テン Dornaus and Dixon Co. Bren Ten'''
マリーナでは釣りガイドのソニー・バーネットで通っており、ヨット暮らしは素性が知られにくいから潜入捜査に最適だとクロケットは言うが、暗殺者や犯罪組織、政府要人に襲われたことが幾度かあった。またキャロラインとの別居生活にも好都合だった。
: シーズン1の第2話以降とシーズン2で使用し、専ら「ソニー・クロケットの銃」として定着している。オリジナルの[[ブレン・テン]]は黒色の炭素鋼のスライドとステンレスシルバーのフレームを持つツートンカラーだが、夜のシーンでも見映えがするようマット仕上げのクロムメッキモデルを2丁用意した。
: 発砲シーンは[[10x25mm ノーマ・オート弾|10mm弾]]の空砲が入手できなかったため.45ACP弾を使用した。
 
*'''S&W M645'''
撮影には[https://sailboatdata.com/sailboat/cabo-rico-38 カボ・リコ38]、[https://sailboatdata.com/sailboat/endeavour-40 エンデヴァー40]、[https://sailboatdata.com/sailboat/endeavour-42 エンデヴァー42]の3種類のヨットを使用しているが、船名が同じなので設定上は同一の船と考えられる。
: シーズン3から使用。1986年にドーナウス&ディクソン社が倒産したため、NBCは[[スミス&ウェッソン|スミス&ウェッソン社]]と契約しM645に代えられた。
 
*'''S&W M4506'''
係留場所は[https://www.miamiandbeaches.world/thing-to-do/water-activities/miamarina-at-bayside/2915 マイアマリーナ]の北側の桟橋だが、シーズン2中頃から背後で[https://www.baysidemarketplace.com/ ベイサイドマーケットプレース]の建設が始まったせいか撮影場所が転々と変わる<ref>{{Cite web|title=St. Vitus Dance|url=https://miamiviceonline.com/index.php?/topic/603-st-vitus-dance/|website=The Miami Vice Community|accessdate=2021-05-11|language=en-US}}</ref>。シーズン4の途中辺りから再び元の場所に戻された。
: シーズン5で使用。1988年後半にスミス&ウェッソンが発表した第3世代の自動拳銃。
 
* '''カボデトニクスリコ38ポケット9 Detonics CaboPocket Rico389'''
: 第1話のみ使用。バックアップ用に左足首に携行している。
 
*'''デトニクス・コンバットマスター.45ACP Detonics Combat Master'''
第1話(パイロット)で使用。
: シーズン1の第2話以降からシーズン4まで使用した。
 
*'''S&W CS45'''
1972年に中米[[コスタリカ]]で創業して以来、今も順調にセールスを続けている{{仮リンク|カボ・リコ|en|Cabo Rico Yachts}}社製のセイルボート。
: S&W社と契約したシーズン5から使用していると見られる。最終回で確認できる。
 
=== タブスの銃 ===
アメリカに進出しようと1983年に[[フォートローダーデール]]にカボリコUSAをオープンしたところ第1話の撮影に貸し出されることになった。
 
* '''エンS&W M38 ボヴァィガ40CC  Smith & Wesson Model 38 Endeavor40CCBodyguard'''
: パックマイヤー製のラバーグリップを装着する。弾丸をリロードするシーンが見られるのは[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧#第6話「極秘クラブ・愛欲のスキャンダルを撃て!!」|S2・7話「蘇った悪魔の教祖!美女誘拐事件にひそむゾンビの呪い!!」]]の一度限り。
 
*'''イサカ M37 ステークアウト Ithaca Model 37 Stakeout'''
第1話(パイロット)を除くシーズン1で使用。
: シーズン1~3で使用した。
: タブスに[[ソードオフ・ショットガン]]を持たせようと提案したのは銃器アドバイザーの[[ジム・ズビアナ]]だった。その理由は[[フィリップ・マイケル・トーマス]]の拳銃の扱いがあまりに雑すぎて敏腕刑事に見えないからであった<ref>{{Cite web |title=How a Single Scene From an '80s TV Show Changed the Action Genre Forever |url=https://movieweb.com/miami-vice-scene-changed-action-genre-forever/ |website=MovieWeb |date=2024-05-09 |access-date=2025-01-06 |language=en |first=Nathan |last=Williams}}</ref>。
: ステークアウトとは「張り込み」の意味。
 
*'''スミス&ウェッソン 3000 Smith & Wesson 3000'''
40CCはエンデヴァー・ヨット・コーポレーションのヒット商品で1977年に発売されてから4年間で185隻を販売した。
: シーズン4から使用。
: S&W M3000をベースにウィルソン・コンバット社が銃身と銃床を短く改造したポンプ式ショットガン。銃身長は7.9インチで装弾数は3発。銃身が短すぎてポンプ動作が出来ないため、折り畳み式のフォアグリップが装備される<ref>{{Cite web |title=Miami Vice - Season 3 - Internet Movie Firearms Database - Guns in Movies, TV and Video Games |url=https://www.imfdb.org/wiki/Miami_Vice_-_Season_3 |website=www.imfdb.org |access-date=2025-01-30}}</ref>。
 
=== クロケットのショルダーホルスター ===
CCは「センターコクピット」の略。船の中央に操舵席があるため操縦やデッキ上の移動が容易になっただけでなく、操舵席の直下にエンジンルームを配置して船内を無駄なくレイアウト出来た。この方式は当時エンデヴァー社の独占状態だったという。
クロケットの[[ホルスター]]は3種類が確認されている。ドン・ジョンソンは腰ベルトに留める昔ながらのヒップホルスターを要望したが、基本的にベルトを付けない衣装のため彼の意見は通らなかった。
 
*'''ビアンキ X15 Bianchi X15'''
船の先端と船尾の2つのキャビンにダブルベッドがあり、中央ギャレーのソファーもダブルベッドに変身する。トイレ兼用のシャワールームが2基、ミニキッチン、冷蔵庫、640リットルの水タンクなどを備え、6名乗船で3日間程度の航海が出来る<ref>{{Cite web|title=1981 Endeavour 40 Sloop Sailboat|url=https://www.endeavourowners.com/dscsn/forsale/e40sale21.html|website=www.endeavourowners.com|accessdate=2021-05-11}}</ref>。
:第1話(パイロット)で使用'''。'''
:マイケル・マンは「[[ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー]]」(1981)で[[ジェームズ・カーン]]が装着したジャッカスレザーカンパニーの”ジャッカスリグ”を使おうと考えていた。しかし会社と連絡が取れなくなっておりビアンキX15を用意した。
:ビアンキのホルスターは銃を縦に差し込んで肩からぶら下げる単純な構造のため、激しい動きをすると脇の下でホルスターが暴れてしまいドン・ジョンソンの演技に支障が生じた。そのため使用は1話限りとなった。
 
*'''テッドブロッカー・ライフライン Ted Blocker LifeLine'''
50馬力のディーゼルエンジンと280リットルの燃料タンクにより風力を利用しなくても約300マイル(480キロ)の航行が可能である。
:シーズン1・第2話〜シーズン3で使用<ref>{{Cite web |title=About Us |url=https://tedblockerholsters.com/pages/about-us |website=Ted Blocker Holsters |accessdate=2022-02-18 |language=en}}</ref>。
:第2話からジャッカス・リグによく似たデザインの[https://tedblockerholsters.com/ テッドブロッカー]社のライフラインを採用。しかし薄いジャケット越しにホルスターの形が浮き出てしまううえ、ドン・ジョンソンも着け心地が不快だと不満を漏らしていた。
 
*'''ジャッカスレザーカンパニー・ジャッカスリグ Jackass Leather Company Jackass Rig'''
* '''エンデヴァー42CC  Endeavor42CC'''
:シーズン2の途中から使用。
:何としてもジャッカスリグを手に入れたかったマイケル・マンは、制作スタッフにシカゴの銃砲店に片っ端から電話させた。するとジャッカス社はシカゴからアリゾナ州[[フェニックス (アリゾナ州)|フェニックス]]に1983年に移転し、社名も[https://www.galcogunleather.com/ ギャルコ・インターナショナル](GALCO=Great American Laser Company)に改名していることがわかった<ref>{{Cite web |title=Galco Miami Classic Shoulder Rig |url=https://www.thearmorylife.com/galco-miami-classic-shoulder-rig/ |website=The Armory Life |date=2020-06-01 |accessdate=2022-02-15 |language=en-US |first=Eli |last=Duckworth}}</ref>。
:連絡を受けたギャルコのリチャード・ギャラガー社長は技術者と共にマイアミに飛び、ドン・ジョンソンの体型を採寸してホルスターを製作した。それを着けたドン・ジョンソンは「手袋のようにフィットする」と満足気だったという<ref>{{Cite web |title=Galco Miami Classic Shoulder System Review |url=https://thegunzone.com/galco-miami-classic-shoulder-system-review/ |website=TheGunZone |date=2022-01-28 |accessdate=2022-02-15 |language=en-US |first=William |last=Taylor}}</ref>。
:最初の頃はマガジンホルダーが間に合わなかったため、シーンによってテッドブロッカーも並用した。またシーズン3でブレン・テンからS&W M645に代わったときはホルスターも新調した。
:このホルスターは拳銃を素早く抜けるように水平に保持する構造で、1970年代にシークレットサービスなど向けに考案された。マイアミバイスのおかげで人気商品となり、商品名もジャッカスリグから「マイアミクラシック」”Miami Classic Shoulder System”に変更した。同時に『世界で最もコピー品が作られたホルスター』にもなった<ref>{{Cite web |title=Galco MC212 Miami Classic Shoulder Holster System, Tan – Most 1911s, Right Draw |url=http://discounttacticalsupply.com/galcomiamiclassicshoulderholstersystemblackmost1911srightdraw-1.aspx |website=Discount Tactical Supply |accessdate=2022-02-15 |language=en-us}}</ref>。撮影に使われたジャッカス・リグは、ドン・ジョンソンのサイン入り写真と共にGALCO社に展示されている。
 
== 異例とも言えるテーマソングの大ヒット ==
シーズン2〜5で使用。
 
=== 異例の大ヒット ===
エンデヴァー40よりも全長で0.6m・全幅で0.4m拡張され、さらにゆとりのある船室から同社では「フローティングホテル」と称していた。
番組のサウンドトラックは、発売された1985年から翌年にかけアメリカだけで300万枚を超える大ヒットとなった。中でも[[ヤン・ハマー]]が手掛けたテーマソングは、1985年の夏にシングルカットされ、全米チャート([[Billboard Hot 100]])でナンバーワンを記録した(1985年11月9日付。S2・6話「極秘クラブ・愛欲のスキャンダルを撃て!!」が放映された週)。80年代のインストゥルメンタルによるナンバーワンヒットは、この曲と、[[ヴァンゲリス]]の『Chariots Of Fire』(映画「炎のランナー」のテーマ)の2曲しかなく、この曲がナンバーワンヒットになったあとは、2013年初頭にBaauer(バウアー)の『Harlem Shake』がナンバーワンに輝くまで、およそ28年近くインストゥルメンタルによるナンバーワンヒットは出なかった。
 
[[2002年]]にはヤン・ハマー作曲のインストゥルメンタル曲のみで構成された『MIAMI VICE:The Complete Collection』2枚組CDアルバムが限定発売され、[[2014年]]現在プレミア価格で売買されている。
1970年代に[[キーラーゴ島|キーラーゴ]]で創業したエンデヴァー社は年間200隻以上を販売するほどに急成長したが、1980年代の不況で徐々に売上げが落ち込み1986年に倒産し買収された<ref>{{Cite web|title=The History of the Endeavour Yacht Corporation and Endeavour Sailboats|url=http://www.endeavourowners.com/hist.html|website=www.endeavourowners.com|accessdate=2021-05-11}}</ref>。評価が高かったエンデヴァー42は買収されたあとも生産が続けられ、創業者のジョン・ブルックスは買収されたあともエンデヴァー号の技術顧問やボート関連事業に携わっていた。しかし1996年に[[フロリダ州]][[セントピーターズバーグ (フロリダ州)|セントピーターズバーグ]]の自宅で強盗に殺害され、<ref>{{Cite web|title=The History of the Endeavour Yacht Corporation and Endeavour Sailboats|url=http://www.endeavourowners.com/hist.html|website=www.endeavourowners.com|accessdate=2021-05-06}}</ref>同時にエンデヴァー号のブランドも幕を閉じた。
しかし、[[2011年]]からダウンロード版が「[[Amazon.com]]」等で販売されており、高価なCDを買わずとも楽曲を楽しむことはできる。ダウンロード版にはCDに収録されていないボーナストラックも含まれる。
 
また、ヤン・ハマーは当時の[[チェコスロバキア]](現在の[[チェコ共和国]]及び[[スロバキア共和国]])出身アーティストで初めて全米ナンバーワンを獲得したアーティストとなった。
撮影に使用した42CC(3代目セント・ヴィトス・ダンス号)は2020年から[[キーウェスト]]の[https://keywestsailingadventure.com/ キーウェストセイリングアドベンチャー]が所有し、レンタルすることが出来る。
 
=== ワニ参加エルヴィス経緯 ===
ヤン・ハマーのインタビューによると、彼を招き入れたのは[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]で、ハマーが携わった過去のテレビドラマで名前を憶えていたのだという<ref>{{Cite web |title=Hammer Time: Talking ‘Miami Vice’ with Legendary Keyboardist Jan Hammer |url=https://pjmedia.com/ed-driscoll/2024/04/02/hammer-time-talking-miami-vice-with-the-legendary-composer-jan-hammer-n4927822 |website=pjmedia.com |date=2024-04-02 |access-date=2025-01-10 |language=en |first=Ed |last=Driscoll}}</ref>。
エルヴィスはセント・ヴィトス・ダンス号で飼われているワニの名前である。
 
マンに呼ばれてオフィスを訪ねると、マンと第1話(パイロット)のトーマス・カーター監督がいた。まだ出演者すら決まっていない時期だったが、マンは「今までにないテレビドラマを作りたい」と計画中の刑事ドラマの趣向を話し始め、ハマーも最近のテレビ番組にはうんざりしていたので彼の意図をすぐに理解した。ハマーは持参したカセットテープの曲を聴かせると2人とも気に入った様子で、他にもいくつか作ってみたが結局その曲がテーマ曲に採用された。
クロケットが学生時代に所属していたフットボールチーム、[https://americanfootball.fandom.com/wiki/Florida_Gators フロリダゲイターズ]のマスコットだったのを引き取った。船から逃げ出して騒ぎになったりクロケットが大事にしている[[レコード|レコード盤]]を食べるなど面倒ばかり起こすが、余所者を驚かす程度の役には立っている。オレンジ色の毛布がお気に入り。
 
やがてドラマの撮影が始まると編集済みのビデオテープが[[ニューヨーク州]]ブリュースターの自宅兼スタジオに送られてきて、それを見ながら全て1人で作曲した。最初は市販のVHSデッキしか持っておらずストップウォッチで計測しながら作曲していたが、シーズン1の終わり頃にプロ仕様のビデオデッキとシンクロナイザー、[[24トラック]]のテープレコーダーを導入したおかげで作業効率が格段に向上した<ref>{{Cite web |title=Hammer Time: Talking ‘Miami Vice’ with Legendary Keyboardist Jan Hammer |url=https://pjmedia.com/ed-driscoll/2024/04/02/hammer-time-talking-miami-vice-with-the-legendary-composer-jan-hammer-n4927822 |website=pjmedia.com |date=2024-04-02 |access-date=2025-01-10 |language=en |first=Ed |last=Driscoll}}</ref>。収録したVHSテープは航空便でロサンゼルスに送り返した。
撮影用のワニはフロリダ州[[デイビー (フロリダ州)|デイビー]]の{{仮リンク|フラミンゴガーデン|en|Flamingo Gardens}}内にあった「ゲイターワールド」で飼育されていた。[[アリゲーター科]]、推定年齢は15〜18歳。ワニは慣らすどころか飼うことすら困難な生き物だが、選ばれた理由は体長2.6メートル・140キロという巨体にあったのだろうと担当していた飼育員ジョージ・ハーウェルは語っている<ref>{{Cite web|title=DAVIE ALLIGATOR MAKES GOOD IN ROLE AS SONNY'S SCALY PAL IN 'MIAMI VICE'|url=https://www.sun-sentinel.com/news/fl-xpm-1985-10-02-8502110501-story.html|website=Sun-Sentinel.com|accessdate=2021-05-07|language=en-US|first=Kevin Davis, Staff|last=Writer}}</ref>。
 
大変な仕事量だったが否定的な意見は一切なく、好きなようにやらせてくれたおかげで重圧から逃れることが出来た。マンに指示されたのはシーズン2の途中で「どんどん曲を作ってくれ」と言われたことくらいだった。
エルヴィスには常に代役が用意されておりこちらはプレスリーと呼ばれた。出演要請があるとハーウェルらは2頭を捕獲し口にテープを巻き付けてトラックで運搬した<ref>{{Cite web|title=DAVIE ALLIGATOR MAKES GOOD IN ROLE AS SONNY'S SCALY PAL IN 'MIAMI VICE'|url=https://www.sun-sentinel.com/news/fl-xpm-1985-10-02-8502110501-story.html|website=Sun-Sentinel.com|accessdate=2021-05-07|language=en-US|first=Kevin Davis, Staff|last=Writer}}</ref>。彼らにストレスを与えないよう休憩を多く取るため、数分程度の出番でも撮影現場にいる時間は十数時間にも及んだという。2匹で時給250ドルを稼いだ<ref>{{Cite web|title=ELVIS LIVES ... IN SAURIAN SPLENDOR|url=https://www.sun-sentinel.com/news/fl-xpm-1988-09-01-8802200353-story.html|website=Sun-Sentinel.com|accessdate=2021-05-12|language=en-US|first=Amy Wilson, Staff|last=Writer}}</ref>。
 
だがシーズン3の頃になると疲れ果ててしまい、プロデューサーが交代したこともあって降板を考え始めたという。シーズン3を製作中の1986年、ロサンゼルスで開催されたオーディオ機器の展示会で、会場にいたハマーのところにジョン・ピーターセンという青年が訪ねてきて、自作の楽曲を聴いて貰おうとハマーにカセットテープを手渡した。それが気に入られ、シーズン4から参加することになった<ref>{{Cite web |title=A conversation with Miami Vice and MTV composer John Petersen |url=http://celluloidtunes.no/a-conversation-with-miami-vice-and-mtv-composer-john-petersen/ |website=Celluloid Tunes |date=2020-11-11 |access-date=2024-02-22 |language=nb-NO |first=Jon |last=Aanensen}}</ref>。
シーズン1ではマリーナのヨット上で撮影していたが、シーズン2の始め頃からヨットを汚損させないようにと船を模したセットで撮影するか船上でワニのモックアップを使用するケースが増えた。[[マイケル・マン (映画監督)|マイケル・マン]]は刑事がワニを飼うという非現実的なシナリオが最初から気に入らなかったそうで、シーズン2辺りから徐々に出番が減っていった。シーズン3に入ると予算削減とシリアスなストーリーに合わないという理由からその姿が見られるのは第2話までとなり、その後は会話の中に出てくる程度になった。
 
シーズン4の半ば頃からピーターセンに任せハマーは徐々に退いていった。シーズン5からはティム・トルーマンに変わった。
出演を終えた後、正確な時期は不明だが1990年までの約4年の間にゲイターワールドにいる他のワニに噛み殺され、園内で埋葬された。
 
== ソニーのホルスター ==
ソニー・クロケットの[[ホルスター]]は3種類が確認されている。ドン・ジョンソンは腰ベルトに留める昔ながらのヒップホルスターを要望したが、基本的にベルトを付けない衣装のため彼の意見は通らなかった。
 
*'''[https://safariland.com/pages/bianchi ビアンキ] X15  Bianchi X15'''
 
第1話(パイロット)で使用'''。'''
 
マイケル・マンは自身の監督作「[[ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー]]」(1981)で[[ジェームズ・カーン]]が装備していた”ジャッカスリグ”を使おうと考えていた。しかしジャッカスリグの販売元であるジャッカスレザーカンパニーと連絡が取れなくなっていたためビアンキX15を用意した。
 
ビアンキは銃を縦に差し込んで肩からぶら下げるだけのオーソドックスな構造のため、激しい動きをする撮影になると脇の下でホルスターが暴れてしまいドン・ジョンソンの演技に支障が生じてしまった。そのためパイロットフィルム1話限りの出番となった。
 
*'''[https://tedblockerholsters.com/ テッドブロッカー]ライフライン  Ted Blocker LifeLine'''
 
シーズン1の第2話〜シーズン3で使用。
 
ビアンキに代わり第2話からジャッカス・リグによく似たデザインのテッドブロッカー・ライフラインを採用。しかし薄いジャケット越しにホルスターの形が浮き出てしまううえドン・ジョンソンも着け心地が不快だと不満を漏らしていた。
 
*'''ジャッカスレザーカンパニー ジャッカスリグ Jackass Leather Company Jackass Rig'''
 
シーズン2の途中から登場。最初の数話はテッドブロッカーとジャッカスリグが併用されている。
 
番組スタッフはジャッカスリグを何としても入手しようとシカゴの銃砲店に片っ端から電話したところ、ジャッカス社はマイアミバイスが始まる前年の1983年にシカゴからアリゾナ州[[フェニックス (アリゾナ州)|フェニックス]]に移転しており、社名も[https://www.galcogunleather.com/ ギャルコ・インターナショナル](GALCO= Glate American Lazer Companyの略)に変更していることがわかった。連絡を受けたギャルコのリチャード・ギャラガー社長は設計担当者と共にマイアミに飛び、ドン・ジョンソンの体型に合わせたホルスターを製作した。それを着けたドン・ジョンソンは「手袋のようにフィットする」と満足気だったという。
 
このホルスターは拳銃を水平に保持する構造で、銃を素早く引き抜く場面があるような用途向け(シークレットサービスなど)としてシカゴのジャッカスレザーカンパニー社が1970年代に発案したものだったが、10年近く経ってようやく日の目を見た。その後ジャッカスリグは商品名を”マイアミクラシック”(Miami Classic Shoulder System)に変えGALCOのヒット商品となると同時に「世界で最もコピー品が作られたホルスター」にもなった。
 
== スワイテクとジートのバン ==
'''[[ダッジ・ラムバン|ダッジ・ラム バン]] B-250  Dodge Ram Van''' 
 
スワイテク刑事とジート刑事が "BUG BUSTERS"という害虫駆除の業者を装い監視やおとり捜査に使用する車両。シーズン2第9話「レイプ犯を追いつめろ!女刑事ジーナ怒りの銃弾」でバンが盗まれるエピソードでは、転売を企てるモレノに向かってジートが「おれのバンを返せ」と迫ることから、ジートに貸与されている車両と考えられる。
 
スワイテクとジートが登場するシーンは全体的にコミカルな演出が多く、車にもそれに見合った改造が施されているが、シーズン2の後半あたりからシリアスなストーリーが増えてくるにつれて2人の笑いを誘うようなシーンも徐々に減っていき、シーズン3からはデコレーションが無い単色グリーンの地味なバンになった。
 
シーズン2以降の1979年型はシリーズが終了したあとスワイテク刑事を演じた[[マイケル・タルボット]]が引き取り、生まれ故郷のアイオア州ウェイバリーでしばらくのあいだ乗り回していたことを自身のフェイスブックに書いている。車と一緒にシーズン2の羽アリも一緒に持ち帰った。
 
* パイロット版は1981年型のホワイト。両側にスライドドア。大雑把な作りの巨大な蜘蛛がルーフ上に載せられ、側面に"BUG BUSTERS"という架空の害虫駆除業者のロゴが描かれている。電話番号は[tel:999-9999 999-9999]とある。
 
* シーズン1でも1981年型のホワイトだが、貨物室側面に両開きのドア(ダブルサイドドア)が付くタイプになる。ボディサイドの電話番号は [tel:478-1357 478-1357] 。ルーフの蜘蛛はパイロット版と同じだが、車内から脚を揺らすギミックが見られる。シーズン1の途中から羽アリに載せ替えられ、羽根を電動でゆっくりと動かすことが出来る。
 
* シーズン2からは1979年型。明るいグリーンのボディにオレンジ色のBUG BUSTERSのロゴがある。ルーフ上の羽アリは少々リアルさを増し、ボディ全面に多数のシロアリのシルエットが描かれるなど、より人目を惹く外観に変わった。
 
* シーズン3~5のダッジ・ラム バンは、ボディのデコレーションが全て取り払われた単色のグリーンになった。シーズン2と同じ車両とみられる。
 
== 異例とも言えるテーマソングの大ヒット ==
番組のサウンドトラックは、発売された1985年から翌年にかけアメリカだけで300万枚を超える大ヒットとなった。中でもヤン・ハマーが手掛けたテーマソングは、1985年の夏にシングルカットされ、全米チャート([[Billboard Hot 100]])でナンバーワンを記録した(1985年11月9日付)。80年代のインストゥルメンタルによるナンバーワンヒットは、この曲と、[[ヴァンゲリス]]の『Chariots Of Fire』(映画「炎のランナー」のテーマ)の2曲しかなく、この曲がナンバーワンヒットになったあとは、2013年初頭にBaauer(バウアー)の『Harlem Shake』がナンバーワンに輝くまで、およそ28年近くインストゥルメンタルによるナンバーワンヒットは出なかった。
 
[[2002年]]にはヤン・ハマー作曲のインストゥルメンタル曲のみで構成された『MIAMI VICE:The Complete Collection』2枚組CDアルバムが限定発売され、[[2014年]]現在プレミア価格で売買されている。
しかし、[[2011年]]からダウンロード版が「[[Amazon.com]]」等で販売されており、高価なCDを買わずとも楽曲を楽しむことはできる。ダウンロード版にはCDに収録されていないボーナストラックも含まれる。
 
また、ヤン・ハマーは当時の[[チェコスロバキア]](現在の[[チェコ共和国]]及び[[スロバキア共和国]])出身アーティストでは初めて全米ナンバーワンを獲得したアーティストとなった。
 
==日本での放映==
[[1986年]]10月7日から[[1988年]]3月29日まで[[テレビ東京]]系列の[[火曜日]]21:00に放送された。初回放送時は第1話冒頭に[[小林克也]]の作品解説が挿入された。しかし視聴率不振のため、[[1988年]]の春の改編時に打ち切りとなった。このためシーズン4の途中までしか放送されず、そこから先のエピソードは長らく日本未放映であった。また、[[テレビ東京]]放送時にはエピソードの抜けが4本あった(53話 Baby Blues、56話 Down For The Count Part1、57話 Down For The Count Part2、77話 Rising Sun of Death)。
 
その後、[[2004年]]から[[スカパー|CS]]の[[アクションチャンネル|AXN]]にて『'''マイアミ・バイス'''』の名称でようやく日本初の全話放送が実施された(吹替えの無いエピソードは字幕対応)。
 
[[2007年]]には全話が[[DVD]]化され、最終話はオリジナルの声優陣で吹替版が新規収録された。[[2014年]]現在では廉価版が発売されており、容易に全てのエピソードを鑑賞することができる。
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テレビ東京放送時には日本独自でクロケットとタブスの掛け合いによる次回予告があったが、これはDVDには収録されていない。
 
2021年7月19日より[[AXN]]にて、シーズン1からシーズン3までの放送(吹替版)開始した。2024年にはHuluでシーズン1のみを配信。いずれもテレビ東京で放映されたバージョンである。
 
===日本語版製作スタッフ===
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== ユニバーサルスタジオのスタントショー ==
[[ユニバーサル・パークス&リゾーツ]]は自社所有する2ヶ所のテーマパークで「マイアミバイス」をモチーフとするスタントショーを興行していた。
 
*'''ユニバーサルスタジオ・ハリウッド'''
 
=== ユニバーサルスタジオ・ハリウッド ===
カリフォルニア州ロサンゼルスの[[ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド|ユニバーサルスタジオハリウッド]]では "''The A-Team Live Stunt Show"''<ref>{{Cite web|title=the studiotour.com - Universal Studios Hollywood - The A Team Live Stunt Show|url=http://www.thestudiotour.com/ush/attractions/ateamliveaction.php|website=www.thestudiotour.com|accessdate=2021-08-02}}</ref>([[特攻野郎Aチーム]]のショー)に代わり、1987年から'''”''Miami Vice Action Spectacular''”''' をスタートした。{{要出典範囲|ショーを担当する[[ユニバーサル・クリエイティブ|ユニバーサルクリエイティヴ]]は「[[ランボー]]」を企画し進めていたが、親会社のユニバーサルから急遽マイアミバイスに変更するとの指示を受け計画を全て破棄、それからわずか4ヶ月半で完成させたという。|date=2021-8}}
 
この約15分間のスタントショーは、[[カリブ海]]の小さな島にある麻薬組織のアジトにクロケットとタブスが乗り込んで壊滅するという筋立て。[[ヤン・ハマー]]の音楽をバックに2人が登場し激しい銃撃戦を展開するが、中盤からは[[水上オートバイ]][[ホバークラフト]]、[[トロッコ]]を操ったり使用し、クライマックスでは敵の軍用[[ヘリコプター]]が現れ墜落爆発するなどテレビシリーズとはだいぶ趣きが異なっている。またショーの途中で司会進行役が現れスタントや特殊効果について解説をするという演出も見られた<ref>{{Cite web|title=Extinct Attractions - Miami Vice Action Spectacular|url=https://www.laughingplace.com/w/blogs/disney-extinct-attractions/2020/06/12/extinct-attractions-miami-vice-action-spectacular/|website=LaughingPlace.com|date=2020-06-12|accessdate=2021-08-02|language=en-US}}</ref>。
 
舞台装置はカリフォルニア州サンディマスにある[http://www.rideshow.com/miamivice.html Ride & Show Engineering]によって製作されたもので、セットや特殊効果の装置などに540万ドルを要した<ref>{{Cite web|title=Miami Vice Action Spectacular|url=http://www.thestudiotour.com/wp/studios/universal-studios-hollywood/theme-park/past-attractions/miami-vice-action-spectacular/|website=theStudioTour.com|accessdate=2021-08-02|language=en-GB}}</ref>。爆発や着弾の演出には可燃性ガスや圧縮空気を使用し、ヘリコプターは自在に動くアームに取り付けられた、ている。これらは毎回同じ動作をするようプログラムされていた。
 
スタント監修はベテラン[[スタントマン]]のアレックス・プラッシャート(1932-2007)が担当した。ショーでは大勢の悪人が倒されるように見えるが、実際には悪人役のスタントマンは6人しか使われていない<ref>{{Cite web|title=SamLand's Disney Adventures|url=httphttps://samlanddisney.blogspot.com/|accessdate=2021-08-04|language=en}}</ref>。プラッシャートはその後[[ラスベガス・ストリップ|ラスベガスストリップ]]の「トレジャーアイランドショー」も手がけた<ref>{{Cite web|title=Alex Plasschaert|url=httphttps://www.imdb.com/name/nm0686727/|website=IMDb|accessdate=2021-07-21}}</ref>。
 
ショーは1995年1月に終了し、同年の秋から「ウォーターワールド」が始まっに模様替えした。
 
*'''=== ユニバーサルスタジオ・フロリダ''' ===
[[フロリダ州]][[オーランド]]の[[ユニバーサル・スタジオ・フロリダ|ユニバーサルスタジオフロリダ]]では、1990年から”'''''Dynamite Nights Stunt Spectacular''''' ”と称する約20分間のスタントショーをスタートした<ref>{{Cite web|title=Dynamite Nights Stunt Spectacular|url=https://universalstudiosflorida.fandom.com/wiki/Dynamite_Nights_Stunt_Spectacular|website=Universal Studios Florida Wiki|accessdate=2021-08-02|language=en}}</ref>。ハリウッド版ほど凝った舞台装置は用意されずボートやジェットスキーを使った水上ショーをメインとしており、露骨にマイアミバイスを意識する演出ではなかった。火花や火炎を多用するため、閉園する直前の暗くなる時間帯に毎日1回だけ公演された。
 
テレビシリーズは1989年に終わったが、このショーはその翌年の1990年に始まり2000年まで続いた。その後は噴水や花火、レーザーなどを駆使する水上ショーに代わった。
[[フロリダ州]][[オーランド]]の[[ユニバーサル・スタジオ・フロリダ|ユニバーサルスタジオフロリダ]]では、1990年から”'''''Dynamite Nights Stunt Spectacular''''' ”と称する約20分間のスタントショーをスタートした<ref>{{Cite web|title=Dynamite Nights Stunt Spectacular|url=https://universalstudiosflorida.fandom.com/wiki/Dynamite_Nights_Stunt_Spectacular|website=Universal Studios Florida Wiki|accessdate=2021-08-02|language=en}}</ref>。ハリウッドほど凝った舞台装置は使用されずボートやジェットスキーを使った水上ショーをメインとしており、露骨にマイアミバイスを意識する演出ではなかった。火花や火炎を多用するため、閉園する直前の暗くなる時間帯に毎日1回だけ公演された。
 
== パロディ・オマージュ ==
テレビシリーズは1989年に終わったが、このショーはその翌年の1990年に始まり2000年まで続いた。その後は噴水や花火、レーザーなどを駆使する水上ショーに代わった。
*『[[セサミストリート]]』- 2匹の[[ネズミ]]が登場する「マイアミ・マイス」”''Miami Mice''”(マイスはマウスの複数形)が放送された。ドイツでは同じ声優が吹替えをした。
*『[[殺したい女]]』(1986) - [[ビル・プルマン]]が演じるアールが飼っている金魚の名前がクロケットとタブスである<ref>{{Citation|title='Crockett and Tubbs... they're floatin'!' - Ruthless People|last=Zucker|first=Jim Abrahams, David Zucker, Jerry|date=2020-12-12|url=https://clip.cafe/ruthless-people-1986/crockett-tubbs/|language=en|access-date=2024-02-20}}</ref>。
*『クリーブランド・バイス』- 1986年に「[[サタデー・ナイト・ライブ]]」の中で放映されたミニドラマ。クロケット風の刑事役を[[ハリー・ディーン・スタントン]]が演じる。
*『ニュージャージー・バイス』(1986)- コメディアンのジョー・ピスコポが作った短編テレビドラマ。タブス風の刑事役を[[エディ・マーフィ|エディ・マーフィー]]が演じる<ref>{{Citation|title=Eddie Murphy makes fun of Philip Michael Thomas' acting in Miami Vice spoof|last=The 80s-ish|date=2022-12-28|url=https://www.youtube.com/watch?v=ycRLcGPxcc4&feature=youtu.be|access-date=2025-01-11}}</ref>。
*『[[俺がハマーだ!|俺がハマーだ!]]』- テレビのニュースキャスターが番組を終えるときに「では引き続きマイアミバイスをお楽しみ下さい("Back to Miami Vice."」とアナウンスし、ハマーがテレビを拳銃で撃ち抜くシーンがある。
*『[[パラドールにかかる月]]』(1988)- 劇中で映画俳優を演じる[[リチャード・ドレイファス]]の衣装や髪型がシーズン2のソニー・クロケットに酷似している。
*『[[ザ・シンプソンズ]]』- シーズン27の ”''Ra-Z Rider”'' はマイアミバイスなどの1980年代の様々なポップカルチャーをアレンジしている<ref>{{Citation|title=Simpson Intro Miami Vice|url=https://www.youtube.com/watch?v=uisYvjtfM54|language=ja-JP|access-date=2024-02-20}}</ref>。
*『[[刑事ナッシュ・ブリッジス]]』- フィリップ・マイケル・トーマスがかつての相棒の役でゲスト出演している(シーズン6・14話)。
*『[[グランド・セフト・オート・バイスシティ]]』- 2002年にロックスターから発売されたビデオゲーム。ファッション、車、BGMなどが影響を受けており、フィリップ・マイケル・トーマスも声で出演した。
*『[[ナイキ]]のテレビCM』- 2010年のナイキのテレビCMで、ドン・ジョンソンがソニー・クロケット役で登場。
*『[[アントマン]] vol.14』- 2015年のマーヴェルコミックの表紙がクロケットとタブスのコスチュームだった<ref>{{Cite web |title=Ant-Man Vol 1 4 |url=https://marvel.fandom.com/wiki/Ant-Man_Vol_1_4 |website=Marvel Database |access-date=2024-02-20 |language=en}}</ref>。
*『[[フォールガイ (映画)|フォールガイ]]』(2024)- コルトを演じる[[ライアン・ゴズリング]]が「マイアミバイス・スタントチーム」のジャケットを着ており、ボートを操縦するシーンではマイアミバイスのテーマ曲が流れる。
 
== 関連項目 ==
*[[マイアミ・バイス (映画)]]
*[[特捜刑事マイアミ・バイスのエピソード一覧|「特捜刑事マイアミ・バイス」のエピソード一覧]]
*[[ソニー・クロケット (架空の人物)|ソニー・クロケット(架空の人物)]]
*[[マイアミ・バイスのフェラーリ]]
 
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
*{{Imdb title|id=0086759|title=Miami Vice}}
* {{imcdb movie|86759|Miami Vice}}
 
{{前後番組|
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{{DEFAULTSORT:とくそうけいし まいあみはいす}}
[[Category:アメリカ合衆国の刑事ドラマ]]
[[Category:アメリカ合衆国NBCのテレビドラマ]]
[[Category:NBCテレビ東京の刑事ドラマ]]
[[Category:テレビ東京のテレビドラマ]]
[[Category:マイアミを舞台としたテレビ番組]]
[[Category:二人組を主人公としたテレビドラマ]]